JP3726472B2 - 自動車用ガラスアンテナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、AM放送帯(530〜1630kHz)、FM放送帯(76〜90MHz(日本))、FM放送帯(88〜108MHz(米国))等の受信に適する自動車用ガラスアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、共振を利用して感度を向上させる自動車用ガラスアンテナ装置として図2の自動車用ガラスアンテナ装置が提案されている(実公平4−53070)。この従来例では、自動車の後部窓ガラス板21にヒータ線22とバスバ15a、15b、15cからなるデフォッガ90を設けてバスバ15a、15bとデフォッガ90用の直流電源10との間にチョークコイル9を接続し、高周波帯域にてチョークコイル9のインピーダンスを大きくすることによって、直流電源10からデフォッガ90への直流電流は流すが放送周波数帯域等の高周波帯域の電流は遮断するようにし、デフォッガ90をアンテナとして利用している。
【0003】
また、AM放送帯においてデフォッガ90の対接地浮遊容量(以下、単に浮遊容量という)(65pF)とコイル71(150μH)とで並列共振させ、さらに、コイル72、コンデンサ73及び抵抗74とでAM放送帯の受信信号を通過させるようにしている。なお11はノイズカット用のコンデンサである。
図2の従来例では、このような構成を採ることにより、感度向上と低ノイズ化を図っている。
【0004】
しかし、この従来例では、大面積のデフォッガ90をアンテナとして使用しているため、例えば、サイド窓ガラス板等の小スペースの窓ガラス板にそのまま利用することができない問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術の前述の欠点の解消を目的とし、高感度の自動車用ガラスアンテナ装置を新規に提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直列共振用コイル、並列共振用コイル、自動車の窓ガラス板に設けられた第1のアンテナ導体及び該窓ガラス板に設けられた第2のアンテナ導体を備え、
第2のアンテナ導体のインピーダンスは主に30〜60pFの対接地浮遊容量からなり、
第1のアンテナ導体のインピーダンスと直列共振用コイルのインダクタンスとを共振要素として含む直列共振を生じさせており、
第2のアンテナ導体のインピーダンスと並列共振用コイルのインダクタンスとを共振要素として含む並列共振を生じさせており、
AM放送帯域を略中心周波数で低域及び高域の2つに分けて、低域で並列共振させ、高域で直列共振させるようにし、
第1のアンテナ導体と第2のアンテナ導体とが電気的に接続されており、
並列共振用コイルのインダクタンス値が1.8〜5.2mHの範囲内であることを特徴とする自動車用ガラスアンテナ装置を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は自動車のサイド窓ガラス板1を使用した本発明の自動車用ガラスアンテナ装置の一実施例の構成図である。図1において、1はサイド窓ガラス板、2aは第1のアンテナ導体、2bは第2のアンテナ導体、4a、4bは給電点、5は直流阻止用コンデンサ、6はバイパスコンデンサ、8は高周波チョークコイル、31は直列共振用コイル、32は並列共振用コイル、33、34、35はダンピング抵抗である。
【0008】
直流阻止用コンデンサ5、バイパスコンデンサ6、高周波チョークコイル8、ダンピング抵抗33、34、35は、必要に応じて設けられる。
高周波チョークコイル8が設けられず、高周波チョークコイル8の箇所を開放とする場合には、感度向上のために、第1のアンテナ導体2aと第2のアンテナ導体2bとは、相互に近接して容量結合していることが好ましい。容量結合されている場合には、容量結合されていない場合と比較して0.5dB以上、AM放送帯の感度が通常向上する。
【0009】
第1のアンテナ導体2aとアンテナ導体2bとが容量結合されるための両者間の距離は、通常0.1〜50mm程度である。容量結合された第1のアンテナ導体2aと第2のアンテナ導体2bとの間では直流電流の送受は行われないが受信信号電流の送受は行われる。
【0010】
本発明においては、2つの共振を起こして感度を向上させる。直列共振については、第1のアンテナ導体のインピーダンスと直列共振用コイルのインダクタンスとが共振要素として含まれる。
【0011】
第1のアンテナ導体2aのインピーダンスは主に浮遊容量からなり、第1のアンテナ導体2aのインピーダンスとは給電点4aから第1のアンテナ導体2a側を見たときのインピーダンスをいう。
【0012】
また、第1のアンテナ導体2aの浮遊容量と車体アースとの間に並列に容量成分を接続して直列共振の共振周波数を調整してもよい。この容量成分も直列共振の共振要素となりうる。
【0013】
また、直列共振には、直列共振用コイル31周辺の配線の浮遊容量、ガラスアンテナと受信機との間に接続されているケーブルの浮遊容量及び前記容量結合の近接容量も影響し、これらも直列共振の共振要素となりうる。直列共振用コイル31には通常10μH〜1mH程度のものが使用される。
【0014】
並列共振については、第2のアンテナ導体のインピーダンスと並列共振用コイル32のインダクタンスとが共振要素として含まれ、第2のアンテナ導体2bのインピーダンスは主に浮遊容量からなる。第2のアンテナ導体2bの浮遊容量は30〜60pFの範囲とする。小スペースの窓ガラス板に設けられるガラスアンテナの利用を目的とするからである。
【0015】
また、第2のアンテナ導体2bのインピーダンスとは給電点4bから第2のアンテナ導体2b側を見たときのインピーダンスをいう。また、この浮遊容量と車体アースとの間に並列に容量成分を接続して並列共振の共振周波数を調整してもよい。この容量成分も並列共振の共振要素となりうる。
【0016】
並列共振用コイル32のインダクタンス値の範囲は1.8〜5.2mHの範囲とされる。並列共振用コイル32のインダクタンス値が1.8mH以上の場合には、1.8mH未満の場合と比較してAM放送帯の最低周波数付近の感度が向上し好ましい。
【0017】
並列共振用コイル32のインダクタンス値が5.2mH以下の場合には、5.2mH超の場合と比較してAM放送帯の中央周波数付近の感度が向上し好ましい。
【0018】
また、並列共振には、並列共振用コイル32周辺の配線の浮遊容量及び上記近接容量も、並列共振の共振要素となりうる。なお、並列共振用コイル32が、FM放送周波数でインダクタンスを失う(すなわち、容量性の性質となる)場合には、受信信号が車体アースに漏れ、FM放送帯の感度が落ちる。これを防ぐために、並列共振用コイル32に高周波チョークコイル(不図示)を直列に接続してもよい。この高周波チョークコイルには通常0.1〜100μH程度が使用される。
【0019】
本発明において2つの共振を生じさせるのは、1つの共振のみでは幅広いAM放送帯域をカバーしきれないからである。したがって本発明ではAM放送帯域を略中心周波数で2つに分けて、それぞれを2つの共振で分担させ感度の平坦化を図る。ここで、感度の平坦化とは、AM放送帯等の帯域内で最高感度と最低感度との差を小さくすることをいう。
【0020】
第1のアンテナ導体2aと第2のアンテナ導体2bとを容量結合させる代わりに、第1のアンテナ導体3aと第2のアンテナ導体2bとの間に高周波チョークコイル8を接続してもよい。高周波チョークコイル8のインピーダンスはAM放送帯において通常数kΩ以下となり、第1のアンテナ導体2aと第2のアンテナ導体2bとを電気的に接続し、第2のアンテナ導体2bに励起するAM放送の受信信号を受信機に送る。
【0021】
一方、FM放送帯おいては、高周波チョークコイル8のインピーダンスは通常数kΩ超となって第1のアンテナ導体2aと第2のアンテナ導体2bとの間をハイインピーダンスにし、第1のアンテナ導体2aに励起するFM放送の受信信号が直列共振コイル32を介して車体アースに漏れることを防ぐ。高周波チョークコイル8は0.5〜100μHのものが通常使用される。
【0022】
バイパスコンデンサ6は、FM放送帯の受信信号を通過させて、受信機側に送る機能を有する。バイパスコンデンサ6には通常1〜1000pFが使用される。直流阻止用コンデンサ5は通常100pF〜50μFが使用される。
【0023】
前述した通り、図1において、コンデンサ5、6、抵抗33、34、35は必要に応じて設けられ、省略でき、ここで、コンデンサ6、抵抗34、35の省略とは開放とすることであり、コンデンサ5、抵抗33の省略とは短絡とすることである。
【0024】
図4は図1とは別タイプの本発明の自動車用ガラスアンテナ装置の実施例の構成図であり、高周波チョークコイル8、抵抗33を省略する場合の構成を示している。
【0025】
【実施例】
「例1(実施例)」
自動車のサイド窓ガラス板を使用し、図4に示すようなガラスアンテナ装置を製作した。サイド窓ガラス板の寸法は500(縦)×600(横、最大長)mmであった。各回路定数は以下のとおりである。
【0026】
直列共振用コイル31 =180μH、
並列共振用コイル32 =2.0mH、
コンデンサ5 =1000pF、
バイパスコンデンサ6 =10pF、
抵抗34 =4.7kΩ、
抵抗35 =4.7kΩ。
【0027】
また、第1のアンテナ導体3aと第2のアンテナ導体3bとの最短の間隔は10mmとし、両者を容量結合させた。図3はAM放送帯感度の周波数特性図である。また、FM放送については、長さ910mmのポールアンテナより感度は低かったが、2dB以内であった。
【0028】
「例2(実施例)」
並列共振用コイル32のインダクタンスの値を2.5mHとする以外は、例1とまったく同様の仕様で図4に示すようなガラスアンテナ装置を製作した。図3にAM放送帯の感度の周波数特性を示す。また、FM放送については、長さ910mmのポールアンテナより感度は低かったが、2dB以内であった。
【0029】
「例3(実施例)」
並列共振用コイル32のインダクタンスの値を5.0mmHとする以外は、例1とまったく同様の仕様で図4に示すようなガラスアンテナ装置を製作した。図3にAM放送帯の感度の周波数特性を示す。また、FM放送については、長さ910mmのポールアンテナより感度は低かったが、2dB以内であった。
【0030】
「例4(比較例)」
並列共振用コイル32のインダクタンスの値を1.5mHとする以外は、例1とまったく同様の仕様で図4に示すようなガラスアンテナ装置を製作した。図3にAM放送帯の感度の周波数特性を示す。
【0031】
「例5(比較例)」
並列共振用コイル32のインダクタンスの値を6.0mHとする以外は、例1とまったく同様の仕様で図4に示すようなガラスアンテナ装置を製作した。図3にAM放送帯の感度の周波数特性を示す。
【0032】
【発明の効果】
本発明では、AM放送を高感度に受信でき、かつ、FM放送もポールアンテナとほぼ同程度の感度で受信でき、小スペースの窓ガラス板に設けられるガラスアンテナを有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用ガラスアンテナ装置の一実施例の構成図
【図2】従来例の構成図
【図3】例1、2のAM放送帯の感度の周波数特性図
【図4】別タイプの実施例の構成図
【符号の説明】
1:サイド窓ガラス板
2a:第1のアンテナ導体
2b:第2のアンテナ導体
4a、4b:給電点
5:直流阻止用コンデンサ
6:バイパスコンデンサ
8:高周波チョークコイル
31:直列共振用コイル
32:並列共振用コイル
33、34、35:ダンピング抵抗
Claims (1)
- 直列共振用コイル、並列共振用コイル、自動車の窓ガラス板に設けられた第1のアンテナ導体及び該窓ガラス板に設けられた第2のアンテナ導体を備え、
第2のアンテナ導体のインピーダンスは主に30〜60pFの対接地浮遊容量からなり、
第1のアンテナ導体のインピーダンスと直列共振用コイルのインダクタンスとを共振要素として含む直列共振を生じさせており、
第2のアンテナ導体のインピーダンスと並列共振用コイルのインダクタンスとを共振要素として含む並列共振を生じさせており、
AM放送帯域を略中心周波数で低域及び高域の2つに分けて、低域で並列共振させ、高域で直列共振させるようにし、
第1のアンテナ導体と第2のアンテナ導体とが電気的に接続されており、
並列共振用コイルのインダクタンス値が1.8〜5.2mHの範囲内であることを特徴とする自動車用ガラスアンテナ装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03930898A JP3726472B2 (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 自動車用ガラスアンテナ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03930898A JP3726472B2 (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 自動車用ガラスアンテナ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11239014A JPH11239014A (ja) | 1999-08-31 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3726472B2 (ja) |
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1998
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