JP3168556B2 - 自動車用ガラスアンテナ装置 - Google Patents

自動車用ガラスアンテナ装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ノイズ低減が図られた自動車用ガラスアン
テナ装置に関する。
[従来技術] 自動車のラジオ用のアンテナとしては、ロッドアンテ
ナ又はリッドアンテナに代わるものとして、自動車の後
部窓用のガラス板の表面又は内部に、AM用、FM用、又は
AM・FM兼用のアンテナ導体を設けたガラスアンテナが広
く普及している。
このガラスアンテナはロッドアンテナ又はリッドアン
テナのように外部に突出していないため、危害を与える
ことが少ないとともに折られたりすることがなく、錆び
たりすることがないので性能の変化が少なく、また、自
動車の外観のデザインを良好にするという利点がある。
このガラスアンテナは、ガラス板に設けられているア
ンテナ導体のパターンを所望の性能が得られるようにパ
ターンを設計することで、アンテナゲインを高めること
ができるが、自動車窓用のガラスアンテナの場合、ガラ
ス板の面積が充分に広くないため、アンテナ導体と自動
車の車体間の距離が狭くならざるを得ず、そのためアン
テナ導体からのリーク電流が多くなり、アンテナゲイン
が不十分となる傾向がある。
また、自動車の後部窓用の場合、通常窓ガラス板に曇
り除去用の通電加熱式のデフォッガーが所定パターンの
アンテナ導体と一緒に設けられているため、特にヒータ
ーとアンテナ導体が近接している場合には、この曇り除
去用通電加熱式のデフォッガーの給電部分を通じて自動
車の車体へアースされ、ゲイン損失が生じる。そのた
め、ゲイン損失を防ぐ目的でチョークコイルを曇り除去
用の通電加熱式のデフォッガーの給電端子の好適な部位
に装着することも行なわれているが、かかるチョークコ
イルを用いた自動車用ガラスアンテナの場合、チョーク
コイルが高周波通電阻止機能を充分持たないので、アン
テナゲインが低くなるという傾向がある。
従来のガラスアンテナにおいては、上記したようなア
ンテナゲインの損失を補償するため、第8図のようにア
ンテナ導体6の給電端子11とラジオ受信機12との間の給
電線の好適な部位に前置増幅器31を挿入することが行な
われていた。しかし、前置増幅器挿入のため、強電界中
においては混変調などが発生し、ノイズが高くなるとい
う問題点があった。また、この方式の場合にはラジオ受
信機とは別に前置増幅器を設置する必要があるため、か
なり高価となるという問題点や、ガラスアンテナの近傍
に前置増幅器を設置することは、前置増幅器用のスペー
ス確保等で自動車の設計上の制約条件を与えるという問
題点があった。
したがって、このような前置増幅器を必要とせず、し
かも高利得で低ノイズの自動車用ガラスアンテナの開発
が望まれていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、従来技術が有していた問題点を解消し、高
価な前置増幅器を必要とせず、かつ高利得で、低ノイズ
の自動車用ガラスアンテナ装置を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明は前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、自動車の後部窓ガラス板に、ヒーター線と該ヒータ
ー線に給電するバスバーとを有する通電加熱式のデフォ
ッガーと、アンテナ導体とが設けられ、デフォッガーと
直流電源との間にリアクタンス回路が接続されている自
動車用ガラスアンテナ装置において、デフォッガーとア
ンテナ導体とをそれらの一部において、両者間で直流電
流の送受は行なわれないが高周波電流の送受は行なわれ
るように所定間隔をおいて近接させて、アンテナ導体と
デフォッガーとの容量結合部分が50〜10,000pFになるよ
うに容量結合させるとともに、リアクタンス回路と、デ
フォッガーと後部窓開口部との間の静電容量とによって
反共振するようにし、かつ、アンテナ導体の給電端子と
受信機との間にインピーダンス調整用のマッチング回路
が挿入接続されており、マッチング回路がコンデンサ、
コイル及び抵抗の並列接続回路を備えていることを特徴
とする自動車用ガラスアンテナ装置を提供する。
これら技術手段によって、デフォッガーに接続される
リアクタンス回路としてチョークコイルを使用し、この
コイルとデフォッガー・後部窓用車体開口部間の浮遊容
量とによって起きる反共振の周波数を所望の放送周波数
帯域の中心に設定することが最適である。
また、アンテナ導体の給電端子と受信機との間に挿入
されるマッチング回路は、コイル、コンデンサ及び抵抗
によって構成され、所望の放送周波数帯域にわたってイ
ンピーダンスがほぼ一定となるようにされたリアクタン
ス回路からなり、受信機の入力端から見たアンテナ導
体、アンテナとしての機能部及びアンテナフィーダー線
の部分の上記所望の放送周波数帯域におけるアンテナイ
ンピーダンスを若干容量性リアクタンスとなるように設
定するのが最適である。
以下、本発明を図面に従って、さらに詳細に説明す
る。
第1図において、1は乗用自動車の後部窓用の透明な
ガラス板であり、このガラス板1の内側面の被加熱領域
には多数本のヒーター線2と、該ヒーター線2の群の両
端に接続される対向したバスバー3、3′とを有する通
電加熱式のデフォッガー4が設けられており、該デフォ
ッガー4のバスバー3、3′にはデフォッガーリード線
5、5′が接続されている。
第2図に示したデフォッガー4はデフォッガー4の両
側のバスバーの一方、例えば片側のバスバー、を所望の
ところから上下に2つに分割し、下側部バスバー3′
a、上側部バスバー3′bを設け、この下側部バスバー
3′aには直流電源7側のデフォッガーリード線5を接
続し、上側部バスバー3′bにはアース側のデフォッガ
ーリード線5′を接続して給電された電流が下側部バス
バー3′aからバスバー3を通ってバスバー上側部3′
bへとコの字状に流れるようにしたものである。
図示したデフォッガーの例は、ガラス板の横方向に線
幅0.5〜2mmの細い通電加熱ヒーター線を多数本ほぼ平行
に2〜4cmの間隔をおいて、導電性銀ペーストをガラス
板の車内側表面にプリントし、焼付けて形成した通電加
熱式のデフォッガーである。
6は、自動車の後部窓用ガラス板1の上記デフォッガ
ー4の上部に設けられたAM・FM兼用又はFM用のアンテナ
導体である。第1、2、4、5図においては、このアン
テナ導体6とデフォッガー4の一部の両者近接する部分
であるアンテナ導体6a部とデフォッガー4a部とは、A部
分にて容量結合され、両者間で直流電流の送受は行なわ
れないが高周波電流の送受は行なわれるように、所定間
隔をおいて近接されている。このアンテナ導体6a部とデ
フォッガー4a部とは、例えば1mm〜10mm程度の間隔をお
いて離間されている。
デフォッガー4はアンテナ導体6との容量結合によっ
て見かけ上、アンテナの一部として機能するようにな
る。特にラジオ放送のAM帯に対しては、デフォッガー4
もAM帯用アンテナの一部として機能し、AM帯用アンテナ
の実効長が長くなり、受信電波を多く受けられ、感度が
上昇する。
上記したように、デフォッガー4とアンテナ導体6と
は、その一部において容量結合されるようにするため、
デフォッガー4とアンテナ導体6とは、後部窓用ガラス
板と同一面、通常においては室内側面に形成するのが最
適である。アンテナ導体6のパターンとしては、自動車
の形状、ガラス板の形状、寸法、構成などによりAM帯ラ
ジオ放送用、FM帯ラジオ放送用、AM帯・FM帯の両ラジオ
放送兼用、又はテレビその他の放送等用のアンテナとし
て最適な性能が得られるパターンが適宜選択、設計され
る。
図示した例では、自動車の後部窓用ガラス板1のデフ
ォッガー4の上部にアンテナ導体6を設けているが、こ
れに限られず、デフォッガー4の下部に設けてもよく、
デフォッガー4の上下部に夫々設けてもよく、その他の
余白部に設けてもよい。
また、アンテナ導体6としては前述したデフォッガー
のヒーター線と同様に、ガラス板面に導電性銀ペースト
を所定のパターンにプリントして焼付けた線条のプリン
トタイプのものが最も一般的であるが、これに限られ
ず、所定パターンの透明電導膜や極細電導性ワイヤから
なるアンテナ導体であってもよい。
そして、本発明においては、直流電源7とデフォッガ
ーリード線5、5′との間に、直流電源7からデフォッ
ガー4への電流は流すがラジオ放送周波数帯域等の高周
波帯域の電流は遮断するようにリアクタンス回路モジュ
ール8が挿入される。
リアクタンス回路モジュール8によりデフォッガー4
のヒーター線2とバスバー3、3′とを高周波的に浮か
すことができ、ヒーター線2及びバスバー3、3′に誘
起されたラジオ放送等の高周波帯域の電波による電流が
アースへ流れるのを防止でき、誘起された電流を漏れな
くラジオ受信機に送ることができる。
リアクタンス回路モジュール8内の9は高周波用のチ
ョークコイルであり、ラジオ放送帯等の高周波帯におい
て高インピーダンスとなり、また磁気残留防止となる特
性を有するもの、例えば、磁気コアにバイファイラー巻
をした高周波チョークコイル、又は、閉磁路からの電流
によって生じるコイルの磁束を互いに打ち消す方向に巻
かれている高周波チョークコイル、又は、磁気飽和度の
高いコアを用いる高周波チョークコイル、などが使用さ
れる。
リアクタンス回路モジュール8内のコンデンサ10はラ
ジオ放送帯等の高周波帯において周波数成分の高い雑音
性の電流に対しては電気的に短絡するものである。
また、本発明の一態様においては、アンテナ導体6の
給電端子11とラジオ等の受信機12との間の経路の所望の
位置にマッチング回路13が挿入され、アンテナ導体6に
誘起された高周波電流はマッチング回路13によってイン
ピーダンスが受信機12のインピーダンスと一致ないしは
近似するように制御され、受信機12へ送られるようにさ
れる。
このマッチング回路13は、基本的にはコイル14、コン
デンサ15、コイル16及び抵抗17の各素子により構成され
た回路よりなり、所望の放送周波数帯域にわたってイン
ピーダンスがほぼ一定となるように、かつ受信機の入力
端から見たアンテナ導体6及びアンテナとしての機能
部、すなわち、アンテナ導体6と近接し、容量結合によ
って、アンテナとしても機能するデフォッガー4及び受
信機の入力端までのアンテナフィーダー線のそれぞれを
合わせた部分の上記所望の放送周波数帯域におけるアン
テナインピーダンスを若干容量性リアクタンスとなるよ
うに、各素子の特性値が選択される。これによって受信
機12とアンテナ全体とのインピーダンスのマッチングを
とり、効率のよいアンテナシステムを得ることができ
る。
また、アンテナ導体6及びデフォッガー4は通常導電
性銀ペーストをガラス板面にプリント印刷し、焼付ける
ことによって形成されたものが用いられる。しかし、こ
の場合隣接するアンテナ導体6a部とデフォッガー4a部と
の間において、プリントされた銀のマイグレーション等
が起こり、両者が短絡する危険性があり、受信機12に大
電流が流れてしまうので、これを防ぐために、アンテナ
導体6の給電端子11とマッチング回路13との間に直流阻
止用のコンデンサ18を挿入してもよい。
本発明の自動車用ガラスアンテナ装置、特にAMラジオ
放送受信用の乗用自動車の後部窓用の自動車用ガラスア
ンテナ装置の一態様のマッチング回路において、コンデ
ンサ18は560pF〜1μF、コイル14は82〜560μH、コン
デンサ15は10〜470pF、コイル16は82〜560μH、抵抗17
は200Ω〜3KΩとするのが好ましい。また、デフォッガ
ーに接続されるチョークコイルは0.2〜2μHとするの
が好ましく、アンテナ導体6a部とデフォッガー4a部との
容量結合部分Aは50〜10,000pFとする。また、アンテナ
導体6の給電端子11と受信機12の入力端との間のアンテ
ナケーブル部分は、高周波電流が有効に伝送されるよう
にするのが好ましい。
勿論、これら値は代表的なものについて例示したもの
であり、対象とする自動車用ガラスアンテナ装置に応じ
て最適な性能が得られるように変更できる。
なお、デフォッガー4の直流電源7側のバスバー3′
aの給電端子及びアース側のバスバー3′bの給電端子
から見た車体との浮遊容量は、一般に10〜100pFであ
る。
このチョークコイル9は例えばバイファイラー巻きの
フェライト・コアを使用したトロイダルコイルが適して
いるが、自己共振周波数が1442KHz又はAM周波数帯の搬
送周波数の上限値以上であり、電流飽和を生じなければ
使用できる。チョークコイル9のクォリティ・ファクタ
(Q値)の調整はチョークコイル9の線径と巻き数によ
って選択できるが、チョークコイル9と直列に抵抗を入
れて調整してもよい。また、コンデンサ10は5μF程度
のフィルムコンデンサが適している。また、AM用ラジオ
受信機30の入力インピーダンスは20〜300Ωと種々ある
が、なるべく高インピーダンスが望ましい。
上記したアンテナ装置は、広帯域にわたって、AMラジ
オ放送を前置増幅器なしで受信可能な自動車用広帯域AM
ガラスアンテナ装置である。アンテナからの白色雑音の
発生は、アンテナインピーダンスの純抵抗分によって内
部発生する場合と、外部からの混入の場合がある。一般
に、雑音エネルギーは純抵抗に比例することが知られて
いる。本発明では、アンテナインピーダンスは低いた
め、低ノイズアンテナといえる。さらに、チョークコイ
ル9とコンデンサ10によって構成されるフィルターによ
り、直流電源7からの雑音を防止できる。したがって、
リアクタンス回路モジュール8はなるべくアンテナ近傍
に設置することが望ましい。
[作用] 本発明の自動車用ガラスアンテナ装置において、リア
クタンス回路モジュール8のチョークコイル9と、デフ
ォッガー4と後部窓開口部19との間の静電容量によって
反共振現象を作り、所望の放送周波数帯域の低周波側の
周波数f1と、高周波側の周波数f2との間の中心値f0が反
共振周波数となるように設定する。例えばAM放送周波数
帯においてはf1≒500KHzとf2≒1500KHzの間の中心値f0
≒1000KHzが反共振周波数となるように設定すれば、第
3図の(a)のようにf0でデフォッガー4、すなわちヒ
ーター線2とバスバーの導電性材料によって形成される
デフォッガー4のインピーダンスが最大となる。
すなわち、デフォッガー4から車体側の後部窓開口部
19への漏れ電流が最小となって、到来放送電波によって
デフォッガー4に誘起された高周波電流が車体側に流れ
て感度が低下するのを防止できる。
また、デフォッガー4とアンテナ導体6とは、近接し
たアンテナ導体6a部とデフォッガー4a部との間の容量結
合によって所望の放送周波数帯域において、高周波的に
接続された状態となるので、デフォッガー4もアンテナ
として機能するようになり、給電端子11から見たアンテ
ナ導体及びアンテナとしても機能するデフォッガー4の
アンテナ部分のインピーダンスを高くすることができ
る。また、チョークコイル9と、デフォッガーと後部窓
開口部19との間の浮遊容量とによるQ値を最適な値とす
ることにより、かつ、第3図の(b)のようにこの給電
端子11から見たインピーダンスと受信機入力インピーダ
ンスの比を1に近づけることにより、アンテナから受信
機への電力効率を良好にすることができ、アンテナに生
じた到来電波による誘起電流を漏れなく受信機側に送れ
る。
また、アンテナ導体6の給電端子11と受信機12との間
に第1、2、4、5図に示されるようなコイル14、コン
デンサ15、コイル16及び抵抗17の各素子により構成され
たリアクタンス回路を有するマッチング回路13が挿入さ
れる。このリアクタンス回路において、このインピーダ
ンスはコンデンサ15とコイル16による反共振周波数を上
記したような所望の放送周波数帯域の中心値であるf0
設定し、かつ抵抗17をコンデンサ15とコイル16と並列に
挿入してQ値を最適な範囲とすることによって、所望の
放送周波数帯において第3図の(c)のようになだらか
なものとすることができ、各周波数帯において高い受信
感度を得ることができる。
さらに、並列に挿入されたコンデンサ15、コイル16及
び抵抗17から構成される共振回路に直列にコイル14を接
続することによって、所望の放送周波数帯の中心値f0
高周波側の周波数の上限f2の領域における容量性リアク
タンスを打ち消し、より平坦な誘電性リアクタンスを持
つようにすることができる。このように、受信機12の入
力側からアンテナを見たインピーダンスが若干容量性リ
アクタンスを持つことによって、ローパスフィルター
(Low Pass Filter)の役割を与え、雑音を吸収でき
るようになり、低ノイズアンテナを得ることができる。
第3図の(d)は、本発明により得られたガラスアン
テナ装置の受信機の入力端の所望の放送周波数帯におけ
る電圧特性を示した図であり、この図から見られるよう
に上記帯域でなだからなアンテナ特性が得られる。
[実施例] 第2図に示した本発明の自動車用ガラスアンテナ装置
において、コンデンサ18は1000pF、コイル14は220μ
H、コンデンサ15は270pF、コイル16は270μH、抵抗17
は1KΩ、アンテナ導体6a部とデフォッガー4a部との容量
結合部分は100pF、チョークコイル9は200μH、コンデ
ンサ10は2μF、アンテナ導体6の給電端子11と受信機
の入力端12との間のアンテナケーブル部分は30pF/mのも
のをそれぞれ用いたとき、このガラスアンテナ装置のAM
放送帯に対するアンテナゲイン及びS/N比の特性は第
6、7図のようになり、高利得、低ノイズのAM用ガラス
アンテナ装置が得られた。
第4図は第2図に示した本発明に係る自動車用ガラス
アンテナ装置を変更した例である。第4図において、コ
イル20はFM放送用前置増幅器21を通るFM周波数帯におい
て、共振せず信号を遮断させるものであり、コイル20は
その周波数帯の中心に自己共振周波数を持つものであ
る。FM放送用前置増幅器21及びマッチング回路22から出
された信号は同軸ケーブル23を経て受信機モジュール24
に伝達される。同軸ケーブル23のキャパシタンスは小さ
い程、ふさわしく、50pF/m〜200pF/mが好ましい。分波
回路25にはAM及びFMが混在した信号が伝達されてくる。
これを分波回路25を利用してAM用ラジオ受信機30、FM用
ラジオ受信機26に各々、分波して入力される。
第5図は第2図を変更した例である。アンテナ導体6
はAM−FMアンテナと兼用であるので、リアクタンス回路
27において、FM周波数帯においてはコンデンサ28、15、
18によって受信信号は通過するが、AM周波数帯において
は、マッチング回路となる。前置増幅器29はAM帯域では
通過するが、FM帯域では増幅されるものである。したが
って、リアクタンス回路27及び前置増幅器29を通る信号
はAM・FM両方である。
上記したマッチング回路13、22又はリアクタンス回路
27はガラス板1面上、又はガラス板1に近接して実装で
きる。
[発明の効果] 本発明によれば、前置増幅器なしで、高利得、低ノイ
ズの受信性能の高い自動車用ガラスアンテナ装置を提供
できる。特に、本発明によれば、AMラジオ放送を高利
得、低ノイズで受信でき、有用である。同様に、本発明
はFMラジオ放送、その他の放送波に対しても同様に適用
できる。
したがって、前置増幅器を除くことができ、コストダ
ウンが図れる。また、従来においてはガラスアンテナ近
傍に前置増幅器を設置しなくてはらず、それによって自
動車の設計上の制約条件があったが、本発明によれば、
簡素なマッチング回路を装着するだけで済むので、上記
制約条件を解消できる。
【図面の簡単な説明】
第1、2、4、5図は、本発明に係る自動車用ガラスア
ンテナ装置の全体を説明する概略図である。 第3図は、本発明に係る自動車用ガラスアンテナ装置の
電気特性図である。 第6、7図は、本発明に係る自動車用ガラスアンテナ装
置の実施例の特性図である。 第8図は、従来例に係る自動車用ガラスアンテナ装置の
全体を説明する概略図である。 1;ガラス板、 2;ヒーター線、 3、3′、3′a、3′b;バスバー、 4;デフォッガー、 5、5′;デフォッガーリード線、 6;アンテナ導体、 7;直流電源、 8;リアクタンス回路モジュール、 9;チョークコイル、 10;高周波短絡用のコンデンサ、 11;アンテナ導体の給電端子、 12;受信機、 13、22;マッチング回路、 14;コイル、 15;コンデンサ、 16;コイル、 17;Q値制御用の抵抗、 18;直流防止用コンデンサ、 19;自動車車体の後部窓開口部、 20;FM放送波帯遮断用のコイル、 21;FM放送用前置増幅器、 23;アンテナ用の同軸ケーブル、 24;受信機モジュール、 25;AM及びFM放送波の分波回路、 26;FM用ラジオ受信機、 27;リアクタンス回路、 28;FM受信波に対するバイパス用のコンデンサ、 29;前置増幅器、 30;AM用ラジオ受信機、 31;前置増幅器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 佐藤 秀一 審判官 武井 袈裟彦 審判官 山本 春樹 (56)参考文献 特開 昭58−196702(JP,A) 特開 昭52−64257(JP,A) 特開 昭62−53524(JP,A) 特開 昭63−131704(JP,A) 実開 昭64−13821(JP,U) 実開 昭54−1346(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の後部窓ガラス板に、ヒーター線と
    該ヒーター線に給電するバスバーとを有する通電加熱式
    のデフォッガーと、アンテナ導体とが設けられ、デフォ
    ッガーと直流電源との間にリアクタンス回路が接続され
    ている自動車用ガラスアンテナ装置において、 デフォッガーとアンテナ導体とをそれらの一部におい
    て、両者間で直流電流の送受は行なわれないが高周波電
    流の送受は行なわれるように所定間隔をおいて近接させ
    て、アンテナ導体とデフォッガーとの容量結合部分が50
    〜10,000pFになるように容量結合させるとともに、 リアクタンス回路と、デフォッガーと後部窓開口部との
    間の静電容量とによって反共振するようにし、 かつ、アンテナ導体の給電端子と受信機との間にインピ
    ーダンス調整用のマッチング回路が挿入接続されてお
    り、 マッチング回路がコンデンサ、コイル及び抵抗の並列接
    続回路を備えていることを特徴とする自動車用ガラスア
    ンテナ装置。
  2. 【請求項2】リアクタンス回路がチョークコイルを含
    み、チョークコイルにより反共振を起こさせる請求項1
    に記載の自動車用ガラスアンテナ装置。
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