JP3726623B2 - 巻き取り装置および巻き取り方法 - Google Patents

巻き取り装置および巻き取り方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、その断面が非円形である巻き芯を用いて板状の部材を巻き取る巻き取り装置に関するものであり、特に板状の部材を板状の電極とし、非円形断面の巻き芯に板状の電極を巻き取ることにより、電池体を形成する巻き取り装置および巻き取り方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
非円筒形の巻き芯を用いて電極板を巻き取り渦巻状の電池を製造する装置としては種々の装置が提案されている。
図20は特開平6−168736号公報に開示された渦巻状の電池を製造するための従来の巻き取り装置を説明するための図である。
図において100は平板状の巻き芯、200は電池を構成する板状の電極(電極板と称す)である。
【0003】
図に示すものは、巻き芯100を回転させることにより、電極板200を巻き芯100に巻き取るように構成している。
このとき、巻き芯100の回転または巻き芯100が電極板200を引っ張る方向に応じて、巻き芯100の回転中心を所定の円軌道上に沿って動かす。
このように構成することにより、巻き芯100の回転に応じて生じる電極板を引っ張る力の大きさのばらつきを低減させることが可能となる。
【0004】
この様子を具体的に説明する。
図20(a)では、巻き芯100の回転方向と、電極板200の長さ方向とが垂直な関係にある従って、この状態では電極板200は巻き芯100に引っ張られない。
このとき、巻き芯100の回転中心を電極板200を引っ張る方向に移動させる。
また図20(b)では、電極板200を引っ張る力の大きさが低減する方向に巻き芯100の回転中心を円軌道に沿って移動させる。
図20(c)では、巻き芯100の回転により電極板200が引っ張られる力の大きさが最大となる。
この引っ張られる力の大きさを低減するために巻き芯100の回転中心を紙面左方向に移動させる。
【0005】
また図20(d)では、電極板200を引っ張る力の大きさが低減する方向に巻き芯100の回転中心を円軌道に沿って移動させる。
図20(e)では、巻き芯100の回転方向と、電極板200の長さ方向とが垂直な関係にある従って、この状態では電極板200は巻き芯100に引っ張られない。
このとき、巻き芯100の回転中心を電極板200を引っ張る方向に移動させる。
この巻き芯100の回転中心を円軌道上で移動させる動作は、巻き芯100の回転に合わせて周期的に繰り返される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように巻き芯のみに注目し、その回転中心を直線あるいは円軌道上を移動させる方法では電極板の速度変動を完全に無くすことが難しい。
また、回転速度を高速にして巻き取りを行なう場合には、巻き取りの速度の変動に伴う張力の変動が大きくなってしまい、電極板200の振動を励起したり電極板にダメージを与えてしまう恐れがある。
図20に示したものは、例えば押圧ローラなどの電極板を巻き芯に押しつけるための機構がないため、巻き芯100を高速に回転したとき、巻き芯100の動作に電極板200が追従できなくなり、巻き芯100に電極板200を間隙なく巻き付けることができなかった。
仮に従動する押圧ローラを設けても巻き芯100を高速に回転したとき、巻き芯100の動作に追従できない。
【0007】
また、従来の装置では張力を制御する機構と巻き取り部に距離があるため、電極板200を有限長さに切断して巻き取る場合には、その終端部まで張力を保つことが難しい。
張力がなくなると巻き取りの際に、皺や巻き乱れを生じる恐れがある。
【0008】
また従来の装置には、電極板200に接着剤を塗布しながら巻き取る機構はなく、電極両面に接着剤を塗布しながら巻き取る電池は製造できなかった。
仮に図20の製造装置に接着剤塗布機構を追加しても、図20に示されるように巻き芯へ送られる電極板200の通る位置が送り方向に対して垂直な方向に揺動するので、電極板200に接着剤を塗布しながら巻き取る際に、電極板200の両面に接着剤を均一に塗布することができないため、接着剤を均一に塗布できないと、電池性能を低下させることになる。
【0009】
本発明は、これらの課題を解決するものであり、板状の部材を巻き取るときの速度変動をより小さくすることにより高速な巻き取りが可能でかつ巻き取りの際に板状の部材に与えるダメージが少ない巻き取り装置および巻き取り方法を得ることを目的とする。
更に、有限長さの板状の部材に対しても、ローラで終端部まで張力を与えることで皺や巻き乱れの少ない巻き取り装置を得ることを目的とする。
更に、板状の部材を介して巻き芯とローラとを接触させるときに押圧しながら巻き取る巻き取り装置を得ることを目的とする。
更に、巻き芯へ送られる板状の部材に接着剤を均一に塗布する巻き取り装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る巻き取り装置は、非円形断面の巻き芯と、転中心の位置が固定されたローラと、前記巻き芯の回転中心の位置を所定の平面内で移動させる移動手段と、前記巻き芯回転中心回転させる回転駆動手段と、記巻き芯の回転中心の位置を前記巻き芯の回転に応じて周期的に前記ローラの周辺で移動させて前記ローラの表面に巻き付いた板状の部材を前記板状の部材を介して前記ローラに接した前記巻き芯に一定速度で送り出すように前記移動手段および前記回転駆動手段を御する制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
この発明に係る巻き取り装置は、ローラにトルクを与える手段を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
この発明に係る巻き取り装置は、
ローラの表面に弾性を有する部材を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
この発明に係る巻き取り装置は、巻き取るべき板状の部材接着剤を塗布する接着剤塗布手段を有することを特徴とするものである。
【0014】
この発明に係る巻き取り方法は、非円形断面の巻き芯と、転中心の位置が固定されたローラと、前記巻き芯の回転中心の位置を所定の平面内で移動させる移動手段と、前記巻き芯回転中心回転させる回転駆動手段とを用いて板状の部材を前記巻き芯に巻き取る方法であって、記巻き芯の回転中心の位置を前記巻き芯の回転に応じて周期的に前記ローラの周辺で移動させて前記ローラの表面に巻き付いた前記板状の部材を前記板状の部材を介して前記ローラに接した前記巻き芯に一定速度で送り出すように前記移動手段および前記回転駆動手段を御しながら前記板状の部材を前記巻き芯に巻き取ることを特徴とする。
【0015】
実施の形態1.
以下、本発明の巻き取り装置を図を用いて説明する。
図1は本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
また、図1のように互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)を設定する。
更に、巻き芯1の回転中心の中心軸をθ軸とする。
図1において、1はその断面が非円形である巻き芯であり、巻き芯1はその回転中心の周りを回転する。また巻き芯1の回転中心の位置は所定の平面内(XZ平面内)を移動させることができる。
2はローラであり、ローラ2は回転中心の周りを回転する。またローラ2の回転中心の位置は固定されている。巻き芯1の回転軸とローラ2の回転軸とは互いに平行であり、例えばY軸に平行となるように配置している。
3は巻き芯1の回転中心の位置をX軸方向に変位させるための第1のアクチュエータであるX軸アクチュエータである。
4は巻き芯1の回転中心の位置をZ軸方向に変位させるための第2のアクチュエータであるZ軸アクチュエータである。
X軸アクチュエータ3と、Z軸アクチュエータ4とにより巻き芯の回転中心の位置をY軸の値を一定とした平面内(つまりXZ平面内)で移動させる移動手段を構成する。
5はθ軸の周りに沿って巻き芯1を回転させるための回転駆動手段に対応する第3のアクチュエータであるθ軸アクチュエータである。
【0016】
6は巻き芯1の回転(θ軸)、巻き芯1のX軸、Z軸の移動を3軸同期制御する第1の制御手段である制御部である。
7はローラ2を回転させるための第4のアクチュエータであるローラ駆動用アクチュエータである。ローラ駆動用アクチュエータ7はローラにトルクを与えるものである。
8はローラ駆動用アクチュエータ7がローラ2に与えるトルクを制御するための第2の制御手段である制御部である。
制御部8は後述する電極板9に適切な張力を与えるためのものである。
【0017】
9、10は板状の部材である電極(電極板と称す)であり、これらは互いにその極性が異なるものである。電極板9、10を張り合わせることにより平板状の電池を構成する。
11は、電極板10の両面に接着剤を塗布する接着剤塗布手段である接着剤塗布部である。
電極板9、接着剤が塗布された電極板10の端部はともに巻き芯1に取り付けられている。
電極板9、10は共にローラ2へ送られる。ローラ2の表面に巻き付いた電極板9、10は巻き芯1に巻き取られる。
【0018】
図において巻き芯1は菱形断面であり、θ軸アクチュエータ5によって回転する。更にX軸アクチュエータ3およびZ軸アクチュエータ4により、巻き芯1の回転中心はY軸の値をある値に固定した平面内(つまりXZ平面内)を移動する。
制御部6は、電極板9、10を介してローラ2および巻き芯1を接触させながらローラ2に巻き付いた電極板9、10を一定の速度で巻き取ることができるように巻き芯1の回転中心の位置を巻き芯の回転に応じて周期的に移動させるように移動手段(つまりX軸アクチュエータ3、Z軸アクチュエータ4)および回転駆動手段(つまりθ軸アクチュエータ5)を同期して制御する。
巻き芯1の回転中心が移動する軌道は、巻き芯1の断面の形状、ローラ2の半径、更には電極板9、10の厚さ(但し、電極板9、10の厚さがローラ2の変形に比べ十分小さい場合には無視してもよい)に応じて変化する。
【0019】
ローラ2は回転中心の位置が固定されたものであり、ローラ駆動アクチュエータ7によってトルクが負荷される。
ローラ駆動アクチュエータ7は、巻き芯1により電極板9と電極板10とを巻き取るとき、ローラ2に電極板9と電極板10が送られる方向と逆向きに予め設定されたトルクを与えるように制御部8の制御指令で駆動される。
【0020】
電極板9および電極板10は本装置で巻き取られる電極板であり、ローラ2に接しながらあるいは押付けながら巻き芯1によりこれらを巻き取ることにより平板状の電極板9、10を貼り合わせて渦巻状に間隙なく巻回した電池を形成することができる。 接着剤塗布部11は電極板10の両面に接着剤を均一に塗布するものである。
すなわち図1は電極板10の両面に接着剤を塗布しながら電極板9と電極板10とを重ねて巻き芯1に等速で巻き取る装置を示すものである。
【0021】
図2および図3を参照しながら巻き芯1が電極板9、10を等速で巻き取る動作を説明する。
図2は本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図であり、具体的には巻き取り装置の巻き芯1が移動しながら回転する様子を示す図である。
【0022】
図3は本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図であり、具体的には時間的な変化に伴う巻き芯1の回転軸の位置および回転角の変化を示すグラフ図である。
図3において、(ア)は巻き芯1の回転中心のX軸方向の移動量の変化、(イ)は巻き芯1の回転中心のZ軸方向の移動量の変化、(ウ)は巻き芯1の回転角度θ(rad)の変化、ローラ2の回転角度Θ(rad)の変化を示す図である。
図3において、横軸は時間であり、Tは巻き芯1の回転中心が所定の軌道上を一巡するのに要する時間である。
【0023】
図2において20は巻き芯1が電極板9と電極板10を介して常にローラ2に接し、かつローラ2を等速で回転させながら電極板9と電極板10を巻き取る時に巻き芯1の回転中心が移動する軌道である。
巻き芯1の回転中心が所定の軌道上を一巡すると、巻き芯1自身がπ(rad)回転する。
【0024】
図2において、巻き芯1が図2(a)の状態からの回転角をθ(rad)、X軸方向の移動量をX、Z軸方向の移動量をZとする。
巻き芯1の回転中心の移動に伴う上記所量の変化を示したのが図3のグラフ(ア)、(イ)および(ウ)である。
巻き芯1の断面形状またはローラ2の半径が変わると図2の軌道20すなわち図3のグラフ(ア)、(イ)および(ウ)、さらにX座標が最小となるθの値α、X座標が最大となるθの値βも変わる。
【0025】
図2(a)のθ=0(rad)の状態から巻き始める動作を説明する。
まず、巻き芯1が電極板9、10を介してローラ2に接する状態を保ちつつ、巻き芯1の回転中心を所定の軌道20に沿って移動させながら巻き芯1を回転させることにより、一定の巻き取り速度Vで巻き取る。
巻き芯1を回転させていくと、電極板9、10を介してローラ2に接触する巻き芯1の菱形断面の辺方向と、電極板9、10を介して巻き芯1に接触するローラ2の接触点からローラの回転中心に向かう方向とが直交する。このときの巻き芯1の回転角をθ1とする。
α>θ>θ1の間は上述の直交関係を保つように巻き芯1を回転させる。
θ=αとなったとき、巻き芯1のX軸負方向に移動する移動量が最大となる(このときの巻き芯1の回転中心のX座標の値をXminとする)。
【0026】
π/2>θ>αにおいては、巻き芯1の菱形断面の頂点に相当する部分が電極板9、10を介してローラ2に接する状態を保ちながら巻き芯1を回転させるとともに、その回転中心を移動させる。
このとき、巻き芯1における菱形断面の頂点に相当する部分がローラ2の表面に沿って速度Vで移動する。
θ=π/2では図2(c)に示すように、Z軸負方向に移動する移動量が最大となる(このときの巻き芯1の回転中心のZ座標の値をZminとする)。
【0027】
β>θ>π/2においては、巻き芯1の菱形断面の頂点に相当する部分が電極板9、10を介してローラ2に接する状態を保ちながら巻き芯1を回転させるとともに、その回転中心を移動させる。
このとき、巻き芯1における菱形断面の頂点に相当する部分がローラ2の表面に沿って速度Vで移動する。
θ=βとなったとき、図2(d)に示すように巻き芯1のX軸正方向に移動する移動量が最大となる(このときの巻き芯1の回転中心のX座標の値をXmaxとする)。
また巻き芯1の断面が菱形である場合、−Xmin=Xmaxなる関係がある。
また、θ=βでは、巻き芯1に電極板9、10を介して接触するローラ2の接触点からローラ2の回転中心に向かう方向と、電極板9、10を介してローラ2に接触する巻き芯1の菱形断面の辺方向とが直交する。
【0028】
π>θ>βでは、巻き芯1と接触するローラ2の接触点からローラ2の回転中心に向かう方向と、巻き芯1の菱形断面の辺方向とが直交する関係を保ちながら巻き芯1を回転させる。
【0029】
そして図2(e)に示すような状態となり、巻き芯1の位置、角度は図2(a)と等しくなる。
【0030】
このように、上述した動作を繰り返すことにより、電極板9、10を一定速度Vで巻き芯1に送り出すことが可能となるため、巻き取る速度の変動に伴う張力の変動をより小さくしつつ電極板9、10を必要な量だけ巻き取ることが可能となり、板状の電池を貼り合わせた板状の電池を間隙をより少なく巻き芯1の周りに渦巻状に巻き付けることができる。
【0031】
次に、上述した動作において、巻き芯1の回転中心の軌跡の算出方法の一例を説明する。
巻き芯1の回転中心の軌跡は、図3のX軸方向の軌跡、Z軸方向の軌跡をともに満足するものである。
図4〜図6は本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図であり、具体的には巻き芯1の回転中心が移動する軌跡の算出方法を説明するための図である。ここでは、巻き芯1がπ(rad)回転する間に巻き芯1の回転中心が移動する軌跡の算出方法を説明する。
図4〜図6の説明では電極板9、10の図示を省略する。
【0032】
またここでは、電極板9、10の厚みを考慮に入れていないが、電極板9、10の厚みを考慮に入れればより正確な軌跡を算出することが可能となることはいうまでもない。この場合、後述するローラの直径Dとして、この値に電極板9、10の厚みを加えたものをローラの直径として計算すればよい。
更に、巻き芯1が1回転する毎に電極板9、10の厚みを考慮した軌跡を算出し、算出した軌跡の上を巻き芯1の回転中心が位置するように構成すれば、電極板9、10を巻き取るときの速度の変動を完全に無くすことができる。
【0033】
図4、5においてローラ2の回転中心を原点とする座標軸Xr、Zrを定義する(座標軸xr、zrで定義した座標系を座標系rと称す)。
更に、時間tが経過した後の巻き芯1の回転中心の座標を(xr(t)、zr(t))とする。
また巻き芯1の菱形断面において、長い方の対角線の長さをW(巻き芯1の幅と称す)、短い方の対角線の長さをH(巻き芯1の厚さと称す)、短い方の対角線によって結ばれる一方の頂点をS1、他方の頂点をS3、長い方の対角線によって結ばれる一方の頂点をS2、テーパ角(頂点S2のなす角の1/2)をφとする。更に、ローラ2の直径をDとする。
【0034】
図4、図5においては、巻き芯1がローラ2に接し、かつローラ2を等速で回転させながら巻き芯1を平行移動させるような軌道(第1の軌道)を求める。
図6においては、図4、5を用いて求めた巻き芯1の軌道およびローラ2の回転角をローラ2の中心まわりに等速回転変換することにより図3に示す軌道(第2の軌道)を求める。
このようにするのは巻き芯1の軌道を平行移動と回転に分けて考えるためである。
第1の制御手段である制御部6は、巻き芯1の回転中心が図3に示す軌道上を周期的に移動することができるように移動駆動手段を構成するX軸アクチュエータ3、Z軸アクチュエータ4および回転駆動手段であるθ軸アクチュエータ5を制御する。
【0035】
図4(i)はt=0すなわち巻き始めの状態を示す。軌道を決める条件として巻き芯1の幅W、厚さH、ローラ2の直径D、電極板9および10の巻き取り速度Vを与える。
これらから座標系rにおける巻き取り速度Vr、巻き芯1が実際にπ(rad)だけ回転するのに要する時間T、巻き芯1のテーパ角度φを求めることができる。
これらの値は以下の通りである。
【0036】
【数1】
Figure 0003726623
【0037】
図4(ii)は巻き芯1の断面の頂点S1がローラ2の外周円上を一定速度Vrで移動する区間である(0<t≦t1)。
t=t1で巻き芯1の菱形断面において頂点S1、S2を結ぶ辺(S1−S2と称す)がローラ2の外周円に接する直線となる。
このとき、t1、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
また、ψ(t)は、巻き芯1とローラ2との接点の位置を示す量であり、例えばx軸と、上述の接点と原点とを結ぶ直線とのなす角度(rad)で表したものである。
【0038】
【数2】
Figure 0003726623
【0039】
図4(iii)は巻き芯1の菱形断面の辺S1−S2が点Pc1でローラ2に接しながら一定速度Vrで移動する区間である(t1<t≦t2)。
t=t2で頂点S2が点Pc1に一致する。
このとき、t2、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0040】
【数3】
Figure 0003726623
【0041】
図5(i)は巻き芯1の菱形断面の頂点S2がローラ2の外周円上を一定速度Vrで移動する区間である(t2<t≦t3)。
t=t3で巻き芯1の菱形断面において、頂点S2とS3とを結ぶ辺(S2−S3と称す)がローラ2の外周円に接する直線となる。
このとき、t3、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0042】
【数4】
Figure 0003726623
【0043】
図5(ii)は巻き芯1の菱形断面の辺S2−S3が点Pc2でローラ2に接しながら一定速度Vrで移動する区間である(t3<t≦t4)。
t=t4で頂点S3が点Pc2に一致する。 このとき、t4、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0044】
【数5】
Figure 0003726623
【0045】
図5(iii)は巻き芯1の菱形断面の頂点S3がローラ2の外周円上を一定速度Vrで移動する区間である(t4<t≦T)。
t=Tで巻き芯1がπ(rad)分巻き取る位置に到達する。
このとき、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0046】
【数6】
Figure 0003726623
【0047】
以上の図4の(i)から図5(iii)の移動で巻き芯1は、ローラ2に接しながら一定速度Vrで巻き始めの位置からπ(rad)分巻き取る位置まで移動する。
このときの巻き芯1の中心の軌道は式(1)式から(22)式および(23aa)式、(23b)式を順次、数値計算することにより求めることができる。
【0048】
次ぎに図6において全体座標系での軌道を求めるために図4、図5の巻き芯1の軌道に対して、(24)式で表されるθ(t)だけローラ2の中心まわりに等速で回転させる座標変換を行なう。
すなわち、全体座標系において電極板9および10を等速に巻き取る巻き芯1の軌道は回転角θ(t)は(24)式、中心の位置X(t)およびZ(t)はそれぞれ式(25)と式(26)を数値計算することにより求められる。
また、このときのローラ2の回転角Θ(t)は(27)式で表される。
【0049】
【数7】
Figure 0003726623
【0050】
上記の例では巻き芯1の軌道を数値計算により求めるとしたが、(1)式から(22)式および(23a)式、(23b)式までを順次(25)式、(26)式に代入して解析的に求めることもできる。
また、上記の軌道の導出方法は一例にすぎず、これに限るものではない。
【0051】
本実施の形態ではローラ2の表面は弾性を有しないものを例に説明したが、ローラ2の外周部に弾性を有する部材を形成したものまたは弾性を有するものそのものをローラ2としてもよい。ローラ2の表面に設ける弾性体はたとえばゴムなどでよい。
図7は、本実施の形態の巻き取り装置における他の例を説明するためのものである。
【0052】
図7では、ローラ2の外周表面に弾性を有する部材を形成し弾性ローラ12としたものを例に説明する。
図7において、巻き芯1をこの弾性ローラ12よりもΔだけ小さな半径の仮想的なローラ13に常に接し、かつこの仮想的なローラ13を等速で回転させるような軌道上を移動・回転させると、巻き芯1と弾性ローラ12が弾性ローラ12の半径方向に常に一定量Δだけ押し付けられるので電極板9および10を一定圧力で巻き芯1へ押圧しながら隙間をより少なくし巻き取ることが可能となる。
【0053】
このとき巻き芯1と弾性ローラ12を押し付ける量を適切に設定すると押しつけられた量だけ弾性体が変形するので巻き芯1および弾性ローラ2に必要以上の無理な力が発生することはない。
更に、弾性体が変形するので、電極板を介して弾性ローラ2を押圧するとき、電極板9と弾性ローラ2との接触面積が大きくなるため、押圧と同時に電極板9と電極板10とを効率よく貼り合わせることができる。
【0054】
なおこの実施の形態では、電極板9、10の厚みを考慮に入れていないが、電極板9、10の厚をf回転(f:自然数)回転したとき、巻き芯1とこれに巻き付けられた電極板9、10外形形状を仮想的に巻き芯1の外形形状と考え、この形状に対応する第2の軌道を算出し、巻き芯1のf回転目にはこの軌道上を動かすようにすれば電極板9、10を巻き取るときの速度の変動を無くして巻き取ることができる。
【0055】
図8は本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図であり、具体的には電極板を巻き取るためのより詳細な構成を説明するための図である。
図8において、巻き芯1を回転させて、電極板9および10を巻き取るとき、制御部8から司令信号がローラ駆動用アクチュエータ7に送られる。ローラ駆動用アクチュエータ7は送られる司令信号に応じたトルク16を電極板9の送り方向とは逆向きに与える。
【0056】
ローラ2はトルク16により電極板9をその送り方向とは逆向きに引っ張るものの巻き芯1の巻き取る力の方が大きいため、電極板9が送られる方向に回転する。
トルク16に対してローラ2と電極板9の間で摩擦力が小さく滑りが発生する場合には、たとえば押圧ローラ14を電極板9の上からローラ2に押しつけるとローラ2と電極板9の摩擦力を大きくできる。これにより滑りのない確実なトルク伝達が可能となり、電極板9に適切な張力を与えることができる。
押圧ローラ14は、たとえば自重やバネ力あるいはエアや電気を利用した駆動手段(図示せず)により発生する力を用いてローラ2に押しつければよい。
【0057】
このように巻き芯1に最も近いところ、すなわち巻き芯1に常に接しているローラ2で電極板9に張力を与えるので、その長さが有限である電極板に対してもその終端付近まで確実に張力を与え、皺や巻き乱れのない巻き取りが可能になる。
【0058】
図9は本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図であり、具体的には板状の部材である電極板(特に電極板9)の先端部を巻き芯1に連結させるときの動作を説明するための図である。
ローラ2は巻き始めに電極板9を巻き芯1に連結させるとき、制御部8からローラ駆動用アクチュエータ7へ指令信号が送られる。指令信号を受けたローラ駆動用アクチュエータ7はローラ2へ電極板9を巻き取る方向にトルク17を負荷する。
このように構成すると、電極板9が折れ曲がり易い材質で構成されている場合でも巻き芯1の方向に確実に送り出すことができる。
そしてローラ2より送り出された電極板9の先端部は連結手段(図示せず)により巻き芯1に取り付けられる。
これにより電極板9の先端部が巻き芯1と離れている状態から自動に巻き始めることができ、平板状の電極を用いて巻き芯1に渦巻状に間隙なく巻回した電池を生産することができる。
【0059】
図10は本実施の形態の巻き取り装置において、接着剤塗布部11のより具体的な構成を説明するための図である。
図10(a)は接着剤塗布部の斜視図、図10(b)は正面図である。
図において、接着剤塗布部11は回転可能な2つのローラ21と、ローラの表面に塗布された接着剤23と、各ローラ21毎に設けられ、ローラ21の表面に塗布された接着剤23の厚みを調節するスキージ22とを有する。
2つのローラ21は互いに近接して位置し、それぞれ逆方向に回転する。
電極板10は2つのローラ21の間に位置し、2つのローラ21の回転により押圧されながら送り出される。電極板10は2つのローラ21により押圧されるときに両面に接着剤が付着される。
【0060】
より具体的には、2つの塗布ローラ21は回転中心軸が平行でかつgだけ隙間を開け、さらに電極板10が塗布ローラ21の回転中心軸に垂直でかつ隙間gの中心を通るように配置する。塗布ローラ21は駆動手段(図示せず)で電極板10をローラ2へ送る方向に回転している。
接着剤23は回転する塗布ローラ21上の(ア)付近に供給されスキージ22によって厚さが均一になるように平滑化される。
【0061】
電極板10に接着剤23を塗布するには、上記のようにスキージ22によって塗布ローラ21上の接着剤23の厚みを平滑化し、電極板10をこの接着剤23の供給された塗布ローラ21の間を通すことにより、電極板10の両面に塗布ローラ21上の接着剤23が転写される。
また、電極板10は一定直線上を等速で通るため両面に安定して接着剤23を均一に塗布できる。
接着剤23の塗布量はスキージ22と塗布ローラ21の隙間hと2つの塗布ローラ21の隙間gと塗布ローラ21の回転速度を変えることにより調節できる。
【0062】
実施の形態2.
実施の形態1では、巻き芯1の断面を菱形としたが、ここではその断面として長方形としたことを特徴とするものである。
図11〜図14は本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図であり、具体的には巻き芯1の回転中心が移動する軌跡の算出方法を説明するための図である。
ここでは、巻き芯1がπ(rad)回転する間に巻き芯1の回転中心が移動する軌跡の算出方法を説明する。
図11〜図14の説明では電極板9、10の図示を省略する。
図において、図4〜図6と同一の符号を付したものは同一またはこれに相当するものである。
図において1はその断面が非円筒形である巻き芯であり、巻き芯1の断面は長方形である。
【0063】
図11〜14においてローラ2の回転中心を原点とする座標軸Xr、Zrを定義する(座標軸xr、zrで定義した座標系を座標系rと称す)。
更に、時間tが経過した後の巻き芯1の回転中心の座標(ここでは長方形の対角線の交点の座標)を(xr(t)、zr(t))とする。
また巻き芯1の長方形断面において、長辺の長さをW(巻き芯1の幅と称す)、短辺の長さをH(巻き芯1の厚さと称す)、短辺によって結ばれる一方の頂点をS5、他方の頂点をS6、長辺の中点をS4、S7とする。
更に、ローラ2の直径をDとする。
また実施の形態1と同様、電極板9、10の厚みを考慮に入れていないが、電極板9、10の厚みを考慮に入れればより正確な軌跡を算出することが可能となることはいうまでもない。
【0064】
図11(i)はt=0すなわち巻き始めの状態を示す。巻き始めの状態において、中点S4とローラ2とが接している。軌道を決める条件として巻き芯1の幅W、厚さH、ローラ2の直径D、電極板9および10の巻き取り速度Vを与える。
これらから座標系rにおける巻き取り速度Vr、巻き芯1がπ(rad)だけ回転するのに要する時間Tを求めることができる。
これらの値は以下の通りである。
【0065】
【数8】
Figure 0003726623
【0066】
図11(ii)は巻き芯1の断面の長辺が点Pc3でローラ2に接しながら一定速度Vrで移動する区間である(0<t≦t1)。
t=t1で巻き芯1の長方形断面において頂点S5がローラ2の外周円に接する。
このとき、t1、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0067】
【数9】
Figure 0003726623
【0068】
図12(i)は巻き芯1の長方形断面の頂点S5がローラ2に接しながらローラ2の外周円上を一定速度Vrで移動する区間である(t1<t≦t2)。
t=t2で頂点S5が点Pc4に一致する。
このとき、t2、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0069】
【数10】
Figure 0003726623
【0070】
図12(ii)は巻き芯1の長方形断面の短辺が点Pc4でローラ2に接しながら一定速度Vrで移動する区間である(t2<t≦t3)。
t=t3で巻き芯1の、頂点S6がローラ2の外周円(点Pc4)に接する。
このとき、t3、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0071】
【数11】
Figure 0003726623
【0072】
図13(i)は巻き芯1の長方形断面の頂点S6がローラ2に接しながらローラ2の外周円上を一定速度Vrで移動する区間である(t3<t≦t4)。
t=t4で頂点S6が点Pc5に一致する。 このとき、t4、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0073】
【数12】
Figure 0003726623
【0074】
図13(ii)は巻き芯1の長方形断面の長辺が点Pc5でローラ2に接しながら一定速度Vrで移動する区間である(t4<t≦T)。
t=Tで中点S7がローラ2(点Pc5)に接し、巻き芯1がπ(rad)分巻き取る位置に到達する。
このとき、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0075】
【数13】
Figure 0003726623
【0076】
以上の図11の(i)〜図13(ii)の移動で巻き芯1は、ローラ2に接しながら一定速度Vrで巻き始めの位置からπ(rad)分巻き取る位置まで移動する。
このときの巻き芯1の中心の軌道は式(28)式から(50)式を順次、数値計算することにより求めることができる。
【0077】
次に図14において全体座標系での軌道を求めるために図11〜図13の巻き芯1の軌道に対して、図14の(51)式で表されるθ(t)だけローラ2の中心まわりに等速で回転させる座標変換を行なう。
すなわち、全体座標系において電極板9および10を等速に巻き取る巻き芯1の軌道は回転角θ(t)は(51)式、中心の位置X(t)およびZ(t)はそれぞれ式(52)と式(53)を数値計算することにより求められる。
また、このときのローラ2の回転角Θ(t)は(54)式で表される。
【0078】
【数14】
Figure 0003726623
【0079】
図15は本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図であり、具体的には時間的な変化に伴う巻き芯1の回転中心の位置および回転角の変化を示すグラフ図である。
図15において、(ア)は巻き芯1の回転中心のX軸方向の移動量の変化、(イ)は巻き芯1の回転中心のZ軸方向の移動量の変化、(ウ)は巻き芯1の回転角度θ(rad)の変化、ローラ2の回転角度Θ(rad)の変化を示す図である。
図において、横軸は時間であり、Tは巻き芯1の回転中心が所定の軌道上を一巡するのに要する時間である。
このように本実施の形態によれば、巻き芯1の断面を長方形としても巻き芯1を等速で巻き取ることが可能となる。
【0080】
実施の形態3.
実施の形態1では、巻き芯1の断面を菱形としたが、ここではその断面として長円形としたことを特徴とするものである。
図16〜図18は本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図であり、具体的には巻き芯1の回転中心が移動する軌跡の算出方法を説明するための図である。
ここでは、巻き芯1がπ(rad)回転する間に巻き芯1の回転中心が移動する軌跡の算出方法を説明する。
図16〜図18の説明では電極板9、10の図示を省略する。
図において、図4〜図6と同一の符号を付したものは同一またはこれに相当するものである。
【0081】
図16〜図18においてローラ2の回転中心を原点とする座標軸Xr、Zrを定義する(座標軸xr、zrで定義した座標系を座標系rと称す)。
更に、時間tが経過した後の巻き芯1の回転中心の座標を(xr(t)、zr(t))とする。
また巻き芯1の長円形断面において、長辺の長さの最大値をW(巻き芯1の幅と称す)、短辺の長さをH(巻き芯1の厚さと称す)、短辺の長さが変化し始める点を各々、S9、S10とする。
また巻き芯1の長円形断面において、長辺の中点をそれぞれS8、S11とする。更に、ローラ2の直径をDとする。
また実施の形態1と同様、電極板9、10の厚みを考慮に入れていないが、電極板9、10の厚みを考慮に入れればより正確な軌跡を算出することが可能となることはいうまでもない。
【0082】
図16(i)はt=0すなわち巻き始めの状態を示す。巻き始めの状態において、中点S8とローラ2とが接している。軌道を決める条件として巻き芯1の幅W、厚さH、ローラ2の直径D、電極板9および10の巻き取り速度Vを与える。
これらから座標系rにおける巻き取り速度Vr、巻き芯1がπ(rad)だけ回転するのに要する時間Tを求めることができる。
これらの値は以下の通りである。
【0083】
【数15】
Figure 0003726623
【0084】
図16(ii)は巻き芯1の断面の長辺が点Pc6でローラ2に接しながら一定速度Vrで移動する区間である(0<t≦t1)。
t=t1で巻き芯1の長円形断面において点S9がローラ2のPc6に一致する。
このとき、t1、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0085】
【数16】
Figure 0003726623
【0086】
図17(i)は巻き芯1の長円形断面の円弧上の点Pc7がローラ2に接しながらローラ2の外周円上を一定速度Vrで移動する区間である(t1<t≦t2)。
t=t2で点S10が点Pc8に一致する。
このとき、t2、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0087】
【数17】
Figure 0003726623
【0088】
図17(ii)は巻き芯1の長円形断面の長辺が点Pc8でローラ2に接しながら一定速度Vrで移動する区間である(t2<t≦T)。
t=Tで巻き芯1の長円形断面において、中点S11がローラ2(点Pc8)に接し、巻き芯1がπ(rad)分巻き取る位置に到達する。
このとき、ψ(t)、xr(t)、zr(t)、は以下の通りである。
【0089】
【数18】
Figure 0003726623
【0090】
以上の図16〜図17の移動で巻き芯1は、ローラ2に接しながら一定速度Vrで巻き始めの位置からπ(rad)分巻き取る位置まで移動する。
このときの巻き芯1の中心の軌道は式(55)式から(69)式を順次、数値計算することにより求めることができる。
【0091】
次に図18において全体座標系での軌道を求めるために図16〜図17の巻き芯1の軌道に対して、以下の(70)式で表されるθ(t)だけローラ2の中心まわりに等速で回転させる座標変換を行なう。
すなわち、全体座標系において電極板9および10を等速に巻き取る巻き芯1の軌道は回転角θ(t)は(70)式、中心の位置X(t)およびZ(t)はそれぞれ式(71)と式(72)を数値計算することにより求められる。
また、このときのローラ2の回転角Θ(t)は(73)式で表される。
【0092】
【数19】
Figure 0003726623
【0093】
図19は本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図であり、具体的には時間的な変化に伴う巻き芯1の回転中心の位置および回転角の変化を示すグラフ図である。図19において図3と同一の符号を付したものは同一またはこれに相当するものである。
本実施の形態によれば、巻き芯1の断面を長円形としても巻き芯1を等速で巻き取ることが可能となる。
更に、巻き芯1の形状は長円形であるため、角ばった部分が無いので巻き取りの動作において電極板9、10により傷を付けずに巻き取ることができる。
なお、これまでの実施の形態では巻き芯1の断面の形状として、菱形、長方形、長円形のものについて説明したが、これらに限定される必要はなく、巻き芯1の断面の形状は多角形、またはその一部に曲線を有するような形状を有し、かつ全周にわたってローラ2が接することができる形状であればよい。
【0094】
更に、巻き芯1の第1の軌道の算出方法において、巻き芯1の断面の1辺とローラ2とが接している場合には、当該辺がローラ2に接する状態を保ちながら巻き芯1を平行移動させるような軌道を、巻き芯1の断面の1頂点とローラ2とが接している場合には、当該頂点をローラ2の外周に沿って移動させることにより巻き芯1を平行移動させるような軌道を、巻き芯1の断面の曲線部とローラ2とが接する場合には、当該曲線部とローラ2とが接する状態を保ちながら当該曲線部とローラ2との接触する位置をローラ2の外周に沿って移動させることにより巻き芯1を平行移動させるような軌道を算出することにより第1の軌道を求めることができる。
更に、この第1の軌道をローラ2の中心の周りに回転させることにより、実際に巻き芯1が移動する軌道を、すなわち第2の軌道を求めることができる。
【0095】
【発明の効果】
この発明に係る巻き取り装置によれば、非円形断面の巻き芯と、転中心の位置が固定されたローラと、前記巻き芯の回転中心の位置を所定の平面内で移動させる移動手段と、前記巻き芯回転中心回転させる回転駆動手段と、記巻き芯の回転中心の位置を前記巻き芯の回転に応じて周期的に前記ローラの周辺で移動させて前記ローラの表面に巻き付いた板状の部材を前記板状の部材を介して前記ローラに接した前記巻き芯に一定速度で送り出すように前記移動手段および前記回転駆動手段を御する制御手段とを備えたので、巻き芯に巻き取るときの速度の変動をより小さくすることができるようになり、これにより巻き取るべき板状の部材を押圧するときの圧力の変動がより小さくでき、巻き芯に巻き取る板状の部材の隙間をより少なくして巻き取ることができるとともに、巻き芯の巻き取る速度を高速にしても巻き取りの速度の変動に伴う張力の変動が小さいため、板状の部材へ与えるダメージを少なくすることができる。
【0096】
この発明に係る巻き取り装置は、ローラにトルクを与える手段を設けたので、巻き取るべき板状の部材を介して巻き芯に接するローラによって巻き芯に最も近いところで板状の部材に張力を与えることができるため、板状の部材の長さが有限であるものに対し、その終端付近まで確実に張力を与えながら、皺や巻き乱れを少なくして巻き取ることが可能となる。
【0097】
この発明に係る巻き取り装置は、
ローラの表面に弾性を有する部材を設けたので、
巻き芯および弾性ローラに必要以上の無理な力が発生することなく巻き取るべき板状の部材を巻き取ることができる。
【0098】
この発明に係る巻き取り装置は、
巻き取るべき板状の部材に接着剤を塗布する接着剤塗布手段を有するので、
板状の部材は巻き芯に間隙なく巻き付けた状態を保つことができる。
更に、巻き取るべき板状の部材が一定の速度で送り出されるようにすれば、板状の部材の表面に均一に接着剤を塗布することができるようになり、板状の部材を間隙なく貼り合わせることができる。
【0099】
この発明に係る巻き取り方法によれば、非円形断面の巻き芯と、転中心の位置が固定されたローラと、前記巻き芯の回転中心の位置を所定の平面内で移動させる移動手段と、前記巻き芯回転中心回転させる回転駆動手段とを用いて板状の部材を前記巻き芯に巻き取る方法であって、記巻き芯の回転中心の位置を前記巻き芯の回転に応じて周期的に前記ローラの周辺で移動させて前記ローラの表面に巻き付いた前記板状の部材を前記板状の部材を介して前記ローラに接した前記巻き芯に一定速度で送り出すように前記移動手段および前記回転駆動手段を御しながら前記板状の部材を巻き取るので、巻き芯に巻き取るときの速度の変動をより小さくすることができるようになり、これにより巻き取るべき板状の部材を押圧するときの圧力の変動がより小さくでき、巻き芯に巻き取る板状の部材の隙間をより少なくして巻き取ることができるとともに、巻き芯の巻き取る速度を高速にしても巻き取りの速度の変動に伴う張力の変動が小さいため、板状の部材へ与えるダメージを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図2】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図3】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図4】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図5】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図6】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図7】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図8】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図9】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図10】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図11】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図12】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図13】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図14】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図15】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図16】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図17】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図18】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図19】 本実施の形態の巻き取り装置を説明するための図である。
【図20】 従来の巻き取り装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1:巻き芯 2:ローラ 3:X軸アクチュエータ
4:Z軸アクチュエータ 5:θ軸アクチュエータ
6:制御部 7:ローラ駆動用アクチュエータ
8:制御部 9:電極 10:電極
11:接着剤塗布部 12:弾性ローラ
13:仮想ローラ 14:押圧ローラ
15:押圧力 16:トルク 17:トルク
20:軌道 21:塗布ローラ
22:スキージ 23:接着剤

Claims (5)

  1. 非円形断面の巻き芯と、
    転中心の位置が固定されたローラと、
    前記巻き芯の回転中心の位置を所定の平面内で移動させる移動手段と、
    前記巻き芯回転中心回転させる回転駆動手段と、
    記巻き芯の回転中心の位置を前記巻き芯の回転に応じて周期的に前記ローラの周辺で移動させて前記ローラの表面に巻き付いた板状の部材を前記板状の部材を介して前記ローラに接した前記巻き芯に一定速度で送り出すように前記移動手段および前記回転駆動手段を御する制御手段とを備えたことを特徴とする巻き取り装置。
  2. ローラにトルクを与える手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の巻き取り装置。
  3. ローラの表面に弾性を有する部材を設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の巻き取り装置。
  4. 巻き取るべき板状の部材接着剤を塗布する接着剤塗布手段を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の巻き取り装置。
  5. 非円形断面の巻き芯と、
    転中心の位置が固定されたローラと、
    前記巻き芯の回転中心の位置を所定の平面内で移動させる移動手段と、
    前記巻き芯回転中心回転させる回転駆動手段とを用いて板状の部材を前記巻き芯に巻き取る方法であって、
    記巻き芯の回転中心の位置を前記巻き芯の回転に応じて周期的に前記ローラの周辺で移動させて前記ローラの表面に巻き付いた前記板状の部材を前記板状の部材を介して前記ローラに接した前記巻き芯に一定速度で送り出すように前記移動手段および前記回転駆動手段を御しながら前記板状の部材を前記巻き芯に巻き取ることを特徴とする巻き取り方法。
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