JP2000282369A - 合成繊維用紡糸油剤 - Google Patents

合成繊維用紡糸油剤

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JP2000282369A
JP2000282369A JP9381999A JP9381999A JP2000282369A JP 2000282369 A JP2000282369 A JP 2000282369A JP 9381999 A JP9381999 A JP 9381999A JP 9381999 A JP9381999 A JP 9381999A JP 2000282369 A JP2000282369 A JP 2000282369A
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acid
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polyether
mass
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JP9381999A
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Naosuke Sakai
修介 堺
Tatsuhito Kou
樹人 高
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱板接触加熱方式および輻射熱式高温ヒータ
ーによる非接触加熱方式の何れのタイプの仮撚加工にお
いてもタールやスカムの発生しない油剤を得る。 【解決手段】 ポリエーテル系潤滑剤とポリオキシアル
キレン鎖を有するポリエーテル系制電剤を含有し、非水
状態での黒板法濁度が15以下であり、且つ、30℃、
15000Gで8時間遠心分離した後の黒板法濁度の変
化が7以下であることを特徴とする合成繊維用紡糸油
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成繊維用紡糸油
剤に関する。更に詳しくは仮撚加工に供される熱可塑性
合成繊維に適した紡糸油剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、仮撚加工に供される繊維の紡
糸油剤としては、熱板でのタ−ル発生を極力抑える目的
でポリエーテル系潤滑剤をベースとした油剤が使用され
ているが、近年の加工速度の高速化に伴い、ますますタ
ールやスカムの少ない油剤が所望されている。これに対
して、油剤およびポリエステルのオリゴマーやポリマー
屑が熱板上へ脱落し熱劣化することを防ぐ目的から、ポ
リアルキレンオキサイド変性ポリシロキサンを少量配合
した油剤(特公昭63−57548号公報など)や特定
の熱分解挙動を示すパーフルオロ基含有化合物を含有す
る油剤を付着して処理する方法(特公昭62−4407
2号公報)などが提案されている。しかし前者は、最近
実用化されてきた輻射熱式高温ヒーターを用いた高速で
の仮撚加工においては、ヒーター温度が400℃以上と
なるため、熱分解によってシリカがヒーター内のガイド
に固着し、毛羽や糸切れが多くなる問題が指摘されてい
る。また後者は熱板上に脱落した油剤が一定温度以上で
分解して始めて効果を呈するものであり、比較的多量の
パーフルオロアルキル基含有化合物を必要とするため、
油剤コストが大幅に上昇する上、パーフルオロ基含有化
合物による糸道の汚染や、分解に伴うガスの発生による
機械の損耗などが懸念され実用的でない。さらに、輻射
熱式高温ヒーター用に特定のモノカルボン酸アミン塩や
第4級アンモニウム塩を含有した油剤(特開平10−2
45729号公報)なども提案されているが、ヒーター
ガイドのスカムは少ないものの、油煙やオイルドロップ
が多くなる傾向がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の現状から、熱板
接触加熱方式および輻射熱式高温ヒーターによる非接触
加熱方式の何れのタイプの仮撚加工においてもタールや
スカムの発生しない油剤が強く求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高速の仮
撚加工においては、高速の撚り掛けにより繊維に付着し
ている油剤に対して強い遠心力が働くため特定成分がヒ
ーターへ脱落し易いことに着目し、上記環境下でも繊維
から脱落しないような油剤の開発を目標に検討した結
果、特定成分を使用し特定の性状に調整した油剤が、熱
板接触加熱式の仮撚加工においても、輻射熱式高温ヒー
ターを用いた非接触加熱式の仮撚加工において、ヒータ
ー汚染が著しく低減することを見いだし本発明に到達し
た。
【0005】すなわち本発明は、ポリエーテル系潤滑剤
(A)とポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル
系制電剤(B)を含有し、非水状態での黒板法濁度が1
5以下であり、且つ、30℃、15000Gで8時間遠
心分離した後の黒板法濁度の変化が7以下であることを
特徴とする合成繊維用紡糸油剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においてポリエーテル系潤
滑剤(A)としては、例えば、分子内に1個以上の活性
水素含有官能基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシ
ル基、アミノ基、チオール基など)を有する化合物に炭
素数2〜4のアルキレンオキシドを(共)重合した化合
物およびそれらから誘導される化合物があげられる。
【0007】分子内に1個以上のヒドロキシル基を有す
る化合物としては、脂肪族および芳香族のアルコール、
脂環式アルコール、フェノール類などがあげられる。脂
肪族のアルコールとしては、炭素数1〜30の天然又は
合成の直鎖または分岐、飽和または不飽和の1価アルコ
ール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール、イソアミルアルコール、オクチルアルコー
ル、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコー
ル、イソデシルアルコール、ラウリルアルコール、イソ
トリデシルアルコール、炭素数12,14の二級アルコ
ール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、イソ
セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステア
リルアルコール、オレイルアルコールなど)、2価アル
コール(エチレングルコール、プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコールなど)
および3〜8価またはそれ以上のアルコール(グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
ソルビタン、ソルビトールなど)が挙げられる。芳香族
のアルコールとしてはベンジルアルコールなど、脂環式
アルコールとしてはシクロヘキサノールなどがあげられ
る。またフェノール類としてはアルキルフェノール類
(オクチルフェノール、ノニルフェノールなど)、ビス
フェノール類(ビスフェノールAなど)があげられる。
【0008】分子内に1個以上のカルボキシル基を有す
る化合物としては、脂肪族および芳香族のカルボン酸が
あげられる。脂肪族のカルボン酸としては、炭素数6〜
22の天然または合成のモノカルボン酸(カプリル酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、エルシン酸、ペラルゴン酸、イソステ
アリン酸など)、二塩基酸(マレイン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸など、チ
オジプロピオン酸など)があげられる。芳香族のカルボ
ン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸などがあげられる。
【0009】分子内に1個以上のアミノ基を有する化合
物としては、炭素数6〜20の脂肪族モノアミン(オク
チルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミンな
ど)、炭素数2〜20の脂肪族ポリアミン(エチレンジ
アミン、ヘキサンジアミン、トリエチレンテトラミンな
ど)があげられる。
【0010】分子内に1個以上のチオール基を有する化
合物としては、炭素数6〜20の脂肪族モノチオール
(ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタンな
ど)、炭素数2〜20脂肪族ジチオール(ヘキサンジメ
ルカプタンなど)があげられる。
【0011】また、分子内に2種以上の活性水素含有官
能基を有する化合物としては、オキシカルボン酸(クエ
ン酸、乳酸、サリチル酸など)、アミノ酸(ザルコシン
など)があげられる。
【0012】炭素数2〜4のアルキレンオキシド(以下
AOと略記)としては、エチレンオキシド(以下EOと
略記)、1,2プロピレンオキシド(以下POと略
記)、1,2ブチレンオキシド(以下BOと略記)及び
テトラヒドロフラン(以下THFと略記)などがあげら
れる。
【0013】EOと他のAOを共重合する場合、EOの
含量は通常5〜90質量%、好ましくは20〜80質量
%である。共重合する場合の付加様式はランダム付加、
ブロック付加のいずれでも良い。
【0014】前記のAOの(共)重合物から誘導される
化合物としては、末端ヒドロキシル基を炭素数1〜12
のハロゲン化アルキルでアルコキシ化した化合物、炭素
数1〜12のカルボン酸でアシル化した化合物、また炭
素数2〜18のジカルボン酸とエステル化した化合物、
炭素数1〜12のジハロゲン化アルカンで二量化した化
合物、炭素数4〜20(NCOの炭素を除く)の脂肪
族、脂環式もしくは芳香族ジイソシアネートとウレタン
化した化合物などが挙げられる。
【0015】ポリエーテル系潤滑剤の重量平均分子量
(MW)は好ましくは800〜20,000であり、さ
らに好ましくは1,200〜15,000である。ポリ
エーテル系潤滑剤の流動点は通常40℃以下であり、好
ましくは20℃以下である。ポリエーテル系潤滑剤の粘
度は100℃で通常5〜1,000cstであり、好ま
しくは10〜300cstである。
【0016】ポリエーテル系潤滑剤の具体例としては、
例えば[ブタノール(EO/PO)ランダム付加物、E
O/PO=50/50質量%、MW=1,800]、
[ラウリルアルコール(PO)(EO)ブロック付加
物、EO/PO=40/60質量%、MW=1,40
0]、[ヘキシレングリコール(EO/PO)ランダム
付加物、EO/PO=40/60質量%、MW=4,0
00]、[ラウリン酸(EO/PO)ランダム付加物、
EO/PO=50/50質量%、MW=2,000]、
[[トリメチロールプロパン(PO)(EO)ブロック
付加物、EO/PO=20/80質量%、MW=5,0
00]のジメチルエーテル]、[[ペンタエリスリトー
ル(EO/PO)ランダム付加物、EO/PO=50/
50質量%、MW=3,000]のジカプリレート]、
[ジ[ブタノール(EO/PO)ランダム付加物、EO
/PO=50/50質量%、MW=800]メタン]、
[[ブタノール(EO/PO)ランダム付加物、EO/
PO=50/50質量%、MW=800]2モルとヘキ
サメチレンジイソシアネート1モルの反応生成物]など
があげられるがこれらに限定されるものではない。
【0017】本発明において、ポリエーテル系潤滑剤
(A)の配合量は本発明の油剤の合計質量に対し、通常
50〜99.5質量%であり、好ましくは60〜98質
量%である。
【0018】本発明において、ポリオキシアルキレン鎖
を有するポリエーテル系制電剤(B)としては、ポリオ
キシアルキレン鎖を有するビニル系モノマー(a)と他
のビニル系モノマー(b)のビニル付加共重合物(B
1)、およびポリオキシアルキレンポリオール(c)と
ポリカルボン酸(d)との重縮合物の誘導体(B2)か
ら選ばれる1種以上が挙げられる。
【0019】本発明において、(a)としてはヒドロキ
シル基を有するビニル系モノマーにに1種以上のAOが
付加された構造の化合物(a1)およびカルボキシル基
を有するビニル系モノマーとポリアルキレングリコール
誘導体とのエステル(a2)などがあげられる。
【0020】(a1)を構成するヒドロキシル基を有す
るビニル系モノマーとしては、(メタ)アリルアルコー
ル、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートなどがあげられ
る。
【0021】(a1)は上記アルコールにAOの1種以
上を付加した化合物である。また2種以上のAOを付加
する場合、その付加様式はランダムでもブロックでもよ
い。
【0022】(a1)の例としては、アリルアルコール
(EO/PO)ランダム付加物、クロチルアルコール
(PO)(EO)ブロック付加物などがあげられる。
【0023】(a2)を構成するカルボキル基を有する
ビニル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(無
水)マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸などがあげら
れる。
【0024】(a2)を構成するポリアルキレングリコ
ール誘導体は、分子内に1個以上の活性水素含有官能基
を有する化合物(例えば、アルコール、カルボン酸、ア
ミン、チオールなど)にAOの1種以上を付加させた化
合物である。また2種以上のAOを付加する場合、その
付加様式はランダムでもブロックでもよい。
【0025】(a2)の例としては、アクリル酸とポリ
アルキレングリコールモノアルキルエーテルのエステ
ル、メタクリル酸とポリアルキレングリコールとのエス
テルなどがあげられる。
【0026】本発明において(B1)を構成する他のビ
ニル系モノマー(b)としては、カルボキシル基含有ビ
ニル系モノマーおよびその塩(アクリル酸、アクリル酸
Na、無水マレイン酸など)、スルホン基含有ビニル系
モノマーおよびその塩(ビニルスルホン酸、ビニルスル
ホン酸Na、スチレンスルホン酸Naなど、アリルスル
ホコハク酸など)、燐酸基含有ビニル系モノマー(2−
ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなど)、ヒ
ドロキシル基含有ビニル系モノマー(アリルアルコー
ル、クロチルアルコール、N−メチロールアクリルアミ
ドなど)、含窒素ビニル系モノマー(アミノエチルメタ
クリレート、アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、
ジメチルアミノエチルメタクリレートなど)があげられ
る。こららの中で、カルボキシル基含有ビニル系モノマ
ーおよびその塩、スルホン基含有ビニル系モノマーおよ
びその塩、および含窒素ビニル系モノマーが好ましい。
【0027】本発明において、(B1)を構成する
(a)と(b)の共重合比(モル%)は、通常(a)/
(b)=5/95〜90/10、好ましくは10/90
〜70/30である
【0028】本発明において、(B2)を構成するポリ
オキシアルキレンポリオール(c)としては、分子内に
2個以上の活性水素含有官能基を有する化合物(例え
ば、アルコール、カルボン酸、アミンなど)にAOの1
種以上を付加させた化合物である。また2種以上のAO
を付加する場合、その付加様式はランダムでもブロック
でもよい。
【0029】(c)の例としては、プロピレングリコー
ル(EO/PO)付加物、トリメチロールプロパン(E
O/PO)付加物などがあげられる。
【0030】本発明において、(B2)を構成するポリ
カルボン(d)としては、アジピン酸、セバチン酸、無
水マレイン酸、無水デセニルコハク酸、無水トリメリッ
ト酸などがあげられる。
【0031】本発明において、(B2)は(c)と
(b)の1種以上を通常の方法で重縮合した後、水酸化
物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、酸性亜
硫酸塩(酸性亜硫酸ナトリウムなど)などを反応させて
得られる。
【0032】本発明において、ポリオキシアルキレン鎖
を有するポリエーテル系制電剤(B)の重量平均分子量
は、通常1000〜2000000であり、好ましくは
3000〜1000000である。
【0033】本発明において、ポリオキシアルキレン鎖
を有するポリエーテル系制電剤(B)において、ポリオ
キシアルキレン鎖部分の比率は、制電効果の点から、好
ましくは10〜90質量%であり、さらに好ましくは2
0〜80質量%である。
【0034】本発明において、ポリエーテル系制電剤
(B)の配合量は油剤合計質量に対して、好ましくは
0.1ないし10質量%であり、さらに好ましくは0.
5〜5質量%である。
【0035】本発明の合成繊維用紡糸油剤は、前記ポリ
エーテル系潤滑剤(A)とポリエーテル系制電剤(B)
を含有し、非水状態での黒板法濁度が15以下、好まし
くは13以下である。黒板法濁度が15を越えると、接
触加熱式の仮撚加工および非接触加熱式の仮撚加工のい
ずれでもヒーター汚染が多くなる。
【0036】本発明油剤は、下記条件で遠心分離した後
の黒板法濁度の変化が7以下(好ましくは5以下)であ
ることが必要である。遠心分離後の黒板法濁度変化が7
を越える油剤は、接触加熱式の仮撚加工および非接触加
熱式の仮撚加工のいずれでもヒーター汚染が多くなる。
【0037】[遠心分離条件] 試料油剤の水分;0.1%以下 遠心分離器;高速冷却遠心機 RS−20IV 平均回転半径;62mm 回転数;15000rpm 回転時間;8時間 遠心力 ;15000G 温度;30℃
【0038】本発明の合成繊維用紡糸油剤には本発明の
目的から逸脱しないかぎり任意の成分が使用可能であ
る。任意の成分としては(A)以外の潤滑剤(例えば、
鉱物油、脂肪酸エステル油など)、界面活性剤、極圧添
加剤、防錆剤、酸化防止剤、およびその他の機能添加剤
などを含有することができ、これらの種類について特に
限定はない。任意の成分の含量は油剤の合計質量に対し
て、40質量%以下が好ましい。
【0039】本発明の合成繊維用紡糸油剤は熱可塑性合
成繊維の溶融紡糸工程において、水溶液または水系エマ
ルションとして、紡出直後の糸条に給油される。
【0040】水溶液または水系エマルションの濃度は、
通常0.5〜20質量%の範囲の任意の濃度の選択が可
能である。好ましくは5.0〜15質量%である。
【0041】水溶液の給油方法については特に限定はな
く、ノズルを介した計量給油、ローラー給油、およびこ
れらの組み合わせなどいずれでもよい。
【0042】油剤の付着量は繊維に対して純分で、通常
0.1〜1.0質量%、好ましくは0.2〜0.6質量
%である。
【0043】適用される繊維としてはポリエステル、ポ
リアミドおよびポリプロピレンなどの熱可塑性合成繊維
があげられ、特に仮撚加工に供されるポリエステル長繊
維やナイロン長繊維用の紡糸油剤として好適である。こ
の場合、本発明の紡糸油剤は上記熱可塑性繊維の紡糸工
程において給油処理され、その後、仮撚加工が行われる
という方法に用いられる。
【0044】
【実施例】以下、実施例等により本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。以下において、
部および%は特に断らない限りそれぞれ質量部および質
量%を示す。
【0045】下記のポリエーテル系潤滑剤(A−1〜A
−4)、ポリエーテル系制電剤(B−1〜B−5)、お
よびその他の成分(C−1〜C−7)を用いて、表1お
よび表2に示す割合で本発明の油剤1〜7および比較油
剤1〜7を調合し、下記の評価を行った。 黒板法濁度(T1) 遠心分離後の黒板法濁度変化(△T) 灰分 タール化率
【0046】 <ポリーエーテル系潤滑剤> (A−1) ブタノール(EO/PO)ランダム付加物 (EO/PO=50/50、重量平均分子量:1800) (A−2) ブタノール(PO)(EO)ブロック付加物 (EO/PO=30/70、重量平均分子量:1900) (A−3) プロピレングリコール(EO/PO)ランダム付加物 (EO/PO=50/50、重量平均分子量:6000) (A−4) ラウリン酸(EO/PO)ランダム付加物 (EO/PO=50/50,重量平均分子量:1200)
【0047】 <ポリエーテル系制電剤> (B−1) アクリルアミド(20モル%) ブタノール(EO10モル/PO8モル)ランダム付加物のアク リレート(30モル%) アクリル酸(30モル%) アクリル酸Na(20モル%) のビニル付加共重合物(MW:25000) (B−2) アクリルアミド(20モル%) ブタノール(PO)20モル(EO)12モルブロック付加物の メタクリレート(30モル%) アクリル酸(30モル%) スチレンスルホン酸Na(20モル%) のビニル付加共重合物(MW:32000) (B−3) アクリルアミド(30モル%) ブタノール(EO10モル/PO8モル)ランダム付加物のアク リレート(30モル%) ジメチルアミノエチルメタクリレート(40モル%) のビニル付加共重合物(MW:16000) (B−4) ヘキシレングリコール(EO5モル/PO5モル)ランダム付加 物(45モル%) アジピン酸(45モル%) 無水トリメリット酸(10モル%) の重縮合物(MW:8000)のKOH鹸化物 (B−5) ヘキシレングリコール(EO5モル/PO5モル)ランダム付加 物(55モル%) アジピン酸(40モル%) 無水マレイン酸(5モル%) の重縮合物(MW:8000)のスルホネートNa
【0048】 <その他の成分> (C−1) 炭素数14〜16アルカンスルホネートNa (C−2) イソステアリルアルコール(EO)5モル付加物のホスフェート K (C−3) ペンタデセニルコハク酸Na (C−4) ラウリルジメチルアミンオキシド (C−5) ラウリン酸トリメチルエチルアンモニウム塩 (C−5) ポリアルキレングリコール変性ポリジメチルシロキサン (C−6) パーフルオロオクチルスルホネートK (C−7) N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−アミノプロピルエタ ノール(EO)20モル付加物
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】[評価方法〕 黒板法濁度(T1) 水分率が0.1%以下の試料油剤を厚さ10mmのセル
に採取し「JISK 8005−1966 容量分析用
標準試薬」に記載の濁度測定に準拠し、ボイック積分球
式濁度計SEP−PT−SB型(三菱化成製)で濁度を
測定した。 遠心分離後の黒板法濁度変化(△T) 試料油剤35gを50mlの遠沈管に採取し、下記条件
で遠心分離する。分離後の黒板法濁度(T2)を測定す
る。(△T=T1−T2) 試料油剤の水分;0.1%以下 遠心分離器;高速冷却遠心機 RS−20IV 平均回転半径;62mm 回転数;15000rpm 回転時間;8時間 遠心力 ;15000G 温度;30℃ 灰分:試料油剤5gを直径約15cmの質量(W
1)の白金皿に採取し、200〜300゜Cの砂浴上で
2時間加熱して炭化した後、600゜Cの電気炉で5時
間加熱し、灰化する。灰化後、白金皿を秤量する(W
2)。 灰分[%]=[(W2−W1)/(試料油剤採取量)]
×100 タール化率:試料油剤0.5gを直径4cmのステ
ンレス製のシャーレに採取し、220℃の乾燥機内で8
時間加熱する。シャーレにアセトン20ccを添加して
加熱残渣を溶解させる。上記アセトン液を質量既知の濾
紙(5C)で濾過した後、濾紙を乾燥して、質量を測定
する。(濾紙の質量増加分は試料油剤のアセトン不溶分
である) タール化率[%]= [(アセトン不溶分)/(試料油
剤採取量)]×100 これらの評価結果を表3、表4に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】表3、表4より本発明の油剤が、非水状態
での濁度が低く、且つ遠心分離後の濁度変化も小さいこ
とが明らかである。また本発明の油剤は灰分およびター
ル化率も低いことが明白である。
【0055】ついで、本発明の油剤(1〜7)および比
較油剤(1〜7)の10%水溶液を純分付着量が0.3
%になるようにノズル給油しながら、230デニール/
36フィラメントのポリエステルPOYを巻き取った。
これらのPOYを用い、下記条件で延伸仮撚加工を行な
った。この際、加工開始後1ケ月経過時点での熱板上の
タールの発生状態、糸切れ率および加工糸品質を表5に
示す。 加工条件 加熱方式;接触加熱(熱板温度;220#C) 加撚方式;ウレタンディスクによる3軸外接フリクショ
ン方式 加工速度;850m/分
【0056】判定基準 タールの発生状態 ◎ 殆どなし ○ 熱板の後半部に少しあり △ やや多い × 多い 加工糸品質 ◎ 毛羽、染斑なし ○ 軽微な毛羽、染斑あり △ 毛羽、染斑やや多い × 毛羽、染斑顕著
【0057】
【表5】
【0058】さらに、本発明の油剤(1〜7)および比
較油剤(1〜7)の10%水溶液を純分付着量が0.3
%になるようにノズル給油しながら、270デニール/
36フィラメントのポリエステルPOYを巻き取った。
これらのPOYを用い、下記条件で延伸仮撚加工を行な
った。この際、加工開始後3ケ月経過時点でのヒーター
内のスカム付着の程度、糸切れ率、および加工糸品質を
表5に示す。 加工条件 加熱方式;非接触加熱(ヒーター温度;500#C、45
0℃) 加撚方式;ウレタンディスクによる3軸外接フリクショ
ン方式 加工速度;1100m/分
【0059】判定基準 スカムの付着状態 ◎ 殆どなし ○ 熱板の後半部に少しあり △ やや多い × 多い 加工糸品質 ◎ 毛羽、染斑なし ○ 軽微な毛羽、染斑あり △ 毛羽、染斑やや多い × 毛羽、染斑顕著
【0060】
【表6】
【0061】表5、表6より本発明の油剤が熱板接触加
熱式の仮撚加工においても、輻射熱式高温ヒーターによ
る仮撚加工においても優れた耐熱性を有し、切れが少な
い、安定した操業が可能であることが明らかである。
【0062】
【発明の効果】本発明の合成繊維用紡糸油剤で生産され
たPOYは、従来から行なわれている熱板接触加熱式に
よる仮撚加工および輻射熱式高温ヒーターによる非接触
加熱方式の仮撚加工の何れにおいても、長期間安定な操
業が可能になり、ヒーター掃除周期が大幅に延長され
る。またヒーターの清掃も容易であり、DTY生産性お
よび作業性を大幅に改善することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエーテル系潤滑剤(A)とポリオキ
    シアルキレン鎖を有するポリエーテル系制電剤(B)を
    含有し、非水状態での黒板法濁度が15以下であり、且
    つ、30℃、15000Gで8時間遠心分離した後の黒
    板法濁度の変化が7以下であることを特徴とする合成繊
    維用紡糸油剤。
  2. 【請求項2】 (B)がポリオキシアルキレン鎖を有す
    るビニル系モノマー(a)と他のビニル系モノマー
    (b)のビニル付加共重合物(B1)および/またはポ
    リオキシアルキレンポリオール(c)とポリカルボン酸
    (d)との重縮合物の誘導体(B2)である請求項1記
    載の合成繊維用紡糸油剤。
  3. 【請求項3】 (b)が、カルボキシル基含有ビニル系
    モノマーおよびその塩、スルホン基含有ビニル系モノマ
    ーおよびその塩並びに含窒素ビニル系モノマーからなる
    群から選ばれる1種以上である請求項2記載の合成繊維
    用紡糸油剤。
  4. 【請求項4】 (a)と(b)のモル%が、(a)/
    (b)=10/90〜70/30である請求項2または
    3記載の合成繊維用紡糸油剤。
  5. 【請求項5】 (B)の重量平均分子量が3000〜1
    000000である請求項1〜4のいずれか記載の合成
    繊維用紡糸油剤。
  6. 【請求項6】 (B)のポリオキシアルキレン鎖部分の
    比率が20〜80質量%である請求項1〜5のいずれか
    記載の合成繊維用紡糸油剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004183124A (ja) * 2002-12-02 2004-07-02 Takemoto Oil & Fat Co Ltd 抄紙用合成繊維処理剤、抄紙の製造方法及び抄紙
KR100815833B1 (ko) * 2001-10-31 2008-03-21 다케모토 유시 가부시키 가이샤 생분해성 합성섬유 필라멘트용 유제 및 생분해성 합성섬유필라멘트의 처리방법
CN103981712A (zh) * 2014-04-30 2014-08-13 杭州传化化学品有限公司 一种锦纶抗飞溅dty油剂及其制备方法

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