JP2000049521A - 自動車用ガラスアンテナ装置 - Google Patents

自動車用ガラスアンテナ装置

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JP2000049521A
JP2000049521A JP11225782A JP22578299A JP2000049521A JP 2000049521 A JP2000049521 A JP 2000049521A JP 11225782 A JP11225782 A JP 11225782A JP 22578299 A JP22578299 A JP 22578299A JP 2000049521 A JP2000049521 A JP 2000049521A
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antenna
defogger
frequency
automobile
glass
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JP11225782A
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English (en)
Inventor
Takashi Yamashita
孝 山下
Kenichi Ishii
健一 石井
Toshihiko Saito
俊彦 斉藤
Sei Ichihara
聖 市原
Masanobu Ogawa
政信 小川
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】前置増幅器なしで受信感度を向上させる。 【解決手段】後部窓ガラス板1にデフォッガ4を設け、
デフォッガ4と後部窓用車体開口部との間で反共振する
ようにデフォッガ4にリアクタンス回路モジュール8を
接続し、給電端子40とAM用ラジオ受信機30との間
にリアクタンス回路モジュール41を入れ、デフォッガ
4とAM用ラジオ受信機30の入力とを共振させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノイズ低減が図ら
れた自動車用ガラスアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のラジオ用のアンテナとしては、
ロッドアンテナ又はリッドアンテナに代わるものとし
て、自動車の後部窓用のガラス板の表面又は内部にAM
用、FM用、又はAM・FM兼用のアンテナ導体を設け
たガラスアンテナが広く普及している。
【0003】このガラスアンテナはロッドアンテナ又は
リッドアンテナのように外部に突出していないため、危
害を与えることが少ないとともに折られたりすることが
なく、また、錆びたりすることがないので性能の変化が
少なく、また、自動車の外観のデザインを良好にすると
いう利点を有する。
【0004】このガラスアンテナは、ガラス板に設けら
れているアンテナ導体のパターンを所望の性能が得られ
るようにパターンを設計することで、アンテナ・ゲイン
を高めることができるが、自動車窓用のガラスアンテナ
の場合、ガラス板の面積が充分に広くないため、アンテ
ナ導体と自動車の車体間の距離が狭くならざるを得ず、
そのためアンテナ導体からのリーク電流が多くなり、ア
ンテナ・ゲインが不充分となる傾向がある。
【0005】また、自動車の後部窓用の場合、通常窓ガ
ラス板に曇り除去用の通電加熱式のデフォッガが所定パ
ターンのアンテナ導体と一緒に設けられているため、特
にヒータとアンテナ導体が近接している場合には、この
曇り除去用通電加熱式のデフォッガの給電部分を通じて
自動車の車体へアースされ、ゲイン損失が生じる。
【0006】ゲイン損失を防ぐ目的でチョークコイルを
曇り除去用の通電加熱式のデフォッガの給電端子の好適
な部位に装着することも行なわれているが、かかるチョ
ークコイルを用いた自動車用ガラスアンテナの場合、チ
ョークコイルが高周波通電阻止機能を充分持たないの
で、アンテナ・ゲインが低くなる傾向がある。
【0007】従来のガラスアンテナにおいては、上記し
たようなアンテナ・ゲインの損失を補償するため、図1
3のようにアンテナ導体6の給電端子11とラジオ受信
機12との間の給電線の好適な部位に前置増幅器31を
挿入することが行なわれていた。
【0008】しかし、前置増幅器挿入のため強電界中に
おいては、混変調などが発生し、ノイズが高くなるとい
う問題点があった。また、この方式の場合にはラジオ受
信機とは別に前置増幅器を設置する必要があるため、か
なり高価となるという問題点や、ガラスアンテナの近傍
に前置増幅器を設置することは前置増幅器用のスペース
確保等で自動車の設計上の制約条件を与えるという問題
点があった。したがって、このような前置増幅器を必要
とせず、しかも高利得で低ノイズの自動車用ガラスアン
テナの開発が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有していた問題点を解消し、高価な前置増幅器を必要と
せず、かつ高利得で、低ノイズの自動車用ガラスアンテ
ナ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動車の後部
窓用車体開口部に嵌め込まれる後部窓ガラス板に、ヒー
タ線と該ヒータ線に給電するバスバーとを有する通電加
熱式のデフォッガと、所定パターンのアンテナ線条を有
するアンテナ導体とが設けられた自動車用ガラスアンテ
ナ装置において、上記デフォッガとアンテナ導体とをそ
れらの一部において、両者間で直流電流の送受は行なわ
れないが高周波電流の送受は行なわれるように所定間隔
をおいて近接させて容量結合させるとともに、所望の放
送周波数帯域の中心周波数において上記デフォッガと自
動車の後部窓用車体開口部との間で反共振するようにデ
フォッガにリアクタンス回路を接続し、かつ、アンテナ
導体の給電端子からアンテナ導体を見たインピーダンス
と受信機入力インピーダンスの比を1に近づけられるよ
うに、上記リアクタンス回路のチョークコイルとデフォ
ッガ・後部窓用車体開口部間の浮遊容量とによるQualit
y Factor(Q値)を設定し、さらに上記アンテナ導体の
給電端子と受信機との間に受信機の入力端からアンテナ
導体を見たときのアンテナ導体及びアンテナとしての機
能部分の合計のインピーダンスが上記所望の放送周波数
帯域において若干容量性リアクタンスとなるようにマッ
チング回路を挿入したことを特徴とする自動車用ガラス
アンテナ装置を提供する。
【0011】これら技術手段によって、デフォッガに接
続されるリアクタンス回路としてチョークコイルを使用
し、このコイルとデフォッガ・後部窓用車体開口部間の
浮遊容量とによって起きる反共振の周波数を所望の放送
周波数帯域の中心に設定することが最適である。
【0012】また、アンテナ導体の給電端子と受信機と
の間に挿入されるマッチング回路は、コイル、コンデン
サ及び抵抗によって構成され、所望の放送周波数帯域に
わたってインピーダンスがほぼ一定となるようにされた
リアクタンス回路からなり、受信機の入力端から見たア
ンテナ導体、アンテナとしての機能部及びアンテナ・フ
ィーダ線の部分の上記所望の放送周波数帯域におけるア
ンテナ・インピーダンスを若干容量性リアクタンスとな
るように設定するのが最適である。
【0013】また、本発明は自動車の後部窓用車体開口
部に嵌め込まれる後部窓ガラス板にヒータ線と該ヒータ
線に給電するバスバーとを有する通電加熱式のアンテナ
兼用デフォッガとが設けられた自動車用ガラスアンテナ
装置において、所望の放送周波数帯域において上記アン
テナ兼用デフォッガと自動車の後部窓用車体開口部との
間で反共振するように上記アンテナ兼用デフォッガにリ
アクタンス回路を接続し、見かけ上のデフォッガと自動
車の後部窓用車体開口部との間の抵抗値が大きくなり、
車体開口部へのリーク電流を小さくし、かつ、上記アン
テナ兼用デフォッガの給電端子とラジオ受信機との間に
リアクタンス回路を入れ、アンテナ及びラジオ受信機入
力が共振するように設定したことを特徴とする自動車用
ガラスアンテナ装置を提供する。
【0014】また、本発明は、自動車の後部窓用車体開
口部に嵌め込まれる後部窓ガラス板にヒータ線と該ヒー
タ線に給電するバスバーとを有する通電加熱式のアンテ
ナ兼用デフォッガとが設けられた自動車用ガラスアンテ
ナ装置において、所望の放送周波数帯域において上記ア
ンテナ兼用デフォッガと自動車の後部窓用車体開口部と
の間で反共振するように上記アンテナ兼用デフォッガに
リアクタンス回路を接続し、見かけ上のデフォッガと自
動車の後部窓用車体開口部との間の抵抗値が大きくな
り、車体開口部へのリーク電流を小さくし、かつ、アン
テナ兼用デフォッガからラジオ受信機へのエネルギー伝
達を所望の放送周波数帯域に上限領域と下限領域におい
て最大となるように共振現象のQ値を設定したことを特
徴とする自動車用ガラスアンテナ装置を提供する。
【0015】以下、本発明を図面に従って、さらに詳細
に説明する。図1において、1は乗用自動車の後部窓用
の透明なガラス板であり、このガラス板1の内側面の被
加熱領域には多数本のヒータ線2と、該ヒータ線2の群
の両端に接続される対向したバスバー3、3’とを有す
る通電加熱式のデフォッガ4が設けられており、該デフ
ォッガ4のバスバー3、3’にはデフォッガリード線
5、5’が接続されている。
【0016】図2、図8に示したデフォッガ4はデフォ
ッガ4の両側のバスバーの一方、例えば片側のバスバー
を所望のところから上下に2つに分割し、下側部バスバ
ー3’a、上側部バスバー3’bを設け、この下側部バ
スバー3’aには電源側のデフォッガリード線5を接続
し、上側部バスバー3’bにはアース側のデフォッガリ
ード線5’を接続して給電された電流が下側部バスバー
3’aからバスバー3を通ってバスバー上側部3’bへ
とコの字状に流れるようにしたものを例示している。
【0017】図示したデフォッガの例は、ガラス板の横
方向に線幅0.5〜2mmの細い通電加熱ヒータ線を多
数本ほぼ平行に2〜4cmの間隔をおいて、導電性銀ペ
ーストをガラス板の車内側表面にプリントし、焼付けて
形成した通電加熱式のデフォッガである。
【0018】6は、自動車の後部窓用ガラス板1の上記
デフォッガ4の上部に設けられたAM・FM兼用又はF
M用のアンテナ導体である。図1、図2、図4、図5に
おいては、このアンテナ導体6とデフォッガ4の一部の
両者近接する部分であるアンテナ導体6a部とデフォッ
ガ4a部とは、容量結合され、両者間で直流電流の送受
は行なわれないが、高周波電流の送受は行なわれるよう
に所定間隔をおいて近接されている。このアンテナ導体
6a部とデフォッガ4a部とは、例えば1〜10mm程
度の間隔をおいて離間されている。
【0019】アンテナ導体6はデフォッガ4との容量結
合によって見かけ上、デフォッガの一部として機能する
ようになる。特にラジオ放送のAM帯に対しては、デフ
ォッガ4もAM帯用アンテナの一部として機能し、AM
帯用アンテナの実効長が長くなり、受信電波を多く受け
られ、感度が上昇する。
【0020】上記したように、デフォッガ4とアンテナ
導体6とは、その一部において容量結合されるようにす
るため、デフォッガ4とアンテナ導体6とは、後部窓用
ガラス板と同一面、通常においては室内側面に形成する
のが最適である。
【0021】アンテナ導体6のパターンとしては、自動
車の形状、ガラス板の形状、寸法、構成などによりAM
帯ラジオ放送、FM帯ラジオ放送、AM帯・FM帯の両
ラジオ放送、又はテレビその他の放送等用のアンテナと
して最適な性能が得られるパターンが適宜選択、設計さ
れる。
【0022】図示した例では、自動車の後部窓用ガラス
板1のデフォッガ4の上部にアンテナ導体6を設けてい
るが、これに限らずデフォッガ4の下部に設けてもよ
く、デフォッガの上下部に夫々設けてもよく、その他の
余白部に設けてもよい。
【0023】また、アンテナ導体としては前述したデフ
ォッガのヒータ線と同様に、ガラス板面に導電性銀ペー
ストを所定のパターンにプリントして焼付けた線条のプ
リントタイプのものが最も一般的であるが、これに限ら
ず所定パターンの透明電導膜や極細電導性ワイヤからな
るアンテナ導体であってもよい。
【0024】そして、本発明においては、デフォッガ4
のデフォッガリード線5、5’間に、直流電源7からデ
フォッガ4への電流は流すがラジオ放送周波数帯域等の
高周波帯域の電流は遮断するようにリアクタンス回路モ
ジュール8が挿入される。このリアクタンス回路モジュ
ール8によりデフォッガ4のヒータ線2とバスバー3、
3’とを高周波的に浮かすことができ、ヒータ線2及び
バスバー3、3’に誘起されたラジオ放送等の高周波帯
域の電波による電流がアースへ流れるのを防止でき、誘
起された電流を漏れなくラジオ受信機に送ることができ
る。
【0025】リアクタンス回路モジュール8内の高周波
チョークコイル9には、ラジオ放送帯等の高周波帯にお
いて高インピーダンスとなり、また磁気残留防止となる
特性を有するもの、例えば、磁気コアにバイファイラー
巻をした高周波チョークコイル、又は、閉磁路からの電
流によって生じるコイルの磁束を互いに打ち消す方向に
巻かれている高周波チョークコイル、又は、磁気飽和度
の高いコアを用いる高周波チョークコイルなどが使用さ
れる。リアクタンス回路モジュール8内のコンデンサ1
0はラジオ放送帯等の高周波帯において周波数成分の高
い雑音性の電流に対しては電気的に短絡するものであ
る。
【0026】また、本発明の一態様においては、アンテ
ナ導体6の給電端子11とラジオ等の受信機12との間
の経路の所望の位置にマッチング回路13が挿入され、
アンテナ導体6に誘起された高周波電流はマッチング回
路13によってインピーダンスがAM受信機12のイン
ピーダンスと一致ないしは近似するように制御され、A
M受信機12へ送られるようにされる。
【0027】このマッチング回路13は、基本的にはコ
イル14、コンデンサ15、コイル16及び抵抗17の
各素子により構成された回路よりなり、所望の放送周波
数帯域にわたってインピーダンスがほぼ一定となるよ
う、かつ受信機の入力端から見たアンテナ導体6及びア
ンテナとしての機能部、即ち、アンテナ導体6と近接
し、容量結合によって、アンテナとしても機能するデフ
ォッガ4部及び受信機の入力端までのアンテナフィーダ
線のそれぞれを合わせた部分の上記所望の放送周波数帯
域におけるアンテナインピーダンスを若干容量性リアク
タンスとなるように各素子の特性値が選択される。これ
によってAM受信機12とアンテナ全体とのインピーダ
ンスのマッチングをとり、効率のよいアンテナシステム
を得ることができる。
【0028】また、アンテナ導体6及びデフォッガ4は
通常導電性銀ペーストをガラス板面にプリント印刷し、
焼付けることによって形成されたものが用いられる。し
かし、この場合、隣接するアンテナ導体6a部及びデフ
ォッガ4a部との間において、プリントされた銀のマイ
グレーション等が起こり、両者が短絡する危険性があ
り、受信機12に大電流が流れてしまうので、これを防
ぐために、アンテナ導体6の給電端子11とマッチング
回路13との間に直流阻止用のコンデンサ18を挿入し
てもよい。
【0029】本発明の自動車用ガラスアンテナ装置、特
にAMラジオ放送受信用の乗用自動車の後部窓用の自動
車用ガラスアンテナ装置の一態様のマッチング回路にお
いて、コンデンサ18は560pF〜1μF、コイル1
4は82〜560μH、コンデンサ15は10〜470
pF、コイル16は82〜560μH、抵抗17は20
0Ω〜3kΩとするのが好ましい。また、デフォッガに
接続されるチョークコイルは0.2〜2μHとするのが
好ましく、アンテナ導体6a部とデフォッガ部4a部と
の容量結合部分Aは50〜10,000pFとするのが
好ましい。また、アンテナ導体6の給電端子11とAM
受信機12の入力端との間のアンテナケーブル部分は、
高周波電流が有効に伝送されるようにするのが好まし
い。勿論、これら値は代表的なものについて例示したも
のであり、対象とする自動車用ガラスアンテナ装置に応
じて最適な性能が得られるように変更できる。
【0030】図8に示した自動車用ガラスアンテナ装置
において、40はAM用アンテナ兼用のデフォッガ4の
給電端子であるとともに、AM用アンテナの給電端子も
兼ねる。AM放送を受信した信号が、アース、直流電源
7へ漏れるのを防ぐために、リアクタンス回路8が設け
られており、またコンデンサ10が高周波領域におい
て、短絡となり、さらに、ガラス板1面のパターンのデ
フォッガのバスバー、ヒータ線から自動車の車体へ受信
された信号が漏れるのを防ぐために、高周波コイル9と
浮遊容量によって反共振現象を起こすようにコイルの定
数が定められる。給電端子40からAM用ラジオ受信機
30へ信号を伝達し、かつ、直流電源7からの直流を阻
止するため、直流遮断用のコンデンサ42を給電端子4
0とAM用ラジオ受信機30との間に挿入する。
【0031】図8に示した例では、AMアンテナ兼用の
デフォッガ4から電波信号が漏れるのを防ぐとともに、
給電端子40から見たアンテナ・インピーダンスとAM
用ラジオ受信機の入力インピーダンスによる不整合によ
るエネルギー・ロスを調整して、総合的に高利得が得ら
れるようにされている。リアクタンス回路モジュール4
1は、二端子リアクタンス回路網を構成したもので、前
述の直流電源カットのため、コンデンサ42を直列に挿
入するほかは、給電端子40から見たアンテナ・インピ
ーダンスの補正及び微調整するためのものである。した
がって、場合によっては、コイル43がなく直結した形
でもよく、コイル43に追加してコイル43と並列にコ
ンデンサが置かれてもよい。
【0032】この例において、デフォッガ4と車体の後
部窓開口部19間の浮遊容量と高周波チョークコイル9
によって、反共振現象を起こさせ漏れ電流を阻止する。
この場合における給電端子40から見たアンテナ・イン
ピーダンスを図9に示す。f1 は下限周波数、f2 は上
限周波数を示し、f0 はその中心周波数である。
【0033】f0 は高周波チョークコイル9のインダク
タンス量を調整することによって設定できる。さらに、
図10のAM用ラジオ受信機30の入力電圧のごとく、
広帯域で利得を得ることができるようにアンテナ・イン
ピーダンスとAM用ラジオ受信機30の入力インピーダ
ンスをなるべく等しくすることが望ましい。
【0034】しかし、一般に自動車用ラジオ受信機の入
力インピーダンスは低く、前述のごとく漏れ電流を阻止
するための高インピーダンスとは矛盾することがある。
したがって、総合的に高利得を得られるように反共振の
Q値とリアクタンス回路モジュール41を適度な値を選
択すればよい。これによって、従来実施されていた前置
増幅器を割愛しても、充分な利得を得ることができる。
【0035】図8に示したAM用アンテナはデフォッガ
のヒータ線及びバスバーを利用することを基本構成とし
ているが、ヒータ線2をFM用アンテナ導体6のパター
ンと直結又は近接させて、さらに高利得を得てもよい。
デフォッガ4の電源7側の給電端子44及びアース側の
給電端子40から見た車体との浮遊容量は、一般に10
〜100pFである。
【0036】図9の搬送周波数は例えば日本国内では、
1 =558kHz、f2 =1442kHzであるか
ら、対数換算するとf0 ≒900kHzである。したが
って、高周波チョークコイル9の並列合算のインダクタ
ンス値は150〜1500μHでよい。この高周波チョ
ークコイル9は例えばバイファイラー巻きのフェライト
・コアを使用したトロイダル・コイルが適しているが、
自己共振周波数がf2 以上であり、電流飽和を生じなけ
れば使用できる。
【0037】高周波チョークコイル9のQ値の調整は高
周波チョークコイル9の線径と巻き数によって選択でき
るが、高周波チョークコイル9と直列に抵抗を入れて調
整してもよい。また、コンデンサ10は5μF程度のフ
ィルム・コンデンサが適している。また、AM用ラジオ
受信機30の入力インピーダンスは20〜300Ωと種
々あるが、なるべく高インピーダンスが望ましい。
【0038】直流阻止用のコンデンサ42はできるだけ
大容量が望ましい。搬送周波数調整用のコイル43は、
デフォッガ4、チョークコイル42及びAM用ラジオ受
信機30の合算したリアクタンス成分を打ち消すことを
目的とするが、総合利得を高域又は低域のどちらかへ、
シフトさせる微調整の役割が可能である。したがって、
上記コイル43に並列にコンデンサを接続し、調整をさ
らに容易とすることもできる。
【0039】また、デフォッガ4の給電端子40からみ
た別の例のアンテナ・インピーダンスを図11に示す。
1 は該搬送周波数の下限値、f2 は上限値を示し、f
0 は反共振周波数である。f0 は高周波チョークコイル
9のインダクタンス値を調整することによって設定でき
る。さらに、図12のAM用ラジオ受信機の入力電圧の
ごとく、高感度利得を得るために、アンテナ・インピー
ダンスとAM用ラジオ受信機の入力インピーダンスが、
なるべく等しいことが望ましい。
【0040】しかし、一般にAM用ラジオ受信機の入力
インピーダンスは低く、前述のごとく漏れ電流を阻止す
るための高インピーダンスとは矛盾したことである。し
たがって、総合的に高利得を得られ、さらに低ノイズと
するようにf0 を選択すればよい。図11の搬送周波数
は例えば日本国内では、f1 =558kHz、f2 =1
442kHzであるから、反共振周波数f0 =550k
Hz以下である。
【0041】したがって、高周波チョークコイル9の合
算のインダクタンス値は1〜10mHでよい。高周波チ
ョークコイル9は、例えば、バイファイラー巻きのフェ
ライト・コアを使用したトロイダル・コイルが適してい
るが、自己共振周波数はなるべく高くし、f2 以上であ
ることが望ましい。また、電流飽和を生じてはいけな
い。
【0042】AM用ラジオ受信機30の入力インピーダ
ンスは20〜300Ωと種々あるが、なるべく高インピ
ーダンスが望ましい。チョークコイル42はできるだけ
大容量が望ましい。搬送周波数調整用のコイル43は、
デフォッガ4、チョークコイル42及びAM用ラジオ受
信機の合算したリアクタンス成分を打ち消すことを目的
としたものである。
【0043】上記したアンテナ装置は、広帯域にわたっ
て、AMラジオ放送を前置増幅器なしで受信可能な自動
車用広帯域AMガラス・アンテナ装置である。アンテナ
からの白色雑音の発生は、アンテナ・インピーダンスの
純抵抗分によって内部発生する場合と、外部からの混入
の場合がある。一般に、雑音エネルギーは純抵抗に比例
することが知られている。
【0044】本発明では、アンテナ・インピーダンスは
低いため、低ノイズ・アンテナといえる。さらに、高周
波チョークコイル9とコンデンサ12によって構成され
るフィルタにより、直流電源からの雑音防止とすること
ができる。したがって、リアクタンス回路モジュール8
はなるべくアンテナ近傍に設置することが望ましい。
【0045】
【作用】本発明の自動車用ガラスアンテナ装置におい
て、リアクタンス回路モジュール8のチョークコイル9
と、デフォッガ4と後部窓開口部19と間の静電容量に
よって反共振現象を作り、所望の放送周波数帯域の低周
波側の周波数f1 と、高周波側の周波数f2 との間の中
心値f0 が反共振周波数となるように設定する。例えば
AM放送周波数帯においてはf1 ≒500kHzとf2
≒1500kHzの間の中心値f0 ≒1000kHzが
反共振周波数となるように設定すれば、図3(a)のよ
うにf0 でデフォッガ4、即ちヒータ線2とバスバー4
の導電性材料によって形成されるデフォッガ4のインピ
ーダンスが最大となる。
【0046】即ち、デフォッガ4から車体側の後部窓開
口部19への漏れ電流が最小となって、デフォッガ4に
到来放送電波によって誘起された高周波電流が車体側に
流れて感度が低下するのを防止できる。
【0047】また、デフォッガ4とアンテナ導体6と
は、近接したアンテナ導体6a部とデフォッガ4a部と
の間の容量結合によって、所望の放送周波数帯域におい
て、高周波的に接続された状態となるので、デフォッガ
4もアンテナとして機能するようになり、アンテナ導体
6の給電端子11から見たアンテナ導体及びアンテナと
しても機能するデフォッガ4のアンテナ部分のインピー
ダンスを高くでき、かつチョークコイル9と、デフォッ
ガと後部窓開口部19との間の浮遊容量とによるQ値を
最適な値とし、図3(b)のようにこの給電端子11か
ら見たインピーダンスと受信機入力インピーダンスの比
を1に近づけることによりアンテナから受信機への電力
効率を良好にすることができ、アンテナに生じた到来電
波による誘起電流を漏れなく受信機側に送ることができ
る。
【0048】また、アンテナ導体6の給電端子11と受
信機12の間に図1、図2、図4、図5に示されるよう
なコイル14、コンデンサ15、コイル16及び抵抗1
7の各素子により構成されたリアクタンス回路を有する
マッチング回路13が挿入されるが、このリアクタンス
回路において、このインピーダンスはコンデンサ15と
コイル16による反共振周波数を上記したような所望の
放送周波数帯域の中心値であるf0 に設定し、かつ抵抗
17をコンデンサ15とコイル16と並列に挿入して、
Q値を最適な範囲とすることによって所望の放送周波数
帯において図3(c)のようになだらかなものとするこ
とができ、各周波数帯において高い受信感度を得ること
ができる。
【0049】さらに、並列に挿入されたコンデンサ1
5、コイル16及び抵抗17から構成される共振回路に
直列にコイル14を接続することによって所望の放送周
波数帯の中心値f0 と高周波側の周波数の上限f2 の領
域における容量性リアクタンスを打ち消し、より平坦な
誘電性リアクタンスを持つようにできる。このように、
受信機12の入力側からアンテナを見たインピーダンス
が若干容量性リアクタンスを持つことによって、ローパ
スフィルタ(Low Pass Filter )の役割を与え、雑音を
吸収できるようになり、低ノイズアンテナを得ることが
できる。
【0050】図3(d)は、本発明により得られたガラ
スアンテナ装置の受信機の入力端の所望の放送周波数帯
における電圧特性を示した図であり、この図から見られ
るように上記帯域でなだらかなアンテナ特性が得られ
る。
【0051】
【実施例】図2に示した本発明の自動車用ガラスアンテ
ナ装置において、コンデンサ18は1000pF、コイ
ル14は220μH、コンデンサ15は270pF、コ
イル16は270μH、抵抗17は1kΩ、アンテナ導
体6a部とデフォッガ4a部との容量結合部分は100
pF、チョークコイル9は200μH、コンデンサ10
は2μF、アンテナ導体6の給電端子11と受信機の入
力端12との間のアンテナケーブル部分は30pF/m
のものをそれぞれ用いたとき、このガラスアンテナ装置
のAM放送帯に対するアンテナゲイン及びS/N比の特
性は図6、図7のようになり、高利得、低雑音のAM用
ガラスアンテナ装置が得られた。
【0052】また、図4は図2に示した本発明に係る自
動車用ガラスアンテナ装置を変更した例である。図4に
おいて、コイル20はFM放送用前置増幅器21を通る
FM搬送周波数帯において、共振せず信号を遮断させる
ものであり、コイル20はその周波数帯の中心に自己共
振周波数を持つものである。FM放送用前置増幅器21
及びマッチング回路22から出された信号は同軸ケーブ
ル23を経て受信機モジュール24に伝達される。
【0053】同軸ケーブル23のキャパシタンスは小さ
い程ふさわしく、50pF/m〜200pF/mが好ま
しい。分波回路25にはAM及びFMが混在した信号が
伝達されてくる。これを分波回路25を利用してAM用
ラジオ受信機12、FM用ラジオ受信機26に各々、分
波して入力される。
【0054】図5は図2を変更した例である。アンテナ
導体6はAM・FMアンテナと兼用であるので、リアク
タンス回路27において、FM周波数帯においてはコン
デンサ28、15、18によって受信信号は通過する
が、AM周波数帯においては、マッチング回路となる。
前置増幅器29はAM帯域では通過するが、FM帯域で
は増幅されるものである。したがって、リアクタンス回
路27及び前置増幅器29を通る信号はAM・FM両方
である。上記したマッチング回路13、22、27はガ
ラス板1面上、又は近接して実装することが可能であ
る。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、前置増幅器なしで、高
利得、低ノイズの受信性能の高い自動車用ガラスアンテ
ナ装置を提供できる。特に、本発明によれば、AMラジ
オ放送を高利得、低ノイズで受信でき有用である。本発
明はFMラジオ放送、その他の放送波に対しても同様に
適用できる。
【0056】したがって、前置増幅器を除くことがで
き、コストダウンが図ることができる。また、従来にお
いてはガラスアンテナ近傍に前置増幅器を設置しなくて
はならず、それによって自動車の設計上の制約条件があ
ったが、本発明によれば、簡素なマッチング回路を装着
するだけで済むので、上記制約条件を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用ガラスアンテナ装置の全
体を説明する概略図。
【図2】本発明に係る自動車用ガラスアンテナ装置の全
体を説明する概略図。
【図3】本発明に係る自動車用ガラスアンテナ装置の電
気特性図。
【図4】本発明に係る自動車用ガラスアンテナ装置の全
体を説明する概略図。
【図5】本発明に係る自動車用ガラスアンテナ装置の全
体を説明する概略図。
【図6】本発明に係る自動車用ガラスアンテナ装置の実
施例に係る特性図。
【図7】本発明に係る自動車用ガラスアンテナ装置の実
施例に係る特性図。
【図8】本発明に係る自動車用ガラスアンテナ装置の全
体を説明する概略図。
【図9】図8に係る自動車用ガラスアンテナ装置の電気
特性図。
【図10】図8に係る自動車用ガラスアンテナ装置の電
気特性図。
【図11】図8に係る自動車用ガラスアンテナ装置の電
気特性図。
【図12】図8に係る自動車用ガラスアンテナ装置の電
気特性図。
【図13】従来例に係る自動車用ガラスアンテナ装置の
全体を説明する概略図。
【符号の説明】
1:ガラス板 2:ヒータ線 3、3’、3’a、3’b:バスバー 4:デフォッガ 5:デフォッガリード線 6:アンテナ導体 7:直流電源 8:リアクタンス回路モジュール 9:高周波チョークコイル 10:高周波短絡用のコンデンサ 11:アンテナ導体の給電端子 12:AM受信機 13、22、27:マッチング回路 14、43:コイル 15:コンデンサ 16:コイル 17:Q値制御用の抵抗 18、42:直流防止用コンデンサ 19:自動車車体の後部窓開口部 20:FM放送波帯遮断用のコイル 21:FM放送用前置増幅器 23:アンテナ用の同軸ケーブル 24:受信機モジュール 25:AM及びFM放送波の分波回路 26:FM用ラジオ受信機 28:FM受信波に対するバイパス用のコンデンサ 29:前置増幅器 30:AM用ラジオ受信機 31:前置増幅器 40、44’:給電端子 41:リアクタンス回路モジュール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月8日(1999.9.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】自動車用ガラスアンテナ装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノイズ低減が図ら
れた自動車用ガラスアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のラジオ用のアンテナとしては、
ロッドアンテナ又はリッドアンテナに代わるものとし
て、自動車の後部窓用のガラス板の表面又は内部にAM
用、FM用、又はAM・FM兼用のアンテナ導体を設け
たガラスアンテナが広く普及している。
【0003】このガラスアンテナはロッドアンテナ又は
リッドアンテナのように外部に突出していないため、危
害を与えることが少ないとともに折られたりすることが
なく、また、錆びたりすることがないので性能の変化が
少なく、また、自動車の外観のデザインを良好にすると
いう利点を有する。
【0004】このガラスアンテナは、ガラス板に設けら
れているアンテナ導体のパターンを所望の性能が得られ
るように設計することで、アンテナ・ゲインを高めるこ
とができるが、自動車窓用のガラスアンテナの場合、ガ
ラス板の面積が充分に広くないため、アンテナ導体と自
動車の車体間の距離が狭くならざるを得ず、そのためア
ンテナ導体からのリーク電流が多くなり、アンテナ・ゲ
インが不充分となる傾向がある。
【0005】また、自動車の後部窓用の場合、通常窓ガ
ラス板に曇り除去用の通電加熱式のデフォッガが所定パ
ターンのアンテナ導体と一緒に設けられているため、特
にヒータとアンテナ導体が近接している場合には、この
曇り除去用通電加熱式のデフォッガの給電部分を通じて
自動車の車体へアースされ、ゲイン損失が生じる。
【0006】ゲイン損失を防ぐ目的でチョークコイルを
曇り除去用の通電加熱式のデフォッガの給電端子の好適
な部位に装着することも行なわれているが、かかるチョ
ークコイルを用いた自動車用ガラスアンテナの場合、チ
ョークコイルが高周波通電阻止機能を充分持たないの
で、アンテナ・ゲインが低くなる傾向がある。
【0007】従来のガラスアンテナにおいては、上記し
たようなアンテナ・ゲインの損失を補償するため、図
のようにアンテナ導体6の給電端子11とラジオ受信機
12との間の給電線の好適な部位に前置増幅器31を挿
入することが行なわれていた。
【0008】しかし、前置増幅器挿入のため強電界中に
おいては、混変調などが発生し、ノイズが高くなるとい
う問題点があった。また、この方式の場合にはラジオ受
信機とは別に前置増幅器を設置する必要があるため、か
なり高価となるという問題点や、ガラスアンテナの近傍
に前置増幅器を設置することは前置増幅器用のスペース
確保等で自動車の設計上の制約条件を与えるという問題
点があった。したがって、このような前置増幅器を必要
とせず、しかも高利得で低ノイズの自動車用ガラスアン
テナの開発が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有していた問題点を解消し、高価な前置増幅器を必要と
せず、かつ高利得で、低ノイズの自動車用ガラスアンテ
ナ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動車の後部
窓用車体開口部に嵌め込まれる後部窓ガラス板に、ヒー
タ線と該ヒータ線に給電するバスバーとを有する通電加
熱式のデフォッガが設けられた自動車用ガラスアンテナ
装置において、の放送周波数帯域において上記デフ
ォッガと自動車の後部窓用車体開口部との間で反共振す
るように上記デフォッガにリアクタンス回路を接続し、
見かけ上の、上記デフォッガと自動車の後部窓用車体開
口部との間の抵抗値を大きくして車体開口部へのリーク
電流を小さくし、かつ、上記デフォッガの給電端子とラ
ジオ受信機との間に他のリアクタンス回路を入れたこと
を特徴とする自動車用ガラスアンテナ装置を提供する。
【0011
【0012
【0013】また、自動車の後部窓用車体開口部に嵌め
込まれる後部窓ガラス板にヒータ線と該ヒータ線に給
電するバスバーとを有する通電加熱式のアンテナ兼用デ
フォッガとが設けられた自動車用ガラスアンテナ装置に
おいて、所望の放送周波数帯域において上記デフォッガ
と自動車の後部窓用車体開口部との間で反共振するよう
に上記デフォッガにリアクタンス回路を接続し、見かけ
上の、上記デフォッガと自動車の後部窓用車体開口部と
の間の抵抗値大きく 車体開口部へのリーク電流を
小さくし、かつ、上記デフォッガの給電端子とラジオ受
信機との間にリアクタンス回路を入れ、アンテナ及びラ
ジオ受信機入力が共振するように設定することが好まし
い。
【0014】また、自動車の後部窓用車体開口部に嵌め
込まれる後部窓ガラス板にヒータ線と該ヒータ線に給
電するバスバーとを有する通電加熱式のアンテナ兼用デ
フォッガが設けられた自動車用ガラスアンテナ装置にお
いて、所望の放送周波数帯域において上記アンテナ兼用
デフォッガと自動車の後部窓用車体開口部との間で反共
振するように上記アンテナ兼用デフォッガにリアクタン
ス回路を接続し、見かけ上のデフォッガと自動車の後部
窓用車体開口部との間の抵抗値大きくして車体開口部
へのリーク電流を小さくし、かつ、アンテナ兼用デフォ
ッガからラジオ受信機へのエネルギー伝達を所望の放送
周波数帯域に上限領域と下限領域において最大となるよ
うに共振現象のQ値を設定すること が好ましい。
【0015】以下、本発明を図面に従って、さらに詳細
に説明する
【0016
【0017
【0018
【0019
【0020
【0021
【0022
【0023
【0024
【0025
【0026
【0027
【0028
【0029
【0030】図に示した自動車用ガラスアンテナ装置
において、40はAM用アンテナ兼用のデフォッガ4の
給電端子であるとともに、AM用アンテナの給電端子も
兼ねる。AM放送を受信した信号が、アース、直流電源
7へ漏れるのを防ぐために、リアクタンス回路8が設け
られており、またコンデンサ10が高周波領域におい
て、短絡となり、さらに、ガラス板1面のパターンのデ
フォッガのバスバー、ヒータ線から自動車の車体へ受
信された信号が漏れるのを防ぐために、高周波チョーク
コイル9と浮遊容量によって反共振現象を起こすように
高周波チョークコイルの定数が定められる。給電端子
40からAM用ラジオ受信機30へ信号を伝達し、か
つ、直流電源7からの直流を阻止するため、直流阻止
のコンデンサ42を給電端子40とAM用ラジオ受信機
30との間に挿入する。なお、図1において、3、
3’、3”はバスバー、11はFM用のアンテナ導体6
の給電端子、26はFM用ラジオ受信機である。
【0031】図に示した例では、AMアンテナ兼用の
デフォッガ4から電波信号が漏れるのを防ぐとともに、
給電端子40から見たアンテナ・インピーダンスとAM
用ラジオ受信機の入力インピーダンスによる不整合によ
るエネルギー・ロスを調整して、総合的に高利得が得ら
れるようにされている。リアクタンス回路モジュール4
1は、二端子リアクタンス回路網を構成したもので、前
述の直流電カットのため、コンデンサ42を直列に挿
入するほかは、給電端子40から見たアンテナ・インピ
ーダンスの補正及び微調整するためのものである。した
がって、場合によっては、コイル43がなく直結した形
でもよく、コイル43に追加してコイル43と並列にコ
ンデンサが置かれてもよい。
【0032】この例において、デフォッガ4と車体の後
部窓開口部19間の浮遊容量と高周波チョークコイル9
によって、反共振現象を起こさせ漏れ電流を阻止する。
この場合における給電端子40から見た周波数−アンテ
ナ・インピーダンス特性を図に示す。f1 は下限周波
数、f2 は上限周波数を示し、f0 はその中心周波数で
ある。
【0033】f0 は高周波チョークコイル9のインダク
タンスを調整することによって設定できる。さらに、
のAM用ラジオ受信機30の入力電圧のごとく、広
帯域で利得を得ることができるようにアンテナ・インピ
ーダンスとAM用ラジオ受信機30の入力インピーダン
スをなるべく等しくすることが望ましい。
【0034】しかし、一般に自動車用ラジオ受信機の入
力インピーダンスは低く、前述のごとく漏れ電流を阻止
するための高インピーダンスとは矛盾することがある。
したがって、総合的に高利得を得られるように反共振の
Q値とリアクタンス回路モジュール41を適度な値
択すればよい。これによって、従来用いられていた前置
増幅器を割愛しても、充分な利得を得ることができる。
【0035】図に示したAM用アンテナはデフォッガ
のヒータ線及びバスバーを利用することを基本構成とし
ているが、ヒータ線2をFM用アンテナ導体6のパタ
ーンと直結又は近接させて、さらに高利得を得てもよ
い。直流電源7側の給電端子44及びアース側の給電端
子40から見た、デフォッガ4と車体との間の浮遊容量
は、一般に10〜100pFである。
【0036】図の搬送周波数は例えば日本国内では、
1 =558kHz、f2 =1442kHzであるか
ら、対数換算するとf0 ≒900kHzである。したが
って、高周波チョークコイル9の並列合算のインダクタ
ンス値は150〜1500μHでよい。この高周波チョ
ークコイル9は例えばバイファイラー巻きのフェライト
・コアを使用したトロイダル・コイルが適しているが、
自己共振周波数がf2 以上であり、電流飽和を生じなけ
れば使用できる。
【0037】高周波チョークコイル9のQ値は高周波チ
ョークコイル9の線径と巻き数によって調整できるが、
高周波チョークコイル9と直列に抵抗を入れて調整して
もよい。また、コンデンサ10は5μF程度のフィルム
・コンデンサが適している。また、AM用ラジオ受信機
30の入力インピーダンスは20〜300Ωと種々ある
が、なるべく高インピーダンスが望ましい。
【0038】直流阻止用のコンデンサ42はできるだけ
大容量が望ましい。搬送周波数調整用のコイル43は、
デフォッガ4、チョークコイル42及びAM用ラジオ受
信機30の合算したリアクタンス成分を打ち消すことを
目的とするが、総合利得を高域又は低域のどちらかへシ
フトさせる微調整の役割が可能である。したがって、上
記コイル43に並列にコンデンサを接続し、調整をさら
に容易とすることもできる。
【0039】また、デフォッガ4の給電端子40からみ
た別の例のアンテナ・インピーダンスを図に示す。f
1 は該搬送周波数の下限値、f2 は上限値を示し、f0
は反共振周波数である。f0 は高周波チョークコイル9
のインダクタンス値を調整することによって設定でき
る。さらに、高感度利得を得るために、アンテナ・イン
ピーダンスとAM用ラジオ受信機の入力インピーダンス
が、なるべく等しいことが望ましい。
【0040】しかし、一般にAM用ラジオ受信機の入力
インピーダンスは低く、前述のごとく漏れ電流を阻止す
るための高インピーダンスとは矛盾したことである。し
たがって、総合的に高利得を得られ、さらに低ノイズと
するようにf0 を選択すればよい。図の搬送周波数は
例えば日本国内では、f1 =558kHz、f2 =14
42kHzであるから、反共振周波数f0 550kH
z以下である。
【0041】したがって、高周波チョークコイル9の合
算のインダクタンス値は1〜10mHでよい。高周波チ
ョークコイル9は、例えばバイファイラー巻きのフェラ
イト・コアを使用したトロイダル・コイルが適している
が、自己共振周波数はなるべく高くし、f2 以上である
ことが望ましい。また、電流飽和を生じてはいけない。
【0042】AM用ラジオ受信機30の入力インピーダ
ンスは20〜300Ωと種々あるが、なるべく高インピ
ーダンスが望ましい。高周波チョークコイルはできる
だけ大容量が望ましい。搬送周波数調整用のコイル43
は、デフォッガ4、高周波チョークコイル及びAM用
ラジオ受信機の合算したリアクタンス成分を打ち消すこ
とを目的としたものである。
【0043】上記したアンテナ装置は、広帯域にわたっ
て、AMラジオ放送を前置増幅器なしで受信可能な自動
車用広帯域AMガラス・アンテナ装置である。アンテナ
からの白色雑音の発生は、アンテナ・インピーダンスの
純抵抗分によって内部発生する場合と、外部からの混入
の場合がある。一般に、雑音エネルギーは純抵抗に比例
することが知られている。
【0044】本発明では、アンテナ・インピーダンスは
低いため、低ノイズ・アンテナといえる。さらに、高周
波チョークコイル9とコンデンサ1によって構成され
るフィルタにより、直流電源からの雑音止できる。
したがって、リアクタンス回路モジュール8はなるべく
ガラスアンテナ近傍に設置することが望ましい
【0045
【発明の効果】本発明によれば、前置増幅器なしで、高
利得、低ノイズの受信性能の高い自動車用ガラスアンテ
ナ装置を提供できる。特に、本発明によれば、AMラジ
オ放送を高利得、低ノイズで受信でき有用である。本発
明はFMラジオ放送、その他の放送波に対しても同様に
適用できる。
0046】したがって、前置増幅器を除くことがで
き、コストダウンが図ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用ガラスアンテナ装置の全
体を説明する概略図。
【図図1に示す自動車用ガラスアンテナ装置の給電
端子40から見た周波数−アンテナ・インピーダンス
性図。
【図図1に示す自動車用ガラスアンテナ装置の周波
数−AM用ラジオ受信機30の入力電圧特性図。
【図図1に示す自動車用ガラスアンテナ装置の給電
端子40から見た、図2とは別の周波数−アンテナ・イ
ンピーダンス特性図。
【図】従来例自動車用ガラスアンテナ装置の全体を
説明する概略図。
【符号の説明】 1:ガラス板 2:ヒータ線 3、3’、3”:バスバー 4:デフォッ 6:アンテナ導体 7:直流電源 8:リアクタンス回路モジュール 9:高周波チョークコイル 10:高周波短絡用のコンデンサ 11:アンテナ導体の給電端子 12:ラジオ受信 19:自動車車体の後部窓開口 26:FM用ラジオ受信 30:AM用ラジオ受信機 31:前置増幅器 40、44:給電端子 41:リアクタンス回路モジュール42:直流防止用のコンデ ンサ 43:コイル
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の後部窓用車体開口部に嵌め込まれ
    る後部窓ガラス板に、ヒータ線と該ヒータ線に給電する
    バスバーとを有する通電加熱式のデフォッガと、所定パ
    ターンのアンテナ線条を有するアンテナ導体とが設けら
    れた自動車用ガラスアンテナ装置において、 上記デフォッガとアンテナ導体とをそれらの一部におい
    て、両者間で直流電流の送受は行なわれないが高周波電
    流の送受は行なわれるように所定間隔をおいて近接させ
    て容量結合させるとともに、所望の放送周波数帯域の中
    心周波数において上記デフォッガと自動車の後部窓用車
    体開口部との間で反共振するようにデフォッガにリアク
    タンス回路を接続し、かつ、アンテナ導体の給電端子と
    受信機との間に共振回路を接続したことを特徴とする自
    動車用ガラスアンテナ装置。
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