以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
第一の実施形態
図1は、本発明の第一の実施形態にかかるイメージ除去装置1の構成を示す図である。第一の実施形態にかかるイメージ除去装置1は、RF信号入力端子12、第一ミキサ14、第二ミキサ16、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18、終端抵抗22、IF信号出力端子24、原ローカル信号源32、2分の1分周器34、第一遅延部35、XOR演算子36、第二遅延部37を備える。
RF信号入力端子12は、RF(Radio
Frequency)信号が入力される端子である。
第一ミキサ14は、RF信号入力端子12からRF信号を受け、さらに第一ローカル信号を受ける。さらに、第一ミキサ14は、RF信号と第一ローカル信号とを混合し、第一混合信号を出力する。なお、第一ローカル信号は2分の1分周器34の出力であり、第一ミキサ14は2分の1分周器34の出力を第二遅延部37を介して受ける。また、第一ミキサ14は、例えば乗算器であり、RF信号と第一ローカル信号とを乗算したものを第一混合信号として出力する。
第二ミキサ16は、RF信号入力端子12からRF信号を受け、さらに第二ローカル信号を受ける。さらに、第二ミキサ16は、RF信号と第二ローカル信号とを混合し、第二混合信号を出力する。なお、第二ローカル信号はXOR演算子36の出力である。また、第二ミキサ16は、例えば乗算器であり、RF信号と第二ローカル信号とを乗算したものを第二混合信号として出力する。
90度ハイブリッド(位相変化加算器)18は、端子18a、18b、18c、18dを有する。端子18aと端子18bとが、90度ハイブリッド18の左側に配置される。端子18cと端子18dとが、90度ハイブリッド18の右側に配置される。端子18aと端子18cとが向かい合う。端子18bと端子18dとが向かい合う。
端子18dから信号が入力された場合、端子18dとは異なる側の端子18aと端子18bとに信号が出力される。端子18aに出力される信号のレベルと、端子18bに出力される信号のレベルとは等しい。しかし、端子18aに出力される信号の位相と、端子18bに出力される信号の位相とは90度異なる。
なお、端子18aと端子18bとに信号を入力した場合、端子18aに入力された信号の位相変化量が端子18bに入力された信号の位相変化量と90度異なるようにして、端子18aに入力された信号と端子18bに入力された信号とが加算された信号が端子18dから出力される。例えば、端子18aに入力された信号の位相が90度変化し、端子18bに入力された信号の位相が0度変化して、端子18aに入力された信号と端子18bに入力された信号とが加算され、端子18dから出力される。
また、端子18aに接続された回路素子の負荷インピーダンスと、端子18bに接続された回路素子の負荷インピーダンスとが等しい場合、端子18dから信号が入力され、端子18aと端子18bとにより反射された信号は、端子18dと同じ側の端子18cに出力される。
90度ハイブリッド(位相変化加算器)18は、端子18aに第一混合信号(第一ミキサ14の出力)、端子18bに第二混合信号(第二ミキサ16の出力)を受ける。端子18aに入力された第一混合信号の位相変化量が端子18bに入力された第二混合信号の位相変化量と90度異なるようにして、第一混合信号と第二混合信号とが加算された加算信号が端子18dから出力される。例えば、端子18aに入力された第一混合信号の位相が90度変化し、端子18bに入力された第二混合信号の位相が0度変化して、第一混合信号と第二混合信号とが加算され、端子18dから出力される。
終端抵抗22は、端子18cに接続されている。
IF信号出力端子24は、端子18dに接続されている。IF信号出力端子24からIF信号(周波数fIF)が出力される。なお、IF信号の周波数fIFは一定値である。
原ローカル信号源32は、原ローカル信号(周波数2fLO)を出力する。なお、原ローカル信号を掃引し、原ローカル信号の周波数を変化させる。
2分の1分周器34は、原ローカル信号を2分の1に分周する。よって、2分の1分周器34は、原ローカル信号の周波数を2分の1にした信号を出力する。
第一遅延部35は、原ローカル信号源32から原ローカル信号を受けて遅延させる。これにより、第一遅延部35は、XOR演算子36に与えられる2分の1分周器34の出力と、XOR演算子36に与えられる原ローカル信号とを同期させる。なお、ここでいう同期とは、例えば、2分の1分周器34の出力パルスが立ち上がる時点および立ち下がる時点で、原ローカル信号のパルスが立ち上がる状態をいう(図2参照)。ただし、2分の1分周器34の出力パルスが立ち上がる時点および立ち下がる時点で、原ローカル信号のパルスが立ち下がる状態を同期とすることも考えられる。
例えば、第一遅延部35は、2分の1分周器34の出力の入力に対する時間遅れと同じ時間だけ、原ローカル信号を遅延させることが考えられる。
なお、第一遅延部35は、XOR演算子36に与えられる2分の1分周器34の出力と、XOR演算子36に与えられる原ローカル信号とを同期させればよい。よって、第一遅延部35は、原ローカル信号を遅延させるかわりに、2分の1分周器34の出力を遅延させてもよい。第一遅延部35は、原ローカル信号と2分の1分周器34の出力とを遅延させてもよい。
XOR演算子36は、2分の1分周器34の出力を受け、原ローカル信号を第一遅延部35を介して受ける。XOR演算子36は、2分の1分周器34の出力と、第一遅延部35を介して受けた原ローカル信号との排他的論理和を出力する。
第二遅延部37は、2分の1分周器34の出力を受けて、遅延させる。これにより、第二遅延部37は、2分の1分周器34の出力の位相とXOR演算子36の出力の位相とが90度異なるようにする。
例えば、第二遅延部37は、XOR演算子36の出力の入力に対する時間遅れと同じ時間だけ、2分の1分周器34の出力を遅延させることが考えられる。
なお、第二遅延部37は、2分の1分周器34の出力の位相とXOR演算子36の出力の位相とが90度異なるようにできればよい。よって、第二遅延部37は、XOR演算子36の出力を遅延させてもよいし、2分の1分周器の出力34とXOR演算子36の出力の双方を遅延させてもよい。
次に、第一の実施形態の動作を説明する。
RF信号は、希望信号(周波数fIF+fLO)とイメージ信号(周波数fLO−fIF)と有する。イメージ除去装置1は、RF信号のうちの希望信号に対応するIF信号を取得するためのものである。
まず、RF信号が、RF信号入力端子12に入力される。RF信号は第一ミキサ14と第二ミキサ16とに与えられる。
また、原ローカル信号源32は、原ローカル信号(周波数2fLO)を出力する。原ローカル信号は、2分の1分周器34と第一遅延部35とに与えられる。2分の1分周器34の出力は、XOR演算子36に与えられる。また、第一遅延部35により、原ローカル信号は遅延され、XOR演算子36に与えられる2分の1分周器34の出力と、XOR演算子36に与えられる原ローカル信号(第一遅延部35の出力)とが同期する。XOR演算子36は、2分の1分周器34の出力と原ローカル信号との排他的論理和を出力する。
また、2分の1分周器34の出力は、第二遅延部37にも与えられる。第二遅延部37は、2分の1分周器34の出力を受けて、遅延させる。これにより、第二遅延部37は、2分の1分周器34の出力の位相とXOR演算子36の出力の位相とが90度異なるようにする。
ここで、第一遅延部35による遅延時間が無くても、XOR演算子36に与えられる2分の1分周器34の出力と、XOR演算子36に与えられる原ローカル信号とが同期し、しかも、第二遅延部37による遅延時間が無くても、2分の1分周器34の出力の位相とXOR演算子36の出力の位相とが90度異なる状態(「仮想的状態」という)を想定する。例えば、2分の1分周器34およびXOR演算子36による時間遅れが無視できる場合に、仮想的状態になる。
図2は、仮想的状態における、(A)原ローカル信号源32の出力(信号(A)という)、(B1)2分の1分周器34の出力(信号(B1)という)、(B2)2分の1分周器34の出力が第二遅延部37を通過したもの(信号(B2)という)、(C)XOR演算子36の出力(信号(C)という)、のタイムチャートである。
なお、図2において縦軸はレベル、横軸は時間である。また、仮想的状態においては、第二遅延部37による遅延時間が無いので、信号(B1)と信号(B2)の波形は同じものとなる。
信号(A)の周波数(2fLO)が2分の1になったもの(周期は2倍になる)が、信号(B1)(周波数fLO)となる。XOR演算子36には、信号(A)(第一遅延部35による遅延時間が無いものとする)と、信号(B1)とが、XOR演算子36に与えられる。すると、XOR演算子36は、信号(A)と信号(B1)との排他的論理和を出力する(信号(C)参照)。なお、信号(C)の周波数もfLOとなる。
すると、信号(B1)の位相と信号(C)の位相とが90度異なるようになる。信号(B1)と信号(B2)の波形は同じなので、信号(B2)の位相と信号(C)の位相とが90度異なるようになる。なお、信号(C)の位相が信号(B2)の位相よりも90度遅れている。
信号(B2)は、第一ローカル信号(周波数fLO)であり、第一ミキサ14に与えられる。信号(C)は、第二ローカル信号(周波数fLO)であり、第二ミキサ16に与えられる。
高周波成分を無視すれば、第一ミキサ14の出力(第一混合信号)の周波数はfIFとなる。第一ミキサ14の出力の位相は、希望信号の成分およびイメージ信号の成分ともに0度となる。
高周波成分を無視すれば、第二ミキサ16の出力(第二混合信号)の周波数はfIFとなる。第二ミキサ16の出力の位相は、希望信号の成分は90度となり、イメージ信号の成分は−90度となる。
第一混合信号は端子18aに、第二混合信号は端子18bに与えられる。90度ハイブリッド(位相変化加算器)18においては、端子18aに入力された第一混合信号の位相が90度変化し(例えば、90度増加する)、端子18bに入力された第二混合信号の位相が0度変化して、第一混合信号と第二混合信号とが加算され、端子18dから出力される。
すると、90度ハイブリッド18において、第一混合信号の希望信号の成分の位相は90度となり、第二混合信号の希望信号の成分の位相は90度のままである。第一混合信号の希望信号の成分と、第二混合信号の希望信号の成分とが加算されると、両者の位相は同じであるため、両者が強めあい、端子18dから出力される。
一方、90度ハイブリッド18において、第一混合信号のイメージ信号の成分の位相は90度となり、第二混合信号のイメージ信号の成分の位相は−90度のままである。第一混合信号のイメージ信号の成分と、第二混合信号のイメージ信号の成分とが加算されると、両者の位相は180度異なるため、両者が打ち消しあい、端子18dから出力されない。
よって、端子18dからは、希望信号の成分が出力される。よって、端子18dに接続されているIF信号出力端子24から希望信号の成分に相当するIF信号(周波数fIF)が出力される。
なお、端子18cへの出力は終端抵抗22により消費される。
また、90度ハイブリッド18に与えられる信号の周波数が広帯域にわたって変化すれば、上記のような第一混合信号と第二混合信号との位相の変化は必ずしも成立するとは限らない。しかし、端子18a、18bに入力される第一混合信号、第二混合信号の周波数は一定(fIF)であるため、90度ハイブリッド18において、上記のような第一混合信号と第二混合信号との位相の変化が成立すると考えてよい。
第一の実施形態によれば、原ローカル信号源32を掃引して、ローカル信号の周波数fLOが広帯域(例えば、1オクターブを超える帯域)にわたって変化しても、2分の1分周器34の出力が第二遅延部37を通過したもの(信号(B2))と、XOR演算子36の出力(信号(C))との位相差を90度に保つことができる。よって、信号(B2)を第一ミキサ14に与え、信号(C)を第二ミキサ16に与えることで、IF信号出力端子24の出力からイメージ信号の成分を除去し、希望信号の成分を得ることができる。
なお、第一の実施形態には色々な変形例が考えられるので、以下に説明する。
第一変形例
第一の実施形態においては、希望信号の周波数がfIF+fLOであり、イメージ信号の周波数がfLO−fIFであるものとしてきた。しかし、希望信号の周波数がfLO−fIFであり、イメージ信号の周波数がfIF+fLOである場合も考えられる。
図8は、第一の実施形態の第一変形例(希望信号の周波数がfLO−fIFであり、イメージ信号の周波数がfIF+fLOである)にかかるイメージ除去装置1の構成を示す図である。
第一変形例の構成は、第一の実施形態とほぼ同様である。ただし、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18と、第一ミキサ14および第二ミキサ16との接続関係が、第一の実施形態と異なる。
すなわち、第一変形例における90度ハイブリッド(位相変化加算器)18は、端子18aに第二混合信号(第二ミキサ16の出力)、端子18bに第一混合信号(第一ミキサ14の出力)を受ける。端子18aに入力された第二混合信号の位相変化量が端子18bに入力された第一混合信号の位相変化量と90度異なるようにして、第一混合信号と第二混合信号とが加算された加算信号が端子18dから出力される。例えば、端子18aに入力された第二混合信号の位相が90度変化し、端子18bに入力された第一混合信号の位相が0度変化して、第一混合信号と第二混合信号とが加算され、端子18dから出力される。
第一変形例の動作について説明する。
第一ミキサ14の出力(第一混合信号)および第二ミキサ16の出力(第二混合信号)が得られるまでは、第一の実施形態と同様の動作である。
高周波成分を無視すれば、第一ミキサ14の出力(第一混合信号)の周波数はfIFとなる。第一ミキサ14の出力の位相は、希望信号の成分およびイメージ信号の成分ともに0度となる。
高周波成分を無視すれば、第二ミキサ16の出力(第二混合信号)の周波数はfIFとなる。第二ミキサ16の出力の位相は、希望信号の成分(周波数:fLO−fIF)は−90度となり、イメージ信号の成分(周波数:fLO+fIF)は90度となる。
第一混合信号は端子18bに、第二混合信号は端子18aに与えられる。90度ハイブリッド(位相変化加算器)18においては、端子18aに入力された第二混合信号の位相が90度変化し(例えば、90度増加する)、端子18bに入力された第一混合信号の位相が0度変化して、第一混合信号と第二混合信号とが加算され、端子18dから出力される。
すると、90度ハイブリッド18において、第二混合信号の希望信号の成分の位相は0度(=−90度+90度)となり、第一混合信号の希望信号の成分の位相は0度のままである。第一混合信号の希望信号の成分と、第二混合信号の希望信号の成分とが加算されると、両者の位相は同じであるため、両者が強めあい、端子18dから出力される。
一方、90度ハイブリッド18において、第二混合信号のイメージ信号の成分の位相は180度(=90度+90度)となり、第一混合信号のイメージ信号の成分の位相は0度のままである。第一混合信号のイメージ信号の成分と、第二混合信号のイメージ信号の成分とが加算されると、両者の位相は180度異なるため、両者が打ち消しあい、端子18dから出力されない。
よって、端子18dからは、希望信号の成分が出力される。よって、端子18dに接続されているIF信号出力端子24から希望信号の成分に相当するIF信号(周波数fIF)が出力される。
第二変形例
第一の実施形態においては、位相変化加算器として90度ハイブリッド18を使用している。しかし、位相変化加算器として、位相変化器(例えば、位相シフト回路)と加算器との組み合わせを使用してもよい。
図9は、第一の実施形態の第二変形例にかかるイメージ除去装置1の構成を示す図である。
第二変形例の構成は、第一の実施形態とほぼ同様である。ただし、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18にかえて、45度進み部(第一位相変化器)17a、45度遅れ部(第二位相変化器)17b、加算器17cを有する。45度進み部17a、45度遅れ部17bおよび加算器17cが、位相変化加算器を構成する。
45度進み部17aは、第一混合信号(第一ミキサ14の出力)を受け、位相を45度進ませる。45度遅れ部17bは、第二混合信号(第二ミキサ16の出力)を受け、位相を45度遅らせる。加算器17cは、45度進み部17aの出力と45度遅れ部17bの出力とを加算する。加算器17cの出力がIF信号(周波数fIF)となる。
第二変形例の動作について説明する。
第一ミキサ14の出力(第一混合信号)および第二ミキサ16の出力(第二混合信号)が得られるまでは、第一の実施形態と同様の動作である。
高周波成分を無視すれば、第一ミキサ14の出力(第一混合信号)の周波数はfIFとなる。第一ミキサ14の出力の位相は、希望信号の成分およびイメージ信号の成分ともに0度となる。
高周波成分を無視すれば、第二ミキサ16の出力(第二混合信号)の周波数はfIFとなる。第二ミキサ16の出力の位相は、希望信号の成分(周波数:fLO+fIF)は90度となり、イメージ信号の成分(周波数:fLO−fIF)は−90度となる。
第一混合信号は45度進み部17aに、第二混合信号は45度遅れ部17bに与えられる。そして、位相が45度進んだ第一混合信号と、位相が45度遅れた第二混合信号とが、加算器17cにより加算される。
すると、45度進み部17aを通過後の第一混合信号の希望信号の成分の位相は45度(=0度+45度)となり、45度遅れ部17bを通過後の第二混合信号の希望信号の成分の位相は45度(=90度−45度)となる。第一混合信号の希望信号の成分と、第二混合信号の希望信号の成分とが加算されると、両者の位相は同じであるため、両者が強めあい、加算器17cから出力される。
一方、45度進み部17aを通過後の第一混合信号のイメージ信号の成分の位相は45度(=0度+45度)となり、45度遅れ部17bを通過後の第二混合信号のイメージ信号の成分の位相は−135度(=−90度−45度)となる。第一混合信号のイメージ信号の成分と、第二混合信号のイメージ信号の成分とが加算されると、両者の位相は180度異なるため、両者が打ち消しあい、加算器17cから出力されない。
よって、加算器17cからは、希望信号の成分に相当するIF信号(周波数fIF)が出力される。
なお、45度進み部17aおよび45度遅れ部17bにかえて、X度進み部17aおよびY度遅れ部17b(ただし、X+Y=90)を使用することも考えられる。すなわち、X度進み部17aによる位相の進み量X度と、Y度遅れ部17bによる位相の進み量−Y度との差(X−(−Y)=X+Y)の大きさが90度である。
第三変形例
第三変形例は、第二変形例を改変して、希望信号の周波数がfLO−fIFであり、イメージ信号の周波数がfIF+fLOである場合に対応したものである。
図10は、第一の実施形態の第三変形例(希望信号の周波数がfLO−fIFであり、イメージ信号の周波数がfIF+fLOである)にかかるイメージ除去装置1の構成を示す図である。
第三変形例の構成は、第二変形例とほぼ同様である。ただし、45度進み部17aおよび45度遅れ部17bと、第一ミキサ14および第二ミキサ16との接続関係が、第二変形例と異なる。
45度進み部17aは、第二混合信号(第二ミキサ16の出力)を受け、位相を45度進ませる。45度遅れ部17bは、第一混合信号(第一ミキサ14の出力)を受け、位相を45度遅らせる。加算器17cは、45度進み部17aの出力と45度遅れ部17bの出力とを加算する。加算器17cの出力がIF信号(周波数fIF)となる。
第三変形例の動作について説明する。
第一ミキサ14の出力(第一混合信号)および第二ミキサ16の出力(第二混合信号)が得られるまでは、第一の実施形態と同様の動作である。
高周波成分を無視すれば、第一ミキサ14の出力(第一混合信号)の周波数はfIFとなる。第一ミキサ14の出力の位相は、希望信号の成分およびイメージ信号の成分ともに0度となる。
高周波成分を無視すれば、第二ミキサ16の出力(第二混合信号)の周波数はfIFとなる。第二ミキサ16の出力の位相は、希望信号の成分(周波数:fLO−fIF)は−90度となり、イメージ信号の成分(周波数:fLO+fIF)は90度となる。
第二混合信号は45度進み部17aに、第一混合信号は45度遅れ部17bに与えられる。そして、位相が45度進んだ第二混合信号と、位相が45度遅れた第一混合信号とが、加算器17cにより加算される。
すると、45度遅れ部17bを通過後の第一混合信号の希望信号の成分の位相は−45度(=0度−45度)となり、45度進み部17aを通過後の第二混合信号の希望信号の成分の位相は−45度(=−90度+45度)となる。第一混合信号の希望信号の成分と、第二混合信号の希望信号の成分とが加算されると、両者の位相は同じであるため、両者が強めあい、加算器17cから出力される。
一方、45度遅れ部17bを通過後の第一混合信号のイメージ信号の成分の位相は−45度(=0度−45度)となり、45度進み部17aを通過後の第二混合信号のイメージ信号の成分の位相は135度(=90度+45度)となる。第一混合信号のイメージ信号の成分と、第二混合信号のイメージ信号の成分とが加算されると、両者の位相は180度異なるため、両者が打ち消しあい、加算器17cから出力されない。
よって、加算器17cからは、希望信号の成分に相当するIF信号(周波数fIF)が出力される。
なお、45度進み部17aおよび45度遅れ部17bにかえて、X度進み部17aおよびY度遅れ部17b(ただし、X+Y=90)を使用することも考えられる。すなわち、X度進み部17aによる位相の進み量X度と、Y度遅れ部17bによる位相の進み量−Y度との差(X−(−Y)=X+Y)の大きさが90度である。
第二の実施形態
第二の実施形態は、第一の実施形態にかかるイメージ除去装置1に、スイッチ(選択部)40a、40b、40cと、90度ハイブリッド(位相直交信号出力器)50、終端抵抗52とを付加したものである。
図3は、第二の実施形態にかかるイメージ除去装置1の構成(ただし、ローカル信号を2分の1分周器34に与えた場合)を示す図である。図4は、第二の実施形態にかかるイメージ除去装置1の構成(ただし、ローカル信号を90度ハイブリッド50に与えた場合)を示す図である。
第二の実施形態にかかるイメージ除去装置1は、RF信号入力端子12、第一ミキサ14、第二ミキサ16、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18、終端抵抗22、IF信号出力端子24、原ローカル信号源32、2分の1分周器34、第一遅延部35、XOR演算子36、第二遅延部37、スイッチ(選択部)40a、40b、40c、90度ハイブリッド50、終端抵抗52を備える。
RF信号入力端子12、第一ミキサ14、第二ミキサ16、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18、終端抵抗22、IF信号出力端子24、原ローカル信号源32、2分の1分周器34、第一遅延部35、XOR演算子36および第二遅延部37は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
90度ハイブリッド50は、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18と同様なものである。
90度ハイブリッド50は、端子50a、50b、50c、50dを有する。端子50aと端子50bとが、90度ハイブリッド50の左側に配置される。端子50cと端子50dとが、90度ハイブリッド50の右側に配置される。端子50aと端子50cとが向かい合う。端子50bと端子50dとが向かい合う。
端子50aから信号が入力された場合、端子50aとは異なる側の端子50cと端子50dとに信号が出力される。端子50cに出力される信号のレベルと、端子50dに出力される信号のレベルとは等しい。しかし、端子50cに出力される信号の位相と、端子50dに出力される信号の位相とは90度異なる。
なお、図4に示すように、端子50aに原ローカル信号源32が接続され、端子50aに原ローカル信号が与えられると、端子50cと端子50dとから、互いに位相が90度異なる二つの位相直交信号が出力される。
また、端子50cに接続された回路素子の負荷インピーダンスと、端子50dに接続された回路素子の負荷インピーダンスとが等しい場合、端子50aから信号が入力され、端子50cと端子50dとにより反射された信号は、端子50aと同じ側の端子50bに出力される。
終端抵抗52は、端子50bに接続される。端子50bに出力された信号は終端抵抗52により消費される。
スイッチ(選択部)40a、40b、40cは、以下の状態(1)および状態(2)のいずれかを選択する。なお、状態(1)を選択した場合が図3に、状態(2)を選択した場合が図4に図示されている。
(1)原ローカル信号を2分の1分周器34に与え、第一ローカル信号が2分の1分周器34の出力であり、第二ローカル信号がXOR演算子36の出力である。
(2)原ローカル信号を90度ハイブリッド50に与え、第一ローカル信号が位相直交信号の一方(端子50cの出力)であり、第二ローカル信号が位相直交信号の他方(端子50dの出力)である。
スイッチ40aは、原ローカル信号源32を、2分の1分周器34および第一遅延部35(状態(1):図3参照)または端子50a(状態(2):図4参照)に接続する。
スイッチ40bは、第一ミキサ14を、第二遅延部37(状態(1):図3参照)または端子50c(状態(2):図4参照)に接続する。
スイッチ40cは、第二ミキサ16を、XOR演算子36(状態(1):図3参照)または端子50d(状態(2):図4参照)に接続する。
次に、第二の実施形態の動作を説明する。
状態(1)(図3参照)における動作は第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。ただし、第一の実施形態と同様に、原ローカル信号の周波数2fLOは、第一ローカル信号と第二ローカル信号との周波数fLOの2倍であることに留意されたい。周波数fLOを高くしたい場合、2fLOもの高周波数を有する原ローカル信号を生成することが困難になる場合がある。
状態(2)(図4参照)における動作を以下に説明する。
まず、RF信号が、RF信号入力端子12に入力される。RF信号は第一ミキサ14と第二ミキサ16とに与えられる。
また、原ローカル信号源32は、原ローカル信号(周波数fLO)を出力する。原ローカル信号は、90度ハイブリッド50の端子50aに与えられる。すると、端子50cと端子50dとから、互いに位相が90度異なる二つの位相直交信号が出力される。
位相直交信号の一方(端子50cの出力)が第一ローカル信号として第一ミキサ14に与えられる。位相直交信号の他方(端子50dの出力)が第二ローカル信号として第二ミキサ16に与えられる。
第一ミキサ14、第二ミキサ16および90度ハイブリッド(位相変化加算器)18の動作は第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
なお、原ローカル信号の周波数fLOは、第一ローカル信号と第二ローカル信号との周波数fLOと等しいことに留意されたい。周波数fLOを高くしたい場合、2fLOもの高周波数を有する原ローカル信号を生成しなくてすむことを意味する。
第二の実施形態によれば、状態(1)(図3参照)においては、第一の実施形態と同様の効果を奏する。しかも、2fLOもの高周波数を有する原ローカル信号を生成することが困難なほどに、fLOが高くなった場合は、状態(2)(図4参照)を、スイッチ40a、40b、40cにより選択して、2fLOもの高周波数を有する原ローカル信号を生成しなくてすむ(fLOの周波数を有する原ローカル信号を生成すればよい)ようにすることができる。
なお、第二の実施形態には色々な変形例が考えられるので、以下に説明する。
第一変形例
第二の実施形態においては、希望信号の周波数がfIF+fLOであり、イメージ信号の周波数がfLO−fIFであるものとしてきた。しかし、希望信号の周波数がfLO−fIFであり、イメージ信号の周波数がfIF+fLOである場合も考えられる。
図11は、第二の実施形態の第一変形例(ただし、ローカル信号を2分の1分周器34に与えた場合)にかかるイメージ除去装置1の構成を示す図である。図12は、第二の実施形態の第一変形例(ただし、ローカル信号を90度ハイブリッド50に与えた場合)にかかるイメージ除去装置1の構成を示す図である。
第一変形例の構成は、第二の実施形態とほぼ同様である。ただし、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18と、第一ミキサ14および第二ミキサ16との接続関係が、第二の実施形態と異なる。
すなわち、第一変形例における90度ハイブリッド(位相変化加算器)18は、端子18aに第二混合信号(第二ミキサ16の出力)、端子18bに第一混合信号(第一ミキサ14の出力)を受ける。端子18aに入力された第二混合信号の位相変化量が端子18bに入力された第一混合信号の位相変化量と90度異なるようにして、第一混合信号と第二混合信号とが加算された加算信号が端子18dから出力される。例えば、端子18aに入力された第二混合信号の位相が90度変化し、端子18bに入力された第一混合信号の位相が0度変化して、第一混合信号と第二混合信号とが加算され、端子18dから出力される。
第一変形例の動作について説明する。
状態(1)(図11参照)における動作は第一の実施形態の第一変形例(図8参照)と同様であり、説明を省略する。
状態(2)(図12参照)における動作を以下に説明する。
まず、RF信号が、RF信号入力端子12に入力される。RF信号は第一ミキサ14と第二ミキサ16とに与えられる。
また、原ローカル信号源32は、原ローカル信号(周波数fLO)を出力する。原ローカル信号は、90度ハイブリッド50の端子50aに与えられる。すると、端子50cと端子50dとから、互いに位相が90度異なる二つの位相直交信号が出力される。
位相直交信号の一方(端子50cの出力)が第一ローカル信号として第一ミキサ14に与えられる。位相直交信号の他方(端子50dの出力)が第二ローカル信号として第二ミキサ16に与えられる。
第一ミキサ14、第二ミキサ16および90度ハイブリッド(位相変化加算器)18の動作は第一の実施形態の第一変形例(図8参照)と同様であり、説明を省略する。
第二変形例
第二の実施形態においては、位相変化加算器として90度ハイブリッド18を使用している。しかし、位相変化加算器として、位相変化器(例えば、位相シフト回路)と加算器との組み合わせを使用してもよい。
また、第二の実施形態においては、位相直交信号出力器として90度ハイブリッド50を使用している。しかし、位相直交信号出力器として、位相変化器(例えば、位相シフト回路)を使用してもよい。
図13は、第二の実施形態の第二変形例(ただし、ローカル信号を2分の1分周器34に与えた場合)にかかるイメージ除去装置1の構成を示す図である。図14は、第二の実施形態の第二変形例(ただし、ローカル信号を45度進み部56aと45度遅れ部56bに与えた場合)にかかるイメージ除去装置1の構成を示す図である。
第二変形例の構成は、第二の実施形態とほぼ同様である。
ただし、第二変形例にかかるイメージ除去装置1は、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18にかえて、45度進み部(第一位相変化器)17a、45度遅れ部(第二位相変化器)17b、加算器17cを有する。45度進み部17a、45度遅れ部17bおよび加算器17cが、位相変化加算器を構成する。
しかも、第二変形例にかかるイメージ除去装置1は、90度ハイブリッド(位相直交信号出力器)50にかえて、45度進み部(第三位相変化器)56a、45度遅れ部(第四位相変化器)56bを有する。45度進み部56aおよび45度遅れ部56bが、位相直交信号出力器を構成する。
45度進み部56aは、原ローカル信号を受け、位相を45度進ませる。45度遅れ部56bは、原ローカル信号を受け、位相を45度遅らせる。
第二変形例の動作について説明する。
まず、状態(1)(図13参照)における動作を説明する。
第一ミキサ14の出力(第一混合信号)および第二ミキサ16の出力(第二混合信号)が得られるまでは、第二の実施形態の状態(1)(図3参照)と同様の動作である。
第一ミキサ14の出力が、45度進み部17aに与えられる。第二ミキサ16の出力が、45度遅れ部17bに与えられる。45度進み部17aおよび45度遅れ部17bの出力が加算器17cにより加算され、IF信号となる。
45度進み部17a、45度遅れ部17bおよび加算器17cの動作は、第一の実施形態の第二変形例(図9参照)と同様である。
次に、状態(2)(図14参照)における動作を説明する。
まず、RF信号が、RF信号入力端子12に入力される。RF信号は第一ミキサ14と第二ミキサ16とに与えられる。
また、原ローカル信号源32は、原ローカル信号(周波数fLO)を出力する。原ローカル信号は、45度進み部56aおよび45度遅れ部56bに与えられる。すると、45度進み部56aおよび45度遅れ部56bから、互いに位相が90度異なる二つの位相直交信号が出力される。
位相直交信号の一方(45度進み部56aの出力)が第一ローカル信号として第一ミキサ14に与えられる。位相直交信号の他方(45度遅れ部56bの出力)が第二ローカル信号として第二ミキサ16に与えられる。
第一ミキサ14、第二ミキサ16、45度進み部17a、45度遅れ部17bおよび加算器17cの動作は、第一の実施形態の第二変形例(図9参照)と同様である。
なお、図13および図14においては、90度ハイブリッド18、50を使用しない例を図示した。しかし、90度ハイブリッド18を使用して、90度ハイブリッド50を使用しない(45度進み部56aおよび45度遅れ部56bを使用する)場合も考えられる。さらに、90度ハイブリッド18を使用しないで(45度進み部17a、45度遅れ部17bおよび加算器17cを使用する)、90度ハイブリッド50を使用する場合も考えられる。
なお、45度進み部17aおよび45度遅れ部17bにかえて、X度進み部17aおよびY度遅れ部17b(ただし、X+Y=90)を使用することも考えられる。すなわち、X度進み部17aによる位相の進み量X度と、Y度遅れ部17bによる位相の進み量−Y度との差(X−(−Y)=X+Y)の大きさが90度である。
なお、45度進み部56aおよび45度遅れ部56bにかえて、X度進み部56aおよびY度遅れ部56b(ただし、X+Y=90)を使用することも考えられる。すなわち、X度進み部56aによる位相の進み量X度と、Y度遅れ部56bによる位相の進み量−Y度との差(X−(−Y)=X+Y)の大きさが90度である。
第三変形例
第三変形例は、第二変形例を改変して、希望信号の周波数がfLO−fIFであり、イメージ信号の周波数がfIF+fLOである場合に対応したものである。
図15は、第二の実施形態の第三変形例(ただし、ローカル信号を2分の1分周器34に与えた場合)にかかるイメージ除去装置1の構成を示す図である。図16は、第二の実施形態の第三変形例(ただし、ローカル信号を45度進み部56aと45度遅れ部56bに与えた場合)にかかるイメージ除去装置1の構成を示す図である。
第三変形例の構成は、第二変形例とほぼ同様である。ただし、45度進み部17aおよび45度遅れ部17bと、第一ミキサ14および第二ミキサ16との接続関係が、第二変形例と異なる。
45度進み部17aは、第二混合信号(第二ミキサ16の出力)を受け、位相を45度進ませる。45度遅れ部17bは、第一混合信号(第一ミキサ14の出力)を受け、位相を45度遅らせる。加算器17cは、45度進み部17aの出力と45度遅れ部17bの出力とを加算する。加算器17cの出力がIF信号(周波数fIF)となる。
第三変形例の動作について説明する。
まず、状態(1)(図15参照)における動作を説明する。
第一ミキサ14の出力(第一混合信号)および第二ミキサ16の出力(第二混合信号)が得られるまでは、第二の実施形態の第二変形例の状態(1)(図13参照)と同様の動作である。
第一ミキサ14の出力が、45度遅れ部17bにより位相が45度遅れて、加算器17cに与えられる。第二ミキサ16の出力が、45度進み部17aにより位相が45度進んで、加算器17cに与えられる。加算器17cに与えられた二つの信号が加算され、IF信号として出力される。
45度進み部17a、45度遅れ部17bおよび加算器17cの動作は、第一の実施形態の第三変形例(図10参照)と同様である。
次に、状態(2)(図16参照)における動作を説明する。
第一ミキサ14の出力(第一混合信号)および第二ミキサ16の出力(第二混合信号)が得られるまでは、第二の実施形態の第二変形例の状態(2)(図14参照)と同様の動作である。
第一ミキサ14の出力が、45度遅れ部17bにより位相が45度遅れて、加算器17cに与えられる。第二ミキサ16の出力が、45度進み部17aにより位相が45度進んで、加算器17cに与えられる。加算器17cに与えられた二つの信号が加算され、IF信号として出力される。
45度進み部17a、45度遅れ部17bおよび加算器17cの動作は、第一の実施形態の第三変形例(図10参照)と同様である。
なお、45度進み部17aおよび45度遅れ部17bにかえて、X度進み部17aおよびY度遅れ部17b(ただし、X+Y=90)を使用することも考えられる。すなわち、X度進み部17aによる位相の進み量X度と、Y度遅れ部17bによる位相の進み量−Y度との差(X−(−Y)=X+Y)の大きさが90度である。
なお、45度進み部56aおよび45度遅れ部56bにかえて、X度進み部56aおよびY度遅れ部56b(ただし、X+Y=90)を使用することも考えられる。すなわち、X度進み部56aによる位相の進み量X度と、Y度遅れ部56bによる位相の進み量−Y度との差(X−(−Y)=X+Y)の大きさが90度である。
第三の実施形態
第三の実施形態は、第二の実施形態にかかるイメージ除去装置1に、第一位相調整部62、第二位相調整部64、第一パワー調整部72、第二パワー調整部74を付加したものである。
図5は、第三の実施形態にかかるイメージ除去装置1の構成(ただし、ローカル信号を2分の1分周器34に与えた場合)を示す図である。図6は、第三の実施形態にかかるイメージ除去装置1の構成(ただし、ローカル信号を90度ハイブリッド50に与えた場合)を示す図である。
第三の実施形態にかかるイメージ除去装置1は、RF信号入力端子12、第一ミキサ14、第二ミキサ16、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18、終端抵抗22、IF信号出力端子24、原ローカル信号源32、2分の1分周器34、第一遅延部35、XOR演算子36、第二遅延部37、スイッチ(選択部)40a、40b、40c、90度ハイブリッド50、終端抵抗52、第一位相調整部62、第二位相調整部64、第一パワー調整部72、第二パワー調整部74を備える。
RF信号入力端子12、第一ミキサ14、第二ミキサ16、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18、終端抵抗22、IF信号出力端子24、原ローカル信号源32、2分の1分周器34、第一遅延部35、XOR演算子36および第二遅延部37は、第一の実施形態と同様であり、スイッチ40a、40b、40c、90度ハイブリッド50、終端抵抗52は第二の実施形態と同様であり、説明を省略する。
状態(1)の場合は(図5参照)、第一位相調整部62は、スイッチ40bと第二遅延部37とを介して、2分の1分周器34の出力(第一ローカル信号)を受ける。状態(2)の場合は(図6参照)、第一位相調整部62は、位相直交信号の一方(端子50cの出力)(第一ローカル信号)を受ける。第一位相調整部62は、状態(1)および状態(2)の場合のいずれにおいても、第一ローカル信号の位相を調整して、第一ミキサ14に与える。
なお、第一位相調整部62は、例えば、可変移相器である。
状態(1)の場合は(図5参照)、第二位相調整部64は、スイッチ40cを介して、XOR演算子36の出力(第二ローカル信号)を受ける。状態(2)の場合は(図6参照)、第二位相調整部64は、位相直交信号の他方(端子50dの出力)(第二ローカル信号)を受ける。第二位相調整部64は、状態(1)および状態(2)の場合のいずれにおいても、第二ローカル信号の位相を調整して、第二ミキサ16に与える。
なお、第二位相調整部64は、例えば、可変移相器である。
第一位相調整部62および第二位相調整部64により、第一ローカル信号の位相と、第二ローカル信号の位相との差を正確に90度にする。
第一パワー調整部72は、第一ミキサ14から出力(第一混合信号)を受け、第一混合信号のパワーを調整して、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18の端子18aに与える。第一パワー調整部72は、例えば、可変減衰器である。
第二パワー調整部74は、第二ミキサ16から出力(第二混合信号)を受け、第二混合信号のパワーを調整して、90度ハイブリッド(位相変化加算器)18の端子18bに与える。第二パワー調整部74は、例えば、可変減衰器である。
第一パワー調整部72と第二パワー調整部74とにより、第一ミキサ14と第二ミキサ16との挿入損失差を0dBにあわせる。
第三の実施形態の動作は、第二の実施形態の動作とほぼ同様である。ただし、第一位相調整部62と第二位相調整部64とにより、第一ローカル信号の位相と第二ローカル信号の位相とが微調整され、第一ローカル信号の位相と第二ローカル信号の位相との差が正確に90度にされる。しかも、第一パワー調整部72と第二パワー調整部74とにより、第一混合信号と第二混合信号とのパワーが微調整され、第一ミキサ14と第二ミキサ16との挿入損失差が0dBになる。
第三の実施形態によれば、第二の実施形態と同様の効果を奏する。しかも、第一位相調整部62と第二位相調整部64とにより、第一ローカル信号の位相と第二ローカル信号の位相との差が正確に90度にされ、しかも第一パワー調整部72と第二パワー調整部74とにより第一ミキサ14と第二ミキサ16との挿入損失差が0dBになるので、より正確に、IF信号出力端子24から希望信号の成分に相当するIF信号(周波数fIF)が出力される。
なお、第三の実施形態においては、第二の実施形態にかかるイメージ除去装置1に、第一位相調整部62、第二位相調整部64、第一パワー調整部72、第二パワー調整部74を付加したものを想定している。
しかし、第一の実施形態にかかるイメージ除去装置1(図1参照)に、第一位相調整部62、第二位相調整部64、第一パワー調整部72、第二パワー調整部74を付加する変形例も考えられる。
図7は、変形例にかかるイメージ除去装置1の構成を示す図である。図7を参照して、変形例においては、第一位相調整部62は第二遅延部37に接続され、第二位相調整部64はXOR演算子36に接続される。第一パワー調整部72と第二パワー調整部74との配置は第三の実施形態と同様である。
さらに、第二の実施形態の第一変形例(図11、図12参照)、第二変形例(図13、図14参照)、第三変形例(図15、図16参照)にかかるイメージ除去装置1に、第一位相調整部62、第二位相調整部64、第一パワー調整部72、第二パワー調整部74を付加する変形例も考えられる。
図17は、第二の実施形態の第一変形例(図11参照)に、第一位相調整部62、第二位相調整部64、第一パワー調整部72、第二パワー調整部74を付加したイメージ除去装置1の構成(ただし、ローカル信号を2分の1分周器34に与えた場合)を示す図である。
図18は、第二の実施形態の第一変形例(図12参照)に、第一位相調整部62、第二位相調整部64、第一パワー調整部72、第二パワー調整部74を付加したイメージ除去装置1の構成(ただし、ローカル信号を90度ハイブリッド50に与えた場合)を示す図である。
構成および動作は、第二の実施形態の第一変形例と同様である。ただし、第一位相調整部62がスイッチ40bと第一ミキサ14との間に付加され、第二位相調整部64がスイッチ40cと第二ミキサ16との間に付加され、第一パワー調整部72が第一ミキサ14と端子18bとの間に付加され、第二パワー調整部74が第二ミキサ16と端子18aとの間に付加されたことにより、第三の実施形態と同様な効果を奏する。
図19は、第二の実施形態の第二変形例(図13参照)に、第一位相調整部62、第二位相調整部64、第一パワー調整部72、第二パワー調整部74を付加したイメージ除去装置1の構成(ただし、ローカル信号を2分の1分周器34に与えた場合)を示す図である。
図20は、第二の実施形態の第二変形例(図14参照)に、第一位相調整部62、第二位相調整部64、第一パワー調整部72、第二パワー調整部74を付加したイメージ除去装置1の構成(ただし、ローカル信号を45度進み部56aと45度遅れ部56bに与えた場合)を示す図である。
構成および動作は、第二の実施形態の第二変形例と同様である。ただし、第一位相調整部62がスイッチ40bと第一ミキサ14との間に付加され、第二位相調整部64がスイッチ40cと第二ミキサ16との間に付加され、第一パワー調整部72が第一ミキサ14と45度進み部17aとの間に付加され、第二パワー調整部74が第二ミキサ16と45度遅れ部17bとの間に付加されたことにより、第三の実施形態と同様な効果を奏する。
図21は、第二の実施形態の第三変形例(図15参照)に、第一位相調整部62、第二位相調整部64、第一パワー調整部72、第二パワー調整部74を付加したイメージ除去装置1の構成(ただし、ローカル信号を2分の1分周器34に与えた場合)を示す図である。
図22は、第二の実施形態の第三変形例(図16参照)に、第一位相調整部62、第二位相調整部64、第一パワー調整部72、第二パワー調整部74を付加したイメージ除去装置1の構成(ただし、ローカル信号を45度進み部56aと45度遅れ部56bに与えた場合)を示す図である。
構成および動作は、第二の実施形態の第三変形例と同様である。ただし、第一位相調整部62がスイッチ40bと第一ミキサ14との間に付加され、第二位相調整部64がスイッチ40cと第二ミキサ16との間に付加され、第一パワー調整部72が第二ミキサ16と45度進み部17aとの間に付加され、第二パワー調整部74が第一ミキサ14と45度遅れ部17bとの間に付加されたことにより、第三の実施形態と同様な効果を奏する。