JP3067867B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents
化粧板の製造方法Info
- Publication number
- JP3067867B2 JP3067867B2 JP3321011A JP32101191A JP3067867B2 JP 3067867 B2 JP3067867 B2 JP 3067867B2 JP 3321011 A JP3321011 A JP 3321011A JP 32101191 A JP32101191 A JP 32101191A JP 3067867 B2 JP3067867 B2 JP 3067867B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- veneer
- adhesive
- synthetic resin
- resin liquid
- forming layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Finished Plywoods (AREA)
- Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、木質基板上に木材単板
を接着、一体化させると同時に該木材単板内に合成樹脂
液を含浸、硬化させる化粧板の製造方法に関するもので
ある。
を接着、一体化させると同時に該木材単板内に合成樹脂
液を含浸、硬化させる化粧板の製造方法に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】従来から、木質基板に合成樹脂含浸処理
単板を積層、一体化してなる化粧板を製造する方法とし
ては、例えば、実公昭６０ー２８６１０号公報に記載さ
れているように木質基板上に木材単板を一体的に積層、
接着したのち、該単板上に合成樹脂液を塗布して含浸、
硬化させる方法や、木材単板に合成樹脂液を含浸、硬化
させて化粧単板を形成し、この化粧単板を木質基板上に
接着、一体化させる方法等が知られている。
単板を積層、一体化してなる化粧板を製造する方法とし
ては、例えば、実公昭６０ー２８６１０号公報に記載さ
れているように木質基板上に木材単板を一体的に積層、
接着したのち、該単板上に合成樹脂液を塗布して含浸、
硬化させる方法や、木材単板に合成樹脂液を含浸、硬化
させて化粧単板を形成し、この化粧単板を木質基板上に
接着、一体化させる方法等が知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法によれば、木材単板上に合成樹脂液を塗布しただけ
では単板内部の空気と合成樹脂液の置換が粘度等の関係
でうまくいかなくて該合成樹脂液が単板内部にまで充分
に含浸させることができず、表層部は一見処理されてい
るように見えるが内部までは充分に含浸されていないた
め、樹脂含浸処理化粧板として強度上においても問題が
生じるものであり、又、後者の方法では、一旦、木材単
板に合成樹脂液を注入、硬化処理を施しておき、これを
木質基板上に接着させるものであるから、単板内部まで
充分含浸できるが作業性が悪くて生産に長時間を要し、
多量生産に適さないという問題点があった。
方法によれば、木材単板上に合成樹脂液を塗布しただけ
では単板内部の空気と合成樹脂液の置換が粘度等の関係
でうまくいかなくて該合成樹脂液が単板内部にまで充分
に含浸させることができず、表層部は一見処理されてい
るように見えるが内部までは充分に含浸されていないた
め、樹脂含浸処理化粧板として強度上においても問題が
生じるものであり、又、後者の方法では、一旦、木材単
板に合成樹脂液を注入、硬化処理を施しておき、これを
木質基板上に接着させるものであるから、単板内部まで
充分含浸できるが作業性が悪くて生産に長時間を要し、
多量生産に適さないという問題点があった。
【０００４】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、接着剤として使用される合成樹脂と、単
板に注入される合成樹脂とは、その性質および使用条件
が異なることを利用し、木質基板上への木材単板の接着
と、該木材単板への合成樹脂液の注入、硬化処理とを同
時に行って、合成樹脂液の充分な含浸処理と共に生産性
を一段と向上させることのできる化粧板の製造方法の提
供を目的とするものである。
たものであり、接着剤として使用される合成樹脂と、単
板に注入される合成樹脂とは、その性質および使用条件
が異なることを利用し、木質基板上への木材単板の接着
と、該木材単板への合成樹脂液の注入、硬化処理とを同
時に行って、合成樹脂液の充分な含浸処理と共に生産性
を一段と向上させることのできる化粧板の製造方法の提
供を目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の化粧板の製造方法は、まず、木質基板上に
接着剤を適量塗布したのち、該接着剤を加熱その他の手
段によってその厚みが30μ以上の接着剤造膜層を形成
し、この接着剤造膜層上に適宜塗布厚さの合成樹脂液を
介して木材単板を重ね合わせ、しかるのち、加熱、加圧
処理して木材単板内に合成樹脂液を含浸、硬化させると
共に木材単板を木質基板上に接着、一体化させることを
特徴とするものである。尚、本発明で接着剤造膜層と
は、重合、乾燥その他により膜状の層は形成されるが接
着性能は有している状態をいう。
に、本発明の化粧板の製造方法は、まず、木質基板上に
接着剤を適量塗布したのち、該接着剤を加熱その他の手
段によってその厚みが30μ以上の接着剤造膜層を形成
し、この接着剤造膜層上に適宜塗布厚さの合成樹脂液を
介して木材単板を重ね合わせ、しかるのち、加熱、加圧
処理して木材単板内に合成樹脂液を含浸、硬化させると
共に木材単板を木質基板上に接着、一体化させることを
特徴とするものである。尚、本発明で接着剤造膜層と
は、重合、乾燥その他により膜状の層は形成されるが接
着性能は有している状態をいう。
【０００６】
【作用】木質基板上に適量の接着剤を塗布し、厚みが30
μ以上の接着剤造膜層を形成しているので、この上に適
宜塗布厚さの合成樹脂液を介して木材単板を積層して熱
圧処理を施すと、合成樹脂液は木質基板側に含浸するの
を接着剤造膜層によって阻止され、木材単板に向かって
集中的に含浸することになる。さらに、木材単板の細胞
空隙部内の空気は合成樹脂液が下方より入るために含浸
に従って上方に逃げて容易に外部に排出されるので、合
成樹脂液は木材単板内に浸透し、加熱により流動性を増
しているために単板の細部まで注入され、さらに、加熱
により硬化して化粧単板となり、同時にこの化粧単板は
前記接着剤を介して木質基板上に接着、一体化する。
μ以上の接着剤造膜層を形成しているので、この上に適
宜塗布厚さの合成樹脂液を介して木材単板を積層して熱
圧処理を施すと、合成樹脂液は木質基板側に含浸するの
を接着剤造膜層によって阻止され、木材単板に向かって
集中的に含浸することになる。さらに、木材単板の細胞
空隙部内の空気は合成樹脂液が下方より入るために含浸
に従って上方に逃げて容易に外部に排出されるので、合
成樹脂液は木材単板内に浸透し、加熱により流動性を増
しているために単板の細部まで注入され、さらに、加熱
により硬化して化粧単板となり、同時にこの化粧単板は
前記接着剤を介して木質基板上に接着、一体化する。
【０００７】即ち、一般に接着剤に用いられる樹脂は注
入樹脂に比べて重合度が高く分子量の大きな且つ粘度の
高いものが用いられる。それに対して注入樹脂は、細胞
内に入るように分子量の小さい低粘度のものが用いられ
る。従って、造膜層上に注入樹脂層を設けた場合でも基
材への浸透は阻止されるが、膜厚の薄い場合は圧入時に
膜を通り基材側に浸透するものであり、これを防ぐには
30μ以上の膜厚が必要とされる。
入樹脂に比べて重合度が高く分子量の大きな且つ粘度の
高いものが用いられる。それに対して注入樹脂は、細胞
内に入るように分子量の小さい低粘度のものが用いられ
る。従って、造膜層上に注入樹脂層を設けた場合でも基
材への浸透は阻止されるが、膜厚の薄い場合は圧入時に
膜を通り基材側に浸透するものであり、これを防ぐには
30μ以上の膜厚が必要とされる。
【０００８】
【実施例】次に、本発明の実施例を詳しく述べると、図
１において、まず、適宜厚さを有する合板、パーティク
ルボード、ハードボード等の木質基板１の上面全面に接
着剤を塗布し、加熱等の適宜な手段によって該接着剤を
造膜させ、厚みが30μ以上の接着剤造膜層２を形成す
る。
１において、まず、適宜厚さを有する合板、パーティク
ルボード、ハードボード等の木質基板１の上面全面に接
着剤を塗布し、加熱等の適宜な手段によって該接着剤を
造膜させ、厚みが30μ以上の接着剤造膜層２を形成す
る。
【０００９】接着剤の造膜方法としては、酢酸ビニル、
酢酸ビニルーアクリル共重合体等の水性エマルジョン接
着剤の場合には、木質基板１上への塗布後、加熱その他
の手段によって接着剤中の水分を除去し、エマルジョン
を破壊して重合を進行させ、造膜した接着剤層２とす
る。また、ジアリルフタレート（ＤＡＰ）やポリエステ
ル等の溶剤型接着剤の場合には、例えばポリエステル系
のものは樹脂とスチレンの共重合反応を一部行わせるこ
とで接着剤造膜層２を形成し、エポキシ等の無溶剤型接
着剤の場合には半硬化させて接着剤造膜層２を形成す
る。なお、このような接着剤としては、該接着剤造膜層
２上に塗布される合成樹脂液３に溶解しないものを用い
ることが必要である。
酢酸ビニルーアクリル共重合体等の水性エマルジョン接
着剤の場合には、木質基板１上への塗布後、加熱その他
の手段によって接着剤中の水分を除去し、エマルジョン
を破壊して重合を進行させ、造膜した接着剤層２とす
る。また、ジアリルフタレート（ＤＡＰ）やポリエステ
ル等の溶剤型接着剤の場合には、例えばポリエステル系
のものは樹脂とスチレンの共重合反応を一部行わせるこ
とで接着剤造膜層２を形成し、エポキシ等の無溶剤型接
着剤の場合には半硬化させて接着剤造膜層２を形成す
る。なお、このような接着剤としては、該接着剤造膜層
２上に塗布される合成樹脂液３に溶解しないものを用い
ることが必要である。
【００１０】次いで、この接着剤造膜層２上に不飽和ポ
リエステル樹脂、その他の硬化性液状樹脂を所望量塗布
したのち、該合成樹脂液３上に厚さが0.3 〜1.2mm 程度
の木材単板４を積層する。このような木材単板４として
は、オーク、ナラ、カバ、セン、タモなどの樹種のもの
が用いられる。尚、用いられる注入樹脂液としては、不
飽和ポリエステルを代表とする付加重合型樹脂液が硬化
時に結合水を生じないので化粧性を損なうことがなく適
している。
リエステル樹脂、その他の硬化性液状樹脂を所望量塗布
したのち、該合成樹脂液３上に厚さが0.3 〜1.2mm 程度
の木材単板４を積層する。このような木材単板４として
は、オーク、ナラ、カバ、セン、タモなどの樹種のもの
が用いられる。尚、用いられる注入樹脂液としては、不
飽和ポリエステルを代表とする付加重合型樹脂液が硬化
時に結合水を生じないので化粧性を損なうことがなく適
している。
【００１１】合成樹脂液３は木材単板４側に塗布してお
き、この合成樹脂液３を上記木質基板１上に塗布した接
着剤造膜層２に重ね合わせるようにして木材単板４を積
層してもよく、この場合には、木質基板１上に接着剤造
膜層２を形成する作業と並行して木材単板４に対する合
成樹脂液３の塗布作業が行える。また、木材単板４の上
面側にも合成樹脂液３を塗布しておいてもよい。
き、この合成樹脂液３を上記木質基板１上に塗布した接
着剤造膜層２に重ね合わせるようにして木材単板４を積
層してもよく、この場合には、木質基板１上に接着剤造
膜層２を形成する作業と並行して木材単板４に対する合
成樹脂液３の塗布作業が行える。また、木材単板４の上
面側にも合成樹脂液３を塗布しておいてもよい。
【００１２】このように、木質基板１上に接着剤造膜層
２、合成樹脂液３を介して木材単板４を順次積層した状
態にしてホットプレス内に挿入し、木材単板４上を所定
温度と圧力でもって適宜時間加熱、加圧すると、合成樹
脂液３が流動性を付与されると同時に木質基板１と木材
単板４間で圧縮作用を受けてこれらの木質基板１と木材
単板４との対向面に浸入しようとする。
２、合成樹脂液３を介して木材単板４を順次積層した状
態にしてホットプレス内に挿入し、木材単板４上を所定
温度と圧力でもって適宜時間加熱、加圧すると、合成樹
脂液３が流動性を付与されると同時に木質基板１と木材
単板４間で圧縮作用を受けてこれらの木質基板１と木材
単板４との対向面に浸入しようとする。
【００１３】この時、木質基板１と該合成樹脂液層３間
には接着剤造膜層２が介在しているので、合成樹脂液は
該接着剤造膜層２によって木質基板１側へ浸透するのを
阻止され、該合成樹脂液３が直接圧接している木材単板
４の下面からこの木材単板４内に含浸することになる。
には接着剤造膜層２が介在しているので、合成樹脂液は
該接着剤造膜層２によって木質基板１側へ浸透するのを
阻止され、該合成樹脂液３が直接圧接している木材単板
４の下面からこの木材単板４内に含浸することになる。
【００１４】このように、木材単板４の下面から合成樹
脂液３が木材単板４内に浸入、上昇していくと、それに
応じて木材単板４の導管等の細胞空隙内に存在する空気
が上方に押し上げられるようにして逃げ、外部に排出さ
れて合成樹脂液３が木材単板内に容易に含浸する。ま
た、予め、木材単板４の上面にも合成樹脂液を塗布して
おけば、上面側からも単板内に樹脂液を含浸させること
ができて、その含浸率が一段と増大するものである。
脂液３が木材単板４内に浸入、上昇していくと、それに
応じて木材単板４の導管等の細胞空隙内に存在する空気
が上方に押し上げられるようにして逃げ、外部に排出さ
れて合成樹脂液３が木材単板内に容易に含浸する。ま
た、予め、木材単板４の上面にも合成樹脂液を塗布して
おけば、上面側からも単板内に樹脂液を含浸させること
ができて、その含浸率が一段と増大するものである。
【００１５】なお、接着剤造膜層２の厚みが30μ以下の
場合には、該膜層が薄くなって、プレスによる圧力によ
り合成樹脂液３がその膜層を貫通して木質基板１側に浸
入する虞れが生じるので、接着剤造膜層２により合成樹
脂液３が木質基板１側に含浸するのを効果的に阻止する
にはその厚みを30μ以上に形成しておく必要があり、合
板等のようにその表面が粗いものでも100 μ程度の厚み
に形成しておけばその阻止が確実となって、木材単板４
に対する合成樹脂液３の含浸が一層良好に行われて好ま
しい。
場合には、該膜層が薄くなって、プレスによる圧力によ
り合成樹脂液３がその膜層を貫通して木質基板１側に浸
入する虞れが生じるので、接着剤造膜層２により合成樹
脂液３が木質基板１側に含浸するのを効果的に阻止する
にはその厚みを30μ以上に形成しておく必要があり、合
板等のようにその表面が粗いものでも100 μ程度の厚み
に形成しておけばその阻止が確実となって、木材単板４
に対する合成樹脂液３の含浸が一層良好に行われて好ま
しい。
【００１６】こうして、ホットプレスによる熱圧処理を
所定時間行うと、樹脂液が流動性を与えられて単板の細
胞空隙内に含浸され、次にこの合成樹脂液３が硬化して
樹脂含浸処理化粧単板となると同時に該化粧単板は前記
接着剤造膜層２を介して木質基板１上に接着、一体化
し、化粧板が得られるものである。次に、本発明の具体
的な実施例を示す。
所定時間行うと、樹脂液が流動性を与えられて単板の細
胞空隙内に含浸され、次にこの合成樹脂液３が硬化して
樹脂含浸処理化粧単板となると同時に該化粧単板は前記
接着剤造膜層２を介して木質基板１上に接着、一体化
し、化粧板が得られるものである。次に、本発明の具体
的な実施例を示す。
【００１７】 実施例１ 厚さ12mmの合板を基板にして
この基板上面に、ＤＡＰβーポリマーを顔料５部と共に
アセトンに溶解した不揮発分を70％とした接着剤を110
ｇ／m 2 の割合でロールコータにより散布し、しかるの
ち、温風乾燥機によって該接着剤を80℃、５分間乾燥さ
せ、適宜空冷して厚さが約60μの造膜した熱硬化性接着
剤層を形成した。
この基板上面に、ＤＡＰβーポリマーを顔料５部と共に
アセトンに溶解した不揮発分を70％とした接着剤を110
ｇ／m 2 の割合でロールコータにより散布し、しかるの
ち、温風乾燥機によって該接着剤を80℃、５分間乾燥さ
せ、適宜空冷して厚さが約60μの造膜した熱硬化性接着
剤層を形成した。
【００１８】 一方、厚さが0.3mm のヒノキ乾燥単板
（含水率５％）の片面に、硬化剤としてＰＢＺを１重量
部添加している不飽和ポリエステル樹脂液（粘度10ps／
25℃）を270 ｇ／m 2 の割合で塗布し、この樹脂層が前記
接着剤造膜層上に接するようにして該単板を基板上に積
層すると共に該単板に離型フイルムとして厚さ20μのセ
ロファンを載せたのち、ホットプレスによって145 ℃、
10kg／m 2 の条件で15分間、熱圧した。この熱圧処理によ
って樹脂液が単板内に含浸、硬化すると共に該単板が接
着剤層によって基板に一体化してなる化粧板が得られ
た。
（含水率５％）の片面に、硬化剤としてＰＢＺを１重量
部添加している不飽和ポリエステル樹脂液（粘度10ps／
25℃）を270 ｇ／m 2 の割合で塗布し、この樹脂層が前記
接着剤造膜層上に接するようにして該単板を基板上に積
層すると共に該単板に離型フイルムとして厚さ20μのセ
ロファンを載せたのち、ホットプレスによって145 ℃、
10kg／m 2 の条件で15分間、熱圧した。この熱圧処理によ
って樹脂液が単板内に含浸、硬化すると共に該単板が接
着剤層によって基板に一体化してなる化粧板が得られ
た。
【００１９】実施例 ２ 上記実施例１において、単板に合成樹脂液を塗布するの
に替えて、基板上面に設けた接着剤造膜層上に合成樹脂
液を塗布し、この合成樹脂液上に単板を積層したのち、
ホットプレスによって上記と同一条件で熱圧処理して樹
脂注入処理単板貼り化粧板を得た。
に替えて、基板上面に設けた接着剤造膜層上に合成樹脂
液を塗布し、この合成樹脂液上に単板を積層したのち、
ホットプレスによって上記と同一条件で熱圧処理して樹
脂注入処理単板貼り化粧板を得た。
【００２０】 実施例３ 上記実施例１において、単板
の両面に樹脂液をそれぞれ135 ｇ／m 2 の割合で塗布し、
この単板を実施例１で示した基板上の接着剤造膜層上に
その下面側の樹脂液層を介して積層すると共に単板上面
側の樹脂液層上に離型フイルムを載せ、ホットプレスの
熱盤に金属石鹸を薄く塗布したのち、このホットプレス
によって実施例１と同一条件で熱圧処理することによ
り、樹脂注入処理単板貼り化粧板を得た。
の両面に樹脂液をそれぞれ135 ｇ／m 2 の割合で塗布し、
この単板を実施例１で示した基板上の接着剤造膜層上に
その下面側の樹脂液層を介して積層すると共に単板上面
側の樹脂液層上に離型フイルムを載せ、ホットプレスの
熱盤に金属石鹸を薄く塗布したのち、このホットプレス
によって実施例１と同一条件で熱圧処理することによ
り、樹脂注入処理単板貼り化粧板を得た。
【００２１】 実施例４ 上記実施例１において、木質
基板上に架橋型変成酢ビエマルジョン接着剤（不揮発分
50％）を220 ｇ／m 2 の割合で塗布し、温度乾燥機によっ
て60℃、20分間乾燥させることにより接着剤造膜層を形
成したのち、この接着剤造膜層に上記実施例２と同様に
合成樹脂液を塗布し、この合成樹脂液上に単板を積層し
たのち、ホットプレスによって上記と同一条件で熱圧処
理して樹脂注入処理単板貼り化粧板を得た。これらの各
実施例によって得られた化粧板の単板の木口面を顕微鏡
で観察すると、導管等の細胞空隙部内への樹脂注入率が
90％以上に達していた。
基板上に架橋型変成酢ビエマルジョン接着剤（不揮発分
50％）を220 ｇ／m 2 の割合で塗布し、温度乾燥機によっ
て60℃、20分間乾燥させることにより接着剤造膜層を形
成したのち、この接着剤造膜層に上記実施例２と同様に
合成樹脂液を塗布し、この合成樹脂液上に単板を積層し
たのち、ホットプレスによって上記と同一条件で熱圧処
理して樹脂注入処理単板貼り化粧板を得た。これらの各
実施例によって得られた化粧板の単板の木口面を顕微鏡
で観察すると、導管等の細胞空隙部内への樹脂注入率が
90％以上に達していた。
【００２２】比較例 上記実施例１と同一基板と単板及び接着剤を使用して、
基板上に接着剤を塗布したのち、直ちに単板を積層して
一体的に接着し、しかるのち、該単板の上面に上記実施
例１と同一合成樹脂液を同一量塗布し、ホットプレスに
よって同一条件で熱圧処理した。こうした得られた化粧
板の単板の木口面を顕微鏡で観察すると導管等の細胞空
隙部内への樹脂注入率が50％程度に過ぎないものであっ
た。
基板上に接着剤を塗布したのち、直ちに単板を積層して
一体的に接着し、しかるのち、該単板の上面に上記実施
例１と同一合成樹脂液を同一量塗布し、ホットプレスに
よって同一条件で熱圧処理した。こうした得られた化粧
板の単板の木口面を顕微鏡で観察すると導管等の細胞空
隙部内への樹脂注入率が50％程度に過ぎないものであっ
た。
【００２３】
【発明の効果】以上のように本発明の化粧板の製造方法
によれば、木質基板上に適量の接着剤を塗布したのち、
該接着剤を加熱その他の手段によって厚さが30μ以上の
接着剤造膜層を形成し、この接着剤造膜層上に適宜塗布
厚さの合成樹脂液を介して木材単板を重ね合わせた状態
で加熱加圧処理するものであるから、木質基板上に塗布
した接着剤を厚さが30μ以上に造膜させているので、こ
の上に適宜塗布厚さの合成樹脂液を介して木材単板を積
層して熱圧処理を施した際に、合成樹脂液が木質基板側
に含浸するのを接着剤造膜層によって確実に阻止するこ
とができ、木材単板内に該樹脂液を多量に含浸させるこ
とができるものである。
によれば、木質基板上に適量の接着剤を塗布したのち、
該接着剤を加熱その他の手段によって厚さが30μ以上の
接着剤造膜層を形成し、この接着剤造膜層上に適宜塗布
厚さの合成樹脂液を介して木材単板を重ね合わせた状態
で加熱加圧処理するものであるから、木質基板上に塗布
した接着剤を厚さが30μ以上に造膜させているので、こ
の上に適宜塗布厚さの合成樹脂液を介して木材単板を積
層して熱圧処理を施した際に、合成樹脂液が木質基板側
に含浸するのを接着剤造膜層によって確実に阻止するこ
とができ、木材単板内に該樹脂液を多量に含浸させるこ
とができるものである。
【００２４】さらに、木材単板の細胞空隙部内の空気は
合成樹脂液の含浸に従って外部に排出されるので、合成
樹脂液を木材単板の該細胞空隙部内に容易且つ円滑に含
浸させることができ、木材単板の表面にまで合成樹脂液
が充分に含浸すると同時に、接着剤層を介して木材単板
が木質基板に一体化して硬度や強度等に優れた物性を有
する樹脂注入処理単板貼り化粧板を能率よく且つ安定的
に製造し得るものである。
合成樹脂液の含浸に従って外部に排出されるので、合成
樹脂液を木材単板の該細胞空隙部内に容易且つ円滑に含
浸させることができ、木材単板の表面にまで合成樹脂液
が充分に含浸すると同時に、接着剤層を介して木材単板
が木質基板に一体化して硬度や強度等に優れた物性を有
する樹脂注入処理単板貼り化粧板を能率よく且つ安定的
に製造し得るものである。
【図１】木質基板上に接着剤造膜層と合成樹脂液を介し
て木材単板を積層した状態を示す簡略断面図。
て木材単板を積層した状態を示す簡略断面図。
１ 木質基板 ２ 接着剤造膜層 ３ 合成樹脂液 ４ 木材単板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−42406（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−205201（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−136801（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−236703（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B27K 3/00 - 3/52 B27D 5/00
Claims (1)
- 【請求項１】 木質基板上に接着剤を塗布したのち、該
接着剤を加熱その他の手段によってその厚みが30μ以上
の接着剤造膜層を形成し、この接着剤造膜層上に適宜塗
布厚さの合成樹脂液を介して木材単板を重ね合わせ、加
熱加圧処理して木材単板内に合成樹脂液を含浸、硬化さ
せると共に木材単板を木質基板上に接着、一体化させる
ことを特徴とする化粧板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3321011A JP3067867B2 (ja) | 1991-11-09 | 1991-11-09 | 化粧板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3321011A JP3067867B2 (ja) | 1991-11-09 | 1991-11-09 | 化粧板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05147006A JPH05147006A (ja) | 1993-06-15 |
| JP3067867B2 true JP3067867B2 (ja) | 2000-07-24 |
Family
ID=18127797
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3321011A Expired - Lifetime JP3067867B2 (ja) | 1991-11-09 | 1991-11-09 | 化粧板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3067867B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| AT504111B1 (de) * | 2006-09-28 | 2008-03-15 | Rankl Gerald | Bauelement, insbesondere für eine beschattungseinrichtung |
| PL2902196T3 (pl) * | 2014-01-30 | 2017-02-28 | Flooring Technologies Ltd. | Sposób wytwarzania materiału drewnopochodnego oraz materiał drewnopochodny złożony z płyty nośnej i jednego forniru |
-
1991
- 1991-11-09 JP JP3321011A patent/JP3067867B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05147006A (ja) | 1993-06-15 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4158713A (en) | Composition board with improved polymeric skin and method of preparing same | |
| JP3067867B2 (ja) | 化粧板の製造方法 | |
| JP2006263977A (ja) | 化粧板及びその製造方法 | |
| JP3067868B2 (ja) | 化粧板の製造方法 | |
| JPS5884761A (ja) | 凹凸単板の製造法 | |
| JP7041765B1 (ja) | 化粧基材用含浸紙の製造方法、化粧基材の製造方法、及び化粧板の製造方法 | |
| JP3017598B2 (ja) | 化粧板の製造方法 | |
| JP3727238B2 (ja) | 樹脂強化木質化粧板の製造方法 | |
| JP3836317B2 (ja) | 強化化粧板の製造方法 | |
| JP3781605B2 (ja) | 樹脂強化化粧板の製造方法 | |
| JP2010030092A (ja) | 繊維複合基材及びその製造方法 | |
| JP2011226103A (ja) | 木質床材の製造方法 | |
| JP3442212B2 (ja) | 木質繊維板の製造方法 | |
| JPS63205201A (ja) | 化粧合板およびその製造方法 | |
| JP3886330B2 (ja) | 多孔質基板の表面強化方法 | |
| JPH05116111A (ja) | 木質系化粧板の製造方法 | |
| JP3606958B2 (ja) | 建築用化粧板の製造方法 | |
| JP5681909B2 (ja) | 木質化粧板及びその製造方法 | |
| JP3237284B2 (ja) | 化粧紙の製造方法 | |
| GB1355331A (en) | Process for preparing insulating substrates | |
| JPH10114024A (ja) | 木質仕上材 | |
| JPS58211448A (ja) | 化粧材の製造方法 | |
| JPH0134791B2 (ja) | ||
| JPH08164559A (ja) | エンボス版の製造方法 | |
| JPS5924604A (ja) | 化粧板の製造法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519 Year of fee payment: 12 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519 Year of fee payment: 12 |