JP6060743B2 - 微粒子担持体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液相マイクロリアクター方法による微粒子の製造方法に関するものである。
ナノサイズの微粒子の製造方法として、マイクロリアクターを使用して液相で反応させて行う液相マイクロリアクター方法がある(特許文献1)。しかし、液相マイクロリアクター方法により生成した微粒子は、放置すると凝集して大きくなりやすく、微粒子の有効利用に難点があった。原料液を強酸条件にすると、凝集が緩和されるが、生成した微粒子が強酸によって時間の経過とともに溶解してしまい、仕込量に対し微量の微粒子しか得られない。また、微粒子の濃度を低くなるようにして製造すると、凝集が緩和されるが、微粒子が小さくなりすぎて、ろ過ができないため回収できないという問題が生じる。
この微粒子の凝集を回避する方法として、原料液に界面活性剤等の分散剤を加えた状態で、原料液を反応させ、生成した微粒子の表面に分散剤を素早く吸着させることにより、微粒子の凝集を防ぎ、単分散性の良い微粒子を得ることが提案されている(特許文献2)。
また、比表面積がナノ化で拡大した電極材料用のカーボンを得る目的で、原料液にケッチェンブラックやカーボンナノチューブ等のカーボンを加えた状態で、原料液を反応させ、微粒子を高分散させたカーボンを製造することが提案されている(特許文献3)。
特開2010−22894号公報 特開2007−252987号公報 特開2007−160151号公報
しかし、特許文献2の方法によっても、時間の経過により微粒子の凝集は進行することがあった。
また、特許文献3の方法によると、電極材料用のカーボンを得る目的でカーボンを加えたものであるが、結果的には微粒子の凝集を防ぐ効果が認められた。しかし、微粒子の担持率及び粒子径を制御することは困難であった。
そこで、本発明の目的は、液相マイクロリアクター方法による微粒子の製造において、生成する微粒子の凝集を防止するとともに、微粒子の担持率及び粒子径を制御できるようにすることにある。
(1)本発明の微粒子担持体の製造方法は、マイクロリアクターの出口を担体が分散された取込液中に浸した状態で、該マイクロリアクターにより担体を含まない原料液を反応させて微粒子を生成させ、反応後の微粒子を含む反応液を、出口から外側へ流出したときに担体が分散された取込液中に導入し、微粒子を担体に担持させることを特徴とする。微粒子が担持された担体を「微粒子担持体」という。
この製造方法によれば、マイクロリアクターにより生成した微粒子が、担体に担持されるので、微粒子の凝集が防止される。また、微粒子は、反応時すなわち生成時には担体に触れず、反応後すなわち生成後に初めて担体に触れるので、反応時の原料液の濃度、マイクロ領域の大きさ、撹拌速度等の調節により、微粒子の担持率及び粒子径を所望のとおりに容易に制御することができる。
上記(1)において、反応後の微粒子を含む反応液を、マイクロリアクターの出口から外側へ流出したときに、担体が分散された取込液中に導入するのは、微粒子が凝集する時間を短縮して、凝集を実質的に起こさせないためである。
)上記(1)おいて、原料液及び取込液を、それぞれ中性又はアルカリ性に調整することができる。
)上記(1)〜()において、担体に担持された微粒子を、担体とともに加熱し焼成することができる。
)上記()において、焼成された微粒子は、例えば、吸収波長帯が該微粒子と同一材料のバルク材より短波長側にシフトしているとともに、400nm以上の吸収帯を有するものとすることができる。
)上記()において、担体をAl23とし、生成する微粒子を平均粒子径20〜70nmのBiVO4とすることができる。
本発明の微粒子担持体の製造方法によれば、液相マイクロリアクター方法により生成する微粒子の凝集を防止することができるとともに、微粒子の担持率及び粒子径を所望のとおりに容易に制御することができるという効果が得られる。
実施例で使用した製造装置(マイクロリアクターと取込容器)の模式縦断面図である。 (a)は同マイクロリアクターの先端部を示す拡大縦断面図、(b)はその内側ステータの側面図である。 実施例1〜3及び比較例の各試料のXRDパターン図である。 (a)は実施例1の焼成後試料のSEM写真、(b)は(a)の1−1部分の拡大写真である。 (a)は実施例2の焼成後試料のSEM写真、(b)は(a)の2−1部分の拡大写真である。 (a)は実施例3の焼成後試料のSEM写真、(b)は(a)の3−1部分の拡大写真である。 (a)は比較例(バルク材)の焼成前試料のSEM写真である。 実施例1〜3の焼成前試料の反射スペクトルを示すグラフ図である。 実施例1〜3及び比較例の焼成後試料の反射スペクトルを示すグラフ図である。 実施例1〜3及び比較例の各試料を光触媒として用いた酸素発生実験における酸素発生量を示すグラフ図である。
マイクロリアクターにより担体を含まない原料液を反応させて微粒子を生成させ、反応後の微粒子を含む反応液を、担体が分散された取込液中に導入し、微粒子を担体に担持させることを特徴とする本発明の微粒子担持体の製造方法について、以下に各要素の態様を例示する。
1.微粒子
(1)微粒子の用途
製造する微粒子の用途としては、特に限定されないが、光触媒(水分解、有機物分解、アンモニア脱臭等)、三元触媒用の助触媒、水蒸気改質触媒用の助触媒等を例示できる。
(2)微粒子の材料
微粒子の材料としては、上記用途によっても異なり、特に限定されないが、次のものを例示できる。
(ア)光触媒の場合:バンドギャップを持つ半導体酸化物として、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Y,Zr,Nb,Mo,In,Sn,Sb,Hf,Ta,W,Pb若しくはBiの酸化物又はこれらの複合酸化物。
(イ)三元触媒用の助触媒又は水蒸気改質触媒用の助触媒の場合:ZnO2,CeO2,CeZrO4,La23,SnO2等。
(3)微粒子の原料液の反応系
反応液の反応系は、特に限定されず、中和反応、酸化還元反応等を例示できる。
(4)微粒子の粒子径
微粒子の粒子径は、上記用途によっても異なり、特に限定されないが、平均粒子径1〜100nmの微粒子を例示できる。平均粒子径は、担体に担持された多数個の微粒子からランダムに選ばれた10個の微粒子の粒子径(最長径と最短径との和の1/2)の平均値である(以下同じ)。
2.担体
(1)担体の材料
担体の材料としては、特に限定されないが、Al23,SiO2,TiO2,ZrO2担体、カーボン担体、ゼオライト担体等を例示できる。担体と共に微粒子を焼成する場合には、担体は焼成の熱に耐えうる材料よりなるものとする。
(2)担体の形状
担体の形状は、上記用途によっても異なり、特に限定されないが、粒状、片状、針状等を例示できる。
(3)担体のサイズ
担体のサイズは、上記用途又は形状によっても異なり、特に限定されないが、粒状の場合には例えば粒子径として0.5〜100μmのうちの特定の数値を表示して市販されているものを用いることができ、その粒子径は前記微粒子の平均粒子径の10〜10000倍であることが好ましい。
3.マイクロリアクター
使用するマイクロリアクターは、特定のものに限定されず、特許文献1〜3に記載されたマイクロリアクターをはじめ、各種のマイクロリアクターを使用できる。要は少なくとも一辺が1mm以下のマイクロ領域内で液相反応させることができる装置であればよい。
4.取込容器
使用する取込容器は、特定のものに限定されず、要はマイクロリアクターによる反応後の微粒子を含む反応液を、担体が分散された取込液中に導入することができるよう、該取込液を貯溜できるものであればよい。次の取込容器を例示できる。
(ア)反応液と取込液との合計が取込容器の容積以下で終了する場合には、取込容器はその容積を有するものであればどのようなものでもよい。
(イ)反応液と取込液との合計が取込容器の容積を超える場合には、取込容器はその容積を有するものであるとともに、該取込液を取込容器内に補充する装置を備えているものとする。取込容器内の取込液の濃度(特に担体の量)が薄まらないようにするためである。
以下、本発明の実施例について説明する。まず、使用した製造装置1について、図1及び図2を参照して説明する。
この製造装置1は、マイクロリアクター2と、マイクロリアクター2の先端部が入り込んだ取込容器20とを含む。マイクロリアクター2は、特許文献1に記載された装置と基本的に同一のホモジナイザー(高速攪拌装置又は超撹拌装置ともいう。)である。マイクロリアクター2の先端部は、図2に示すように、ローター3と、ローター3の外周との間に所定のギャップの外側領域4が形成されるように配置された外側ステータ5と、ローター3の内周との間に所定のギャップの領域6が形成されるように配置された内側ステータ7とを備えている。さらに、ローター3は、回転シャフト11を介してモーター12に接続されており、高速回転することが可能となっている。
内側ステータ7におけるローター3に対向する面には、原料液のA液を導入するためのノズル8Aと原料液のB液を導入するためのノズル8Bとが、ローター3の回転軸Xに対して直交する所定の面Yの外周方向に、交互にそれぞれ複数個ずつ設けられている。ノズル8Aには流路9Aを介してA液の供給装置(図示せず)が、ノズル8Bには流路9Bを介してB液の供給装置(図示せず)がそれぞれ接続されており、領域6にA液とB液とをそれぞれ独立して直接的に導入することが可能となっている。なお、ノズル8A,8Bの開口径は、0.4〜1mmとするのが望ましい。
領域6に導入されたA液とB液とは、ローター3の回転により領域6で均質混合され、反応することにより微粒子を生成し、該微粒子を含む反応液となる。
領域6は、その下端の円環状の領域開口6aから下向きに開口している。また、この領域開口6aに続き、外側ステータ5の下端と内側ステータ18との間には、外向きに開口するマイクロリアクターの出口2aが形成されている。よって、領域6でA液とB液とが反応してなる微粒子を含む反応液は、領域開口6aから吐出し、出口2aから外側へ流出する。
取込容器20は、容量1000mlのビーカーである。取込容器20の内部には担体を含む取込液Cが上記反応前に入れられ、該取込液Cにマイクロリアクター2の先端部(特に出口2a)が浸される。従って、反応液は、出口2aから外側へ流出したときに、取込容器20内の取込液C中に導入されることになる。
なお、反応液の流出の継続により、取込容器20が一杯になると、反応液と取込液Cとの混合液は取込容器20の上部開口から溢れ出すようになる。そうすると、次第に取込液Cの濃度が薄まり、担体の量が低下することになる。よって、混合液が溢れ出すほどに反応液の流出を継続する場合には、取込液Cを取込容器20に継続して補充する装置(図示せず)を設けて、担体の含有率を維持するようにする。
但し、以下の実施例1〜3では、反応液と取込液Cとの混合液が取込容器20から溢れ出すことはないため、上記取込液Cの補充はしていない。
上記各要素の寸法、設定等の数値は、以下のとおりであるが、これに限定されるものではない。
・ノズル8Aとノズル8Bの数は、それぞれ24個ずつである。
・ローター3の外径は17.8mm、外側領域4のギャップは0.2mmである。
・ローター3の内径は12.2mm、領域6のギャップは0.2mmである。
・ローター3の回転数は、2000〜30000rpmの範囲で設定できる。以下の実施例では、ローター3を3200rpmで回転させた。
以上、使用したマイクロリアクター2等について説明したが、使用可能なマイクロリアクターは上記のものに限定されず、要は一辺あたり1mm以下のマイクロ領域内で液相反応させることができる装置であればよい。例えば、ノズル8Aとノズル8Bとがそれぞれ外側ステータ5におけるローター3に対向する面にそれぞれ設けられ、外側領域4にA液とB液とを導入するものでもよい。また、3種類以上の原料液が導入できるようにノズルや原料溶液供給装置等を構成してもよい。
さて、上記の製造装置1を使用し、水分解に適する光触媒用途のBiVO4を担体に担持させて製造した実施例1〜3について、比較例と併せて説明する。
[実施例1]
実施例1は、Al23の担体に10質量%のBiVO4の微粒子を担持させた例である。使用した原料液は次のA液とB液であり、担持液は次のC液である。
A液:ヘキサン酸(10mmol,1.162g)を溶解させた2N硝酸水溶液100mlに、Bi(NO33・5H2O(1mmol,485.1mg)を溶解させたものである。硝酸水溶液としたのは、Bi(NO33・5H2Oを溶解させるためである。また、ヘキサン酸を加えたのは、分散剤(有機修飾)として働かせるためである。
B液:NH4VO3(1mmol,116.1mg)を水に溶解させ、全量が100mlとなり、かつA液と等量混合して、pHが8.5となるように28%アンモニア水を加えたものである。アルカリ性としたのは、酸性では生成した微粒子が時間の経過とともに溶解してしまうからである。
C液:γ−Al23(2.915g)をpH8.5のアンモニア水300mlに分散させたものである。アルカリ性としたのは、酸性では生成した微粒子が時間の経過とともに溶解してしまうからである。
取込容器20にC液(約300ml)を入れ、C液に浸るようにマイクロリアクター2の先端部(特に出口2a)を挿入した。ローター3を回転数3200rpmで回転させ、A液とB液とを、それぞれの供給装置から流路9Aと流路9Bとに流量1ml/minで供給し、ノズル8Aとノズル8Bとから領域6に流出させて導入し、領域6で反応させた。
A液とB液との反応により生成した微粒子を含む反応液は、領域開口6aから吐出し、続いて出口2aから取込容器20内のC液(担持液)中に流出し、自然に分散することによりC液と混合した。
以上を、A液(約100ml)とB液(約100ml)の全量が供給し終わるまで続け、取込容器20には反応液とC液との混合液(約500ml)が生成した。
生成した混合液を、吸引ろ過により回収した後、80℃で12時間乾燥させた。その乾燥物を乳鉢で粉砕して粉体とし、その粉体の一部をそのまま「焼成前試料」とし、その粉体の残部をマッフル炉により大気中450℃で1時間焼成して「焼成後試料」とした。
これらの試料のXRD(X線回折)パターンを、図3の上から2段目に示す。焼成前試料では、Al23相と、BiVO4の非晶成分が観測された。焼成後試料では、Al23相と、BiVO4の単斜晶とわずかに正方晶の混晶が観測された。
焼成後試料のSEM(走査型電子顕微鏡)写真を、図4に示す。焼成後試料は、BiVO4の微粒子が表面に担持されたAl23の担体(微粒子担持体)の多数個で構成されており、同図(a)のAl23担体の粒子径は約1.7μmである。(a)の1−1部分のBiVO4微粒子を拡大したのが(b)であり、その左側の微粒子の粒子径は約65nmである。Al23の担体に担持されたBiVO4微粒子の担持率は、10質量%であった。
[実施例2]
実施例2は、Al23の担体に5質量%のBiVO4の微粒子を担持させた例である。使用した原料液は次のA液とB液であり、担持液は次のC液である。
A液:ヘキサン酸(4.74mmol,0.5510g)を溶解させた2N硝酸水溶液100mlに、Bi(NO33・5H2O(0.474mmol,229.7mg)を溶解させたものである。
B液:NH4VO3(0.474mmol,55.4mg)を水に溶解させ、全量が100mlとなり、かつA液と等量混合して、pHが8.5となるように28%アンモニア水を加えたものである。
C液:実施例1のC液と同一である。
実施例1と同一の装置及び方法により、焼成前試料と焼成後試料とを得た。
焼成後試料のXRDパターンを、図3の上から3段目に示す。Al23相と、BiVO4の単斜晶とわずかに正方晶の混晶が観測された。なお、焼成前試料については省略した。
焼成後試料のSEM写真を、図5に示す。焼成後試料は、BiVO4の微粒子が表面に担持されたAl23の担体(微粒子担持体)の多数個で構成されており、同図(a)のAl23担体の粒子径は約1.5μmである。(a)の2−1部分を拡大したのが(b)であり、中央のBiVO4微粒子の粒子径は約32nmである。Al23担体に担持されたBiVO4微粒子の担持率は、5質量%であった。なお、実施例1よりも実施例2の方が、Al23担体の表面におけるBiVO4微粒子の分散性は良好であった。
[実施例3]
実施例3は、Al23の担体に2.5質量%のBiVO4の微粒子を担持させた例である。使用した原料液は次のA液とB液であり、担持液は次のC液である。
A液:ヘキサン酸(2.31mmol,0.2683g)を溶解させた2N硝酸水溶液100mlに、Bi(NO33・5H2O(0.2308mmol,112.0mg)を溶解させたものである。
B液:NH4VO3(0.2308mmol,27.0mg)を水に溶解させ、全量が100mlとなり、かつA液と等量混合して、pHが8.5となるように28%アンモニア水を加えたものである。
C液:実施例1のC液と同一である。
実施例1と同一の装置及び方法により、焼成前試料と焼成後試料とを得た。
焼成後試料のXRDパターンを、図3の上から4段目に示す。Al23相のみが観測された。BiVO4が観測されなかったのは、次に述べるSEM写真のとおり、ナノ粒子の微分散であり、また量が少ないためと考えられる。なお、焼成前試料については省略した。
焼成後試料のSEM写真を、図6に示す。焼成後試料は、BiVO4の微粒子が表面に担持されたAl23の担体(微粒子担持体)の多数個で構成されており、同図(a)のAl23担体の粒子径は約1.5μmである。(a)の3−1部分のBiVO4微粒子を拡大したのが(b)であり、その右側の微粒子の粒子径は約15nmである。Al23の担体に担持されたBiVO4微粒子の担持率は、2.5質量%であった。
[比較例]
比較例は、担体を用いないで作製した、バルクのBiVO4微粒子の例である。使用した原料液は次のA液とB液であり、マイクロリアクター2は使用していない。
A液:2N硝酸水溶液100mlにBi(NO33・5H2O(1mmol,485.1mg)を溶解させたものである。
B液:NH4VO3(1mmol,116.1mg)を水100mlに溶解させたものである。
A液とB液とを混合した後、28%アンモニア水をpHが8となるまで滴下した。生成した沈殿物を吸引ろ過により回収した後、80℃で12時間乾燥させた。その乾燥物を乳鉢で粉砕して粉体とし、その粉体の一部をそのまま「焼成前試料」とし、その粉体の残部をマッフル炉により大気中450℃で1時間焼成して「焼成後試料」とした。
これらの試料のXRDパターンを、図3の上から1段目に示す。焼成前試料では、BiVO4の非晶成分が観察された。焼成後試料では、BiVO4の単斜晶の単相が観察された。
焼成後試料のSEM写真を、図7に示す。同図のBiVO4微粒子の粒子径は約1.5μmである。
[参考例]
さらに、参考例として、実施例2においてC液にγ−Al23を加えないで、その他は実施例2と同様に行い、取込容器20に反応液とC液との混合液(約500ml)が生成してから10分経過した後、その混合液にγ−Al23を加えて1時間撹拌した例を実施した。
次に、各試料について、紫外可視分光光度計(島津製作所製)を用いて、UV−Vis反射スペクトルを測定した。
(1)まず、バルクのAl23粉末を石英板の上に載せ、鏡面反射による反射率を測定してベースラインとした。バルクのAl23粉末は、実施例1〜3においてC液に用いたγ−Al23の粉末である。
(2)その後、実施例1〜3の焼成前試料を石英板の上に載せ、同様に反射スペクトルを測定した。測定結果を図8に示す。
(3)また、実施例1〜3、比較例及び参考例の各焼成後試料を石英板の上に載せ、同様に反射スペクトルを測定した。測定結果を図9に示す。また、反射スペクトルに接線を引くことで吸収波長を決定し、その吸収波長より求めたバンドギャップを、次の表1に示す。担持率が小さいほど、吸収波長が短くなり(ブルーシフト)、バンドギャップが大きくなっていることが分かる。これは、BiVO4微粒子の粒子径が小さくなるほど、量子サイズ効果が発現することを示唆している。
次に、各試料について、光触媒活性を測定した。
(1)フラスコに各試料を150mg、水30ml、犠牲剤としてAgNO3(BiVO4のモル比で43倍当量)を入れ、撹拌した。
(2)これにソーラーシミュレータを用い光照射することで発生する酸素量を、10分毎にガスクロマトグラフにより測定した。
測定結果を図10に示す。なお、酸素発生量はBiVO41g当たりの値である。比較例(バルクBiVO4)で44μmol/g・hの酸素発生があり、光触媒活性を確認した。実施例2(担持率5質量%)で59μmol/g・hの酸素発生があり、比較例以上の光触媒活性を確認した。この結果を考察すると、バルクの結晶構造は、単斜晶の単相であるのに対し、実施例2におけるBiVO4微粒子の結晶構造は、単斜晶と正方晶の混相である。一般に単斜晶の方が正方晶より高活性であるにもかかわらず、活性が向上したのは、粒子径が小さくなったことによる量子サイズ効果と、比表面積が増大したこととの相乗効果と考えられる。
以上より、本実施例の製造方法によれば、次の作用効果が得られることが分かった。
(a)マイクロリアクターにより生成した微粒子が、担体に担持されるので、微粒子の凝集が防止される。
(b)微粒子は、反応時すなわち生成時には担体に触れず、反応後すなわち生成後に初めて担体に触れるので、反応時の原料液の濃度の調節により、微粒子の担持率及び粒子径を所望のとおりに容易に制御することができる。その他、マイクロ領域の大きさ、撹拌速度等の調節によっても、制御できる可能性がある。
(c)微粒子を担体に担持させたサイズでろ過できるので、回収しやすい。
(d)微粒子を担体に担持させたまま焼成ができ、光活性など、量子効果を発揮する微粒子が得られる。
(e)吸収波長が短くなり(ブルーシフト)、太陽光を有効利用した光触媒が得られる。
(f)その光触媒により効率的な水の光分解が可能となる。
1 製造装置
2 マイクロリアクター
2a 出口
3 ローター
4 外側領域
5 外側ステータ
6 領域
6a 領域開口
7 内側ステータ
8A ノズル
8B ノズル
9A 流路
9B 流路
11 回転シャフト
12 モーター
20 取込容器

Claims (4)

  1. マイクロリアクターの出口を担体が分散された取込液中に浸した状態で、該マイクロリアクターにより担体を含まない原料液を反応させて微粒子を生成させ、反応後の微粒子を含む反応液を、出口から外側へ流出したときに担体が分散された取込液中に導入し、微粒子を担体に担持させることを特徴とする微粒子担持体の製造方法。
  2. 原料液及び取込液を、それぞれ中性又はアルカリ性に調整する請求項1記載の微粒子担持体の製造方法。
  3. 担体に担持された微粒子を、担体とともに加熱し焼成する請求項1又は2記載の微粒子担持体の製造方法。
  4. 担体をAl 2 3 とし、生成する微粒子を平均粒子径20〜70nmのBiVO 4 とし、
    焼成された微粒子は、吸収波長帯が該微粒子と同一材料のバルク材より短波長側にシフトしているとともに、400nm以上の吸収帯を有するものとする請求項3記載の微粒子担持体の製造方法。
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