JP2002178311A - 樹脂強化木質化粧板の製造方法 - Google Patents

樹脂強化木質化粧板の製造方法

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JP2002178311A JP2000382719A JP2000382719A JP2002178311A JP 2002178311 A JP2002178311 A JP 2002178311A JP 2000382719 A JP2000382719 A JP 2000382719A JP 2000382719 A JP2000382719 A JP 2000382719A JP 2002178311 A JP2002178311 A JP 2002178311A
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Yuei Yamazaki
勇英 山▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にスチレンモノマーの室内への放散を大幅
に軽減することができる樹脂強化木質化粧板の製造方法
が得られるようにする。 【解決手段】 木材単板1に対し、不飽和ポリエステル
及び/又はビニルエステルと、スチレンと、1分子に
(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アク
リレートとを含有するビニル重合性樹脂液を含浸した
後、この木材単板1をその内部の最高到達温度が100
℃〜200℃の範囲となるように加熱して、含浸された
重合性樹脂液を硬化させ、未反応残留スチレンが低含有
状態とされた樹脂強化単板2を得る。この樹脂強化単板
2を台板3に接着剤により接着し、その樹脂強化単板2
の表面にサンディング処理を施した後、スチレンが未含
有状態の透明性樹脂塗料を塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂強化木質化粧
板の製造方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の樹脂強化木質化粧板
はいわゆるWPC(wood plastic conbination)化粧板
としてよく知られている。このWPC化粧板は、樹脂強
化化粧単板を合板等の木質基板に一体に接着したもので
あり、特に住宅の床材等に使用されている。そして、上
記樹脂強化化粧単板は、通常、厚さ0.15mm〜2.
0mm程度の木材化粧単板に対し注入釜を用いて重合性
樹脂液を減圧法、加圧法、減圧加圧法等により注入含浸
し、又は木材化粧単板の表面に樹脂液を塗布含浸し、そ
の後に加熱加圧して木材単板中の重合性樹脂液を硬化さ
せてなる。
【0003】また、上記含浸に用いる重合性樹脂液とし
ては、重合性や硬化物の強度的性質に優れている理由か
ら、一般に、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル
樹脂等のビニル重合性樹脂液にスチレンモノマーを加え
たものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、昨今、住宅の内
装用建材に便用される塗料や接着剤等の樹脂組成物中に
含まれるトルエン、キシレン、スチレン等の撮発性有機
物質(VOC:volatileorganic compounds)が、シッ
クハウス症候群の原因の1つと考えられ、室内における
これらVOC物質の放散を減少させることが求められて
きている。
【0005】しかし、上記WPC化粧板においては、重
合性樹脂液の中にスチレンモノマーが含有されており、
このスチレンモノマーは、ビニル重合性樹脂液との共重
合により消失するものであるが、実際には、僅かな量が
未反応状態でWPC化粧板の樹脂強化単板中に残存して
放散し、上記VOC物質の放散を減少させるのに限度が
ある。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、特にスチレンモノマーの室内への放散
を大幅に軽減することができる樹脂強化木質化粧板の製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、本発明では、不飽和ポリエステル及び/又はビニル
エステルと、スチレンを主とする従来のビニル重合性樹
脂液に対し、特定の(メタ)アクリレートモノマーであ
る(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)ア
クリレートモノマーを配合すると、WPC化粧板の樹脂
強化単板中のスチレンモノマーの残留率が従来の1/1
0〜1/100に低減し、この低減率はスチレンモノマ
ーのビニル垂合性樹脂液の含有量の低減割合よりもはる
かに大きくなることを知見し、この合成樹脂液を特定の
WPC化粧板の製造プロセス及び条件に適用するように
した。
【0008】具体的には、請求項1の発明の樹脂強化木
質化粧板の製造方法では、木材単板に対し、不飽和ポリ
エステル及び/又はビニルエステルと、スチレンと、1
分子に(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メ
タ)アクリレートとを含有するビニル重合性樹脂液を含
浸する。この重合性樹脂液が含浸された木材単板を該木
材単板内の最高到達温度が100℃〜200℃の範囲と
なるように加熱して、上記木材単板に含浸された重合性
樹脂液を硬化させることにより、未反応残留スチレンが
低含有状態とされた樹脂強化単板を得る。この樹脂強化
単板を台板に接着剤により接着し、次いで、その樹脂強
化単板の表面に必要に応じてサンディング処理を施した
後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布する
ことを特徴としている。
【0009】請求項2の発明の樹脂強化木質化粧板の製
造方法では、木材単板に対し、不飽和ポリエステル及び
/又はビニルエステルと、スチレンと、1分子に(メ
タ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレ
ートとを含有するビニル重合性樹脂液を含浸する。この
重合性樹脂液が含浸された木材単板を、接着剤が塗布さ
れた台板表面に載置した状態で、木材単板の表面を表面
温度が100℃以上となるように加熱加圧して、上記木
材単板に含浸された重合性樹脂液を硬化させるととも
に、木材単板を台板表面に接着させることにより、未反
応残留スチレンが低含有状態とされた樹脂強化単板を表
面に接着してなる樹脂強化単板貼り台板を得る。次い
で、上記樹脂強化単板貼り台板の樹脂強化単板表面に必
要に応じてサンディング処理を施した後、スチレンが未
含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴とす
る。
【0010】請求項3の発明の樹脂強化木質化粧板の製
造方法では、木材単板を接着剤を用いて台板表面に接着
した後、上記木材単板の表面に、不飽和ポリエステル及
び/又はビニルエステルと、スチレンと、1分子中に
(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アク
リレートとを含有するビニル重合性樹脂液を塗布して、
該ビニル重合性樹脂液を木材単板に含浸する。次に、上
記木材単板の表面を表面温度が100℃以上となるよう
に加熱加圧して、上記木材単板に含浸された重合性樹脂
液を硬化させることにより、未反応残留スチレンが未含
有状態とされた樹脂強化単板貼り台板を得る。次いで、
上記樹脂強化単板貼り台板の木材単板表面に必要に応じ
てサンディング処理を施した後、スチレンが未含有状態
の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴とする。
【0011】請求項4の発明の樹脂強化木質化粧板の製
造方法では、必要により接着剤を塗布した台板表面に、
不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルと、スチ
レンと、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つだけ
有する(メタ)アクリレートとを含有するビニル重合性
樹脂液を塗布して、この重合性樹脂液塗布面に木材単板
を載置する。上記木材単板の表面を表面温度が100℃
以上となるように加熱加圧して、上記木材単板に含浸さ
れた重合性樹脂液を硬化させることにより、未反応残留
スチレンが低含有状態とされた樹脂強化単板貼り台板を
得る。次いで、上記樹脂強化単板貼り台板の木材単板表
面に必要に応じてサンディング処理を施した後、スチレ
ンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴
とする。
【0012】上記各発明の構成によると、上記不飽和ポ
リエステル及び/又はビニルエステルと、スチレンと、
1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つだけ存ずる
(メタ)アクリレートとを含有するビニル重合性樹脂液
を使用しているが、これは、不飽和ポリエステル及び/
又はビニルエステルと、スチレンを主とする従来のビニ
ル重合性樹脂液に、特定の(メタ)アクリレートモノマ
ーである(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メ
タ)アクリレートモノマーを配合したものである。そし
て、このビニル重合性樹脂液の使用により、WPC化粧
板の樹脂強化単板中のスチレンモノマーの残留率が従来
に比べて1/10〜1/100に低減され、この低減率
はスチレンモノマーのビニル垂合性樹脂液の含有量の低
減割合よりもはるかに大きくなる。そして、この合成樹
脂液を特定のWPC化粧板の製造プロセス並びに条件に
適用したので、製造された樹脂強化木質化粧板は、従来
に比べて大幅にスチレンモノマーの放散量が減少したも
のとなる。
【0013】請求項5の発明では、上記不飽和ポリエス
テル及び/又はビニルエステルはプレポリマーとする。
そして、このプレポリマーの不飽和基(PP)と、スチ
レンの不飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不
飽和基(AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP
+AMでかつSM+AM>PPとなるように配合されて
いる。
【0014】このように、不飽和ポリエステル及び/又
はビニルエステルのプレポリマーの不飽和基(PP)
と、スチレンの不飽和基(SM)と、上記特定の(メ
タ)アクリレートの不飽和基(AM)とを、不飽和基の
モル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>PPと
なるように配合すると、前者のSM<PP+AMの条件
により樹脂強化木質化粧板の木材単板中のスチレン残留
率を良好に低減させることができるとともに、後者のS
M+AM>PPの条件によりビニル重合性樹脂液を良好
に硬化させることができる。よって、スチレンモノマー
残留率の低減効果と強度との双方がバランス良く向上し
た樹脂強化木質化粧板を得ることができる。
【0015】請求項6の発明では、樹脂強化単板中の未
反応残留スチレンの含有率を0.1重量%未満とする。
こうすると、上記発明の効果が有効に発揮される最適な
樹脂強化単板が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の各実施形態に用いること
のできる木材単板は、蒸煮等により軟化処理した針葉
樹、又は広葉樹からなる木材フリッチをスライサー等に
より0.15mm〜2mm程度の厚さにスライスしたも
のである。
【0017】 実施形態1 (含浸処理工程)図1は本発明の実施形態1に係る樹脂
強化木質化粧板Aの製造方法を示す。この方法は請求項
1の発明に係るものであり、まず、図1(a)に示すよ
うに、上記木材単板1に対し、不飽和ポリエステル及び
/又はビニルエステルと、スチレンと、1分子中に(メ
タ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレ
ートと、重合開始剤とが所定割合に配合されたビニル重
合性樹脂液を含浸する。
【0018】ここで、上記ビニル重合性樹脂液について
具体的に説明すると、このビニル重合性樹脂液は、上記
のような組成からなるものであり、その中で、分子中に
(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アク
リレートモノマーのアクリロイル基の代表例として、C
H2=CH−CO−、又はCH2=C(CH3)−CO
−があるが、これに限定されるものではない。
【0019】アクリロイル基が2つ以上あると、樹脂強
化木質化粧板Aの耐クラック性が低下する虞れがあるの
で望ましくない。
【0020】また、(メタ)アクリレートモノマーの沸
点については、樹脂強化木質化粧板Aの製造時に後述の
如く100℃以上の最高到達温度となるように加熱した
り、又は100℃以上の表面温度となるように加熱加圧
したりする必要があることから、この(メタ)アクリレ
ートモノマーの製造中における揮散を少なくするため
に、110℃以上であることが望ましい。
【0021】さらに、(メタ)アクリレートモノマー
は、分子中に水酸基を有していると、木材単板1とのな
じみがよくなって含浸性が良くなるので、望ましい。こ
のような分子中に水酸基を有する(メタ)アクリレート
は、特に限定されるものではないが、例えば2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプチル(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)クリレ
ート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メ
タ)アクリレート等がある。尚、分子中に水酸基を有し
ない(メタ)アクリレートも使用できるのは勿論であ
る。
【0022】また、ビニル重合性樹脂液に、(メタ)ア
クリレートモノマーやスチレンモノマー以外の重合性不
飽和モノマー類を、本発明の効果を著しく低下させない
範囲で添加しておくことができる。このようなモノマー
として、例えば酢酸ビニル、ジアリルフタレート等があ
る。
【0023】上記不飽和ポリエステルとしては、酸成分
とアルコール成分との脱水縮合反応によって得られるプ
レポリマー(オリゴマー)、又は酸エステル成分とアル
コール成分との脱アルコール縮合反応によって得られる
オリゴマーであれば、特に限定されない。また不飽和ポ
リエステルを形成する各成分はそれぞれ単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0024】また、この不飽和ポリエステルの二重結合
力価は450以上であることが望ましい。二重結合力価
が450未満となると、柔軟性が殆どない硬化物とな
り、耐クラック性が低下することがある。
【0025】上記不飽和ポリエステルの数平均分子量
は、特に限定されるものではないが、1000〜500
0の範囲が望ましい。1000未満となると、樹脂強化
木質化粧板Aの樹脂強化単板2部分の耐水性が低くなる
一方、5000を超えるとビニル重合性樹脂液の粘度が
高くなって、含浸し難くなる虞れがあるからである。
【0026】上記ビニルエステルは、多官能エポキシ化
合物、不飽和一塩基酸、及び、必要により多塩基酸をエ
ステル化触媒の存在下でエステル化反応させて得られる
オリゴマーである。このようなビニルエステルを形成す
る各成分はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併
用して用いてもよい。
【0027】上記ビニルエステルの数平均分子量として
は特に限定されないが、500〜3000の範囲内であ
ることが好ましく、3000を超えると、ビニルエステ
ルを含むビニル重合性樹脂液の粘度が高くなって、含浸
し難くなる虞れがある。
【0028】上記不飽和ポリエステル及び/又はビニル
エステルをプレポリマーとする場合、そのプレポリマー
の不飽和基(PP)と、スチレンの不飽和基(SM)
と、(メタ)アクリレートの不飽和基(AM)とを不飽
和基のモル比率でSM<PP+AMでかつSM+AM>
PPとなるように配合するのばよい。このように配合す
ると、SM<PP+AMの条件により樹脂強化木質化粧
板Aの木材単板1中のスチレン残留率を良好に低減させ
ることができる一方、SM+AM>PPの条件によりビ
ニル重合性樹脂液を良好に硬化させることができ、よっ
て、スチレンモノマー残留率の低減効果と強度との双方
がバランス良く向上した樹脂強化木質化粧板Aを得るこ
とができる。
【0029】また、ビニル重合性樹脂液には、その硬化
を促進するために、硬化剤を配合しておくことが望まし
い。このような硬化剤には、例えばベンゾイルパーオキ
シド、メチルエチルケトンパーオキシド、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3
−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、t−ブチルヒドロキパーオキシド等がある。この
ような硬化剤は、ビニル重合性樹脂液中に0.1%〜
3.0重量%程度配合される。
【0030】この他、ビニル重合性樹脂液中に、必要に
応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、帯電
防止剤、着色顔料、染料、充填剤、硬化促進剤、可塑
剤、酢酸ビニルポリマーやポリエスチル等の低収縮剤、
エラストマー等の添加剤を配合することもできる。
【0031】上記含浸処理工程での含浸方法は特に限定
されないが、例えば木材単板1を注入釜に入れて400
0Pa程度に減圧した後、上記ビニル重合性樹脂液を注
入釜に注入し、注入釜を常圧に戻すことによって含浸す
る減圧注入法により行うことができる。この他に加圧注
入法や減圧加圧注入法により含浸させることもできる。
【0032】(加熱処理工程)次に、図1(b)に示す
如く、上記ビニル重合性樹脂液が含浸された木材単板1
をホットプレス等により加熱して、木材単板1中のビニ
ル重合性樹脂液を硬化させることにより、樹脂強化単板
2を得る。
【0033】このとき、特に加圧は必要とせず、圧力は
0〜2MPa程度で行うのがよい。
【0034】また、通常は上記ビニル重合性樹脂液が含
浸された木材単板1を複数枚積層して加熱する。その積
層物中の上記木材単板1の最高到達温度が100℃〜2
00℃の範囲となる加熱条件で行う。この加熱温度は、
木材単板1の最高到達温度が100℃未満となると、反
応速度が遅くなって生産性が低下したり、得られる樹脂
強化単板2中の未反応残留スチレンモノマーの含有率が
高くなったりする虞れがあるので好ましくなく、一方、
200℃を超えると、熱によって木材単板1が変質した
り劣化したりすることがあるので好ましくない。
【0035】ここにおいて、上記最高到達温度は、樹脂
の種類や単板1の厚さ、又は積層量によって異なってく
るので、プレスの温度やプレス時間を加減して、上記の
設定範囲とすることが必要である。例えば、0.5mm
厚さの樹脂含浸木材単板1を離型フィルムを介在させな
がら30枚積層し、110℃の定盤温度で20分間加熱
した場合に、樹脂液の種類や配合にもよるが、その最高
到達温度は概ね130℃〜180℃の好ましい範囲とな
る。
【0036】このように加熱することにより、木材単板
1中に含浸された重合性樹脂液を良好に硬化させること
ができるとともに、樹脂液が硬化した木材単板1の重量
に対する未反応残留スチレンモノマーが従来の1/10
以下、好ましくは0.1重量%未満となる低含有状態の
樹脂強化単板2を得ることができる。
【0037】(接着処理工程)次いで、図1(c)に示
すように、このようにして得られた樹脂強化単板2を台
板3に接着剤を用いて接着することで、中間化粧板4
(樹脂強化単板貼り台板)を得る。上記台板3として
は、合板、LVL、MDF、集成材、OSB等の木質系
材料や、火山性ガラス質複層板(商品名「ダイライ
ト」:大建工業株式会社製)等を用いることができる。
また、合板の表面又は両面に合板よりも薄いMDFを接
着した複合材等、これらの材料を複数種複合して形成し
た複合板も用いることができる。
【0038】上記接着剤は特に限定されないが、例えば
メラミン樹脂接着剤、アクリルメラミン樹脂接着剤、水
性ビニルウレタン樹脂接着剤等を用いることができる。
【0039】上記台板3と樹脂強化単板2との接着は、
コールドプレスでもホットプレスでも行うことができ
る。圧締条件は、0.3MPa〜2MPa程度である。
上記ホットプレスで加熱加圧する場合には、加熱温度を
100℃以上で行えば、残留する未反応スチレンモノマ
ーの残留率をさらに低減することが期待できるので望ま
しい。
【0040】(樹脂塗料塗布処理工程)次に、図1
(d)に示す如く、こうして得られた中間化粧板4(樹
脂強化単板貼り台板)における樹脂強化単板2の表面を
サンディング処理し、このサンディング処理後の表面に
透明性樹脂塗料を塗布して樹脂強化木質化粧板Aを製造
する。
【0041】上記透明性樹脂塗料は、スチレンが未含有
状態の樹脂塗料であれば特に限定されずに使用すること
ができ、例えばウレタン系樹脂塗料やアクリル系樹脂塗
料等を用いることができる。
【0042】その硬化後の膜厚は10μm以上とするの
が、表面の保護性を図り、かつ未反応スチレンモノマー
の表面からの放散を抑制する上で望ましい。尚、膜厚を
100μm以上としても高価になるだけである。
【0043】 実施形態2 (含浸処理工程)図2は実施形態2に係る樹脂強化木質
化粧板Aの製造方法を示し、この方法は請求項2の発明
に係るもので、まず、図2(a)に示すように、上記実
施形態1と同様に、木材単板1に対しビニル重合性樹脂
液を実施形態1で説明した方法により含浸する。
【0044】(加熱接着処理工程)次いで、図2(b)
に示す如く、このビニル重合性樹脂液が含浸された木材
単板1を、接着剤が塗布された台板3の上に載置し、そ
の状態でホットプレスにより加熱加圧して木材単板1中
のビニル重合性樹脂液を硬化させるとともに、台板3と
木材単板1とを接着させる。このことで、図2(c)に
示すように、台板3の表面に樹脂強化単板2が接着一体
化された中間化粧板4(樹脂強化単板貼り台板)を得
る。
【0045】上記加熱加圧の条件は、木材単板1の表面
温度が100℃以上となるようにする必要があり、圧力
は0.3MPa〜2MPaの条件で約3分間〜10分間
程度行うのがよい。
【0046】このようにすることにより、木材単板1中
に含浸された重合性樹脂液を良好に硬化させることがで
きるとともに、樹脂液が硬化した木材単板1の重量に対
する未反応残留スチレンモノマーの量が大幅に、好まし
くは0.1重量%未満にまで低減された樹脂強化単板2
が台板3表面に接着された中間化粧板4を得ることがで
きる。
【0047】この実施形態2が上記実施形態1と異なる
のは、重合性樹脂液が含浸された木材単板1を接着剤が
塗布された台板3表面に載置した状態での加熱加圧を必
要とし、その加熱温度である木材単板1の表面温度が1
00℃以上であることである。この表面温度が100℃
未満の場合は、未反応残留スチレンモノマーの残留量が
多くなる虞れがある。一方、表面温度が140℃を超え
る場合には、スチレンモノマーが揮散して逃げて樹脂液
の硬化が不十分となる虞れがある。従って、木材単板1
の表面温度を100℃〜140℃とする加熱条件が好ま
しく、とりわけ105℃〜125℃の範囲が最も望まし
い。
【0048】台板3の種類や接着剤の種類は特に限定さ
れず、実施形態1で例示したものを用いることができ
る。
【0049】(樹脂塗料塗布処理工程)図2(d)に示
すように、このようにして得られた中間化粧板4(樹脂
強化単板貼り台板)に対し、実施形態1で述べた方法に
よってサンディング処理した後に透明性樹脂塗料を塗布
することで、実施形態2に係る樹脂強化木質化粧板Aが
製造される。
【0050】 実施形態3 (接着処理工程)図3は実施形態3に係る樹脂強化木質
化粧板Aの製造方法を示し、この方法は請求項3の発明
に係る。まず、図3(a)に示すように、木材単板1を
接着剤を用いて台板3表面に接着する。
【0051】上記接着剤は特に限定されないが、尿素−
メラミン樹脂接着剤、アクリル−メラミン樹脂接着剤、
エチレン酢酸ビニル樹脂接着剤、水性ビニルウレタン樹
脂接着剤等を用いることができる。
【0052】(含浸処理工程)次いで、上記木材単板1
の表面に、上記実施形態1で説明したビニル重合性樹脂
液を塗布して、このビニル重合性樹脂液を木材単板1に
含浸する。
【0053】(加熱接着処理工程)そして、図3(b)
に示すように、この木材単板1の表面をホットプレス等
の加熱加圧装置により、温度100℃〜140℃及び圧
力0.3MPa〜2MPaの条件で加熱加圧することに
より、上記木材単板1に含浸された重合性樹脂液を硬化
させて、それ自身の重量に対する未反応残留スチレン量
が大幅に、好ましくは0.1重量%未満にまで低減され
た樹脂強化単板2が台板3表面に接着された中間化粧板
4(樹脂強化単板貼り台板)を得る。
【0054】(樹脂塗料塗布処理工程)この後、図3
(c)に示す如く、上記実施形態1で説明したのと同様
に、上記中間化粧板4(樹脂強化単板貼り台板)におけ
る樹脂強化単板2の表面にサンディング処理を施した
後、スチレンが未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布して
乾燥硬化させ、樹脂強化木質化粧板Aを得る。
【0055】この実施形態3の方法は、木材単板1が1
mm以下、好ましくは0.5mm以下の薄い木材単板1
を用いる場合に適している。また、この方法では、台板
3に木材単板1を接着剤を用いて加熱加圧により接着す
る場合に、加熱加圧時に乾燥するため、未乾燥木材単板
1を用いることができる。
【0056】 実施形態4 (塗布処理工程)図4は実施形態4に係る樹脂強化木質
化粧板Aの製造方法を示す。この方法は請求項4の発明
に係るものであり、まず、図4(a)に示すように、台
板3表面に接着剤を塗布し、この接着剤を塗布した台板
3表面に、上記実施形態1で説明したビニル重合性樹脂
液を塗布する。
【0057】ここにおいて、最初に台板3に塗布する接
着剤は、ビニル重合性樹脂液が台板3に浸透するのを防
止する役割を果たし、台板3と木材単板1とを強固に接
着する上で塗布するのが好ましいが、ビニル重合性樹脂
液が接着力を有する場合は、これを省くこともできる。
【0058】尚、上記接着剤に水性のものを使用する場
合は、塗布するビニル重合性樹脂液に水分が多く混じり
合わないように、若干又は適度に乾燥しておくことが望
ましい。
【0059】(加熱接着処理工程)次いで、図4(b)
に示すように、上記台板3におけるビニル重合性樹脂液
の塗布面に木材単板1を載置し、さらにその表面にビニ
ル重合性樹脂液を塗布した後、この表面をホットプレス
等の加熱加圧装置により、表面温度100℃以上の温度
及び0.3MPa〜2MPaの圧力で約3分間〜10分
間加熱加圧する。このことにより、図4(c)に示す如
く、木材単板1にビニル重合性樹脂液を含浸させるとと
もに、木材単板1に含浸されたビニル重合性樹脂液を硬
化させて樹脂強化単板2とし、さらにこの樹脂強化単板
2を台板3と接着させて中間化粧板4(樹脂強化単板貼
り台板)を得る。
【0060】上記加熱時の木材単板1の表面温度は、実
施形態2と同じ理由で100℃〜140℃の範囲が好ま
しく、105℃〜125℃がさらに好ましい。
【0061】また、上記ビニル重合性樹脂液の塗布面に
載置された木材単板1の表面にさらにビニル重合性樹脂
液を塗布しており、この処理では木材単板1への含浸を
両面から十分行うことができて好ましい。しかし、木材
単板1の厚さが0.5mm以下と薄い場合には、木材単
板1の上からビニル重合性樹脂液を塗布する処理工程は
省略することもできる。
【0062】(樹脂塗料塗布処理工程)図4(d)に示
すように、このようにして得られた中間化粧板4(樹脂
強化単板貼り台板)の表面に対し、実施形態1で述べた
ように、サンディング処理を施した後、透明性樹脂塗料
を塗布して樹脂強化木質化粧板Aに形成する。
【0063】
【実施例】(実施例1)次に、具体的に実施した実施例
について説明する。まず、厚さ0.5mmのベイツガ材
からなる木材単板を注入釜に入れ、注入釜内を4000
Paに減圧した後、この注入釜内に対し、不飽和ポリエ
ステル70重量部、スチレンモノマー20重量部、ヒド
ロキプロピルメタクリレート20重量部に反応開始剤
(商品名「パーキュアー0」:株式会社日本油脂製)を
1重量部配合したビニル重合性樹脂液を注入して、暫く
減圧した後に注入釜内を常圧に戻すことにより、ビニル
重合性樹脂液を上記木材単板内に所定の注入率(木材単
板重量に対し200重量%)で含浸した。
【0064】次いで、このビニル重合性樹脂液が含浸さ
れた木材単板を、ホットプレスによって温度115℃及
び圧力0.5MPaで10分間加熱加圧して、木材単板
内のビニル重合性樹脂液を硬化させ、樹脂強化単板を得
た。この樹脂強化単板に含まれる未反応残留スチレン量
は、33ppmと非常に低いものであった。
【0065】次いで、この樹脂強化単板を、厚さ12m
mで5plyの合板からなる台板の表面に、水性ビニル
ウレタン樹脂接着剤により接着した。この接着は、ホッ
トプレスによりプレス温度115℃及び庄カ1.5MP
aで5分間熱圧することにより行った。
【0066】そして、この台板に接着した樹脂強化単板
の表面を軽くサンディングした後、その表面に二液型の
透明性ウレタン塗料を膜厚が約30μmとなるように塗
布して乾燥硬化させ、樹脂強化木質化粧板A1を得た。
【0067】この化粧板A1から試験片を切り出し、そ
の化粧板A1の気中放散スチレン量を、アドパック法
(放散試験チャンバ法)により捕集した気体をガスクロ
マトグラフ質量分析装置にかけることで測定した。その
結果は41μg/m2・h(25℃、RH50%)であ
った。尚、アドパック法とは、空気入口及び排気出口を
有しかつ一定温度(25℃)に保持された密閉状の試験
チャンバ内に試験片を吊り下げて又は立てて配置し、そ
のチャンバ内にチャンバと同じ温度及び及び一定の相対
湿度(RH50%)の清浄な空気を空気入口により供給
して均一に拡散させ、その供給空気により換気されたチ
ャンバ内の気体(排気)を排気出口から取り出して捕集
し、その捕集気体をガスクロマトグラフ質量分析装置に
かけて分析するものである。
【0068】(実施例2)厚さ0.6mmのナラ材から
なる木材単板に、実施例1と同様の操作で、実施例1と
同様のビニル重合性樹脂液を注入含浸した。注入率は木
材単板重量に対し80重量%であった。次いで、この樹
脂液含浸木材単板を、水性ビニルウレタン樹脂接着剤を
表面に塗布した厚さ12mmの合板からなる台板の表面
に載置し、ホットプレスにより温度115℃、圧力0.
5MPaで10分間加熱加圧して、木材単板内のビニル
重合性樹脂液を硬化させるとともに、木材単板を台板に
接着した。
【0069】次いで、実施例1と同様に、台板に接着し
た樹脂強化単板の表面に対しサンディング処理した後に
透明性ウレタン樹脂塗料を塗布して、樹脂強化木質化粧
板A2を得た。
【0070】このサンディング処理工程におけるサンダ
ー屑に含まれる未反応残留スチレン量は、15ppmと
非常に低いものであり、上記樹脂強化単板中に含まれる
未反応残留スチレン量も非常に低いことが推定できた。
【0071】また、この化粧板A2の気中放散スチレン
量を、アドパック法により捕集した気体をガスクロマト
グラフ質量分析装置にかけることで測定した。その結果
は、30μg/m2・h(25℃、RH50%)であっ
た。
【0072】(実施例3)厚さ0.4mmのカバ材から
なる未乾燥木材単板を、メラミン樹脂系接着剤が塗布さ
れた厚さ12mmの合板からなる台板の表面に載置し、
ホットプレスにより温度110℃及び圧力0.8MPa
で1分間加熱加圧して台板に接着した。
【0073】次いで、この木材単板貼り台板の木材単板
表面に、実施例1で用いたビニル重合性樹脂液を塗布
し、凹凸ロールで押圧して、木材単板にビニル重合性樹
脂液を含浸した。ビニル重合性樹脂液の含浸量は、木材
単板の重量に対し100重量%であった。
【0074】次いで、この樹脂液含浸木材単板貼り台板
の表面を、離型材であるPET樹脂フィルムを介してホ
ットプレスにより温度120℃及び圧力1.0MPaで
10分間加熱加圧し、木材単板中のビニル重合性樹脂液
を硬化させた。
【0075】次いで、実施例1と同様にサンディング処
理と透明性ウレタン樹脂塗料の塗布処理とを行って樹脂
強化木質化粧板A3を得た。
【0076】実施例2と同様にして、上記サンディング
処理工程でのサンダー屑から推定した樹脂強化単板中に
含まれる未反応残留スチレン量は、25ppmと非常に
低い値であった。
【0077】この化粧板A3の気中放散スチレン量を、
アドパック法により捕集した気体をガスクロマトグラフ
質量分析装置にかけることで測定した。その結果は20
μg/m2・h(25℃、RH50%)であった。
【0078】(比較例)実施例1においてビニル重合性
樹脂液中のヒドロキシプロピルメタクリレート20重量
部をスチレンモノマ−20重量部に置き換えた。それ以
外は、実施例1と同様にして、樹脂強化単板を得た。こ
の樹脂強化単板中の未反応残留スチレン量は1072p
pmであった。
【0079】また、この樹脂強化単板を、実施例1と同
様にして台板に接着し、サンディング処理後に透明性樹
脂塗料を塗布して樹脂強化木質化粧板Bを得た。
【0080】この樹脂強化木質化粧板Bの気中放散スチ
レン量を実施例1と同様の方法で測定した結果、207
0μg/m2・h(25℃、RH50%)であった。
【0081】以上の実施例1〜3により得られた樹脂強
化木質化粧板A1〜A3の気中放散スチレン量を、比較
例により得られた樹脂強化木質化粧板Bと比較すると、
概ね1/50〜1/100に低下しており、本発明によ
り、従来に比べて大幅にスチレンモノマーの放散量が減
少した樹脂強化木質化粧板を製造でき、本発明が極めて
有効であることが判る。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1、2、3
又は4の発明によると、不飽和ポリエステル及び/又は
ビニルエステルと、スチレンと、1分子中に(メタ)ア
クリロイル基を1つだけ存ずる(メタ)アクリレートと
を含有するビニル重合性樹脂液を使用し、この合成樹脂
液を特定のWPC化粧板の製造プロセス及び条件に適用
したことにより、WPC化粧板の樹脂強化単板中のスチ
レンモノマーの残留率を従来の1/10〜1/100に
低減して、スチレンモノマーの放散量が減少した樹脂強
化木質化粧板を製造することができる。
【0083】請求項5の発明によると、不飽和ポリエス
テル及び/又はビニルエステルをプレポリマーとし、こ
のプレポリマーの不飽和基(PP)、スチレンの不飽和
基(SM)及び(メタ)アクリレートの不飽和基(A
M)を不飽和基のモル比率でSM<PP+AMでかつS
M+AM>PPとなるように配合したことにより、スチ
レンモノマー残留率の低減効果と強度との双方がバラン
ス良く向上した樹脂強化木質化粧板を製造することがで
きる。
【0084】請求項6の発明によると、樹脂強化単板中
の未反応残留スチレンの含有率を0.1重量%未満とし
たことにより、発明の効果が有効に発揮される最適な樹
脂強化単板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る樹脂強化木質化粧板
の製造方法を示す工程図である。
【図2】実施形態2に係る製造方法を示す工程図であ
る。
【図3】実施形態3に係る製造方法を示す工程図であ
る。
【図4】実施形態4に係る製造方法を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
A 樹脂強化木質化粧板 1 木材単板 2 樹脂強化単板 3 台板 4 中間化粧板(樹脂強化単板貼り台板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B27M 1/00 B27M 1/00 F E04F 13/10 E04F 13/10 A (72)発明者 石井 寛典 富山県東砺波郡井波町井波1番地の1 大 建工業株式会社内 (72)発明者 及川 純三 富山県東砺波郡井波町井波1番地の1 大 建工業株式会社内 (72)発明者 山▲崎▼ 勇英 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 2B002 AA01 AA05 AA10 BA01 BA13 BA16 BB04 BB06 BB12 DA06 2B230 AA08 AA21 BA03 BA17 BA18 CB25 CC11 CC25 DA02 EA20 EB01 EB03 EB05 EB13 EB25 EB28 EB29 2B250 AA01 AA06 BA03 BA06 CA11 DA04 EA02 EA13 FA21 FA25 FA31 FA33 FA37 GA03 HA01 2E110 AA64 AB04 AB23 BA02 BA12 BB04 GA23W GB52W GB62W

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材単板に対し、不飽和ポリエステル及
    び/又はビニルエステルと、スチレンと、1分子に(メ
    タ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレ
    ートとを含有するビニル重合性樹脂液を含浸し、 上記重合性樹脂液が含浸された木材単板を該木材単板内
    の最高到達温度が100℃〜200℃の範囲となるよう
    に加熱して、上記木材単板に含浸された重合性樹脂液を
    硬化させることにより、未反応残留スチレンが低含有状
    態とされた樹脂強化単板を得、 上記樹脂強化単板を台板に接着剤により接着し、 次いで、上記樹脂強化単板の表面に必要に応じてサンデ
    ィング処理を施した後、スチレンが未含有状態の透明性
    樹脂塗料を塗布することを特徴とする樹脂強化木質化粧
    板の製造方法。
  2. 【請求項2】 木材単板に対し、不飽和ポリエステル及
    び/又はビニルエステルと、スチレンと、1分子に(メ
    タ)アクリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレ
    ートとを含有するビニル重合性樹脂液を含浸し、 上記重合性樹脂液が含浸された木材単板を、接着剤が塗
    布された台板表面に載置した状態で、木材単板の表面を
    表面温度が100℃以上となるように加熱加圧して、上
    記木材単板に含浸された重合性樹脂液を硬化させるとと
    もに、木材単板を台板表面に接着させることにより、未
    反応残留スチレンが低含有状態とされた樹脂強化単板を
    表面に接着してなる樹脂強化単板貼り台板を得、 次いで、上記樹脂強化単板貼り台板の樹脂強化単板表面
    に必要に応じてサンディング処理を施した後、スチレン
    が未含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴と
    する樹脂強化木質化粧板の製造方法。
  3. 【請求項3】 木材単板を接着剤を用いて台板表面に接
    着した後、 上記木材単板の表面に、不飽和ポリエステル及び/又は
    ビニルエステルと、スチレンと、1分子中に(メタ)ア
    クリロイル基を1つだけ有する(メタ)アクリレートと
    を含有するビニル重合性樹脂液を塗布して、該ビニル重
    合性樹脂液を木材単板に含浸し、 次に、上記木材単板の表面を表面温度が100℃以上と
    なるように加熱加圧して、上記木材単板に含浸された重
    合性樹脂液を硬化させることにより、未反応残留スチレ
    ンが未含有状態とされた樹脂強化単板貼り台板を得、 次いで、上記樹脂強化単板貼り台板の木材単板表面に必
    要に応じてサンディング処理を施した後、スチレンが未
    含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴とする
    樹脂強化木質化粧板の製造方法。
  4. 【請求項4】 必要により接着剤を塗布した台板表面
    に、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルと、
    スチレンと、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つ
    だけ有する(メタ)アクリレートとを含有するビニル重
    合性樹脂液を塗布して、この重合性樹脂液塗布面に木材
    単板を載置し、 上記木材単板の表面を表面温度が100℃以上となるよ
    うに加熱加圧して、上記木材単板に含浸された重合性樹
    脂液を硬化させることにより、未反応残留スチレンが低
    含有状態とされた樹脂強化単板貼り台板を得、 次いで、上記樹脂強化単板貼り台板の木材単板表面に必
    要に応じてサンディング処理を施した後、スチレンが未
    含有状態の透明性樹脂塗料を塗布することを特徴とする
    樹脂強化木質化粧板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つの樹脂強化
    木質化粧板の製造方法において、 不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルがプレポ
    リマーであり、 このプレポリマーの不飽和基(PP)と、スチレンの不
    飽和基(SM)と、(メタ)アクリレートの不飽和基
    (AM)とが、不飽和基のモル比率でSM<PP+AM
    でかつSM+AM>PPとなるように配合されているこ
    とを特徴とする樹脂強化木質化粧板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1つの樹脂強化
    木質化粧板の製造方法において、 樹脂強化単板中の未反応残留スチレンの含有率が0.1
    重量%未満であることを特徴とする樹脂強化木質化粧板
    の製造方法。
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