JP3926050B2 - 合成繊維用油剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は合成繊維用油剤に関する。近年、合成繊維の製造・加工工程ではめざましい勢いで高速化が進められている。その製造工程では、製糸速度が5000〜8000m/分に達しようとしており、また加工工程では、製織速度が1000〜1200rpm、編立速度が1200〜1500回/分に達しようとしている。このように合成繊維フィラメント糸状の走行速度が高速化すると、その製造・加工工程では、合成繊維フィラメント糸状と接糸機材との擦過や合成繊維フィラメント糸状を構成する単繊維同士の擦過がそれだけ激しくなり、合成繊維フィラメント糸状の集束性不足、合成繊維フィラメント糸条からの付着油剤の脱落等による接糸機材へのスカムの発生及び接糸機材の摩耗等に起因する毛羽立ちや糸切れが著しく増加する。このため合成繊維フィラメント糸状に付着させる合成繊維用油剤には、それが上記のような高速下に製造・加工される場合であっても、合成繊維フィラメント糸状に高度の集束性を付与すると同時に、合成繊維フィラメント糸状からの付着油剤の脱落等による接糸機材へのスカムの発生や接糸機材の摩耗を抑えて、毛羽立ちや糸切れを少なくするものであることが要求される。本発明は、かかる要求に応える合成繊維用油剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、それが高速下で製造・加工される場合であっても合成繊維フィラメント糸条に集束性を与えて毛羽立ちや糸切れを防止する合成繊維用油剤として、一般的な潤滑剤成分及び界面活性剤成分の他に、1)ポリエーテルの主構成単位がポリテトラメチレングリコールであるポリエーテルエステルを含有するもの(特開昭59−59978)、2)芳香族ポリエーテルポリエステルを含有するもの(特開昭62−6982)、3)スルホン酸基を有する変性ポリエステル共重合体を含有するもの(特開平3−64517)、4)比較的低分子量のポリエーテルエステルと部分酸化ポリエチレンワックスとを含有するもの(特開平7−84707)、5)マレイン化ワックスを含有するもの(特開昭63−126918)等が提案されている。ところが、これら従来の合成繊維用油剤ではいずれも、近年のように合成繊維フィラメント糸条の走行速度が高速化すると、かかる合成繊維フィラメント糸条への集束性付与、かかる合成繊維フィラメント糸条からの付着油剤の脱落等による接糸機材へのスカム発生の抑制及び接糸機材の摩耗の抑制を同時に且つ充分になし得ず、このためその製造・加工工程で合成繊維フィラメント糸条に毛羽立ちや糸切れが発生するのを充分に防止できないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来の合成繊維用油剤では、近年のように合成繊維フィラメント糸条の走行速度が高速化すると、かかる合成繊維フィラメント糸条への集束性付与、かかる合成繊維フィラメント糸条からの付着油剤の脱落等による接糸機材へのスカム発生の抑制及び接糸機材の摩耗の抑制を同時に且つ充分になし得ず、このためその製造・加工工程で合成繊維フィラメント糸条に毛羽立ちや糸切れが発生するのを充分に防止できないという点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記課題を解決するべく研究した結果、合成繊維用油剤として特定のアシル化ポリエーテルを所定の割合で含有するものが正しく好適であることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、潤滑剤成分及び界面活性剤成分を含有する合成繊維用油剤において、下記の式1で示されるアシル化ポリエーテルを1〜20重量%の割合で含有することを特徴とする合成繊維用油剤に係る。
【0006】
【式1】
Figure 0003926050
【0007】
式1において、
X:テトラヒドロフランとエチレンオキサイドとを水及び/又はエチレングリコールの存在下でランダム共重合したポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体であって且つオキシテトラメチレン単位/オキシエチレン単位=20/80〜80/20(モル比)の割合で有する数平均分子量500〜10000のポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体から総ての水酸基を除いたポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体ブロック
1,Y2:オキシエチレン単位の繰り返し数が5〜70であるポリオキシエチレンブロック
1,Z2:水素又は炭素数2〜26の脂肪族アシル基であって且つ少なくとも一方が炭素数2〜26の脂肪族アシル基
【0008】
本発明に供するアシル化ポリエーテルには、1)式1中のZ1,Z2のうちで一方がアシル基であって、他方が水素である場合のアシル化ポリエーテル、2)式1中のZ1,Z2の双方がアシル基である場合のアシル化ポリエーテルが包含される。
【0009】
かかるアシル化ポリエーテルは、先ずテトラヒドロフランとエチレンオキサイドとを水及び/又はエチレングリコールの存在下でランダム共重合してポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体を合成し、次にその両末端水酸基にエチレンオキサイドを付加重合した後、更にその両末端水酸基の一方又は双方をアシル化することにより得られる。
【0010】
本発明に供するアシル化ポリエーテルにおいて、式1中のXを形成することとなるポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体は、公知の合成法、例えば特開昭62−205120号公報に記載されている合成法で得られる。この合成法は、テトラヒドロフランとエチレンオキサイドと水との混合物を、触媒床としての47〜49℃に保たれた漂白土上へ連続的に循環供給しつつ、混合物中のエチレンオキサイド濃度が所定通りに保たれるように更にエチレンオキサイドを補充してランダム共重合を行なう方法である。かかる合成法によって得られるポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体中のオキシテトラメチレン単位とオキシエチレン単位との割合は、オキシテトラメチレン単位/オキシエチレン単位=20/80〜80/20(モル比)の割合とするが、40/60〜60/40(モル比)の割合とするのが好ましい。またかかるポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体の数平均分子量は、500〜10000とするが、800〜5000とするのが好ましい。
【0011】
本発明に供するアシル化ポリエーテルにおいて、式1中のY1,Y2で示されるポリオキシエチレンブロックは、上記で得られたポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体の両末端水酸基に公知の方法でエチレンオキサイドを付加重合することにより形成される。例えば、ポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の塩基性触媒存在下で、エチレンオキサイドを付加重合する。かかるポリオキシエチレンブロックのオキシエチレン単位の繰り返し数は5〜70とするが、10〜50とするのが好ましい。
【0012】
本発明に供するアシル化ポリエーテルは、末端に水酸基を有するポリオキシエチレンブロック−ポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダムブロック−末端に水酸基を有するポリオキシエチレンブロックから成るブロック共重合体の両末端水酸基の一方又は双方を炭素数2〜26の脂肪酸及び/又はそのエステル形成性誘導体でアシル化することにより得られる。かかる炭素数2〜26の脂肪酸としては、酢酸、オクタン酸、ラウリン酸、イソラウリン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。またかかる炭素数2〜26の脂肪酸のエステル形成性誘導体としては、酢酸メチル、オクタン酸メチル、ラウリン酸メチル、イソラウリン酸メチル、ステアリン酸メチル、イソステアリン酸メチル、ベヘニン酸メチル、パルミトレイン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル等が挙げられる。なかでも炭素数8〜18の脂肪酸、そのエステル形成性誘導体が好ましく、オレイン酸、オレイン酸メチルが特に好ましい。
【0013】
本発明は、本発明に供するアシル化ポリエーテルの数平均分子量を特に制限するものではないが、1000〜15000とするが好ましく、1000〜7000とするのが特に好ましい。
【0014】
本発明の合成繊維用油剤は、以上説明した式1で示されるアシル化ポリエーテルを1〜20重量%の割合で、好ましくは3〜15重量%の割合で含有するものである。
【0015】
式1で示されるアシル化ポリエーテルは、特定のポリエーテルポリエステルと併用すると、更に効果の発現が高くなる。かかる特定のポリエーテルポリエステルは、下記のポリエーテルポリエステルM及びポリエーテルポリエステルNから選ばれる一つ又は二つ以上のポリエーテルポリエステルである。
ポリエーテルポリエステルM;全構成単位中に、下記の構成単位(1)を4〜20重量%、下記の構成単位(2)を2〜20重量%及び下記の構成単位(3)を60〜94重量%(合計100重量%)の割合で有する数平均分子量5000〜100000のポリエーテルポリエステル
ポリエーテルポリエステルN;全構成単位中に、下記の構成単位(1)を3〜20重量%、下記の構成単位(2)を1〜15重量%、下記の構成単位(3)を40〜80重量%及び下記の構成単位(4)を15〜40重量%(合計100重量%)の割合で有する数平均分子量5000〜100000のポリエーテルポリエステル
構成単位(1):フタル酸から形成される構成単位及び/又はフタル酸のエステル形成性誘導体から形成される構成単位
構成単位(2):炭素数4〜22の脂肪族二塩基酸から形成される構成単位及び/又は炭素数4〜22の脂肪族二塩基酸のエステル形成性誘導体から形成される構成単位
構成単位(3):オキシアルキレン単位の炭素数が2〜4である数平均分子量200〜6000のポリオキシアルキレンジオールから形成される構成単位
構成単位(4):数平均分子量200〜2000のポリテトラメチレングリコールから形成される構成単位
【0016】
ポリエーテルポリエステルMは、構成単位(1)を形成することとなる化合物と、構成単位(2)を形成することとなる化合物と、構成単位(3)を形成することとなる化合物とを縮合重合反応させることにより得られる。またポリエーテルポリエステルNは、構成単位(1)を形成することとなる化合物と、構成単位(2)を形成することとなる化合物と、構成単位(3)を形成することとなる化合物と、構成単位(4)を形成することとなる化合物とを縮合重合反応させることにより得られる。
【0017】
構成単位(1)を形成することとなる化合物には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸の他に、これらのエステル形成性誘導体としてフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル等が挙げられる。なかでもイソフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体を50モル%以上含有するものが好ましい。
【0018】
構成単位(2)を形成することとなる化合物には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、α、ω−ドデカンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクタデセニルジカルボン酸の他に、これらのエステル形成性誘導体としてコハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル等が挙げられる。なかでもアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の炭素数6〜12の脂肪族二塩基酸、これらのエステル形成性誘導体が好ましい。
【0019】
構成単位(3)を形成することとなる化合物はオキシアルキレン単位の炭素数が2〜4である数平均分子量200〜6000のポリオキシアルキレンジオールである。かかるポリオキシアルキレンジオールとしては、ポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシブチレンジオール、異なる2種以上のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレンジオール等が挙げられる。なかでも数平均分子量1000〜5000のものが好ましく、とりわけオキシアルキレン単位がオキシプロピレン単位又はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とからなり且つオキシプロピレン単位/オキシエチレン単位=100/0〜50/50(モル%)の割合で有するものが好ましい。
【0020】
構成単位(4)を形成することとなる化合物は数平均分子量200〜4000のポリテトラメチレングリコールであるが、数平均分子量300〜3000のものが好ましい。
【0021】
ポリエーテルポリエステルMは、全構成単位中に、構成単位(1)を4〜20重量%、好ましくは5〜15重量%、構成単位(2)を2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%、構成単位(3)を60〜94重量%、好ましくは65〜86重量%の割合で有するものである。またポリエーテルポリエステルNは、全構成単位中に、構成単位(1)を3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%、構成単位(2)を1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%、構成単位(3)を40〜80重量%、好ましくは45〜70重量%、構成単位(4)を15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%の割合で有するものである。かかるポリエーテルポリエステルM及びNは、いずれも数平均分子量5000〜100000のものとするが、10000〜50000のものとするのが好ましい。
【0022】
本発明は本発明に供するポリエーテルポリエステルの合成方法を特に制限するものではなく、これには公知の合成方法が適用できる。例えば、構成単位(1)を形成することとなるフタル酸と、構成単位(2)を形成することとなる脂肪族二塩基酸と、構成単位(3)を形成することとなるポリオキシアルキレンジオールと、構成単位(4)を形成することとなるポリテトラメチレングリコールとを、公知のアニオン重合触媒、カチオン重合触媒、配位アニオン重合触媒等の存在下で、高温高真空下に低分子量化合物を留去しながら縮合重合反応させる方法が挙げられ、また例えば構成単位(1)を形成することとなるフタル酸ジメチルと、構成単位(2)を形成することとなる脂肪族二塩基酸ジメチルと、構成単位(3)を形成することとなるポリオキシアルキレンジオールと、構成単位(4)を形成することとなるポリテトラメチレングリコールとを、公知のアニオン重合触媒、カチオン重合触媒、配位アニオン重合触媒等の存在下で、エステル交換反応させた後、高温高真空下に低分子量化合物を留去しながら縮合重合反応させる方法が挙げられる。
【0023】
式1で示されるアシル化ポリエーテルに、以上説明したポリエーテルポリエステルを併用する場合、該ポリエーテルポリエステルをアシル化ポリエーテルとの合計量として、合成繊維用油剤中に2〜40重量%の割合となるように含有させるのが好ましく、10〜20重量%の割合となるように含有させるのが更に好ましい。この場合、アシル化ポリエーテルとポリエーテルポリエステルとは、アシル化ポリエーテル/ポリエーテルポリエステル=30/70〜70/30(重量比)の割合となるようにするのが好ましく、40/60〜60/40(重量比)の割合となるようにするのが更に好ましい。
【0024】
本発明の合成繊維用油剤は、潤滑剤成分及び界面活性剤成分の他に、以上説明したアシル化ポリエーテル、或は更にポリエーテルポリエステルを含有するものである。かかる潤滑剤成分としては、1)鉱物油、2)脂肪族モノカルボン酸と脂肪族1価アルコールとのエステル化合物、脂肪族モノカルボン酸と脂肪族多価アルコールとの完全エステル化合物、脂肪族ポリカルボン酸と脂肪族1価アルコールとの完全エステル化合物等の脂肪族エステル、3)ポリエーテル化合物、等が挙げられる。
【0025】
鉱物油としては、各種の粘度を有する鉱物油が使用できるが、なかでも25℃における粘度が2×10-6〜2×10-42/sのものが好ましい。かかる好ましい鉱物油としては流動パラフィンオイルが有利に使用できる。
【0026】
脂肪酸エステルとしては、1)ラウリルオクタノエート、ラウリルオレート、イソオクチルステアレート、イソブチルステアレート、イソトリデシルステアレート等の、脂肪族モノカルボン酸と脂肪族1価アルコールとのエステル化合物、2)ネオペンチルグリコールジラウレート、1,6−ヘキサンジオールジオレート、トリメチロールプロパントリペラルゴネート等の、脂肪族モノカルボン酸と脂肪族多価アルコールとの完全エステル化合物、3)ジ2−エチルヘキシルアゼレート、ジオレイルアジペート等の、脂肪族ポリカルボン酸と脂肪族1価アルコールとの完全エステル化合物等が挙げられる。
【0027】
ポリエーテル化合物としては、公知のポリエーテル化合物、例えば特開昭56−31077号公報、特公昭63−57548号公報等に記載されているものが適用できる。かかるポリエーテル化合物としては、それを構成するオキシアルキレン単位がオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とであるポリエーテルモノオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルトリオール等のポリエーテルポリオールが挙げられる。これらのポリエーテル化合物としては、平均分子量500〜20000のものが有利に利用できる。
【0028】
また前記した界面活性剤成分としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、1)炭素数8〜24の脂肪族スルホネートアルカリ金属塩、炭素数8〜24の脂肪族スルホネートアミン塩、2)炭素数8〜24の炭化水素基を有する有機リン酸エステルアルカリ金属塩、炭素数8〜24の炭化水素基を有する有機リン酸エステルアミン塩、炭素数8〜24の炭化水素基で末端を封鎖した末端封鎖型ポリエトキシエチル有機リン酸エステルアルカリ金属塩、3)炭素数8〜24の脂肪酸アルカリ金属塩、炭素数8〜24の脂肪酸アミン塩、等が挙げられる。界面活性剤成分としてはかかるアニオン性界面活性剤を含有するものが好ましく、なかでも炭素数8〜18の脂肪族リン酸エステルアルカリ金属塩、アルコキシ基が炭素数8〜18であって且つエトキシ単位の繰返し数が1〜5であるアルコキシポリエトキシエチルリン酸エステルアルカリ金属塩、アルケノキシ基が炭素数8〜18であって且つエトキシ単位の繰返し数が1〜5であるアルケノキシポリエトキシエチルリン酸エステルアルカリ金属塩を含有するものが好ましい。
【0029】
ノニオン性界面活性剤としては、1)いずれもオキシアルキレン基がオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基からなる、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル等の、ポリオキシアルキレン基を有する非イオン性界面活性剤、2)ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンジラウレート等の多価アルコール部分エステル型の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0030】
両性界面活性剤としては、炭素数8〜22の脂肪族アラニン型界面活性剤、炭素数8〜22の脂肪族ベタイン型界面活性剤等が挙げられる。
【0031】
本発明は、以上説明した潤滑剤成分及び界面活性剤成分の合成繊維用油剤中における含有割合を特に制限するものではないが、潤滑剤成分は、30〜70重量%の割合で含有するものが好ましく、50〜65重量%の割合で含有するものが更に好ましい。また界面活性剤は、10〜50重量%の割合で含有するものが好ましく、20〜40重量%の割合で含有するものが更に好ましい。なかでも前記したようなアニオン性界面活性剤を1〜10重量%の割合で含有するものが特に好ましい。
【0032】
本発明の合成繊維用油剤は通常、合成繊維に対して0.1〜3重量%となるよう付着させる。合成繊維用油剤は、合成繊維の紡糸工程における未配向糸、部分配向糸、延伸された配向糸等に対して付着させることができる。合成繊維に付着させるときの合成繊維用油剤の形態としては、合成繊維用油剤の原液(ニート)、水性エマルジョン、有機溶剤溶液が挙げられるが、水性エマルジョンが好ましい。処理用油剤を付着させる方法には公知の方法が適用できるが、これには例えば、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法、浸漬給油法、スプレー給油法等が挙げられる。
【0033】
本発明の合成繊維用油剤を適用する合成繊維としては、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維等が挙げられるが、なかでもポリエステル繊維又はポリアミド繊維に対して有効であり、とりわけウォータージェットルーム方式の製織用に供されるポリエステル繊維又はポリアミド繊維に対して有効である。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の合成繊維用油剤の実施形態としては、次の1)〜3)が挙げられる。1)下記のアシル化ポリエーテル(A−1)を8重量%、下記のポリエーテルポリエステル(P−1)を8重量%、潤滑剤成分(L−1){ラウリルオクタノエート/30℃の粘度が2.1×10-52/sの鉱物油=74/26(重量比)から成る混合物}を62重量%、界面活性剤成分(D−1){ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の平均付加モル数が20、以下n=20とする)ヒマシ油/ポリオキシエチレン(n=10)オレイルエーテル/オクタン酸ジエタノールアミド/デシルスルホネートナトリウム塩/ラウリルホスフェートカリウム塩=35/29/12/12/12(重量比)の割合の混合物}を22重量%の割合で含有する合成繊維用油剤。
アシル化ポリエーテル(A−1):式1中のXがオキシテトラメチレン単位/オキシエチレン単位=42/58(モル比)の割合である数平均分子量1200のポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体から総ての水酸基を除いたポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体ブロック、Y1,Y2がオキシエチレン単位の繰り返し数13のポリオキシエチレンブロック、Z1,Z2がオレオイル基であって、数平均分子量が2870であるアシル化ポリエーテル
ポリエーテルポリエステル(P−1):全構成単位中に、フタル酸ジメチルから形成された構成単位(1)を8重量%、アジピン酸ジメチルから形成された構成単位(2)を4重量%及びオキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=10/90(モル比)の割合でブロック状に付加重合した数平分子量1200のポリオキシアルキレンジオールから形成された構成単位(3)を88重量%の割合で有し、且つ数平均分子量が21500であるポリエーテルポリエステル
【0035】
2)下記のアシル化ポリエーテル(A−4)を8重量%、下記のポリエーテルポリエステル(P−4)を8重量%、潤滑剤成分(L−2){ラウリルオレート/30℃の粘度が2.1×10-52/sの鉱物油=67/33(重量比)から成る混合物}を62重量%、上記の界面活性剤成分(D−1)を22重量%の割合で含有する合成繊維用油剤。
アシル化ポリエーテル(A−4):式1中のXがオキシテトラメチレン単位/オキシエチレン単位=56/44(モル比)の割合である数平均分子量2340のポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体から総ての水酸基を除いたポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体ブロック、Y1,Y2がオキシエチレン単位の繰り返し数16のポリオキシエチレンブロック、Z1,Z2がオクタノイル基であって、数平均分子量が4000であるアシル化ポリエーテル
ポリエーテルポリエステル(P−4):全構成単位中に、フタル酸ジメチルから形成された構成単位(1)を6重量%、アジピン酸ジメチルから形成された構成単位(2)を8.5重量%、オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=10/90(モル比)の割合でブロック状に付加重合した数平均分子量1200のポリオキシアルキレンジオールから形成された構成単位(3)を60重量%及び数平均分子量580のポリテトラメチレングリコールから形成された構成単位(4)を25.5重量%の割合で有し、且つ数平均分子量が17800であるポリエーテルポリエステル
【0036】
3)前記のアシル化ポリエーテル(A−1)を6重量%、潤滑剤成分(L−1)を70重量%、界面活性剤成分(D−2){ポリオキシエチレン(n=20)ヒマシ油/ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル/ポリオキシエチレン(n=7)オレイン酸エステル/ラウリルスルホネートナトリウム塩/ポリオキシエチレン(n=2)オレイルホスフェートカリウム塩=34/21/21/12/12(重量比)の割合の混合物}を24重量%の割合で含有する合成繊維用油剤。
【0037】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、部は重量部を、また%は重量%を意味する。
【0038】
【実施例】
試験区分1(アシル化ポリエーテルの合成)
・アシル化ポリエーテル(A−1)の合成
触媒床として直径2〜3mmで平均長さ4mmの小棒状の乾燥漂白土を反応器に充填した後、47〜49℃に触媒床を保って、この上にテトラヒドロフラン720g(10モル)とエチレンオキサイド3.1g(0.07モル)と水32g(2モル)との混合物を、連続的に循環供給しつつ、更にエチレンオキサイドを毎時30gの割で吹き込み、混合物中のエチレンオキサイド濃度を0.5重量%に保って、6時間かけてエチレンオキサイド180gを反応に供した。更に3時間反応を続け、エチレンオキサイド濃度を0重量%にして反応を終了した。反応混合物を減圧容器に移し、未反応の原料を減圧留去して除き、生成物598gを得た。この生成物をNMR、GC−MASS、GPC(数平均分子量の換算にはプルランを使用、以下同じ)等で分析したところ、オキシテトラメチレン単位/オキシエチレン単位=42/58(モル比)の割合で有する数平均分子量1200のポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体であった。得られたポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体240gと水酸化ナトリウム1.2gとをオートクレーブに仕込み、窒素ガスでパ−ジ後、100〜120℃に温度を保ちながらエチレンオキサイド229g(5.2モル)を圧入した後、2時間の熟成反応を行ない、室温まで冷却し、触媒を除去して生成物468gを得た。得られた生成物を同様に分析したところ、ポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体の両末端にオキシエチレン単位の繰り返し数13のポリオキシエチレンブロックが付加したブロック共重合体であった。このブロック共重合体234g(0.1モル)、オレイン酸56.4g(0.2モル)及びパラトルエンスルホン酸1水和物3gをフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら120〜130℃に加温した。同温度で生成する水を減圧下に除去しながら2時間反応を続けて生成物を得た。ここで得られた生成物をIR、GPC等で分析したところ、ブロック共重合体の両末端にオレオイル基が導入された、数平均分子量2870のアシル化ポリエ−テル(A−1)であった。
【0039】
・アシル化ポリエ−テル(A−2)〜(A−6)及び(AR−1)〜(AR−7)の合成
アシル化ポリエ−テル(A−1)の合成と同様にして、ポリエ−テルポリエステルブロック共重合体(A−2)〜(A−6)及び(AR−1)〜(AR−7)を得た。合成した各アシル化ポリエ−テルの内容を表1にまとめて示した。
【0040】
・アシル化ポリエーテル(AR−8)の合成
平均分子量720のポリオキシテトラメチレングリコール720g(1モル)と水酸化ナトリウム2gとをオートクレーブに仕込み、窒素ガスでパ−ジ後、120〜130℃に温度を保ちながらエチレンオキサイド880g(20モル)を圧入して、2時間の熟成反応後、室温まで冷却し、触媒を除去して生成物1600gを得た。得られた生成物を同様に分析したところ、ポリオキシテトラメチレンブロックの両末端にオキシエチレン単位の繰返し数10のポリオキシエチレンブロックが付加したブロック共重合体であった。このブロック共重合体160g(0.1モル)、オレイン酸56.4g(0.2モル)及びパラトルエンスルホン酸1水和物3gをフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら120〜130℃に加温した。同温度で生成する水を減圧下に除去しながら2時間反応を続けて生成物を得た。ここで得られた生成物をIR、GPC等で分析したところ、ブロック共重合体の両末端にオレオイル基が導入された、数平均分子量2130のアシル化ポリエ−テル(AR−8)であった。
【0041】
【表1】
Figure 0003926050
【0042】
表1において、
*1:オキシテトラメチレン単位/オキシエチレン単位(モル比)
*2:オキシエチレン単位の繰り返し数
【0043】
試験区分2(ポリエーテルポリエステルの合成)
・ポリエーテルポリエステル(P−1)の合成
イソフタル酸ジメチル55g(0.28モル)、アジピン酸ジメチル25g(0.17モル)、プロピレングリコールにエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=10/90(モル比)の割合でブロック状に付加重合したポリオキシアルキレンジオール550g(0.46モル)、酢酸亜鉛2水塩0.35g及び三酸化アンチモン0.1gを反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、140〜220℃でメタノールを留出させながら6時間反応させ、ほぼ理論量のメタノールが留出したところで亜リン酸0.25gを加えた。続いて20mmHgの減圧下に220〜250℃で60分間、更に0.8〜0.6mmHgの減圧下に250〜280℃で60分間縮合重合反応を行なって反応物を得た。この反応物をNMR、GC−MASS、GPC等で分析したところ、全構成単位中に、構成単位(1)に相当するイソフタル酸残基を8%、構成単位(2)に相当するアジピン酸残基を4%、プロピレングリコールにエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=10/90(モル比)の割合でブロック状に付加重合したポリオキシアルキレンジオール残基を88%の割合で有する数平均分子量21500のポリエーテルポリエステル(P−1)であった。
【0044】
・ポリエーテルポリエステル(P−2)〜(P−5)の合成
ポリエーテルポリエステル(P−1)の合成と同様にして、ポリエーテルポリエステル(P−2)〜(P−5)を合成した。合成した各ポリエーテルポリエステルの内容を表2にまとめて示した。
【0045】
【表2】
Figure 0003926050
【0046】
表2において、
MP−1:イソフタル酸残基
MP−2:テレフタル酸残基
MA−1:アジピン酸残基
MA−2:セバシン酸残基
MD−1:プロピレングリコールにエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=10/90(モル比)の割合でブロック状に付加重合した数平均分子量1200のポリオキシアルキレンジオール残基
MD−2:エチレングリコールにエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=20/80(モル比)の割合でランダム状に付加重合した数平均分子量500のポリオキシアルキレンジオール残基
MT−1:数平均分子量580のポリテトラメチレングリコール残基
【0047】
試験区分3(合成繊維用油剤の調製)
・実施例1〜6
試験区分1で合成したアシル化ポリエーテル(A−1)を8部、試験区分2で合成したポリエーテルポリエステル(P−1)を8部、潤滑剤成分(L−1){ラウリルオクタノエート/30℃の粘度が2.1×10-52/sの鉱物油=74/26(重量比)から成る混合物}を62部及び界面活性剤成分(D−1){ポリオキシエチレン(n=20)ヒマシ油/ポリオキシエチレン(n=10)オレイルエーテル/オクタン酸ジエタノールアミド/デシルスルホネートナトリウム塩/ラウリルホスフェートカリウム塩=35/29/12/12/12(重量比)の割合の混合物}を22部、ビーカーに秤量し、これらを撹拌して均一な合成繊維用油剤(実施例1)を調製した。合成繊維用油剤(実施例1)と同様にして、合成繊維用油剤(実施例2〜6)を調製した。これらの内容を表3にまとめて示した。
【0048】
・実施例7〜12及び比較例1〜9
試験区分1で調製したアシル化ポリエーテル(A−1)を6部、潤滑剤成分(L−1){ラウリルオクタノエート/30℃の粘度が2.1×10-52/sの鉱物油=74/26(重量比)から成る混合物}を70部及び界面活性剤成分(D−2){ポリオキシエチレン(n=20)ヒマシ油/ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル/ポリオキシエチレン(n=7)オレイン酸エステル/ラウリルスルホネートナトリウム塩/ポリオキシエチレン(n=2)オレイルホスフェートカリウム塩=34/21/21/12/12(重量比)の割合の混合物}を24部、ビーカーに秤量し、これらを撹拌して均一な合成繊維用油剤(実施例7)を調製した。合成繊維用油剤(実施例7)と同様にして、合成繊維用油剤(実施例8〜12)及び(比較例1〜9)を調製した。これらの内容を表3と表4にまとめて示した。
【0049】
試験区分4(合成繊維への合成繊維用油剤の付着とその測定及び評価)
・合成繊維への合成繊維用油剤の付着
固有粘度0.64、酸化チタン含有量0.2%のポリエチレンテレフタレートチップを常法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて295℃で紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に試験区分3で得た合成繊維用油剤の10%水性エマルジョンを、計量ポンプを用いたガイド給油法にて、付着量1.1%となるように付着させた後、引き続きガイドで集束させて、表面速度4000m/分で表面温度90℃の第1ゴテッドローラーと、表面速度5000m/分で表面温度130℃の第2ゴテッドローラーとで延伸後、5000m/分の速度で巻き取り、75デニール36フィラメントの延伸糸を得た。
【0050】
・糸切れの評価
前記の延伸糸1トン当たりの糸切れ回数を測定し、測定値を下記の基準で評価した。結果を表3と表4にまとめて示した。
評価基準
◎:糸切れ回数が0回
○:糸切れ回数が1回
△:糸切れ回数が2〜4回
×:糸切れ回数が5回以上
【0051】
・毛羽の評価
前記の延伸糸の10kg捲チーズ100チーズについて表面毛羽数を測定し、測定値を1チーズ当たりの平均表面毛羽数に換算して下記の基準で評価した。結果を表3と表4にまとめて示した。
評価基準
◎:毛羽数が0.01個未満
○:毛羽数が0.01個以上〜0.1個未満
△:毛羽数が0.1個以上〜1個未満
×:毛羽数が1個以上
【0052】
・スカムAの評価
前記の延伸糸1200000mを製造した時に、給油ガイドと第1ゴテッドローラーの上に脱落したスカムの外観を以下の基準で評価した。結果を表3と表4に示した。
評価基準
◎:スカムは認められない
○:液状のスカムを僅かに認めるが、実用上問題がない
△:液状又はペースト状のスカムを少し認め、実用上問題がある
×:固状又はペースト状のスカムを顕著に認める
【0053】
・集束性の評価
TM式抱合力試験機を用いて、20℃で65%RHの雰囲気下に、前記の延伸糸1本当たりに15gの荷重を加えて、角度140度で5000回の擦過実験を行なった後、外観を観察し、以下の基準で判定した。
評価基準
◎:単糸割れが全く認められず、集束性に優れている
○:単糸割れが極僅かに認められるが、集束性に問題ない
△:単糸割れが少し認められ、集束性に問題あり
×:単糸割れが顕著に認められ、集束性が不良
【0054】
・接糸機材の摩耗の評価
前記の延伸糸を、20℃で65%RHの雰囲気下に、解舒速度20m/分で解舒し、引き続いて水浴を潜らせた後、一次張力30gで、編み針に60度の角度で屈曲させて掛け、2時間連続して巻き取った。編み針を有機溶剤で洗浄した後、編み針の延伸糸通過部分を電子顕微鏡で観察し、以下の基準で評価した。
判定基準
◎:全く摩耗が認められない
○:僅かに摩耗が認められるが、実用上問題がない
△:明らかに摩耗が認められ、実用上問題がある
×:著しい摩耗が認められる
【0055】
・スカムBの評価
前記の延伸糸を、20℃で65%RHの雰囲気下に、解舒速度0.5m/分で解舒し、引き続いて水浴を潜らせた後、一次張力15gで、筬に140度の角度で屈曲させて掛け、1時間連続して巻き取った。筬の延伸糸通過部分を肉眼で観察し、以下の基準で評価した。
判定基準
◎:全く白粉が認められない
○:僅かに白粉が認められるが、実用上問題がない
△:明らかに白粉が認められ、実用上問題がある
×:白粉が著しく認められる
【0056】
【表3】
Figure 0003926050
【0057】
表3において、
比率:アシル化ポリエーテル/ポリエーテルポリエステル(重量比)
A−1〜A−6:試験区分1で合成したアシル化ポリエーテル
P−1〜P−5:試験区分2で合成したポリエーテルポリエステル
L−1:ラウリルオクタノエート/30℃の粘度が2.1×10-52/sの鉱物油=74/26(重量比)から成る混合物
L−2:ラウリルオレート/30℃の粘度が2.1×10-52/sの鉱物油=67/33(重量比)から成る混合物
D−1:ポリオキシエチレン(n=20)ヒマシ油/ポリオキシエチレン(n=10)オレイルエーテル/オクタン酸ジエタノールアミド/デシルスルホネートナトリウム塩/ラウリルホスフェートカリウム塩=35/29/12/12/12(重量比)の割合の混合物
D−2:ポリオキシエチレン(n=20)ヒマシ油/ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル/ポリオキシエチレン(n=7)オレイン酸エステル/ラウリルスルホネートナトリウム塩/ポリオキシエチレン(n=2)オレイルホスフェートカリウム塩=34/21/21/12/12(重量比)の割合の混合物
【0058】
【表4】
Figure 0003926050
【0059】
表4において、
AR−1〜AR−8,A−6:試験区分1で合成したアシル化ポリエーテル
L−1,D−1,D−2:表3の場合と同じ
【0060】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、近年の高速化されつつある合成繊維糸条の製造・加工工程においても、合成繊維フィラメント糸状への集束性の付与、かかる合成繊維フィラメント糸状からの付着油剤の脱落による接糸機材へのスカム発生の抑制及び接糸機材の摩耗の抑制を同時に且つ充分に図り、毛羽や糸切れの発生を充分に防止できるという効果がある。

Claims (6)

  1. 潤滑剤成分及び界面活性剤成分を含有する合成繊維用油剤において、下記の式1で示されるアシル化ポリエーテルを1〜20重量%の割合で含有することを特徴とする合成繊維用油剤。
    【式1】
    Figure 0003926050
    (式1において、
    X:テトラヒドロフランとエチレンオキサイドとを水及び/又はエチレングリコールの存在下でランダム共重合したポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体であって且つオキシテトラメチレン単位/オキシエチレン単位=20/80〜80/20(モル比)の割合で有する数平均分子量500〜10000のポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体から総ての水酸基を除いたポリ(オキシテトラメチレン・オキシエチレン)ランダム共重合体ブロック
    1,Y2:オキシエチレン単位の繰り返し数が5〜70であるポリオキシエチレンブロック
    1,Z2:水素又は炭素数2〜26の脂肪族アシル基であって且つ少なくとも一方が炭素数2〜26の脂肪族アシル基)
  2. アシル化ポリエーテルが、数平均分子量1000〜7000のものである請求項1記載の合成繊維用油剤。
  3. 更に下記のポリエーテルポリエステルを、アシル化ポリエーテルとの合計として2〜40重量%の割合で含有する請求項1又は2記載の合成繊維用油剤。
    ポリエーテルポリエステル:下記のポリエーテルポリエステルM及びポリエーテルポリエステルNから選ばれる一つ又は二つ以上のポリエーテルポリエステルポリエーテルポリエステルM;全構成単位中に、下記の構成単位(1)を4〜20重量%、下記の構成単位(2)を2〜20重量%及び下記の構成単位(3)を60〜94重量%(合計100重量%)の割合で有する数平均分子量5000〜100000のポリエーテルポリエステル
    ポリエーテルポリエステルN;全構成単位中に、下記の構成単位(1)を3〜20重量%、下記の構成単位(2)を1〜15重量%、下記の構成単位(3)を40〜80重量%及び下記の構成単位(4)を15〜40重量%(合計100重量%)の割合で有する数平均分子量5000〜100000のポリエーテルポリエステル
    構成単位(1):フタル酸から形成される構成単位及び/又はフタル酸のエステル形成性誘導体から形成される構成単位
    構成単位(2):炭素数4〜22の脂肪族二塩基酸から形成される構成単位及び/又は炭素数4〜22の脂肪族二塩基酸のエステル形成性誘導体から形成される構成単位
    構成単位(3):オキシアルキレン単位の炭素数が2〜4である数平均分子量200〜6000のポリオキシアルキレンジオールから形成される構成単位
    構成単位(4):数平均分子量200〜2000のポリテトラメチレングリコールから形成される構成単位
  4. アシル化ポリエーテル/ポリエーテルポリエステル=30/70〜70/30(重量比)の割合で含有する請求項3記載の合成繊維用油剤。
  5. 潤滑剤成分を30〜70重量%、界面活性剤成分を10〜50重量%の割合で含有する請求項1、2、3又は4記載の合成繊維用油剤。
  6. 界面活性剤成分が、炭素数8〜18の脂肪族リン酸エステルアルカリ金属塩、アルコキシ基が炭素数8〜18であって且つエトキシ単位の繰返し数が1〜5であるアルコキシポリエトキシエチルリン酸エステルアルカリ金属塩及びアルケノキシ基が炭素数8〜18であって且つエトキシ単位の繰返し数が1〜5であるアルケノキシポリエトキシエチルリン酸エステルアルカリ金属塩から選ばれる一つ又は二つ以上のアニオン性界面活性剤を含有するものである請求項5記載の合成繊維用油剤。
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