JP3724333B2 - 複合処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、小切手やパーソナルチェック等のチェック紙(以下、「チェック紙」という。)に記録されている磁気インク文字(以下、「MICR(Magnetic Ink Character Recognition)文字」という。)を読み取って所定の印字を行う複合処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の複合処理装置は、所定の紙経路に沿って送られるチェック紙に対し、読取ヘッドによって読み取ったMICR文字の情報に基づき、紙経路上の上流側において裏書き印字(MICR文字と反対側の紙面への印字)を行うとともに、紙経路上の下流側において表書き印字を行うように構成されている。
【0003】
このようなチェック紙の裏書き印字や表書き印字には、それぞれ、インクリボンを用いたドットインパクト方式による印字機構が用いられている。これらの印字機構は、インクリボンカセットから部分的に引き出したインクリボンを、所定の張力をもった状態で印字ヘッド上に配置する一方で、印字ヘッドにおいてそのインクリボンにインパクトを加えることによって印字を行うように構成されている。
【0004】
一方、このような複合処理装置においては、チェック紙のみならず、通常用いられる帳票紙に対しても、主に表書き用の印字ヘッドによって印字が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の複合処理装置においては、チェック紙への裏書き印字を行う頻度が表書き印字を行う場合に比べて極めて低く、このため裏書き用の印字機構では、印字ヘッド上のインクリボンが長時間にわたって露出し、その露出した部分が乾燥して印字できないことがあった。
【0006】
一方、チェック紙や帳票紙の先端部分が、折れていたり、あるいは、カールしていた場合には、それらの先端部分が、裏書き用の印字ヘッドを通過する際にインクリボンを引っかけてしまうことがあり、これが度重なると、そのインクリボンが徐々に弛んで印字ヘッドから外れる原因となっていた。
【0007】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、インクリボンの乾きや外れを防止して円滑な処理をしうる複合処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明は、所定の紙経路上に沿って送られる記録紙のうち当該記録紙が磁気情報を有する場合には当該磁気情報を読み取り可能な読取ヘッドと、当該紙経路上の読取ヘッドと同じ側の所定の部位に配設された印字ヘッドを有する表書き印字機構と、インクリボンを巻き取り可能に構成された巻取部と、当該紙経路上の読取ヘッドと反対側の所定の部位に配設され、かつ、当該インクリボンを介してドットインパクト方式により印字可能に構成された印字ヘッドとを有する裏書き印字機構と、当該紙経路上に沿って送られる記録紙を検出可能な紙検出器と、紙検出器が検出した信号に基づいて算出された記録紙の所定の位置情報に応じて、裏書き印字機構の巻取部によってインクリボンを所定量巻き取らせるように制御する制御部とを備えたことを特徴とする複合処理装置である。
【0009】
本発明の場合、制御部が、例えば、紙検出器からの信号に基づき、記録紙についての表書き印字機構及び裏書き印字機構を通過した際の位置情報を得るようにすれば、その位置情報を得た場合に裏書き印字機構のインクリボンを巻き取ることによって、裏書き印字を行うか否かによらず、チェック紙又は帳票紙のいずれかについてのすべての印字が終了するごとに、裏書き印字用のインクリボンが巻き取られるため、裏書きを長期間行わなくても、そのインクリボンの乾燥を防止することができる。
【0010】
また、本発明にあっては、例えば、紙検出器からの信号に基づき、記録紙についての裏書き印字機構を通過した際の位置情報を得るようにすれば、その位置情報を得た場合に裏書き印字機構のインクリボンを巻き取ることによって、チェック紙等の先端部分が裏書き印字機構の印字ヘッド上のインクリボンを引っかけてインクリボンを弛ませても、そのインクリボンが直ちに巻き取られるため、印字ヘッド上のインクリボンの外れを防止することができる。
【0011】
したがって、本発明によれば、インクリボンの乾きや外れを防止して円滑な処理をしうる複合処理装置を得ることができる。
【0012】
また、本発明において、紙検出器は、裏書き印字機構より紙送り方向下流側に配置された表書き印字機構に対してさらに紙送り方向下流側に配置される一方で、制御部は、紙検出器が検出した信号に基づいて記録紙が当該紙経路から排出されたことについての情報を得るように構成されるとともに、当該情報に基づいて裏書き印字機構の巻取部について制御するように構成されていることも効果的である。
【0013】
本発明によれば、チェック紙等が排出された後に、裏書き用のインクリボンを巻き取らせるようにしたことから、例えば巻取部に回転動力を与えるための駆動モータから生じる磁気の影響によって、読取ヘッドが磁気情報を読み取る際に電気的ノイズを拾うことを防止できる。
【0014】
さらにまた、本発明において、当該紙経路に挿入された記録紙の種類についての情報を制御部に送るための紙情報提供部を備え、制御部は、紙情報提供部からの信号に基づいて当該記録紙に表書き印字のみを行うと判断した場合に裏書き印字機構の巻取部について制御するように構成されていることも効果的である。
【0015】
本発明によれば、表書き印字のみを行う場合には、本来作動する必要のない裏書き印字機構のうちの巻取部を作動させて裏書き用のインクリボンを巻き取らせるようにしたことから、本発明の目的である裏書き用のインクリボンを巻き取る処理を、裏書き印字の処理中において必ず行われる巻取処理に代えて行わず、表書き印字においてのみ行うことによってこのような重複処理を省き、より円滑な処理を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る複合処理装置の好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態の複合処理装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、同複合処理装置の概略構成を示す側面図である。図3は、同複合処理装置の裏書き印字機構の周辺部分を示す斜視図である。図4は、本実施の形態の紙検出機構とチェック紙との位置関係を示す図である。
【0018】
図1又は図2に示すように、本実施の形態の複合処理装置1は、例えば金属からなる本体フレーム2を有し、この本体フレーム2には、例えば樹脂等からなる紙ガイド部材3が設けられている。この紙ガイド部材3は、所定の間隔で配置された一対の紙ガイド上部材3a及び紙ガイド下部材3bからなっている。
【0019】
また、図2に示すように、紙ガイド部材3は、複合処理装置1の前方側(図2の左側)の部位から中腹の部位までほぼ水平方向に延び、さらに、本体フレーム2の上方側まで湾曲状に延びるように形成されている。これにより、紙ガイド部材3の間には、平面状の第1の紙経路31と曲面状の第2の紙経路32とからなる紙経路30が形成されるようになっている。ここで、本実施の形態においては、第1の紙経路31から第2の紙経路32に向かう方向を紙送り方向とし、さらに、第1の紙経路31側を紙送り方向の上流側とし、第2の紙経路32側を紙送り方向の下流側とする。
【0020】
図1又は図2に示すように、紙ガイド部材3の前方側の部位には、所定の大きさの紙挿入口4が形成されており、また、紙ガイド部材3の中腹の部位には、紙ストッパー5が設けられている。この紙ストッパー5は、チェック紙等を係止するための部材であって、紙経路30内に侵入できるように揺動自在に構成されている。
【0021】
ここで、図4に示すように、本実施の形態において使用されるチェック紙Cは、紙幅W1及び紙長L1の定型サイズをもつ長方形状のものである。そして、チェック紙Cの一方側(図4の右側)の端部分には、MICR文字Mが長い帯状に印刷されている。以下、本実施の形態においては、MICR文字を表側にしてチェック紙Cを紙挿入口4に挿入した場合、チェック紙Cの周縁のうち紙ストッパー5に当接する縁を先端縁とし、これと対向する側の縁を後端縁とする。
【0022】
また、本実施の形態においては、チェック紙Cの他に、紙幅W2(>W1)及び紙長L2(>L1)の定型サイズの帳票紙Sが使用される。
【0023】
図1又は図4に示すように、紙ガイド部材3のうちの第1の紙経路31に相当する部分には、紙検出機構(紙情報提供部)6が設けられている。この紙検出機構6は、光電式センサからなるもので、紙先端センサ61と紙後端センサ62とから構成されている。
【0024】
紙先端センサ61は、紙ストッパー5の近傍であって紙送り方向上流側の部位に配置されている。これにより、紙先端センサ61は、チェック紙Cの先端縁C1が紙ストッパー5に当接した状態でのその周辺部分を検出できるようになっている。
【0025】
また、本実施の形態の場合、紙先端センサ61は、第1の紙先端センサ(図4の右側部分)61aと、第2の紙先端センサ(図4の左側部分)61bとから構成されている。これらは、チェック紙Cの紙幅方向の一直線上に配置されており、この直線上における位置は、それそれ、第1の紙先端センサ61aについては、チェック紙の紙幅W1内に収まる位置であり、第2の紙先端センサ61bについては、チェック紙Cの紙幅W1外であって帳票紙の紙幅2内に収まる位置である。
【0026】
一方、紙後端センサ62は、紙挿入口4の周辺であって紙先端センサ61との間隔がチェック紙Cの紙長L1より短くなり、かつ、チェック紙CのMICR文字M側の側縁部分を検出できる位置に配置されている。
【0027】
紙ガイド部材3のうちの第1の紙経路31に相当する部分には、第1の紙送りローラ7が設けられている。この第1の紙送りローラ7は、一対の駆動ローラ71及び従動ローラ72から構成されている。
【0028】
ここで、駆動ローラ71は、紙ガイド上部材3a側の紙先端センサ61と近接する位置で紙挿入口4側の部位に配置されている。一方、従動ローラ72は、紙ガイド下部材3b側に配置され、駆動ローラ71に対して接触又は離間できるように構成されている。
【0029】
また、第1の紙送りローラ7の駆動ローラ71は、ステッピングモータを用いたローラ駆動モータ92の動力が歯車列(図示しない)によって伝達されるように構成されている。
【0030】
また、図2に示すように、紙ガイド部材3の第1の紙経路31に相当する部分には、MICR文字Mを読み取るための磁気読取装置8が設けられている。この磁気読取装置8は、読取ヘッド81と、ヘッド押圧部材82とから構成されている。この読取ヘッド81は、紙ガイド上部材3a側であって駆動ローラ71の周辺の紙導入口4側の部位に配置されている。一方、ヘッド押圧部材82は、紙ガイド下部材3b側に配置され、読取ヘッド81に対して押圧又は離間できるように構成されている。
【0031】
なお、磁気読取装置8の紙送り方向上流側の部位には、MICR文字Mを磁化するための着磁部材(図示しない)が設けられている。
【0032】
図1又は図2に示すように、紙ガイド部材3の第2の紙経路32に相当する部分には、裏書き印字機構9が設けられている。裏書き印字機構9は、印字機構本体9aと、プラテン9bとから構成されている。印字機構本体9aは、紙ガイド下部材3b側の所定の部位に配置されている。
【0033】
印字機構本体9aの第2の紙経路32側の部位には、ドットインパクト方式による印字ヘッド9cが設けられている。この印字ヘッド9cは、紙幅方向に複数配列されたインパクト部9c1が揺動可能に構成されており、かかるインパクト部9c1が第2の紙経路32内に若干入り込むように配置されている。ここで、図3に示すように、紙ガイド下部材3bの印字ヘッド9cと対向する部分には、印字ヘッド9cが第2の紙経路32側に露出できる程度の大きさで切欠き部が形成されている。なお、図3においては、印字ヘッド9cを表す便宜上、紙ガイド上部材3aも仮想的に切り欠かれているように示しているが、実際には、紙ガイド上部材3aは、切り欠かれていない。
【0034】
また、図2又は図3に示すように、印字機構本体9aの後方側の部分には、リボンカセットのリール部と係合可能な巻取軸(巻取部)9dが設けられている。この巻取軸9dは、ステッピングモータを用いた巻取駆動モータ9eからの動力が伝達されることによって、リボンカセット内のインクリボンを巻き取るように構成されている。そして、印字機構本体9aにリボンカセットが装着された場合には、リボンカセットから部分的に引き出されたインクリボンは、所定の張力をもった状態で、印字ヘッド9cのインパクト部9c1上に配置されるようになっている。
【0035】
一方、プラテン9bは、紙ガイド上部材3a側に、印字ヘッド9cに対して一定の間隔をおいて配置されている。このプラテン9bは、その断面がいわゆるDカット状に形成されており、そのカットされた部分が回転して位置を変えることによって、印字ヘッド9cのインパクト部9c1を受ける場合と、第2の紙経路32を開放してチェック紙C等を通過させる場合とに選択できるように構成されている。
【0036】
紙ガイド部材3の下流側の端部分には、第2の紙送りローラ91が設けられている。この第2の紙送りローラ91は、一対の駆動ローラ91a及び従動ローラ91bとから構成されており、第1の紙送りローラ7とを結ぶ紙経路長がチェック紙Cの紙長L1より短くなるように配置されている。
【0037】
また、第2の紙送りローラ91の駆動ローラ91aは、上述したローラ駆動モータ92の動力が歯車列を介して伝達されることによって、第1の紙送りローラ7の駆動ローラ71とともに回動するように構成されている。
【0038】
他方、本体フレーム2の上方の部位には、紙排出機構93及び表書き印字機構94が設けられている。紙排出機構93は、第2の紙経路32の延長上の紙経路33を形成してチェック紙Cや帳票紙S等を排出するように構成された機構であって、支軸93aを中心として本体フレーム2の後方側に開けるようになっている。
【0039】
一方、表書き印字機構94は、印字機構本体94aと、プラテン94bとから構成されている。印字機構本体94aは、紙経路33を挟んで紙排出機構93と対向する側の部位に配置されており、本体フレーム2に設けられた軸2aに支持された状態で紙幅方向に往復動可能に構成されている。
【0040】
印字機構本体94aの紙経路33側の部位には、裏書き印字機構9の印字ヘッド9cと同様に構成された印字ヘッド94a1が設けられている。一方、プラテン94bは、紙排出機構93内で印字ヘッド94aと対向する部位に配置されている。
【0041】
他方、紙排出機構93と、裏書き印字機構94の印字機構本体94aのそれぞれの上方側の対向する部位には、紙排出口95が形成されている。また、印字機構本体94aの紙排出口95と近接する部分であって、印字ヘッド94a1より紙送り方向下流側の部位には、紙排出センサ(紙検出器)96が設けられている。この紙排出センサ96は、光電式センサからなるもので、紙経路33上の紙排出口95の部分を通過するチェック紙C等を検出できるようになっている。
【0042】
図5は、本実施の形態の制御部を含む制御系を示すブロック図である。図6は、本実施の形態の制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
図5示すように、本実施の形態の複合処理装置1は、裏書き印字機構9の巻取駆動モータ9eを制御するための制御部100を有している。この制御部100は、紙検出機構6を構成する紙先端センサ61(61a、61b)及び紙後端センサ62、紙排出センサ96、巻取駆動モータ9eに対して電気的に接続されている。
【0044】
そして、制御部100は、紙排出センサ96の検出した信号に基づき、巻取駆動モータ9eを所定の回転量だけ回転するように制御する機能を有している。
【0045】
なお、制御部100は、紙ストッパー5を移動させるために用いる例えばソレノイド(図示しない)、読取ヘッド81、ローラ駆動モータ92等とも、電気的に接続されている。
【0046】
以下、図6に示す本実施の形態の制御部100の処理を、適宜、図2及び図4を参照しながら複合処理装置1の作用とともに説明する。
【0047】
まず、図6に示すステップ10において、電源投入の際に行う複合処理装置1についての所定の初期化処理と合わせて、制御部100は、巻取駆動モータ9eを所定の回転量だけ回転させて、後述するリボン巻取処理を行う。
【0048】
その後、オペレータは、チェック紙C又は帳票紙Sのいずれかの記録紙を、複合処理装置1の紙挿入口4に挿入し、記録紙の側縁を紙ガイド部材3の側部に沿わせた状態で、先端縁を紙ストッパー5に突き当てる。
【0049】
この場合、ステップ20において、紙先端センサ61及び紙後端センサ62からの信号に基づき、制御部100が、記録紙の先端及び側縁が一定の位置にあるか否かを判断するとともに、挿入された記録紙がチェック紙C又は帳票紙Sのいずれであるかを判断する。
【0050】
すなわち、第1の紙先端センサ61a及び第2の紙先端センサ61bと、紙後端センサ62との信号が送られた場合には、適正な位置に配置された帳票紙Sと判断してステップ60に分岐し、第1の紙先端センサ61aのみと、紙後端センサ62との信号が送られた場合には、適正な位置に配置されたチェック紙Cと判断してステップ30に進む。
【0051】
ステップ30では、次のような磁気読取処理を行う。すなわち、まず、制御部100からの命令により、紙ストッパー5を移動させて紙経路30を開放してから、ローラ駆動モータ92の始動により、第1の送りローラ7を、駆動ローラ71及び従動ローラ72との間にチェック紙Cを挟んだ状態で回転させることによってチェック紙Cを紙送り方向下流側に送る。
【0052】
そして、制御部100は、チェック紙Cの紙送りに伴い、着磁部材により磁化されたMICR文字Mを読取ヘッド81によって読み取らせ、その磁気情報を取り込み、ステップ40に進む。
【0053】
ステップ40では、制御部100が、MICR文字Mについての磁気情報に基づき、裏書き印字が必要か否かを判断し、必要と判断した場合には、ステップ50に進み、必要でない場合には、ステップ60に分岐する。
【0054】
ステップ50では、制御部100からの命令により、裏書き印字機構9によってチェック紙Cに裏書き印字処理を行う。ここでは、裏書き印字機構9の印字ヘッド9cが、インパクト部9c1をインクリボンを介してチェック紙Cに打ち込むことによってインクドットからなる画像を形成する。この場合、印字ヘッド9c1の印字を開始する位置は、ローラ駆動モータ92のパルス数のカウントによって決定する。
【0055】
その後、制御部100からの命令により、所定のタイミングで、巻取駆動モータ9eを始動させて裏書き印字機構9の巻取軸9dによってリボンカセットのインクリボンを巻き取らせる。
【0056】
次に、ステップ60に進み、表書き印字処理を行う。ここでは、制御部100からの命令により、表書き印字機構9によってチェック紙Cの表書き印字をさせる。上記ステップ20から分岐した帳票紙Sや、ステップ40から分岐したチェック紙Cについても、同様に表書き印字を行う。
【0057】
続くステップ70において、紙排出センサ96が、表書き印字機構94側から送られてくるチェック紙C又は帳票紙Sについて検出した信号に基づき、制御部100は、その信号が送られた時点から所定のタイミング経過後に、チェック紙C等が紙排出口94から排出されたと判断してステップ80に進む。
【0058】
そして、ステップ80では、制御部100からの命令により、巻取駆動モータ9eを始動させて裏書き印字機構9の巻取軸9dによってリボンカセットのインクリボンを所定量だけ巻き取らせる。
【0059】
以上述べたように本実施の形態によれば、裏書き印字を行うか否かによらず、チェック紙C又は帳票紙Sのいずれかについてのすべての印字が終了するごとに、裏書き印字機構9のインクリボンを巻き取らせるようにしたことから、裏書き印字を長期間行わなくても、そのインクリボンの乾燥を防止することができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、チェック紙C等が裏書き印字機構9を通過した後ごとに、そのインクリボンを巻き取らせるようにしたことから、チェック紙C等の先端部分が印字ヘッド9c1上のインクリボンを引っかけて弛ませても、そのインクリボンが直ちに巻き取られるため、印字ヘッド9c1上のインクリボンが外れることを防止できる。
【0061】
さらに、本実施の形態によれば、チェック紙C等が排出された後に、裏書き用のインクリボンの巻取処理を行うようにしたことから、その巻取処理に起因して他の装置に及ぼす種々の影響をなくすことができる。例えば、巻取駆動モータ9eから生じる磁気の影響により、磁気読取装置8が、MICR文字Mを読み取る際に電気的ノイズを拾うことを防止できる。
【0062】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
【0063】
上記実施の形態においては、裏書き印字を行うか否かによらず表書き印字を行う場合に必ず裏書き用のインクリボンの巻取処理を行うようにしたが、本発明は、表書き印字のみを行う場合には、裏書き印字機構9を作動しないため、裏書き印字機構9の巻取軸9dのみを作動してインクリボンの巻取処理を行うこともできる。
【0064】
例えば、図6に示す制御部100の処理を、ステップ50の裏書き印字処理後にステップ80のリボン巻取処理を行わないようにすればよく、この場合、裏書き印字処理中に必ず行われるインクリボンの巻取処理と、印字終了後に行われるインクリボンの巻取処理との重複を省くことができるという利点がある。
【0065】
また、上記実施の形態において、紙挿入口4に挿入された記録紙の情報について、紙検出機構6からの信号によって制御部100が判断できるようにし、さらに、チェック紙Cに裏書き印字が必要か否かについて、読み取ったMICR文字Mの内容によって制御部100が判断できるようにしたが、本発明は、これに限られることなく、紙情報提供部として、外部操作入力用の操作パネル(図示しない)を用い、この操作パネルから送られる信号によって、制御部100が、チェック紙C又は帳票紙Sのいずれであるかの判断及び裏書きの要否の判断を行うこともできる。
【0066】
例えば、図6に示す制御部100の処理を、操作パネル上において、チェック紙に裏書き印字を行う旨の操作が行われた場合には、ステップ30の磁気読取処理後に、ステップ50の裏書き印字処理に進むようにし、チェック紙に表書き印字のみを行う旨の操作が行われた場合には、ステップ30の磁気読取処理後に、ステップ60の表書き印字処理に進むようにし、さらに、帳票紙Sに表書き印字を行う旨の操作が行われた場合には、ステップ10の初期処理後にステップ60の表書き印字処理に進むようにすればよい。
【0067】
さらに、上記実施の形態においては、表書き印字や裏書き印字等ついての一回の複合処理ごとにインクリボンの巻取処理を行うようにしたが、表書き印字の使用頻度に応じて所定回数の複合処理の終了後ごとにインクリボンの巻取処理を行うこともできる。
【0068】
さらにまた、上記実施の形態においては、紙排出センサ96を紙排出口95の近傍に配置したが、本発明は、これに限られることなく、紙経路30、33上の所定の位置に紙排出センサ96と同様のものを配置してこの位置から紙排出口95までの紙経路長を割り出せば、上記実施の形態と同様にチェック紙C等が排出したことを検出することができ、また、紙先端センサ61や紙後端センサ62に、上述した紙排出センサ96のもつ機能をもたせて兼用した場合でも同様である。もっとも、上記実施の形態のように、紙排出口95を通過するチェック紙C等を直に検出するようにすれば、制御部100を構成するプログラムの内容を簡素なものにできるという利点がある。
【0069】
さらに加えて、上記実施の形態においては、表書き印字機構94にドットインパクト方式を用いたが、本発明は、インク転写によるチェック紙C等の汚れが生じない限りにおいて、インクジェット方式を用いることも可能である。
【0070】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、所定のタイミングで裏書き用のインクリボンを巻き取らせるようにしたため、そのインクリボンの乾きや外れを防止して円滑な複合処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の複合処理装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】同複合処理装置の概略構成を示す側面図である。
【図3】同複合処理装置の裏書き印字機構の周辺部分を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態の紙検出機構とチェック紙との位置関係を示す図である。
【図5】本実施の形態の制御部を含む制御系を示すブロック図である。
【図6】本実施の形態の制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
6 紙検出機構
7 第1の紙送りローラ(紙送りローラ)
81 読取ヘッド
9 裏書き印字機構
9c 印字ヘッド
9e 巻取軸(巻取部)
94 表書き印字機構
96 紙排出センサ(紙検出器)
100 制御部
Claims (3)
- 所定の紙経路上に沿って送られる記録紙のうち当該記録紙が磁気情報を有する場合には当該磁気情報を読み取り可能な読取ヘッドと、
前記紙経路上の前記読取ヘッドと同じ側の所定の部位に配設された印字ヘッドを有する表書き印字機構と、
インクリボンを巻き取り可能に構成された巻取部と、前記紙経路上の前記読取ヘッドと反対側の所定の部位に配設され、かつ、前記インクリボンを介してドットインパクト方式により印字可能に構成された印字ヘッドとを有する裏書き印字機構と、
前記紙経路上に沿って送られる記録紙を検出可能な紙検出器と、
前記紙検出器が検出した信号に基づいて算出された記録紙の位置情報に応じて、前記記録紙が前記表書き印字機構及び前記裏書印字機構を通過した場合に、前記裏書き印字機構の巻取部によってインクリボンを巻き取らせるように制御する制御部とを備えたことを特徴とする複合処理装置。 - 前記紙検出器は、前記裏書き印字機構より紙送り方向下流側に配置された前記表書き印字機構に対してさらに紙送り方向下流側に配置される一方で、前記制御部は、前記紙検出器が検出した信号に基づいて記録紙が当該紙経路から排出されたことについての情報を得るように構成されるとともに、当該情報に基づいて前記裏書き印字機構の巻取部によってインクリボンを巻き取らせるように制御することを特徴とする請求項1記載の複合処理装置。
- 前記紙経路に挿入された記録紙の種類についての情報を前記制御部に送るための紙情報提供部を備え、
前記制御部は、前記紙情報提供部からの情報に基づいて前記記録紙に表書き印字のみを行うと判断した場合に、前記裏書き印字機構の巻取部によってインクリボンを巻き取らせるように制御することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載の複合処理装置。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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