JP3235347B2 - 自動車用ガラスアンテナ - Google Patents

自動車用ガラスアンテナ

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JP3235347B2 JP14632594A JP14632594A JP3235347B2 JP 3235347 B2 JP3235347 B2 JP 3235347B2 JP 14632594 A JP14632594 A JP 14632594A JP 14632594 A JP14632594 A JP 14632594A JP 3235347 B2 JP3235347 B2 JP 3235347B2
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隆洋 力武
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の窓ガラスに、
電源回路にインダクタ部品を具備するデフォガとアンテ
ナ導体を設けたラジオ放送を受信する自動車用ガラスア
ンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のラジオアンテナとしては、ロッ
ドアンテナあるいはホイップアンテナに代わるものとし
て、自動車窓用ガラス板の室内表面にAM用、またはF
M用、またはAM−FM兼用のアンテナ導体を設けたガ
ラスアンテナが広く普及している。このガラスアンテナ
は外部に突出していないため、危険を与えることが少な
いとともに折られたりすることがなく、また錆びたりす
ることがないので性能の変化が少なく、また、自動車の
外観デザインを良好にするという利点を有している。
【0003】この従来の自動車ガラスアンテナを図7,
図8により説明する。同図において、1は自動車後部窓
用のガラス板、20はアンテナ導体、3はデフォガ、
4,4a,4bはバスバー、5はアンテナ導体20の給
電点、6,6aはリード線、7はラジオ受信機、8はリ
ード線、9は前置増幅器、10はチョークコイル、11
はマッチング回路、12はAM帯用チョークコイル、1
3はFM帯用チョークコイル、14は自動車のボディ
(アース)、15は電源、C1はデフォガ3と自動車の
ボディ14との間に存在する容量、C3はアンテナ導体
20と自動車のボディ14との間に存在する容量を示し
ている。
【0004】図7の自動車用ガラスアンテナは、自動車
の後部窓用のガラス板1の通電加熱方式のデフォガ3の
上方に近接させてアンテナ導体20を設け、両者が近接
しているデフォガ近接部3aとアンテナ導体近接部20
aを容量結合するようにし、通電加熱方式のデフォガ3
のリード線6,6aにチョークコイル10を挿入し、電
源15からの電流は通すが、高周波的に絶縁してラジオ
放送等の高周波電流は自動車のボディ(アース)14へ
流れないようにし、誘起された電流が漏れなくラジオ受
信機7へ送られるとするとともに、アンテナ・ゲインの
損失を補償するため、アンテナ導体の給電点5とラジオ
受信機7との間のリード線8の良好な部位に前置増幅器
9を挿入し、AMおよびFMラジオ放送受信を行うもの
である。
【0005】図8の自動車用ガラスアンテナは、自動車
後部窓用のガラス板1の通電加熱方式のデフォガ近接部
3aとアンテナ導体近接部20aを両者間で所定間隔を
おいて近接させて容量結合するように設け、通電加熱方
式のデフォガ3のリード線6,6aにAM帯用チョーク
コイル12およびFM帯用チョークコイル13を挿入し
電源15からの電流は通すが、高周波的に絶縁してラジ
オ放送等の高周波電流は自動車のボディ(アース)14
へ流れないようにしている。さらに、アンテナ導体の給
電点5とラジオ受信機7との間のリード線8の所望の位
置に、基本的にコイル,コンデンサ各素子からなる二端
子網回路であるマッチング回路11を挿入している。
【0006】そして、FM,AMそれぞれの放送周波数
帯域の対数尺度でみた中心周波数よりも低域でアンテナ
導体20、デフォガ3、車のボディ14のそれぞれが相
互に形成する主に容量からなるバスバーのリード接続部
4a,4bからみたインピーダンスとAM帯用チョーク
コイル12およびFM帯用チョークコイル13のインピ
ーダンスによって反共振させるようにし、上記反共振に
係るQの共振特性が比較的平坦になるように設定し、か
つFM,AMそれぞれの放送周波数帯域の対数尺度でみ
た中心周波数よりも高域で、マッチング回路11のイン
ピーダンスとラジオ受信機7の入力インピーダンスとマ
ッチング回路11からアンテナ導体20側をみたインピ
ーダンスとによって共振させるようにし、上記共振に係
るQの共振特性が比較的平坦になるように設定し、上記
放送帯域の全域に渡ってアンテナ利得を確保し、AMお
よびFMラジオ放送受信を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図7に示
す従来の自動車用ガラスアンテナでは、アンテナ利得
(S)を確保するための前置増幅器9を挿入するため、
電源15からのノイズ(N)も同時に増幅し、結局、ラ
ジオ受信感度(S/N比)が悪化するという問題があ
る。
【0008】また、図8に示す従来の自動車用ガラスア
ンテナでも、電源15からのノイズ(N)も同時に大き
くなる傾向を示し、ラジオ受信感度(S/N比)は充分
な優位性が得られないという問題がある。これは、アン
テナ利得(S)を確保するために反共振,共振を用い、
自動車のボディ(アース)14に対してガラスアンテナ
のインピーダンスを持ち上げるため、電源15からのノ
イズ(N)も同時にガラスアンテナに誘起し易くなるか
らである。
【0009】従って、高アンテナ利得(S)が確保で
き、かつ低ノイズ(N)の自動車用ガラスアンテナの開
発が望まれていた。
【0010】本発明は上記のような問題点を解決するも
のであり、特にAMラジオ受信に対して高アンテナ利得
(S)で低ノイズ(N)の自動車用ガラスアンテナを提
供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の自動車用ガラスアンテナは、自動車の窓ガラ
スと、この窓ガラスに形成された通電加熱されるデフォ
ガと、上記窓ガラスに形成された一端が直接または間接
的にラジオ受信機に接続されたアンテナ導体と、一方が
上記デフォガの一端に接続され、他方が自動車のボディ
に接地されるインダクタ部品とからなり、上記デフォガ
と自動車のボディ間の容量C1とアンテナ導体と自動車
のボディ間の容量C2の割合をC2/C1=30%以下に
なるようにしたものである。
【0012】
【作用】この構成によって、従来の自動車用ガラスアン
テナが有する利点は全て確保しながら、AMラジオ受信
感度(S/N比)特性に大きく影響を及ぼすデフォガと
自動車のボディ間の容量値とアンテナ導体と自動車のボ
ディ間の容量値の関係を最適化した結果、高アンテナ利
得(S)で低ノイズ(N)の自動車用ガラスアンテナを
提供できるものである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の自動車用ガラスアンテナの一
実施例を図1,図2により説明する。なお、従来技術と
同一部分には同一番号を付して説明する。
【0014】同図によると、2はアンテナ導体、16は
ヒータ線、C2はアンテナ導体2と自動車のボディ14
との間に存在する容量である。
【0015】以下同図により構成を説明すると、自動車
用ガラスアンテナ両方とも自動車の後部窓用のガラス板
1に多数本のヒータ線16と、このヒータ線16の群の
両端に接続される対向したバスバー4,4a,4bとを
有する通電加熱方式のデフォガ3が設けられており、バ
スバー4a,4bにはリード線6,6aが接続されてい
る。このデフォガ3は、ガラス板1の横方向に細い通電
加熱ヒータ線16を多数本ほぼ平行に間隔をおいて、導
電性銀ペーストをガラス板1の車内側表面にプリント
し、焼き付けて形成した通電加熱方式のものであり、デ
フォガ3の両側のバスバー4の一方、例えば片側のバス
バーを所望のところから上下に4a,4bに2分割し、
一方4aに電源15側のリード線6を接続し、もう一方
4bにアース14側のリード線6aを接続して電源15
からの電流をコの字状に流れるようにしたものである。
【0016】なお、上記デフォガのように上下に2分割
せず左右に1つずつバスバーを設け、一方に電源側のリ
ード線を接続し、もう一方にアース側のリード線を接続
して電源からの電流を一方方向に流れるようにしてもよ
い。
【0017】2は、自動車の後部窓用のガラス板1の上
記デフォガ3の上部に設けられたアンテナ導体であり、
このアンテナ導体2とデフォガ3の一部の両者近接する
部分であるアンテナ導体近接部2aとデフォガ近接部3
aとは、容量結合され、両者間で直流電流の送受は行わ
れないが、高周波電流の送受は行われるように所定間隔
をおいて近接している。
【0018】アンテナ導体2はデフォガ3との容量結合
によってみかけ上、デフォガ3の一部として機能するよ
うになる。特にラジオ放送のAM帯に対しては、デフォ
ガ3もAM帯用アンテナの一部として機能し、AM帯用
アンテナの実効長が長くなり、受信波を多く受けられ、
感度が上昇する。しかしながら、電源15からデフォガ
3に伝わったノイズ成分も同時に、デフォガ3から容量
結合を通してアンテナ導体2に流れ込むため、アンテナ
導体近接部2aとデフォガ近接部3aとは、例えば1mm
〜10mmの間隔をおいて適切な容量となるように離間し
ている。
【0019】なお、図1,図2の実施例においては、自
動車の後部窓用のガラス板1のデフォガ3の上部にアン
テナ導体2を設けているが、容量結合していれば、これ
に限らずデフォガ3の上下部に夫々設けてもよいし、あ
るいはその他の余白部に設けてもよい。また、アンテナ
導体2としては前述したデフォガのヒータ線と同様に、
ガラス板面に導電性銀ペーストを所定のパターンにプリ
ントして焼き付けた線条のプリントタイプのものが一般
的であるが、これに限らず透明導電膜や極細導電性ワイ
ヤーからなるアンテナ導体であってもよい。
【0020】さらに、上記デフォガ3と自動車のボディ
14間の容量C1とアンテナ導体2と自動車のボディ1
4間の容量C2の比率はC2/C1=30%以下になるよ
うに設定している。
【0021】図1に示す自動車用ガラスアンテナでは、
デフォガ3のリード線6,6aにチョークコイル10を
挿入し電源15からの電流は通すが、高周波的に絶縁し
てラジオ放送等の高周波電流は自動車のボディ(アー
ス)14へ流れないようにし、誘起された電流が漏れな
くラジオ受信機7へ送られるとするとともに、アンテナ
・ゲインの損失を補償するため、アンテナ導体の給電点
5とラジオ受信機7との間のリード線8の良好な部位に
前置増幅器9を挿入し、AMおよびFMラジオ放送受信
を行うものである。
【0022】また、図2に示す自動車用ガラスアンテナ
では、通電加熱方式のデフォガ3のリード線6,6aに
AM帯用チョークコイル12およびFM帯用チョークコ
イル13を挿入し、電源15からの電流は通すが、高周
波的に絶縁してラジオ放送等の高周波電流は自動車のボ
ディ(アース)14へ流れないようにしている。さら
に、アンテナ導体の給電点5とラジオ受信機7との間の
リード線8の所望の位置に、基本的にコイル,コンデン
サ各素子からなる二端子網回路であるマッチング回路1
1を挿入している。
【0023】そして、FM,AMそれぞれの放送周波数
帯域の対数尺度でみた中心周波数よりも低域でアンテナ
導体2、デフォガ3、車のボディ14のそれぞれが相互
に形成する主に容量からなるバスバーのリード接続部4
a,4bからみたインピーダンスとチョークコイル1
2,13のインピーダンスによって反共振させるように
し、上記反共振に係るQの共振特性が比較的平坦になる
ように設定させ、かつFM,AMそれぞれの放送周波数
帯域の対数尺度でみた中心周波数よりも高域でマッチン
グ回路11のインピーダンスとラジオ受信機7の入力イ
ンピーダンスとマッチング回路11からアンテナ導体2
側をみたインピーダンスによって共振させるようにし、
上記共振に係るQの共振特性が比較的平坦になるように
設定させ、AMおよびFMラジオ放送受信を行ってい
る。
【0024】本発明は上記それぞれの構成において、最
適な受信感度(S/N比)を得るために、デフォガ3と
自動車のボディ14間の容量C1と、アンテナ導体2と
自動車のボディ14間の容量C2と受信感度の関係に着
目したものであり、図3〜図5にデフォガ3と自動車の
ボディ14間の容量C1をそれぞれ50pF,100p
F,150pFとした時のアンテナ導体と自動車のボデ
ィ間の容量と受信感度の関係の実験値を示す。
【0025】図3のデフォガ3と自動車のボディ14間
の容量C1が50pFの自動車の場合、AMラジオ受信
感度(S/N比)の増加率はアンテナ導体2と自動車の
ボディ14間の容量C2が15pF(屈曲点)以下の範
囲で急激に大きくなっており、この範囲内に容量C2
を設定することにより、従来に比べ非常に効率よくAM
アジオ受信感度(S/N比)が得られた。
【0026】また、図4のデフォガ3と自動車のボディ
14間の容量C1が100pFの自動車の場合、AMラ
ジオ受信感度(S/N比)の増加率はアンテナ導体2と
自動車のボディ14間の容量C2が30pF(屈曲点)
以下の範囲で急激に大きくなっており、この範囲内に容
量C2値を設定することにより、従来に比べ非常に効率
よくAMラジオ受信感度(S/N比)が得られた。
【0027】また、図5のデフォガ3と自動車のボディ
14間の容量C1が150pFの自動車の場合、AMラ
ジオ受信感度(S/N比)の増加率はアンテナ導体2と
自動車のボディ14間の容量C2が45pF(屈曲点)
以下の範囲で急激に大きくなっており、この範囲内に容
量C2値を設定することにより、従来に比べ非常に効率
よくAMラジオ受信感度(S/N比)が得られた。
【0028】この図3〜図5の(S/N比)のカーブ
は、屈曲点を持つ曲線を描き、屈曲点まではアンテナ導
体2と自動車のボディ14間の容量が低下してもAMラ
ジオ受信感度(S/N比)はあまり大きく増加しない
が、さらに屈曲点を過ぎると、アンテナ導体2と自動車
のボディ14間の容量の低下にともないAMラジオ受信
感度(S/N比)の増加率は非常に大きくなることが見
出された。
【0029】以上の結果を下表の(表1)にまとめる
と、
【0030】
【表1】
【0031】C2/C1=30%以下とすることでいずれ
の場合も良好な受信感度が得られることが確認された。
【0032】勿論、上述したC2/C1=30%値は、デ
フォガ3と自動車のボディ14間の容量C1が図3〜図
5の範囲以外でも得られることは容易に推定できる。
【0033】また、このアンテナ導体2と自動車のボデ
ィ14間の容量C2値の上記最適範囲への設定は、上記
実施例ではアンテナ導体2と自動車のボディ14間の対
向面積を変えたパターニングの場合について示したが、
この他両者間の距離,対向長さ,誘電率のいずれによる
調整でも可能である。
【0034】以上のように上記実施例によれば、従来の
自動車用ガラスアンテナの利点を全く損なわず、AMラ
ジオ放送に対して高アンテナ利得(S)で低ノイズ
(N)である非常に効率のよいAM受信感度(S/N
比)を持つ自動車用ガラスアンテナを実現できる。
【0035】なお、本発明の構成部材は従来構成部材と
同じものであるので、非常に簡単な構成、かつ低コスト
で達成できる。
【0036】次に本発明の他の実施例を図6により説明
する。図6において、2b,3bはそれぞれアンテナ導
体2とデフォガ3の端子部、17はコイル、18はコン
デンサ、19はリアクタンス回路を示しており、このア
ンテナ導体2とデフォガ3とをそれらの一部において、
両者間で直流電流の送受は行われず、両者端子2bと3
b間に直列のコイル17とコンデンサ18からなるリア
クタンス回路19が設けられて結合されている。さらに
アンテナ導体2のデフォガ3の一部の両者近接する部分
であるアンテナ導体近接部2aとデフォガ近接部3aと
は、所定間隔をおいて配置されることによっても容量結
合している。この隣接部であるアンテナ導体近接部2a
とデフォガ近接部3aとは、例えば1mm〜10mmの間隔
をおいて適切な容量となるように離間している。
【0037】AMのラジオ放送の周波数帯域に対して
は、コンデンサ18によってデフォガ3もAM用アンテ
ナの一部として機能し、AMアンテナの実効長が長くな
り、受信波を多く受けられ、感度が上昇する。
【0038】図6は、自動車後部窓用のガラス板のデフ
ォガの上部にアンテナ導体を設けた例について示した
が、上述のように両者間が結合していれば、これに限ら
ずデフォガの上下部に夫々設けてもよいし、あるいはそ
の他の余白部に設けてもよい。また、アンテナ導体とし
ては前述したデフォガのヒータ線と同様に、ガラス板面
に導電性銀ペーストを所定のパターンにプリントして焼
き付けた線条のプリントタイプのものが一般的である
が、これに限らず透明導電膜や極細導電性ワイヤーから
なるアンテナ導体であってもよい。
【0039】そして、上記デフォガ3と自動車のボディ
14間の容量C1とアンテナ導体2と自動車のボディ1
4間の容量C2の比率がC2/C1=30%以下になるよ
うに設定している。
【0040】さらに、通電加熱方式のデフォガ3のリー
ド線6,6aにAM帯用チョークコイル12およびFM
帯用チョークコイル13を挿入し、電源15からの電流
は通すが、高周波的に絶縁してラジオ放送等の高周波電
流は自動車のボディ(アース)14へ流れないようにし
ている。また、アンテナ導体の給電点5とラジオ受信機
7との間のリード線8の所望の位置にマッチング回路1
1を挿入している。
【0041】そして、この図で示す自動車用ガラスアン
テナでは、FM放送周波数帯域の対数尺度でみた中心周
波数よりも片側の帯域で、直列のコイル17とコンデン
サ18によって、コイル17とアンテナ導体近接部2a
とデフォガ近接部3a間の所定距離をおいて近接させる
ことによる容量によって反共振させるようにし、AM放
送周波数帯域の対数尺度でみた中心周波数よりも片側の
帯域でアンテナ導体2、デフォガ3、車のボディ14の
それぞれが相互に形成する主に容量からなるバスバーの
リード線接続部4a,4bから見たインピーダンスとチ
ョークコイル12のインピーダンスによって反共振させ
るようにし、上記共振に係るQの共振特性が比較的平坦
になるように設定する。かつ、FM,AMそれぞれの放
送周波数帯域で上述片側の帯域以外の片側の帯域でアン
テナ導体の給電点5とラジオ受信機7との間に挿入させ
たマッチング回路11のインピーダンスとラジオ受信機
7の入力インピーダンスとマッチング回路11からアン
テナ導体2をみたインピーダンスによって共振させるよ
うにし、上記共振に係るQの共振特性が比較的平坦にな
るように設定し、AM,FMラジオ放送受信を行う。
【0042】このような自動車用ガラスアンテナを用い
ることにより、第1の実施例で述べた同様の理由でAM
ラジオ放送に対して、高アンテナ利得(S)で低ノイズ
(N)である非常に効率のよいAM受信感度(S/N
比)が確保できることが確認された。
【0043】以上のように上記他の実施例によれば、図
1,図2の実施例で述べた同様の理由により従来の自動
車用ガラスアンテナの利点を全く損なわず、AMラジオ
放送に対して高アンテナ利得(S)で低ノイズ(N)で
ある非常に効率のよいAM受信感度(S/N比)を持つ
自動車用ガラスアンテナを実現できる。また、第1の実
施例と同様に、本発明の構成部材は従来構成部材と同じ
ものであるので、非常に簡単な構成、かつ低コストで達
成できる。
【0044】そして、アンテナ導体と通電加熱方式のデ
フォガを容量結合するとともに電磁結合させた自動車用
ガラスアンテナであるので、AMラジオ放送に対して高
アンテナ利得(S)で低ノイズ(N)の非常に効率のよ
いAM受信感度(S/N比)を提供することができるこ
とにより、第1の実施例の効果に加えてさらに広い範囲
の自動車用ガラスアンテナに適用できるようになり、よ
り汎用性に富むようにできる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明の自動車用ガラスア
ンテナは、自動車の窓ガラスと、この窓ガラスに形成さ
れた通電加熱されるデフォガと、上記窓ガラスに形成さ
れた一端が直接または間接的にラジオ受信機に接続され
たアンテナ導体と、一方が上記デフォガの一端に接続さ
れ他方が自動車のボディに接地されるインダクタ部品と
からなり、上記デフォガと自動車のボディ間の容量C1
とアンテナ導体と自動車のボディ間の容量C2の割合が
2/C1=30%以下になるようにして自動車用ガラス
アンテナを構成し、アンテナ導体と通電加熱方式のデフ
ォガを容量結合させた構成では、従来の自動車用ガラス
アンテナが有する利点は全て確保するとともに、AMラ
ジオ受信感度(S/N比)特性に大きく影響を及ぼすア
ンテナ導体と自動車のボディ間に存在する容量値を最適
化することによって、高アンテナ利得(S)で低ノイズ
(N)である効率のよいAMラジオ受信感度(S/N
比)の自動車用ガラスアンテナを実現できる。
【0046】さらにアンテナ導体とデフォガを容量結合
するとともに電磁結合させた構成では、上記効果に加え
て、AMラジオ放送に対して高アンテナ利得で低ノイズ
である非常に効率のよいAM受信感度(S/N比)を提
供することができることにより、さらに広い範囲の自動
車ガラスアンテナに適用できるようになり、より汎用性
に富むようにできる、等の多大な効果が得られ、構成が
簡単で、低コストかつ高品質で提供することができ、工
業的価値の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車ガラスアンテナの一実施例の模
式図
【図2】同他の実施例の模式図
【図3】同アンテナ導体と自動車のボディ間の容量とA
Mラジオ受信感度(S/N比)の関係を示す特性図
【図4】同アンテナ導体と自動車のボディ間の容量とA
Mラジオ受信感度(S/N比)の関係を示す特性図
【図5】同アンテナ導体と自動車のボディ間の容量とA
Mラジオ受信感度(S/N比)の関係を示す特性図
【図6】同他の実施例の模式図
【図7】従来の自動車ガラスアンテナの模式図
【図8】同他の従来技術の模式図
【符号の説明】
1 ガラス板 2 アンテナ導体 3 デフォガ 7 ラジオ受信機 10 チョークコイル C1 デフォガ3と自動車のボディ14との間に存在す
る容量 C2 アンテナ導体2と自動車のボディ14との間に存
在する容量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 浩二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−249407(JP,A) 特開 平4−13314(JP,A) 実開 平3−94814(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 1/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の窓ガラスと、この窓ガラスに形
    成された通電加熱されるデフォガと、このデフォガと容
    量結合され上記窓ガラスに形成された一端が直接または
    間接的にラジオ受信機に接続されたアンテナ導体と、一
    方が上記デフォガの一端に接続され他方が自動車のボデ
    ィに接地されるインダクタ部品とからなり、上記デフォ
    ガと自動車のボディの容量C1とアンテナ導体とボディ
    間の容量C2の比率がC2/C1=30%以下になるよう
    にした自動車用ガラスアンテナ。
  2. 【請求項2】電加熱方式のデフォガとアンテナ導体
    を容量結合とするとともに電磁結合した請求項1記載の
    自動車ガラスアンテナ。
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JPH0818319A (ja) 1996-01-19

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