JP7304241B2 - NOx浄化触媒及び排気ガス浄化触媒 - Google Patents

NOx浄化触媒及び排気ガス浄化触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP7304241B2
JP7304241B2 JP2019159744A JP2019159744A JP7304241B2 JP 7304241 B2 JP7304241 B2 JP 7304241B2 JP 2019159744 A JP2019159744 A JP 2019159744A JP 2019159744 A JP2019159744 A JP 2019159744A JP 7304241 B2 JP7304241 B2 JP 7304241B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
powder
nox
iron
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019159744A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021037452A (ja
Inventor
淳二 伊藤
一幸 白鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Renault SAS
Original Assignee
Renault SAS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Renault SAS filed Critical Renault SAS
Priority to JP2019159744A priority Critical patent/JP7304241B2/ja
Publication of JP2021037452A publication Critical patent/JP2021037452A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7304241B2 publication Critical patent/JP7304241B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、窒素酸化物(NOx)浄化触媒及び排気ガス浄化触媒に関する。更に詳細には、一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO)に酸化する機能を有するNOx浄化触媒、及びこれを備えた排気ガス浄化触媒に関する。
従来、一酸化炭素(CO)とNOxを変換する触媒活性を低下させることなく、炭化水素(HC)変換活性を改善させた酸化窒素貯蔵触媒が提案されている(特許文献1参照。)。この酸化窒素貯蔵触媒においては、基材上に設けられたロジウム(Rh)を含む第一の薄膜層上に白金(Pt)を含む第二の薄膜層が設けられている。
特表2013-528119号公報
しかしながら、特許文献1に記載の酸化窒素貯蔵触媒においては、NOx転化率が不十分であるという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであって、耐久後において、優れたNOx転化率を示すNOx浄化触媒、及びこれを備えた排気ガス浄化触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、酸素吸放出材に担持された所定の鉄含有化合物とロジウムとを同一層に存在させることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のNOx浄化触媒は、NOをNOに酸化する機能を有し、基材と、基材上に第1触媒層と第2触媒層をこの順で積層配置した触媒層と、を備える。
第1触媒層は、ロジウムと、鉄含有化合物と、酸素吸放出材とを含有し、酸素吸放出材の少なくとも一部が、鉄含有化合物を担持している。鉄含有化合物が、Fe 、及び/又は一般式ABO で示されるペロブスカイト構造を有するLa 1-x FeO 3-δ (式中、Laはランタン、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群より選ばれる少なくとも1種、Feは鉄を示し、xは0<x≦1、δは0≦δ≦1を満足する。)である。第2触媒層は、白金を含有している。
また、本発明の排気ガス浄化触媒は、内燃機関の排気ガス通路に配置されて用いられ、前段触媒と後段触媒とを備える。前段触媒が、白金を含有する白金含有触媒であり、後段触媒が、本発明のNOx浄化触媒である。
本発明によれば、酸素吸放出材に担持された所定の鉄含有化合物とロジウムとを同一層に存在させたため、耐久後において、優れたNOx転化率を示すNOx浄化触媒、及びこれを備えた排気ガス浄化触媒を提供できる。
図1は、HCとしてプロピレンを用いたときの白金族触媒における触媒温度とHC転化率との関係を示すグラフである。 図2は、HCとしてトルエンを用いたときの白金族触媒における触媒温度とHC転化率との関係を示すグラフである。 図3は、HCとしてプロピレンを用いたときの白金族触媒におけるNO生成量を示すグラフである。 図4は、HCとしてトルエンを用いたときの白金族触媒におけるNO生成量を示すグラフである。 図5は、白金族金属における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。 図6は、Rhにおける排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。 図7は、Ptにおける排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。 図8は、Ptを含む触媒層における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。 図9は、Rhを含む触媒層における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。 図10は、NOx浄化触媒における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。 図11は、第1の実施形態のNOx浄化触媒における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。 図12は、第1触媒層の好適構造を模式的に示す説明図である。 図13は、第2の実施形態の排気ガス浄化触媒の構造を模式的に示す説明図である。 図14は、実施例1のLa0.8Sr0.2FeO/ZrCeNdOxのX線回折法(XRD)のワイドスキャンの結果を示すグラフである。 図15は、実施例1のLa0.8Sr0.2FeO/ZrCeNdOxのX線回折法(XRD)のナロースキャンの結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係るNOx浄化触媒及び排気ガス浄化触媒について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の一実施形態に係るNOx浄化触媒について説明する。本実施形態のNOx浄化触媒は、基材と、基材上に第1触媒層と第2触媒層をこの順で積層配置した触媒層と、を備える。
第1触媒層は、Rhと、鉄(Fe)含有化合物と、酸素吸放出材とを含有し、酸素吸放出材の少なくとも一部が、鉄(Fe)含有化合物を担持している。第2触媒層は、Ptを含有している。
このNOx浄化触媒は、NOをNOに酸化する機能を有すると共に、NOxをNに転換する機能を有する。
上述のように、本実施形態のNOx浄化触媒は、Rhと、鉄(Fe)含有化合物と、酸素吸放出材とを含有し、酸素吸放出材の少なくとも一部が、鉄(Fe)含有化合物を担持している第1触媒層を備えている。これにより、本実施形態のNOx浄化触媒は、耐久後において、優れたNOx転化率を実現できると考えられる。以下、現時点において推測しているNOx浄化触媒における排気ガス反応機構を説明する。
図1は、HCとしてプロピレンを用いたときの白金族触媒における触媒温度とHC転化率との関係を示すグラフである。なお、具体的なガス組成は、後述する実施例におけるガス組成1の条件においてHCとしてプロピレンのみを用いたものである。
また、図2は、HCとしてトルエンを用いたときの白金族触媒における触媒温度とHC転化率との関係を示すグラフである。なお、具体的なガス組成は、後述する実施例におけるガス組成1の条件においてHCとしてトルエンのみを用いたものである。
なお、図中のRhは後述する実施例2において第2触媒層を形成していない場合、Ptは後述する比較例3において第2触媒層を形成していない場合、Pdは後述する比較例4において第2触媒層を形成していない場合を示す。また、これらは800℃、16時間、10体積%HO条件下、100cc/分で急速劣化(耐久)させている。これらの比較によって、鉄(Fe)含有化合物と同一層に含まれるRhのHC酸化性能とPt及びPdのHC酸化性能との違いが明らかになる。
図1から、HCとしてプロピレンを用いた場合、Pt及びPdにおいてはプロピレンが酸化されるが、Rhにおいてはプロピレンが殆ど酸化されないことが分かる。また、図2から、HCとしてトルエンを用いた場合、Pt及びPdにおいてはトルエンが酸化されるが、Rhにおいてはトルエンが殆ど酸化されないことが分かる。
図3は、HCとしてプロピレンを用いたときの白金族触媒におけるNO生成量を示すグラフである。また、図4は、HCとしてトルエンを用いたときの白金族触媒NO生成量を示すグラフである。
なお、図3及び図4におけるガス組成は、図1及び図2におけるガス組成のそれぞれと同様である。また、図中のRh、Pt及びPdはそれぞれ図1の場合と同様の場合を示す。さらに、これらも図1の場合の同様の急速劣化(耐久)をさせている。これらの比較によって、鉄(Fe)含有化合物と同一層に含まれるRhのNO生成性能とPt及びPdのNO生成性能との違いが明らかになる。
図3及び図4から、HCとしてプロピレン又はトルエンを用いた場合、Rhが最もNOを生成することが分かる。
図1~図4より、PtとPdの触媒特性は似ており、Rhの触媒特性はPt及びPdの触媒特性と異なることが分かる。
図5は、白金族金属粒子における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。図5に示すように、白金族金属粒子141は担体144に担持されている。担体に担持された白金族金属粒子に酸素(O)、NO及びHCが供給された場合、OはNOを酸化してNOを生成する反応に利用されるかHCを酸化して二酸化炭素(CO)及び水(HO)を生成する反応に利用される。これらの反応は競争反応である。
図6は、Rh粒子における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。図6に示すように、Rh粒子142は担体144に担持されている。担体に担持されたRh粒子にO、NO及びHCが供給された場合、OがNOを酸化してNOを生成する反応が進みやすい。
図7は、Pt粒子における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。図7に示すように、Pt粒子143は担体144に担持されている。担体に担持されたPt粒子にO、NO及びHCが供給された場合、OがHCを酸化してCO及びHOを生成する反応が進みやすい。
図8は、Pt粒子を含む触媒層における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。図8に示すように、触媒層14は基材11上に形成されている。触媒層14はPt粒子143を含む。基材上に形成されたPt粒子を含む触媒層に、O、NO及びHCが供給された場合、Nを生成しやすい。
図9は、Rh粒子を含む触媒層における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。図9に示すように、触媒層14は基材11上に形成されている。触媒層14はRh粒子142を含む。基材上に形成されたRh粒子を含む触媒層に、O、NO及びHCが供給された場合、NOを生成しやすい。
図10は、NOx浄化触媒における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。図10に示すように、NOx浄化触媒10は、基材11と、基材11上に第1触媒層12と第2触媒層13をこの順で積層配置した触媒層14と、を備える。
第1触媒層12はRh粒子121を含有し、第2触媒層13は、Pt粒子131を含有している。NOx浄化触媒10は、NOをNOに酸化する機能を有すると共に、微量ながらNOxをNに転換する機能を有する。
Rh粒子を含む第1触媒層上にPt粒子を含む第2触媒層が形成されているので、HCが供給されているときには、Rh粒子において生成したNOがPt粒子においてNに転換される。なお、図示しないが、HCが供給されていないときは、Rh粒子及びPt粒子においてNOが酸化されてNOが生成する。
図11は、第1の実施形態のNOx浄化触媒における排気ガス反応機構を模式的に示す説明図である。図11に示すように、本実施形態のNOx浄化触媒10は、基材11と、基材11上に第1触媒層12と第2触媒層13をこの順で積層配置した触媒層14と、を備える。
第1触媒層12は、Rh粒子121と、鉄(Fe)含有化合物122と、酸素吸放出材123とを含有し、酸素吸放出材123の少なくとも一部が、鉄含有化合物122を担持している。第2触媒層13は、Pt粒子131を含有している。NOx浄化触媒10は、NOをNOに酸化する機能を有すると共に、NOxをNに転換する機能を有する。
酸素吸放出材に担持された鉄(Fe)含有化合物とRh粒子とが第1触媒層に含まれることにより、酸素吸放出材に担持された鉄(Fe)含有化合物からRh粒子へ酸素(O)を供給することができる。これにより、Rh粒子においてNOが酸化されてNOが生成する反応が促進される。その結果、HCが供給されているときには、Pt粒子においてNOがNに転換される反応が促進される。これにより、NOx浄化触媒は、耐久後において、優れたNOx転化率を実現できる。
但し、これらの反応機構以外の反応機構により上述のような効果が得られていたとしても、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
ここで、各構成要素について更に詳細に説明する。
基材11としては、特に限定されないが、例えば、コーディエライトなどのセラミックスやフェライト系ステンレスなどの金属等の耐熱性材料からなるモノリス担体やハニカム担体を用いることが好適である。
触媒層14は、第1触媒層12及び第2触媒層13以外の他の触媒層を1つ又は複数有していてもよい。
他の触媒層は、例えば、基材と第1触媒層との間、第1触媒層と第2触媒層との間、第2触媒層上に配置することができる。特に限定されないが、上述した排気ガス反応の促進の観点から、第2触媒層は触媒層の最表面に配置されていることが好ましい。
また、特に限定されないが、上述した排気ガス反応の促進の観点から、第1触媒層直上に第2触媒層が接して配置されていることが好ましい。
図12は、第1触媒層の好適構造を模式的に示す説明図である。図12に示すように、第1触媒層12は、Rh粒子121を担持している担体125(以下「第1ユニット」ということがある。)と、鉄(Fe)含有化合物122を担持している酸素吸放出材123(以下「第2ユニット」ということがある。)と、仕切り材124とを含有し、仕切り材124が、第1ユニットと第2ユニットとを隔てている。
特に限定されないが、鉄(Fe)含有化合物122の少なくとも一部が、例えば、酸化鉄(Fe)、一般式ABOで示されるペロブスカイト構造を有する酸化物、これらの混合物であることが好適である。
特に限定されないが、鉄(Fe)含有化合物の少なくとも一部が、一般式ABOで示されるペロブスカイト構造を有することがより好適である。
鉄(Fe)含有化合物が一般式ABOで示されるペロブスカイト構造を有しない場合、NOx浄化触媒が高温環境下で使用されたときに、Feと酸素吸放出材とが反応し、酸素吸放出材の凝集が起こることがある。
一方、鉄(Fe)含有化合物の少なくとも一部が一般式ABOで示されるペロブスカイト構造を有する場合、鉄(Fe)含有化合物がABOの構造で安定化し、Feと酸素吸放出材との反応が抑制される。これにより、NOx浄化触媒の高温環境下における耐久性が向上し、Rh粒子においてNOが酸化されてNOが生成する反応が促進される。その結果、NOx浄化触媒は、耐久後において、より優れたNOx転化率を実現できる。
一般式ABOで示されるペロブスカイト構造を有する鉄(Fe)含有化合物としては、特に限定されないが、例えば、La1-xFeO3-δ(式中、Laはランタン、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群より選ばれる少なくとも1種、Feは鉄を示し、xは0<x≦1、δは0≦δ≦1を満足する。)を用いることが好適である。その中でも、Mがストロンチウムであることが好適である。
酸素吸放出材123としては、特に限定されないが、例えば、酸化セリウム(CeO)、ジルコニウムセリウムネオジム酸化物(ZrCeNdOx)などの酸素吸放出材を用いることが好適であり、ジルコニウムセリウムネオジム酸化物(ZrCeNdOx)を用いることがより好適である。なお、酸素吸放出材は、酸素吸放出能(OSC)を有し、OSC材と言われる。
仕切り材124としては、特に限定されないが、例えば、高比表面積を有するアルミナ(Al)を用いることが好適である。
担体125としては、特に限定されないが、例えば、酸化セリウム(CeO)、ジルコニウムセリウムネオジム酸化物(ZrCeNdOx)などの酸素吸放出材を用いることが好適である。換言すれば、酸素吸放出材の少なくとも一部が、ロジウムを担持していることがより好適である。
その中でも、担体としては、ジルコニウムセリウムネオジム酸化物(ZrCeNdOx)を用いることがより好適である。換言すれば、Rhを担持している酸素吸放出材が、ジルコニウムセリウムネオジム酸化物(ZrCeNdOx)であることがより好適である。
Rh粒子の役割は、NOを生成することである。担体が酸素吸放出(OSC)材でない場合、Rh粒子においてNOを酸化してNOを生成する際に気相の酸素(O)が利用される。
一方、担体が酸素吸放出(OSC)材、より好ましくはジルコニウムセリウムネオジム酸化物である場合、Rh粒子においてNOを酸化してNOを生成する際に気相の酸素(O)よりも活性化しやすい酸素吸放出(OSC)材の酸素(O)が利用される。
これにより、Rh粒子においてNOが酸化されてNOが生成する反応が促進される。その結果、NOx浄化触媒は、耐久後において、より優れたNOx転化率を実現できる。
担体としては、これらに限定されず、例えば、ジルコニアランタンネオジム酸化物、高比表面積を有するアルミナ(Al)も適用できる。
特に限定されないが、例えば、第1触媒層が、仕切り材を更に含有し、仕切り材が、第1ユニットと第2ユニットとを隔てていることが好適である。Rh粒子と鉄(Fe)含有化合物とが接触すると反応活性が失われることがある。これは、Feの触媒毒によるものと言われている。
第1ユニットと第2ユニットとが仕切り材によって隔てられていることにより、NOx浄化触媒は、耐久後において、より優れたNOx転化率を実現できる。
第1ユニット及び第2ユニットの平均粒子径(D50)は、特に限定されないが、例えば、耐久性をより向上させるという観点からは、50~300nmであることが好ましく、100~200nmであることがより好ましい。
図示しないが、第1触媒層は、第1ユニット及び第2ユニットの酸素吸放出(OSC)材以外のRh粒子や鉄(Fe)含有化合物を担持していない他の酸素吸放出(OSC)材を含有していることが好ましい。
他の酸素吸放出(OSC)材は、第1ユニット及び第2ユニットの少なくとも一方に含まれていてもよいが、第1ユニット及び第2ユニットの双方と仕切り材によって隔てられていることが好ましい。
このような第1触媒層を備えたNOx浄化触媒は、高温時において、より優れたNOx転化率を実現できる。なお、他の酸素吸放出(OSC)材としては、特に限定されるものではないが、例えば、上述した酸素吸放出材を適用することができる。
第2触媒層は、特に限定されないが、例えば、アルミナ(Al)にPtが担持された粒子を含有していることが好ましい。
上述したNOx浄化触媒は、特に限定されず、従来公知の製造方法により作製することができる。
例えば、ロジウム塩水溶液を酸素吸放出材に含浸させ、焼成してRhが酸素吸放出材に担持された粉末を得、さらに、鉄含有化合物のカルボン酸水溶液を酸素吸放出材に含浸させ、焼成して鉄含有化合物が酸素吸放出材に担持された粉末を得る。これらの粉末の平均粒子径を調整し、バインダー及び溶媒を加えてスラリーを得、これをスプレー乾燥し、焼成して、粉末を得る。この粉末にバインダー及び溶媒を加えてスラリーとし、得られたスラリーを基材に吸引コートし、乾燥、焼成して、基材上に第1触媒層を形成する。
さらに、白金塩水溶液をアルミナに含浸させ、焼成して白金がアルミナに担持された粉末を得る。この粉末にバインダー及び溶媒を加えてスラリーとし、得られたスラリーを基材に塗布し、乾燥、焼成して、第1触媒層上に第2触媒層を形成する。これにより、本実施形態のNOx浄化触媒を得ることができる。
上述したNOx浄化触媒は、例えば、車両に搭載される内燃機関の排気ガス通路に配置して用いることが好適である。内燃機関としては、ディーゼルエンジンを好適例として挙げることができる。特に、NOx浄化触媒は、ディーゼルエンジンの選択的触媒還元(SCR)装置の前段に配置されるディーゼルエンジンの酸化触媒に用いることが好適である。しかしながら、これに限定されず、NOx浄化触媒は、ガソリンエンジンの排気ガス通路に配置して用いることもできる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の一実施形態に係る排気ガス触媒について説明する。図13は、第2の実施形態の排気ガス浄化触媒を模式的に示す説明図である。図13に示すように、本実施形態の排気ガス浄化触媒1は、ディーゼルエンジン又はガソリンエンジン、好ましくはディーゼルエンジンなどの内燃機関50の排気ガス通路60に配置されて用いられ、前段触媒20と後段触媒10とを備える。後段触媒10は、上述した第1の実施形態のNOx浄化触媒であり、前段触媒20は、白金を含有する白金含有触媒である。
上述のように、本実施形態の排気ガス浄化触媒は、第1の実施形態のNOx浄化触媒の前段に白金含有触媒を配置している。これにより、本実施形態の排気ガス浄化触媒は、車両に搭載される内燃機関の運転時(高温時)だけでなく、車両に搭載される内燃機関の始動時(低温時)においても優れたNOx転化率を実現できる。
前段触媒20である白金含有触媒は、白金を含有すれば、特に限定されるものではないが、白金族金属として白金とパラジウムを含むことが好ましい。
特に限定されないが、本実施形態の排気ガス浄化触媒は、ディーゼルエンジンの酸化触媒として用いることが好適である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、後段触媒を作製した。
(実施例1)
<粉末の作製>
ジルコニウムセリウムネオジム酸化物(70質量%ジルコニウム酸化物(ZrO)-20質量%セリウム酸化物(CeO)-10質量%ネオジム酸化物(Nd)の前駆体である水酸化物ゲルを作製した。具体的には、ジルコニウム化合物(オキシ硝酸ジルコニウム)、セリウム化合物(硝酸セリウム)及びネオジム化合物(硝酸ネオジム)を秤量し、各水溶液を得た。次いで、得られたジルコニウム化合物水溶液とセリウム化合物水溶液とネオジム化合物水溶液が酸化物換算で所定の割合となるように混合し、混合水溶液を得た。しかる後、得られた混合水溶液を十分に撹拌しながら、アルカリ水溶液としての水酸化ナトリウム水溶液を添加して、ジルコニウム水酸化物ゲル、セリウム水酸化物ゲル及びネオジム水酸化物ゲルからなる混合水酸化物ゲルの分散液を得た。
次いで、得られた混合水酸化ゲルの分散液をろ過し、イオン交換水で洗浄した。さらに、ナトリウムが検出されなくなるまで、デカンテーションした。
しかる後、100℃で16時間乾燥し、更に600℃で5時間加熱処理することによって、粉末を得た。これを粉末Aという。
<第1粉末の作製>
硝酸ロジウム水溶液(田中貴金属工業株式会社製)を用いたインシピエント・ウェットネス(incipient wetness)法によって粉末Aにロジウムを担持して、粉末を得た。乾燥は150℃で1晩行い、焼成はマッフル炉にて400℃で1時間行った。これを第1-1粉末という。
<第2粉末の作製>
La0.8Sr0.2FeOとして10質量%の溶解液になるように、炭酸ランタン、炭酸ストロンチウム及び炭酸鉄をクエン酸リンゴ酸混合水溶液(クエン酸:25質量%、リンゴ酸:25質量%)に投入し、撹拌し、溶解させて、10質量%La0.8Sr0.2FeO溶解液を得た。
次いで、得られた10質量%La0.8Sr0.2FeO溶解液を粉末Aに対して6質量%La0.8Sr0.2FeOとなるように含浸し、これを200℃で1時間、400℃で1時間、580℃で1時間、700℃で1時間焼成して、粉末を得た。これを第2-1粉末という。
<ハニカム担体への第1触媒層の形成>
第1-1粉末の平均粒子径(D50)が約150nmになるまで第1-1粉末をビーズミルで粉砕し、第2-1粉末の平均粒子径(D50)が約150nmになるまで第2-1粉末もビーズミルで粉砕した。なお、平均粒子径(D50)の測定には、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、LA-920)を用いた。
次いで、ベーマイトアルミナと水を混合し、これに第1-1粉末の粉砕液と第2-1粉末の粉砕液を投入し、混合して、混合液を得た。第1-1粉末と第2-1粉末とベーマイトの比率は、質量比で、第1-1粉末:第2-1粉末:ベーマイトアルミナ=50:30:20である。
次いで、得られた混合液をスプレードライ装置に充填し、乾燥させ、この乾燥物を550℃で3時間マッフル炉にて焼成して、粉末を得た。
次いで、得られた粉末と粉末Aとγ-アルミナとバインダーとしてのベーマイトアルミナとを質量比で53:17:15:15の割合で磁性ポットに投入し、更に硝酸と純水とアルミナボールを共に入れ、振とう粉砕し、スラリーを得た。
さらに、得られたスラリーを別の容器に移し替え、このスラリーをセラミック製のハニカム担体(容量:0.119L)に吸引コートし、空気流にて余剰のスラリーを除去した。
しかる後、スラリーがコートされたハニカム担体を120℃で乾燥し、空気流通下、400℃で30分間焼成して、第1触媒層を形成した。これを触媒aという。
<Pt担持粉末の作製>
テトラアンミン白金(II)水酸塩溶液(田中貴金属工業株式会社製)をγ-アルミナに対して1質量%Ptとなるように含浸し、これを150℃で一晩乾燥し、空気流通下、400℃で1時間焼成して、Pt担持粉末を得た。
<ハニカム担体への第2触媒層の形成>
得られたPt担持粉末とγ-アルミナとバインダーとしてのベーマイトアルミナとを質量比で66:17:17の割合で磁性ポットに投入し、更に硝酸と純水とアルミナボールを共に入れ、振とう粉砕し、スラリーを得た。
次いで、得られたスラリーを触媒aに塗布し、120℃で空気流通下の乾燥をし、再度得られたスラリーを塗布するという操作をPt含有量が1g/Lになるまで繰り返した。スラリー塗布の終了後、スラリーが塗布された触媒aを空気流通下、400℃で30分間焼成して、本例で用いる後段触媒(NOx浄化触媒)を得た。この後段触媒においてはRh含有量が0.174g/Lであり、Pt含有量が1g/Lである。
次に、前段触媒を作製した。
テトラアンミン白金(II)水酸塩溶液(田中貴金属工業株式会社製)と硝酸パラジウム水溶液(田中貴金属工業株式会社製)をγ-アルミナに対して1.75質量%Pt、1.75質量%Pdとなるように含浸し、これを150℃で一晩乾燥し、空気流通下、700℃で1時間焼成して、PtPd担持粉末を得た。
<ハニカム担体へのPt含有層の形成>
得られたPtPd担持粉末とバインダーとしてベーマイトアルミナとを質量比で90:10の割合で磁性ポットに投入し、更に硝酸と純水とアルミナボールを共に入れ、振とう粉砕し、スラリーを得た。
次いで、得られたスラリーをセラミック製のハニカム担体(容量:0.119L)に塗布し、120℃で空気流通下の乾燥をし、再度得られたスラリーをハニカム担体に塗布するという操作をPtPd含有量が4.05g/Lになるまで繰り返した。スラリー塗布の終了後、スラリーが塗布されたハニカム担体を空気流通下、400℃で30分間焼成して、本例で用いる前段触媒(白金含有触媒)を得た。
得られた前段触媒と後段触媒とを組み合わせて、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
(実施例2)
<粉末の作製>
ジルコニウムランタンネオジム酸化物(92質量%ジルコニウム酸化物(ZrO)-3質量%ランタン酸化物(La)-5質量%ネオジム酸化物(Nd)の前駆体である水酸化物ゲルを作製した。具体的には、ジルコニウム化合物(オキシ硝酸ジルコニウム)、ランタン化合物(硝酸ランタン)、ネオジム化合物(硝酸ネオジム)を秤量し、各水溶液を得た。次いで、得られたジルコニウム化合物水溶液とランタン化合物水溶液とネオジム化合物水溶液が酸化物換算で所定の割合となるように混合し、混合水溶液を得た。しかる後、得られた混合水溶液を十分に撹拌しながら、アルカリ水溶液としての水酸化ナトリウム水溶液を添加して、ジルコニウム水酸化物ゲル、ランタン水酸化物ゲル及びネオジム水酸化物ゲルからなる混合水酸化物ゲルの分散液を得た。
次いで、得られた混合水酸化ゲルの分散液をろ過し、イオン交換水で洗浄した。さらに、ナトリウムが検出されなくなるまで、デカンテーションした。
しかる後、100℃で16時間乾燥し、更に600℃で5時間加熱処理することによって、粉末を得た。これを粉末Bという。
<第1粉末の作製>
硝酸ロジウム水溶液(田中貴金属工業株式会社製)を用いたインシピエント・ウェットネス(incipient wetness)法によって粉末Bにロジウムを担持して、粉末を得た。乾燥は150℃で1晩行い、焼成はマッフル炉にて400℃で1時間行った。これを第1-2粉末という。
<第2粉末の作製>
第2粉末として、実施例1で用いた第2-1粉末を用いた。
実施例1の<ハニカム担体への第1触媒層の形成>において第1-1粉末に代えて第1-2粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例で用いる後段触媒(NOx浄化触媒)と前段触媒(白金含有触媒)とを得た。
得られた前段触媒と後段触媒とを組み合わせて、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
(実施例3)
<第1粉末の作製>
第1粉末として、実施例2で用いた第1-2粉末を用いた。
<第2粉末の作製>
硝酸鉄水溶液を粉末Aに対して1.44質量%Feとなるように含浸し、これを600℃で2時間焼成して、粉末を得た。これを第2-2粉末という。
実施例1の<ハニカム担体への第1触媒層の形成>において第1-1粉末に代えて第1-2粉末を用い、第2-1粉末に代えて第2-2粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例で用いる後段触媒(NOx浄化触媒)と前段触媒(白金含有触媒)とを得た。
得られた前段触媒と後段触媒とを組み合わせて、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
(比較例1)
<第1粉末の作製>
第1粉末として、実施例2で用いた第1-2粉末を用いた。
<第2粉末の作製>
第2粉末として、実施例1で作製した粉末Aを用いた。
実施例1の<ハニカム担体への第1触媒層の形成>において第1-1粉末に代えて第1-2粉末を用い、第2-1粉末に代えて粉末Aを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例で用いる後段触媒(NOx浄化触媒)と前段触媒(白金含有触媒)とを得た。
得られた前段触媒と後段触媒とを組み合わせて、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
(比較例2)
<第1粉末の作製>
第1粉末として、実施例2で作製した粉末Bを用いた。
<第2粉末の作製>
第2粉末として、実施例1で用いた第2-1粉末を用いた。
実施例1の<ハニカム担体への第1触媒層の形成>において第1-1粉末に代えて粉末Bを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例で用いる後段触媒(NOx浄化触媒)と前段触媒(白金含有触媒)とを得た。
得られた前段触媒と後段触媒とを組み合わせて、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
(比較例3)
<第1粉末の作製>
テトラアンミン白金(II)水酸塩溶液(田中貴金属工業株式会社製)を用いたインシピエント・ウェットネス(incipient wetness)法によって粉末Bに白金を担持して、粉末を得た。乾燥は150℃で1晩行い、焼成はマッフル炉にて400℃で1時間行った。これを第1-3粉末という。
<第2粉末の作製>
第2粉末として、実施例1で用いた第2-1粉末を用いた。
実施例1の<ハニカム担体への第1触媒層の形成>において第1-1粉末に代えて第1-3粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例で用いる後段触媒(NOx浄化触媒)と前段触媒(白金含有触媒)とを得た。
得られた前段触媒と後段触媒とを組み合わせて、本例の排気ガス浄化触媒を得た。
(比較例4)
<第1粉末の作製>
硝酸パラジウム水溶液(田中貴金属工業株式会社製)を用いたインシピエント・ウェットネス(incipient wetness)法によって粉末Bにパラジウムを担持して、粉末を得た。乾燥は150℃で1晩行い、焼成はマッフル炉にて400℃で1時間行った。これを第1-4粉末という。
<第2粉末の作製>
第2粉末として、実施例1で用いた第2-1粉末を用いた。
実施例1の<ハニカム担体への第1触媒層の形成>において第1-1粉末に代えて第1-4粉末を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例で用いる後段触媒(NOx浄化触媒)と前段触媒(白金含有触媒)とを得た。
得られた前段触媒と後段触媒とを組み合わせて、本例の排気ガス浄化触媒を得た。図14は、実施例1のLa0.8Sr0.2FeO/ZrCeNdOxのX線回折法(XRD)のワイドスキャンの結果を示すグラフであり、図15は、実施例1のLa0.8Sr0.2FeO/ZrCeNdOxのX線回折法(XRD)のナロースキャンの結果を示すグラフである。図14及び図15より、実施例1のLa0.8Sr0.2FeOはペロブスカイト構造を有することが分かった。上記各例の仕様の一部を表1に示す。
Figure 0007304241000001
[性能評価]
下記条件にて、各例の排気ガス浄化触媒を急速劣化させ、その後、下記条件にて排気ガス分析装置(株式会社堀場製作所製、MEXA7100D、NOx分析計:NOxモード)を用い、NOx転化率を算出した。具体的には、NOx転化率(%)=(NOxin-NOxout)/NOxin×100により算出した。得られた結果を表1に併記する。
<耐久条件>
各例の排気ガス浄化触媒をマッフル炉にて850℃で25時間加熱処理した。
<評価条件>
・触媒仕様:前段触媒(400セル/4ミル、直径20mm、長さ30mm)+後段触媒(400セル/4ミル、直径20mm、長さ30mm)
・昇温速度:10℃/分
・ガス流量:40L/分
・ガス組成1(O:14体積%):
トルエン:1920体積ppmC1
プロピレン:900体積ppmC1
メタン:180体積ppm
CO:1500体積ppm
NO:100体積ppm
:14体積%
CO:4体積%
O:10体積%
:バランス
・ガス組成2(O:0.7体積%):
トルエン:1920体積ppmC1
プロピレン:900体積ppmC1
メタン:180体積ppm
CO:1500体積ppm
NO:100体積ppm
:0.7体積%
CO:4体積%
O:10体積%
:バランス
なお、上記「ppmC1」とは、炭素換算を意味し、例えばベンゼン1ppm=6ppmC1となる。
表1より、本発明の範囲に属する実施例1~3は、本発明外の比較例1~4と比較して、耐久後において、優れたNOx転化率を示すことが分かる。
優れたNOx転化率が得られた理由は以下のように推測される。実施例1~3においては、酸素吸放出材に担持された鉄(Fe)含有化合物とRh粒子とが第1触媒層に含まれることにより、酸素吸放出材に担持された鉄(Fe)含有化合物からRh粒子へ酸素(O)を供給することができる。Rh粒子においてNOが酸化されてNOが生成する反応が促進される。HCが供給されているときには、Pt粒子においてNOがNに転換される反応が促進される。その結果、NOx浄化触媒が優れたNOx転化率を示し、排気ガス浄化触媒が優れたNOx転化率を示したと考えられる。
表1より、実施例1及び2は、実施例3と比較して、耐久後において、優れたNOx転化率を示すことが分かる。
優れたNOx転化率が得られた理由は以下のように推測される。鉄(Fe)含有化合物の少なくとも一部が、一般式ABOで示されるペロブスカイト構造を有することにより、鉄(Fe)含有化合物がABOの構造で安定化し、Feと酸素吸放出材との反応が抑制される。NOx浄化触媒の高温環境下における耐久性が向上し、Rh粒子においてNOが酸化されてNOが生成する反応が促進される。その結果、NOx浄化触媒が優れたNOx転化率を示し、排気ガス浄化触媒が優れたNOx転化率を示したと考えられる。
表1より、実施例1は、実施例2と比較して、耐久後において、優れたNOx転化率を示すことが分かる。
優れたNOx転化率が得られた理由は以下のように推測される。Rh粒子の役割は、NOを生成することである。担体が酸素吸放出(OSC)材、より好ましくはジルコニウムセリウムネオジム酸化物である場合、Rh粒子においてNOを酸化してNOを生成する際に気相の酸素(O)よりも活性化しやすい酸素吸放出(OSC)材の酸素(O)が利用される。Rh粒子においてNOが酸化されてNOが生成する反応が促進される。その結果、NOx浄化触媒が優れたNOx転化率を示し、排気ガス浄化触媒が優れたNOx転化率を示したと考えられる。
表1より、実施例1~3は、耐久後において、優れたNOx転化率を示すことが分かる。
このような優れたNOx転化率が得られた理由は、仕切り材が、ロジウムを担持している酸素吸放出材と鉄含有化合物を担持している酸素吸放出材とを隔てていることにより、Feの触媒毒が抑制されたためと考えられる。
表1より、実施例1~3は、耐久後において、優れたNOx転化率を示すことが分かる。
このような優れたNOx転化率が得られた理由は、内燃機関の排気ガス通路に、NOx浄化触媒の前段に白金を含有する白金含有触媒を備えた排気ガス浄化触媒としたことにより、低温時のNOx転化率が向上したためと考えられる。
1 排気ガス浄化触媒
10 NOx浄化触媒(後段触媒)
11 基材
12 第1触媒層
121 Rh粒子
122 鉄含有化合物
123 酸素吸放出材
124 仕切り材
125 担体
13 第2触媒層
131 Pt粒子
14 触媒層
141 白金族金属粒子
142 Rh粒子
143 Pt粒子
144 担体
20 白金含有触媒(前段触媒)
50 内燃機関
60 排気ガス通路

Claims (6)

  1. 基材と、基材上に第1触媒層と第2触媒層をこの順で積層配置した触媒層と、を備え、NOをNOに酸化する機能を有するNOx浄化触媒であって、
    前記第1触媒層は、ロジウムと、鉄含有化合物と、酸素吸放出材とを含有し、前記酸素吸放出材の少なくとも一部が、前記鉄含有化合物を担持しており、
    前記鉄含有化合物が、Fe 、及び/又は一般式ABO で示されるペロブスカイト構造を有するLa 1-x FeO 3-δ (式中、Laはランタン、Mはバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)からなる群より選ばれる少なくとも1種、Feは鉄を示し、xは0<x≦1、δは0≦δ≦1を満足する。)であり、
    前記第2触媒層は、白金を含有する
    ことを特徴とするNOx浄化触媒。
  2. 前記鉄含有化合物が、Fe 、及び/又は一般式ABO で示されるペロブスカイト構造を有するLa Sr 1-x FeO 3-δ (式中、Laはランタン、Srはストロンチウム、Feは鉄を示し、xは0<x≦1、δは0≦δ≦1を満足する。)であることを特徴とする請求項1に記載のNOx浄化触媒。
  3. 前記酸素吸放出材の少なくとも一部が、前記ロジウムを担持していることを特徴とする請求項1又は2に記載のNOx浄化触媒。
  4. 前記ロジウムを担持している前記酸素吸放出材が、ジルコニウムセリウムネオジム酸化物であることを特徴とする請求項3に記載のNOx浄化触媒。
  5. 前記第1触媒層は、仕切り材を更に含有し、
    前記仕切り材が、前記ロジウムを担持している前記酸素吸放出材と前記鉄含有化合物を担持している前記酸素吸放出材とを隔てている
    ことを特徴する請求項3又は4に記載のNOx浄化触媒。
  6. 内燃機関の排気ガス通路に配置されて用いられ、前段触媒と後段触媒とを備えた排気ガス浄化触媒であって、
    前記前段触媒が、白金を含有する白金含有触媒であり、
    前記後段触媒が、請求項1~5のいずれか1つの項に記載のNOx浄化触媒である
    ことを特徴とする排気ガス浄化触媒。
JP2019159744A 2019-09-02 2019-09-02 NOx浄化触媒及び排気ガス浄化触媒 Active JP7304241B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019159744A JP7304241B2 (ja) 2019-09-02 2019-09-02 NOx浄化触媒及び排気ガス浄化触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019159744A JP7304241B2 (ja) 2019-09-02 2019-09-02 NOx浄化触媒及び排気ガス浄化触媒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021037452A JP2021037452A (ja) 2021-03-11
JP7304241B2 true JP7304241B2 (ja) 2023-07-06

Family

ID=74847917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019159744A Active JP7304241B2 (ja) 2019-09-02 2019-09-02 NOx浄化触媒及び排気ガス浄化触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7304241B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014018724A (ja) 2012-07-17 2014-02-03 Nissan Motor Co Ltd 排ガス浄化触媒構造体
WO2015173880A1 (ja) 2014-05-13 2015-11-19 日産自動車株式会社 水素生成用触媒及び排ガス浄化用触媒
JP2016112537A (ja) 2014-12-17 2016-06-23 トヨタ自動車株式会社 排ガス浄化用触媒
JP2018187534A (ja) 2017-04-28 2018-11-29 株式会社キャタラー 排ガス浄化用触媒
JP2018187535A (ja) 2017-04-28 2018-11-29 株式会社キャタラー 排ガス浄化用触媒

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014018724A (ja) 2012-07-17 2014-02-03 Nissan Motor Co Ltd 排ガス浄化触媒構造体
WO2015173880A1 (ja) 2014-05-13 2015-11-19 日産自動車株式会社 水素生成用触媒及び排ガス浄化用触媒
JP2016112537A (ja) 2014-12-17 2016-06-23 トヨタ自動車株式会社 排ガス浄化用触媒
JP2018187534A (ja) 2017-04-28 2018-11-29 株式会社キャタラー 排ガス浄化用触媒
JP2018187535A (ja) 2017-04-28 2018-11-29 株式会社キャタラー 排ガス浄化用触媒

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021037452A (ja) 2021-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101868176B1 (ko) 개선된 no 산화 활성을 갖는 가솔린 린번 엔진용 촉매
JP5538237B2 (ja) 排気ガス浄化触媒、それを用いた排気ガス浄化装置、及び排気ガス浄化方法
JP4092441B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2004535277A (ja) SOx耐性NOx捕捉用触媒およびこれの製造および使用方法
WO1999029417A1 (fr) Catalyseur destine a purifier des gaz d'echappement et procede de purification de gaz d'echappement
WO2000000283A1 (fr) Catalyseur pour la purification des gaz d'echappement, procede de production dudit catalyseur et procede de purification de gaz d'echappement
JP3988202B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
CN113042045B (zh) 排气净化用催化剂
JP3798727B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP4831753B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP3640130B2 (ja) 排ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP3264697B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒およびこれを用いてなる浄化システム
JP5896902B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JPH09248462A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP5120360B2 (ja) 酸素吸放出材及びそれを設けた排ガス浄化用触媒
JP7304241B2 (ja) NOx浄化触媒及び排気ガス浄化触媒
JP2001046870A (ja) 排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化システム
JP2837864B2 (ja) アルコールを燃料とする内燃機関からの排ガスを浄化する排気ガス浄化用触媒
JP2004000978A (ja) 排ガス浄化方法及び排ガス浄化用触媒
JP3885376B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその使用方法
JP5051009B2 (ja) NOx吸蔵還元型触媒
JP3739223B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2001009271A (ja) NOx吸収材及びこれを用いた排ガス浄化用触媒
JP3264696B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒およびこれを用いてなる浄化システム
JP2008215359A (ja) 希薄燃焼エンジン排気ガスの浄化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230301

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7304241

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150