JP3727056B2 - 鋼管基礎杭 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中低層のアパート、マンション等の建物や倉庫の基礎杭であり、より詳しくは、杭先端に切削刃(切削羽根)及び支持羽根(掘進羽根)を備え、下方に押圧しながら杭を回転させて無振動、無騒音、無排土で杭打ち施工可能なものであり、建築物の基礎工事の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
〔従来例1(図4)〕
鋼管杭の先端に掘削刃及び螺旋翼を備えたものは特公平2−62648号公報で提案されている。
即ち、図4に示す如く、鋼管製の杭本体の先端を底板で閉止し、底板には下方に向けて掘削刃の2片を突設し、杭本体の下端部には外周面に沿って翼幅の大きい螺旋翼をほぼ1巻きに亘り突設している。
【0003】
そして、軟弱地盤にねじ込むように回転させながら地中に押圧し、下端の掘削刃によって杭本体先端の土砂を掘削軟化させて、杭側面の未掘削土砂中に螺旋翼を喰い込ませ、土の耐力を反力として杭体を回転推進しつつ、掘削軟化した土砂を杭側面に押出圧縮し、無排土で地中に杭体をねじ込んで行くものである。
【0004】
〔従来例2(図5)〕
また、ねじ込み杭の先端を円錐部として円錐部周面に多数の刃を付設したものも実公平4−39293号公報により提案されている。
即ち、図5に示す如く、杭部材には内部をコンクリート充填すると共に下端に雌ネジ部材を、上端に雄ネジ部材を配置して接続長尺化可能とし、円錐状で杭部材の外径より大きめの先端シューの内部にもコンクリート充填すると共に、上端中央に雄ネジ部材を突設し、シュー外周面には多数の刃を螺旋状に分散形態で取付け、該シューを杭部材の先端に螺合固定してねじ込み杭とするものである。
【0005】
そして、杭部材の上端に回転を与えながら杭部材を地中にねじ込み、新たな杭部材をネジ接合してねじ込むことにより、杭部材間の接合部で接合強度が増し、更に、杭部材より大径の先端シューにより杭部材の地中への貫入を容易とするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1(図4)のものは、無振動、無騒音、無排土で杭打ち出来るものではあるが、杭本体の外径のほぼ2〜3倍の外径を有する螺旋翼を内周端縁の鋼管外周に巻き付け溶接するのは煩雑、且つ熟練を要する困難な作業であり、底板の鋼管端への溶接取付け、及び掘削刃の底板への溶接取付けも煩雑な作業である。
【0007】
そして、先端が底板であって底板外周部に掘削刃が存在するため、地盤の浅い所に硬い地層のある場合や、支持地盤までに特に硬い地層は無くても途中の杭先端位置に転石や岩塊等の障害物がある場合には、杭先端の底板が障害物を貫通することは出来なく、所定地盤深度まで杭を打込むことが出来ない。
しかも、螺旋翼が連続1ピッチ長であるため、掘進突入作用点(螺旋翼下端)が外周の1点のみとなること、及び先端が底板であることにより、杭1は掘進時に芯ずれを生じ易く、平滑な掘進作用が期待出来ない。
【0008】
また、従来例2のものにあっても、杭部材外周への拡径翼の溶接取付けや先端シューの外殻表面への刃の溶接取付けは、例1のもの同様、煩雑、且つ熟練を要する困難な作業であり、例え型鋳造しようとしても、先端シューの外形及び多数の刃の配置形態から型枠組みが非常に煩雑、且つ困難であるため、分割鋳造品の溶接一体化となって均質強度を有する先端シューの製造が困難であると共に、製作コストも高くなる。
【0009】
そして、先端シューの外径は杭本体の杭部材外径より大であるため、杭打込時には、杭本体外周面の土質は先端シューによって切削されて杭部材の貫入は容易とはなるが、杭部材外周部の土質を切削するため、摩擦杭としての杭部材外周面の摩擦支持力は低下する。
【0010】
本発明は、これら摩擦杭の問題点を、解決又は改善するものであり、低コストで製作出来、且つ、転石や岩塊の存在する土質でも所定位置に杭打ち出来る切削力を発揮し、且つ、強大な杭支持力を発揮する新規な頭部を備えた鋼管基礎杭を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段、及び作用】
本発明鋼管杭Pは、例えば図1に示す如く、鋼管1の先端に円筒部20及び円錐ヘッド21から成る頭部2を嵌合固着した杭Pであって、円筒部20には各掘進羽根23,23´を、円錐ヘッド21には、羽根幅W24が基端24Bから先端24Tへと漸増している各切削羽根24,24´を、各掘進羽根相互、及び各切削羽根相互が外周面上に略半周の傾斜形態で、且つ、180°回転対称に、配置したものである。
【0012】
尚、「180°対称」とは、図1の軸線X−Xに対して180°回転させれば同一形態が表出することを意味し、例えば図1に於いて、頭部2上の掘進羽根23及び切削羽根24が左側下降形態で表出し、掘進羽根23´及び切削羽根24´が裏側で右側下降形態となっているが、頭部を軸線X−Xの周りに180°回転させれば、裏側の掘進羽根23´及び切削羽根24´が表出し、且つ図1の掘進羽根23及び切削羽根24の位置を占めることを意味する。
【0013】
また、掘進羽根23,23´の傾斜角及び切削羽根24,24´の傾斜角は、必要に偏して決定するものであり、杭Pの回転押込み、即ち頭部2の回転押込み時に円筒部20上の掘進羽根23,23´が杭Pの掘進案内を、円錐ヘッド21上の切削羽根24,24´が杭先端の地山を切削すれば良い。
切削羽根24,24´を配置する円錐ヘッド21は、その尖端Tと円錐周面の切削羽根24,24´とによって、浅い所の硬い地層、転石や岩塊の存在する地層を貫通させるためであり、円錐ヘッド21の長さL21は、強度面から円錐ヘッド径、即ち円筒部径D20と略同等長さに抑えるのが好ましい。
【0014】
従って、頭部2を鋼管1先端に嵌着固定するため、頭部2を別体として型鋳造して鋼管に溶接すれば良く、複雑な形態の頭部2を備えた杭Pが合理的に製作出来る。
また、頭部2の外周面に配置した各掘進羽根23,23´、及び切削羽根24,24´が180°対称の略半周羽根であるため、頭部2は2分割型を用いて容易に鋳造出来る。
【0015】
また、各羽根23,23´及び24,24´は、略半周で180°対称配置、即ち、分割対称配置であるため、頭部上での羽根23,24の配置域長Z23,Z24は、連続螺旋形態での羽根長さ配置域の1/2長さ内に収めることが出来、即ち、螺旋半周内に螺旋1周分の羽根を収めることが出来、限られた長さの頭部2上での各羽根の傾斜角の設定の自由度があり、掘進羽根23,23´間は土詰りの生じない配置と出来、切削羽根24,24´間は、切削力向上の傾斜角と出来る。
【0016】
しかも、各掘進羽根23,23´、及び各切削羽根24,24´相互が180°対称であるため、杭Pの回転押込み時には、掘進作用応力、及び切削作用応力が180°対称で協同作用し、地山の同一水準位置で2個所同一の切削及び掘進作用が生じるため、杭Pの切削及び掘進作用が平滑となる。
しかも、切削羽根24,24´の幅W24を基端24Bから先端24Tへ漸増する形態としているため、比較的に短い円錐ヘッド長L21の円錐表面に、比較的急傾斜角θ24で一対の長い切削羽根24,24´を180°対称に配置出来、切削羽根径D24が鋼管杭径(鋼管径)D1を超えない寸法内で長い切削羽根24,24´の取付けが可能となる。
従って、円錐ヘッド21は、鋼管杭Pの外周面の対地層摩擦力を減じることなく、即ち、鋼管杭Pの外周面の地層を切削することなく、鋼管径D1の範囲内での杭先端の地山に強力な切削作用を奏することが可能となり、鋼管杭Pは、所定の杭打ち場所での地層の硬軟に関係なく杭打ち可能で、且つ掘進羽根23,23´と杭本体(鋼管1)の外周面の摩擦力とで十分な支持力を発揮する鋼管杭となる。
【0017】
また、本発明杭Pにあっては、頭部2の円筒部20が基端に鋼管内への嵌入用の突出胴22を備え、基端2Bの突出胴周面には適宜間隔で当接片25を備えているのが好ましい。
この場合、当接片25は、図1に示す如く、鋼管1の先端1Tの頭部2基端2Bへの当接ストッパーとして作用するものであり、各当接片が同形態で鋼管先端と当接するために、各当接片25は、少なくとも基端2Bからの突出寸法aは等しくする必要がある。
【0018】
従って、頭部2の鋼管先端への嵌合は、突出胴22の嵌入によって容易であり、当接片25で形成される幅a(当接片突出寸法)の突出胴22上の間隔Sを溶接用肉盛り代として当接片25を含む間隔Sを杭径D1と面一に肉盛り溶接することにより、頭部2と鋼管1との均斉、且つ強固な溶接が可能となり、本発明鋼管杭Pの製作が容易となる。
【0019】
また、当接片25外面を円筒部20の外周と面一形態とし、頭部2基端の突出胴22を鋼管1内に嵌入して、当接片25によって形成された頭部基端2Bと鋼管先端1Tとの間隔Sを溶接肉盛りするのが頭部2と鋼管1との嵌合固着上好都合である。
この場合、当接片の型枠形成が容易であるとともに、溶接時の間隔S内への面一の肉盛り溶接作業が容易となり、強固な溶接一体化が可能である。
【0020】
また、本発明鋼管杭Pにあっては、円筒部20の外径D20が鋼管1の外径D1と同径であり、掘進羽根23,23´の外径D23が鋼管外径D1の略1.5〜2倍径であり、且つ、切削羽根24,24´の外径D24が鋼管外径D1と同等かそれ以下であるのが好ましい。
この場合、円筒部20の外径D20が鋼管外径D1と同径であることにより杭Pの貫入が平滑となり、掘進羽根23,23´は、杭打ち後は支持羽根として機能するので、外径D23が鋼管外径D1の1.5倍以上あれば十分な支持力が発揮出来、且つ外径D23が鋼管外径D1の2倍以上であれば掘進回転負荷が強大となって作業性に問題が生じるため、D23=1.5〜2D1が作業性及び杭支持性面から好ましい。
【0021】
また、切削羽根24,24´は、杭先端の地山を切削軟化させるため、鋼管1の外周部を切削軟化させると杭Pの側周面での摩擦支持力が極端に減少するため、切削羽根24,24´の作用範囲を杭外径D1内に留めるのが好ましい。
従って、円筒部外径D20、鋼管外径D1、掘進羽根外径D23、切削羽根外径D24を上記条件に設定すれば、合理的な杭回転応力の下に、必要、且つ十分な支持力を有する基礎杭Pの施工が出来る。
【0022】
また、円筒部20上の各掘進羽根23,23´が緩傾斜角θ23の略1/2周のスパイラル配置であり、円錐ヘッド21上の各切削羽根24,24´が急傾斜角θ24の略1/2周スパイラル配置であるのが好ましい。
この場合、緩傾斜角θ23の掘進羽根23,23´が地山を切り崩すことなく回転して杭Pに推力を発生させても、急傾斜角θ24の切削羽根24,24´の回転は杭先端部の地山に対して切削分力を発生させて地山の切削作用を奏する。
【0023】
従って、円錐ヘッド21の尖端Tの地山への突入作用と相俟って円錐ヘッド21部での地山の切削、切り崩し作用と、円筒部20での推力発生作用とによって、鋼管杭Pは杭P外周面の地山を切削軟化させることなく、転石や岩塊の存在する地層にも所定どおりの平滑杭打ちが可能となり、打込んだ鋼管杭Pは、掘進羽根23,23´が緩傾斜であるための大きな支持力と、鋼管杭Pの外周面での摩擦支持力とによって必要、且つ十分な支持力を発揮する。
【0027】
〔実施例(図1、図2)〕
鋼管1は鋼管杭としての市販の外径D1が165.2mm、肉厚5.5mmのものを採用する。
頭部2は、一般肉厚10mmの鋳造品であり、円筒部20の外径D20を鋼管1の外径D1と同一とし、円筒部長さL20を100mm、円錐ヘッド21の長さL21を165.2mmとする。
【0028】
そして、円筒部20の外周には、2枚の掘進羽根23,23´を、傾斜角θ23が15°で掘進羽根外径D23が250mmに、肉厚7mmで各羽根23,23´が半周に亘って軸心X−Xに180°対称、即ち、軸心X−Xで180°回転させれば回転前と回転後とは掘進羽根23,23´が同一形態で現出する180°表裏対称に配置する。
【0029】
また、円錐ヘッド21の外周面にも、図1の如く、肉厚5.5mmの各半周に亘る切削羽根24,24´を傾斜各θ24が45°で軸心X−Xに180°対称に、且つ、切削羽根の突出寸法(幅W24)は羽根基端24Bが円錐ヘッド21の基端21Eで収斂して0であり、先端部へと漸増して最先端24Tでの円錐周面からの突出幅W2は25mmとする。
【0030】
また、図2に示す如く、頭部2の基端2Bからは、突出胴22を突出長L22が20mm、径D2が鋼管1の内部に嵌入密接出来る寸法(154mm)に、且つ、突出胴22の基端上には90°間隔で4個の当接片25を配置する。
尚、各当接片25は、高さが円筒部20外周と面一であり、且つ突出長aを3mmとする。
【0031】
上記X−X線180°対称の形状の頭部2を2分割型締めで一体鋳造し、所定長さを有する鋼管1の先端1Tに突出胴22を密接嵌入し、頭部基端2Bと鋼管先端1Tとの間に当接片25群によって形成される間隔Sに肉盛り溶接し、間隔Sを当接片25と共に溶接によって略面一に仕上げる。
【0032】
〔実施例効果〕
本発明杭Pの頭部2は、緩傾斜(15°)の半周長の掘進羽根23,23´を表裏交差形態で外周面に備えた円筒部20と、急傾斜(45°)の半周長の切削羽根24,24´を表裏交差形態で外周面に備えた円錐ヘッド、及び円筒部基端2Bから当接片25を備えた突出胴22を突出した外形が180°回転対称の複雑な形態ではあるが、180°回転対称であるため、2分割型枠による型枠組みも脱型も容易となり、鋳造製作が容易である。
また、頭部2の鋼管先端1Tへの取付けも、突出胴22の挿入嵌合と、当接片25による間隔Sの形成によって、間隔Sを溶接代とした強固な溶接固着が簡単に実施出来る。
【0033】
また、掘進羽根23,23´が緩傾斜であり、切削羽根24,24´が急傾斜であるため、鋼管杭Pの掘進時には、掘進羽根で地山を切り崩さないように回転推進させても、切削羽根24,24´は切削掻き取り作用を奏して杭先端の地山を杭P径D1の範囲内で切り崩すため、鋼管杭Pの掘進羽根23,23´による推進打込みが平滑に実施出来る。
【0034】
そして、鋼管杭Pの外周部の地山を切り崩さないために、鋼管杭Pの打込終了後は、掘進羽根23,23´は、鋼管径D1の1.5倍径であって広い羽根面を有していること、羽根面が緩傾斜(15°)であることにより十分な杭支持力を発揮し、鋼管1の外周面での未切削の地山による摩擦力と相俟って、鋼管杭Pは、建物基礎杭としての必要、且つ十分な支持力を発揮する。
【0035】
しかも、2枚の掘進羽根23,23´及び2枚の切削羽根24,24´は180°回転対称の配置であるため、それぞれスパイラル半周ピッチの領域Z23,Z24内に半周ピッチ長の羽根を2枚配置出来、地山に対する同一水準での同一の切削作用及び掘進作用が半周ピッチの狭い領域内で常に180°対称に表裏両側で作用することとなり、強力で均斉、且つスムーズな切削及び掘進作用を奏する。
【0036】
そして、切削羽根24,24´の先端24Tよりもヘッド尖端Tが先行し、杭Pがヘッド尖端Tを軸心として回転進行出来るため、杭Pの回転推進は芯ずれの生じ難い進行となり、切削羽根24,24´による表裏180°対称切削と相俟って硬い地層の切り崩しも可能となり、杭Pの切削掘進が強力、且つ、スムーズに遂行出来る。
【0037】
〔変形例(図3)〕
図3の変形例は、実施例(図1)のものに於いて、掘進羽根23,23´の一対を上下2段に配置したものである。
即ち、頭部2の円筒部20のみを図1のものより長くし、周面のスパイラル1ピッチ内にスパイラル2ピッチ分の羽根を配置したものである。
従って、実施例のものに比べて、頭部2の単価、即ち杭Pの単価は高くなるが、杭Pの推進力及び掘進羽根による杭支持力は向上する。
【0038】
〔その他〕
実施例(図1)及び変形例(図3)では、切削羽根24,24´を45°の急傾斜として、羽根幅も基端24Bから先端24Tへと漸増タイプとし、掘進羽根23,23´を緩傾斜(15°)としたが、切削羽根を基端から先端まで等幅として掘進羽根と近似の傾斜角で配置することも可能である。
この場合は、切削羽根の配置領域Z24は、実施例より短くなり円錐ヘッド21の周面中間部に配置することとなるが、杭Pは円錐ヘッド尖端Tを中心に回転推進するため、ヘッド尖端Tと切削羽根24,24´先端との協同作用により杭先端での地山の切削は可能である。
【0039】
また、各切削羽根24,24´の先端幅W24及び掘進羽根23,23´の先端幅W23全幅に亘り肉厚にテーパーを付与すれば、地山への喰い込みがよりスムーズとなる。
また、掘進羽根23,23´の外径D23は、実施例では鋼管1の外径D1の1.5倍としたが、羽根幅W23での杭支持力を高めるために、本発明の範囲内で掘進羽根23,23´の外径D23は必要に応じて大きく出来、鋼管径D1の2倍又はそれ以上とすることも可能である。
【0040】
【発明の効果】
円錐ヘッド21周面には切削羽根24,24´を備え、円筒部20周面には掘進羽根23,23´を備えた頭部2を鋼管1の先端に嵌合固着して切削、掘進用の杭が形成出来るため、頭部2のみを必要機能を備えた別体品として製作しておき、必要に応じて鋼管に嵌合固着するのみで所望の鋼管基礎杭Pが得られ、鋼管杭Pの保管、製作管理が容易となる。
【0041】
しかも、それぞれ、略半周長の各切削羽根24,24´相互、及び各掘進羽根23,23´相互を頭部外周面上に180°回転対称に配置するため、羽根配置は螺旋1/2ピッチ内に1周長の羽根が配置出来て、短寸の配置域Z23,Z24にコンパクトに羽根配置出来ることと、各切削羽根及び各掘進羽根が地山の同一水準位置での180°対称の2個所で作用することとが相俟って、短寸の切削域Z24及び掘進域Z23での強力、且つ平滑な切削及び掘進作用が発揮出来る。
【0042】
更に、切削羽根は円錐ヘッドの尖端Tでの横ぶれのない回転の下での作用となり、180°回転対称配置の切削羽根先端24T及び掘進羽根先端23Tの同一レベルでの地山への喰い込み作用と相俟って、強力、且つ、スムーズな切削及び掘進が可能となる。
しかも、切削羽根24,24´の幅W24を基端24Bから先端24Tへ漸増する形態としているため、比較的に短い円錐ヘッド長L21の円錐表面に、比較的急傾斜角θ24で一対の長い切削羽根24,24´を180°対称に配置出来、切削羽根径D24が鋼管杭径(鋼管径)D1を超えない寸法内で長い切削羽根24,24´の取付けが可能となる。
従って、円錐ヘッド21は、鋼管杭Pの外周面の対地層摩擦力を減じることなく、即ち、鋼管杭Pの外周面の地層を切削することなく、鋼管径D1の範囲内での杭先端の地山に強力な切削作用を奏することが可能となり、鋼管杭Pは、所定の杭打ち場所での地層の硬軟に関係なく杭打ち可能で、且つ掘進羽根23,23´と杭本体(鋼管1)の外周面の摩擦力とで十分な支持力を発揮する鋼管杭となる。
【0043】
また、鋼管1に固着する頭部2は、形態が180°回転対称であるため、その複雑な形状も2分割型の型締めによって一体鋳造出来、型組み及び鋳造後の型割り作業も容易であり、強力な切削力及び掘進力を発揮する鋼管杭が低コストで合理的に準備出来る。
従って、本発明は、中低層住宅の土木基礎工事用の基礎杭として、広範囲の地層に有効に適用出来る基礎杭の提供を可能とする、実用性の高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の側面図である。
【図2】本発明実施例の頭部2の外観図である。
【図3】変形例の側面図である。
【図4】従来例1の側面図である。
【図5】従来例2の分解斜視図である。
【符号の説明】
1:鋼管(杭本体)、 1T:鋼管先端、
2:頭部、 2B:基端(頭部基端)、
20:円筒部、 21:円錐ヘッド、
22:突出胴 23,23´:掘進羽根(支持羽根)、
23T:羽根先端、 24,24´:切削羽根(切削刃)、
24B:基端(羽根基端)、 24T:先端(羽根先端)、
25:当接片、 S:間隔(スペース)、
D1:鋼管外径(外径)、 D20:円筒部外径(外径)、
D23:掘進羽根外径(外径)、 D24:切削羽根外径(外径)、
Z23:掘進羽根領域(配置領域)、 Z24:切削羽根領域(配置領域)、
P:鋼管杭(杭)
Claims (5)
- 鋼管(1)の先端に円筒部(20)及び円錐ヘッド(21)から成る頭部(2)を嵌合固着した杭(P)であって、円筒部(20)には各掘進羽根(23,23´)を、円錐ヘッド(21)には、羽根幅(W24)が基端(24B)から先端(24T)へと漸増している各切削羽根(24,24´)を、各掘進羽根(23,23´)相互、及び各切削羽根(24,24´)相互が外周面上に略半周の傾斜形態で、且つ、180°対称に、配置した鋼管基礎杭。
- 頭部(2)の円筒部(20)が基端(2B)に鋼管(1)内への嵌入用の突出胴(22)を備え、基端(2B)の突出胴周面には適宜間隔で当接片(25)を備えた、請求項1の鋼管基礎杭。
- 当接片(25)外面を円筒部(20)の外周と面一形態とし、頭部(2)基端の突出胴(22)を鋼管(1)内に嵌入して、当接片(25)によって形成された頭部基端(2B)と鋼管先端(1T)との間隔(S)を溶接肉盛りした請求項2の鋼管基礎杭。
- 円筒部(20)の外径(D20)が鋼管(1)の外径(D1)と同径であり、掘進羽根(23,23´)の外径(D23)が鋼管外径(D1)の略1.5〜2倍径であり、且つ、切削羽根(24,24´)の外径(D24)が鋼管外径(D1)と同等かそれ以下である、請求項1又は3のいずれか1項の鋼管基礎杭。
- 円筒部(20)上の各掘進羽根(23,23´)が緩傾斜の略1/2周のスパイラル配置であり、円錐ヘッド(21)上の各切削羽根(24,24´)が急傾斜の略1/2周スパイラル配置である請求項1乃至4のいずれか1項の鋼管基礎杭。
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