JP3725464B2 - 生分解性合成繊維フィラメント用油剤及び生分解性合成繊維フィラメントの処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は生分解性合成繊維フィラメント用油剤及び生分解性合成繊維フィラメントの処理方法に関する。漁業用、農業用或は土木用等の産業資材用の繊維としては、強度及び耐候性の優れたものが要求されるため、主にポリアミド、ポリエステル、ビニロン、ポリオレフィン等から製造された合成繊維が使用されている。しかし、これらの合成繊維は自己分解性がなく、使用後、野山や海に放置されると、景観を損なうばかりでなく、鳥や海洋生物、ダイバー等に絡み付いて殺傷したり、船のスクリューに絡み付いて船舶事故を起こすという問題がある。この問題は、使用後の合成繊維を、焼却、埋め立て或は回収再生により処理すれば解決されるが、かかる処理には多大な手間や費用を要するため、現実には野山や海に放置されているのが実情である。そこで、このような問題を解決する方法として、生分解性の重合体から製造された合成繊維を用いることが考えられ、種々の生分解性合成繊維の開発が盛んに行なわれるようになっている。なかでも乳酸重合体は、比較的安価で、実用的な機械的物性と耐熱性を有する成形体を製造することが可能な生分解性重合体であり、これを繊維化することが種々試みられている。本発明は、乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤及び乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメントの処理方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤として、1)水、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、シリコーンオイル等を用いる例(特開平10−110332、特開2000−154425)、2)潤滑剤として石油系潤滑油を用いる例(特開2000−192370)、3)ラウリルホスフェートカリウム塩等のアニオン性界面活性剤、四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、脂肪族高級アルコールや高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物等のノニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールブロック共重合体等のポリアルキレングリコール、ジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーン等のシリコーンオイル類を用いる例(特開平7−118922、特開平7−126970)等が提案されている。ところが、これらの従来提案されている油剤には、乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメントに充分な平滑性及び集束性等を付与できず、そのためかかる生分解性合成繊維フィラメントの紡糸から加工に至る各工程、とりわけ仮撚加工工程において毛羽や断糸の発生が多く、また捲縮性が悪く、これらが複合的に作用して、機械的物性の良い繊維糸条を安定して製造することができないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しょうとする課題は、乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメントに優れた平滑性及び集束性等を付与し、よってかかる生分解性合成繊維フィラメントの紡糸から加工に至る各工程、とりわけ仮撚加工工程における毛羽や断糸の発生を防止すると共に捲縮性を向上して、優れた機械的物性を有する繊維糸条を安定して製造することができる生分解性合成繊維フィラメント用油剤及び生分解性合成繊維フィラメントの処理方法を提供する処にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記の課題を解決するべく研究した結果、乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤としては、特定の機能付与剤、潤滑剤及び界面活性剤をそれぞれ所定割合で含有し且つ油性指数が所定範囲内にあるものを用いるのが正しく好適であることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤であって、下記の機能付与剤を1〜18重量%、下記の潤滑剤を34〜75重量%、下記の界面活性剤を15〜65重量%含有しており、該潤滑剤及び該界面活性剤を合計で80重量%以上含有していて、且つ下記の油性指数が0.05〜0.16の範囲内にあることを特徴とする生分解性合成繊維フィラメント用油剤に係る。また本発明は、かかる生分解性合成繊維フィラメント用油剤を水性液となし、この水性液を乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメントに対し該生分解性合成繊維フィラメント用油剤として0.1〜3重量%となるよう付着させることを特徴とする生分解性合成繊維フィラメントの処理方法に係る。
【0006】
機能付与剤:平均分子量3500〜18000の下記の式1で示されるポリエーテル化合物及び平均分子量3500〜40000の下記のポリエーテルポリエステル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上
【0007】
【式1】
(A−B)nT
【0008】
式1において、
A:水素、1価の炭化水素基又はアシル基
B:炭素数2〜4のオキシアルキレン単位を構成単位とするポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレングリコールから全ての水酸基の水素を除いた残基
T:1〜4価の炭化水素基又は水素
n:Tが1〜4価の炭化水素基の場合は1〜4の整数、Tが水素の場合は1
【0009】
ポリエーテルポリエステル化合物:下記の成分Dと下記の成分Eとを縮重合反応させて得られるポリエーテルポリエステル化合物及び下記の成分Dと下記の成分Eと下記の成分Fとを縮重合反応させて得られるポリエーテルポリエステル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上
成分D:炭素数4〜22の脂肪族ジカルボン酸、炭素数4〜22の脂肪族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体から選ばれる一つ又は二つ以上
成分E:いずれも炭素数2〜4のオキシアルキレン単位を構成単位とするポリオキシアルキレン基を有する、ポリオキシアルキレンモノオール、ポリオキシアルキレンジオール及びポリオキシアルキレントリオールから選ばれる一つ又は二つ以上
成分F:炭素数2〜6のアルキレンジオール
【0010】
潤滑剤:炭素数17〜60の脂肪族エステル、平均分子量700〜2900のポリエーテル化合物及び30℃の粘度が2×10−6〜2×10−4m2/sの鉱物油から選ばれる一つ又は二つ以上
【0011】
界面活性剤:非イオン性界面活性剤と、有機スルホン酸塩及び脂肪酸塩から選ばれるアニオン性界面活性剤とから成るもの
【0012】
油性指数:振り子型油性摩擦試験機を用いて、25℃で相対湿度65%の雰囲気下に、荷重40g/80gの条件で測定したときの値
【0013】
本発明に係る生分解性合成繊維フィラメント用油剤に用いる機能付与剤には、1)平均分子量3500〜18000の式1で示されるポリエーテル化合物、2)成分Dと成分Eとを縮重合反応させて得られる平均分子量3500〜40000のポリエーテルポリエステル化合物、3)成分Dと成分Eと成分Fとを縮重合反応させて得られる平均分子量3500〜40000のポリエーテルポリエステル化合物が含まれる。
【0014】
機能付与剤として用いる式1で示されるポリエーテル化合物には、1)式1中のAの全てが水素である場合のポリエーテル化合物(以下、ポリエーテル化合物aという)、2)式1中のAの一部が水素であり、残部が1価の炭化水素基である場合のポリエーテル化合物(以下、ポリエーテル化合物bという)、3)式1中のAの全てが1価の炭化水素基である場合のポリエーテル化合物(以下、ポリエーテル化合物cという)、4)式1中のAの一部が水素であり、残部がアシル基である場合のポリエーテル化合物(以下、ポリエーテル化合物dという)、5)式1中のAの全てがアシル基である場合のポリエーテル化合物(以下、ポリエーテル化合物eという)、6)式1中のAの一部が水素であり、残部が炭化水素基とアシル基とである場合のポリエーテル化合物(以下、ポリエーテル化合物fという)、7)式1中のAの一部が炭化水素基であり、残部がアシル基である場合のポリエーテル化合物(以下、ポリエーテル化合物gという)が含まれる。
【0015】
ポリエーテル化合物a〜gはいずれも、公知の方法で合成できる。例えば、ポリエーテル化合物aは、式1中のTに相当する炭化水素基を有する1〜4価のヒドロキシ化合物に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを逐次付加反応させることにより合成できる。またポリエーテル化合物b及びcは、ポリエーテル化合物aの末端水酸基の一部又は全部をエーテル化反応によって式1中のAに相当する炭化水素基で封鎖することにより合成できる。更にポリエーテル化合物d及びeは、ポリエーテル化合物aの末端水酸基の一部又は全部をアシル化反応によって式1中のAに相当するアシル基で封鎖することにより合成できる。更にまたポリエーテル化合物f及びgは、ポリエーテル化合物aの末端水酸基の一部又は全部をエーテル化反応によって式1中のAに相当する炭化水素基で封鎖すると共にアシル化反応によって式1中のAに相当するアシル基で封鎖することにより合成できる。
【0016】
ポリエーテル化合物aの合成に供する1〜4価のヒドロキシ化合物としては、1)メタノール、ブタノール、オクタノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、イソブタノール、2−エチルヘキサノール、イソドデシルアルコール、イソヘキサデシルアルコール、イソステアリルアルコール、イソテトラコサニルアルコール、2−プロパノール、2−ヘキサノール、12−エイコサノール、ビニルアルコール、ブテニルアルコール、ヘキサデセニルアルコール、オレイルアルコール、エイコセニルアルコール、2−メチル−2−プロピレン−1−オール、6−エチル−2−ウンデセン−1−オール、2−オクテン−5−オール、15−ヘキサデセン−2−オール等の炭素数1〜40の1価の脂肪族ヒドロキシ化合物、2)フェノール、プロピルフェノール、オクチルフェノール、トリデシルフェノール等の芳香環を有する1価のヒドロキシ化合物、3)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット等の2〜4価の脂肪族ヒドロキシ化合物が挙げられるが、なかでも炭素数1〜6の1価の脂肪族ヒドロキシ化合物、炭素数2〜4の2価の脂肪族ヒドロキシ化合物が好ましく、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパンが更に好ましい。
【0017】
またポリエーテル化合物aの合成に供する炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。これらのアルキレンオキサイドは単独で或は混合で使用できる。混合で用いる場合、ヒドロキシ化合物へのアルキレンオキサイド付加形態としてはランダム付加、ブロック付加、ブロック・ランダム付加が挙げられる。
【0018】
ポリエーテル化合物b及びcにおいて、式1中のAに相当する1価の炭化水素基としては、1)メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ビニル基、ブテニル基、ヘキサデセニル基等の炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、3)フェニル基、プロピルフェニル基、オクチルフェニル基、ベンジル基等の芳香環を有する1価の炭化水素基等が挙げられるが、メチル基が好ましい。かかるポリエーテル化合物b及びcの合成には公知の方法を適用できる。例えば、ポリエーテル化合物aの金属錯塩にアルキルハライドを反応させる方法が挙げられる。
【0019】
ポリエーテル化合物d及びeにおいて、式1中のAに相当するアシル基としては、1)アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、ヘキサデセノイル基、エイコセノイル基、オクタデセノイル基等の炭素数2〜22の脂肪族アシル基、3)ベンゾイル基、トルオイル基、ナフトイル基等の芳香環を有するアシル基等が挙げられるが、なかでもデカノイル基、オクタデセノイル基が好ましい。かかるポリエーテル化合物d及びeの合成には公知の方法を適用できる。例えば、ポリエーテル化合物aの金属錯塩にアシルハライドを反応させる方法が挙げられる。
【0020】
ポリエーテル化合物f及びgにおいて、式1中のAに相当する炭化水素基は、ポリエーテル化合物b及びcについて前記したことと同様であり、また式1中のAに相当するアシル基はポリエーテル化合物d及びeについて前記したことと同様である。かかるポリエーテル化合物f及びgの合成には公知の方法を適用できる。例えば、ポリエーテル化合物aの金属錯塩にアルキルハライドを反応させ、更にアシルハライドを反応させる方法が挙げられる。
【0021】
以上説明した式1で示されるポリエーテル化合物は、いずれも平均分子量3500〜18000のものとする。
【0022】
機能付与剤として用いるポリエーテルポリエステル化合物には、1)成分Dと成分Eとを縮重合反応させて得られるポリエーテルポリエステル化合物、2)成分Dと成分Eと成分Fとを縮重合反応させて得られるポリエーテルポリエステル化合物が含まれる。
【0023】
ポリエーテルポリエステル化合物の合成に供する成分Dとしては、1)コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、α、ω−ドデカンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクタデセニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の炭素数4〜22の脂肪族ジカルボン酸、2)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸塩、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、3)コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル等の前記1)のエステル形成性誘導体、4)フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、5−スルホイソフタル酸ジメチル塩、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジエチル、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の前記2)のエステル形成性誘導体が挙げられる。なかでもアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸塩等の芳香族ジカルボン酸、それらのエステル形成性誘導体が好ましい。かかる有機ジカルボン酸及び有機ジカルボン酸のエステル形成性誘導体を縮合重合反応に供する場合、1種類を用いても、或は2種類以上を用いてもよい。
【0024】
ポリエーテルポリエステルの合成に供する成分Eには、いずれも炭素数2〜4のオキシアルキレン単位を構成単位とするポリオキシアルキレン基を有する、ポリオキシアルキレンモノオール、ポリオキシアルキレンジオール、ポリオキシアルキレントリオール、これらの任意の混合物が含まれる。
【0025】
ポリオキシアルキレンモノオールとしては、例えば後述するようなポリオキシアルキレンジオールの片末端を1価の炭化水素基で封鎖したものが挙げられる。かかる1価の炭化水素基としては、1)メチル基、エチル基、ブチル基、n−オクチル基、ラウリル基、ステアリル基、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜22の脂肪族炭化水素基、2)フェニル基、モノブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基等の芳香環を有する炭化水素基等が挙げられるが、なかでもフェニル基が好ましい。
【0026】
ポリオキシアルキレンジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の炭素数2〜6のアルキレンジオールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加反応させたものが挙げられる。なかでも平均分子量500〜5000のものが好ましく、かかる平均分子量のものであって、オキシアルキレン単位がオキシエチレン単位又はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから成り且つオキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=100/0〜50/50(モル%)の割合で有するものがより好ましい。
【0027】
ポリオキシアルキレントリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン等の炭素数2〜6のアルキレンジオールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加反応させたものが挙げられる。なかでも平均分子量500〜5000のものが好ましく、かかる平均分子量のものであって、オキシアルキレン単位がオキシエチレン単位又はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とから成り且つオキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=100/0〜50/50(モル%)の割合で有するものがより好ましい。
【0028】
ポリエーテルポリエステルの合成に供する成分Fとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の炭素数2〜6のアルキレンジオールが挙げられるが、なかでもエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールが好ましい。
【0029】
機能付与剤として用いるポリエーテルポリエステル化合物において、それが成分Dと成分Eとの縮重合反応により得られるものの場合、成分Dから形成される構成単位を40〜60モル%、好ましくは48〜52モル%、成分Eから形成される構成単位を40〜60モル%、好ましくは48〜52モル%の割合で有するものが好ましい。また成分Dと成分Eと成分Fとの縮重合反応により得られるものの場合、成分Dから形成される構成単位を20〜40モル%、好ましくは20〜25モル%、成分Eから形成される構成単位を5〜30モル%、好ましくは15〜20モル%、成分Fから形成される構成単位を40〜70モル%、好ましくは50〜60モル%の割合で有するものが好ましい。
【0030】
機能付与剤として用いるポリエーテルポリエステルの合成には公知の方法が適用できる。例えば、1)成分Dである有機ジカルボン酸と、成分Eであるポリオキシアルキレンジオールと、成分Fであるアルキレンジオールとを、公知のアニオン重合触媒、カチオン重合触媒、配位アニオン重合触媒等の存在下で高温高真空下に低分子量化合物を留去しながら重縮合反応させてポリエーテルポリエステル化合物とする直接重縮合反応による方法が挙げられる。
【0031】
以上説明したポリエーテルポリエステル化合物は、成分Dと成分Eから得られるポリエーテルポリエステル化合物及び成分Dと成分Eと成分Fから得られるポリエーテルポリエステル化合物共に、平均分子量3500〜40000のものとする。
【0032】
本発明に係る生分解性合成繊維フィラメント用油剤は、以上説明した機能付与剤の他に、潤滑剤及び界面活性剤を含有するものである。かかる潤滑剤としては、次のような脂肪族エステル、ポリエーテル化合物、鉱物油、これらの任意の混合物を用いる。
【0033】
潤滑剤として用いる脂肪族エステルとしては、脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル化反応により得られるものであって、脂肪族アルコール部分の炭化水素基の炭素数と脂肪酸部分の炭化水素基の炭素数との和が17〜60になるものを用いるが、炭素数の和が22〜36になるものを用いるのが好ましい。かかる脂肪族エステルの合成に用いる脂肪族アルコールとしては、1)メタノール、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等の脂肪族1価アルコール、2)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ペンタエリトリット等の脂肪族多価アルコールが挙げられる。また脂肪酸としては、1)酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等の飽和脂肪族モノカルボン酸、2)リンデル酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸等の脂肪族モノエンモノカルボン酸、3)リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の脂肪族非共役ポリエンモノカルボン酸、4)琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。具体的に、脂肪族1価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とから得られる脂肪酸エステルとしては、ラウリルオレアート、ステアリルオレアート、オレイルオレアート、オクチルオレアート、トリデシルオレアート、メチルオレアート、ブチルオレアート、2−エチルヘキシルオレアート、オクチルステアラート、オレイルステアラート、オレイルパルミタート、オレイルラウラート、オレイルイソステアラート、オレイルオクタノアート等が挙げられるが、なかでもラウリルオレアート、オクチルステアラートが好ましい。また脂肪族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とから得られる脂肪酸エステルの具体例としては、エチレン=ジラウラート、プロピレン=ジステアラート、ブタン=パルミタート、ヘキサン=ジラウラート、グリセリン=トリ(12−ヒドロキシステアラート)、グリセリン=トリオレアート、グリセリン=パルミタート=ジステアラート、トリメチロールプロパン=トリパルミタート、ソルビタン=テトラオレアート、ペンタエリトリト=テトララウラート等が挙げられるが、なかでもグリセリン=トリ(12−ヒドロキシステアラート)、ソルビタン=テトラオレアートが好ましい。更に脂肪族1価アルコールと脂肪族ジカルボン酸とから得られる脂肪酸エステルの具体例としては、琥珀酸ジステアリル、グルタル酸ジステアリル、アジピン酸ジセチル、ピメリン酸ジベヘニル、スベリン酸ジベヘニル、アゼライン酸ジステアリル、セバシン酸ジステアリル等が挙げられるが、なかでもアジピン酸ジセチルが好ましい。
【0034】
潤滑剤として用いるポリエーテル化合物としては、前記した式1で示されるポリエーテル化合物であって、平均分子量が700〜2900の範囲内にあるものを用いる。
【0035】
潤滑剤として用いる鉱物油としては、30℃の粘度が2×10−6〜2×10−4m2/sのものを用いるが、30℃の粘度が2×10−6〜2×10−5m2/sのものを用いるのが好ましい。かかる好ましい鉱物油としては流動パラフィンオイルが有利に使用できる。
【0036】
界面活性剤としては、次のような非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物を用いる。
【0037】
非イオン性界面活性剤としては、1)炭素数6〜22の脂肪族1価アルコールのオキシアルキレン付加物、2)炭素数6〜22の脂肪族1価アルコールのオキシアルキレン付加物の脂肪酸エステル、3)炭素数2〜6の脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステル、4)炭素数2〜6の脂肪族多価アルコールのオキシアルキレン付加物の脂肪酸エステル、5)炭素数6〜22の脂肪族アミンのオキシアルキレン付加物、6)炭素数6〜22の脂肪族アミドのオキシアルキレン付加物が挙げられる。
【0038】
非イオン性界面活性剤として用いる炭素数6〜22の脂肪族1価アルコールのオキシアルキレン付加物において、その合成原料として用いる炭素数6〜22の脂肪族1価アルコールとしては、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘキサデセニルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、オクタデセニルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、エイコセニルアルコール、ドコシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール等が挙げられるが、なかでも炭素数8〜18の脂肪族1価アルコールが好ましく、2−エチルヘキシルアルコール、ドデカニルアルコールが特に好ましい。かかる炭素数6〜22の脂肪族1価アルコールのオキシアルキレン付加物としては、オキシエチレン付加物、オキシプロピレン付加物、オキシエチレンオキシプロピレン付加物等が挙げられ、更にはこれらの付加物の任意の混合物が挙げられるが、炭素数6〜22の脂肪族1価アルコール1モル当たりオキシアルキレンを3〜30モルの割合で付加したものが好ましい。
【0039】
非イオン性界面活性剤として用いる炭素数6〜22の脂肪族1価アルコールのオキシアルキレン付加物の脂肪酸エステルにおいて、その一方の合成原料として用いる炭素数6〜22の脂肪族1価アルコールのオキシアルキレン付加物については前記したことと同様である。但し、この場合には、炭素数6〜22の脂肪族1価アルコール1モル当たりオキシアルキレンを1〜10モルの割合で付加したものが好ましい。他方の合成原料として用いる脂肪酸としては、1)酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等の炭素数2〜22の飽和脂肪酸、2)リンデル酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸等の脂肪族モノエン酸、3)リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の炭素数18〜22の脂肪族非共役ポリエン酸、3)琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
【0040】
非イオン性界面活性剤として用いる炭素数2〜6の脂肪族多価アルコールの脂肪酸エステルにおいて、その一方の合成原料として用いる炭素数2〜6の脂肪族多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ペンタエリトリト等が挙げられる。他方の合成原料として用いる脂肪酸については前記したことと同様である。かかる多価アルコールの脂肪酸部分エステルの具体例としては、エチレン=モノラウラート、プロピレン=モノステアラート、ブタン=モノパルミタート、ヘキサン=モノラウラート、グリセリン=ジ(12−ヒドロキシステアラート)、グリセリン=ジオレアート、グリセリン=モノパルミタート=モノステアラート、トリメチロールプロパン=ジパルミタート、ソルビタン=モノオレアート、ペンタエリトリト=ジラウラート等が挙げられるが、なかでもグリセリン=ジ(12−ヒドロキシステアラート)、ソルビタン=モノオレアートが好ましい。
【0041】
非イオン性界面活性剤として用いる炭素数2〜6の脂肪族多価アルコールのオキシアルキレン付加物の脂肪酸エステルにおいて、その一方の合成原料として用いる炭素数2〜6の脂肪族多価アルコールについては前記したことと同様である。かかる炭素数2〜6の脂肪族多価アルコールのオキシアルキレン付加物としては、オキシエチレン付加物、オキシプロピレン付加物、オキシエチレンオキシプロピレン付加物等が挙げられ、更にはこれらの付加物の任意の混合物が挙げられるが、炭素数2〜6の脂肪族多価アルコール1モル当たりオキシアルキレンを3〜40モルの割合で付加したものが好ましい。他方の合成原料として用いる脂肪酸については前記したことと同様である。かかる炭素数2〜6の脂肪族多価アルコールのオキシアルキレン付加物の脂肪酸エステルの具体例としては、ポリオキシエチレン=ジラウラート、ポリオキシプロピレン=ジステアラート、1,4−ジ(ポリオキシエチレン)ブタン=パルミタート、1,6−ジ(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)ヘキサン=ジラウラート、1,2,3−トリ(ポリオキシエチレン)グリセリン=トリ(12−ヒドロキシステアラート)等が挙げられるが、なかでもポリオキシエチレン=ジラウラート、1,2,3−トリ(ポリオキシエチレン)グリセリン=トリ(12−ヒドロキシステアラート)が好ましい。
【0042】
非イオン性界面活性剤として用いる炭素数6〜22の脂肪族アミンのオキシアルキレン付加物において、その合成原料として用いる炭素数6〜22の脂肪族アミンとしては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、アラキニルアミン等の飽和脂肪族アミン、2)2−テトラデセニルアミン、2−ペンタデセニルアミン、2−オクタデセニルアミン、15−ヘキサデセニルアミン、オレイルアミン、リノレイルアミン、エレオステアリルアミン等の不飽和脂肪族アミン等が挙げられる。なかでもラウリルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン等が好ましい。かかる炭素数6〜22の脂肪族アミンのオキシアルキレン付加物としては、オキシエチレン付加物、オキシプロピレン付加物、オキシエチレンオキシプロピレン付加物等が挙げられ、更にはこれらの付加物の任意の混合物が挙げられるが、炭素数6〜22の脂肪族アミン1モル当たりオキシアルキレンを2〜20モルの割合で付加したものが好ましい。
【0043】
非イオン性界面活性剤として用いる炭素数6〜22の脂肪族アミドのオキシアルキレン付加物において、その合成原料として用いる炭素数6〜22の脂肪族アミドとしては、ポリアルキレンポリアミンと脂肪酸とのアミド化反応から得られる脂肪族アミドが挙げられる。かかるアミド化反応において、ポリアルキレンポリアミンに対する脂肪酸の割合は、ポリアルキレンポリアミンの末端アミノ基を少なくとも1個アミド化するに必要な割合とするが、ポリアルキレンポリアミンの両末端のアミノ基がアミド化される割合とするのが好ましい。かかる脂肪族アミドを形成することとなるポリアルキレンポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジトリメチレントリアミン、トリトリメチレンテトラミン等が挙げられるが、ジエチレントリアミンが好ましい。また脂肪酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、リンデル酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸等が挙げられるが、なかでもラウリン酸、オレイン酸が好ましい。かかる炭素数6〜22の脂肪族アミドのオキシアルキレン付加物としては、オキシエチレン付加物、オキシプロピレン付加物、オキシエチレンオキシプロピレン付加物等が挙げられ、更にはこれらの付加物の任意の混合物が挙げられるが、炭素数6〜22の脂肪族アミド1モル当たりオキシアルキレンを1〜15モルの割合で付加したものが好ましい。
【0044】
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩及び/又は有機スルホン酸塩を用いる。アニオン性界面活性剤として用いる脂肪酸塩としては、1)炭素数6〜22の脂肪酸のアルカリ金属塩、2)炭素数6〜22の脂肪酸のアミン塩が挙げられる。かかる炭素数6〜22の脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルシン酸、リノール酸、ドデセニルコハク酸等が挙げられる。かかる炭素数6〜22の脂肪酸のアルカリ金属塩を構成することと成るアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられ、またアミン塩を構成することとなるアミンとしては、1)メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、オクチルアミン等の脂肪族アミン類、2)アニリン、ピリジン、モルホリン、ピペラジン又はこれらの誘導体等の芳香族アミン類又は複素環アミン類、3)モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ブチルジエタノールアミン、オクチルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類、4)アンモニア等が挙げられる。これらの脂肪酸塩のうちでは特にドデセニルコハク酸カリウム塩が好ましい。
【0045】
アニオン性界面活性剤として用いる有機スルホン酸塩としては、1)デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸リチウム、ヘキサデシルスルホン酸カリウム等のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、2)ブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩、3)1,2−ビス(ジオクチルオキシカルボニル)−エタンスルホン酸ナトリウム、1,2−ビス(ジブチルオキシカルボニル)−エタンスルホン酸リチウム、ドデシルスルホ酢酸エステルナトリウム、ノニルフェノキシポリエチレングリコールスルホ酢酸エステルカリウム等のエステルスルホン酸アルカリ金属塩が挙げられるが、これらのうちではアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、アルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩が好ましく、特に炭素数12〜18のものが好ましい。
【0046】
本発明に係る生分解性合成繊維フィラメント用油剤では、界面活性剤として、以上説明したような非イオン性界面活性剤と、脂肪酸塩及び有機スルホン酸塩から選ばれるアニオン性界面活性剤との混合物を用いる。
【0047】
本発明に係る生分解性合成繊維フィラメント用油剤は、以上説明したような機能付与剤を1〜18重量%、潤滑剤を34〜75重量%、界面活性剤を15〜65重量%含有しており、しかも潤滑剤及び界面活性剤を合計で80重量%以上含有するものである。
【0048】
本発明は係る生分解性合成繊維フィラメント用油剤は、以上説明したような機能付与剤、潤滑剤及び界面活性剤の他に、合目的的に他の成分、例えば抗酸化剤、防腐剤、防錆剤等を含有することもできるが、その含有量は可及的に少量とする。
【0049】
また本発明に係る生分解性合成繊維フィラメント用油剤は、その油性指数が0.05〜0.16の範囲内にあるものである。ここで油性指数とは、振り子型油性摩擦試験機を用いて、25℃で相対湿度65%の雰囲気下に、荷重40g/80gの条件で測定したときの値である。
【0050】
本発明に係る生分解性合成繊維フィラメントの処理方法は、以上説明した本発明に係る生分解性合成繊維フィラメント用油剤を水性液となし、この水性液を乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメントに対し、該生分解性合成繊維フィラメント用油剤として0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%となるよう付着させる方法である。付着方法としては、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法、浸漬給油法、スプレー給油法等、公知の方法が適用できる。また付着工程としては、乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメントの紡糸工程、紡糸と延伸とを同時に行なう工程等が挙げられるが、いずれにしても仮撚加工に供される生分解性合成繊維フィラメントに適用する場合に効果の発現が高い。
【0051】
本発明に係る生分解性合成繊維フィラメント用油剤及び生分解性合成繊維の処理方法において、対象となる生分解性合成繊維としては、1)乳酸単独重合体であるポリ乳酸、2)乳酸とε−カプロラクトン、γ−ブチロラントン、γ−バレロラクトン等の環状ラクトンとから得られる乳酸共重合体、3)乳酸とヒドロキシ酪酸、ヒドロキシイソ酪酸、ヒドロキシ吉草酸等のヒドロキシ酸とから得られる乳酸共重合体、4)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコールとから得られる乳酸共重合体、5)乳酸と琥珀酸、セバシン酸、アジピン酸等のジカルボン酸とから得られる乳酸共重合体、6)前記1)〜5)の2つ以上の混合物等が挙げられる。
【0052】
【発明の実施の形態】
本発明に係る生分解性合成繊維フィラメント用油剤の実施形態としては、次の1)〜8)が挙げられる。
1)乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤であって、下記の機能付与剤(K−1)を10重量%、下記の潤滑剤(L−1)を75重量%、下記の界面活性剤(S−1)を15重量%含有しており、且つ油性指数が0.09である生分解性合成繊維フィラメント用油剤。
機能付与剤(K−1):エチレングリコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=50/50(モル比)の割合でランダム状に付加した平均分子量10000のポリエーテル化合物
潤滑剤(L−1):ブチルアルコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=60/40(モル比)の割合でランダム状に付加した平均分子量1100のポリエーテルモノオール/ブチルアルコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=75/25(モル比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量2400のポリエーテルモノオール=1/1(重量比)の混合物
界面活性剤(S−1):ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の繰り返し数5、以下n=5とする)ラウリルエーテル/ソルビタンモノオレアート/ドデシルスルホン酸ナトリウム=67/27/6(重量比)の混合物
【0053】
2)乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤であって、下記の機能付与剤(K−2)を16重量%、下記の潤滑剤(L−2)を62重量%、前記の界面活性剤(S−1)を21重量%、下記のその他の成分(E−1)を1重量%含有しており、且つ油性指数が0.07である生分解性合成繊維フィラメント用油剤。
機能付与剤(K−2):トリメチロールプロパンにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=70/30(モル比)の割合でランダム状に付加して得られるポリエーテルトリオールの全ての水酸基の水素をメチル基で置換した平均分子量6000のポリエーテル化合物
潤滑剤(L−2):ドデシルアルコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=40/60(モル比)の割合でランダム状に付加した平均分子量2500のポリエーテルモノオール/エチレングリコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=80/20(モル比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量1000のポリエーテルジオール=1/2(重量比)の混合物
その他の成分(E−1):ポリエーテル変性シリコーン
【0054】
3)乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤であって、下記の機能付与剤(K−3)を11重量%、前記の潤滑剤(L−1)を74重量%、前記の界面活性剤(S−1)を15重量%含有しており、且つ油性指数が0.10である生分解性合成繊維フィラメント用油剤。
機能付与剤(K−3):エチレングリコールにエチレンオキサイドとブチレンオキサイドとをエチレンオキサイド/ブチレンオキサイド=70/30(モル比)の割合でランダム状に付加して得られるポリエーテルジオールの全ての水酸基の水素をデカノイル基で置換した平均分子量3500のポリエーテル化合物
【0055】
4)乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤であって、前記の機能付与剤(K−3)を5重量%、前記の潤滑剤(L−1)を40重量%、下記の界面活性剤(S−2)を55重量%含有しており、且つ油性指数が0.11である生分解性合成繊維フィラメント用油剤。
界面活性剤(S−2):ポリオキシエチレン(n=5)ラウリルエーテル/ポリオキシエチレン(n=4)ラウリルエーテルのデカン酸エステル/ドデセニルコハク酸ジカリウム=14/85/2(重量比)の混合物
【0056】
5)乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤であって、下記の機能付与剤(K−6)を1重量%、前記の潤滑剤(L−1)を42重量%、前記の界面活性剤(S−2)を57重量%含有しており、且つ油性指数が0.08である生分解性合成繊維フィラメント用油剤。
機能付与剤(K−6):テレフタル酸ジメチル/平均分子量1000のポリエチレングリコール=1/1(モル比)から得られる平均分子量20000のポリエーテルポリエステル化合物
【0057】
6)乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤であって、前記の機能付与剤(K−6)を3重量%、前記の潤滑剤(L−2)を66重量%、前記の界面活性剤(S−1)を30重量%、前記のその他の成分(E−1)を1重量%含有しており、且つ油性指数が0.06である生分解性合成繊維フィラメント用油剤。
【0058】
7)乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤であって、下記の機能付与剤(K−7)を5重量%、前記の潤滑剤(L−1)を74重量%、前記の界面活性剤(S−1)を19重量%、下記のその他の成分(E−2)を2重量%含有しており、且つ油性指数が0.08である生分解性合成繊維フィラメント用油剤。
機能付与剤(K−7):テレフタル酸ジメチル/5−スルホイソフタル酸ジメチル/平均分子量600のポリエチレングリコール/エチレングリコール=0.95/0.05/0.9/0.1(モル比)から得られる平均分子量8000のポリエーテルポリエステル化合物
その他の成分(E−2):エチレングリコール
【0059】
8)乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤であって、前記の機能付与剤(K−7)を5重量%、下記の潤滑剤(L−3)を40重量%、前記の界面活性剤(S−2)を55重量%含有しており、且つ油性指数が0.10である生分解性合成繊維フィラメント用油剤。
潤滑剤(L−3):オクチルステアラート
【0060】
また本発明に係る生分解性合成繊維フィラメントの処理方法の実施形態としては、次の9)が挙げられる。
9)前記1)〜8)のうちでいずれかの生分解性合成繊維フィラメント用油剤を10重量%水性液となし、この水性液を乳酸重合体から紡糸した生分解性合成繊維フィラメントに対し該生分解性合成繊維フィラメント用油剤として0.8重量%となるよう付着させる生分解性合成繊維フィラメントの処理方法。
【0061】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、部は重量部を、また%は重量%を意味する。
【0062】
【実施例】
試験区分1(生分解性合成繊維フィラメント用油剤の調製)
・実施例1
下記の機能付与剤(K−1)10重量部、下記の潤滑剤(L−1)75重量部、下記の界面活性剤(S−1)15重量部を均一混合して、下記の油性指数が0.09の生分解性合成繊維フィラメント用油剤(P−1)を調製した。
機能付与剤(K−1):エチレングリコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=50/50(モル比)の割合でランダム状に付加した平均分子量10000のポリエーテルジオール
潤滑剤(L−1):ブチルアルコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=60/40(モル比)の割合でランダム状に付加した平均分子量1100のポリエーテルモノオール/ブチルアルコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=75/25(モル比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量2400のポリエーテルモノオール=1/1(重量比)の混合物
界面活性剤(D−1):オキシエチレン単位の繰り返し数5のポリオキシエチレン基及び炭素数12のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル/ソルビタンモノオレアート/ラウリルスルホン酸ナトリウム=10/4/1(重量比)の混合物
【0063】
油性指数:振り子型油性摩擦試験機(神鋼造機株式会社社製)を用いて、25℃で相対湿度65%の雰囲気下に、荷重40g/80gの条件で測定した値
【0064】
・実施例2〜8及び比較例1〜3
実施例1と同様にして、実施例2〜8及び比較例1〜3の各生分解性合成繊維フィラメント用油剤(P−2〜P−8及びR−1〜R−3)を調製した。実施例1も含め、各例で調製した生分解性合成繊維フィラメント用油剤の内容を表1にまとめて示した。
【0065】
【表1】
【0066】
表1において、
使用量:部
K−1:エチレングリコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=50/50(モル比)の割合でランダム状に付加した平均分子量10000のポリエーテルジオール
K−2:トリメチロールプロパンにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=70/30(モル比)の割合でランダム状に付加して得られたポリエーテルトリオールの全ての水酸基の水素をメチル基で置換した平均分子量6000のポリエーテル化合物
K−3:エチレングリコールにエチレンオキサイドとブチレンオキサイドとをエチレンオキサイド/ブチレンオキサイド=70/30(モル比)の割合でランダム状に付加して得られたポリエーテルジオールの全ての水酸基の水素をデカノイル基で置換した平均分子量3500のポリエーテル化合物
K−4:テレフタル酸ジメチル/平均分子量1000のポリエチレングリコール=1/1(モル比)から得られる平均分子量20000のポリエーテルポリエステル化合物
K−5:テレフタル酸ジメチル/5−スルホイソフタル酸ジメチル/平均分子量600のポリエチレングリコール/エチレングリコール=0.95/0.05/0.9/0.1(モル比)から得られる平均分子量8000のポリエーテルポリエステル化合物
【0067】
L−1:ブチルアルコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=60/40(モル比)の割合でランダム状に付加した平均分子量1100のポリエーテルモノオール/ブチルアルコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=75/25(モル比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量2400のポリエーテルモノオール=1/1(重量比)の混合物
L−2:ドデシルアルコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=40/60(モル比)の割合でランダム状に付加した平均分子量2500のポリエーテルモノオール/エチレングリコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=80/20(モル比)の割合でランダム状に付加した数平均分子量1000のポリエーテルジオール=1/2(重量比)の混合物
L−3:オクチルステアラート
【0068】
S−1:ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の繰り返し数5、以下n=5とする)ラウリルエーテル/ソルビタンモノオレアート/ドデシルスルホン酸ナトリウム=67/27/6(重量比)の混合物
S−2:ポリオキシエチレン(n=5)ラウリルエーテル/ポリオキシエチレン(n=4)ラウリルエーテルのデカン酸エステル/ドデセニルコハク酸ジカリウム=14/85/2(重量比)の混合物
S−3:ポリオキシエチレン(n=5)ラウリルエーテル/ポリオキシアルキレン(n=4)ジエチレントリアミンイソステアリルアミド/ラウリルジメチルアミンオキサイド=40/40/20(重量比)の混合物
【0069】
E−1:ポリエーテル変性シリコーン
E−2:エチレングリコール
【0070】
・試験区分2(生分解性合成繊維フィラメントへの各生分解性合成繊維フィラメント用油剤の付着及び評価)
・生分解性合成繊維フィラメントへの各生分解性合成繊維フィラメント用油剤の付着
平均分子量100000、メルトフロート(210℃)25g/10分、ガラス転移点64℃、比重1.26の乳酸重合体チップをエクストルーダー型溶融紡糸機に供給して210℃で溶融し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に、試験区分1で調製した生分解性合成繊維フィラメント用油剤を水で希釈した10%水性液を、計量ポンプを用いたガイド給油法にて、生分解性合成繊維フィラメント用油剤としての付着量が表2記載の付着量となるよう付着させた後、ガイドで集束させ、機械的な延伸を伴うことなく2800m/分の速度で巻き取り、154デシテックス36フィラメントの部分延伸糸を10kg捲きケークとして複数得た。得られた部分延伸糸は、強度=2.8g/dtx、伸度=78%であった。
【0071】
・生分解性合成繊維フィラメント用油剤の付着量の測定
JIS−L1073(合成繊維フィラメント糸試験方法)に準拠し、抽出溶剤としてノルマルヘキサン/エタノール(50/50容量比)混合溶剤を用いて、生分解性合成繊維フィラメントに対する生分解性合成繊維フィラメント用油剤の付着量を測定した。結果を表2にまとめて示した。
【0072】
・捲縮性の評価
得られた部分延伸糸を、3軸摩擦方式(硬質ポリウレタンゴムディスク使用)を用いて、糸条走行速度=400m/分、延伸倍率=1.5倍、加撚側ヒーター=長さ2mで表面温度100℃及び140℃、解撚側ヒーター=なし、目標撚数=2800T/mで延伸仮撚した。得られた100デシテックス/36フィラメントの仮撚加工糸を巻き取る前に、撚数測定装置(東レエンジニアリング株式会社製)にて撚数を測定し、捲縮性を次の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
◎:目標撚数通り、2800T/m
○:2700T/m以上2800T/m未満
△:2500T/m以上2700T/m未満
×:2500T/m未満
【0073】
・毛羽の評価
得られた100デシテックス/36フィラメントの仮撚加工糸を巻き取る前に、毛羽計数装置(東レエンジニアリング株式会社製のDT−105)にて1時間当たりの毛羽数を測定し、次の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
◎:発生せず
○:5個以下発生
△:5以上10個未満発生
×:10個以上発生
【0074】
・断糸の評価
上記条件で10日間連続して延伸仮撚運転後、発生した断糸数を1時間当たりの数に換算し、次の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
◎:発生せず
○:1回/時間発生
△:3回/時間発生
×:5回/時間以上発生
【0075】
・仮撚糸の強度測定
得られた仮撚糸の強度評価をJIS−L1013に準じて、引張強伸度特性として評価した。結果を表2にまとめて示した。
◎:強度が5.4g/dtx以上
○:強度が5.0g/dtx以上5.4g/dtx未満
△:強度が4.0g/dtx以上5.0g/dtx未満
×:強度が4.0g/dtx未満
【0076】
【表2】
【0077】
表2において、
油剤付着量:生分解性合成繊維フィラメントに対する生分解性合成繊維フィラメント用油剤の付着量(%)
条件1:ヒーター温度100℃
条件2:ヒーター温度140℃
【0078】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメントに優れた平滑性及び集束性等を付与し、よってかかる生分解性合成繊維フィラメントの紡糸から加工に至る各工程、とりわけ仮撚加工工程における毛羽や断糸の発生を防止すると共に捲縮性を向上して、優れた機械的物性を有する繊維糸条を安定して製造することができるという効果がある。
Claims (3)
- 乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメント用の油剤であって、下記の機能付与剤を1〜18重量%、下記の潤滑剤を34〜75重量%、下記の界面活性剤を15〜65重量%含有しており、該潤滑剤及び該界面活性剤を合計で80重量%以上含有していて、且つ下記の油性指数が0.05〜0.16の範囲内にあることを特徴とする生分解性合成繊維フィラメント用油剤。
機能付与剤:平均分子量3500〜18000の下記の式1で示されるポリエーテル化合物及び平均分子量3500〜40000の下記のポリエーテルポリエステル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上
【式1】
(A−B)nT
(式1において、
A:水素、1価の炭化水素基又はアシル基
B:炭素数2〜4のオキシアルキレン単位を構成単位とするポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレングリコールから全ての水酸基の水素を除いた残基
T:1〜4価の炭化水素基又は水素
n:Tが1〜4価の炭化水素基の場合は1〜4の整数、Tが水素の場合は1)
ポリエーテルポリエステル化合物:下記の成分Dと下記の成分Eとを縮重合反応させて得られるポリエーテルポリエステル化合物及び下記の成分Dと下記の成分Eと下記の成分Fとを縮重合反応させて得られるポリエーテルポリエステル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上
成分D:炭素数4〜22の脂肪族ジカルボン酸、炭素数4〜22の脂肪族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体から選ばれる一つ又は二つ以上
成分E:いずれも炭素数2〜4のオキシアルキレン単位を構成単位とするポリオキシアルキレン基を有する、ポリオキシアルキレンモノオール、ポリオキシアルキレンジオール及びポリオキシアルキレントリオールから選ばれる一つ又は二つ以上
成分F:炭素数2〜6のアルキレンジオール
潤滑剤:炭素数17〜60の脂肪族エステル、平均分子量700〜2900のポリエーテル化合物及び30℃の粘度が2×10 −6 〜2×10 −4 m 2 /sの鉱物油から選ばれる一つ又は二つ以上
界面活性剤:非イオン性界面活性剤と、有機スルホン酸塩及び脂肪酸塩から選ばれるアニオン性界面活性剤とから成るもの
油性指数:振り子型油性摩擦試験機を用いて、25℃で相対湿度65%の雰囲気下に、荷重40g/80gの条件で測定したときの値 - 請求項1記載の生分解性合成繊フィラメント用油剤を水性液となし、この水性液を乳酸重合体から製造される生分解性合成繊維フィラメントに対し該生分解性合成繊フィラメント用油剤として0.1〜3重量%となるよう付着させることを特徴とする生分解性合成繊維フィラメントの処理方法。
- 生分解性合成繊維フィラメントが仮撚加工に供されるものである請求項2記載の生分解性合成繊維フィラメントの処理方法。
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