JP2008067090A - 周波数変換器 - Google Patents

周波数変換器 Download PDF

Info

Publication number
JP2008067090A
JP2008067090A JP2006243244A JP2006243244A JP2008067090A JP 2008067090 A JP2008067090 A JP 2008067090A JP 2006243244 A JP2006243244 A JP 2006243244A JP 2006243244 A JP2006243244 A JP 2006243244A JP 2008067090 A JP2008067090 A JP 2008067090A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
frequency
complex
converter
filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006243244A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiko Kishi
孝彦 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samsung Electronics Co Ltd
Original Assignee
Samsung Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samsung Electronics Co Ltd filed Critical Samsung Electronics Co Ltd
Priority to JP2006243244A priority Critical patent/JP2008067090A/ja
Priority to KR1020070061131A priority patent/KR100871209B1/ko
Publication of JP2008067090A publication Critical patent/JP2008067090A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03DDEMODULATION OR TRANSFERENCE OF MODULATION FROM ONE CARRIER TO ANOTHER
    • H03D7/00Transference of modulation from one carrier to another, e.g. frequency-changing
    • H03D7/16Multiple-frequency-changing
    • H03D7/165Multiple-frequency-changing at least two frequency changers being located in different paths, e.g. in two paths with carriers in quadrature
    • H03D7/166Multiple-frequency-changing at least two frequency changers being located in different paths, e.g. in two paths with carriers in quadrature using two or more quadrature frequency translation stages
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03DDEMODULATION OR TRANSFERENCE OF MODULATION FROM ONE CARRIER TO ANOTHER
    • H03D2200/00Indexing scheme relating to details of demodulation or transference of modulation from one carrier to another covered by H03D
    • H03D2200/0041Functional aspects of demodulators
    • H03D2200/0047Offset of DC voltage or frequency
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03DDEMODULATION OR TRANSFERENCE OF MODULATION FROM ONE CARRIER TO ANOTHER
    • H03D2200/00Indexing scheme relating to details of demodulation or transference of modulation from one carrier to another covered by H03D
    • H03D2200/0041Functional aspects of demodulators
    • H03D2200/0066Mixing
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03DDEMODULATION OR TRANSFERENCE OF MODULATION FROM ONE CARRIER TO ANOTHER
    • H03D2200/00Indexing scheme relating to details of demodulation or transference of modulation from one carrier to another covered by H03D
    • H03D2200/0041Functional aspects of demodulators
    • H03D2200/0082Quadrature arrangements

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Superheterodyne Receivers (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

【課題】広帯域性と良好なIQ間のインバランス特性との両立を図ることの可能な周波数変換器を提供する。
【解決手段】信号受信用の周波数変換器100において、実RF信号を複素RF信号に変換するポリフェーズフィルタ130と、実ローカル信号を複素ローカル信号に変換する分周器140,150と、全入出力信号が複素信号であり、複素RF信号と複素ローカル信号とが入力されるクオドラクチャ・ミキサ160と、を備え、ポリフェーズフィルタが最もよい特性を示す周波数帯と、分周器が最もよい特性を示す周波数帯とが異なることを特徴とする。周波数特性を、RF信号とLO信号とでお互いの特性の悪い周波数帯域を補完し合うように予め設定しておくことで、400MHz〜6GHzのような広い周波数帯域で受信することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は周波数変換器にかかり、特に、ダウンコンバータ/アップコンバータの広帯域化技術における、広帯域性と良好なIQ間のインバランス(Imbalance)特性との両立が可能な広帯域周波数変換器に関する。
移動通信の発展に伴い、一つの端末機で複数の帯域に対応することが求められており、特に、携帯端末においては400MHzから6GHzに対応することが要求されている。ここで、実信号を入力して複素信号を得る直交検波器(直交復調器)や、複素信号を入力して実信号を得る直交変調器においては、一般的な構成としては、2つの乗算器にローカル信号に複素信号を注入することで実現する。
この直交変調器と直交復調器において、乗算器間の位相と振幅の差や複索ローカル信号の実部:Iと虚部:Q(偶対称信号:cosと奇対称信号:sin)間の位相と振幅の差によりIQ間のインバランスが生じ、ホモダイン(ZeroIF)においては信号歪が生じ、ヘテロダインにおいてはイメージ信号が生じる。これを改善するためにさまざまな試みが行われているが、これを広帯域に、例えば400MHz〜6GHzを一つの回路で実現しようとすると、回路動作の広帯域化だけでなくIQ間のインバランスを所定の範囲内に収めるための難易度は一段と高まる。
上記の改善策として、例えば、“0.8−5.2GHzマルチバンド/マルチモードダイレクトコンバージョン送信機用SiGe−MMIC直交変調器”、電子情報通信学会技術報告SR2005-36、pp.105-108、2005(非特許文献1)に記載の技術がある。以下、図9を参照しながら概説する。直交変調器のLO信号を、1/2分周器(90°分周器)10とエミッタフォロア回路20とポリフェーズフィルタ(Poly Phase Filter:PPF)30との直列接続からなる回路に入力すると、1/2分周器10の出力がポリフェーズフィルタ30でバランスを崩して位相誤差を発生することにより、出力周波数が高くなるにつれて位相誤差を低減させることができる。この結果、ポリフェーズフィルタ30が存在しない場合と比較して、広い周波数帯域でLO出力のIQ間のインバランス特性(直交精度)を改善することができる。
また他の改善策として、“A single-Chip 900MHz CMOS Receiver Front-End with a High Performance Low-IF Topology”,IEEE J. of solid-State Circuits,vo1.30,no.12,pp1483-1492, Dec.1995(非特許文献2)に記載の技術がある。以下、図10を参照しながら概説する。RF信号とLO信号とをそれぞれ複素係数フィルタからなる直交変換器40,50を介してダブルクオドラチャ・ミキサ(Double Quadrature Mixer:DQM)60に入力する。ダブルクオドラチャ・ミキサ60は、直交変換器40,50からの実部I、虚部Qの組み合わせがそれぞれ入力される4つの乗算器61〜64と、減算器65と、加算器66からなる。
このダブルクオドラチャ・ミキサ60のミキサ出力のIQ間のインバランスをIMRR(イメージリジェクト比)で表すとき、ミキサ出力での誤差が無いものとすると、IMRR=IMRR_RF+IMRR_localとなる。ここで、IMRR_RFはRF入力のIMRRであり、IMRR_localはローカル入力のIMRRである。このことから、RFまたはローカルのどちらかのIMRRが良好であれば、IQ間のインバランスのイメージリジェクト比を良好にすることができる。以下、このようなダブルクオドラチャ・ミキサによる効果を「足し合わせ効果」という。
蔭山千恵美、中島健介、堤恒次、谷口英司、末松憲治、村上圭司、"0.8−5.2GHzマルチバンド/マルチモードダイレクトコンバージョン送信機用SiGe−MMIC直交変調器"、電子情報通信学会技術報告SR2005-36、pp.105-108、2005 Jan Crols,Michel s.J.Steyaert,"A single-Chip 900MHz CMOS Receiver Front-End with a High Performance Low-IF Topology",IEEE J.of solid-State Circuits,vo1.30,no.12,pp1483-1492,Dec.1995
しかしながら、上記非特許文献1の構成では、周波数分周器とポリフェーズフィルタとが直列接続されているため、LO出力が、周波数分周器での位相安定化状態と、ポリフェーズフィルタでのIMRR(イメージリジェクト比)の良好な状態とが加わることになる。このLO出力信号はポリフェーズフィルタを通過しているため、90°位相差しか対応できない。このため、LO出力信号の2倍波との混合波を出力する偶高調波ミキサ(イーブンハーモニックミキサ)を用いることができない。また、RF信号との関係ではIMRRが良好とはならない場合がある。
また、上記非特許文献2の構成では、RF信号とLO信号とで周波数特性が一致しているため、IQ間のインバランス特性は良好となるが、広帯域性に関して全く開示しておらず、広帯域に良好な特性を持つことは困難であると考えられる。例えば、400MHz〜6GHzのような広い周波数帯域でのIQ間のインバランス特性を改善することは困難である。
本発明は、上記背景技術が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、広帯域性と良好なIQ間のインバランス特性との両立を図ることの可能な、新規かつ改良された周波数変換器を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点にかかる周波数変換器(100)は、実RF信号を複素RF信号に変換するRF信号変換部(130)と、実ローカル信号を複素ローカル信号に変換するローカル信号変換部(140,150)と、全入出力信号が複素信号であり、前記複素RF信号と前記複素ローカル信号とが入力されるダブルクオドラクチャ・ミキサ(160)と、を備える。そして、前記RF信号変換部が最もよい特性を示す周波数帯と、前記ローカル信号変換部が最もよい特性を示す周波数帯とが異なることを特徴とする(請求項1)。なお上記において、構成要素に付随して括弧書きで記した参照符号は、説明の便宜のために、後述の実施形態および図面における対応する構成要素を一例として記したに過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。以下も同様である。
かかる構成によれば、RF信号変換部(複素係数フィルタなどを含んで構成される)の周波数特性を、RF信号とLO信号とでお互いの特性の悪い周波数帯域を補完し合うように予め設定しておく。例えば、ポリフェーズフィルタを設計する場合においても、RF側に複数段のポリフェーズフィルタを挿入するとインサーションロスの増大によるロスが増大することになるので、一段とし、一段ではカバーできない周波数帯域をローカル側で補完する。この結果、RF信号とLO信号とをそれぞれ複素係数フィルタを介してダブルクオドラチャ・ミキサに入力させると、400MHz〜6GHzのような広い周波数帯域で受信することができる。
本発明の周波数変換器において、前記RF信号変換部は、ポリフェーズフィルタを含む構成を採用することができる(請求項2)。あるいは、前記RF信号変換部は、ポリフェーズフィルタと、複素係数トランスバーサルフィルタ(190)と、前記ポリフェーズフィルタと前記複素係数トランスバーサルフィルタとを切り替えるスイッチと、を含む構成とすることも可能である(請求項3)。ポリフェーズフィルタは広帯域の位相分配器としては最も優れているが、RとCとで構成するフィルタなので高い周波数ではロスが増大し、精度も低下する。この点、複素係数トランスバーサルフィルタによれば、高感度と高いIMRRを必要とする周波数においても適用が可能である。
また、前記ローカル信号変換部は、高周波数用の第1の分周器と、低周波数用の第2の分周器とを含む構成とすることも可能である(請求項4)。同一の発振器に対する分周比を切り替えることで、発振器の周波数可変範囲を抑えつつ、ミキサに入力する周波数範囲を拡大することが出来るなどの効果がある。例えば、分周器を1/2、1/4、1/8、・・・で構成すると、それぞれの分周器の分担はオクターブ単位になる。第1の分周器が1/2、第2の分周器が1/4とすると、第1の分周器の出力周波数である低い周波数が400MHz〜800MHzだとすると、第2の分周器の出力周波数は800MHz〜1.6GHz、それぞれの入力周波数=ローカル発振器の周波数は1.6GHz〜3.2GHzとなる。
また、前記ダブルクオドラクチャ・ミキサを構成するミキサに、前記実ローカル信号の2倍波との混合波を出力する偶高調波ミキサ(イーブンハーモニックミキサ)を用いることも可能である(請求項5)。実ローカル信号の位相差を45°とし、ミキサ内部で2逓倍されることで、90°の位相差のローカル信号となる。
上記課題を解決するため、本発明の第2の観点にかかる周波数変換器(200)は、実ローカル信号を複素ローカル信号に変換するローカル信号変換部(240,250)と、全入出力信号が複素信号であり、前記複素ローカル信号が入力されて、複素RF信号を出力するダブルクオドラクチャ・ミキサ(260)と、前記複素RF信号を実RF信号に変換するRF信号変換部(230)と、を備える。そして、前記RF信号変換部が最もよい特性を示す周波数帯と、前記ローカル信号変換部が最もよい特性を示す周波数帯とが異なることを特徴とする(請求項6)。
かかる構成によれば、RF信号変換部(複素係数フィルタなどを含んで構成される)の周波数特性を、RF信号とLO信号とでお互いの特性の悪い周波数帯域を補完し合うように予め設定しておく。例えば、ポリフェーズフィルタを設計する場合においても、RF側に複数段のポリフェーズフィルタを挿入するとインサーションロスの増大によるロスが増大することになるので、一段とし、一段ではカバーできない周波数帯域をローカル側で補完する。この結果、RF信号とLO信号とをそれぞれ複素係数フィルタを介してダブルクオドラチャ・ミキサに入力させると、400MHz〜6GHzのような広い周波数帯域で受信することができる。
本発明の周波数変換器において、前記RF信号変換部は、ポリフェーズフィルタを含む構成を採用することができる(請求項7)。あるいは、前記RF信号変換部は、ポリフェーズフィルタと、複素係数トランスバーサルフィルタ(290)と、前記ポリフェーズフィルタと前記複素係数トランスバーサルフィルタとを切り替えるスイッチと、を含む構成とすることも可能である(請求項8)。ポリフェーズフィルタは広帯域の位相分配器としては最も優れているが、RとCとで構成するフィルタなので高い周波数ではロスが増大し、精度も低下する。この点、複素係数トランスバーサルフィルタによれば、高感度と高いIMRRを必要とする周波数においても適用が可能である。
また、前記ローカル信号変換部は、高周波数用の第1の分周器と、低周波数用の第2の分周器とを含む構成とすることも可能である(請求項9)。同一の発振器に対する分周比を切り替えることで、発振器の周波数可変範囲を抑えつつ、ミキサに入力する周波数範囲を拡大することが出来るなどの効果がある。例えば、分周器を1/2、1/4、1/8、・・・で構成すると、それぞれの分周器の分担はオクターブ単位になる。第1の分周器が1/2、第2の分周器が1/4とすると、第1の分周器の出力周波数である低い周波数が400MHz〜800MHzだとすると、第2の分周器の出力周波数は800MHz〜1.6GHz、それぞれの入力周波数=ローカル発振器の周波数は1.6GHz〜3.2GHzとなる。
また、前記ダブルクオドラクチャ・ミキサを構成するミキサに、前記実ローカル信号の2倍波との混合波を出力する偶高調波ミキサ(イーブンハーモニックミキサ)を用いることも可能である(請求項10)。実ローカル信号の位相差を45°とし、ミキサ内部で2逓倍されることで、90°の位相差のローカル信号となる。
以上のように、本発明によれば、広帯域性と良好なIQ間のインバランス特性との両立が可能な周波数変換器(広帯域周波数変換器)を提供することが可能である。
すなわち、ローカル信号は高い周波数で位相誤差が増大し、RF信号は低い周波数で位相誤差が増大するが、ダブルクオドラチャ・ミキサ出力でのIMRRは両者の和であることから、位相誤差の増大は抑圧され、高い周波数でも低い周波数でも良好なIMRRが得られる非特許文献1と同等の効果が得られる。
さらに、非特許文献1ではポリフェーズフィルタが90°位相差の信号を出力するために90°位相差にしか対応できなかったが、本発明ではイーブンハーモニックミキサを用いることで、45°位相差にも対応出来る。よって、歪とダウンコンバータでのDCオフセットに優れた偶高調波を用いることが出来る効果がある。
さらにダブルクオドラチャ・ミキサでは、ミキサとローカル信号に対してIQ間のインバランスの発生要因に対するクリティカルな要求が緩和されるので、ミキサに用いるトランジスタのサイズを大きくすることでIQ間のインバランス特性を改善するような、回路動作の広帯域化の妨げとなるような対策も不要となる。
また、非特許文献1の広帯域周波数変換器より良好なIQ間のインバランス特性を実現できるので、ホモダインだけでなく高いIMRRが要求されるLowIFの周波数変換器としても適切な性能をもち、アナログ部では荒い周波数ステップでの周波数変換を行い、ディジタル部で細かいステップの周波数変換を行うディジタル無線機やソフトウェア無線機のような無線機への応用も可能である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明にかかる周波数変換器の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、以下で説明する各実施形態の基本的な概念について説明する。
以下の実施形態では、IQ間のインバランスが良好なダブルクオドラチャ・ミキサを用いて広帯域性と高性能性の両立を図る。ダブルクオドラチャ・ミキサは、図1を参照して後述するように、ミキサの全ポートを複素信号とする。このときのミキサ出力のIQ間のインバランスをIMRR(イメージリジェクト比)で表すとき、ミキサ出力での誤差が無いものとすると、IMRR=IMRR_RF+IMRR_localとなる。ここで、IMRR_RFはRF入力のIMRRであり、IMRR_localはローカル入力のIMRRである。
このことから、IQ間のインバランスのイメージリジェクト比を良好にするためには、RFまたはローカルのどちらかのIMRRが良好であればよいことが分かる。そこで、ダブルクオドラクチャ・ミキサに入力する信号を以下のように生成する。
まず、実RF信号より複数RF信号を得る手段、もしくは、複素RF信号より実RF信号を得る手段には、ポリフェーズフィルタなどの広帯域な複素係数フィルタを用いる。ここで、ポリフェーズフィルタによって良好な90°位相差が得られる周波数は、高い周波数に設定する。
一方、実ローカル信号より複素ローカル信号を得る手段、もしくは、複素ローカル信号より実ローカル信号を得る手段としては、発振器出力を分周して90°または45°の位相差を得るものとしたとき、高い周波数では1/2分周出力を用い、低い周波数では1/4分周を用いる。これにより高い周波数では位相誤差が大きくても、低い周波数では位相誤差が改善される。
そして、複素係数フィルタの周波数特性がRF信号とLO信号とで互いにずれるように予め設定しておく。すなわち、RF信号を変換する手段が最もよい特性を示す周波数帯と、ローカル信号を変換する手段が最もよい特性を示す周波数帯とを異なるものとする。この結果、RF信号とLO信号とをそれぞれ複素係数フィルタを介してダブルクオドラチャ・ミキサに入力させると、400MHz〜6GHzのような広い周波数帯域で受信することができる。
以上、本実施形態の基本的な概念について説明した。
以下では、この基本的な概念を実現するための具体的な構成について、第1〜第4の実施形態として説明する。
(第1の実施形態:受信用周波数変換器)
図1は、400MHzから2.1GHzと2.5GHzの実RF信号を複素係数フィルタにより複素RF信号に変換した信号と、目的とするRF信号と同じ周波数の実ローカル信号を分周器により複素ローカル信号に変換した信号とを、4つの乗算器と加算器と減算器とにより構成されるダブルクオドラチャ・ミキサ(全複素ミキサ)に入力して、複素ベースバンド信号(複素零IF信号)を得る周波数変換器の実施例である。
本実施形態にかかる受信用周波数変換器100は、図1に示したように、RF信号側に、帯域制限を目的とするバンドパスフィルタ(BPF)110と、低雑音増幅回路(LNA)120と、ポリフェーズフィルタ(PPF)130とを備える。さらに、ローカル信号発振器側(LO)に、1/2分周期140と、1/4分周期150と、これら2つの分周器を切り替えるためのスイッチS1、S2とを備える。RF信号側からの複素RF信号とローカル信号発振器側からの複素ローカル信号は、後段のダブルクオドラチャ・ミキサ160に入力される。ダブルクオドラチャ・ミキサ160からの複素ベースバンド信号(複素零IF信号)は、ローパスフィルタ(LPF)170を介して実信号Iとして出力され、また、ローパスフィルタ(LPF)180を介して複素信号Qとして出力される。
以下に、各構成要素について詳細に説明する。
(RF信号側)
RF信号側には、帯域制限を目的とするバンドパスフィルタ(BPF)110と、低雑音増幅回路(LNA)120と、ポリフェーズフィルタ(PPF)130とを備える。バンドパスフィルタ110は、周波数に応じてバンドパスフィルタを切り替えるフィルタバンクである。低雑音増幅回路(Low Noise Amplifier:LNA)120は、受信機初段に適用される雑音指数の小さい増幅器である。
ポリフェーズフィルタ130は、広帯域の複素係数フィルタの一種であり、90°の位相差を広帯域に実現する。図2は、ポリフェーズフィルタ130の一例を示す説明図である。ポリフェーズフィルタは、図2に示したように、入力が4端子、出力も四端子のブリッジ構造になり、受信は4端子をI+,I−,Q+,Q−としたときに、I+とI−に入力し(Q+,Q−は接地)、I+とI−からI、Q+とQ−からQを得る。送信は、IをI+とI−に入力し、QをQ+とQ−に入力し、出力のI+とI−のIと、Q−とQ+の−QからI−jQを求めることで実信号を得る。
ここで、90°の位相差が得られる周波数範囲外においても、振幅特性に大きな変動が無いことが重要である。たとえ位相差が0°であっても、振幅レベルに変動が無ければ従来の周波数変換器と同等の動作をするだけであるが、バンドパスフィルタのように所定の周波数範囲外ではレベルが下がってしまう場合には、目的とする感度が得られなくなるからである。なお、ポリフェーズフィルタ130以外の広帯域の複素係数フィルタには、RCやLCによるオールパスフィルタを用いた2つの位相器間の位相差によって90°の位相差を広帯域に実現する手段がある。
そして本実施形態では、複素係数フィルタであるポリフェーズフィルタ130の周波数特性が、RF信号とLO信号とで互いにずれるように予め設定しておく。この結果、RF信号とLO信号とをそれぞれポリフェーズフィルタ130を介してダブルクオドラチャ・ミキサ160に入力させると、ダブルクオドラチャ・ミキサ160での足し合わせ効果で、400MHz〜6GHzのような広い周波数帯域で受信することができる。
(ローカル信号側)
ローカル信号発振器LO側には、1/2分周期140と、1/4分周期150と、これら2つの分周器140、150を切り替えるためのスイッチS1、S2とを備える。スイッチS1とS2はRF周波数に応じて分周器140、150の分周比を切り替える。高い周波数では、1/2分周とし、低い周波数では1/4分周とする。
1/2分周器140は入力信号のポジティブエッジとネガティブエッジを用いることで90°位相差を持つ出力を得るが、入力信号のデューティが完全に50%でなければ完全な90°位相差を持つ出力を得ることが出来ない。完全なデューティ50%を実現することは困難なので、1/2分周器140の出力には位相誤差の存在が避けられない。
これに対して、1/4分周器150ではポジティブエッジかネガティブエッジのどちらかだけを用いることで90°位相差を持つ出力を得ることが出来るので、良好な複素信号出力を得ることが出来る。また一般に、同一の発振器に対する分周比を切り替えることで、発振器の周波数可変範囲を抑えつつ、ミキサに入力する周波数範囲を拡大することが出来る。
スイッチS1、S2の切り替えによる分周器140、150の選択をまとめると、図3に示した表のようになる。図3に示したように、RF周波数が400MHz〜1GHz(低周波数)の場合は、1/4分周器150を選択し、RF周波数が1GHz〜2.1GHz、2.5GHz(高周波数)の場合は、1/2分周器140を選択する。そして、ポリフェーズフィルタ130の極を1GHz以上に設計することで、ポリフェーズフィルタ130のIMRRと分周器140、150のIMRRがお互いに補うように設定され、広帯域で良好なIMRRが得られる。
(ダブルクオドラチャ・ミキサ)
ダブルクオドラチャ・ミキサ160は、図1に示したように、4つの乗算器161〜164と減算器165と加算器166とにより構成されている。
乗算器161は、ポリフェーズフィルタ130の出力とスイッチS1の出力とを入力とし、乗算結果を減算器165へ出力する。乗算器162は、ポリフェーズフィルタ130の出力とスイッチS2の出力とを入力とし、乗算結果を減算器165へ出力する。乗算器163は、ポリフェーズフィルタ130の出力とスイッチS1の出力とを入力とし、乗算結果を加算器166へ出力する。乗算器164は、ポリフェーズフィルタ130の出力とスイッチS2の出力とを入力とし、乗算結果を加算器166へ出力する。
45°の位相差の入力信号に対応するため、乗算器161〜161には、入力信号の2倍波との混合波を出力する偶高調波ミキサ(イーブンハーモニックミキサ)を用いることができる。45°の位相差の入力信号に対し、乗算器内部で2逓倍されることで、90°の位相差の信号となる。
減算器165は、乗算器161の出力と乗算器162の出力とを入力とし、減算結果を後段のローパスフィルタ(LPF)170へ出力する。ローパスフィルタ(LPF)170の出力が実部Iとなる。加算器166は、乗算器163の出力と乗算器164の出力とを入力とし、加算結果を後段のローパスフィルタ(LPF)180へ出力する。ローパスフィルタ(LPF)180の出力が虚部Qとなる。
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、複素係数フィルタであるポリフェーズフィルタ130の周波数特性を、RF信号とLO信号とで互いにずれるように予め設定しておく。この結果、RF信号とLO信号とをそれぞれ複素係数フィルタを介してダブルクオドラクチャ・ミキサ160に入力させると、ダブルクオドラクチャ・ミキサ160での足し合わせ効果により、400MHz〜6GHzのような広い周波数帯域で受信することができる。
(第2の実施形態:送信用周波数変換器)
図4は、複素ベースバンド信号と、目的とするRF信号と同じ周波数の実ローカル信号を分周器により複素ローカル信号に変換した信号とを、4つの乗算器と加算器と減算器により構成されるダブルクオドラチャ・ミキサ(全複素ミキサ)に入力して、複素RF信号を得た後、複素係数フィルタにより負または正の周波数を抑圧した後に、複素RF信号の実部を出力して、400MHzから2.1GHzと2.5GHzの実RF信号を得る周波数変換器の実施例である。
本実施形態にかかる送信用周波数変換器200は、図4に示したように、RF信号側に、帯域制限を目的とするバンドパスフィルタ(BPF)210と、増幅回路220と、ポリフェーズフィルタ(PPF)230とを備える。さらに、ローカル信号発振器LO側に、1/2分周期240と、1/4分周期250と、これら2つの分周器を切り替えるためのスイッチS1、S2とを備える。実信号Iはローパスフィルタ(LPF)270を介して、また、複素信号Qはローパスフィルタ(LPF)280を介して、それぞれダブルクオドラクチャ・ミキサ260に入力される。さらに、ローカル信号発振器LO側からの複素ローカル信号が、後段のダブルクオドラチャ・ミキサ260に入力される。そして、ダブルクオドラクチャ・ミキサ260の出力信号は、ポリフェーズフィルタ230、増幅回路220、およびバンドパスフィルタ(BPF)210を介して、RF信号として、送信信号とされる。
以下に、各構成要素について詳細に説明する。
(RF信号側)
RF信号側には、帯域制限を目的とするバンドパスフィルタ(BPF)210と、増幅回路220と、ポリフェーズフィルタ(PPF)230とを備える。バンドパスフィルタ210は、周波数に応じてバンドパスフィルタを切り替えるフィルタバンクである。
ポリフェーズフィルタ230は、広帯域の複素係数フィルタの一種であり、90°の位相差を広帯域に実現する。ここで、90°の位相差が得られる周波数範囲外においても、振幅特性に大きな変動が無いことが重要である。たとえ位相差が0°であっても、振幅レベルに変動が無ければ従来の周波数変換器と同等の動作をするだけであるが、バンドパスフィルタのように所定の周波数範囲外ではレベルが下がってしまう場合には、目的とする感度が得られなくなるからである。なお、ポリフェーズフィルタ230以外の広帯域の複素係数フィルタには、RCやLCによるオールパスフィルタを用いた2つの位相器間の位相差によって90°の位相差を広帯域に実現する手段がある。
(ローカル信号側)
ローカル信号発振器LO側には、1/2分周期240と、1/4分周期250と、これら2つの分周器240、250を切り替えるためのスイッチS1、S2とを備える。スイッチS1とS2はRF周波数に応じて分周器240、250の分周比を切り替える。高い周波数では、1/2分周とし、低い周波数では1/4分周とする。
1/2分周器240は入力信号のポジティブエッジとネガティブエッジを用いることで90°位相差を持つ出力を得るが、入力信号のデューティが完全に50%でなければ完全な90°位相差を持つ出力を得ることが出来ない。完全なデューティ50%を実現することは困難なので、1/2分周器240の出力には位相誤差の存在が避けられない。
これに対して、1/4分周器250ではポジティブエッジかネガティブエッジのどちらかだけを用いることで90°位相差を持つ出力を得ることが出来るので、良好な複素信号出力を得ることが出来る。また一般に、同一の発振器に対する分周比を切り替えることで、発振器の周波数可変範囲を抑えつつ、ミキサに入力する周波数範囲を拡大することが出来る。
スイッチS1、S2の切り替えによる分周器240、250の選択をまとめると、図3に示した表のようになる。図3に示したように、RF周波数が400MHz〜1GHz(低周波数)の場合は、1/4分周器250を選択し、RF周波数が1GHz〜2.1GHz、2.5GHz(高周波数)の場合は、1/2分周器240を選択する。そして、ポリフェーズフィルタ130の極を1GHz以上に設計することで、ポリフェーズフィルタ230のIMRRと分周器240、250のIMRRがお互いに補うように設定され、広帯域で良好なIMRRが得られる。
(ダブルクオドラチャ・ミキサ)
ダブルクオドラチャ・ミキサ260は、図4に示したように、4つの乗算器261〜264と減算器265と加算器266とにより構成されている。
乗算器261は、ローパスフィルタ270の出力とスイッチS1の出力とを入力とし、乗算結果を減算器265へ出力する。乗算器262は、ローパスフィルタ280の出力とスイッチS2の出力とを入力とし、乗算結果を減算器265へ出力する。乗算器263は、ローパスフィルタ280の出力とスイッチS1の出力とを入力とし、乗算結果を加算器266へ出力する。乗算器264は、ローパスフィルタ270の出力とスイッチS2の出力とを入力とし、乗算結果を加算器266へ出力する。
減算器265は、乗算器261の出力と乗算器262の出力とを入力とし、減算結果を後段のポリフェーズフィルタ230へ出力する。加算器266は、乗算器263の出力と乗算器264の出力とを入力とし、加算結果を後段のポリフェーズフィルタ230へ出力する。ポリフェーズフィルタ230の出力は、増幅回路220、およびバンドパスフィルタ(BPF)210を介して、RF信号として、送信信号とされる。
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、複素係数フィルタであるポリフェーズフィルタ130の周波数特性を、RF信号とLO信号とで互いにずれるように予め設定しておく。この結果、RF信号とLO信号とをそれぞれ複素係数フィルタを介してダブルクオドラクチャ・ミキサ160に入力させると、ダブルクオドラクチャ・ミキサ160での足し合わせ効果により、400MHz〜6GHzのような広い周波数帯域で受信することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態として、上記第1の実施形態(受信用周波数変換器)の応用例について説明する。
上記第1の実施形態においては、RF信号側にポリフェーズフィルタ130を備える構成について説明した(図1)。ポリフェーズフィルタのような広帯域の複素係数フィルタは帯域制限機能を持たないため、別途帯域制限を目的とするバンドパスフィルタ110が必要となり、ポリフェーズフィルタ130のロスを含むトータルのロスが大きいことがある。また、ポリフェーズフィルタはIC上に構成できるためにワンチップ化が容易であるが、ICの製造誤差と寄生抵抗・コンデンサ・インダクタにより高いIMRRが得られないことがある。
そこで、本実施形態にかかる受信用周波数変換器300では、図5に示したように、ポリフェーズフィルタ130と並列に、他の複素係数フィルタである複素係数トランスバーサルフィルタ190(および低雑音増幅回路198)を備えた構成を採用する。
図6は、複素係数トランスバーサルフィルタ190の一例を示す説明図である。複素係数トランスバーサルフィルタ190は、図6に示したように、圧電基板191と、圧電基板191上に設けられた交差幅が場所ごとに異なるすだれ状電極(以下、IDT:Inter-digital Transducer:インターデジタルトランスデューサ)192〜195によって構成されている。各すだれ状の部分は電極指とも呼ばれる。IDT192、194は、入力端子に接続されており、インパルス電気信号が印加されると、圧電性により機械的歪みを生じ、弾性表面波(Surface
Acoustic Wave:SAW)が励振され、圧電基板191の左右方向に伝搬することになる。IDT193は、実数軸の成分を出力する出力端子Iに接続され、IDT192からの弾性表面波を受信できる位置に設けられている。また、IDT195は虚数軸の成分を出力する出力端子Qに接続され、IDT194からの弾性表面波を受信できる位置に設けられている。
そして、複素係数フィルタ130,190のいずれかまたは双方の周波数特性がRF信号とLO信号とで互いにずれるように予め設定しておく。さらに、RF信号と複素係数フィルタ(ポリフェーズフィルタ130または複素係数トランスバーサルフィルタ190)との間にスイッチS5を設けるとともに、複素係数フィルタとダブルクオドラチャ・ミキサ160との間にスイッチS3、S4設ける。なお、他の構成要素については、図1に示した構成要素と実質的に同一であるので、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
そして、受信用周波数変換器300において、高感度と高いIMRRを必要とする周波数においては、スイッチS3、S4、S5を切り替えることにより、ポリフェーズフィルタ130に代えて、複素係数トランスバーサルフィルタ190を選択することが可能である。
スイッチS1〜S5の切り替えによる複素係数フィルタ130、190と分周器140、150の選択をまとめると、図7に示した表のようになる。図7に示したように、RF周波数が400MHz〜1GHzの場合は、RF信号側ではポリフェーズフィルタ130を選択し、ローカル信号側では1/4分周器150を選択する。RF周波数が1GHz〜2.1GHzの場合は、RF信号側ではポリフェーズフィルタ130を選択し、ローカル信号側では1/2分周器140を選択する。RF周波数が2.5GHzの場合は、RF信号側では複素計数トランスバーサルフィルタ190を選択し、ローカル信号側では1/2分周器140を選択する。そして、ポリフェーズフィルタの極を1GHz以上に設計することで、ポリフェーズフィルタのIMRRと分周器のIMRRがお互いに補うように設定され、広帯域で良好なIMRRが得られる。
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加え、バンドパスフィルタを必要としない複素係数トランスバーサル190に切り替えることにより、フィルタを介することによるロスを低減させることができる。さらに、複素係数トランスバーサル190に切り替えることにより、高感度と高いIMRRを必要とする周波数においても適用が可能である。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態として、上記第2の実施形態(受信用周波数変換器)の応用例について説明する。
上記第3の実施形態と同様に、本実施形態にかかる送信用周波数変換器400では、図8に示したように、ポリフェーズフィルタ230と並列に、他の複素係数フィルタである複素係数トランスバーサルフィルタ290(および増幅回路298)を備えた構成を採用する。そして、複素係数フィルタ230,290のいずれかまたは双方の周波数特性がRF信号とLO信号とで互いにずれるように予め設定しておく。さらに、RF信号と複素係数フィルタ(ポリフェーズフィルタ230または複素係数トランスバーサルフィルタ290)との間にスイッチS5を設けるとともに、複素係数フィルタとダブルクオドラチャ・ミキサ260との間にスイッチS3、S4設ける。なお、他の構成要素については、図4に示した構成要素と実質的に同一であるので、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
そして、送信用周波数変換器400において、高感度と高いIMRRを必要とする周波数においては、スイッチS3、S4、S5を切り替えることにより、ポリフェーズフィルタ130に代えて、複素係数トランスバーサルフィルタ290を選択することが可能である。
スイッチS1〜S5の切り替えによる複素係数フィルタ230、290と分周器240、250の選択をまとめると、図7に示した表のようになる。図7に示したように、RF周波数が400MHz〜1GHzの場合は、RF信号側ではポリフェーズフィルタ230を選択し、ローカル信号側では1/4分周器250を選択する。RF周波数が1GHz〜2.1GHzの場合は、RF信号側ではポリフェーズフィルタ230を選択し、ローカル信号側では1/2分周器240を選択する。RF周波数が2.5GHzの場合は、RF信号側では複素計数トランスバーサルフィルタ290を選択し、ローカル信号側では1/2分周器240を選択する。そして、ポリフェーズフィルタの極を1GHz以上に設計することで、ポリフェーズフィルタのIMRRと分周器のIMRRがお互いに補うように設定され、広帯域で良好なIMRRが得られる。
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第2の実施形態の効果に加え、バンドパスフィルタを必要としない複素係数トランスバーサル290に切り替えることにより、フィルタを介することによるロスを低減させることができる。さらに、複素係数トランスバーサル290に切り替えることにより、高感度と高いIMRRを必要とする周波数においても適用が可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明にかかる周波数変換器の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本発明によれば、非特許文献1の広帯域周波数変換器より良好なIQ間のインバランス特性を実現できるので、ホモダインだけでなく高いIMRRが要求されるLowIFの周波数変換器としても適切な性能をもち、アナログ部では荒い周波数ステップでの周波数変換を行い、ディジタル部で細かいステップの周波数変換を行うディジタル無線機やソフトウェア無線機のような無線機への応用も可能である。
また上記実施形態では、RF信号側にポリフェーズフィルタを用い、ローカル信号側に分周器を設ける構成について説明したが、本発明はこれに限定されず、RF信号側とローカル信号側の両方にポリフェーズフィルタを用いる構成としてもよい。
具体的には例えば、既成インダクタ、容量と抵抗とコンデンサのばらつきがないものとしたとき、400MHzから3.5GHzにおいて30dBのIMRRが得られる500MHzと1.2GHzと2.8GHzに極を持つ3段のポリフェーズフィルタをローカル信号側の位相器に用い、5.3GHzに極を持つ1段のポリフェーズフィルタをRF信号側の位相器に用いることで、400MHzから2.1Hzにおいて35dB以上のIMRRが得られる。また、OFDMやQAMが用いられる2.4から6GHzにおいて40dB以上のIMRRが得られる。このときのローカル用ポリフェーズフィルタの素子値は、R:200Ω、C1:1.591pF、C2:0.663pF、C3:0.274pFであり、RF用ポリフェーズフィルタの素子値は、R:200Ω、C:0.15pFである。
本発明は周波数変換器に利用可能であり、特に、ダウンコンバータ/アップコンバータの広帯域化技術における、広帯域性と良好なIQ間のインバランス(Imbalance)特性との両立が可能な広帯域周波数変換器に利用可能である。
本発明にかかる受信用周波数変換器の一実施形態を示す説明図である。 ポリフェーズフィルタの一例を示す説明図である。 スイッチの切り替えとローカル信号の分周比の対応を示す説明図である。 本発明にかかる送信用周波数変換器の一実施形態を示す説明図である。 受信用周波数変換器の他の実施形態を示す説明図である。 複素係数トランスバーサルフィルタの一例を示す説明図である。 スイッチの切り替えとRFの複素係数フィルタとローカル信号の分周比の対応を示す説明図である。 送信用周波数変換器の他の実施形態を示す説明図である。 従来の90°分配器(非特許文献1)の構成を示す説明図である。 従来の直交ダウンコンバータ(非特許文献2)の構成を示す説明図である。
符号の説明
100 受信用周波数変換器
110 バンドパスフィルタ(BPF)
120 低雑音増幅回路(LNA)
130 ポリフェーズフィルタ(PPF)
140 1/2分周期
150 1/4分周期
160 ダブルクオドラチャ・ミキサ
161〜164 乗算器
165 減算器
166 加算器
170 ローパスフィルタ(LPF)
180 ローパスフィルタ(LPF)
190 複素係数トランスバーサルフィルタ
198 低雑音増幅回路(LNA)
200 送信用周波数変換器
210 バンドパスフィルタ(BPF)
220 増幅回路
230 ポリフェーズフィルタ(PPF)
240 1/2分周期
250 1/4分周期
260 ダブルクオドラチャ・ミキサ
261〜264 乗算器
265 減算器
266 加算器
270 ローパスフィルタ(LPF)
280 ローパスフィルタ(LPF)
290 複素係数トランスバーサルフィルタ
298 増幅回路
300 受信用周波数変換器
400 送信用周波数変換器
S1〜S5 スイッチ
RF RF信号
LO ローカル信号(ローカル信号発振器)

Claims (10)

  1. 周波数変換器において、
    実RF信号を複素RF信号に変換するRF信号変換部と、
    実ローカル信号を複素ローカル信号に変換するローカル信号変換部と、
    全入出力信号が複素信号であり、前記複素RF信号と前記複素ローカル信号とが入力されるダブルクオドラクチャ・ミキサと、
    を備え、
    前記RF信号変換部が最もよい特性を示す周波数帯と、前記ローカル信号変換部が最もよい特性を示す周波数帯とが異なることを特徴とする、周波数変換器。
  2. 前記RF信号変換部は、ポリフェーズフィルタを含むことを特徴とする、請求項1に記載の周波数変換器。
  3. 前記RF信号変換部は、ポリフェーズフィルタと、複素係数トランスバーサルフィルタと、前記ポリフェーズフィルタと前記複素係数トランスバーサルフィルタとを切り替えるスイッチと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の周波数変換器。
  4. 前記ローカル信号変換部は、高周波数用の第1の分周器と、低周波数用の第2の分周器とを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の周波数変換器。
  5. 前記ダブルクオドラクチャ・ミキサを構成するミキサに、前記実ローカル信号の2倍波との混合波を出力する偶高調波ミキサを用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の周波数変換器。
  6. 周波数変換器において、
    実ローカル信号を複素ローカル信号に変換するローカル信号変換部と、
    全入出力信号が複素信号であり、前記複素ローカル信号が入力されて、複素RF信号を出力するダブルクオドラクチャ・ミキサと、
    前記複素RF信号を実RF信号に変換するRF信号変換部と、
    を備え、
    前記RF信号変換部が最もよい特性を示す周波数帯と、前記ローカル信号変換部が最もよい特性を示す周波数帯とが異なることを特徴とする、周波数変換器。
  7. 前記RF信号変換部は、ポリフェーズフィルタを含むことを特徴とする、請求項6に記載の周波数変換器。
  8. 前記RF信号変換部は、ポリフェーズフィルタと、複素係数トランスバーサルフィルタと、前記ポリフェーズフィルタと前記複素係数トランスバーサルフィルタとを切り替えるスイッチと、を含むことを特徴とする、請求項6に記載の周波数変換器。
  9. 前記ローカル信号変換部は、高周波数用の第1の分周器と、低周波数用の第2の分周器とを含むことを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の周波数変換器。
  10. 前記ダブルクオドラクチャ・ミキサを構成するミキサに、前記実ローカル信号の2倍波との混合波を出力する偶高調波ミキサを用いることを特徴とする、請求項6〜9のいずれかに記載の周波数変換器。
JP2006243244A 2006-09-07 2006-09-07 周波数変換器 Pending JP2008067090A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006243244A JP2008067090A (ja) 2006-09-07 2006-09-07 周波数変換器
KR1020070061131A KR100871209B1 (ko) 2006-09-07 2007-06-21 주파수 변환기

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006243244A JP2008067090A (ja) 2006-09-07 2006-09-07 周波数変換器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008067090A true JP2008067090A (ja) 2008-03-21

Family

ID=39289389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006243244A Pending JP2008067090A (ja) 2006-09-07 2006-09-07 周波数変換器

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2008067090A (ja)
KR (1) KR100871209B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010068229A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Advantest Corp イメージ除去装置
JP2011160214A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Renesas Electronics Corp 受信装置及びイメージ除去方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101133745B1 (ko) * 2009-11-23 2012-04-09 한국전자통신연구원 다중대역 다중모드 헤테로다인 수신기

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4985909A (ja) * 1972-07-27 1974-08-17
JPH0311807A (ja) * 1989-06-08 1991-01-21 Murata Mfg Co Ltd 変復調回路
WO1993005583A1 (en) * 1991-08-29 1993-03-18 Motorola, Inc. An integrated circuit including a surface acoustic wave transformer and a balanced mixer
JP2001119315A (ja) * 1999-10-21 2001-04-27 Murata Mfg Co Ltd 受信モジュール及び受信機
WO2001054267A1 (en) * 2000-01-19 2001-07-26 Koninklijke Philips Electronics N.V. Radio fm receiver
WO2002093732A2 (en) * 2001-05-11 2002-11-21 Koninklijke Philips Electronics N.V. Tuner circuit using polyphase filters and mixer
JP2003198329A (ja) * 2001-12-28 2003-07-11 Rf Chips Technology Inc 能動型ポリフェーズフィルタ・アンプおよびミキサ回路、ならびにイメージリジェクションミキサ
JP2006217460A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Mitsubishi Electric Corp 偶高調波ミクサ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100218667B1 (ko) * 1996-08-28 1999-09-01 정선종 고주파 디지탈 주파수 합성기
GB9720285D0 (en) * 1997-09-25 1997-11-26 Philips Electronics Nv Improvements in or relating to phasing receivers
KR20060082208A (ko) * 2005-01-11 2006-07-18 삼성전기주식회사 이미지 리젝션 믹서 및 이를 이용한 로우if 구조의지상파 dmb 튜너

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4985909A (ja) * 1972-07-27 1974-08-17
JPH0311807A (ja) * 1989-06-08 1991-01-21 Murata Mfg Co Ltd 変復調回路
WO1993005583A1 (en) * 1991-08-29 1993-03-18 Motorola, Inc. An integrated circuit including a surface acoustic wave transformer and a balanced mixer
JP2001119315A (ja) * 1999-10-21 2001-04-27 Murata Mfg Co Ltd 受信モジュール及び受信機
WO2001054267A1 (en) * 2000-01-19 2001-07-26 Koninklijke Philips Electronics N.V. Radio fm receiver
WO2002093732A2 (en) * 2001-05-11 2002-11-21 Koninklijke Philips Electronics N.V. Tuner circuit using polyphase filters and mixer
JP2003198329A (ja) * 2001-12-28 2003-07-11 Rf Chips Technology Inc 能動型ポリフェーズフィルタ・アンプおよびミキサ回路、ならびにイメージリジェクションミキサ
JP2006217460A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Mitsubishi Electric Corp 偶高調波ミクサ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010068229A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Advantest Corp イメージ除去装置
JP2011160214A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Renesas Electronics Corp 受信装置及びイメージ除去方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20080023099A (ko) 2008-03-12
KR100871209B1 (ko) 2008-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100987295B1 (ko) 다운컨버터 및 업컨버터
Mirabbasi et al. Classical and modern receiver architectures
KR101115270B1 (ko) 송신 신호 누설의 영향을 감소시키기 위해서 노치 필터를 구비한 무선 수신기
KR100341231B1 (ko) 이상기
US20060281429A1 (en) Downconverter and upconverter
US9871487B2 (en) Harmonic rejection translational filter
KR20040095401A (ko) 주파수 혼합 회로 및 방법과 고주파 수신회로 및 방법
JP2012521154A5 (ja)
US20070171312A1 (en) Frequency converter
JP2006101478A (ja) 通信用半導体集積回路および無線通信システム
KR102096007B1 (ko) 3차 서브하모닉 믹서를 포함하는 직접변환 통신장치
JP2004159342A (ja) 平衡分数調波ミクサ
GB2434045A (en) Frequency Changer for Tuner
JP2009284059A (ja) フィルタ回路、無線送信機および無線受信機
JP2004166204A (ja) 周波数変換器および無線送受信機
EP1425845B1 (en) Harmonic mixer
US7689189B2 (en) Circuit and method for signal reception using a low intermediate frequency reception
JP2008067090A (ja) 周波数変換器
JP4763206B2 (ja) 多相フィルタ
De Boer et al. Simplified harmonic rejection mixer analysis and design based on a filtered periodic impulse model
JP2006515971A (ja) 無線周波(rf)信号のアップコンバージョンおよびダウンコンバージョンのための再生分周器
CN113261208B (zh) 一种用于载波聚合的射频接收机
US8442470B1 (en) Harmonic-reject FTI filter
JP2007174084A (ja) 周波数変換器
US20240120959A1 (en) Multiband radio receivers

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090515

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090706

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090707

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110823

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111101