JP7270398B2 - 電極シート製造方法及び電極シート製造装置 - Google Patents

電極シート製造方法及び電極シート製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、電池用電極の電極シート製造方法及び電極シート製造装置に関する。
従来、リチウムイオン二次電池等の電池用電極には、集電体の表面に活物質層が形成された電極シートが用いられている。この電極シートは、例えば、活物質等を含むスラリーを集電体の表面に塗工・乾燥した後、圧延することにより製造されている。
例えば、特許文献1には、電極シート製造方法として、電極シートを加熱ユニットで加熱し、その後、加圧ローラで加圧することで電極シートに活物質を圧着することが開示されている。
また、特許文献2には、電極シート製造方法として、正極層又は負極層が形成された集電体を、40℃以上に加熱しながらプレス成形を行うことが開示されている。
特開2000-208137号公報 特開2000-251944号公報
しかし、特許文献1に開示された電極シート製造方法では、電極シートを圧延した後、所定の時間が経過すると、活物質層の厚さが、圧延直後の厚さに対して増加する現象(スプリングバック)が発生し、活物質の高密度化が困難であった。
また、特許文献2に開示された電極シート製造方法では、特許文献1に開示された電極シート製造方法に比べて、スプリングバックの発生を低減することができる一方、加熱しながら加圧するため、活物質が加圧ローラに転写されて、加圧ローラに付着することがある。
そして、加圧ローラに付着した活物質が、例えば、活物質層が形成されていない集電体の領域に付着したり、集電体に対して打痕や切断等の破損を引き起こしたりすることにより、電極シートの歩留まりを低下させる原因になっていた。また、活物質が付着した加圧ローラを交換する頻度が高くなるため、製造装置の保守作業時間を増加させる原因にもなっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、スプリングバックの発生を低減するとともに、電極シートの歩留まりを向上させることができる、電極シート製造方法及び電極シート製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記のような課題を解決するものであって、本発明の一実施形態に係る電極シート製造方法は、
活物質層が片面又は両面に形成されたシート状の集電体を、第1の温度に冷却した状態で圧延する圧延工程と、
前記圧延工程により圧延された前記集電体を、前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱する加熱工程と、を含む。
また、上記電極シート製造方法において、
前記集電体は、長尺帯状の金属箔であり、
前記圧延工程は、前記集電体を、前記集電体の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、前記集電体を前記第1の温度に冷却した状態で圧延し、
前記加熱工程は、前記圧延工程により圧延された前記集電体を、前記集電体の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、前記第2の温度に加熱する。
また、上記電極シート製造方法において、
前記圧延工程は、前記第1の温度に調節された圧延ロールにより前記集電体を連続的に搬送しながら、前記集電体を前記第1の温度に冷却した状態で圧延し、
前記加熱工程は、前記第2の温度に加熱された加熱ロールにより前記集電体を連続的に搬送しながら加熱する。
また、上記電極シート製造方法において、
前記圧延工程は、前記第1の温度に調節された圧延ロールにより前記集電体を連続的に搬送しながら、前記集電体を前記第1の温度に冷却した状態で圧延し、
前記加熱工程は、搬送ロールにより前記集電体を連続的に搬送しながら、前記第2の温度に加熱された加熱装置により前記集電体を加熱する。
また、上記電極シート製造方法において、
前記第1の温度は、30℃以下の温度であり、
前記第2の温度は、40℃以上の温度である。
また、上記電極シート製造方法において、
前記圧延工程が行われてから前記加熱工程が行われるまでのインターバル時間は、30分以下の時間である。
また、上記電極シート製造方法において、
前記圧延工程が行われてから前記加熱工程が行われるまでのインターバル時間は、10秒以下の時間である。
また、上記電極シート製造方法において、
前記活物質層は、天然黒鉛又は人造黒鉛を含む。
また、上記電極シート製造方法において、
前記活物質層に含まれる材料の総量を100質量部としたとき、前記活物質層は、前記天然黒鉛又は前記人造黒鉛を20質量部以上含む。
また、上記電極シート製造方法において、
前記活物質層に含まれる材料の総量を100質量部としたとき、前記活物質層は、結着剤を1.5質量部以上含む。
また、上記電極シート製造方法において、
前記加熱工程により加熱された後の前記活物質層の密度は、1.60g/cm以上である。
また、上記電極シート製造方法において、
前記集電体は、長尺帯状の金属箔であり、
前記活物質層は、前記集電体の長尺方向に対して間欠的に形成されている。
また、本発明は、上記のような課題を解決するものであって、本発明の一実施形態に係る電極シート製造装置は、
活物質層が片面又は両面に形成されたシート状の集電体を、第1の温度に冷却した状態で圧延する圧延部と、
前記圧延部により圧延された前記集電体を、前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱する加熱部と、を備える。
本発明の一実施形態に係る電極シート製造方法及び電極シート製造装置によれば、圧延工程にて、電極シートを、第1の温度に冷却した状態で圧延し、加熱工程にて、その圧延した後の電極シートを、第1の温度よりも高い第2の温度に加熱するので、圧延工程にて電極シートが圧延されることで変形した活物質層が、その後の加熱工程にて加熱されることで、その変形した状態で安定するため、スプリングバックの発生を低減することができる。また、圧延工程では、加熱しながら圧延するものではないため、活物質が、圧延工程を行う圧延部(例えば、圧延ロール)に転写されることが抑制され、電極シートの歩留まりを向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る電極シート製造装置1A及び電極シート製造方法の概略を示す概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る電極シート製造装置1B及び電極シート製造方法の概略を示す概略構成図である。 第1の実験の結果として、実施例1~6及び比較例1~2における膜厚増加量をそれぞれ示すグラフである。 第2の実験の結果として、実施例7~8及び比較例3~5における膜厚増加量の時系列変化(1日経過後、2日経過後、7日経過後)をそれぞれ示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電極シート製造装置1A及び電極シート製造方法の概略を示す概略構成図である。電極シート製造装置1Aは、活物質層11A、11Bが両面に形成された電極シート10を圧延する装置である。
(電極シート10について)
電極シート10は、シート状の集電体として機能する部材である。電極シート10は、厚さが20μm程度の長尺帯状の金属箔であり、例えば、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、ステンレス、チタン等の金属材料で形成されている。
活物質層11A、11Bは、活物質等を含むスラリーを調製し、これを電極シート10の表面に塗工し、乾燥させることで形成されている。活物質層の厚さは、例えば、20~300μmの範囲で適宜設定されている。
スラリーは、活物質の他に、結着剤(バインダー)、導電助剤、増粘剤(必要に応じて)、及び、その他添加剤を混合し、溶剤または水系媒体に分散または溶解させることにより調製される。なお、スラリー中の各材料の混合比は、電池の仕様や用途等に応じて適宜変更してもよい。
正極用の活物質としては、例えば、リチウム・ニッケル複合酸化物、リチウム・コバルト複合酸化物、リチウム・マンガン複合酸化物、リチウム・マンガン・ニッケル複合酸化物等のリチウムと遷移金属との複合酸化物等である。
負極用の活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の炭素材料、リチウム金属、リチウム合金等のリチウム系金属、ポリアセン、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等である。なお、負極用の活物質として、天然黒鉛又は人造黒鉛を用いる場合には、活物質層11A、11Bに含まれる材料の総量を100質量部としたとき、活物質層11A、11Bは、天然黒鉛又は人造黒鉛を20質量部以上含む。
結着剤(バインダー)は、活物質同士や、活物質と電極シート10とを結着させる役割を果たすものであり、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アクリル系樹脂、ポリテトラフロロエチレン等の樹脂材料である。なお、活物質層11A、11Bに含まれる材料の総量を100質量部としたとき、活物質層11A、11Bは、結着剤を1.5質量部以上含む。
導電助剤は、例えば、カーボンブラック等の炭素材料、アルミニウム等の金属材料である。
増粘剤は、塗工に適した流動性を確保するために混合するものであり、例えば、セルロース系ポリマー、水溶性ポリマー等が挙げられる。
ここで、活物質層11A、11Bを電極シート10に形成する方式には、大別して、間欠塗工方式と、連続塗工方式とがある。
間欠塗工方式は、活物質層11A、11Bを形成する形成部と、活物質層11A、11Bを形成しない非形成部とを、電極シート10の長尺方向に沿って所定の間隔で交互に形成する方式である。非形成部は、外部端子と電気的に接続するための引き出しタブとして用いられる。
連続塗工方式は、活物質層11A、11Bを電極シート10の長尺方向に沿って連続的に形成する方式であり、活物質層11A、11Bを形成しない非形成部は、電極シート10の短尺方向(幅方向)の端部に、電極シート10の長尺方向と平行に配置される。非形成部は、間欠塗工方式と同様に、引き出しタブとして用いられる。
なお、本実施形態では、間欠塗工方式により、活物質層11A、11Bが、電極シート10の両面に、電極シート10の長尺方向に対して間欠的に形成されているものとして説明する。
(電極シート製造装置1Aについて)
電極シート製造装置1Aは、活物質層11A、11Bが両面に形成された圧延前の電極シート10を巻き出す巻き出し部2と、巻き出し部2から巻き出された電極シート10を、第1の温度Temp1に調節した状態で圧延する圧延部3と、圧延部3により圧延された電極シート10を、第1の温度Temp1よりも高い第2の温度Temp2に加熱する加熱部4と、加熱部4により加熱された圧延後の電極シート10を巻き取る巻き取り部5と、巻き出し部2と巻き取り部5との間に配置された複数の搬送ロール6と、CPU等のプロセッサにより構成され、電極シート製造装置1Aの各部2~6の動作を制御する制御部7と、を備える。
圧延部3は、圧延工程を行う部位であり、電極シート10を挟んで対向する位置に配置された一対の圧延ロール30A、30Bと、圧延ロール30A、30Bの表面温度を第1の温度Temp1に調節する温度調整部31と、モータやギヤ等で構成され、圧延ロール30A、30Bを回転させる回転駆動部(不図示)とを備える。
圧延部3は、圧延ロール30A、30Bにより電極シート10を、電極シート10の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、温度調整部31により第1の温度Temp1に調整された圧延ロール30A、30Bを電極シート10の両面に接触させて電極シート10の厚さ方向に所定の荷重を加えることで、圧延ロール30A、30Bを圧延する。
第1の温度Temp1は、30℃以下の温度であり、例えば、25℃に設定されていることが好ましい。
ここで、第1の温度Temp1は、室温に近い温度ではあるが、圧延部3が、温度調整部31を備えていないような場合、すなわち、圧延ロール30A、30Bの表面温度が、温度調整部31により第1の温度Temp1に調整されていないような場合には、電極シート10は、圧延ロール30A、30B及び搬送ロール6により搬送されるとともに、圧延ロール30A、30Bにより圧延されることで摩擦熱等の影響を受けるため、電極シート10の温度は、第1の温度Temp1よりも上昇することになる。
しかしながら、圧延部3が、本実施形態のように、温度調整部31を備えることにより、圧延ロール30A、30Bの表面温度が、温度調整部31により第1の温度Temp1に調整されている場合には、第1の温度Temp1に調整された圧延ロール30A、30Bを電極シート10の両面に接触させることで、摩擦熱等の影響を受けて第1の温度Temp1よりも温度が上昇している電極シート10を、第1の温度Temp1に冷却することになる。
したがって、圧延部3は、第1の温度Temp1に調整された圧延ロール30A、30Bにより電極シート10を電極シート10の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、電極シート10を第1の温度Temp1に冷却した状態で圧延する。
圧延部3が電極シート10を圧延する際、圧延ロール30A、30Bが電極シート10に接触している圧延時間Tpは、0.2秒以上であり、例えば、0.2~2.2秒に設定されていることが好ましい。
加熱部4は、加熱工程を行う部位であり、電極シート10を長尺方向に沿って折り返すように配置された一対の加熱ロール40A、40Bと、加熱ロール40A、40Bの表面温度を第2の温度Temp2に加熱する温度調整部41と、モータやギヤ等で構成され、加熱ロール40A、40Bを回転させる回転駆動部(不図示)と、を備える。
加熱部4は、加熱ロール40A、40Bにより電極シート10を、電極シート10の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、温度調整部41により第2の温度Temp2に調整された加熱ロール40A、40Bを電極シート10の両面に接触させることで、電極シート10を第2の温度Temp2に加熱する。
第2の温度Temp2は、第1の温度Temp1よりも高い(Temp1<Temp2)。第2の温度Temp2は、40℃以上の温度であり、例えば、40~80℃に設定されていることが好ましい。
加熱部4が電極シート10を加熱する際、加熱ロール40A、40Bが電極シート10に接触している加熱時間Thは、0.2秒以上であり、例えば、0.2~2.2秒に設定されていることが好ましい。また、加熱部4により加熱された後の活物質層の密度Dは、1.52g/cm以上であることが好ましく、1.60g/cm以上であることがより好ましい。
制御部7は、電極シート10に所定の張力を付与するとともに、電極シート10を搬送する搬送速度Sが、例えば、10~100m/分となるように、圧延ロール30A、30B、加熱ロール40A、40B及び搬送ロール6の回転速度を制御する。なお、搬送ロール6の配置や数は適宜変更してもよい。
圧延部3及び加熱部4は、電極シート10の長尺方向に対して所定の距離Lだけ離間した状態で配置されている。したがって、圧延工程が行われてから加熱工程が行われるまでのインターバル時間Tiは、圧延部3により圧延された電極シート10が搬送されて加熱部4に到達するまでの時間に相当し、距離Lを搬送速度Sで除算することで算定される。
電極シート10を連続的に搬送する場合には、インターバル時間Tiが、10秒以下となるように、距離L及び搬送速度Sが設定されていることが好ましい。
上記の構成を有する電極シート製造装置1Aは、第1の温度Temp1に調節された圧延ロール30A、30Bにより、電極シート10を、電極シート10の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、第1の温度Temp1に冷却した状態で圧延する圧延工程と、第2の温度Temp2に加熱された加熱ロール40A、40Bにより、圧延工程により圧延された電極シート10を、電極シート10の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、第2の温度Temp2に加熱する加熱工程と、を含む電極シート製造方法を行う。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る電極シート製造装置1B及び電極シート製造方法の概略を示す概略構成図である。
電極シート製造装置1Bは、第1の実施形態に対して、加熱部4が、一対の加熱ロール40A、40Bに代えて、加熱装置42を備えるように変更したものである。なお、その他の基本的構成は、第1の実施形態に係る電極シート製造装置1Aと同様のため、説明を省略する。
加熱部4は、電極シート10を長尺方向に沿って電極シート10の両面を加熱するように配置された加熱装置42と、加熱装置42の上流側及び下流側に配置された複数の搬送ロール43とを備える。
加熱部4は、搬送ロール43により電極シート10を、電極シート10の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、第2の温度Temp2に加熱された加熱装置42により電極シート10を第2の温度Temp2に加熱する。
加熱装置42は、例えば、電極シート10の両面に温風を吹き付けることにより、電極シート10を非接触で加熱する装置である。なお、加熱装置42が電極シート10を加熱する加熱方式は、温風加熱に限られず、例えば、赤外線加熱、電磁誘導加熱等の任意の加熱方式を用いてもよい。
上記の構成を有する電極シート製造装置1Bは、第1の温度Temp1に調節された圧延ロール30A、30Bにより、電極シート10を、電極シート10の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、第1の温度Temp1に冷却した状態で圧延する圧延工程と、搬送ロール43により、圧延工程により圧延された電極シート10を、電極シート10の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、第2の温度Temp2に加熱された加熱装置42により、第2の温度Temp2に加熱する加熱工程と、を含む電極シート製造方法を行う。
(評価実験)
次に、本発明に係る電極シート製造方法による膜厚増加量を検証するため、第1の実験と、第2の実験とを行った。膜厚増加量は、電極シート10に対して圧延工程及び加熱工程を行った直後の活物質層11A、11Bの厚さに対して、圧延工程及び加熱工程を行ってから所定の時間が経過した後の活物質層11A、11Bの厚さが増加した量であり、膜厚増加量が小さいほどスプリングバックが小さいものとして評価される。
(第1の実験について)
第1の実験として、実施例1~6及び比較例1~2の各々の条件に基づいて、電極シート10に対して圧延工程及び加熱工程を行い、1日経過後の膜厚増加量を測定した。
実施例1~6は、本発明に係る電極シート製造方法により、圧延工程、加熱工程の順で各工程を行った。
実施例1~3は、第1の温度Temp1を25℃、第2の温度Temp2を40℃、密度Dを1.65g/cmに設定するとともに、加熱工程における加熱時間Thを2秒、10秒、60秒にそれぞれ設定したものである。実施例4~6は、第1の温度Temp1を25℃、第2の温度Temp2を80℃、密度Dを1.60g/cmに設定するとともに、加熱工程における加熱時間Thを2秒、10秒、60秒にそれぞれ設定したものである。
一方、比較例1~2は、実施例1~6とは逆に、加熱工程、圧延工程の順で各工程を行った。
比較例1は、実施例2の条件と同様に、第1の温度Temp1を25℃、第2の温度Temp2を40℃、密度Dを1.65g/cm、加熱工程における加熱時間Thを10秒に設定したものである。比較例2は、実施例5の条件と同様に、第1の温度Temp1を25℃、第2の温度Temp2を80℃、密度Dを1.60g/cm、加熱工程における加熱時間Thを10秒に設定したものである。
図3は、第1の実験の結果として、実施例1~6及び比較例1~2における膜厚増加量をそれぞれ示すグラフである。
まず、実施例1~3と、比較例1とを比較すると、実施例1~3は、比較例1に比べて膜厚増加量が小さく、特に加熱時間Thが長くなるほど(実施例1<実施例2<実施例3)、膜厚増加量が小さくなることが分かった。
また、実施例4~6と、比較例2とを比較すると、実施例4~6は、比較例2に比べて膜厚増加量が小さく、特に加熱時間Thが長くなるほど(実施例4<実施例5<実施例6)、膜厚増加量が小さくなることが分かった。
さらに、実施例1、4と、実施例2、5と、実施例3、6とをそれぞれ比較すると、実施例4~6は、実施例1~3に対して膜厚増加量がそれぞれ小さいことが分かった。
(第2の実験について)
第2の実験として、実施例7~8及び比較例3~5の各々の条件に基づいて、電極シート10に対して圧延工程及び加熱工程を行い、1日経過後、2日経過後、7日経過後の膜厚増加量をそれぞれ測定した。
実施例7~8は、本発明に係る電極シート製造方法により、圧延工程、加熱工程の順で各工程を行った。
実施例7は、第1の温度Temp1を25℃、第2の温度Temp2を40℃、密度Dを1.65g/cmに設定するとともに、加熱工程における加熱時間Thを60秒にそれぞれ設定したものである。実施例8は、第1の温度Temp1を25℃、第2の温度Temp2を80℃、密度Dを1.65g/cmに設定するとともに、加熱工程における加熱時間Thを60秒にそれぞれ設定したものである。
一方、比較例3~4は、実施例7~8とは逆に、加熱工程、圧延工程の順で各工程を行った。
比較例3は、加熱工程における温度を40℃、加熱時間を10秒に設定し、圧延工程における温度を25℃、密度Dを1.65g/cmに設定したものである。比較例4は、加熱工程における温度を80℃、加熱時間を10秒に設定し、圧延工程における温度を25℃、密度Dを1.65g/cmに設定したものである。
また、比較例5は、加熱工程を省略し、圧延工程のみを行った。比較例5は、圧延工程における温度を25℃、密度Dを1.65g/cmに設定したものである。
図4は、第2の実験の結果として、実施例7~8及び比較例3~5における膜厚増加量の時系列変化(1日経過後、2日経過後、7日経過後)をそれぞれ示すグラフである。
まず、実施例7~8と、比較例3~5とを比較すると、いずれの場合でも、圧延工程及び加熱工程を行った直後からの経過時間が長くなるほど膜厚増加量が大きくなることは共通しているが、実施例7~8は、比較例3~5に比べて、いずれの経過時間においても、膜厚増加量が小さいことが分かった。
実施例7と、実施例8とを比較すると、実施例8は、実施例7に対して1日経過後、2日経過後では膜厚増加量が小さいが、7日経過後では膜厚増加量が同程度になることが分かった。
したがって、第1の実験における実施例1~6は、比較例1~2に比べて膜厚増加量が小さく、第2の実験における実施例7~8は、比較例3~5に比べて膜厚増加量が小さいことが分かった。これは、加熱工程の後に圧延工程を行う比較例1~4では、加熱工程にて、活物質層11A、11Bの乾燥が進行し、活物質層11A、11Bが硬くなった状態になるため、加熱工程の後の圧延工程にて圧延されたときに活物質層11A、11Bが潰れにくく、結着剤の結着力が弱まった結果、膜厚増加量が大きくなったものと考えられる。
一方、圧延工程の後に加熱工程を行う実施例1~8では、圧延工程にて電極シート10が圧延されることで変形した結着剤が、圧延工程の後の加熱工程にて加熱されることで、その変形した状態で安定するため、膜厚増加量が小さくなったものと考えられる。
以上のように、本発明の一実施形態に係る電極シート製造装置1A、1B及び電極シート製造方法によれば、圧延工程にて、電極シート10を、第1の温度Temp1に冷却した状態で圧延し、加熱工程にて、その圧延した後の電極シート10を、第1の温度Temp1よりも高い第2の温度Temp2に加熱するので、圧延工程にて電極シート10が圧延されることで変形した活物質層11A、11Bが、その後の加熱工程にて加熱されることで、その変形した状態で安定するため、スプリングバックの発生を低減することができる。また、圧延工程では、加熱しながら圧延するものではないため、活物質が圧延工程を行う圧延部3(例えば、圧延ロール30A、30B)に転写されることが抑制され、電極シート10の歩留まりを向上させることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、活物質層11A、11Bが、電極シート10の両面に形成されたものとして説明したが、活物質層11A、11Bは、電極シート10の片面に形成されたものでもよい。
また、上記実施形態では、活物質層11A、11Bが、間欠塗工方式により形成されたものとして説明したが、活物質層11A、11Bは、連続塗工方式により形成されたものでもよい。
また、上記実施形態では、巻き出し部2から活物質層11A、11Bが形成された電極シート10を巻き出すものとして説明したが、巻き出し部2から活物質層11A、11Bが形成されていない電極シート10を巻き出し、圧延部3による圧延工程の前に、活物質層11A、11Bを電極シート10に形成する形成工程を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、電極シート10が、長尺帯状であり、巻き出し部2と巻き取り部5との間を電極シート10の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、圧延工程及び加熱工程を順次行うものとして説明したが、例えば、所定の面積に電極シート10を分割し、その分割された複数の電極シート10の各々に対して圧延工程及び加熱工程を順次行うようにしてもよい。この場合には、圧延工程が行われてから加熱工程が行われるまでのインターバル時間Tiは、30分以下とすることが好ましい。また、加熱工程における加熱時間Thは、60秒以下とすることが好ましい。
1A、1B…電極シート製造装置、
2…巻き出し部、3…圧延部、4…加熱部、
5…巻き取り部、6…搬送ロール、7…制御部、
10…電極シート、11A、11B…活物質層、
30A、30B…圧延ロール、31…温度調整部、
40A、40B…加熱ロール、41…温度調整部、
42…加熱装置、43…搬送ロール

Claims (13)

  1. 活物質層が片面又は両面に形成されたシート状の集電体を、第1の温度に冷却した状態で圧延する圧延工程と、
    前記圧延工程により圧延された前記集電体を、前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱する加熱工程と、を含み、
    前記集電体は、長尺帯状の金属箔であり、
    前記圧延工程は、前記集電体を、前記集電体の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、前記集電体を前記第1の温度に冷却した状態で圧延し、
    前記加熱工程は、前記圧延工程により圧延された前記集電体を、前記集電体の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、前記第2の温度に加熱する、
    電極シート製造方法。
  2. 前記圧延工程は、前記第1の温度に調節された圧延ロールにより前記集電体を連続的に搬送しながら、前記集電体を前記第1の温度に冷却した状態で圧延し、
    前記加熱工程は、前記第2の温度に加熱された加熱ロールにより前記集電体を連続的に搬送しながら加熱する、
    請求項に記載の電極シート製造方法。
  3. 前記圧延工程は、前記第1の温度に調節された圧延ロールにより前記集電体を連続的に搬送しながら、前記集電体を前記第1の温度に冷却した状態で圧延し、
    前記加熱工程は、搬送ロールにより前記集電体を連続的に搬送しながら、前記第2の温度に加熱された加熱装置により前記集電体を加熱する、
    請求項に記載の電極シート製造方法。
  4. 前記第1の温度は、30℃以下の温度であり、
    前記第2の温度は、40℃以上の温度である、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の電極シート製造方法。
  5. 活物質層が片面又は両面に形成されたシート状の集電体を、第1の温度に冷却した状態で圧延する圧延工程と、
    前記圧延工程により圧延された前記集電体を、前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱する加熱工程と、を含み、
    前記圧延工程が行われてから前記加熱工程が行われるまでのインターバル時間は、30分以下の時間である、
    電極シート製造方法。
  6. 前記圧延工程が行われてから前記加熱工程が行われるまでのインターバル時間は、10秒以下の時間である、
    請求項に記載の電極シート製造方法。
  7. 前記活物質層は、天然黒鉛又は人造黒鉛を含む、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の電極シート製造方法。
  8. 前記活物質層に含まれる材料の総量を100質量部としたとき、前記活物質層は、前記天然黒鉛又は前記人造黒鉛を20質量部以上含む、
    請求項に記載の電極シート製造方法。
  9. 前記活物質層に含まれる材料の総量を100質量部としたとき、前記活物質層は、結着剤を1.5質量部以上含む、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の電極シート製造方法。
  10. 前記加熱工程により加熱された後の前記活物質層の密度は、1.60g/cm3以上である、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の電極シート製造方法。
  11. 前記集電体は、長尺帯状の金属箔であり、
    前記活物質層は、前記集電体の長尺方向に対して間欠的に形成されている、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電極シート製造方法。
  12. 活物質層が片面又は両面に形成されたシート状の集電体を、第1の温度に冷却した状態で圧延する圧延部と、
    前記圧延部により圧延された前記集電体を、前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱する加熱部と、を備え、
    前記集電体は、長尺帯状の金属箔であり、
    前記圧延部は、前記集電体を、前記集電体の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、前記集電体を前記第1の温度に冷却した状態で圧延し、
    前記加熱部は、前記圧延部により圧延された前記集電体を、前記集電体の長尺方向に沿って連続的に搬送しながら、前記第2の温度に加熱する、
    電極シート製造装置。
  13. 活物質層が片面又は両面に形成されたシート状の集電体を、第1の温度に冷却した状態で圧延する圧延部と、
    前記圧延部により圧延された前記集電体を、前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱する加熱部と、を備え、
    前記圧延部による前記集電体の圧延が行われてから前記加熱部による前記集電体の加熱が行われるまでのインターバル時間は、30分以下の時間である、
    電極シート製造装置。
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