JP3606958B2 - 建築用化粧板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐水性、耐薬品性、防黴性、寸法安定性に優れた床板などの建築用化粧板を中密度繊維板を採用して効率よく安価に製造することができる建築用化粧板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、木質材に不飽和ポリエステル系樹脂等の樹脂液を注入、硬化して木質材のもつ欠点である寸法安定性、強度等の改善を図った樹脂強化木質材が知られている。例えば、特開昭62ー221503号公報に記載されているように、合板等の木質基材に樹脂液を含浸、硬化させ、この樹脂含浸処理木質基材の表裏面に木質単板と補強基材を一体に接着してなる化粧板が開発されているが、木質材が高価であると共に樹脂液の注入処理に時間を要するという問題点がある。このため、樹脂液の注入が容易に行われ且つ安価な中密度繊維板を採用し、この中密度繊維板に樹脂液を含浸、硬化させたのち、その表裏面に木質単板と補強基材とを一体に接着する化粧板の製造方法が実施されるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような化粧板の製造方法によれば、中密度繊維板に樹脂液を含浸、硬化させたのち、この中密度繊維板の表面に木質単板を接着させるものであるから、製造工程が複雑化して高価なるばかりでなく、得られた化粧板はその表面の木質単板に水分が浸透して膨潤し、寸法安定性や強度面で難点が生じるものであり、その上、水分の浸透によって中密度繊維板との層間が剥離し易くなるという問題点があった。
【0004】
このような問題点は、表面の木質単板を中密度繊維板と同様に樹脂処理しておき、両者を積層接着することにより解消し得るが、予め、木質単板に樹脂を含浸、硬化させておくと、該木質単板に生じている反りや捩れを矯正することができないために商品価値が低下すると共に、樹脂の含浸硬化処理した薄い木質単板は取扱時等において欠けが生じやすく、また、接着剤のぬれが悪いために樹脂が含浸、硬化させている中密度繊維板との接着性が劣ると共に製造工程が複雑化して生産性が低下するという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような問題点を解消し得る建築用化粧板の製造方法であって、請求項1に記載した発明は、中密度繊維板の表面に化粧シート状物を接着して化粧板基材を形成したのち、この化粧板基材に重合硬化性樹脂の液状組成物を含浸させ、さらに、この化粧板基材を接着剤を介して多孔質板状物上に重ね合わせて加熱、加圧することにより重合硬化性樹脂の液状組成物を硬化させると同時に化粧板基材と多孔質板状物とを一体化することを特徴とするものである。なお、化粧板基材含浸させる重合硬化性樹脂の液状組成物に、2種以上の有機酸と多原子価金属とからなる重合性複合金属を添加しておくことが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
まず、図1に示すように厚さが2〜5mm程度の床板形状に形成した中密度繊維板1の表面に水性ウレタン接着剤等の接着剤2によって中密度繊維板1と平面同一形状に形成している厚さが0.3mm 程度の木質薄単板よりなる化粧シート状物3を接着一体化させることにより化粧板基材Aを得る。なお、化粧シート状物3としては、木質薄単板以外に化粧紙を用いることができ、要するに、重合硬化性樹脂の液状組成物が含浸可能な化粧シート状物であればよい。一方、この化粧板基材Aに含浸する液状組成物を調製する。この液状組成物としては、重合硬化性樹脂液に2種以上の有機酸と多原子価金属とからなる重合性複合金属を添加してなるものが使用される。
【0007】
上記液状組成物において、重合硬化性樹脂としては、液状不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルーウレタン樹脂、乾性油・半乾性油などが使用され、有機酸としては不飽和脂肪族や脂肪族、芳香族、脂環族の一塩基酸が使用される。さらに、多原子価金属としては、亜鉛、胴、マンガン、ニッケル、鉄、錫、アンチモン、マグネシウムなどが用いることができる。上記有機酸を2種以上選択して使用し、この2種以上の有機酸と多原子価金属との重合性複合金属を硬化性樹脂液に溶解させて液状組成物を調製する。なお、硬化性樹脂液に対する重合性複合金属の溶解性は良好であって所望量の重合性複合金属を添加させることができる。
【0008】
この液状組成物を上記化粧板基材Aに含浸させると、中密度繊維板1は合板に比べて液状組成物の注入性が良好であり且つパーティクルボートのように液状組成物が入り過ぎることなく、全体に亘って液状組成物を均一に且つ短時間で含浸させることができると共に中密度繊維板1の表面に貼着している化粧シート状物3内にも液状組成物を同時に含浸する。この化粧板基材Aに対する液状組成物の含浸手段としては、浸漬法、減圧注入法、加圧注入法、減圧加圧注入法等のいずれの手段を採用してもよい。
【0009】
こうして、液状組成物を含浸処理した化粧板基材Aをホットプレスによって加熱、加圧することにより含浸した液状組成物を硬化させると、重合硬化性樹脂の重合反応によって重合性複合金属が化粧板基材内に強固に固定すると共に該重合性複合金属によって防黴性、防腐性、撥水性等が付与され、さらに重合硬化性樹脂によって耐水性、寸法安定性、良好な外観性が付与された優れた耐久性を有する建築用化粧板を得ることができるものである。
【0010】
この建築用化粧板を床材として使用する場合には、図2に示すように、合板、ケイカル板、木片セメント板等の多孔質板状物B上に上記液状組成物を含浸処理した化粧板基材Aを水性ウレタン接着剤等の接着剤4によって接着したのち、ホットプレスにて加熱、加圧する。この加熱、加圧によって中密度繊維板1に含浸している液状組成物の一部が多孔質板状物Bの表層部に容易に浸入し、液状組成物中の重合硬化性樹脂の硬化によって多孔質板状物Bと化粧板基材Aとが強固に積層、一体化した床材を得ることができる。
【0011】
【実施例】
(実施例1)
厚さ3mmの中密度繊維板の表面に厚さ0.3mm のナラ単板を水性ウレタン樹脂接着剤で接着して化粧板基材を形成し、この化粧板基材に、エポキシメタアクリレート樹脂の60%スチレンモノマー溶液(ビニルエステル樹脂)100 重量部にtーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエート50%溶液を1.5 重量部添加してなる重合硬化性樹脂の液状組成物に浸漬し、減圧加圧法によって含浸した。化粧板基材に対する重合性硬化樹脂の液状組成物の含浸率は約70%であった。この樹脂液含浸化粧板基材の表裏面に離形フイルムを重ね合わせてホットプレスに挿入し、130 ℃、10kgf/cm の熱圧条件でもって20分間、加熱、加圧して化粧板基材に含浸した重合硬化性樹脂の液状組成物を硬化させ、樹脂含有率が62%の表面が平滑で美麗な外観を呈した化粧板を得た。この化粧板は、4時間の煮沸を行っても膨れなどの欠陥を生じることがなく、極めて耐水性に富むものであった。また、硬度も大で、且つ合板表面にビニルウレタン、アクリルメラミンなどの接着剤により接着可能であり、優れた床材として使用できる。
【0012】
(実施例2)
アルキルメタアクリレート(C12〜C13)34重量%、スチレンモノマー21重量%、トリメチロールプロパントリメタアクリレート14重量%、酸化亜鉛6.5 重量%、メタアクリル酸6.5 重量%、サリチル酸6.0 重量%、リシノール酸12重量%よりなる組成物を60℃で均一になるまで反応せしめ、冷却後に触媒としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート50%液を1.5 部、上記組成物100 部に添加して重合性樹脂の液状組成物を作製した。この液状組成物を厚さ6mmの中密度繊維板の表面に0.3mm 厚のナラ単板を接着してなる化粧板基材に減圧−常圧法によって含浸した。含浸率は約80%であった。この樹脂液含浸化粧板基材をホットプレスにより120 ℃、5kgf/cm の熱圧条件でもって30分間、加熱、加圧して化粧板基材に含浸した重合硬化性樹脂の液状組成物を硬化させ、樹脂含有率が73%、収率91%で反りや膨れ等の生じていない美麗な化粧板を得た。この化粧板をJIS−Z−2911の規定のカビ抵抗試験を行ったところ、2週間ではカビの成育はなく、3週間目で1/3程度の成育はあったが、簡単に拭き取ることができた。
【0013】
(実施例3)
約2mm厚さのフレキシブル中密度繊維板の表面に、水性ウレタン樹脂接着剤を使用して厚さ0.3mm のケヤキ単板を接着することによって化粧板基材を得た。この化粧板基材に減圧−加圧法によって上記実施例1に記載の重合硬化性液状組成物を含浸させたところ、含浸率は約65%であった。一方、12mm厚のラワン合板の表面に接着剤として水性のアクリル−メラミン樹脂を塗布してなる床基材を用意し、先に重合硬化性液状組成物を含浸させておいた上記化粧板基材をこの床基材上に載置したのち、ホットプレスにより130 ℃、10kgf/cm の熱圧条件でもって20分間、加熱、加圧し、化粧板基材に含浸した重合硬化性樹脂の液状組成物を硬化させる同時に床基材に化粧板基材を接着させて床用化粧板を得た。この化粧板の表面硬度が大きくで且つ弾性に富み、煮沸によっても膨れなどが生じることがなかった。
【0014】
(比較例)
厚さ3mmの中密度繊維板と、厚さ0.3mm のナラ単板に、別々に上記実施例1で用いた重合硬化性樹脂の液状組成物と同じ硬化性液状組成物を含浸させた。中密度繊維板とナラ単板とに対する重合硬化性樹脂の液状組成物の含浸率はそれぞれ66%、108 %であった。次いで、この重合硬化性樹脂の液状組成物が含浸している中密度繊維板とナラ単板とを重ね合わせて化粧板基材を形成し、この化粧板基材の表裏面に離形フィルムを重ね合わせた状態でホットプレスにより130 ℃、10kgf/cm の熱圧条件でもって20分間、加熱、加圧して含浸した重合硬化性樹脂の液状組成物を硬化させると共に中密度繊維板とナラ単板とを接着させた。こうして得られた化粧板は、その樹脂含有率が56%で化粧性に富み、耐水性も良好であったが、単板側で若干、凸状の反りが発生した。
【0015】
【発明の効果】
以上のように本発明の建築用化粧板の製造方法によれば、予め、中密度繊維板の表面に化粧シート状物を接着して化粧板基材を形成しておいたのち、この化粧板基材に重合硬化性樹脂の液状組成物を含浸させ、しかるのち、加熱、加圧することにより重合硬化性樹脂の液状組成物を硬化させるものであるから、製造工程が簡単で安価に且つ効率よく製造することができると共に、硬化後においても反りやねじれが生じていない寸法安定性に優れた樹脂含浸処理化粧板が得られるものであり、さらに、化粧板基材全体に重合硬化性樹脂の液状組成物が均一且つ充分に含浸、硬化して耐水性に優れた化粧板を製造し得るものである。
【0016】
また、重合硬化性樹脂の液状組成物に2種以上の有機酸と多原子価金属とからなる重合性複合金属を添加しておくことによって、化粧板に良好な防黴性、抗菌性を付与することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】化粧板の製造工程を示す簡略工程図、
【図2】多孔性板状物上に化粧板基材を積層、一体化した化粧板の製造工程を示す簡略工程図。
【符号の説明】
1 中密度繊維板
2 接着剤
3 化粧シート状物
A 化粧板基材
B 多孔質板状物

Claims (2)

  1. 中密度繊維板の表面に化粧シート状物を接着して化粧板基材を形成したのち、この化粧板基材に重合硬化性樹脂の液状組成物を含浸させ、さらに、この化粧板基材を接着剤を介して多孔質板状物上に重ね合わせて加熱、加圧することにより重合硬化性樹脂の液状組成物を硬化させると同時に化粧板基材と多孔質板状物とを一体化することを特徴とする建築用化粧板の製造方法。
  2. 化粧板基材に含浸させる重合硬化性樹脂の液状組成物に、2種以上の有機酸と多原子価金属とからなる重合性複合金属を添加してなることを特徴とする請求項1記載の建築用化粧板の製造方法。
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