JP3727238B2 - 樹脂強化木質化粧板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂強化木質化粧板の製造方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の樹脂強化木質化粧板はいわゆるWPC(wood plastic conbination)化粧板としてよく知られている。このWPC化粧板は、樹脂強化化粧単板を合板等の木質基板に一体に接着したものであり、特に住宅の床材等に使用されている。そして、上記樹脂強化化粧単板は、通常、厚さ0.15mm〜2.0mm程度の木材化粧単板に対し注入釜を用いて重合性樹脂液を減圧法、加圧法、減圧加圧法等により注入含浸し、又は木材化粧単板の表面に樹脂液を塗布含浸し、その後に加熱加圧して木材単板中の重合性樹脂液を硬化させてなる。
【0003】
また、上記含浸に用いる重合性樹脂液としては、重合性や硬化物の強度的性質に優れている理由から、一般に、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等のビニル重合性樹脂液にスチレンモノマーを加えたものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、昨今、住宅の内装用建材に便用される塗料や接着剤等の樹脂組成物中に含まれるトルエン、キシレン、スチレン等の撮発性有機物質(VOC:volatile organic compounds)が、シックハウス症候群の原因の1つと考えられ、室内におけるこれらVOC物質の放散を減少させることが求められてきている。
【0005】
しかし、上記WPC化粧板においては、重合性樹脂液の中にスチレンモノマーが含有されており、このスチレンモノマーは、ビニル重合性樹脂液との共重合により消失するものであるが、実際には、僅かな量が未反応状態でWPC化粧板の樹脂強化単板中に残存して放散し、上記VOC物質の放散を減少させるのに限度がある。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、特にスチレンモノマーの室内への放散を大幅に軽減することができる樹脂強化木質化粧板の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明では、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルと、スチレンを主とする従来のビニル重合性樹脂液に対し、特定の(メタ)アクリレートモノマーである(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートモノマーを配合すると、WPC化粧板の樹脂強化単板中のスチレンモノマーの残留率が従来の1/10〜1/100に低減し、この低減率はスチレンモノマーのビニル合性樹脂液の含有量の低減割合よりもはるかに大きくなることを知見し、この合成樹脂液を特定のWPC化粧板の製造プロセス及び条件に適用するようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明の樹脂強化木質化粧板の製造方法では、木材単板に対し、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーと、スチレンと、1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートとを含有しかつ上記プレ ポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合されてなるビニル重合性樹脂液を含浸する。この重合性樹脂液が含浸された木材単板を該木材単板内の最高到達温度が100℃〜200℃の範囲となるように加熱して、上記木材単板に含浸された重合性樹脂液を硬化させることにより、未反応残留スチレンの含有率が0.1重量%未満とされた樹脂強化単板を得る。この樹脂強化単板を台板に接着剤により接着し、次いで、その樹脂強化単板の表面にサンディング処理を施した後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明の樹脂強化木質化粧板の製造方法では、木材単板に対し、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーと、スチレンと、1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートとを含有しかつ上記プレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合されてなるビニル重合性樹脂液を含浸する。この重合性樹脂液が含浸された木材単板を、接着剤が塗布された台板表面に載置した状態で、木材単板の表面を表面温度が100℃以上となるように加熱加圧して、上記木材単板に含浸された重合性樹脂液を硬化させるとともに、木材単板を台板表面に接着させることにより、未反応残留スチレンの含有率が0.1重量%未満とされた樹脂強化単板を表面に接着してなる樹脂強化単板貼り台板を得る。次いで、上記樹脂強化単板貼り台板の樹脂強化単板表面にサンディング処理を施した後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明の樹脂強化木質化粧板の製造方法では、木材単板を接着剤を用いて台板表面に接着した後、上記木材単板の表面に、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーと、スチレンと、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートとを含有しかつ上記プレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合されてなるビニル重合性樹脂液を塗布して、該ビニル重合性樹脂液を木材単板に含浸する。次に、上記木材単板の表面を表面温度が100℃以上となるように加熱加圧して、上記木材単板に含浸された重合性樹脂液を硬化させることにより、未反応残留スチレンの含有率が0.1重量%未満とされた樹脂強化単板貼り台板を得る。次いで、上記樹脂強化単板貼り台板の木材単板表面にサンディング処理を施した後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明の樹脂強化木質化粧板の製造方法では、必要により接着剤を塗布した台板表面に、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーと、スチレンと、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートとを含有しかつ上記プレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合されてなるビニル重合性樹脂液を塗布して、この重合性樹脂液塗布面に木材単板を載置する。上記木材単板の表面を表面温度が100℃以上となるように加熱加圧して、上記木材単板に含浸された重合性樹脂液を硬化させることにより、未反応残留スチレンの含有率が0.1重量%未満とされた樹脂強化単板貼り台板を得る。次いで、上記樹脂強化単板貼り台板の木材単板表面にサンディング処理を施した後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴とする。
【0012】
上記各発明の構成によると、上記不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーと、スチレンと、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つだけ存ずる(メタ)アクリレートとを含有しかつプレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基( SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合されてなるビニル重合性樹脂液を使用しているが、これは、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーと、スチレンを主とする従来のビニル重合性樹脂液に、特定の(メタ)アクリレートモノマーである(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートモノマーを配合したものである。そして、このビニル重合性樹脂液の使用により、WPC化粧板の樹脂強化単板中のスチレンモノマーの残留率が従来に比べて1/10〜1/100に低減され、この低減率はスチレンモノマーのビニル合性樹脂液の含有量の低減割合よりもはるかに大きくなる。そして、この合成樹脂液を特定のWPC化粧板の製造プロセス並びに条件に適用したので、製造された樹脂強化木質化粧板は、従来に比べて大幅にスチレンモノマーの放散量が減少したものとなる。
【0013】
また、上記不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)と、上記特定の(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とを、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合することで、前者のSM<PP+AMの条件により樹脂強化木質化粧板の木材単板中のスチレン残留率を良好に低減させることができるとともに、後者のSM+AM>PPの条件によりビニル重合性樹脂液を良好に硬化させることができる。よって、スチレンモノマー残留率の低減効果と強度との双方がバランス良く向上した樹脂強化木質化粧板を得ることができる
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の各実施形態に用いることのできる木材単板は、蒸煮等により軟化処理した針葉樹、又は広葉樹からなる木材フリッチをスライサー等により0.15mm〜2mm程度の厚さにスライスしたものである。
【0015】
(1) 実施形態1
(含浸処理工程)
図1は本発明の実施形態1に係る樹脂強化木質化粧板Aの製造方法を示す。この方法は請求項1の発明に係るものであり、まず、図1(a)に示すように、上記木材単板1に対し、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルと、スチレンと、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートと、重合開始剤とが所定割合に配合されたビニル重合性樹脂液を含浸する。
【0016】
ここで、上記ビニル重合性樹脂液について具体的に説明すると、このビニル重合性樹脂液は、上記のような組成からなるものであり、その中で、分子中に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートモノマーのアクリロイル基の代表例として、CH2=CH−CO−、又はCH2=C(CH3)−CO−があるが、これに限定されるものではない。
【0017】
アクリロイル基が2つ以上あると、樹脂強化木質化粧板Aの耐クラック性が低下する虞れがあるので望ましくない。
【0018】
また、(メタ)アクリレートモノマーの沸点については、樹脂強化木質化粧板Aの製造時に後述の如く100℃以上の最高到達温度となるように加熱したり、又は100℃以上の表面温度となるように加熱加圧したりする必要があることから、この(メタ)アクリレートモノマーの製造中における揮散を少なくするために、110℃以上であることが望ましい。
【0019】
さらに、(メタ)アクリレートモノマーは、分子中に水酸基を有していると、木材単板1とのなじみがよくなって含浸性が良くなるので、望ましい。このような分子中に水酸基を有する(メタ)アクリレートは、特に限定されるものではないが、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)クリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等がある。尚、分子中に水酸基を有しない(メタ)アクリレートも使用できるのは勿論である。
【0020】
また、ビニル重合性樹脂液に、(メタ)アクリレートモノマーやスチレンモノマー以外の重合性不飽和モノマー類を、本発明の効果を著しく低下させない範囲で添加しておくことができる。このようなモノマーとして、例えば酢酸ビニル、ジアリルフタレート等がある。
【0021】
上記不飽和ポリエステルとしては、酸成分とアルコール成分との脱水縮合反応によって得られるプレポリマー(オリゴマー)、又は酸エステル成分とアルコール成分との脱アルコール縮合反応によって得られるオリゴマーであれば、特に限定されない。また不飽和ポリエステルを形成する各成分はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
また、この不飽和ポリエステルの二重結合力価は450以上であることが望ましい。二重結合力価が450未満となると、柔軟性が殆どない硬化物となり、耐クラック性が低下することがある。
【0023】
上記不飽和ポリエステルの数平均分子量は、特に限定されるものではないが、1000〜5000の範囲が望ましい。1000未満となると、樹脂強化木質化粧板Aの樹脂強化単板2部分の耐水性が低くなる一方、5000を超えるとビニル重合性樹脂液の粘度が高くなって、含浸し難くなる虞れがあるからである。
【0024】
上記ビニルエステルは、多官能エポキシ化合物、不飽和一塩基酸、及び、必要により多塩基酸をエステル化触媒の存在下でエステル化反応させて得られるオリゴマーである。このようなビニルエステルを形成する各成分はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
【0025】
上記ビニルエステルの数平均分子量としては特に限定されないが、500〜3000の範囲内であることが好ましく、3000を超えると、ビニルエステルを含むビニル重合性樹脂液の粘度が高くなって、含浸し難くなる虞れがある。
【0026】
上記不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルをプレポリマーとする場合、そのプレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とを不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合するのばよい。このように配合すると、SM<PP+AMの条件により樹脂強化木質化粧板Aの木材単板1中のスチレン残留率を良好に低減させることができる一方、SM+AM>PPの条件によりビニル重合性樹脂液を良好に硬化させることができ、よって、スチレンモノマー残留率の低減効果と強度との双方がバランス良く向上した樹脂強化木質化粧板Aを得ることができる。
【0027】
また、ビニル重合性樹脂液には、その硬化を促進するために、硬化剤を配合しておくことが望ましい。このような硬化剤には、例えばベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルヒドロキパーオキシド等がある。このような硬化剤は、ビニル重合性樹脂液中に0.1%〜3.0重量%程度配合される。
【0028】
この他、ビニル重合性樹脂液中に、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、着色顔料、染料、充填剤、硬化促進剤、可塑剤、酢酸ビニルポリマーやポリエスチル等の低収縮剤、エラストマー等の添加剤を配合することもできる。
【0029】
上記含浸処理工程での含浸方法は特に限定されないが、例えば木材単板1を注入釜に入れて4000Pa程度に減圧した後、上記ビニル重合性樹脂液を注入釜に注入し、注入釜を常圧に戻すことによって含浸する減圧注入法により行うことができる。この他に加圧注入法や減圧加圧注入法により含浸させることもできる。
【0030】
(加熱処理工程)
次に、図1(b)に示す如く、上記ビニル重合性樹脂液が含浸された木材単板1をホットプレス等により加熱して、木材単板1中のビニル重合性樹脂液を硬化させることにより、樹脂強化単板2を得る。
【0031】
このとき、特に加圧は必要とせず、圧力は0〜2MPa程度で行うのがよい。
【0032】
また、通常は上記ビニル重合性樹脂液が含浸された木材単板1を複数枚積層して加熱する。その積層物中の上記木材単板1の最高到達温度が100℃〜200℃の範囲となる加熱条件で行う。この加熱温度は、木材単板1の最高到達温度が100℃未満となると、反応速度が遅くなって生産性が低下したり、得られる樹脂強化単板2中の未反応残留スチレンモノマーの含有率が高くなったりする虞れがあるので好ましくなく、一方、200℃を超えると、熱によって木材単板1が変質したり劣化したりすることがあるので好ましくない。
【0033】
ここにおいて、上記最高到達温度は、樹脂の種類や単板1の厚さ、又は積層量によって異なってくるので、プレスの温度やプレス時間を加減して、上記の設定範囲とすることが必要である。例えば、0.5mm厚さの樹脂含浸木材単板1を離型フィルムを介在させながら30枚積層し、110℃の定盤温度で20分間加熱した場合に、樹脂液の種類や配合にもよるが、その最高到達温度は概ね130℃〜180℃の好ましい範囲となる。
【0034】
このように加熱することにより、木材単板1中に含浸された重合性樹脂液を良好に硬化させることができるとともに、樹脂液が硬化した木材単板1の重量に対する未反応残留スチレンモノマーが従来の1/10以下、好ましくは0.1重量%未満となる低含有状態の樹脂強化単板2を得ることができる。
【0035】
(接着処理工程)
次いで、図1(c)に示すように、このようにして得られた樹脂強化単板2を台板3に接着剤を用いて接着することで、中間化粧板4(樹脂強化単板貼り台板)を得る。上記台板3としては、合板、LVL、MDF、集成材、OSB等の木質系材料や、火山性ガラス質複層板(商品名「ダイライト」:大建工業株式会社製)等を用いることができる。また、合板の表面又は両面に合板よりも薄いMDFを接着した複合材等、これらの材料を複数種複合して形成した複合板も用いることができる。
【0036】
上記接着剤は特に限定されないが、例えばメラミン樹脂接着剤、アクリルメラミン樹脂接着剤、水性ビニルウレタン樹脂接着剤等を用いることができる。
【0037】
上記台板3と樹脂強化単板2との接着は、コールドプレスでもホットプレスでも行うことができる。圧締条件は、0.3MPa〜2MPa程度である。上記ホットプレスで加熱加圧する場合には、加熱温度を100℃以上で行えば、残留する未反応スチレンモノマーの残留率をさらに低減することが期待できるので望ましい。
【0038】
(樹脂塗料塗布処理工程)
次に、図1(d)に示す如く、こうして得られた中間化粧板4(樹脂強化単板貼り台板)における樹脂強化単板2の表面をサンディング処理し、このサンディング処理後の表面に透明性樹脂塗料を塗布して樹脂強化木質化粧板Aを製造する。
【0039】
上記透明性樹脂塗料は、スチレンが未含有状態の樹脂塗料であれば特に限定されずに使用することができ、例えばウレタン系樹脂塗料やアクリル系樹脂塗料等を用いることができる。
【0040】
その硬化後の膜厚は10μm以上とするのが、表面の保護性を図り、かつ未反応スチレンモノマーの表面からの放散を抑制する上で望ましい。尚、膜厚を100μm以上としても高価になるだけである。
【0041】
(2) 実施形態2
(含浸処理工程)
図2は実施形態2に係る樹脂強化木質化粧板Aの製造方法を示し、この方法は請求項2の発明に係るもので、まず、図2(a)に示すように、上記実施形態1と同様に、木材単板1に対しビニル重合性樹脂液を実施形態1で説明した方法により含浸する。
【0042】
(加熱接着処理工程)
次いで、図2(b)に示す如く、このビニル重合性樹脂液が含浸された木材単板1を、接着剤が塗布された台板3の上に載置し、その状態でホットプレスにより加熱加圧して木材単板1中のビニル重合性樹脂液を硬化させるとともに、台板3と木材単板1とを接着させる。このことで、図2(c)に示すように、台板3の表面に樹脂強化単板2が接着一体化された中間化粧板4(樹脂強化単板貼り台板)を得る。
【0043】
上記加熱加圧の条件は、木材単板1の表面温度が100℃以上となるようにする必要があり、圧力は0.3MPa〜2MPaの条件で約3分間〜10分間程度行うのがよい。
【0044】
このようにすることにより、木材単板1中に含浸された重合性樹脂液を良好に硬化させることができるとともに、樹脂液が硬化した木材単板1の重量に対する未反応残留スチレンモノマーの量が大幅に、好ましくは0.1重量%未満にまで低減された樹脂強化単板2が台板3表面に接着された中間化粧板4を得ることができる。
【0045】
この実施形態2が上記実施形態1と異なるのは、重合性樹脂液が含浸された木材単板1を接着剤が塗布された台板3表面に載置した状態での加熱加圧を必要とし、その加熱温度である木材単板1の表面温度が100℃以上であることである。この表面温度が100℃未満の場合は、未反応残留スチレンモノマーの残留量が多くなる虞れがある。一方、表面温度が140℃を超える場合には、スチレンモノマーが揮散して逃げて樹脂液の硬化が不十分となる虞れがある。従って、木材単板1の表面温度を100℃〜140℃とする加熱条件が好ましく、とりわけ105℃〜125℃の範囲が最も望ましい。
【0046】
台板3の種類や接着剤の種類は特に限定されず、実施形態1で例示したものを用いることができる。
【0047】
(樹脂塗料塗布処理工程)
図2(d)に示すように、このようにして得られた中間化粧板4(樹脂強化単板貼り台板)に対し、実施形態1で述べた方法によってサンディング処理した後に透明性樹脂塗料を塗布することで、実施形態2に係る樹脂強化木質化粧板Aが製造される。
【0048】
(3) 実施形態3
(接着処理工程)
図3は実施形態3に係る樹脂強化木質化粧板Aの製造方法を示し、この方法は請求項3の発明に係る。まず、図3(a)に示すように、木材単板1を接着剤を用いて台板3表面に接着する。
【0049】
上記接着剤は特に限定されないが、尿素−メラミン樹脂接着剤、アクリル−メラミン樹脂接着剤、エチレン酢酸ビニル樹脂接着剤、水性ビニルウレタン樹脂接着剤等を用いることができる。
【0050】
(含浸処理工程)
次いで、上記木材単板1の表面に、上記実施形態1で説明したビニル重合性樹脂液を塗布して、このビニル重合性樹脂液を木材単板1に含浸する。
【0051】
(加熱接着処理工程)
そして、図3(b)に示すように、この木材単板1の表面をホットプレス等の加熱加圧装置により、温度100℃〜140℃及び圧力0.3MPa〜2MPaの条件で加熱加圧することにより、上記木材単板1に含浸された重合性樹脂液を硬化させて、それ自身の重量に対する未反応残留スチレン量が大幅に、好ましくは0.1重量%未満にまで低減された樹脂強化単板2が台板3表面に接着された中間化粧板4(樹脂強化単板貼り台板)を得る。
【0052】
(樹脂塗料塗布処理工程)
この後、図3(c)に示す如く、上記実施形態1で説明したのと同様に、上記中間化粧板4(樹脂強化単板貼り台板)における樹脂強化単板2の表面にサンディング処理を施した後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布して乾燥硬化させ、樹脂強化木質化粧板Aを得る。
【0053】
この実施形態3の方法は、木材単板1が1mm以下、好ましくは0.5mm以下の薄い木材単板1を用いる場合に適している。また、この方法では、台板3に木材単板1を接着剤を用いて加熱加圧により接着する場合に、加熱加圧時に乾燥するため、未乾燥木材単板1を用いることができる。
【0054】
(4) 実施形態4
(塗布処理工程)
図4は実施形態4に係る樹脂強化木質化粧板Aの製造方法を示す。この方法は請求項4の発明に係るものであり、まず、図4(a)に示すように、台板3表面に接着剤を塗布し、この接着剤を塗布した台板3表面に、上記実施形態1で説明したビニル重合性樹脂液を塗布する。
【0055】
ここにおいて、最初に台板3に塗布する接着剤は、ビニル重合性樹脂液が台板3に浸透するのを防止する役割を果たし、台板3と木材単板1とを強固に接着する上で塗布するのが好ましいが、ビニル重合性樹脂液が接着力を有する場合は、これを省くこともできる。
【0056】
尚、上記接着剤に水性のものを使用する場合は、塗布するビニル重合性樹脂液に水分が多く混じり合わないように、若干又は適度に乾燥しておくことが望ましい。
【0057】
(加熱接着処理工程)
次いで、図4(b)に示すように、上記台板3におけるビニル重合性樹脂液の塗布面に木材単板1を載置し、さらにその表面にビニル重合性樹脂液を塗布した後、この表面をホットプレス等の加熱加圧装置により、表面温度100℃以上の温度及び0.3MPa〜2MPaの圧力で約3分間〜10分間加熱加圧する。このことにより、図4(c)に示す如く、木材単板1にビニル重合性樹脂液を含浸させるとともに、木材単板1に含浸されたビニル重合性樹脂液を硬化させて樹脂強化単板2とし、さらにこの樹脂強化単板2を台板3と接着させて中間化粧板4(樹脂強化単板貼り台板)を得る。
【0058】
上記加熱時の木材単板1の表面温度は、実施形態2と同じ理由で100℃〜140℃の範囲が好ましく、105℃〜125℃がさらに好ましい。
【0059】
また、上記ビニル重合性樹脂液の塗布面に載置された木材単板1の表面にさらにビニル重合性樹脂液を塗布しており、この処理では木材単板1への含浸を両面から十分行うことができて好ましい。しかし、木材単板1の厚さが0.5mm以下と薄い場合には、木材単板1の上からビニル重合性樹脂液を塗布する処理工程は省略することもできる。
【0060】
(樹脂塗料塗布処理工程)
図4(d)に示すように、このようにして得られた中間化粧板4(樹脂強化単板貼り台板)の表面に対し、実施形態1で述べたように、サンディング処理を施した後、透明性樹脂塗料を塗布して樹脂強化木質化粧板Aに形成する。
【0061】
【実施例】
(実施例1)
次に、具体的に実施した実施例について説明する。まず、厚さ0.5mmのベイツガ材からなる木材単板を注入釜に入れ、注入釜内を4000Paに減圧した後、この注入釜内に対し、不飽和ポリエステル70重量部、スチレンモノマー20重量部、ヒドロキプロピルメタクリレート20重量部に反応開始剤(商品名「パーキュアー0」:株式会社日本油脂製)を1重量部配合したビニル重合性樹脂液を注入して、暫く減圧した後に注入釜内を常圧に戻すことにより、ビニル重合性樹脂液を上記木材単板内に所定の注入率(木材単板重量に対し200重量%)で含浸した。
【0062】
次いで、このビニル重合性樹脂液が含浸された木材単板を、ホットプレスによって温度115℃及び圧力0.5MPaで10分間加熱加圧して、木材単板内のビニル重合性樹脂液を硬化させ、樹脂強化単板を得た。この樹脂強化単板に含まれる未反応残留スチレン量は、33ppmと非常に低いものであった。
【0063】
次いで、この樹脂強化単板を、厚さ12mmで5plyの合板からなる台板の表面に、水性ビニルウレタン樹脂接着剤により接着した。この接着は、ホットプレスによりプレス温度115℃及び庄カ1.5MPaで5分間熱圧することにより行った。
【0064】
そして、この台板に接着した樹脂強化単板の表面を軽くサンディングした後、その表面に二液型の透明性ウレタン塗料を膜厚が約30μmとなるように塗布して乾燥硬化させ、樹脂強化木質化粧板A1を得た。
【0065】
この化粧板A1から試験片を切り出し、その化粧板A1の気中放散スチレン量を、アドパック法(放散試験チャンバ法)により捕集した気体をガスクロマトグラフ質量分析装置にかけることで測定した。その結果は41μg/m2・h(25℃、RH50%)であった。尚、アドパック法とは、空気入口及び排気出口を有しかつ一定温度(25℃)に保持された密閉状の試験チャンバ内に試験片を吊り下げて又は立てて配置し、そのチャンバ内にチャンバと同じ温度及び及び一定の相対湿度(RH50%)の清浄な空気を空気入口により供給して均一に拡散させ、その供給空気により換気されたチャンバ内の気体(排気)を排気出口から取り出して捕集し、その捕集気体をガスクロマトグラフ質量分析装置にかけて分析するものである。
【0066】
(実施例2)
厚さ0.6mmのナラ材からなる木材単板に、実施例1と同様の操作で、実施例1と同様のビニル重合性樹脂液を注入含浸した。注入率は木材単板重量に対し80重量%であった。次いで、この樹脂液含浸木材単板を、水性ビニルウレタン樹脂接着剤を表面に塗布した厚さ12mmの合板からなる台板の表面に載置し、ホットプレスにより温度115℃、圧力0.5MPaで10分間加熱加圧して、木材単板内のビニル重合性樹脂液を硬化させるとともに、木材単板を台板に接着した。
【0067】
次いで、実施例1と同様に、台板に接着した樹脂強化単板の表面に対しサンディング処理した後に透明性ウレタン樹脂塗料を塗布して、樹脂強化木質化粧板A2を得た。
【0068】
このサンディング処理工程におけるサンダー屑に含まれる未反応残留スチレン量は、15ppmと非常に低いものであり、上記樹脂強化単板中に含まれる未反応残留スチレン量も非常に低いことが推定できた。
【0069】
また、この化粧板A2の気中放散スチレン量を、アドパック法により捕集した気体をガスクロマトグラフ質量分析装置にかけることで測定した。その結果は、30μg/m2・h(25℃、RH50%)であった。
【0070】
(実施例3)
厚さ0.4mmのカバ材からなる未乾燥木材単板を、メラミン樹脂系接着剤が塗布された厚さ12mmの合板からなる台板の表面に載置し、ホットプレスにより温度110℃及び圧力0.8MPaで1分間加熱加圧して台板に接着した。
【0071】
次いで、この木材単板貼り台板の木材単板表面に、実施例1で用いたビニル重合性樹脂液を塗布し、凹凸ロールで押圧して、木材単板にビニル重合性樹脂液を含浸した。ビニル重合性樹脂液の含浸量は、木材単板の重量に対し100重量%であった。
【0072】
次いで、この樹脂液含浸木材単板貼り台板の表面を、離型材であるPET樹脂フィルムを介してホットプレスにより温度120℃及び圧力1.0MPaで10分間加熱加圧し、木材単板中のビニル重合性樹脂液を硬化させた。
【0073】
次いで、実施例1と同様にサンディング処理と透明性ウレタン樹脂塗料の塗布処理とを行って樹脂強化木質化粧板A3を得た。
【0074】
実施例2と同様にして、上記サンディング処理工程でのサンダー屑から推定した樹脂強化単板中に含まれる未反応残留スチレン量は、25ppmと非常に低い値であった。
【0075】
この化粧板A3の気中放散スチレン量を、アドパック法により捕集した気体をガスクロマトグラフ質量分析装置にかけることで測定した。その結果は20μg/m2・h(25℃、RH50%)であった。
【0076】
(比較例)
実施例1においてビニル重合性樹脂液中のヒドロキシプロピルメタクリレート20重量部をスチレンモノマ−20重量部に置き換えた。それ以外は、実施例1と同様にして、樹脂強化単板を得た。この樹脂強化単板中の未反応残留スチレン量は1072ppmであった。
【0077】
また、この樹脂強化単板を、実施例1と同様にして台板に接着し、サンディング処理後に透明性樹脂塗料を塗布して樹脂強化木質化粧板Bを得た。
【0078】
この樹脂強化木質化粧板Bの気中放散スチレン量を実施例1と同様の方法で測定した結果、2070μg/m2・h(25℃、RH50%)であった。
【0079】
以上の実施例1〜3により得られた樹脂強化木質化粧板A1〜A3の気中放散スチレン量を、比較例により得られた樹脂強化木質化粧板Bと比較すると、概ね1/50〜1/100に低下しており、本発明により、従来に比べて大幅にスチレンモノマーの放散量が減少した樹脂強化木質化粧板を製造でき、本発明が極めて有効であることが判る。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、2、3又は4の発明によると、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーと、スチレンと、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つだけ存ずる(メタ)アクリレートとを含有しかつプレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合されてなるビニル重合性樹脂液を使用し、この合成樹脂液を特定のWPC化粧板の製造プロセス及び条件に適用し、樹脂強化単板中の未反応残留スチレンの含有率を0.1重量%未満としたことにより、WPC化粧板の樹脂強化単板中のスチレンモノマーの残留率を従来の1/10〜1/100に低減して、スチレンモノマーの放散量が減少するとともに、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーの不飽和基(PP)、スチレンの不飽和基(SM)及び(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)の、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるような配合によって、上記スチレンモノマー残留率の低減効果と強度との双方がバランス良く向上した樹脂強化木質化粧板を製造することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る樹脂強化木質化粧板の製造方法を示す工程図である。
【図2】 実施形態2に係る製造方法を示す工程図である。
【図3】 実施形態3に係る製造方法を示す工程図である。
【図4】 実施形態4に係る製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
A 樹脂強化木質化粧板
1 木材単板
2 樹脂強化単板
3 台板
4 中間化粧板(樹脂強化単板貼り台板)

Claims (4)

  1. 木材単板に対し、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーと、スチレンと、1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートとを含有しかつ上記プレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合されてなるビニル重合性樹脂液を含浸し、
    上記重合性樹脂液が含浸された木材単板を該木材単板内の最高到達温度が100℃〜200℃の範囲となるように加熱して、上記木材単板に含浸された重合性樹脂液を硬化させることにより、未反応残留スチレンの含有率が0.1重量%未満とされた樹脂強化単板を得、
    上記樹脂強化単板を台板に接着剤により接着し、
    次いで、上記樹脂強化単板の表面にサンディング処理を施した後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴とする樹脂強化木質化粧板の製造方法。
  2. 木材単板に対し、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーと、スチレンと、1分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートとを含有しかつ上記プレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合されてなるビニル重合性樹脂液を含浸し、
    上記重合性樹脂液が含浸された木材単板を、接着剤が塗布された台板表面に載置した状態で、木材単板の表面を表面温度が100℃以上となるように加熱加圧して、上記木材単板に含浸された重合性樹脂液を硬化させるとともに、木材単板を台板表面に接着させることにより、未反応残留スチレンの含有率が0.1重量%未満とされた樹脂強化単板を表面に接着してなる樹脂強化単板貼り台板を得、
    次いで、上記樹脂強化単板貼り台板の樹脂強化単板表面にサンディング処理を施した後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴とする樹脂強化木質化粧板の製造方法。
  3. 木材単板を接着剤を用いて台板表面に接着した後、
    上記木材単板の表面に、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーと、スチレンと、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートとを含有しかつ上記プレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合されてなるビニル重合性樹脂液を塗布して、該ビニル重合性樹脂液を木材単板に含浸し、
    次に、上記木材単板の表面を表面温度が100℃以上となるように加熱加圧して、上記木材単板に含浸された重合性樹脂液を硬化させることにより、未反応残留スチレンの含有率が0.1重量%未満とされた樹脂強化単板貼り台板を得、
    次いで、上記樹脂強化単板貼り台板の木材単板表面にサンディング処理を施した後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴とする樹脂強化木質化粧板の製造方法。
  4. 必要により接着剤を塗布した台板表面に、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルのプレポリマーと、スチレンと、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートとを含有しかつ上記プレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合されてなるビニル重合性樹脂液を塗布して、この重合性樹脂液塗布面に木材単板を載置し、
    上記木材単板の表面を表面温度が100℃以上となるように加熱加圧して、上記木材単板に含浸された重合性樹脂液を硬化させることにより、未反応残留スチレンの含有率が0.1重量%未満とされた樹脂強化単板貼り台板を得、
    次いで、上記樹脂強化単板貼り台板の木材単板表面にサンディング処理を施した後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴とする樹脂強化木質化粧板の製造方法。
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