JP3722990B2 - 酸素吸蔵能のある触媒の製造方法 - Google Patents

酸素吸蔵能のある触媒の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、酸素吸蔵能のある微粒子を担持させてある触媒を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の触媒が、内燃機関の排ガスの浄化ための触媒や炭化水素の改質用の触媒などに使用されている。例えばガソリンエンジンの排ガスを浄化する場合、排ガス中の一酸化炭素や炭化水素と水とを反応させて二酸化炭素および水とする水性ガス反応を部分的に生じさせている。また炭化水素を主体とする改質燃料を、水を加えて水素と炭酸ガスとに改質する場合、一酸化炭素ガスが僅かに生じる。こうして生成した改質ガスを燃料電池などにおけるように白金を触媒として反応させると、触媒が被毒するので、一酸化炭素ガスを酸化させて除去している。これらの反応を生じさせための触媒として酸素吸蔵能のある粒子を担持させた触媒が使用されている。
【0003】
一般に、触媒の性能は、粒子の表面積が広いほど向上するから、活性粒子を担体上に広く分散させて固定化する構造とされている。上述した酸素吸蔵能のある触媒の場合には、例えばセリウムやニッケルなどの酸化物を、アルミナの表面に分散させて担持させた構成とされている。
【0004】
活性粒子の表面積を大きくするためにその粒径を小さくすれば、活性粒子の表面エネルギが増大する。また活性粒子を固定するために焼成し、さらに触媒による酸化などの反応が生じる場合に反応に伴って熱が発生することがあり、そして活性温度が数百度℃程度に高い場合がある。そのため、触媒性能を高くするために活性成分を微粒子化することに伴い、それらの微粒子が次第に凝集(シンタリング)し、活性粒子の大径化および表面積の減少、さらには触媒性能の低下が生じることがある。
【0005】
従来、活性成分の微粒子化と長期安定化を図るための各種の構造や製造方法が検討されており、その例が特開平8−131830号公報や特開平7−246343号公報などの記載されている。前者の特開平8−131830号公報に記載された触媒は、白金およびこれを担持したアルミナの全体をセリア(CeO2 )で被覆した排ガス浄化触媒である。そしてこの公報に記載された触媒では、セリアの酸素吸蔵作用により、白金の酸化およびそれに伴う白金の気相移動を防止し、その結果、白金のシンタリングを防止する、とされている。また後者の特開平7−246343号公報には、触媒活性を有する超微粒子の分散液中に、水の存在下で金属アルコキシドを徐々に溶かして金属アルコキシドの加水分解を生じさせ、これによりコロイド状の金属酸化物を生成させる触媒の製造方法が記載されている。そしてその例として、4nm(ナノメータ)の白金粒子あるいはロジウム粒子を担持した20〜40nm程度のシリカゲル粒子を得る例が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開平8−131830号に記載された触媒は、触媒活性のある白金粒子の酸化およびその移動を阻止することにより、白金粒子の凝集を防止するものであるが、酸素吸蔵能のあるセリアについては特に考慮していず、そのために、セリアの量が多いのも関わらず、酸素吸蔵性能が低かったり、また酸素吸蔵能が時間の経過とともに低下する可能性が高い。少なくともセリアの微粒子化やその状態の維持のための手段が特開平8−131830号公報には開示されていない。
【0007】
また一方、特開平7−246343号公報に記載された触媒の製造方法では、触媒活性のある超微粒子を生成した後に、担体を生成することになるが、その超微粒子の分散液中に担体原料の金属アルコキシドを溶かすために、粒径の揃った金属酸化物粒子を得ることが難しい。またその金属酸化物粒子の表面に、触媒活性のある超微粒子を吸着させた構造になるから、触媒粒子の移動、特に粒子移動を阻止もしくは抑制する機能を付与することが困難である。したがってこの方法によって得られる触媒においても、触媒粒子のシンタリングを飛躍的に抑制することは困難であって、得られた触媒を数百℃の高温に晒しておくことによって活性粒子の粒径が次第に増大し、触媒性能が低下する可能性が高く、未だ改善するべき余地があった。
【0008】
この発明は、上記の事情を背景にしてなされたものであり、酸素吸蔵能のある活性微粒子を高温状態であっても安定的に担持し、酸素吸蔵能を良好な状態に維持することのできる触媒を製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、酸素吸蔵能のある粒子を担体上に分散させて担持させた後に焼成する触媒の製造方法において、酸素吸蔵能のある前記粒子を、内部水相型となるように界面活性剤で油中に分散させたマイクロエマルジョンで保護した分散液に、前記担体の粉末を混合してスラリー化することにより前記粒子を担体上に付着させる工程を含むことを特徴とする方法である。
【0012】
したがって請求項1の発明によれば、酸素吸蔵能のある粒子が液中でマイクロエマルジョンによって保護された状態で分散させられることにより微粒子化される。そしてその分散液に担体粉末を混合することにより、液中に分散している微粒子が担体に分散した状態で吸着される。このようにして生成したスラリーを焼成すれば、前記微粒子が担体上に固定される。その結果得られた触媒では、前記粒子の凝集が抑制され、粒径の増大が殆ど生じないことにより、酸素吸蔵能を良好な状態に維持することができる。また、酸素吸蔵能のある粒子は、液中に分散した状態で生成されるので、担体粉末に吸着させ、かつ焼成する際に、その粒子と担体とが反応して合成物を生じることが無く、そのためこの点でも前記粒子の有効利用を図ることができ、同時に触媒の表面積を広くすることができる。
【0013】
さらに請求項2の発明は、酸素吸蔵能のある粒子を担体上に分散させて付着させた後に焼成する触媒の製造方法であって、酸素吸蔵能のある前記粒子を、内部水相型となるように界面活性剤で油中に分散させたマイクロエマルジョンで保護した分散液を、担体金属のアルコキシド溶液に加えて該担体金属アルコキシドを加水分解して前記担体を合成することにより前記粒子を担体上に付着させる工程を含むことを特徴とする方法である。
【0014】
請求項2の発明によれば、酸素吸蔵能のある微粒子がマイクロエマルジョンによって保護されて液中で安定に分散させられている。その分散液を、担体金属のアルコキシドに加えて担体金属アルコキシドの加水分解を生じさせるから、分散している微粒子の周囲に担体が生成されることになる。したがって加水分解によって生じた担体を焼成すると、微粒子が分散状態で担体上に担持され、かつ固定され、しかも微粒子が担体に一部埋め込まれた状態になるので、その移動が阻止された状態となる。そのため、高温状態においても、前記微粒子の凝集が殆ど生じず、酸素吸蔵能を良好な状態に維持できる。言い換えれば、酸素吸蔵能のある粒子の量が少なくても、酸素吸蔵能力が高くなるので、触媒の製造コストの低廉化を図ることができる。さらに、請求項2の発明と同様に、酸素吸蔵能のある粒子は、液中に分散した状態で生成されるので、担体粉末に吸着させ、かつ焼成する際に、その粒子と担体とが反応して合成物を生じることが無く、そのためこの点でも前記粒子の有効利用を図ることができ、同時に触媒の表面積を広くすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を更に具体的に説明する。この発明で対象とする触媒は、酸素吸蔵能のある触媒であり、例えば内燃機関から生じる排ガスを水性ガス反応によって浄化するための触媒や水性ガス反応によって一酸化炭素を酸化させる燃料改質器もしくは燃料電池での触媒として使用できる。
【0016】
したがってこの発明による触媒は、酸素吸蔵能を有する粒子を担体上に付着させて固定したものである。その担体としては、アルミナ(Al)が最も一般的であるが、これに限られず、例えばジルコニア(ZrO)やマグネシア(MgO)、シリカ(SiO)などを採用することができる。また、酸素吸蔵能を有する粒子は、セリアや酸化ニッケル、セリアジルコニア固溶体(CZS)などである。これらの活性成分粒子の粒径は、担体に担持させた状態で900℃に加熱した後において、10nm(ナノメータ)以下である。ここで、この発明における10nm以下の粒径とは、測定された最大粒径が10nm以下であってもよく、あるいは平均粒径が10nm以下であってもよい。この粒径は、加熱によって増大した粒径であり、したがって担体に活性成分粒子を付着させた状態での粒径も10nm以下であり、この発明の触媒は、加熱によって活性成分粒子が凝集して大径化しない触媒である。すなわちこのような高温においても活性成分粒子が微粒子状態を維持するので、酸素吸蔵性能が低下しない。
【0017】
この発明の触媒を製造する場合、活性成分を微粒子としておく必要がある。そのために、活性成分の水酸化物を、マイクロエマルジョンを形成しているミセルの内部で沈殿として生じさせ、その分散状態を維持しておく。そのための界面活性剤を例示すれば、ポリオキシエチレン(5)-p-ノニルフェニルエーテル(NP-5)やポリオキシエチレン(23)ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(10)-p-オクチルフェニルエーテルなどである。活性成分の原材料としては、硝酸Ce(III)や硝酸ジルコニル、硝酸Niなどである。活性成分の分散した溶液を得るために、これらの活性成分の原材料とアルカリとをマイクロエマルジョン中で反応させる。その場合に使用することのできるアルカリ溶液は、反応後に固体分が残らないことからアンモニア水溶液が好適であるが、この発明ではこれに限らない。こうして得られた活性成分微粒子は、マイクロエマルジョンで保護されていて放置した状態であっても相互に凝集することはない。
【0018】
分散液中の活性成分粒子を担体に付着させる方法は種々可能であって、その第1の例は、担体粉末を分散液中に撹拌・混合させてスラリーを生成する方法である。担体粉末として例えばアルミナ粉末を上記のマイクロエマルジョン液に撹拌・混合させると、マイクロエマルジョンの形で保護されている活性成分粒子がアルミナ粉末に吸着され、その外面に分散した状態で保持される。この工程を含む点にこの発明の特徴がある。
【0019】
第2の例は、担体を加水分解によって生成し、その生成した担体に活性成分粒子を付着・保持させる方法である。これは、例えば担体金属アルコキシドを加水分解して金属酸化物粒子とし、これに活性成分粒子を保持させることによりおこなわれる。より具体的には、活性成分粒子をマイクロエマルジョンで保護した分散液を、担体原料となる金属アルコキシド溶液中に滴下し、その金属アルコキシドを加水分解して金属酸化物粒子を生成し、同時にその金属酸化物粒子に活性成分粒子を保持させる。この工程を含む点にこの発明の特徴がある。
【0020】
そして最終的に触媒とするには、酸素の存在下で上記のスラリー、あるいは活性成分粒子を保持した金属酸化物粒子を焼成する。その焼成温度は、特に限定するものではないが、一例として担体をアルミナとし、かつ活性粒子をCZSとした場合には、700℃程度が適当である。その結果、界面活性剤および水分が除去され、同時に水酸化物として存在していた活性成分が酸化されて酸化物となる。その場合、活性成分は、マイクロエマルジョン液中で既に水酸化物とされているので、焼成の際に担体と反応することが殆どなく、触媒の表面積が広くなり、また活性成分および担体金属が触媒として有効に機能する。
【0021】
なお、内燃機関の排ガス浄化触媒として使用するなど、その使用目的に応じて他の触媒活性粒子を担持する。その触媒活性粒子の例を挙げれば、白金やロジウムなどが排ガス浄化触媒の活性粒子として担持させられる。
【0022】
つぎにこの発明の実施例を示す。
【実施例1】
マイクロエマルジョンは内部水相型の水−非イオン系界面活性剤−油系を使用した。界面活性剤は、ポリオキシエチレン(5)-p-ノニルフェニルエーテル(NP-5)を用い、シクロヘキサンで0.5mol/L溶液として使用した。硝酸Ce(III)と硝酸ジルコニルとをCeとZrとのモル比で1:1として混合した液と、硝酸に対して2.5〜3.0倍の量のアンモニア水希釈液とをマイクロエマルジョン中で反応させたCZS微粒子分散マイクロエマルジョン液を調製した。この分散液は数日間保存してもCZS粒子の粒径に殆ど変化がないことを確認しており、マイクロエマルジョンで保護されたCZS粒子の凝集は起こらない。
【0023】
これにアルミナ粉末(γ−Al:市販品)を撹拌して導入すると、マイクロエマルジョンで保護されたCZS粒子が速やかにアルミナ上に吸着され、更に安定化された。これは、アルミナに広く分布する弱酸点に高分散に吸着されたことによるものである。こうして得られたスラリーを空気気流中で700℃で焼成した後、貴金属(Pt、Rh)を含浸法により担持した。各成分の担持量は、モノリスで、Ptは1.5g/L、Rhは0.3g/L,CZSはCeとして0.125mmol/Lとした。
【0024】
【実施例2】
マイクロエマルジョンは内部水相型の水−非イオン系界面活性剤−油系を使用した。界面活性剤は、ポリオキシエチレン(5)-p-ノニルフェニルエーテル(NP-5)を用い、シクロヘキサンで0.5mol/L溶液として使用した。硝酸Ce(III)と硝酸ジルコニルとをCeとZrとのモル比で1:1として混合した液と、硝酸に対して2.5〜3.0倍の量のアンモニア水希釈液とをマイクロエマルジョン中で所定時間反応させたCZS微粒子分散マイクロエマルジョン液を調製した。これを、アルミニウムトリイソプロポキシド/シクロヘキサン溶液に滴下し、アルミニウムアルコキシドを加水分解した。その後、遠心分離・洗浄をおこない、空気気流中で700℃で焼成した。次に、貴金属(Pt、Rh)を含浸法により担持した。各成分の担持量は、モノリスで、Ptは1.5g/L、Rhは0.3g/L、CZSはCeとして0.125mmol/Lとした。
【0025】
【実施例3】
マイクロエマルジョンは内部水相型の水−非イオン系界面活性剤−油系を使用した。界面活性剤は、ポリオキシエチレン(5)-p-ノニルフェニルエーテル(NP-5)を用い、シクロヘキサンで0.5mol/L溶液として使用した。
【0026】
ジニトロジアンミンPt酸溶液と硝酸Rh溶液とヒドラジン水溶液とをマイクロエマルジョン中で所定時間反応させたPtRh微粒子分散マイクロエマルジョン液を調製した。これと並行して、硝酸Ce(III)と硝酸ジルコニルとをCeとZrとのモル比で1:1として混合した液とアンモニア水希釈液とをマイクロエマルジョン中で所定時間反応させたCZS微粒子分散マイクロエマルジョン液を調製した。
【0027】
これらのPtRh微粒子分散マイクロエマルジョン液と、CZS微粒子分散マイクロエマルジョン液とを、アルミニウムトリイソプロポキシド/シクロヘキサン溶液に滴下し、アルミナを加水分解した。その後、遠心分離・洗浄をおこない、空気気流中で700℃で焼成した。各成分の担持量は、モノリスで、Ptは1.5g/L、Rhは0.3g/L、CZSはCeとして0.125mmol/Lとした。
【0028】
上記の各実施例で得られた触媒について、CZS粒子の粒径に対する焼成温度の影響を測定した。また、比較のために、従来の含浸法によりCZS粒子を担持させた触媒、800℃で予め焼成したCZS粒子を混合した触媒、アルコキシドでCZSとアルミナとを同時に加水分解した触媒について同様の測定をおこなった。結果を図1に示す。
【0029】
この発明の実施例による各触媒では、活性成分粒子であるCZS粒子の径は、900℃まで加熱しても殆ど変化がなく、10nm以下の粒径を維持した。すなわち凝集による粒径の増大が効果的に抑制されていた。また、Ceとアルミナとの反応によるCeアルミネートは検出されなかった。
【0030】
これに対して比較例である含浸法による触媒では、焼成前ではCZS粒子の粒径がx線での測定をおこなうことができない程度に微小であったが、600℃に加熱した時点で既に粒径の増大が認められ、焼成温度の上昇に従って急激に粒径が増大し、900℃ではほぼ90nm程度に増大した。また、多量のCeアルミネートが検出された。
【0031】
また、アルコキシドでCZSとアルミナとを同時に加水分解した触媒では、800℃まではCZSの粒径が20nm以下を保っており、また温度の上昇に対する粒径の増大が僅かであった。すなわちこの程度の焼成温度では、凝集が特には進行していないことが認められた。しかしながら900℃まで昇温すると、CZSの粒径が急激に増大し、60nm程度になり、凝集になる粒径の増大が顕著であった。また、多量のCeアルミネートが検出された。
【0032】
さらに、CZS粒子を混合した触媒では、CZS粒子が予め800℃で焼成されているために、800℃程度までは粒径の増大が殆ど生じなかったが、900℃に昇温すると、CZS粒子の粒径が急激に増大し、CZS粒子の凝集が生じていることが認められた。なお、この触媒ではCeアルミネートは検出されなかった。
【0033】
つぎに上記の実施例3で得られた触媒と上記の3つの従来方法による触媒とについて、担持させたCeの利用効率を測定した。この利用効率は、O吸蔵量(OSC)として求めた。より具体的には、常圧固定床流通式パルス反応器を用い、各温度で前処理として、空気で酸化、35%Hで還元、純Heでパージをおこなった後に、純He気流中で酸素パルスをおこない、その反応量からOSCを求めた。結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003722990
【0034】
表1に示す結果から知られるように、この発明による触媒では、焼成温度が高くなっても酸素吸蔵量はわずか低下するのみであり、担持した活性成分であるセリアが有効に機能していることが認められた。これに対して従来の含浸法による触媒では、酸素吸蔵量が焼成温度の上昇によって極端に低下した。これは、活性成分であるセリアの凝集による表面積の減少および担体であるアルミナと反応してCeアルミネートを生成したしまったことに起因するものと考えられる。アルコキシド同時加水分解による従来の触媒も同様に、活性成分の凝集およびアルミナとの反応によって、焼成温度が高くなることによって酸素吸蔵量が半減した。さらに粉末を混合することにより製造した従来の触媒では、Ceアルミネートを生成しないが、凝集による粒径の増大によって酸素吸蔵量が大きく低下した。
【0035】
以上のCZSの粒径の測定結果および酸素吸蔵量の測定結果によれば、この発明による触媒は、高温での安定性が優れており、活性成分粒子の凝集(シンタリング)を防止して酸素吸蔵能を良好な状態に維持することができる。したがって担持させる活性成分の量を少なくすることができるので、酸素吸蔵能のある触媒のコストの低廉化を図ることができる。
【0036】
ところで酸素吸蔵能のある活性粒子を貴金属触媒に添加することにより水性ガスシフト反応を促進させることができる。例えば、炭化水素を原料とした燃料改質器で生じる一酸化炭素と水とを反応させて水素ガスを得る際に、その反応を促進させることができる。そこで、この発明による触媒の水性ガスシフト反応に対する性能を測定した。
【0037】
この発明の例としては前述した実施例2で得られた触媒を使用し、また比較のために含浸法により得られた従来の触媒を使用した。これは以下の理由による。水性ガスシフト反応は、貴金属の担持量や粒径に大きく影響されるから、セリウムやジルコニアなどの酸素吸蔵能のある活性成分の寄与の度合いを判定する場合、担持させてある貴金属の担持量や粒径を統一しておく必要がある。そのため、この発明の例としては、酸素吸蔵能のある活性成分を担体に付着させた後に貴金属を担持させた実施例2の触媒を採用し、同様の理由で比較例として含浸法によるものを用いた。
【0038】
なお、反応条件は空間速度SV=10000h−1、一酸化炭素の量は100ppm とした。触媒の組成は、アルミナ1mol に対してCZSを0.25mol 、貴金属してPtを2gとした。そして焼成温度ごとに、COの90%転化温度(℃)を測定した。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0003722990
この測定結果から知られるように、この発明による触媒では、COの90%を酸化させて二酸化炭素に転化するのに要する温度は、焼成温度900℃の高温であっても、200℃未満であり、触媒性能が優れていることが認められた。これに対して従来の触媒では、焼成温度が600℃で既にCO90%転化温度が200℃を超えており、焼成温度が900℃ではCO90%転化温度が300℃近くまで高温になった。これは、従来の触媒では、1次粒子が折り重なってμmオーダーの粉末を形成し、反応に関与する実質的な表面積が小さく、しかも900℃で焼成した場合には、折り重なったCZSの1次粒子同士が焼結してCZSの表面積が更に低下したためと考えられる。このようにこの発明の触媒は水性ガスシフト反応にも優れた触媒機能を示すことが認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による触媒および比較例について、CZSの粒径に対する焼成温度の影響を測定した結果を示す図である。

Claims (2)

  1. 酸素吸蔵能のある粒子を担体上に分散させて担持させた後に焼成する触媒の製造方法において、
    酸素吸蔵能のある前記粒子を、内部水相型となるように界面活性剤で油中に分散させたマイクロエマルジョンで保護した分散液に、前記担体の粉末を混合してスラリー化することにより前記粒子を担体上に付着させる工程を含むことを特徴とする酸素吸蔵能のある触媒の製造方法。
  2. 酸素吸蔵能のある粒子を担体上に分散させて付着させた後に焼成する触媒の製造方法において、
    酸素吸蔵能のある前記粒子を、内部水相型となるように界面活性剤で油中に分散させたマイクロエマルジョンで保護した分散液を、担体金属のアルコキシド溶液に加えて該担体金属アルコキシドを加水分解して前記担体を合成することにより前記粒子を担体上に付着させる工程を含むことを特徴とする酸素吸蔵能のある触媒の製造方法。
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