JP6795239B1 - 合成繊維用処理剤、及び合成繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】合成繊維の紡糸工程における繊維同士の融着を好適に抑制する。【解決手段】2級アルコールに対してアルキレンオキサイドを付加させたポリオキシアルキレン誘導体を含有する合成繊維用処理剤であって、ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)が1.2以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、合成繊維用処理剤、及び合成繊維に関する。
例えば、炭素繊維は、アクリル樹脂等を紡糸して合成繊維である炭素繊維前駆体を作製する紡糸工程、及び合成繊維を焼成する焼成工程を行なうことにより製造される。
特許文献1には、アミノ変性シリコーンとポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有するアクリル繊維処理剤が開示されている。
国際公開第2017/169632号
ところで、合成繊維の紡糸工程における繊維同士の融着を抑制するために、合成繊維用処理剤が用いられることがある。合成繊維用処理剤には、繊維同士の融着を抑制する効果のさらなる性能向上が求められている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、紡糸工程における繊維同士の融着を好適に抑制することを可能にした合成繊維用処理剤を提供することにある。また、この合成繊維用処理剤が付着した合成繊維を提供することにある。
上記課題を解決するための合成繊維用処理剤は、2級アルコールに対してアルキレンオキサイドを付加させたポリオキシアルキレン誘導体を含有する合成繊維用処理剤であって、前記ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)が1.2以下であり、前記ポリオキシアルキレン誘導体が、炭素数1〜30のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものであり、前記ポリオキシアルキレン誘導体を形成することとなる2級アルコールが、アルキル鎖のβ位にヒドロキシ基を有するものであることを要旨とする。
上記課題を解決するための合成繊維用処理剤は、2級アルコールに対してアルキレンオキサイドを付加させたポリオキシアルキレン誘導体を含有する合成繊維用処理剤であって、前記ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)が1.2以下であり、前記合成繊維が、炭素繊維前駆体であることを要旨とする。
上記合成繊維用処理剤について、前記ポリオキシアルキレン誘導体が、炭素数1〜30のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものであることが好ましい。
上記合成繊維用処理剤について、前記ポリオキシアルキレン誘導体が、炭素数10〜18のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものであることが好ましい。
上記合成繊維用処理剤について、前記ポリオキシアルキレン誘導体が、炭素数12〜16のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものであることが好ましい。
上記合成繊維用処理剤について、前記ポリオキシアルキレン誘導体を形成することとなる2級アルコールが、アルキル鎖のβ位にヒドロキシ基を有するものであることが好ましい。
上記合成繊維用処理剤について、更に、平滑剤を含有し、前記平滑剤がシリコーン及びエステルから選ばれる少なくとも一つを含むものであることが好ましい。
上記合成繊維用処理剤について、前記平滑剤が、シリコーンを含むものであることが好ましい。
上記合成繊維用処理剤について、前記シリコーンが、アミノ変性シリコーンであることが好ましい。
上記合成繊維用処理剤について、前記ポリオキシアルキレン誘導体及び前記平滑剤の含有割合の合計を100質量部とすると、前記ポリオキシアルキレン誘導体を5〜80質量部、及び前記平滑剤を95〜20質量部の割合で含むことが好ましい。
上記合成繊維用処理剤について、前記合成繊維が、炭素繊維前駆体であることが好ましい。
上記課題を解決するための合成繊維は、上記合成繊維用処理剤が付着していることを要旨とする。
本発明によると、合成繊維の紡糸工程における繊維同士の融着を好適に抑制することができる。
平滑性を測定する装置の模式図。
(第1実施形態)
本発明に係る合成繊維用処理剤(以下、単に処理剤ともいう。)を具体化した第1実施形態について説明する。
本実施形態の処理剤は、2級アルコールに対してアルキレンオキサイドを付加させたポリオキシアルキレン誘導体を含有する。また、ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)は1.2以下である。
上記ポリオキシアルキレン誘導体を含有することにより、合成繊維の紡糸工程における繊維同士の融着(以下、「紡糸融着」ともいう。)を好適に抑制することができる。
ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(以下、「GPC法」ともいう。)により求められる。GPC法の詳細については後述する。
上記2級アルコールとしては、1価アルコールであっても、多価アルコールであってもよい。また、飽和脂肪族アルコールであっても、不飽和脂肪族アルコールであってもよい。
上記ポリオキシアルキレン誘導体の具体例としては、例えば、2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを5モル付加させた化合物、2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル付加させた化合物、2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物、2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを12モル付加させた化合物、2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを15モル付加させた化合物、2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを30モル付加させた化合物、2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル、プロピレンオキサイドを3モル付加させた化合物、2−トリデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを5モル付加させた化合物、2−トリデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル付加させた化合物、2−トリデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物、2−トリデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを12モル付加させた化合物、2−テトラデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを5モル付加させた化合物、2−テトラデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル付加させた化合物、2−テトラデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物、2−テトラデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを12モル付加させた化合物、2−ヘキサデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル付加させた化合物、2−デカノール1モルに対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物、2−オクタデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物、2−ノナノール1モルに対してエチレンオキサイドを5モル付加させた化合物、4−ノナノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル付加させた化合物、2−ドデカノール0.2モル、2−トリデカノール0.5モル、2−テトラデカノール0.3モルの混合物に対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物等が挙げられる。
上記のポリオキシアルキレン誘導体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ポリオキシアルキレン誘導体は、炭素数1〜30のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものであることが好ましく、炭素数10〜18のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものであることがより好ましい。
炭素数10〜18のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものであることにより、後述のように、耐炎化繊維の毛羽を抑制することができる。なお、アルキレンオキサイドの付加モル数は、仕込み原料中における2級アルコール1モルに対するアルキレンオキサイドのモル数を示す。
上記ポリオキシアルキレン誘導体は、炭素数12〜16のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものであることがさらに好ましい。炭素数12〜16のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものであることにより、後述のように、耐炎化繊維の毛羽をさらに抑制することができる。
上記ポリオキシアルキレン誘導体を形成することとなる2級アルコールは、アルキル鎖のβ位にヒドロキシ基を有するものであることが好ましい。アルキル鎖のβ位にヒドロキシ基を有するものであることにより、後述のように、紡糸融着をより好適に抑制することができる。また、耐炎化処理における繊維同士の融着(以下、「耐炎化融着」ともいう。)をより好適に抑制することもできる。
上記炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの具体例としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を挙げることができる。これらの中でも、エチレンオキサイドであることが好ましい。重合配列としては、特に限定されず、ランダム付加物であっても、ブロック付加物であってもよい。
上記のアルキレンオキサイドは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本実施形態の処理剤は、平滑剤を含有し、平滑剤がシリコーン及びエステルから選ばれる少なくとも一つを含むものであることが好ましい。
平滑剤として使用されるシリコーンとしては、特に制限はなく、例えば、ジメチルシリコーン、フェニル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキルアラルキル変性シリコーン、アルキルポリエーテル変性シリコーン、エステル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン等が挙げられる。
平滑剤として使用されるエステルとしては、特に制限はなく、例えば、(1)オクチルパルミテート、オレイルラウレート、オレイルオレート、イソテトラコシルオレート等の、脂肪族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、(2)1,6−ヘキサンジオールジデカネート、グリセリントリオレート、トリメチロールプロパントリラウレート、ペンタエリスリトールテトラオクタネート等の、脂肪族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、(3)ジオレイルアゼレート、チオジプロピオン酸ジオレイル、チオジプロピオン酸ジイソセチル、チオジプロピオン酸ジイソステアリル等の、脂肪族モノアルコールと脂肪族多価カルボン酸とのエステル化合物、(4)ベンジルオレート、ベンジルラウレート等の、芳香族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物、(5)ビスフェノールAジラウレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジラウレート等の、芳香族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸との完全エステル化合物、(6)ビス2−エチルヘキシルフタレート、ジイソステアリルイソフタレート、トリオクチルトリメリテート等の、脂肪族モノアルコールと芳香族多価カルボン酸との完全エステル化合物、(7)ヤシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、大豆油、ヒマシ油、ゴマ油、魚油及び牛脂等の天然油脂等が挙げられる。その他、合成繊維用処理剤に採用されている公知の平滑剤等を使用してもよい。
これらの中でも、シリコーンを含有するものであることが好ましく、アミノ変性シリコーンを含有するものであることがより好ましい。
平滑剤がシリコーンを含有するものであることにより、後述のように、処理剤の平滑性を向上させることができる。
平滑剤の具体例としては、例えば、粘度:250mm/s、当量:7600g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン、粘度:1300mm/s、当量:1700g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン、粘度:1700mm/s、当量:3800g/molであるモノアミン型のアミノ変性シリコーン、粘度:5000mm/s、当量:7000g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン、粘度:10000mm/s、当量:2000g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン、粘度:600mm/s、当量:3000g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン、粘度:80mm/s、当量:4000g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン、粘度:10000mm/sのジメチルシリコーン、粘度:500mm/s、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=100/0、シリコーン/ポリエーテルの質量比=50/50のポリエーテル変性シリコーン、粘度:1700mm/s、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=40/60、シリコーン/ポリエーテルの質量比=20/80のポリエーテル変性シリコーン、ビスフェノールAのエチレンオキサイド平均2モル付加物のジドデシルエステル、チオジプロピオン酸1モルと2−ヘキシル−1−デカノール2モルを反応させて得られたジエステル、オクチルパルミテート等が挙げられる。
上記の平滑剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ポリオキシアルキレン誘導体及び平滑剤の含有割合に制限はない。ポリオキシアルキレン誘導体及び平滑剤の含有割合の合計を100質量部とすると、ポリオキシアルキレン誘導体を5〜80質量部、及び平滑剤を95〜20質量部の割合で含むことが好ましい。また、ポリオキシアルキレン誘導体を10〜75質量部、及び平滑剤を90〜25質量部の割合で含むことがより好ましい。
処理剤の製造方法について説明する。
処理剤の製造方法は、例えば、分子中にホウ素原子を有する触媒の存在下、上記のアルコールに対して上記のアルキレンオキサイドを付加してポリオキシアルキレン誘導体を作製する付加工程を有することが好ましい。
分子中にホウ素原子を有する触媒としては、特に制限はなく、例えば三フッ化ホウ素、又はその錯体等からなる酸触媒を用いることができる。
付加工程の一例としては、アルコールに三フッ化ホウ素又はその錯体等からなる酸触媒を用いてエチレンオキシドを低モル、例えば1〜5モル反応させ、触媒を除去して、低モルエトキシレート化合物を得る。次に、得られた低モルエトキシレート化合物に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びナトリウムアルコキシド等からなるアルカリ触媒の存在下でさらにエチレンオキシドを反応させ、触媒を除去する。かかるように最初に酸触媒を使用してアルキレンオキサイドを低モル付加し、次にアルカリ触媒を使用してアルキレンオキサイドを付加させることにより単分散に近いシャープな分子量分布を有するポリオキシアルキレン誘導体を合成することができる。
触媒を除去する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。触媒を除去する方法としては、例えば珪藻土を用いて液体を濾過し、触媒を分離する方法や、無機合成吸着剤を用いて液体から触媒を吸着除去する方法等が挙げられる。
本実施形態の処理剤の製造方法は、上記平滑剤を混合する混合工程を有することが好ましい。混合工程では、第1実施形態で規定したポリオキシアルキレン誘導体及び平滑剤の含有割合となるように平滑剤を混合することが好ましい。
(第2実施形態)
本発明に係る合成繊維を具体化した第2実施形態について説明する。本実施形態の合成繊維は、第1実施形態の処理剤が付着している合成繊維である。合成繊維の具体例としては、特に制限はなく、例えば(1)ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ乳酸エステル等のポリエステル系繊維、(2)ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、(3)ポリアクリル、モダアクリル等のポリアクリル系繊維、(4)ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、(5)セルロース系繊維、(6)リグニン系繊維等が挙げられる。合成繊維としては、後述する炭素化処理工程を経ることにより炭素繊維となる樹脂製の炭素繊維前駆体が好ましい。炭素繊維前駆体を構成する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、フェノール樹脂、セルロース樹脂、リグニン樹脂、ピッチ等を挙げることができる。
第1実施形態の処理剤を合成繊維に付着させる割合に特に制限はないが、処理剤(溶媒を含まない)を合成繊維に対し0.1〜2質量%となるように付着させることが好ましく、0.3〜1.2質量%となるように付着させることがより好ましい。
第1実施形態の処理剤を繊維に付着させる際の形態としては、例えば有機溶媒溶液、水性液等が挙げられる。
処理剤を合成繊維に付着させる方法としては、例えば、第1実施形態の処理剤、及び水を含有する水性液又はさらに希釈した水溶液を用いて、公知の方法、例えば浸漬法、スプレー法、ローラー法、計量ポンプを用いたガイド給油法等によって付着させる方法を適用できる。
本実施形態の合成繊維を用いた炭素繊維の製造方法について説明する。
炭素繊維の製造方法は、下記の工程1〜3を経ることが好ましい。
工程1:合成繊維を紡糸するとともに、第1実施形態の処理剤を付着させる紡糸工程。
工程2:前記工程1で得られた合成繊維を200〜300℃、好ましくは230〜270℃の酸化性雰囲気中で耐炎化繊維に転換する耐炎化処理工程。
工程3:前記工程2で得られた耐炎化繊維をさらに300〜2000℃、好ましくは300〜1300℃の不活性雰囲気中で炭化させる炭素化処理工程。
なお、上記工程2と工程3とによって焼成工程が構成されるものとする。
紡糸工程は、さらに、樹脂を溶媒に溶解して紡糸する湿式紡糸工程、湿式紡糸された合成繊維を乾燥して緻密化する乾燥緻密化工程、及び乾燥緻密化した合成繊維を延伸する延伸工程を有していることが好ましい。
乾燥緻密化工程の温度は特に限定されないが、湿式紡糸工程を経た合成繊維を、例えば、70〜200℃で加熱することが好ましい。処理剤を合成繊維に付着させるタイミングは特に限定されないが、湿式紡糸工程と乾燥緻密化工程の間であることが好ましい。
耐炎化処理工程における酸化性雰囲気は、特に限定されず、例えば、空気雰囲気を採用することができる。
炭素化処理工程における不活性雰囲気は、特に限定されず、例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空雰囲気等を採用することができる。
本実施形態の処理剤、及び合成繊維によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の処理剤は、2級アルコールに対してアルキレンオキサイドを付加させたポリオキシアルキレン誘導体を含有する合成繊維用処理剤であって、ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)が1.2以下である。ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布が上記数値範囲である場合、つまり処理剤に適用されるポリオキシアルキレン誘導体がブロードでなく、単分散に近い構成を有する場合、処理剤が繊維表面に浮き出た状態、所謂、ブリードアウトした状態で繊維表面を覆いやすくなる。処理剤がブリードアウトした状態で繊維表面を覆うことによって、繊維の膨潤を抑制することができるため、繊維同士の融着を好適に抑制することができる。また、耐炎化処理工程における繊維同士の融着も抑制することができる。
(2)本実施形態の処理剤によれば、耐炎化繊維の毛羽を抑制することができる。また、合成繊維の平滑性を向上させることができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記実施形態、及び、以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
・本実施形態において、例えば、合成繊維が、焼成工程を行わない繊維であってもよい。
・本実施形態において、合成繊維用処理剤は平滑剤を含有していたが、この態様に限定されない。平滑剤は省略されていてもよい。
・本実施形態の処理剤又は水性液には、本発明の効果を阻害しない範囲内において、処理剤又は水性液の品質保持のための安定化剤や制電剤、帯電防止剤、つなぎ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の通常処理剤又は水性液に用いられる成分(以下、その他成分ともいう。)をさらに配合してもよい。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
試験区分1(合成繊維用処理剤の調製)
(実施例1)
まず、付加工程として、オートクレーブ内に2−ドデカノール186部と三フッ化ホウ素0.5部を加えて雰囲気を窒素ガスで置換した後、150℃でエチレンオキサイド132部を徐々に加えてエーテル化反応を行った。
次に、触媒の除去工程として、エーテル化反応を行なった液体に対して、陰イオン交換樹脂を5部添加し、室温で30分間撹拌した。その後、珪藻土でプレコートした濾過機に移し、三フッ化ホウ素触媒を吸着した陰イオン交換樹脂を除去して、2−ドデカノールのエチレンオキサイド3モル付加物を調製した。
さらに、得られた2−ドデカノールのエチレンオキサイド3モル付加物318部と水酸化ナトリウム0.5部をオートクレーブ内に加えて雰囲気を窒素ガスで置換した後、150℃でエチレンオキサイド396部を徐々に加えて、エーテル化反応を行った。
さらに、エーテル化反応を行った液体に無機合成吸着剤を10部添加し、80℃で30分間撹拌した。その後、珪藻土でプレコートした濾過機に移し、水酸化ナトリウム触媒を吸着した無機合成吸着剤を除去して、表1に示すポリオキシアルキレン誘導体(A−1)を調製した。
表1に示される各成分を使用し、ポリオキシアルキレン誘導体(A−1)が30部、平滑剤(B−1)が70部の配合割合となるようにビーカーに加えた。これらを撹拌してよく混合した。撹拌を続けながら固形分濃度が25%となるようにイオン交換水を徐々に添加することで実施例1の合成繊維用処理剤の25%水性液を調製した。
(実施例2〜21及び比較例1〜3)
実施例2〜21及び比較例1〜3の各合成繊維用処理剤は、表1に示される各成分を使用し、実施例1と同様の方法にて調製した。
なお、比較例1のポリオキシアルキレン誘導体(a−1)は、以下の方法により調製した。
まず、付加工程として、オートクレーブ内に2−ドデカノール186部と水酸化カリウム0.5部を加えて雰囲気を窒素ガスで置換した後、150℃でエチレンオキサイド220部を徐々に加えてエーテル化反応を行った。
次に、触媒の除去工程として、エーテル化反応を行なった液体に対して、陰イオン交換樹脂を5部添加し、室温で30分間撹拌した。その後、珪藻土でプレコートした濾過機に移し、三フッ化ホウ素触媒を吸着した陰イオン交換樹脂を除去して、表1に示すポリオキシアルキレン誘導体(a−1)を調製した。
比較例2では、使用したアルコールが異なることを除いて、比較例1と同様な方法によって表1に示すポリオキシアルキレン誘導体(a−2)を調製した。
なお、各例の処理剤中におけるポリオキシアルキレン誘導体の種類と含有量、平滑剤の種類と含有量、その他成分の種類と含有量、及びポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)は、表1の「(A)ポリオキシアルキレン誘導体」欄、「(B)平滑剤」欄、「(C)その他成分」欄、及び「ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)」欄にそれぞれ示すとおりである。
表1の記号欄に記載するA−1〜A−21、a−1、a−2、B−1〜B−13、C−1〜C−6の各成分の詳細は以下のとおりである。
(ポリオキシアルキレン誘導体)
A−1:2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを12モル付加させた化合物
A−2:2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを5モル付加させた化合物
A−3:2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル付加させた化合物
A−4:2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物
A−5:2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを30モル付加させた化合物
A−6:2−トリデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを5モル付加させた化合物
A−7:2−トリデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物
A−8:2−トリデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを12モル付加させた化合物
A−9:2−テトラデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを5モル付加させた化合物
A−10:2−テトラデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物
A−11:2−ドデカノール0.2モル、2−トリデカノール0.5モル、2−テトラデカノール0.3モルの混合物に対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物
A−12:2−トリデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル付加させた化合物
A−13:2−テトラデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル付加させた化合物
A−14:2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを15モル付加させた化合物
A−15:2−テトラデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを12モル付加させた化合物
A−16:2−ヘキサデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル付加させた化合物
A−17:2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル、プロピレンオキサイドを3モル付加させた化合物
A−18:2−デカノール1モルに対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物
A−19:2−オクタデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物
A−20:2−ノナノール1モルに対してエチレンオキサイドを5モル付加させた化合物
A−21:4−ノナノール1モルに対してエチレンオキサイドを7モル付加させた化合物
a−1:2−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを5モル付加させた化合物
a−2:1−ドデカノール1モルに対してエチレンオキサイドを9モル付加させた化合物
上記ポリオキシアルキレン誘導体に用いられるポリオキシアルキレン誘導体の種類、アルコールの炭素数、アルキル鎖におけるヒドロキシ基の位置、及びポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)について、表2の「(A)ポリオキシアルキレン誘導体」欄、「アルコールの炭素数」欄、「ヒドロキシ基の位置」欄、及び「分子量分布(Mw/Mn)」欄にそれぞれ示す。
ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)の測定方法について説明する。
ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)は、以下の測定条件で測定した。
装置:東ソー社製HLC−8320GPC
カラム:TSK gel Super H4000、TSK gel Super H3000、TSK gel Super H2000(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
検出装置:示差屈折率検出器
試料溶液:0.25質量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液流速:0.5mL/分
溶液注入量:10μL
標準試料:ポリスチレン(東ソー社製TSK STANDARD POLYSTYRENE)
標準試料を用いて検量線を作成し、各実施例及び比較例の処理剤に配合されるポリオキシアルキレン誘導体の混合物の数平均分子量(=Mn)と質量平均分子量(=Mw)を求めた。その数値を用いて、分子量分布(=Mw/Mn)を算出した。
(平滑剤)
B−1:粘度:250mm/s、当量:7600g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン
B−2:粘度:1300mm/s、当量:1700g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン
B−3:粘度:1700mm/s、当量:3800g/molであるモノアミン型のアミノ変性シリコーン
B−4:粘度:5000mm/s、当量:7000g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン
B−5:粘度:10000mm/s、当量:2000g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン
B−6:粘度:600mm/s、当量:3000g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン
B−7:粘度:80mm/s、当量:4000g/molであるジアミン型のアミノ変性シリコーン
B−8:粘度:10000mm/sのジメチルシリコーン
B−9:粘度:500mm/s、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=100/0、シリコーン/ポリエーテルの質量比=50/50のポリエーテル変性シリコーン
B−10:粘度:1700mm/s、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド=40/60、シリコーン/ポリエーテルの質量比=20/80のポリエーテル変性シリコーン
B−11:ビスフェノールAのエチレンオキサイド平均2モル付加物のジドデシルエステル
B−12:チオジプロピオン酸1モルと2−ヘキシル−1−デカノール2モルを反応させて得られたジエステル
B−13:オクチルパルミテート
(その他成分)
C−1:1−エチル−2−(ヘプタデセニル)−4,5−ジハイドロ−3−(2−ハイドロキシエチル)−1H−イミダゾリニウムのエチル硫酸塩
C−2:イソドデシルホスフェート
C−3:ポリオキシエチレン(n=10)ラウリルエーテル酢酸
C−4:酢酸
C−5:ジエタノールアミン
C−6:ラウロイルサルコシネート
試験区分2(合成繊維、及び炭素繊維の製造)
試験区分1で調製した合成繊維用処理剤の水性液を用いて、合成繊維、及び炭素繊維を製造した。
まず、工程1として、合成繊維としてアクリル樹脂を湿式紡糸した。具体的には、アクリロニトリル95質量%、アクリル酸メチル3.5質量%、メタクリル酸1.5質量%からなる極限粘度1.80の共重合体を、ジメチルアセトアミド(DMAC)に溶解してポリマー濃度が21.0質量%、60℃における粘度が500ポイズの紡糸原液を作成した。紡糸原液は、紡浴温度35℃に保たれたDMACの70質量%水溶液の凝固浴中に孔径(内径)0.075mm、ホール数12,000の紡糸口金よりドラフト比0.8で吐出した。
凝固糸を水洗槽の中で脱溶媒と同時に5倍に延伸して水膨潤状態のアクリル繊維ストランド(原料繊維)を作成した。このアクリル繊維ストランドに対して、固形分付着量が1質量%(溶媒を含まない)となるように、試験区分1で調製した合成繊維用処理剤を給油した。合成繊維用処理剤の給油は、合成繊維用処理剤の4%イオン交換水溶液を用いた浸漬法により実施した。その後、アクリル繊維ストランドに対して、130℃の加熱ローラーで乾燥緻密化処理を行い、更に170℃の加熱ローラー間で1.7倍の延伸を施した後に巻き取り装置(以下、ワインダーともいう。)を用いて糸管に巻き取った。
次に、工程2として、巻き取られた合成繊維から糸を解舒し、230〜270℃の温度勾配を有する耐炎化炉で空気雰囲気下1時間、耐炎化処理した後に糸管に巻き取ることで耐炎化糸(耐炎化繊維)を得た。
次に、工程3として、巻き取られた耐炎化糸から糸を解舒し、窒素雰囲気下で300〜1300℃の温度勾配を有する炭素化炉で焼成して炭素繊維に転換後、糸管に巻き取ることで炭素繊維を得た。
試験区分3(評価)
実施例1〜21及び比較例1〜3の処理剤について、合成繊維の紡糸融着、耐炎化繊維の毛羽、合成繊維の平滑性、及び耐炎化繊維の耐炎化融着を評価した。各試験の手順について以下に示す。また、試験結果を表1の“紡糸融着”、“耐炎化毛羽”、“平滑性”、“耐炎化融着”欄に示す。
(紡糸融着)
試験区分2の工程1において、乾燥緻密化処理を行った合成繊維を長さ1.5cmに切断し、水中に分散させた。1分間撹拌した後、繊維の分散状態を目視し、以下の基準で評価した。
・紡糸融着の評価基準
◎(良好):束になっている部分がほとんど見られない場合
〇(可):一部束になっている部分があるが、問題になるレベルではない場合
×(不良):束になっている部分が多く、融着が問題になるレベルである場合
(耐炎化毛羽)
試験区分2の工程2において、耐炎化処理を行った耐炎化繊維について、耐炎化繊維を搬送するローラー部分における毛羽の発生の有無を目視で観察し、以下の基準で評価した。
・耐炎化毛羽の評価基準
◎◎(優れる):全く毛羽が見られない場合
◎(良好):ほとんど毛羽が見られない場合
〇(可):わずかに毛羽が見られるが、操業に問題になるレベルではない場合
×(不良):毛羽が多く、ローラーへの巻き付けも発生し、操業に問題がある場合
(平滑性)
平滑性を測定する装置として、島津製作所社製のオートグラフABS−1kNX(張力測定装置)を使用した。
図1に示されるように、処理剤を付着させた合成繊維(以下、試験糸1ともいう。)の一端をオートグラフの把持治具2に固定し、フリーローラー3、クロムメッキ梨地ピン4、及びフリーローラー5を順に介して、試験糸1の他端に50gの分銅6を固定した。クロムメッキ梨地ピン4において、試験糸1が接する駆動軸4aの直径は1cmで、表面粗度は2Sである。フリーローラー3とクロムメッキ梨地ピン4との間における試験糸1の延びる方向に対する、クロムメッキ梨地ピン4とフリーローラー5との間における試験糸1の延びる方向のなす角度が90°となるように配されている。この状態で25℃で60%RHの条件下クロムメッキ梨地ピン4の駆動軸4aを周速100m/分の速度でオートグラフに張力がかかる方向に回転させた状態にしてオートグラフによる張力を0.1秒毎に30秒間測定した。この時の張力の平均値(N)を求め、次の基準で評価した。
◎◎(優れる):張力の平均値が2N未満
◎(良好):張力の平均値が2N以上、3N未満
〇(可):張力の平均値が3N以上、4N未満
×(不良):張力の平均値が4N以上
(耐炎化融着)
試験区分2の工程2において、耐炎化処理を行った耐炎化繊維を長さ1.5cmに切断し、水中に分散させた。1分間撹拌した後、繊維の分散状態を目視し、以下の基準で評価した。
・紡糸融着の評価基準
◎(良好):束になっている部分がほとんど見られない場合
〇(可):一部束になっている部分があるが、問題になるレベルではない場合
×(不良):束になっている部分が多く、融着が問題になるレベルである場合
表1の結果から、本発明によれば、合成繊維の紡糸工程における融着を好適に抑制することができる。また、耐炎化繊維の毛羽、及び融着を抑制することができる。また、合成繊維の平滑性を向上させることができる。

Claims (12)

  1. 2級アルコールに対してアルキレンオキサイドを付加させたポリオキシアルキレン誘導体を含有する合成繊維用処理剤であって、
    前記ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)が1.2以下であり、
    前記ポリオキシアルキレン誘導体が、炭素数1〜30のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものであり、
    前記ポリオキシアルキレン誘導体を形成することとなる2級アルコールが、アルキル鎖のβ位にヒドロキシ基を有するものであることを特徴とする合成繊維用処理剤。
  2. 2級アルコールに対してアルキレンオキサイドを付加させたポリオキシアルキレン誘導体を含有する合成繊維用処理剤であって、
    前記ポリオキシアルキレン誘導体の分子量分布(Mw/Mn)が1.2以下であり、
    前記合成繊維が、炭素繊維前駆体であることを特徴とする合成繊維用処理剤。
  3. 前記ポリオキシアルキレン誘導体が、炭素数1〜30のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものである請求項1又は2に記載の合成繊維用処理剤。
  4. 前記ポリオキシアルキレン誘導体が、炭素数10〜18のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
  5. 前記ポリオキシアルキレン誘導体が、炭素数12〜16のアルキル鎖を有する2級アルコール1モルに対して炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを1〜30モル付加させたものである請求項1〜のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
  6. 前記ポリオキシアルキレン誘導体を形成することとなる2級アルコールが、アルキル鎖のβ位にヒドロキシ基を有するものである請求項のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
  7. 更に、平滑剤を含有し、前記平滑剤がシリコーン及びエステルから選ばれる少なくとも一つを含むものである請求項1〜のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
  8. 前記平滑剤が、シリコーンを含むものである請求項に記載の合成繊維用処理剤。
  9. 前記シリコーンが、アミノ変性シリコーンである請求項又はに記載の合成繊維用処理剤。
  10. 前記ポリオキシアルキレン誘導体及び前記平滑剤の含有割合の合計を100質量部とすると、前記ポリオキシアルキレン誘導体を5〜80質量部、及び前記平滑剤を95〜20質量部の割合で含む請求項のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
  11. 前記合成繊維が、炭素繊維前駆体である請求項1〜10のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤が付着していることを特徴とする合成繊維。
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