JP3729171B2 - 混合回路とこれを用いた高周波信号受信装置 - Google Patents

混合回路とこれを用いた高周波信号受信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放送信号や通信信号などの高周波信号を受信する高周波信号受信装置に用いられる混合回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のイメージ妨害を抑圧する混合回路(以下イメージリジェクションミキサ或いはIRMという)について説明する。
【0003】
従来のIRMは図15に示すように、高周波信号が入力される入力端子1101と、この入力端子1101に入力された高周波信号が供給されるとともに他方の入力には発振器1102の出力信号が供給される混合器1103と、この混合器1103からの出力が供給される出力端子1107と、入力端子1101に入力された高周波信号が一方の入力に供給される混合器1105と、この混合器1105の他方の入力と発振器1102の出力の間に接続されるとともに混合器1103の他方の入力の位相に対して−π/2ラジアン位相をシフトする発振器用移相器1104と、混合器1105の出力と出力端子1107との間に接続された−3π/2ラジアン位相をシフトさせる中間周波数用移相器1106とで構成されていた。
【0004】
以上のように構成された混合回路の動作は、結論として混合器1103の出力での位相に対して混合器1105の出力での位相差が−π/2ラジアンとなる設定とし、さらにこの混合器1105の出力には位相シフトが−3π/2ラジアンもたせた中間周波数用移相器1106の構成とすることにより、希望信号を通過させるとともにイメージ妨害信号をキャンセルできるものである。
【0005】
以下にその詳細について説明する。ここでは、入力信号、発振器1102の基本出力成分、発振器1102からの基本出力成分を受けて混合器1103および1105内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分の大きさはすべて1としている。また混合器1103と1105の利得、発振器用移相器1104、中間周波数用移相器1106の利得は1として、以下の説明を簡略化している。
【0006】
これは、出力端子1107から出力される信号は、2つの信号が加算されたりあるいは抑圧されたりして出力されるものであり、大きさより位相が問題となるからである。
【0007】
具体的には、入力信号である希望信号Vd、イメージ妨害信号Vi、発振器1102からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号(以下Vm1という)、発振器1102からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側に離れた妨害信号(以下Vm2という)のそれぞれの大きさを1としている。
【0008】
また、発振器1102の基本出力成分VLは1としている。この発振器1102からの基本出力成分VLを受けて混合器1103内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分VL3a、発振器用移相器1104を介して発振器1102からの基本出力成分を受けて混合器1105内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分VL3bのそれぞれの大きさについては、発振器1102の基本出力成分VLに対して実際には小さいものであるが説明を簡略化するため1としている。
【0009】
最初に入力端子1101に希望信号Vdとイメージ妨害信号Viが入力された場合について計算式を用いて説明する。
【0010】
ここで希望信号Vdを(数1)で表す。ただし、角周波数をω1、時間をt、位相角をθ1としている。
【0011】
【数1】
Figure 0003729171
【0012】
また、イメージ妨害信号Viを(数2)で表す。ただし、角周波数をω3、位相角をθ3としている。
【0013】
【数2】
Figure 0003729171
【0014】
さらに、発振器1102の基本出力成分VLを(数3)で表す。ただし、角周波数をω2、位相角をθ2としている。
【0015】
【数3】
Figure 0003729171
【0016】
混合器1103の一方の入力1103aにはこの希望信号Vdとイメージ妨害信号Viが2分配されて入力され、混合器1103の他方の端子1103bには発振器1102の基本出力成分VLが入力されるとして、混合器1103の出力1103cからの信号V(1103c)は(数4)で表す信号が出力される。
【0017】
【数4】
Figure 0003729171
【0018】
次に、混合器1105の一方の入力1105aには混合器1103と同じ信号が入力されるが、混合器1105の他方の入力1105bには発振器用移相器1104により発振器1102の位相が−π/2ラジアンだけ位相シフトした信号が入力されるので、混合器1105の出力1105cからのIF成分である信号V(1105c)は(数5)で表される。
【0019】
【数5】
Figure 0003729171
【0020】
この信号V(1105c)は中間周波数用移相器1106により−3π/2ラジアン位相シフトされるので、中間周波数用移相器1106の出力1106aの信号V(1106a)は(数6)となる。
【0021】
【数6】
Figure 0003729171
【0022】
また、出力端子1107では、V(1103c)とV(1106a)とが合成されるので(数7)で表されるV(1107)のIF成分が出力端子1107より出力される。
【0023】
【数7】
Figure 0003729171
【0024】
(数7)より明らかなように、希望信号VdのIF成分であるV(1103c)の1項とV(1106a)の1項は、互いに位相が一致するので2倍に合成される。その結果、(数7)で表す希望信号VdのIF成分が出力端子1107から出力される。
【0025】
一方、イメージ妨害信号ViのIF成分であるV(1103c)の2項とV(1106a)の2項は、互いに位相がπラジアンの関係となってキャンセルされる。その結果、出力端子1107からはイメージ妨害信号ViのIF成分は出力されない。
【0026】
図16は、従来の混合回路における希望信号とイメージ妨害信号の位相を表す図である。
【0027】
図16において、混合器1103および混合器1105における希望信号とイメージ妨害信号についての位相を表し、その大きさについては表現していない。さらに、希望信号は実線で、イメージ妨害信号は点線で表している。
【0028】
また、説明を単純化するために発振器1102の基本出力成分と入力端子1101から供給される希望信号およびイメージ信号のそれぞれの位相θ2とθ1とθ3がすべて0ラジアンであるとして以下説明している。
【0029】
最初に、混合器1103の一方の入力1103aへ入力される希望信号Vdは1131とし、イメージ妨害信号Viは1132として共に位相を0ラジアンとして表す。次に、混合器1103の他方の入力1103bに入力される信号1133も同位相として表すことができる。さらに前記(数4)から、混合器1103の出力1103cからIF成分として出力される希望信号1134は位相が0ラジアンとなり、またIF成分として出力されるイメージ妨害信号1135も位相が0ラジアンとなる。
【0030】
2番目に、混合器1105の一方の入力1105aへの希望信号Vdは1136とし、イメージ妨害信号Viは1137とし、混合器1103に入力される希望信号Vdの1131およびイメージ妨害信号Viの1132と同じになる。次に、混合器1105の他方の入力1105bに入力される信号1138は発振器用移相器1104を介しているので発振器1102の出力信号に対して−π/2ラジアンだけ位相シフトした信号として表される。
【0031】
混合器1105の出力1105cからIF成分として出力される希望信号1139およびイメージ妨害信号1140は、前記(数5)よりそれぞれ−π/2ラジアンだけ位相シフトする。さらに、出力1106aでは中間周波数用移相器1106により−3π/2ラジアンだけ位相シフトするので希望信号1141となり、イメージ妨害信号1142は図のように表すことができる。
【0032】
最後に、出力端子1107からIF成分として出力される希望信号は、混合器1103から出力される希望信号1134と混合器1105から出力される希望信号1141とが合成されることになる。これら希望信号1134と1141とは位相が一致しているので2倍となり希望信号1143となる。また、出力端子1107からIF成分として出力されるイメージ妨害信号は、混合器1103から出力されるイメージ妨害信号1135と混合器1105から出力されるイメージ妨害信号1142とが合成される。この場合、イメージ妨害信号1135と1142とは位相差がπラジアンの関係になっているのでキャンセルされて0となり出力されないことになる。これについては前記(数7)の計算結果と一致している。
【0033】
以上説明したように、希望信号は通過させるがイメージ妨害信号を位相キャンセルすることにより抑圧できるものである。
【0034】
従来のイメージ妨害を抑圧する混合回路は、特許文献1に記載されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0035】
また、書籍文献1に記載しているものもある(例えば、非特許文献1参照)。
【0036】
【特許文献1】
特開昭52−152710号公報
【非特許文献1】
Behzad Razavi (University of California,Los Angeles)
“RF MICROELECTORONICS”P138-146,1998
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の構成では、例えばテレビ放送信号で比較的低い周波数のチャンネル受信時には、イメージ妨害信号は抑圧できるが発振器1102からの基本周波数の3倍の周波数に対して中間周波数(以下IFという)だけ下側あるいは上側に離れた妨害信号があった場合にスプリアスが発生してしまい、受信の乱れや受信ができなくなるという課題があった。
【0038】
以下、その理由を述べる。ここでは、入力端子1101に発振器1102からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号が入力された場合について計算式を用いて説明する。
【0039】
ここで発振器1102からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号Vm1を(数8)で表す。ただし、角周波数をω4、位相をθ4としている。
【0040】
【数8】
Figure 0003729171
【0041】
さらに、発振器1102からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側に離れた妨害信号Vm2を(数9)で表す。ただし、角周波数をω5、位相をθ5としている。
【0042】
【数9】
Figure 0003729171
【0043】
発振器1102からの基本出力成分を受けて混合器1103内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分であるVL3aを(数10)で表す。
【0044】
【数10】
Figure 0003729171
【0045】
発振器用移相器1104を介して発振器1102からの基本出力成分を受けて混合器1105内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分であるVL3bを(数11)で表す。
【0046】
【数11】
Figure 0003729171
【0047】
混合器1103の一方の端子1103aには妨害信号Vm1とVm2とが2分配されて入力され、混合器1103の他方の入力1103bには3次高調波成分VL3aが入力される。このため、混合器1103の出力1103cからIF成分として出力されるV(1103c)は、(数12)で表す信号が出力されることになる。
【0048】
【数12】
Figure 0003729171
【0049】
次に、混合器1105の一方の入力1105aには混合器1103と同じ信号が入力されるが、混合器1105の他方の入力1105bには3次高調波成分VL3bが入力される。このため、混合器1105の出力1105cからIF成分として出力されるV(1105c)は、(数13)で表されることになる。
【0050】
【数13】
Figure 0003729171
【0051】
このV(1105c)は中間周波数用移相器1106により−3π/2ラジアン位相シフトされるので、中間周波数用移相器1106の出力1106aのV(1106a)は(数14)となる。
【0052】
【数14】
Figure 0003729171
【0053】
また、出力端子1107から出力されるV(1107)は、V(1103c)とV(1106a)との合成であり(数15)で表される。
【0054】
【数15】
Figure 0003729171
【0055】
(数15)より明らかなように、妨害信号Vm1のIF成分であるP(1103c)の第1項とP(1106a)の第1項とは、互いに位相がπラジアンの関係となってキャンセルされる。その結果、妨害信号Vm1のIF成分は、出力端子1107から出力されない。
【0056】
一方、妨害信号Vm2のIF成分であるP(1103c)の第2項とP(1106a)の第2項とは、互いに位相が一致するので2倍に合成されて出力端子1107から出力される。つまり、発振器1102からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側に離れた妨害信号Vm2は、妨害となってしまう。
【0057】
図17は、従来の混合回路における発振器からの基本周波数の3倍の周波数に関係する妨害信号の位相を表す図である。
【0058】
図17において、混合器1103および混合器1105の各ポイントにおける発振器1102からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号の位相を表し、その大きさについては表現していない。
【0059】
この時、妨害信号Vm1は実線で、妨害信号Vm2は点線で表している。
【0060】
最初に、妨害信号Vm1、Vm2をそれぞれ1171、1172とできる。これらの妨害信号Vm1とした1171、妨害信号Vm2とした1172が混合器1103の一方の端子1103aに入力される。また、混合器1103内で発生する3次高調波成分VL3aは前記(数10)より信号1173で表される。さらに、混合器1103の出力1103cから出力される妨害信号Vm1、Vm2のIF成分は前記(数12)より明らかなようにそれぞれ1174と1175で表すことができる。
【0061】
次に、混合器1105の一方の入力1105aへ入力される妨害信号Vm1、Vm2をそれぞれ1176と1177で表している。ここで、信号1176は信号1171と同じ信号が入力され、信号1172は信号1177と同じ信号が入力される。
【0062】
また、発振器1102の基本出力成分が発振器用移相器1104により−π/2ラジアンだけ位相シフトされた後に混合器1105の他方の入力に入力されるので、混合器1105内のリミッタ回路で発生した3次高調波成分であるVL3bは前記(数11)より信号1178で表すことができる。さらに、混合器1105の出力1105cから出力される妨害信号Vm1、Vm2のIF成分は前記(数13)よりそれぞれ信号1179と1180で表すことができる。
【0063】
次に、出力1105cからの妨害信号Vm1、Vm2のIF成分は中間周波数用移相器1106において−3π/2ラジアンだけ位相シフトされるので出力1106aでは前記(数14)よりそれぞれ信号1181と1182となる。
【0064】
以上より、出力端子1107から出力される妨害信号Vm1のIF成分は、信号1174と1181の合成信号となるが、互いに位相差がπラジアンの関係にあるのでキャンセルされて出力されない。
【0065】
これに対して、出力端子1107から出力される妨害信号Vm2のIF成分は、信号1175と1182との合成信号となる。ところが、信号1175と信号1182との互いの位相が一致しているので加算されて信号1183となって出力される。これについては前記(数15)の計算結果と一致している。
【0066】
なお、発振器1102からの出力信号が混合器1103および1105の他方の入力に入力されるのであるが、混合器1103、1105の基本性能を上げるための発振器1102からの入力レベルを混合器1103、1105内の増幅器により十分に大きくして用いている。または、リミッタ回路によって矩形波信号にしている。この矩形波信号を用いて受信信号をスイッチ動作させて混合器として用いている。
【0067】
このために、発振器1102そのものが持つ高調波成分が小さいものであっても後段である混合器1103、1105内の増幅器あるいはリミッタ回路により高調波成分が発生することになる。なお、回路を集積化した場合、集積化に適した差動形式をとるために偶数倍の高調波成分は比較的小さいが奇数倍の高調波成分は大きくなる。
【0068】
また発振器1102の基本出力成分に近い3次高調波成分あるいは5次高調波成分は比較的レベルが大きいため、これらの高調波成分に対しIFだけ上側あるいは下側に離れた周波数に妨害信号が存在すると妨害を受けて受信状態が劣化したりあるいは受信不可となってしまう。
【0069】
(表1)は、従来例であるIRMについて、発振器1102の基本出力成分により発生する高調波成分に関係した妨害信号を抑圧できるかどうかを表している。
【0070】
【表1】
Figure 0003729171
【0071】
(表1)において、発振器1102の基本周波数に対しての倍数を表すnが1の時は、発振器1102としては基本周波数を表しており、基本周波数−IFは希望信号を表し、基本周波数+IFはイメージ妨害信号を表している。このイメージ妨害信号に対して抑圧効果ありとして表している。
【0072】
さらに、n=3の場合は妨害信号Vm1に対して抑圧効果があるが、妨害信号Vm2に対しては抑圧効果なしとなる。さらに発振器1102からの基本周波数のnが5以上としたn倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号に対してはほとんど抑圧効果なしとして表している。
【0073】
このように、テレビ放送信号では比較的低い周波数のチャンネルを受信時に、発振器1102からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側に離れた周波数、または5倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた周波数に放送チャンネルがあると妨害信号となってしまって受信状態が悪くなるという課題があった。
【0074】
本発明は、このような問題点を解決するもので、イメージ信号、発振器からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号を抑圧できる混合回路(以下ハーモニックリジェクションミキサ略してHRMという)を提供することを目的としたものである。
【0075】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の混合回路は、高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が一方の入力に供給されるとともに他方の入力には発振器の出力信号が供給される第1の混合器と、この第1の混合器からの出力が供給される出力端子と、前記入力端子に入力された高周波信号が一方の入力に供給される第2の混合器と、この第2の混合器の他方の入力と前記発振器の出力との間に接続されるとともに前記第1の混合器の他方の入力の位相に対して−π/3ラジアン位相がシフトする第1の発振器用移相器と、前記第2の混合器の出力と前記出力端子との間に接続されるとともに前記第1の混合器の出力に対して−5π/3ラジアン位相がシフトした第1の中間周波数用移相器と、前記入力端子に入力された高周波信号が一方の入力に供給される第3の混合器と、この第3の混合器の他方の入力と前記発振器の出力との間に接続されるとともに前記第1の混合器の他方の入力の位相に対して−2π/3ラジアン位相がシフトした第2の発振器用移相器と、前記第3の混合器の出力と前記出力端子との間に接続されるとともに前記第1の混合器の出力に対して−4π/3ラジアン位相がシフトした第2の中間周波数用移相器とを有し、前記第1、第2、第3の混合器の他方の入力には各々リミッタ回路が接続された構成としたものである。
【0076】
これにより、イメージ妨害信号および発振器からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号を抑圧できる。
【0077】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が一方の入力に供給されるとともに他方の入力には発振器の出力信号が供給される第1の混合器と、この第1の混合器からの出力が供給される出力端子と、前記入力端子に入力された高周波信号が一方の入力に供給される第2の混合器と、この第2の混合器の他方の入力と前記発振器の出力との間に接続されるとともに前記第1の混合器の他方の入力の位相に対して−π/3ラジアン位相がシフトする第1の発振器用移相器と、前記第2の混合器の出力と前記出力端子との間に接続されるとともに前記第1の混合器の出力に対して−5π/3ラジアン位相がシフトした第1の中間周波数用移相器と、前記入力端子に入力された高周波信号が一方の入力に供給される第3の混合器と、この第3の混合器の他方の入力と前記発振器の出力との間に接続されるとともに前記第1の混合器の他方の入力の位相に対して−2π/3ラジアン位相がシフトした第2の発振器用移相器と、前記第3の混合器の出力と前記出力端子との間に接続されるとともに前記第1の混合器の出力に対して−4π/3ラジアン位相がシフトした第2の中間周波数用移相器とを有し、前記第1、第2、第3の混合器の他方の入力には各々リミッタ回路が設けられた混合回路であり、3個の混合器の出力での位相差がそれぞれπ/3ラジアンずつ異なる設定とし、さらにこの3個の混合器の出力にはそれぞれの位相に対応した位相をもたせた3個の中間周波数用移相器の構成としている。
【0078】
従って、イメージ妨害信号、発振器からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号、発振器からの基本周波数の5倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号のすべてを位相キャンセルすることによって抑圧でき、希望信号のみ通過させることができる。
【0079】
請求項2に記載の発明は、発振器の出力に前記発振器の基本出力成分を通過させるフィルタが直接挿入された請求項1に記載の混合回路であり、前記フィルタにより前記発振器から出力される第3次以上の高調波成分が抑圧されるので、前記第1、第2、第3の混合器の他方の入力へ前記発振器の3次以上の高調波成分を抑圧した信号を供給でき、前記発振器からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号をより確実に抑圧することができる。
【0080】
請求項3に記載の発明は、第1、第2の発振器用移相器をフリップフロップ形式で構成するとともに、第1、第2の中間周波数用移相器をポリフェイズフィルタで構成した請求項1に記載の混合回路であり、発振器の周波数を可変したものとしても、その出力信号をフリップフロップ形式にて位相シフトするので広帯域な受信周波数幅においても精度よく位相シフトができる。
【0081】
また混合器からの出力に対しては、単一のIF信号であるので、コンデンサと抵抗のみで安価に構成できる部品であるポリフェイズフィルタで位相シフトするものであり、高精度でかつ広帯域な受信周波数幅に対応できるとともに全体としてはコストパフォーマンスの優れた混合器とすることができる。
【0082】
請求項4に記載の発明は、第1、第2の発振器用移相器および第1、第2の中間周波数用移相器をポリフェイズフィルタで構成した請求項1に記載の混合回路であり、コンデンサと抵抗のみで安価に構成できる部品であるポリフェイズフィルタで位相シフトするものであり、低価格化が実現できる。また、これは比較的受信周波数の狭帯域な混合回路に適したものである。
【0083】
請求項5に記載の発明は、第1、第2の発振器用移相器および第1、第2の中間周波数用移相器をフリップフロップ形式で構成した請求項1に記載の混合回路であり、より高精度で広帯域な受信周波数幅に対応できる混合回路に適したものである。
【0084】
請求項6に記載の発明は、高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が一方の入力にそれぞれ供給されるM(Mは3以上の自然数)個の混合器と、このM個の混合器の他方のそれぞれの入力に信号を供給する発振器と、前記それぞれの混合器の出力が供給される出力端子とを有し、前記M個の混合器のうちK(Kは1からMまでの1ずつ順次加算される自然数)番目の混合器においては、前記第K番目の混合器の他方の入力と前記発振器との間に接続された−Kπ/Mラジアンの位相シフト量をもつ発振器用移相器と、前記第K番目の混合器の出力と前記出力端子との間には−2π+Kπ/Mラジアンの位相シフト量をもつ中間周波数用移相器を設けるとともに、前記それぞれの混合器の他方の入力には各々リミッタ回路が設けられた混合回路であり、イメージ妨害信号および前記発振器からの基本周波数の3倍以上から2M−3倍までのすべての周波数に対してそれぞれIFだけ下側および上側に離れたところに存在する妨害信号を抑圧することができる。
【0085】
請求項7に記載の発明は、発振器の出力に前記発振器の基本出力成分を通過させるフィルタが直接挿入された請求項6に記載の混合回路であり、前記フィルタにより前記発振器から出力される高調波成分を抑圧でき、前記第1から第Mの混合器のすべての他方の入力に前記発振器の高調波成分を抑圧した信号を供給できるので、前記発振器からの基本周波数の3倍以上から2M−3倍までのすべての周波数に対してそれぞれIFだけ下側および上側に離れた妨害信号による妨害をより確実に抑圧することができる。
【0086】
請求項8に記載の発明は、第M番目の混合器の他方の入力と発振器の出力との間が直接接続されるとともに、前記第M番目の混合器の出力と出力端子との間が直接接続された請求項6に記載の混合回路であり、前記第M番目の混合器に接続される発振器用移相器および中間周波数用移相器が省略されるので、部品の削減ができるものである。
【0087】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の第1の混合回路と、前記第1の混合回路内の第1の混合器と発振器とを共用してイメージリジェクションミキサを形成した第2の混合回路から成り、前記第1の混合回路と前記第2の混合回路は切替え用制御回路からの信号により切替え可能な切替え手段を有する混合回路であり、発振器からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側および下側に離れた妨害信号により受信状態が悪いときにはM=3としたHRMとしての前記第1の混合回路を動作させ、イメージ妨害信号による妨害のみのときにはIRMとしての前記第2の混合回路を動作させるように切替え可能としたものである。
【0088】
従って、受信状態の良否によって適宜切替えることができ、その結果として低消費電力化が可能となる。また、受信場所によって切替えることができるので携帯用等に適している。
【0089】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の混合回路において、Mの値を4とした第1の混合回路を形成するとともに、この混合回路内の部品を共用してイメージリジェクションミキサを形成し、切替え用制御回路からの信号により前記第1の混合回路と前記イメージリジェクションミキサとを切替え可能な切替え手段を有する混合回路であり、発振器からの基本周波数の3倍あるいは5倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号のため受信状態の悪いときにはM=4としたHRMとしての前記混合回路を動作させ、イメージ妨害信号による妨害のみのときには前記IRMを動作させるように切替え可能としたものである。
【0090】
従って、受信状態の良否によって適宜切替えることができ、その結果として低消費電力化が可能となる。また、受信場所によって切替えることができるので携帯用等に適している。
【0091】
この時、発振器用移相器の位相シフト量は−π/4ラジアン、2×(−π/4)ラジアン、3×(−π/4)ラジアンとなる。つまり、−π/4ラジアンの位相シフト量を持つ基準の発振器用移相器に対して2倍、3倍とできるので位相精度の要求されるときに使用するフリップフロップ方式を用いるときには設計が容易となる。
【0092】
請求項11に記載の発明は、イメージリジェクションミキサで形成された第1、第2の混合回路を設け、少なくとも前記第1の混合回路と前記第2の混合回路は発振器が共用されるとともに、前記第2の混合回路へ入力される発振器からの位相は前記第1の混合回路へ入力される発振器からの位相に対してそれぞれ−π/3ラジアンの位相シフトをもたせる発振器用移相器を設け、前記第1、第2の混合回路を並列接続して第3の混合回路を形成するとともに、前記第1の混合回路と前記第2の混合回路と前記第3の混合回路とを切替え用制御回路からの信号により切替え可能な切替え手段を有する混合回路としたものである。
【0093】
従って、受信状態の良否によって適宜切替えることができ、受信場所によっては低消費電力化が可能となるので携帯用等に適している。
【0094】
また、前記第1の混合回路および前記第2の混合回路の中間周波数用移相器の位相シフトがともに−π/2ラジアンと同じものを使用することができるので、ばらつきを抑えることができ妨害に対する抑圧度を高くできる。
【0095】
請求項12に記載の発明は、少なくとも混合器と発振器用移相器とは、同一のパッケージに集積された請求項6に記載の混合回路であり、混合器と発振器用移相器とは、同一のパッケージに集積されているので、特に発振器用移相器の間のばらつきを抑えることが可能である。また小型化に適している。
【0096】
請求項13に記載の発明は、少なくとも混合器と発振器用移相器と中間周波数用移相器は、同一のパッケージに集積された請求項6に記載の混合回路であり、少なくとも混合器と発振器用移相器と中間周波数用移相器は、同一のパッケージに集積されているので、特に発振器用移相器の間および中間周波数用移相器の間のばらつきを抑えることが可能である。また小型化に適している。
【0097】
請求項14に記載の発明は、高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が供給されるフィルタと、このフィルタの出力信号が接続される請求項1に記載の混合回路と、この混合回路の出力信号が供給される出力端子とを備え、イメージ妨害信号および発振器からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側および下側に離れた妨害信号となる周波数に関して前記フィルタの減衰特性が緩和された高周波信号受信装置であり、請求項1に記載の混合回路を用いることにより、発振器からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号、5倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号がキャンセルされるので、その分前記フィルタの減衰特性が緩和でき、小型化および低コスト化が可能となる。
【0098】
請求項15に記載の発明は、高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力される高周波信号が供給されるフィルタと、このフィルタの出力信号が接続された請求項6に記載の混合回路と、この混合回路の出力信号が供給される出力端子とを備え、イメージ妨害信号および前記混合回路内の発振器からの基本周波数の3倍以上から2M−3倍の周波数に対してそれぞれIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号となる周波数に関して前記フィルタの減衰特性が緩和された高周波信号受信装置であり、請求項6に記載の混合回路を用いることにより、Mを3以上として発振器からの基本周波数の3倍以上から2M−3倍の周波数に対してそれぞれIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号に関係する妨害がキャンセルされるので、その分前記フィルタの減衰特性を広範囲の周波数にわたって緩和でき、さらに小型化および低コスト化が可能となる。
【0099】
請求項16に記載の発明は、高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が入力されるフィルタと、このフィルタの出力信号が入力される請求項9に記載の混合回路と、この混合回路からの出力信号が入力される復調回路と、この復調回路からの出力信号が供給される出力端子と、前記復調回路からの出力信号が供給されるとともに前記高周波信号の信号品質を検出する検出回路と、この検出回路の出力と前記混合回路内の切替え手段との間に切替え用制御回路が設けられるとともに、前記検出回路の出力に基づいて前記切替え手段を切替える高周波信号受信装置であり、前記検出回路により受信状態が悪いと検出したときには、前記切替え用制御回路により前記混合器の切替え手段を低消費電力であるIRMから妨害特性の優れたHRMに切替えて受信状態の改善を行うことができるものであり、受信状態に合わせて最適な回路を選ぶことができる。
【0100】
請求項17に記載の発明は、高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が入力されるフィルタと、このフィルタの出力信号が入力される請求項10に記載の混合回路と、この混合回路からの出力信号が入力される復調回路と、この復調回路からの出力信号が供給される出力端子と、前記復調回路からの出力信号が供給されるとともに前記高周波信号の信号品質を検出する検出回路と、この検出回路の出力と前記混合回路内の切替え手段との間に切替え用制御回路が設けられるとともに、前記検出回路の出力に基づいて、前記切替え手段を切替える高周波信号受信装置であり、前記検出回路により受信状態が悪いと検出したときには、切替え用制御回路により前記混合器内の切替え手段を低消費電力であるIRMから妨害性能のさらに優れたM=4からなるHRMに切替えて受信状態の改善を行うことができるものであり、受信状態に合わせて最適な回路を選ぶことができる。
【0101】
請求項18に記載の発明は、高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が入力されるフィルタと、このフィルタの出力信号が入力される請求項11に記載の混合回路と、この混合回路からの出力信号が入力される復調回路と、この復調回路からの出力信号が供給される出力端子と、この出力端子からの出力信号が供給されるとともに前記高周波信号の信号品質を検出する検出回路と、この検出回路の出力と前記混合回路の切替え手段との間に切替え用制御回路が設けられるとともに、前記検出回路の出力回路の出力に基づいて、前記切替え手段を切替える高周波信号受信装置であり、前記検出回路により受信状態が悪いと検出したときには、切替え用制御回路により前記混合器の切替え手段を低消費電力であるIRMから妨害性能の非常に優れたM=4からなるHRMに切替えて受信状態の改善を行うことができるものであり、受信状態に合わせて最適な回路を選ぶことができる。
【0102】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0103】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における混合回路のブロック図である。
【0104】
図1において、本実施の形態の混合回路は、高周波信号が入力される入力端子1と、この入力端子1に入力された高周波信号が一方の入力に接続されるとともに他方の入力には発振器2の出力信号が接続された混合器3と、この混合器3からの出力が接続された出力端子10と、入力端子1に入力された高周波信号が一方の入力に接続された混合器5と、この混合器5の他方の入力と発振器2の出力との間に接続されるとともに混合器3の他方の入力の位相に対して−π/3ラジアン位相がシフトする発振器用移相器4と、混合器5の出力と出力端子10との間に接続されるとともに混合器3の出力に対して−5π/3ラジアン位相がシフトした中間周波数用移相器8と、入力端子1に入力された高周波信号が一方の入力に接続された混合器7と、この混合器7の他方の入力と発振器2の出力との間に接続されるとともに混合器3の他方の入力の位相に対して−2π/3ラジアン位相がシフトした発振器用移相器6と、混合器7の出力と出力端子10との間に接続されるとともに混合器3の出力に対して−4π/3ラジアン位相がシフトした中間周波数用移相器9とを有したものである。また、混合器3、5、7の他方の入力には各々リミッタ回路が設けられている。
【0105】
ここで、発振器2は発振周波数が約100MHzから約1000MHzまで連続して可変できるものである。また、混合器3、5、7の他方の入力には、増幅度の大きな増幅器、あるいはリミッタ回路が設けられている。これは、発振器2からの信号を矩形波にして入力端子1から入力信号を確実に混合するためである。
【0106】
さらに、発振器用移相器4、6では、発振器2からの出力信号の位相シフトするものであり、高精度なフリップフロップ形式とコンデンサと抵抗のみで安価に構成できるポリフェイズ形式が用いられる。
【0107】
例えば、この発振器2で可変される発振周波数が広帯域であるとき、あるいは位相シフト量として高い精度が必要とされるときにはフリップフロップ形式が用いられることが多い。しかし、可変される発振周波数が狭帯域であるとき、あるいは位相シフトとしてあまり高い精度が必要とされないときには安価なポリフェイズ形式が用いられる。
【0108】
さらに、中間周波数用移相器8、9では、混合器5、7からの出力である単一のIF信号を位相シフトするので、安価なポリフェイズ形式が用いられることが多い。しかし、位相シフトとして高い精度が必要とされるときにはフリップフロップ形式が用いられる。
【0109】
以上のように構成された混合回路について、以下にその動作を説明する。
【0110】
ここで、入力信号、発振器2の基本出力成分、発振器2からの基本出力成分を受けて混合器3および5および7内のそれぞれのリミッタ回路で発生する3次高調波成分の大きさはすべて1としている。また混合器3および5および7の利得、発振器用移相器4および6、中間周波数用移相器8および9の利得はそれぞれすべて1として、以下の説明を簡略化している。
【0111】
これは、出力端子10から出力される信号は、3つの信号が加算されたりあるいは抑圧されたりして出力されるものであり、大きさより位相が問題となるからである。
【0112】
具体的には、入力信号である希望信号Vd、イメージ妨害信号Vi、発振器2からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号(以下Vm1という)、発振器2からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側に離れた妨害信号(以下Vm2という)のそれぞれの大きさを1としている。
【0113】
また、発振器2の基本出力成分VLは1としている。この発振器2からの基本出力成分VLを受けて混合器3内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分VL3a、発振器用移相器4を介して発振器2からの基本出力成分を受けて混合器5内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分VL3b、発振器用移相器6を介して発振器2からの基本出力成分を受けて混合器7内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分であるVL3cのそれぞれの大きさは、発振器2の基本出力成分VL1に対して実際には小さいものであるが説明を簡略化するため1としている。
【0114】
最初に、入力端子1に希望信号Vdとイメージ妨害信号Viが入力された場合について計算式を用いて説明する。
【0115】
ここで、希望信号Vdを(数16)で表す。ただし、角周波数をω1、時間をt、位相角をθ1としている。
【0116】
【数16】
Figure 0003729171
【0117】
また、イメージ妨害信号Viを(数17)で表す。ただし、角周波数をω3、位相角をθ3としている。
【0118】
【数17】
Figure 0003729171
【0119】
さらに、発振器2の基本出力成分VLを(数18)で表す。ただし、角周波数をω2、位相角をθ2としている。
【0120】
【数18】
Figure 0003729171
【0121】
混合器3の一方の入力3aにはこの希望信号Vdとイメージ妨害信号Viが3分配されて入力され、混合器3の他方の入力3bには発振器2の基本出力成分VLが入力され、混合器3の出力3cからのV(3c)は(数19)で表す信号が出力される。
【0122】
【数19】
Figure 0003729171
【0123】
次に、混合器5の一方の入力5aには混合器3と同じ信号が入力されるが、混合器5の他方の入力5bには発振器用移相器4により発振器2の位相が−π/3ラジアンシフトした信号が入力されるので、混合器5の出力5cからのIF成分であるV(5c)は(数20)で表される。
【0124】
【数20】
Figure 0003729171
【0125】
この混合器5の出力5cのV(5c)は中間周波数用移相器8により−5π/3ラジアン位相シフトされるので、中間周波数用移相器8の出力8aのIF成分であるV(8a)は(数21)となる。
【0126】
【数21】
Figure 0003729171
【0127】
さらに、混合器7の一方の入力7aには混合器3と同じ信号が入力されるが、混合器7の他方の入力7bには発振器用移相器6により発振器2の位相が−2π/3ラジアンシフトした信号が入力されるので、混合器7の出力7cからのIF成分であるV(7c)は(数22)で表す信号が出力される。
【0128】
【数22】
Figure 0003729171
【0129】
この混合器7の出力7cのV(7c)は中間周波数用移相器9により−4π/3ラジアン位相シフトされるので、中間周波数用移相器9の出力9aの信号V(9a)は(数23)となる。
【0130】
【数23】
Figure 0003729171
【0131】
出力端子10から出力されるIF成分であるV(10)は、V(3c)とV(8a)とV(9a)の3つの信号が合成され、(数24)で表される。
【0132】
【数24】
Figure 0003729171
【0133】
(数24)より明らかなように、希望信号VdのIF成分であるV(3c)の1項とV(8a)の1項とV(9a)の1項は、互いに位相が一致するので3倍に合成される。その結果、(数24)で表す希望信号VdのIF成分が出力端子10から出力される。
【0134】
一方、イメージ妨害信号ViのIF成分であるV(3c)の2項、V(8a)の2項、V(9a)の2項についても互いに位相が2π/3ラジアンの関係となってキャンセルされる。その結果、出力端子10からはイメージ妨害信号ViのIF成分は出力されない。
【0135】
以下、これらの計算式に基づいて図を用いて信号の位相の変化を説明する。この時、説明を簡単にするために発振器2の基本出力成分、希望信号、イメージ信号のそれぞれの位相θ2、θ1、θ3がすべて0ラジアンであるとして説明している。
【0136】
図2は、本発明の実施の形態1における混合回路での希望信号とイメージ妨害信号の位相を表す図である。また、混合器3、5、7の各ポイントにおける希望信号とイメージ妨害信号についての位相を表し、その大きさについては表現していない。ここで、希望信号は実線で、イメージ妨害信号は点線で表している。
【0137】
以下、図2を用いて希望信号を通過させ、イメージ妨害信号をキャンセルする様子を詳述する。
【0138】
最初に混合器3の一方の入力3aへ入力される希望信号31、イメージ妨害信号32の位相は共に0ラジアンである。また、混合器3の他方の入力3bに入力される発振器2の信号33の位相は0ラジアンとして表すことができる。一方前記(数19)から、混合器3の出力3cからIF成分として出力される希望信号34は位相が0ラジアンとなる。また、イメージ妨害信号35も同様に位相が0ラジアンとなる。
【0139】
2番目に、混合器5の一方の入力5aへ入力される希望信号36、イメージ妨害信号37は共に0ラジアンであり、混合器3における希望信号31およびイメージ妨害信号32と同じである。混合器5の他方の入力5bに入力される発振器用移相器4からの信号38は発振器2に対して−π/3ラジアンだけ位相シフトする。また、前記(数20)より混合器5の出力5cからIF成分として出力される希望信号39は−π/3ラジアンだけ位相シフトされ、イメージ妨害信号40はπ/3ラジアンだけ位相シフトされる。さらに、中間周波数用移相器8により−5π/3ラジアンだけ位相シフトする。従って、前記(数21)より出力8aでは希望信号41とイメージ妨害信号42は図2のように表される。
【0140】
3番目に、混合器7の一方の入力7aへ入力される希望信号43、イメージ妨害信号44は共に位相が0ラジアンであり、混合器3における希望信号31およびイメージ妨害信号32と同じである。混合器7の他方の入力7bに入力される信号45は発振器用移相器6を介しているので発振器2の位相に対して−2π/3ラジアンだけ位相シフトする。また、前記(数22)より混合器7の出力7cからIF成分として出力される希望信号46は−2π/3ラジアンだけ位相シフトする。また、イメージ妨害信号47は2π/3ラジアンだけ位相シフトする。さらに、これらの信号は中間周波数用移相器9により−4π/3ラジアンだけ位相シフトされる。従って、前記(数23)より出力9aの希望信号48と、イメージ妨害信号49は図2のように表される。
【0141】
最後に、出力端子10からIF成分として出力される希望信号50は、各希望信号34と41と48とが合成されるのである。この場合、互いの位相が一致しているので各希望信号の大きさの3倍となって出力される。
【0142】
また、出力端子10からIF成分として出力されるイメージ妨害信号は、各イメージ妨害信号35と42と49とが構成される。この場合は位相差が互いに2π/3ずつ等間隔の関係になっているのでキャンセルされて出力されないのである。これは前記(数24)の計算結果と一致している。
【0143】
次に、入力端子1に発振器2からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号Vm1、および発振器2からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側に離れた妨害信号Vm2が入力された場合について計算式を用いて説明する。
【0144】
ここで、妨害信号Vm1を(数25)で表す。ただし、角周波数をω4、位相角をθ4としている。
【0145】
【数25】
Figure 0003729171
【0146】
さらに、妨害信号Vm2を(数26)で表す。ただし、角周波数をω5、位相角をθ5としている。
【0147】
【数26】
Figure 0003729171
【0148】
発振器2からの基本出力成分を受けて混合器3内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分であるVL3aを(数27)で表す。
【0149】
【数27】
Figure 0003729171
【0150】
発振器用移相器4を介して発振器2からの基本出力成分を受けて混合器5内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分であるVL3bを(数28)で表す。
【0151】
【数28】
Figure 0003729171
【0152】
発振器用移相器6を介して発振器2からの基本出力成分を受けて混合器7内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分であるVL3cを(数29)で表す。
【0153】
【数29】
Figure 0003729171
【0154】
最初に、混合器3の一方の端子3aには妨害信号Vm1とVm2とが2分配されて入力され、混合器3の他方の入力3bには3次高調波成分であるVL3bが入力される。このため、混合器3の出力3cからのIF成分として出力されるV(3c)は(数30)で表す信号が出力されることになる。
【0155】
【数30】
Figure 0003729171
【0156】
2番目に、混合器5の一方の入力5aには混合器3と同じ信号が入力されるが、混合器5の他方の入力5bには3次高調波成分VL3bが入力される。このため、混合器5の出力5cからのIF成分として出力されるV(5c)は(数31)で表されることになる。
【0157】
【数31】
Figure 0003729171
【0158】
このV(5c)は中間周波数用移相器8により−5π/3ラジアン位相シフトされるので、中間周波数用移相器8の出力8aのV(8a)は(数32)となる。
【0159】
【数32】
Figure 0003729171
【0160】
3番目に、混合器7の一方の入力7aには混合器3と同じ信号が入力されるが、混合器7の他方の入力7bには発振器2の位相が発振器用移相器6により−2π/3ラジアンだけ位相シフトされたのち混合器7内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分VL3cが入力される。このため、混合器7の出力7cからのV(7c)は(数33)で表されることになる。
【0161】
【数33】
Figure 0003729171
【0162】
このV(7c)は中間周波数用移相器9により−4π/3ラジアン位相シフトされるので、中間周波数用移相器9の出力9aのV(9a)は(数34)となる。
【0163】
【数34】
Figure 0003729171
【0164】
最後に、出力端子10から出力されるIF成分としてのV(10)は、V(3c)とV(8a)とV(9a)との合成であり(数35)で表される。
【0165】
【数35】
Figure 0003729171
【0166】
(数35)より明らかなように、妨害信号Vm1のIF成分であるV(3c)の1項とV(8a)の1項とV(9a)の1項が互いに位相差が2π/3ラジアンの関係となってキャンセルされる。
【0167】
その結果、出力端子10からは妨害信号Vm1のIF成分は出力されない。
【0168】
一方、妨害信号Vm2のIF成分であるV(3c)の2項、V(8a)の2項、V(9a)の2項についても互いに位相が2π/3ラジアンの関係となってキャンセルされる。つまり、出力端子10からは発振器2からの妨害信号Vm2のIF成分は出力されない。
【0169】
図3は、本発明の実施の形態1における混合回路において、発振器2からの基本周波数の3倍の周波数に関係する妨害信号の位相を表す図である。
【0170】
図3において、混合器3、5、7の各ポイントにおける発振器2からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号の位相を表し、その大きさについては表現していない。この時、妨害信号Vm1は実線で、Vm2の信号は点線で表している。
【0171】
以下、図3を用いて発振器2の基本周波数に対する3倍の周波数に関係する妨害信号をキャンセルする様子を詳述する。
【0172】
最初に、混合器3の一方の入力3aへ入力される妨害信号Vm1とVm2をそれぞれ71と72で表している。また前記(数27)より、発振器2から出力される信号が混合器3内で発生する3次高調波成分VL3aは信号73で表している。さらに、混合器3の出力3cからの妨害信号Vm1とVm2のIF成分を前記(数30)より明らかなようにそれぞれ信号74と75で表すことができる。
【0173】
2番目に、混合器5の一方の入力5aへ入力される妨害信号Vm1とVm2をそれぞれ信号76と77で表している。また、発振器2の基本出力成分が発振器用移相器4により−π/3ラジアンだけ位相シフトされた後に混合器5の他方の入力に入力される。この場合、混合器5内のリミッタ回路で発生した3次高調波成分であるVL3bは前記(数28)より明らかなように信号78で表すことができる。
【0174】
さらに、混合器5の出力5cからの妨害信号Vm1とVm2のIF成分は、前記(数31)より明らかなようにそれぞれ信号79と80で表すことができる。次に、出力5cからの妨害信号Vm1とVm2のIF成分は、中間周波数用移相器8において−5π/3ラジアンだけ位相シフトされる。従って、出力8aでは前記(数32)より明らかなようにそれぞれ信号81と82で表される。
【0175】
3番目に、混合器7の一方の入力7aへ入力される妨害信号Vm1とVm2をそれぞれ信号83と84で表している。また、発振器2の基本出力成分が発振器用移相器6により−2π/3ラジアンだけ位相シフトされた後に混合器7の他方の入力7bに入力される。この場合、混合器7内のリミッタ回路で発生した3次高調波成分であるVL3cは前記(数29)より明らかなように信号85で表すことができる。
【0176】
さらに、混合器7の出力7cからの妨害信号Vm1とVm2のIF成分は、前記(数33)より明らかなようにそれぞれ信号86と87で表すことができる。次に、出力7cからの妨害信号Vm1とVm2のIF成分は、中間周波数用移相器9において−4π/3ラジアンだけ位相シフトされるので出力9aでは前記(数34)より明らかなようにそれぞれ信号88と89で表される。
【0177】
最後に、出力端子10から出力される妨害信号Vm1のIF成分は、信号74と81と88との合成信号である。ところが、これらの信号74と81と88とは位相差が互いに2π/3ずつ等間隔の関係になっているのでキャンセルされて出力端子10から出力されない。
【0178】
また、出力端子10から出力される妨害信号Vm2のIF成分は、75と82と89とが合成されるのである。ところが、これらの信号75と82と89とは位相差が互いに2π/3ずつ等間隔の関係になっているのでキャンセルされて出力されないのである。これについては、前記(数35)の計算結果と一致している。
【0179】
このとき、発振器2からの出力信号が混合器3、5、7の他方の入力に入力されるのであるが、混合器の基本性能を上げるために発振器2からの出力レベルを混合器3、5、7内の増幅器により十分に大きくして用い、あるいは混合器内の増幅器により十分に大きくしたあと例えばリミッタ回路によって矩形波の信号にしたあと受信信号をスイッチ動作させて混合器として用いている。
【0180】
ここで、発振器2そのものが持つ高調波成分が小さいものであっても後段である混合器3、5、7内の増幅器あるいはリミッタ回路により高調波成分が発生することになる。この場合、偶数倍の高調波成分は比較的小さいが奇数倍の高調波成分は特に大きくなり、また発振器2の基本成分に近い3次高調波成分あるいは5次高調波成分は大きなレベルで出力される。これらの高調波成分に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた周波数に妨害信号が存在すると受信状態が悪くなり、場合によっては受信ができなくなってしまう。
【0181】
図18では、北米での放送チャンネルと発振器の高次周波数に関係する妨害信号の関係を示している。
【0182】
図18において、1217は周波数軸を表し、1218は信号の大きさを表している。1219は北米でのテレビあるいはCATVの放送チャンネルであり、およそ50MHzから900MHzを使って放送している。例えば、VLOWであるチャンネル2を受信したとして、この発振器2の基本周波数1203を約100MHzとしている。1202は入力端子1に入力される希望信号であり約55MHzとし、1208はイメージ妨害信号とし、1201は出力端子10でのIF信号である。
【0183】
ここで、基本周波数1203の2倍の周波数成分を1204とし、3倍の周波数成分を1205とし、4倍の周波数成分を1206とし、5倍の周波数成分を1207としている。さらに、2倍の周波数成分1204の周波数−IFを1209とし、2倍の周波数成分1204の周波数+IFを1210とし、3倍の周波数成分1205の周波数−IFを1211とし、3倍の周波数成分1205の周波数+IFを1212とし、4倍の周波数成分1206の周波数−IFを1213とし、4倍の周波数成分1206の周波数+IFを1214とし、5倍の周波数成分1207の周波数−IFを1215とし、5倍の周波数成分1207の周波数+IFを1216としてそれぞれ表している。
【0184】
このとき、3倍の周波数成分1205の周波数−IFである1211と、3倍の周波数成分1205の周波数+IFである1212と、5倍の周波数成分1207の周波数−IFである1215の周波数がCATVチャンネルに合致している。また、5倍の周波数成分1207の周波数+IFである1216がUHFチャンネルに合致してそれぞれ妨害信号となってしまう。つまり、低い周波数のチャンネルを受信時には、受信チャンネルより高い周波数に存在する放送チャンネルが妨害信号となることを表しており、低い周波数のチャンネルを受信するほど妨害信号が多い組み合せになってしまう。
【0185】
(表2)は、本発明の実施の形態1であるMが3のHRMについて、発振器2の基本出力成分により発生する高調波成分に関係した妨害信号を抑圧できるかどうかを表している。
【0186】
【表2】
Figure 0003729171
【0187】
(表2)において、発振器2の基本周波数に対しての倍数を表すnが1の時は、発振器2としては基本周波数を表しており、基本周波数−Fは希望信号を表し、基本周波数+IFはイメージ妨害信号を表している。このイメージ妨害信号に対して抑圧効果ありとして表している。
【0188】
さらにn=3の場合は、3倍×基本周波数+IF、3倍×基本周波数−IFの妨害信号は抑圧効果がある。また、n=5の場合は、5倍×基本周波数−IFの妨害信号に対しても抑圧効果があることを表している。
【0189】
このように、M=3として構成したHRMではイメージ妨害信号、発振器2からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側および下側に離れた妨害信号、発振器2からの基本周波数の5倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号を抑圧でき良好な受信状態を提供できるものである。
【0190】
これにより、発振器2の基本出力成分により発生する高調波成分に関係した妨害信号の周波数が従来例に比べて約200MHz高くできるものであり、この混合回路の入力に接続される入力回路のフィルタ減衰特性を緩和できるものであり、高周波受信装置としてさらに小型化および低コスト化が可能となる。
【0191】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における混合回路のブロック図を示している。
【0192】
図4において、実施の形態2では発振器2の出力に直接フィルタ11が挿入されている。この点で実施の形態1とは異なる。なお、実施の形態2で使用した番号は実施の形態1と同じであるものについては同一の番号を付して説明を簡略化している。このフィルタ11は、発振器2の基本周波数のみを通過させるバンドパスフィルタ、あるいはローパスフィルタである。
【0193】
以下にその動作を説明する。発振器2を大きな振幅動作にしたりあるいは直線性の良くない半導体を用いると発振器2自体で基本出力成分に対してレベル的に近接した高調波成分が出力されることになり、この大きな高調波成分が支配的となり位相キャンセルできなくなってしまう。特に発振器2の基本成分に近い奇数倍の高調波である3次高調波成分あるいは5次高調波成分は比較的レベルが大きいため問題となることが多い。
【0194】
本来は、発振器2からの出力である基本出力成分が発振器用移相器4を通過したのち混合器5内のリミッタ回路で発生する3次高調波成分VL3bは、前記(数28)である。ところが、発振器2自体の3次高調波成分は、発振器用移相器4で−π/3位相シフトされて、(数36)で示すように信号VL3bbとなる。
【0195】
【数36】
Figure 0003729171
【0196】
この信号VL3bbはVL3bと位相が異なってしまい、発振器2からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号に関してキャンセルできなくなってしまう。これは3倍以上の周波数成分に対しても同様でキャンセルできなくなる。
【0197】
これを改善するため、発振器2の出力にフィルタ11を挿入している。このことにより、混合器3、5、7の他方の入力に発振器2の高調波成分を抑圧した信号を供給できるので、より確実に妨害を抑圧することができる。
【0198】
また、広帯域な受信をするためには発振器2も広帯域とすることが必要となる。例えば、100MHzから1000MHzの広範囲な周波数での発振動作ではどうしても高調波成分が大きくなってしまう周波数が存在するのでこのようにフィルタ11を挿入することによる改善が有効となる。このフィルタ11は固定式であっても可変式であっても、また受信バンドに応じて切替える切替え式であってもよい。しかし、発振器2の出力周波数に追随して、中心周波数が変わるバンドパスフィルタが望ましい。
【0199】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における混合回路のブロック図である。
【0200】
図5において、入力端子301に入力された高周波信号は分配されてM個の混合器304、306、308、310、312の一方の入力に接続される。また、M個の混合器304、306、308、310、312の他方の入力には、発振器302の出力がそれぞれM個の発振器用移相器303、305、307、309、311により−Kπ/Mラジアンずつ位相シフトして接続されている。ここで、Mは3以上の自然数であり、Kは1ずつ加算される1からMまでの自然数である。
【0201】
さらに、M個の混合器304、306、308、310、312の出力と出力端子318との間には、発振器用移相器303、305、307、309、311の位相シフト量−Kπ/Mラジアンに対応してそれぞれ−2π−(−Kπ/M)ラジアンの位相シフト量をもつ中間周波数用移相器313、314、315、316、317が接続されている。
【0202】
この場合、M個の混合器304、306、308、310、312の出力には発振器用移相器303、305、307、309、311の位相シフト量−Kπ/Mラジアンに対応してそれぞれKπ/Mラジアンの位相シフト量をもつ中間周波数用移相器313、314、315、316、317を接続しても同様の効果が得られる。
【0203】
以上のように構成された混合回路について、以下にその動作を説明する。
【0204】
基本的な動作は図1に示すように3個の混合器3、5、7を有する実施の形態1と同様であるが、実施の形態3ではM個の混合器としたところが相違する。この相違により、発振器302からの基本周波数の3倍以上から2M−3倍までの周波数に対してそれぞれIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号まで除去することが可能となるものである。
【0205】
最初に希望信号が入力端子301に入力されると、M個の混合器304、306、308、310、312の一方の入力に入力されるとともに、M個の混合器304、306、308、310、312の他方のそれぞれの入力に発振器302の信号からM個の発振器用移相器303、305、307、309、311を介して−Kπ/Mラジアン位相シフトした信号がそれぞれ入力される。
【0206】
さらに、混合器304、306、308、310、312の出力からは、−Kπ/Mラジアンに位相シフトされた希望信号が出力される。この−Kπ/Mラジアンに位相シフトされた希望信号は、中間周波数用移相器313、314、315、316、317によりそれぞれ−2π+Kπ/Mラジアンだけ位相シフトされるので結果として出力端子318での希望信号の位相θdはすべて(数37)のとおりとなり−2πラジアンつまり0ラジアンの位相シフトとなって位相が一致する。
【0207】
【数37】
Figure 0003729171
【0208】
すなわち、希望信号のIF成分は、M倍されて出力端子318から出力されることになる。
【0209】
次に、イメージ妨害信号が入力端子301に入力されると、M個の混合器304、306、308、310、312の一方の入力に入力されるとともに、M個の混合器304、306、308、310、312の他方のそれぞれの入力には発振器302の信号の出力からM個の発振器用移相器303、305、307、309、311を介して−Kπ/Mラジアン位相シフトした信号が入力される。
【0210】
さらに、混合器304、306、308、310、312の出力からは、イメージ妨害信号の周波数が発振器302の周波数より高いので+Kπ/Mラジアンに位相シフトされたイメージ妨害信号が出力される。この+Kπ/Mラジアンに位相シフトされたイメージ妨害信号は、中間周波数用移相器313、314、315、316、317によりそれぞれ−2π+Kπ/Mラジアンだけ位相シフトされるので結果として出力端子318でのイメージ妨害信号の位相θiはすべて(数38)となる。
【0211】
【数38】
Figure 0003729171
【0212】
つまり、K×2π/Mラジアンの位相を持った成分となり、2πをM等分した成分がM本となるので位相キャンセルされることになる。すなわち、イメージ妨害信号のIF成分は0となり、出力端子318からは出力されないことになる。
【0213】
さらに、発振器302からの基本周波数のn倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号が入力端子301に入力されると、M個の混合器304、306、308、310、312の一方の入力に入力される。このM個の混合器304、306、308、310、312の他方の入力には発振器302の信号出力に対してM個の発振器用移相器303、305、307、309、311により−Kπ/Mラジアン位相シフトされる。しかし、混合器304、306、308、310、312内にそれぞれ設けられたリミッタ回路により−Kπn/Mラジアンのn次高調波成分が発生する。さらに、混合器304、306、308、310、312の出力からは、発振器302からの基本周波数のn倍の周波数に対してIFだけ上側および下側に離れた妨害信号がそれぞれKπn/Mラジアンおよび−Kπn/Mラジアンに位相シフトされて出力される。このKπn/Mラジアンおよび−Kπn/Mラジアンに位相シフトされた信号は、中間周波数用移相器313、314、315、316、317によりそれぞれ−2π+Kπ/Mラジアンだけ位相シフトされる。その結果、発振器302からの基本周波数のn倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号による出力端子318からのスプリアス信号の位相θm1は(数39)の通りになる。
【0214】
【数39】
Figure 0003729171
【0215】
また、発振器302からの基本周波数のn倍の周波数に対してIFだけ上側に離れた妨害信号による出力端子318からのスプリアス信号の位相θm2は(数40)のようになる。
【0216】
【数40】
Figure 0003729171
【0217】
例えば、混合器の数が5個(M=5)で、発振器302からの基本周波数に対する倍数であるnが5のときは、位相θm1=Kπ4/5ラジアンおよび位相θm2=Kπ6/5ラジアンとなり4πラジアンおよび6πラジアンを5分割した位相を持った信号が5本存在することになり位相キャンセルされるのである。
【0218】
ところが、混合器の数Mが5個で、発振器302からの基本周波数に対する倍数であるnが9のときは、位相θm1=Kπ8/5ラジアンおよび位相θm2=Kπ10/5ラジアンとなる。ここで、Kπ10/5ラジアンつまりK2πラジアンであるので位相が一致した信号がK=5本となるので位相キャンセルされない。また、Kπ8/5ラジアンは8πラジアンを5分割した位相を持った信号がK=5本存在することになり位相キャンセルされるのである。
【0219】
(表3)は、本発明の実施の形態3であるMが5のHRMについて、発振器302の基本出力成分により発生する高調波成分に関係した妨害信号に対する抑圧度を示す。
【0220】
【表3】
Figure 0003729171
【0221】
(表3)において、Mが5のHRMでは、イメージ妨害信号、発振器302の基本周波数の3倍と5倍と7倍の周波数に対してそれぞれIFだけ上側および下側に離れた妨害信号、発振器302からの基本周波数の9倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号のすべてが位相キャンセルされて抑圧されるようすを示している。
【0222】
(表4)には、本発明の実施の形態3である混合器の数Mとした多段のHRMについて、発振器302の基本出力成分により発生する高調波成分に関係した妨害信号に対する抑圧度を示す。
【0223】
【表4】
Figure 0003729171
【0224】
(表4)において、混合器の数Mとした多段のHRMにおいては、イメージ妨害信号、発振器302からの基本周波数の3倍以上から2M−3倍までの周波数に対してそれぞれIFだけ下側および上側に離れた妨害信号のすべてが位相キャンセルにより抑制される様子をあらわしている。また、基本周波数の2M−2倍以上の周波数に対してそれぞれIFだけ下側および上側に離れた妨害信号に対しては、抑制できる場合と抑制できない場合を表している。
【0225】
(実施の形態4)
図6は本発明の実施の形態4における混合回路のブロック図を示している。
【0226】
実施の形態4では発振器302の出力にフィルタ319が直接挿入されている点で実施の形態3とは異なる。実施の形態3で使用した番号は、実施の形態1と同じものについては同一の番号を付して簡略化する。このフィルタ319は、発振器319の基本信号のみ通過させるバンドパスフィルタである。
【0227】
以上のように構成された混合回路について、以下にその動作を説明する。
【0228】
発振器302を大きな振動動作としたりあるいは直線性の良くない半導体を用いたりすると基本出力成分に対して高調波成分が大きくなってしまう。特に発振器302の基本成分に近い奇数倍の高調波成分である3次高調波成分あるいは5次高調波成分は比較的レベルが大きいため問題となることが多い。
【0229】
実施の形態4ではM個の混合器を用いているが、このMを3個としたのが実施の形態1となる。従って、発振器302自体の出力信号として、基本波に比べて高調波成分が大きいときには、実施の形態1と同様に大きな高調波成分が支配的となり位相キャンセルできない。それ故、発振器302の基本周波数のn倍の周波数に関わる妨害信号をキャンセルできなくなってしまう。
【0230】
この改善のため、発振器302の出力にフィルタ319を挿入することにより、M個の混合器304、306、308、310、312の他方の入力に発振器302の高調波成分を抑圧した信号を供給できるので、スプリアス成分をより確実に抑圧することができる。
【0231】
また、広帯域な受信をするためには発振器302も広帯域とすることが必要となり、広帯域な周波数での発振動作ではどうしても高調波成分が大きくなってしまうのでフィルタ319の挿入による改善が有効となる。このフィルタ319は固定式であっても可変式であっても、また受信バンドに応じて切替え式であってもよい。
【0232】
(実施の形態5)
図7は本発明の実施の形態5における混合回路のブロック図を示している。
【0233】
図7において、実施の形態5では、実施の形態4における第M番目の発振器用移相器311と第M番目の中間周波数用移相器317が削除されている点で異なる。実施の形態4で使用した番号は、実施の形態1と同じであるものについては同一の番号を付して説明は省略する。
【0234】
M−1個の混合器304、306、308、310の他方の入力となる発振器用移相器303、305、307、309の挿入ロスが小さい場合には、M番目の発振器用移相器を削除し直接接続が可能である。また、M−1個の混合器304、306、308、310の出力に接続される中間周波数用移相器313、314、315、316の挿入ロスが小さい場合には、M番目の中間周波数用移相器を削除し直接接続が可能である。これにより部品を削減できるものである。
【0235】
(実施の形態6)
図8は本発明の実施の形態6における混合回路のブロック図を示している。
【0236】
図8において、実施の形態6における混合回路は、IRMとしての混合回路618と、HRMとしての混合回路619とで構成されており、これらの混合回路618と619とは電子回路で形成された切替え手段614、615及び616、617で適宜切替えられるようになっている。なお、この切替え手段614、615、616、617の切替え信号は外部から与えられる。
【0237】
先ず、IRMとしての混合回路618から説明する。図8において、601は入力端子であり、この入力端子601は切替え手段614の端子614aと混合器605の一方の入力に接続されている。
【0238】
混合器605の他方の入力は発振器602に直接接続されている。また、この混合器605の出力は出力端子613と、切替え手段615の端子615aとに接続されている。
【0239】
また、切替え手段614の端子614bは混合器604の一方の入力に接続されるとともに他方の入力には発振器602の出力が−π/2ラジアンの位相シフトをもつ発振器用移相器603を介して接続されている。また、混合器604の出力は−3π/2ラジアンの位相シフトをもつ中間周波数用移相器610を介して切替え手段615の端子615bに接続されている。
【0240】
次に、HRMとしての混合回路619について説明する。なお、混合回路619において混合器605と、発振器602と、入力端子601と、出力端子613とは混合回路618と部品を共用化している。
【0241】
入力端子601は切替え手段616の端子616aに接続され、この切替え手段616の端子616bからは、混合器607の一方の入力に接続されるとともに他方の入力には発振器602の出力が−π/3ラジアンの位相シフトをもつ発振器用移相器606を介して接続されている。また、混合器607の出力は−5π/3ラジアンの位相シフトをもつ中間周波数用移相器611を介して切替え手段617の端子617bに接続されている。そして、この切替え手段617の端子617aは出力端子613に接続されている。
【0242】
また、切替え手段616の端子616bは、混合器609の一方の入力に接続されるとともに他方の入力には発振器602の出力が−2π/3ラジアンの位相シフトをもつ発振器用移相器608を介して接続されている。また、混合器609の出力は−4π/3ラジアンの位相シフトをもつ中間周波数用移相器612を介して切替え手段617の端子617bに接続されている。
【0243】
以上のように接続された混合回路において、切替え手段616、617をオンとし、切替え手段614、615をオフとすることでHRMとしての混合回路619が選択される。また、切替え手段616、617をオフとし、切替え手段614、615をオンとすることでIRMとしての混合回路618を選択することができるものである。
【0244】
このように構成することにより、発振器602からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側および下側に離れたところに妨害信号があったとしても、M=3としたHRMとしての混合回路619を選択して良好な受信状態を得ることができる。また、イメージ妨害信号のみがあるときにはIRMとしての混合回路618を選択する。このように、使用状況により適宜切替えることができるので、低消費電力化が可能となり携帯用等に適している。
【0245】
(実施の形態7)
図9は本発明の実施の形態7における混合回路のブロック図を示している。
【0246】
図9において、実施の形態7における混合回路は、IRMとしての混合回路717と、HRMとしての混合回路718とで構成されており、これらの混合回路717と718とは電子回路で形成された切替え手段714、715で適宜切替えられるようになっている。なお、この切替え手段714、715の切替え信号は外部から与えられる。
【0247】
まず、IRMとしての混合回路717から説明する。図9において、701は入力端子であり、この入力端子701は混合器703の一方の入力に接続されている。混合器703の他方の入力は発振器702に直接接続されている。また、この混合器703の出力は出力端子713に接続されている。
【0248】
また、入力端子701は混合器705の一方の入力に接続されるとともに他方の入力には発振器702の出力が−2π/4ラジアンの位相シフトをもつ発振器用移相器704を介して接続されている。また、混合器705の出力は−6π/4ラジアンの位相シフトをもつ中間周波数用移相器710を介して出力端子713に接続されている。
【0249】
次に、HRMとしての混合回路718について説明する。なお、混合回路718においては、IRMとしての混合回路717の全ての部品を共用化している。
【0250】
入力端子701は切替え手段714の端子714aに接続され、この切替え手段714の端子714bからは、混合器707の一方の入力に接続されるとともに他方の入力には発振器702の出力が−π/4ラジアンの位相シフトをもつ発振器用移相器706を介して接続されている。また、混合器707の出力は−7π/4ラジアンの位相シフトをもつ中間周波数用移相器711を介して切替え手段715の端子715bに接続されている。そして、この切替え手段715の端子715aは出力端子713に接続されている。
【0251】
また、切替え手段714の端子714bは、混合器709の一方の入力に接続されるとともに他方の入力には発振器702の出力が−3π/4ラジアンの位相シフトをもつ発振器用移相器708を介して接続されている。また、混合器709の出力は−5π/4ラジアンの位相シフトをもつ中間周波数用移相器712を介して切替え手段715の端子715bに接続されている。
【0252】
以上のように接続された混合回路において、切替え手段714、715をオンとすることでM=4としたHRMとしての混合回路718が選択される。また、切替え手段714、715をオフとすることでIRMとした混合回路717が選択できるのである。
【0253】
このように構成することにより、発振器702からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側および下側に離れた妨害信号、発振器702からの基本周波数の5倍の周波数に対してIFだけ上側および下側に離れた妨害信号によって受信状態の悪いときにはM=4としたHRMとしての混合回路718を選択し、イメージ妨害信号のみによって妨害を受けるときにはIRMとしての混合回路717を選択できるように切替え手段714、715を設けている。このIRMを用いることにより、低消費電力化が可能であるので携帯用等に適している。
【0254】
このとき、発振器用移相器706、704、708の位相シフト量は−π/4ラジアン、2×(−π/4)ラジアン、3×(−π/4)ラジアンとなり基本の−π/4ラジアンに対して2倍および3倍となるのでフリップフロップ方式での設計が容易となる。
【0255】
(実施の形態8)
図10は本発明の実施の形態8における混合回路のブロック図を示している。
【0256】
図10において、実施の形態8における混合回路は、IRMとしての混合回路816と、HRMとしての混合回路817とで構成されており、これらの混合回路816と817とは電子回路で形成された切替え手段813、814で適宜切替えられるようになっている。なお、この切替え手段813、814の切替え信号は外部から与えられる。
【0257】
先ず、IRMとしての混合回路816から説明する。図10において、801は入力端子であり、この入力端子801は混合器803の一方の入力に接続されている。混合器803の他方の入力は発振器802の出力に直接接続されている。また、この混合器803の出力は−π/2ラジアンの位相シフトをもつ中間周波数用移相器810を介して出力端子812に接続されている。
【0258】
また、入力端子801は混合器805の一方の入力に接続されるとともに他方の入力には発振器802の出力が−π/2ラジアンの位相シフトをもつ発振器用移相器804を介して接続されている。また、混合器805の出力は直接出力端子812に接続されている。
【0259】
次に、HRMとしての混合回路817について説明する。なお、混合回路817においては、IRMとしての混合回路816の部品を全て共用化している。
【0260】
入力端子801は切替え手段813の端子813aに接続され、この切替え手段813の端子813bからは、混合器807の一方の入力に接続されるとともに他方の入力には発振器802の出力が−π/3ラジアンの位相シフトをもつ発振器用移相器806を介して接続されている。また、混合器807の出力は−π/2ラジアンの位相シフトをもつ中間周波数用移相器811を介して切替え手段814の端子814bに接続されている。そして、この切替え手段814の端子814aは出力端子812に接続されている。
【0261】
また、切替え手段813の端子813bは、混合器809の一方の入力に接続されるとともに他方の入力には発振器802の出力が−5π/6ラジアンの位相シフトをもつ発振器用移相器808を介して接続されている。また、混合器809の出力は直接切替え手段814の端子814bに直接接続されている。
【0262】
以上のように接続された混合回路において、切替え手段813、814を共にオンとすることでHRMとしての混合回路817が選択される。また、切替え手段813、814を共にオフとすることでIRMとしての混合回路816が選択されるのである。
【0263】
図11は、本発明の実施の形態8における混合回路での希望信号とイメージ妨害信号の位相を表す図である。また、混合器803、805、807、809の各ポイントにおける希望信号とイメージ妨害信号についての位相を表し、その大きさについては表現していない。ここで、希望信号は実線で、イメージ妨害信号は点線で表している。
【0264】
以下、図11を用いて希望信号を通過させ、イメージ妨害信号をキャンセルする様子を詳述する。位相の計算式については、実施の形態1で示した前記(数16)から前記(数35)と同様の考え方となり、図を用いて説明する。
【0265】
最初に混合器803の一方の入力803aへ入力される希望信号831、イメージ妨害信号832の位相は共に0ラジアンである。また、混合器803の他方の入力803bに入力される発振器802の信号833の位相は0ラジアンとして表すことができる。一方、混合器803の出力803cから出力される希望信号834は位相が0ラジアンとなる。また、イメージ妨害信号835も同様に位相が0ラジアンとなる。さらに、これらの信号は中間周波数用移相器810により−π/2ラジアンだけ位相シフトされるので、中間周波数用移相器810からの出力810cの希望信号836と、イメージ妨害信号837は図11のように表される。
【0266】
2番目に、混合器805の一方の入力805aへ入力される希望信号838、イメージ妨害信号839は共に0ラジアンであり、混合器803における希望信号831およびイメージ妨害信号832と同じである。混合器805の他方の入力805bに入力される発振器用移相器804からの信号840は発振器802に対して−π/2ラジアンだけ位相シフトされる。そのため、混合器805の出力805cからの希望信号841は−π/2ラジアンだけ位相シフトされ、イメージ妨害信号842は−3π/2ラジアンだけ位相シフトされて表される。
【0267】
3番目に、混合器807の一方の入力807aへ入力される希望信号843、イメージ妨害信号844は共に位相が0ラジアンであり、混合器803における希望信号831およびイメージ妨害信号832と同じである。混合器807の他方の入力807bに入力される信号845は発振器用移相器806を介しているので発振器802の位相に対して−π/3ラジアンだけ位相シフトする。また、混合器807の出力807cからの希望信号846は−π/3ラジアンだけ位相シフトされ、イメージ妨害信号847は−5π/3ラジアンだけ位相シフトされる。さらに、これらの信号は中間周波数用移相器811により−π/2ラジアンだけ位相シフトされるので、中間周波数用移相器811からの出力811aの希望信号848と、イメージ妨害信号849は図11のように表される。
【0268】
4番目に、混合器809の一方の入力809aへ入力される希望信号850、イメージ妨害信号851は共に位相が0ラジアンであり、混合器803における希望信号831およびイメージ妨害信号832と同じである。混合器809の他方の入力809bに入力される信号852は発振器用移相器808を介しているので発振器802の位相に対して−5π/6ラジアンだけ位相シフトする。また、混合器809の出力809cからの希望信号853は−5π/6ラジアンだけ位相シフトされ、イメージ妨害信号854は−7π/6ラジアンだけ位相シフトされて表される。
【0269】
最後に、出力端子812から出力される希望信号のIF成分は、希望信号836、841、848、853の合成信号となる。この希望信号836、841は互いに同位相として合成された信号855となり、希望信号848、853は互いに同位相として合成された信号856となる。この合成された信号855と856とは互いにπ/3の位相差を有しており、ベクトル合成された信号857が出力端子812から出力される。
【0270】
また、出力端子812から出力されるイメージ妨害信号のIF成分は、イメージ妨害信号837、842、849、854との合成信号となる。このイメージ妨害信号837と842とはIRM816から出力される信号であり、互いにπラジアンの位相差をもつのでキャンセルされて出力されない。さらに、イメージ妨害信号849と854とはIRM815から出力される信号であり、互いにπラジアンの位相差をもつのでキャンセルされて出力されない。つまり、イメージ妨害信号は出力端子812から出力されないのである。
【0271】
図12は、本発明の実施の形態8における混合回路での発振器802からの基本周波数の3倍の周波数に関係する妨害信号の位相を表す図である。
【0272】
図12において、混合器803、805、807、809の各ポイントにおける発振器802からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号の位相を表し、その大きさについては表現していない。
【0273】
以下、図12を用いて発振器802の基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号をキャンセルする様子を詳述する。
【0274】
最初に混合器803の一方の入力803aへ入力される発振器802からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号Vm1 871、発振器802からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側に離れた妨害信号Vm2 872の位相は共に0ラジアンである。また、混合器803の他方の入力803bに入力される発振器802の信号873の位相は0ラジアンとして表すことができる。一方、混合器803の出力803cからIF成分として出力される妨害信号Vm1 874、Vm2 875は共に位相が0ラジアンとなる。
【0275】
さらに、これらの信号は中間周波数用移相器810により−π/2ラジアンだけ位相シフトされるので、中間周波数用移相器810からの出力810aであるIF成分としての妨害信号Vm1 876、妨害信号Vm2 877は図のように表される。
【0276】
2番目に、混合器805の一方の入力805aへ入力される妨害信号Vm1 878、妨害信号Vm2 879は共に0ラジアンであり、混合器803における妨害信号Vm1 871および妨害信号Vm2 872と同じである。混合器805の他方の入力805bに入力される発振器用移相器804からの信号880は発振器802に対して3×(−π/2)ラジアンだけ位相シフトされる。そのため、混合器805の出力805cからのIF成分である妨害信号Vm1 881は3×(−π/2)ラジアンだけ位相シフトされ、妨害信号Vm2 882は3×(π/2)ラジアンだけ位相シフトされて表される。
【0277】
3番目に、混合器807の一方の入力807aへ入力される妨害信号Vm1 883、妨害信号Vm2 884は共に位相が0ラジアンであり、混合器803における妨害信号Vm1 871および妨害信号Vm2 872と同じである。混合器807の他方の入力807bに入力される信号885は発振器用移相器806を介しているので発振器802の位相に対して3×(−π/3)ラジアンだけ位相シフトする。また、混合器807の出力807cからのIF成分である妨害信号Vm1 886は3×(−π/3)ラジアンだけ位相シフトされ、妨害信号Vm2 887は3×(π/3)ラジアンだけ位相シフトされる。さらに、これらの信号は中間周波数用移相器811により−π/2ラジアンだけ位相シフトされるので、中間周波数用移相器811からの出力811aのIF成分である妨害信号Vm1 888と、妨害信号Vm2 889は図のように表される。
【0278】
4番目に、混合器809の一方の入力809aへ入力される妨害信号Vm1 890、妨害信号Vm2 891は共に位相が0ラジアンであり、混合器803における妨害信号Vm1 871および妨害信号Vm2 872と同じである。混合器809の他方の入力809bに入力される信号892は発振器用移相器808を介しているので発振器802の位相に対して3×(−5π/6)ラジアンだけ位相シフトされて表される。
【0279】
そのため、混合器809の出力809cからのIF成分である妨害信号Vm1893は3×(−5π/6)ラジアンだけ位相シフトされ、妨害信号Vm2 894は3×(5π/6)ラジアンだけ位相シフトされて表される。
【0280】
最後に、出力端子812から出力される妨害信号Vm1のIF成分は、876、881、888、893の合成信号となる。この妨害信号Vm1 876と881は互いにπラジアンの位相差をもつのでキャンセルされる。また、妨害信号Vm1 888と893についても、互いにπラジアンの位相差をもつのでキャンセルされる。
【0281】
また、出力端子812から出力される妨害信号Vm2のIF成分は、877、882、889、894の合成信号となる。この妨害信号Vm2 877と889は互いにπラジアンの位相差をもつのでキャンセルされる。また、妨害信号Vm2 882と894についても互いにπラジアンの位相差をもつのでキャンセルされる。つまり、妨害信号Vm2のIF成分は出力端子812から出力されないことになる。
【0282】
このように構成することにより、発振器802からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側および下側に離れた妨害信号、発振器802からの基本周波数の5倍の周波数に対してIFだけ上側および下側に離れた妨害信号によって受信状態の悪いときにはHRMとしての混合回路817を選択する。また、イメージ妨害信号のみが妨害のときにはIRMとしての混合回路816を選択できるように切替え可能としたものである。従って、切替え手段813、814を適宜切替えることにより、低消費電力化が可能であるので携帯用等に適している。
【0283】
また、HRM817は、一方のIRM816と他方のIRM815とから構成している。この一方のIRM816内の混合器803、805の他方の入力に入力される発振器802からの位相シフト量に対し、IRM815内の混合器807、809の他方の入力に入力される発振器802からの位相シフト差をそれぞれ−π/3ラジアンの位相差をもたせるようにそれぞれ発振器用移相器806、808を設けている。このため、M=4としたHRMである実施の形態8では位相シフト量の異なる3個の中間周波数用移相器が必要であるのに対して、実施の形態1と位相シフト量の同じ2個の中間周波数用移相器となる。つまり、部品を削減できるとともに中間周波数用移相器810、811での位相差を少なくでき発振器802の基本出力成分により発生する高調波成分に関する妨害信号の抑圧度を向上できるのである。
【0284】
(実施の形態9)
図13は本発明の実施の形態9における混合回路と高周波受信装置のブロック図を示している。
【0285】
図13において、本実施の形態の高周波受信装置は、入力端子901に入力された高周波信号はフィルタ902で希望信号以外の信号を減衰したあと混合回路904に入力される。また、この混合回路904の出力は出力端子905に接続されてIF信号が出力される。ここで、この混合回路904としては本発明の実施の形態1のものを用いている。
【0286】
ここで、混合器の数Mが3であるHRMとしての混合回路904とした場合は、イメージ妨害信号、混合回路904内の発振器からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側および下側に離れた妨害信号、発振器802からの基本周波数の5倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号に対して抑圧が可能となる。従って、フィルタ902の減衰特性が緩和できるので、小型化および低コスト化が可能となる。
【0287】
(実施の形態10)
図14は本発明の実施の形態10における混合回路と高周波受信装置のブロック図を示している。
【0288】
図14において、本実施の形態の高周波受信装置は、入力端子1001に入力された高周波信号はフィルタ1002にて希望信号以外の信号が減衰されたあと混合回路1004に入力される。また、この混合回路1004の出力は復調回路1005に接続される。この復調回路1005の出力は出力端子1006に接続される。そして、この出力端子1006から復調信号が出力される。さらに、復調回路1005の出力には信号品質を検出する検出回路1007を接続し、この検出回路1007からの信号を受けて切替え用制御回路1008が働き、その出力信号により混合回路1004内にある切替え手段を動作させる。
【0289】
すなわち、検出回路1007により受信状態が悪いと検出したときには、切替え用制御回路1008により混合回路1004内の切替え手段を低消費電力であるIRMから妨害性能の非常に優れたHRMに切替えて受信状態の改善を行うものであり、このように受信状態に合わせて最適な回路を選ぶことができる。ここで、混合回路1004は本実施の形態に示したものを使用している。
【0290】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、入力端子に第1、第2、第3の混合器の一方の端子をそれぞれ接続し、発振器の出力を−π/3、−2π/3ラジアン位相がシフトする発振器用移相器を介して前記第2、第3の混合器の他方の端子にそれぞれ接続し、この第2、第3の混合器の出力から−5π/3、−4π/3ラジアン位相がシフトする中間周波数用移相器を介して出力端子に接続した構成としている。
【0291】
これによりイメージ妨害信号、発振器からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ上側および下側に離れた妨害信号、発振器からの基本周波数の5倍の周波数に対してIFだけ下側に離れた妨害信号を抑圧することができる。従って、高周波信号の受信時における実質的に問題となる妨害を十分に抑圧することができる。従って、高周波信号受信装置に使用すれば良好な受信状態を保つことができる。
【0292】
さらに、発振器からの基本周波数の3倍の周波数に対してIFだけ下側あるいは上側に離れた妨害信号、5倍の周波数よりIFだけ下側に離れた妨害信号をも抑圧することができるので、混合器の入力に接続される入力回路のフィルタ減衰特性を緩和することができる。従って、高周波受信装置に使用すれば小型化および低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における混合回路のブロック図
【図2】同、混合回路での希望信号とイメージ妨害信号の位相図
【図3】同、混合回路での発振器からの基本周波数に対する3倍の周波数に関係する妨害信号の位相図
【図4】同、実施の形態2における混合回路のブロック図
【図5】同、実施の形態3における混合回路のブロック図
【図6】同、実施の形態4における混合回路のブロック図
【図7】同、実施の形態5における混合回路のブロック図
【図8】同、実施の形態6における混合回路のブロック図
【図9】同、実施の形態7における混合回路のブロック図
【図10】同、実施の形態8における混合回路のブロック図
【図11】同、混合回路での希望信号とイメージ妨害信号の位相図
【図12】同、混合回路での発振器の基本周波数に対する3倍の周波数に関係する妨害信号の位相図
【図13】同、実施の形態9における混合回路と高周波信号受信装置のブロック図
【図14】同、実施の形態10における混合回路と高周波信号受信装置のブロック図
【図15】従来の混合回路のブロック図
【図16】同、混合回路における希望信号とイメージ妨害信号の位相図
【図17】同、混合回路における発振器の基本周波数に対する3倍の周波数に関係する妨害信号の位相図
【図18】北米での放送チャンネルと発振器の高次周波数に関係する妨害信号との関係図
【符号の説明】
1 入力端子
2 発振器
3 混合器
4 発振器用移相器
5 混合器
6 発振器用移相器
7 混合器
8 中間周波数用移相器
9 中間周波数用移相器
10 出力端子

Claims (18)

  1. 高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が一方の入力に供給されるとともに他方の入力には発振器の出力信号が供給される第1の混合器と、この第1の混合器からの出力が供給される出力端子と、前記入力端子に入力された高周波信号が一方の入力に供給される第2の混合器と、この第2の混合器の他方の入力と前記発振器の出力との間に接続されるとともに前記第1の混合器の他方の入力の位相に対して−π/3ラジアン位相がシフトする第1の発振器用移相器と、前記第2の混合器の出力と前記出力端子との間に接続されるとともに前記第1の混合器の出力に対して−5π/3ラジアン位相がシフトした第1の中間周波数用移相器と、前記入力端子に入力された高周波信号が一方の入力に供給される第3の混合器と、この第3の混合器の他方の入力と前記発振器の出力との間に接続されるとともに前記第1の混合器の他方の入力の位相に対して−2π/3ラジアン位相がシフトした第2の発振器用移相器と、前記第3の混合器の出力と前記出力端子との間に接続されるとともに前記第1の混合器の出力に対して−4π/3ラジアン位相がシフトした第2の中間周波数用移相器とを有し、前記第1、第2、第3の混合器の他方の入力には各々リミッタ回路が設けられた混合回路。
  2. 発振器の出力に前記発振器の基本出力成分を通過させるフィルタが直接挿入された請求項1に記載の混合回路。
  3. 第1、第2の発振器用移相器をフリップフロップ形式で構成するとともに、第1、第2の中間周波数用移相器をポリフェイズフィルタで構成した請求項1に記載の混合回路。
  4. 第1、第2の発振器用移相器および第1、第2の中間周波数用移相器をポリフェイズフィルタで構成した請求項1に記載の混合回路。
  5. 第1、第2の発振器用移相器および第1、第2の中間周波数用移相器をフリップフロップ形式で構成した請求項1に記載の混合回路。
  6. 高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が一方の入力にそれぞれ供給されるM(Mは3以上の自然数)個の混合器と、このM個の混合器の他方のそれぞれの入力に信号を供給する発振器と、前記それぞれの混合器の出力が供給される出力端子とを有し、前記M個の混合器のうちK(Kは1からMまでの1ずつ順次加算される自然数)番目の混合器においては、前記第K番目の混合器の他方の入力と前記発振器との間に接続された−Kπ/Mラジアンの位相シフト量をもつ発振器用移相器と、前記第K番目の混合器の出力と前記出力端子との間には−2π+Kπ/Mラジアンの位相シフト量をもつ中間周波数用移相器を設けるとともに、前記それぞれの混合器の他方の入力には各々リミッタ回路が設けられた混合回路。
  7. 発振器の出力に前記発振器の基本出力成分を通過させるフィルタが直接挿入された請求項6に記載の混合回路。
  8. 第M番目の混合器の他方の入力と発振器の出力との間が直接接続されるとともに、前記第M番目の混合器の出力と出力端子との間が直接接続された請求項6に記載の混合回路。
  9. 請求項1に記載の第1の混合回路と、前記第1の混合回路内の第1の混合器と発振器とを共用してイメージリジェクションミキサを形成した第2の混合回路から成り、前記第1の混合回路と前記第2の混合回路は切替え用制御回路からの信号により切替え可能な切替え手段を有する混合回路。
  10. 請求項8に記載の混合回路において、Mの値を4とした第1の混合回路を形成するとともに、この混合回路内の部品を共用してイメージリジェクションミキサを形成し、切替え用制御回路からの信号により前記第1の混合回路と前記イメージリジェクションミキサとを切替え可能な切替え手段を有する混合回路。
  11. イメージリジェクションミキサで形成された第1、第2の混合回路を設け、少なくとも前記第1の混合回路と前記第2の混合回路は発振器が共用されるとともに、前記第2の混合回路へ入力される発振器からの位相は前記第1の混合回路へ入力される発振器からの位相に対してそれぞれ−π/3ラジアンの位相シフトをもたせるように発振器用移相器を設け、前記第1、第2の混合回路を並列接続して前記第3の混合回路を形成するとともに、前記第1の混合回路と前記第2の混合回路と第3の混合回路とを切替え用制御回路からの信号により切替え可能な切替え手段を有する混合回路。
  12. 少なくとも混合器と発振器用移相器とは、同一のパッケージに集積された請求項6に記載の混合回路。
  13. 少なくとも混合器と発振器用移相器と中間周波数用移相器は、同一のパッケージに集積された請求項6に記載の混合回路。
  14. 高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が供給されるフィルタと、このフィルタの出力信号が接続される請求項1に記載の混合回路と、この混合回路の出力信号が供給される出力端子とを備え、イメージ妨害信号および前記混合回路内の発振器からの基本周波数の3倍の周波数に対して中間周波数だけ下側あるいは上側に離れた妨害信号となる周波数に関して前記フィルタの減衰特性が緩和された高周波信号受信装置。
  15. 高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が供給されるフィルタと、このフィルタの出力信号が接続された請求項6に記載の混合回路と、この混合回路の出力信号が供給される出力端子とを備え、イメージ妨害信号および前記混合回路内の発振器からの基本周波数の3倍以上の周波数に対して中間周波数だけ下側あるいは上側に離れた妨害信号となる周波数に関して前記フィルタの減衰特性が緩和された高周波信号受信装置。
  16. 高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が入力されるフィルタと、このフィルタの出力信号が入力される請求項9に記載の混合回路と、この混合回路からの出力信号が入力される復調回路と、この復調回路からの出力信号が供給される出力端子と、前記復調回路からの出力信号が供給されるとともに前記高周波信号の信号品質を検出する検出回路と、この検出回路の出力と前記混合回路内の切替え手段との間に切替え用制御回路が設けられるとともに、前記検出回路の出力に基づいて前記切替え手段を切替える高周波信号受信装置。
  17. 高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が入力されるフィルタと、このフィルタの出力信号が入力される請求項10に記載の混合回路と、この混合回路からの出力信号が入力される復調回路と、この復調回路からの出力信号が供給される出力端子と、前記復調回路からの出力信号が供給されるとともに前記高周波信号の信号品質を検出する検出回路と、この検出回路の出力と前記混合回路内の切替え手段との間に切替え用制御回路が設けられるとともに、前記検出回路の出力に基づいて、前記切替え手段を切替える高周波信号受信装置。
  18. 高周波信号が入力される入力端子と、この入力端子に入力された高周波信号が入力されるフィルタと、このフィルタの出力信号が入力される請求項11に記載の混合回路と、この混合回路からの出力信号が入力される復調回路と、この復調回路からの出力信号が供給される出力端子と、前記復調回路からの出力信号が供給されるとともに前記高周波信号の信号品質を検出する検出回路と、この検出回路の出力と前記混合回路内の切替え手段との間に切替え用制御回路が設けられるとともに、前記検出回路の出力回路の出力に基づいて、前記切替え手段を切替える高周波信号受信装置。
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