JP3724776B2 - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、違法業者の再利用を防止したレンズ付きフイルムユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
誰でも手軽に写真撮影が楽しめるように簡易な撮影機構を備えたユニット本体に予め未露光の写真フイルムを内蔵したローコストのレンズ付きフイルムユニットが本出願人より提供されている。このようなレンズ付きフイルムユニットの中には、写真フイルムの撮影画面に撮影日等を写し込むデート写し込み機能付きのものが本出願人より提案されている(特開平10−96991号公報)。
【0003】
このレンズ付きフイルムユニットは、光透過型の極めて小さい(例えば表示面積が2mm×7mm程度)液晶パネルを有するデートモジュールを内蔵するとともに、外光を写真フイルムの乳剤面側に導く光路を設け、この途中にデートモジュールの液晶パネルを配置してある。前記光路は、レリーズ操作に連動して開閉され、液晶パネルに表示された撮影日等が写真フイルムに写し込まれる。
【0004】
前記デートモジュールは、駆動用電池の組み込み,時計回路の時刻合わせ,時刻合わせが正しく行われたか否かの確認が行われた後、ユニット本体に組み込まれる。ところが、きわめてローコストなレンズ付きフイルムユニットに組み込まれる関係上、また小型化のため、デートモジュールに設けられているのは、写し込み用の小さな液晶パネルのみで、確認用の大きな液晶パネルは設けられていない。写し込み用の小さな液晶パネルに表示される文字は、きわめて小さいため、これを目視で確認することは事実上不可能である。また、小型のデートモジュールに時刻合わせ用のスイッチ類を設けるのも困難である。このため、前記時計回路の時刻合わせや時刻の確認は、外部のコンピュータをデートモジュールに接続し、コンピュータと、これに接続されたディスプレイとを使って行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一度使ったレンズ付きフイルムユニットに未露光の写真フイルムを違法に詰め替えて販売する業者がいる。このような違法業者は、上記のようなデート写し込み機能付きレンズ付きフイルムユニットに関しても、デートモジュールの駆動用電池を交換し、パーソナルコンピュータを使って時計回路の時刻合わせ等を行ってから、販売するおそれがある。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、違法業者の再利用を防止したレンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、簡易な撮影機構が設けられたユニット本体に未露光の写真フイルムを予め装填し、前記ユニット本体との間に撮影機構を挟むようにして前カバーがユニット本体の前側に装着されるとともに、時計回路から出力される計時データに基づいて表示手段に撮影日時等を表示する駆動用電池を備えたデートモジュールを撮影機構と前カバーとの間に設け、前記表示手段に表示された撮影日時等を写真フイルムが1コマ撮影される毎に写真フイルムの露光画面内に写し込むレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記デートモジュールは、前記時計回路,表示手段の他に、シリアル通信により外部機器とデータの入出力を行うシリアル入出力インターフェースと、前記シリアル通信の初期段階で所定の認識コードが入力された場合のみにデータの入出力を許容する制御手段とを備え、前記シリアル通信により入力されたデータにより、前記時計回路の時刻合わせが行われるとともに、前記駆動用電池の一方の端子に接触される接片を前カバーの背面に設けたものである。
【0009】
また、前記認識コードは、製造ロット毎に変更されるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のレンズ付きフイルムユニットの外観を示す図2において、ユニット本体10の前面には、撮影光学系としての撮影レンズ11,ファインダ12の対物側窓13,ストロボ発光部14,ストロボ発光用の充電をオン,オフするための充電操作レバー15、集光板16が設けられている。
【0011】
ユニット本体10の上面には、シャッタボタン17,残り撮影可能コマ数を表示するカウンタ窓18,ストロボ充電の完了を表示する表示用ライトガイド19が突出される開口20が設けられている。さらに、ユニット本体10の背面側には、1コマの撮影ごとに回転操作される巻上げノブ21の一部が露呈され、対物側窓13に対面する位置にファインダ12の接眼側窓22(図3参照)が設けられている。そして、ユニット本体10の中央には、海苔巻き状に外装ラベル23が巻き付けられている。この外装ラベル23には、前記撮影レンズ11,対物側窓13,集光板16,カウンタ窓18,開口20等を露呈する各開口が設けられている。
【0012】
ユニット本体10の分解斜視図を示す図3において、ユニット本体10は、本体基部25,露光ユニット26,ストロボユニット27,前カバー28,後カバー29と、アドバンストフォトシステムのIX240型式の写真フイルムカートリッジ30、及びデートモジュール31から構成されている。
【0013】
本体基部25には、写真フイルムカートリッジ30のカートリッジ30aを収納するためのカートリッジ収納室33と、カートリッジ30aから引き出されてロール状にされた未露光の写真フイルム30bを収納するためのフイルムロール室34とが一体に形成されている。カートリッジ収納室33の上部には、巻上げノブ21が回動自在に配されている。この巻上げノブ21は、その下部に一体に設けられた軸がカートリッジ収納室33に収納されたカートリッジ30aのスプール35の一端に係合されている。これにより、巻上げノブ21を図中反時計方向に回動することにより、撮影済の写真フイルム30bがカートリッジ30a内に巻き取られる。
【0014】
カートリッジ収納室33とフイルムロール室34との間には、写真フイルム30b上に形成される露光画面の画面サイズを画定するアパーチャ36が形成され、このアパーチャ36の周囲には、前方に突出した遮光筒37が設けられている。
【0015】
露光ユニット26は、シャッタ機構,フイルム巻き止め機構,ファインダ12等を暗箱38に組み付けたものである。暗箱38の前面には、シャッタカバー39が取り付けられ、このシャッタカバー39の前面に取り付けられたレンズホルダ40によって撮影レンズ11が保持されている。この露光ユニット26は、暗箱38が遮光筒37に取り付けられることにより本体基部25に組み付けられる。これにより、暗箱38と遮光筒37とによって撮影レンズ11とアパーチャ36との間が遮光される。また、露光ユニット26には、受け板41を介してデートモジュール31が組み付けられている。
【0016】
ストロボユニット27は、ストロボ回路基板42と、このストロボ回路基板42に取り付けられたストロボ発光部14,メインコンデンサ43,シンクロスイッチ44,ストロボ用電池45等から構成されている。充電操作レバー15が上方に向けてスライドされると、この充電操作レバー15の背面側に形成された突起で金属接片46aが弾性変形されて接点46bに接触することにより、充電スイッチがオンとなってメインコンデンサ43への充電が行われる。
【0017】
シンクロスイッチ44は、上下に配された一対の接片からなり、シャッタ機構が作動されたときにシャッタ羽根47に一体に形成された押圧片47a(図4参照)で上側の接片が押圧されて下側の接片に接触することによりオンとなる。このシンクロスイッチ44のオンによりストロボ発光部14からストロボ光が放出される。
【0018】
前カバー28には、シャッタボタン17,ファインダ12の対物窓13が形成されている他、撮影レンズ11,ストロボ発光部14,充電操作レバー15を露呈するための開口28a〜28c等が形成されている。また、開口28aの近傍に形成された開口28dには集光板16がはめ込まれている。この前カバー28は、露光ユニット26,ストロボユニット27,データモジュール31が組み付けられた本体基部25の前面側にこれらを覆うようにしてに組み付けられる。
【0019】
後カバー29は、カートリッジ30aと写真フイルム30bとをカートリッジ収納室33とフイルムロール室34とにそれぞれ収納した本体基部25の背面側を覆う。この後カバー29には、その底部に底蓋29a,29bが形成されており、これらの底蓋29a,29bによってカートリッジ収納室33とフイルムロール室34の底部が光密に閉じられる。また、アパーチャ36に対面する後カバー29の部分には、撮影レンズ11による像面湾曲にあわせた形状で湾曲されたフイルム支持面29cが形成されている。
【0020】
図1及び図4に示すように、デートモジュール31は、モジュール基板に実装された水晶発振器48,時計回路49,LCDドライバ50,液晶パネル51,シリアル入出力インターフェース(以下シリアルI/O)52,コントローラ53及びレベルシフタ54等の電子部品と、モジュール用電池55と、モジュールケース56等とから構成されている。入出力インターフェースとしてシリアルI/Oを採用したため、デートモジュール31の小型化,ローコスト化に寄与している。
【0021】
モジュール基板は、モジュールケース56内に組み込まれており、モジュール用電池55は、例えばボタン型の3Vのものが用いられ、モジュールケース56の前面側に配された接片58と、モジュール用電池55を挟んで接片58の反対側に設けられた接片(図示省略)とに保持され、これらの接片を介してモジュールケース56内の各回路に電力供給を行う。
【0022】
時計回路49は、数年分のカレンダー情報を記憶しており、水晶発振器48を用いて一定周期のクロック信号を発生し、このクロック信号に基づいて時間、年月日を計時し、年月日を表す年月日データや時分秒データ等の日時データを作成する。そして、この日時データに基づいてLCDドライバ50が液晶パネル51を駆動することにより、この液晶パネル51に写真フイルム30bに写し込むべき日時、例えば現在の撮影年月日が表示される。
【0023】
前記カレンダー情報は、本実施形態では例えば「1995年1月1日00時00分00秒」から「2030年12月31日23時59分59秒」までとするが、例えば「1995年1月1日00時00分00秒」から「1998年12月31日23時59分59秒」までは無表示とする。また、時計回路49は、閏年の自動判定,月末の自動修正,24時間制表示(0時〜23時),10の桁と1の桁のみの年表示等の機能を有する。
【0024】
液晶パネル51は、モジュールケース56の前面側及び背面側に形成された開口から露呈され、前カバー28に組み付けられた集光板16の照明部16aに対面される。この液晶パネル51としては、不透明な背景に白抜き(透明)な「年,月,日」、例えば「’99 7 29」等の文字を表示する透過型のものが用いられており、モジュールケース56の前面側の開口を介して照明部16aからの光によって照明され、液晶パネル51を透過した透過光がモジュールケース56の背面側の開口からデート光として射出される。
【0025】
液晶パネル51の表示面積は、例えば2mm×7mmときわめて小さいため、これに表示された年月日等の文字を目視で確認するのは困難である。このため、液晶パネル51に表示される年月日等の確認は、デートモジュール31をマイクロコンピュータ57に接続し、このマイクロコンピュータ57に接続されたディスプレイ57bによって行われる。デートモジュール31とマイクロコンピュータ57との接続は、レベルシフタ54を介したシリアルI/O52とRS−232C57aとが専用ケーブルにて接続される。
【0026】
レベルシフタ54は、シリアルI/O52とパーソナルコンピュータ57のRS−232C57aとの間で動作電圧レベルの違いがある場合、RS−232C57aに合った動作電圧レベルまでシリアルI/O52の動作電圧を降下または上昇させる。
【0027】
コントローラ53は、時計回路49,LCDドライバ50,シリアルI/O52等を制御し、シリアルI/O52を介してパーソナルコンピュータ57から入力される各種命令コードを監視し、シリアル通信の初期段階で所定の認識コードが入力された場合にのみ、日時データの入出力を許容する。また、コントローラ53は、モジュール用電池55の交換やリセット命令によって時計回路49の駆動開始日時を「1995年1月1日00時00分00秒」にリセットする。
【0028】
このように構成されたデートモジュール31は、受け板41に取り付けられる。受け板41の前面には、凸部41a,41bと、係合爪41cとが形成されており、各凸部41a,41bによって受け板41上でデートモジュール31が位置決めされ、係合爪41cによって固定される。なお、受け板41の受け部41dは、充電操作レバー15の後端部を支持するためのものである。
【0029】
受け板41は、「フ」の字形状に突出したシャッタカバー39の右側部39aに対応させた形状に切り欠かれた切欠き部41eが形成されている。受け板41は、切欠き部41eが右側部39aにはめ込まれ、シャッタカバー39と平面を形成するようにして露光ユニット26に組み付けられる。受け板41は、露光ユニット26側に形成された位置決めピン38aが受け板41側の孔41fに通されることによって組み付け位置が決められ、図示しない係止爪等によって露光ユニット26に固定される。
【0030】
受け板41が露光ユニット26に組み付けられることにより、デートモジュール31の背面側の開口から露呈された液晶パネル51が受け板41の切欠き部41eを介して、シャッタカバー39の右側部39aに形成された開口59に対面される。なお、モジュールケース56は、その左側部が撮影レンズ11を保持するレンズホルダ40の形状に合わせて扇状に切り欠かれることにより、露光ユニット26に組み付けた際に、レンズホルダ40よりも前方に突出しないようにしてある。
【0031】
集光板16は、透明なプラスチック樹脂を成形したものであり、その背面には、断面が「V」字の溝形状の照明部16aが形成されている。ユニット本体10の前面側に露呈された集光板16の表面に入射した外光は、集光板16の内部で反射を繰返して照明部16aに達し、この照明部16aより背面側に射出される。これにより、集光板16の広い表面で集光した外光を照明部16aから射出し、照明部16aに対面した液晶パネル51を明るくて照明する。
【0032】
図4に示されるように、暗箱38の前面とシャッタカバー39との間には、軸38bによって回動自在に支持されたシャッタ羽根47が配されている。シャッタ羽根47は、撮影レンズ11による被写体像の露光を制御するためのものであり、バネ61によって撮影用シャッタ開口62を閉じた閉じ位置に付勢されている。この撮影用シャッタ開口62は、暗箱38の前面中央、すなわち撮影光軸11a上に設けられている。
【0033】
シャッタ羽根47は、その上端部47bがシャッタレリーズに連動して図中右方向に移動される蹴飛ばしレバー63によって蹴飛ばされ、軸38bを中心にして時計方向に回動され、この後バネ61によって反時計方向に回動される。このシャッタ羽根47の1往復の揺動により、撮影用シャッタ開口62が開閉される。この撮影用シャッタ開口62の開閉の間に、撮影レンズ11を透過した被写体光は、撮影用シャッタ開口62から暗箱38内に入射し、アパーチャ36の背後にセットされた写真フイルム30bを露光する。また、シャッタ羽根47が撮影用シャッタ開口62を全開したときには、押圧片47aによってストロボユニット27のシンクロスイッチ44がオンとされる。
【0034】
暗箱38を正面から見て、撮影用シャッタ開口62の右上の部分には、デート用シャッタ開口65が形成されている。また、シャッタ羽根47の下部からは、右上方向に向かって伸びた腕部66aが形成され、この腕部66aの一端にデート用シャッタ開口65を開閉することで、撮影日の露光を制御するデート用シャッタ部材66が一体に形成されている。デート用シャッタ部材66は、シャッタ羽根47の揺動に連動してデート用シャッタ開口65を開閉する。
【0035】
暗箱38内でデート用シャッタ開口65の奥には、液晶パネル51に表示されている撮影日を写真フイルム30b上に投影・結像させるための投影レンズ68が配され、固定部材69によって固定されている。
【0036】
次に上記構成の作用について説明する。デートモジュール31は、レンズ付きフイルムユニットのユニット本体10に組み込まれる前に、レベルシフタ54,シリアルI/O52を介してパーソナルコンピュータ57のRS−232Cにシリアル接続される。この後、モジュールケース56にモジュール用電池55をセットすると、時計回路49がリセットされ、水晶発振器48から発生される一定周期のクロック信号に基づいて、「1995年1月1日00時00分00秒」から計時動作が開始される。このリセット直後、液晶パネル51に「’95 11」の文字が一旦表示されるが、この1〜2秒後に液晶パネル51は無表示となる。なお、時計回路49のリセットは、モジュール用電池55のセットによる他、パーソナルコンピュータ57からのリセット命令によっても行われる。
【0037】
次に、パーソナルコンピュータ57を操作して、「1999年1月1日00時00分00秒」以降の現在の日時,例えば「1999年7月29日12時23分00秒」の日時データをシリアル通信でコントローラ53に転送する。このデータ転送は、図5(A)に示すように、「識別コード71」→「書込命令コード72」→「日時データ73」の順番に行われ、識別コード71を最初に転送しないと、次の命令コード(「書込命令コード」や「読出命令コード」等)をコントローラ53が受け付けないようにされている。このセキュリティプログラムは、コントローラ53に予め組み込まれている。これにより、例え違法な詰め替え業者等がモジュール用電池55を入れ換えても、日時データを変更できず、液晶パネル51は無表示のままとなるから、年月日等の写し込みはできなくなる。
【0038】
識別コード71としては、任意の命令コードを使用できるが、本実施形態例では、例えば年月日表示命令コード(表1に示す「11101000」)を用いる。下記の表1に8ビットの命令コードの例を示す。これらの命令コードは、セキュリティ性を高めるため、例えばレンズ付きフイルムユニットの製造ロット毎に変更される。
【0039】
【表1】
【0040】
図5(A)に示すように、日時データ73は、年データ73a,月データ73b,日データ73c,時データ73d,分データ73e,秒データ73fからなる。例えば年データ73aは、スタートビットST(=〔0〕)と、これに続く4ビットD0〜D3からなる「年の1の位」を表すデータY1と、次の4ビットD4〜D7からなる「年の10の位」を表すデータY2と、最後のストップビットSP(=〔1〕)とからなり、1ビットあたりの転送レートT1は2400bps(T1=1/2400〔sec〕)としてある。その他、月データ73b等も全て同様の構造をしている。
【0041】
コントローラ53は、識別コード71が入力されると、続いて書込命令コード72及び日時データ73を受け付ける。これにより、時計回路49が「1999年7月29日12時23分00秒」から動作を開始して、液晶パネル51に「’99 7 29」の文字が表示される。
【0042】
この後、正しい日時データ73がコントローラ53に転送されたか否かを確認するために、パーソナルコンピュータ57を操作して、図5(B)に示すように、「識別コード71」→「出力命令コード74」の順番に各コードをコントローラ53に転送する。コントローラ53は、識別コード71の入力を確認した後、出力命令コード74を受け付け、時計回路49から現在の日時データ73を呼び出す。この結果、4ビット分の時間(T4=4/2400〔sec〕)経過後に、日時データ73がパーソナルコンピュータ57に出力され、ディスプレイ57bに「’99 7 29」の文字が表示される。
【0043】
ディスプレイ57bに何も表示されない場合には、パーソナルコンピュータ57からコントローラ53に転送した日時データが、「1998年12月31日23時59分59秒」以前であった可能性が高いから、正しい日時データ73を再転送する。
【0044】
また、図5(C)に示すように、パーソナルコンピュータ57から認識コード71の後、例えば時分表示命令コード75がコントローラ53に転送されると、ディスプレイ57bに12時23分を示す「23 12」の文字が表示される。この時分表示は、8秒±1秒後に「’99 7 29」の年月日表示に自動復帰される。なお、時分表示命令コード75は、スタートビットSTと、8ビットD0〜D7からなる「時分表示命令」を表すコード本体C1と、ストップビットSPとからなる。
【0045】
このようにして現在の日時データが正しくセットされたデートモジュール31は、受け板41に取り付けられ、更に露光ユニット26のシャッタカバー39に取り付けられる。このデートモジュール31付きの露光ユニット26は、日時データのセット時に用いた命令コードに対応したロット番号のユニット本体組立ラインに搬送され、本体基部25の前面に取り付けられる。
【0046】
ユニット本体組立ラインでは、本体基部25の前面に露光ユニット26の他、ストロボユニット27,前カバー28が取り付けられる。本体基部25の背面には、暗室内でカートリッジ30aと写真フイルム30bが装填され、後カバー29によってカートリッジ収納室33及びフイルムロール室34が光密に閉じられる。この後、本体基部25の底側にストロボ用電池45が装填され、ストロボ発光テスト等を経た後、ユニット本体10の中央部外周面に外装ラベル23が張りつけられ、レンズ付きフイルムユニットが完成される。
【0047】
撮影時には、撮影者は、巻上げノブ21を回動操作して写真フイルム30bを巻き上げる。この巻き上げにより、写真フイルム30bが巻き上げ方向に移送されると、これに従動してフイルム巻き止め機構を構成するスプロケットが回転する。スプロケットが所定量回転されると、フイルム巻き止め機構がスプロケットの回転と巻上げノブ21の回転とをロックする。これにより、写真フイルム30bが1コマ分だけ巻上げられ、アパーチャ36に未露光の撮影コマがセットされる。また、スプロケットが回転している間に、シャッタ機構がシャッタチャージされる。
【0048】
シャッタボタン17の押圧操作が行われると、これに応答してシャッタ機構の蹴飛ばしレバー63が勢いよく回動して、シャッタ羽根47の上端部47bが蹴飛ばされる。蹴飛ばされたシャッタ羽根47は、バネ61の付勢に抗して、軸38bを中心に図4において時計方向に回動し、撮影用シャッタ開口62を全開した後に、バネ61の付勢力により反時計方向に回動して閉じ位置に戻る。この開閉中に撮影用シャッタ開口62からは、撮影レンズ11を通った被写体光が暗箱38の内部に入射してアパーチャ36にセットされた写真フイルム30bを露光する。
【0049】
また、シャッタ羽根47の回動により、このシャッタ羽根47と一体に形成されたデート用シャッタ部材66が軸38bを中心にして回動し、デート用シャッタ開口65が開閉される。この開閉中には、集光板16で集光された外光が照明部16aより射出されて液晶パネル51が照明された状態にあり、この液晶パネル51を透過して作成されたデート光がシャッタカバー39の開口59を介してデート用シャッタ開口65から暗箱38の内部に入射する。暗箱38の内部に入射したデート光は、投影レンズ68により写真フイルム30bの一部に結像される。これにより、液晶パネル51で表示されている現在の撮影日が被写体像と重複して露光される。
【0050】
ストロボ撮影を行う場合には、シャッタボタン17を押下操作する前に、ストロボ充電操作レバー15を上方にスライド操作して、メインコンデンサ43を充電しておく。ランプの点灯を確認してから、シャッタボタン17を押下操作すれば、シャッタ羽根47の揺動中にシンクロスイッチ44がオンしてストロボ発光部14からストロボ光が被写体に向けて照射される。被写体で反射したストロボ光は、写真フイルム30bに結像されるとともに、集光板16にも入射し、デート光が作成される。このデート光は前述したと同様に写真フイルム30bに露光される。
【0051】
以下、前述した撮影を繰り返すことで、写真フイルム30bの各撮影コマには、被写体像が写し込まれるとともに、露光画面範囲の一部に撮影日が写し込まれる。最後の撮影コマに撮影を完了した後には、フイルムカウンタ機構がフイルム巻き止め機構の作動を禁止する。これにより、フイルム巻き止めが作動しないから、フイルム巻き上げ操作によって全部の撮影済みの写真フイルム30bがカートリッジ30aの内部に巻き込まれる。
【0052】
撮影済みのレンズ付きフイルムユニットは、現像所に提出され、ここで、露光済みの写真フイルム30bを収納したカートリッジ30aが取り出される。取り出したカートリッジ30aから写真フイルム30bが引き出され、フイルムプロセッサにセットされて現像される。現像済みの写真フイルム30bは、次のプリンタプロセッサにかけられ、撮影日が記録されたプリント写真が作成される。
【0053】
使用済みのユニット本体10は、通常はレンズ付きフイルムユニットのメーカーに集められ、露光ユニット26やストロボユニット27等の再使用対象部品と、本体基部25や前カバー28,後カバー29等のリサイクル対象部品とに分けられる。再使用対象部品は、検査を受けて合格したものだけが再使用され、その他のものは分解され、更に再使用可能なものと溶解または廃棄されるものとに分けられる。リサイクル対象部品は、溶融されてペレット化され、再び前カバーや後カバー等の成形に使用される。
【0054】
使用済みのユニット本体10が詰め替え業者に渡ると、ストロボ用電池45,モジュール用電池55,写真フイルムカートリッジ30及び外装ラベル23が新しいものに交換され、別のレンズ付きフイルムユニットとして違法に販売されるおそれがある。しかしながら、詰め替え業者がモジュール用電池55を新しいものに取り替えると、日時データが「1995年1月1日00時00分00秒」にリセットされ、そのままでは液晶パネル51に何も表示されず、撮影画面へのデート写し込みは行われない。
【0055】
また、詰め替え業者がパーソナルコンピュータを使ってデートモジュール31の日時データを変更しようとしても、製造ロット毎に変更される識別コード71を特定するのは事実上不可能である。したがって、日時データを現在の日時にセットすることができず、デートモジュール31及びこれを用いたレンズ付きフイルムユニットが違法に再使用されることが防止される。
【0056】
また、使用済みのレンズ付きフイルムユニットが違法な詰め替え業者に渡った場合、ユニット本体10が分解される際にモジュール用電池55からデートモジュール31のモジュール回路への通電が必ず解除され、デートモジュール31をリセットせざるを得なくなるようにユニット本体10を構成するのが望ましい。この構成例としては、例えば前カバー28の背面に接片58を一体的に設けることが考えられる。このようにすると、前カバー28をユニット本体10から分離した際に、モジュール用電池55と接片58との接触が解除され、モジュール用電池55からデートモジュール31のモジュール回路への通電が解除される。
【0057】
なお、最終コマの撮影が終了した後の巻上げ操作により、写真フイルムカートリッジ30の遮光蓋が閉じられる機構がユニット本体10に設けられているが、写真フイルムを新しいものに詰め替える際には、この機構を元の状態に戻したり、露光ユニット26のカウンタ機構や巻き止め機構を初期位置に戻す操作が必要となるため、前カバー28をユニット本体10から分離する必要がある。
【0058】
また、上記実施形態に挙げたカレンダー情報等のデータは一例であって、これらの数値によって本発明が限定されるものでないのは勿論である。また、上記実施形態では、液晶パネルを時分表示しても所定時間の経過後に年月日表示に復帰するようにしたが、そのまま時分を写真フイルムに写し込むようにしてもよく、また、年月日と時分を同時に並列もしくは上下2列にして表示して両方を写真フイルムに写し込んでもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、表示パネルとして透過型の液晶パネルを用い、これを外光で照明してデート光を得ているが、ストロボ光の一部をライトガイドに直接に入射させて導光した光で液晶パネルを照明したり、撮影毎に点灯するライトをデートモジュールに内蔵しこれで照明してもよい。また、表示パネルとして、自ら光を放出する電子表示手段、例えば複数の発光ダイオードを「8」の字状に並べたものを複数個備えたものであってもよい。なお、このような照明用のランプを用いる場合や電子表示手段を用いる場合は、シャッタ羽根の動作に同期させてランプあるいは電子表示手段を点灯するようにすれば、特にデータの露光を制御するシャッタ部材がなくてもよい。
【0060】
また、上記実施形態は、シリアル通信でデータの入出力を行うようにしたが、本発明はこれに限定されることなく、パラレル通信(例えば8ビット単位)でデータの入出力を行ってもよい。この場合には、シリアル通信より高速にデータの入出力を行うことができる反面、伝送線路が複数本必要となるため、コスト高になるとともにインターフェースが大型化するという欠点を有する。このため、ローコストかつ小型であることが大前提のレンズ付きフイルムユニットに用いるには、シリアル通信の方が有利である。
【0061】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明のレンズ付きフイルムユニットによれば、時計回路の時刻合わせ等をシリアル通信によるデータ入出力で行うとともに、シリアル通信の初期段階で所定の認識コードが入力された場合にのみデータ入出力を許容するデートモジュールを内蔵し、撮影日等を写真フイルムの露光画面に写し込むようにしたので、ローコストに違法業者による時計回路の時刻合わせ等が防止でき、違法な再利用が防止できる。また、シリアル入出力インターフェースを用いるため、レンズ付きフイルムユニットの大型化を防止できる。また、駆動用電池の一方の端子に接触される接片を前カバーの背面に設けたので、前カバーをユニット本体から分離した際に、駆動用電池と接片との接触が解除され、駆動用電池からデートモジュールのモジュール回路への通電が解除される。この結果、デートモジュールをリセットせざるを得なくなり、違法な再利用が防止できる。
【0062】
また、認識コードは製造ロット毎に変更されるようにしたので、さらに認識コードの特定が困難になって、より確実に違法業者の再利用を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デートモジュールの概略構造を示すブロック図である。
【図2】レンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】ユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図4】露光ユニットとデートモジュールを示す斜視図である。
【図5】デートモジュールに転送されるシリアルデータの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ユニット本体
31 デートモジュール
49 時計回路
51 液晶パネル
55 モジュール用電池
71 識別コード
73 日時データ
Claims (2)
- 簡易な撮影機構が設けられたユニット本体に未露光の写真フイルムを予め装填し、前記ユニット本体との間に撮影機構を挟むようにして前カバーがユニット本体の前側に装着されるとともに、時計回路から出力される計時データに基づいて表示手段に撮影日時等を表示する駆動用電池を備えたデートモジュールを撮影機構と前カバーとの間に設け、前記表示手段に表示された撮影日時等を写真フイルムが1コマ撮影される毎に写真フイルムの露光画面内に写し込むレンズ付きフイルムユニットにおいて、
前記デートモジュールは、前記時計回路,表示手段の他に、シリアル通信により外部機器とデータの入出力を行うシリアル入出力インターフェースと、前記シリアル通信の初期段階で所定の認識コードが入力された場合のみにデータの入出力を許容する制御手段とを備え、前記シリアル通信により入力されたデータにより、前記時計回路の時刻合わせが行われるとともに、前記駆動用電池の一方の端子に接触される接片を前カバーの背面に設けたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。 - 前記認識コードは、製造ロット毎に変更されることを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニット。
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Family Applications (1)
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