JP3722542B2 - 回転式スイッチ用端子の組付方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば自動車用イグニッションスイッチ等の回転スイッチのスイッチベース等に組み付けられる複数の回転式スイッチ用端子の組付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の自動車用イグニッションスイッチにおいては、イグニッションキーをイグニッションスイッチのキー穴に差し込んで、このイグニッションキーを回転操作することにより、イグニッションスイッチ内の回転子が回転させられて、イグニッションスイッチ内の可動接点が回転子と一体に回転させられる様になっている。しかも、この回転操作により、スイッチベースに設けた複数のポイント状の固定接点間の導通関係が可動接点によって切り換えられる様になっているのが普通である。図8(a)は、このスイッチベースを示したものである。
【0003】
この図8(a)において、1はイグニッションスイッチ(全体図示略)の樹脂製のスイッチベースで、このスイッチベース1は筒状部1aとこの筒状部1aの一端を閉成する壁部1bを有する。また、図9,10において、2はスイッチ端子(スイッチターミナル)である。
【0004】
このスイッチ端子2は、図9,図10に示した様に、端子本体3と、固定接点としての接点部材4を備えている。しかも、端子本体3は板状の取付部3aと脚部3bから略L字状に形成されている。また、この端子本体3の取付部3aは壁部1bに保持され、この取付部3aには接点部材4がカシメ固定されている。尚、これに類似するものとしては、特開平7−245040号公報に開示されたようなものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したスイッチ端子2は端子本体3と接点部材4から構成されているために、部品点数が多くなり、部品管理が容易でなかった。しかも、端子本体3の取付部3aをスイッチベース1にインサート成形により保持させた後に、取付部3aの取付孔3cに接点部材4をカシメ固定していたため、接点部材4の固定に手数を要するものであった。これらの結果、この様なスイッチ端子2を有するイグニッションスイッチの製造コストが高くなるという問題があった。
【0006】
また、上述した複数の端子本体3は、取付部3aの形状が異なるものであるため、プレス装置で各々単品として打抜くと共に、一つ毎に射出成形用の成形金型の所定位置にセットした後、スイッチベース1にインサート成形する様にしている。このため、複数の端子本体3の管理及びスイッチベース1への組み付け作業に多くの手数を要するものであると共に、材料歩留りが悪いものであった。さらに、端子本体3の所定位置への供給にはバイブレーションを利用した部品整列装置を用いているが、この供給に際しての端子本体3が曲ったりして、端子本体3の寸法精度が確保できなくなったりするという問題がある。しかも、この供給に際して複数の端子本体3同士が互いに絡みついて外れにくくなった場合には、端子本体3をスムースに所定位置に供給できないという問題があった。
【0007】
そこで、この発明の第1の目的は、部品点数を少なくできると共に部品管理が容易であり、又、スイッチ端子のスイッチベースへの組み付けが容易で、且つコストダウンを図れる回転式スイッチ用端子の組付方法を提供することにある。
【0008】
また、この発明の第2の目的は、複数の端子本体の管理及びスイッチベースへの組み付け作業に手数を要せず、複数の端子本体の加工時の材料歩留りが良く、端子本体の寸法精度が確保でき、端子本体をスムースに所定位置に供給できる回転式スイッチ用端子の組付方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明の回転式スイッチ用端子の組付方法は、板状の端子本体と該板状の端子本体の一端部に形成されたプレス成形製の円錐台状の接点部を備える構造の複数のスイッチ端子と該スイッチ端子を形成する素材板との結合部を残した状態で、前記複数のスイッチ端子からなる第1,第2端子列を前記素材板に打ち抜きにより設けると共に、この打ち抜きに際して前記第1,第2端子列の端子配列方向にそれぞれ沿い且つ前記第1,第2端子列がそれぞれ結合された第1,第2の辺とこの第1,第2の辺を連設する第3,第4の辺を前記素材板に設け、次に各端子本体を素材板の板面に直交する方向で且つ同一方向に折曲させることにより、前記各端子本体を一端部の取付部とこの取付部に連設された脚部からL字状に形成した後、第3,第4の辺を前記端子本体の折曲方向にU字状に折曲させることにより、前記第1,第2端子列の間隔をスイッチベースへの取付間隔に設定して、前記スイッチ端子を素材板から分離し、前記分離した各スイッチ端子の前記接点部を前記第1,第2端子列の間隔を維持した状態で吸引保持手段の負圧が作用する複数の係合穴にそれぞれ係合させることにより、該係合穴に作用する吸気負圧により前記各接点部を前記各係合穴にそれぞれ吸引保持させた後、該接点部が保持された前記複数のスイッチ端子を吸引保持手段により成形金型まで移動させ、前記複数のスイッチ端子の前記脚部を成形金型に設けられた複数の端子挿入穴にそれぞれ挿入し、前記各スイッチ端子の前記接点部を前記スイッチベースから突出させた状態で前記取付部を前記スイッチベースに前記成形金型を用いてインサート成形することにより、イグニッションスイッチの回転操作により操作される可動接点が固定接点である前記複数の接点部の導通関係を切り換えることが可能となるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の回転式スイッチ用端子の組付方法は、板状の端子本体と該板状の端子本体の一端部に形成されたプレス成形製の円錐台状の接点部を備える構造の複数のスイッチ端子と該スイッチ端子を形成する素材板との結合部を残した状態で、前記複数のスイッチ端子からなる第1,第2端子列を前記素材板に打ち抜きにより設けると共に、この打ち抜きに際して前記第1,第2端子列の端子配列方向にそれぞれ沿い且つ前記第1,第2端子列がそれぞれ結合された第1,第2の辺とこの第1,第2の辺を連設する第3,第4の辺を前記素材板に設け、次に各端子本体を素材板の板面に直交する方向で且つ同一方向に折曲させることにより、前記各端子本体を一端部の取付部とこの取付部に連設された脚部からL字状に形成した後、前記各スイッチ端子を素材板から切り離し、次に前記第1,第2端子列の各スイッチ端子を第1,第2吸引保持手段によりそれぞれ吸引保持させて、第1,第2吸引保持手段の間隔を狭めることにより、前記第1,第2端子列の間隔をスイッチベースへの取付間隔に設定し、前記複数のスイッチ端子の前記脚部を成形金型に設けられた複数の端子挿入穴にそれぞれ挿入し、前記各スイッチ端子の前記接点部を前記スイッチベースから突出させた状態で前記取付部を前記スイッチベースに前記成形金型を用いてインサート成形することにより、イグニッションスイッチの回転操作により操作される可動接点が固定接点である前記複数の接点部の導通関係を切り換えることが可能となるようにしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0013】
[実施例1]
図1〜図5は、この発明にかかる回転式スイッチ用端子の組付方法の第1実施例を説明するためのもので、図1はこの組付方法により形成された自動車用イグニッションスイッチ(回転式スイッチ)の一例を示したものである。
【0014】
尚、説明の便宜上、この発明の組付方法により形成された自動車用イグニッションスイッチについて先に説明する。また、イグニッションスイッチの全体構成の図示を省略したが、イグニッションキーをイグニッションスイッチのキー穴に差し込んで、このイグニッションキーを回転操作することにより、イグニッションスイッチ内の回転子が回転させられて、イグニッションスイッチ内の可動接点が回転子と一体に回転させられる様になっている。しかも、この回転操作により、スイッチベースに設けた複数のポイント状の固定接点間の導通関係が可動接点によって切り換えられる様になっている。
【0015】
更に、本実施例では、説明の便宜上、イグニッションスイッチ(回転式スイッチ)の一部である樹脂製のスイッチベース10及びこの発明に関係する部分のみを図示して、この発明に直接的に関係しない部分の図示を省略している。尚、図1(a)はイグニッションスイッチ(回転式スイッチ)の一部であるスイッチベース10の概略平面図、図1(b)は図1に示したスイッチベース10の概略斜視図である。
【0016】
この図1(a),(b)において、スイッチベース10は、図中、下方に開放する筒部10aと、上端を閉成している端壁10bを有する。このスイッチベース10は、図2に示した様な複数のスイッチ端子T1〜T6を有する。
【0017】
このスイッチ端子T1〜T5は図2に示したように端子本体H1〜H5と接点部C1〜C5(固定接点)からそれぞれ構成され、スイッチ端子T6は端子本体H6と接点部C6,C7(固定接点)から構成されている。
【0018】
この端子本体H1〜H5は、一端部に設けた板状の取付部M1〜M6と、この取付部M1〜M6に連設された板状の脚部L1〜L6からそれぞれL字状に形成されている。しかも、この取付部M1,M2,M4,M6には切欠部K1,K2,K4,K6が設けられていて、この切欠部K1,K2,K4,K6は脚部L1,L2,L4,L6を取付部M1,M2,M4,M6に対して折曲成形し易くしている。
【0019】
また、上述の接点部C1〜C5はプレス成形により取付部M1〜M5にそれぞれ形成され、接点部C6,C7はプレス成形により取付部M6に形成されている。この各接点部C1〜C7は、図1〜図3に示したように、取付部M1〜M6の表面から円錐状に突出する接点基部B1と、この接点基部B1の頂部を形成する厚肉の接点壁部B2から略円錐台状に形成されている。
【0020】
この取付部M1〜M6は図1,図3に示した如くスイッチベース10の端壁10b内に埋設保持され、スイッチ端子T1〜T6の接点基部B1の一部及び接点壁部B2は端壁10から突出している。
【0021】
この様なスイッチ端子T1〜T6は、接点部材を端子本体にカシメ固定するようにした従来のものよりも、部品点数を少なくできると共に部品管理が容易であり、又、スイッチ端子T1〜T6のスイッチベース10への組み付けが容易で、且つコストダウンを図れる。
【0022】
図4,図5は、上述した回転式スイッチ用端子T1〜T6のスイッチベース10bへの組付方法を示したものである。即ち、上述した構成のスイッチ端子T1〜T6の加工、及び、このスイッチ端子T1〜T6のスイッチベース10への組み付けは図4,5の様にして行われる。
【0023】
(1)第1工程
まず、第1段階として、図4(a)に示したように、複数のスイッチ端子T1〜T6の端子本体H1〜H6と素材板20との一体的な結合状態を維持させた状態で、このスイッチ端子T1〜T6の端子本体H1〜H6の形状を素材板20からプレス打抜装置を用いて打抜く。
【0024】
この際、素材板20には、スイッチ端子T1〜T3の端子本体H1〜H3からなる第1端子列A1と、スイッチ端子T4〜T6の端子本体H4〜H6からなる第2端子列A2を形成させると共に、第1,第2端子列A1,A2の端子配列方向に沿う第1,第2の辺20a,20bとこの第1,第2の辺20a,20bを連設する第3,第4の辺20c,20dを形成させる。また、この打抜加工に際して、各スイッチ端子T1〜T6に接点部C1〜C7を形成する。
【0025】
尚、図4(a)において、f1〜f3は素材板20の第1端子列A1に隣接する第1の辺20aと第1端子列A1のスイッチ端子T1〜T3との間に形成された結合部、f4〜f6は素材板20の第2端子列A2に隣接する第2,第3の辺20b,20cと第2端子列A2のスイッチ端子T4〜T6との間に形成された結合部である。
【0026】
(2)第2工程
次に、上述のスイッチ端子T1〜T6が設けられた素材板20をプレス成形装置に搬送して、このプレス成形装置によりスイッチ端子T1〜T6を図4(b)の如く素材板20の板面に直交する方向で且つ同一方向に折曲させる。これにより、スイッチ端子T1〜T6の端子本体H1〜H5は、一端部に設けた板状の取付部M1〜M6と、この取付部M1〜M6に連設された板状の脚部L1〜L6からそれぞれL字状に形成される。しかも、端子列A1,A2の間隔がaとなる。
【0027】
(3)第3工程
この後、プレス成形装置により図4(c)の如く第3,第4の辺20c,20dをスイッチ端子T1〜T6の折曲方向にU字状に折曲させて、U字状部U1,U2を設けることにより、図4(a)に示した第1,第2端子列A1,A2の間隔をaをスイッチベースへの取付間隔bに設定する。
【0028】
(4)第4工程
そして、この第1,第2端子列A1,A2のスイッチ端子T1〜T6をプレス装置により素材板20から分離して、素材板20を除くことにより図4(d)の如くする。この分離された状態では、第1,第2端子列A1,A2の間隔がスイッチベースへの取付間隔bに設定された状態となっている。
【0029】
(5)第5工程次に、このスイッチ端子T1〜T6の接点部C1〜C7を、端子列A1,A2の取付間隔bを維持した状態で、図5(a)に示した吸引装置(吸引保持手段)30の複数の係合穴eに係合させると共に、この各係合穴eに作用する負圧により吸引保持させる。尚、各係合穴eには図示しない真空源からの吸気負圧が連通孔30aを介して作用させられる様になっていて、この吸気負圧により接点部C1〜C7を吸引保持させる様になっている。
【0030】
この状態で、スイッチ端子T1〜T6を射出成形装置まで移動させる。尚、この射出成形装置の下成形金型40には、複数の端子挿入穴(所定位置)40aが2列に形成されている。そして、この複数の端子挿入穴40aにスイッチ端子T1〜T6の脚部L1〜L6を挿入することにより、スイッチ端子T1〜T6を下成形金型40にセットする。
【0031】
(6)第6工程
この後、上射出成形金型41を図5(c)に示した如く下成形金型40に対して型締めして、成形金型40,41間にキャビティー43を形成し、このキャビティー43に図5(d)の如く溶融樹脂44を充填することにより、各スイッチ端子T1〜T6の一端部である取付部M1〜M6を図5(e)の如くスイッチベース10にインサート成形する。このインサート成形により、取付部M1〜M6はスイッチベース10の壁部10bに埋設され、接点部C1〜C7が壁部10bより上方に突出する。
【0032】
[実施例2]
図6〜図8は、この発明の実施の形態2である回転式スイッチ用端子の組付方法の第2実施例を示したものである。
【0033】
本実施例では、第1実施例における吸引装置30に代えて、吸引装置30´を吸引保持手段として用いている。この吸引装置30´は、左右に延びるガイドレール31aを有する装置本体31と、このガイドレール31aに左右動可能に保持された可動吸引部材32,33(第1,第2吸引保持手段)と、可動吸引部材32,33と装置本体31との間に介装されて可動部材32,33を相対接近・離反させるエアシリンダ34,35を有する。
【0034】
この可動吸引部材32には、端子列A1の接点部C1〜C3に係合して、この接点部C1〜C3を吸引保持する3つの係合穴eが設けられている。また、可動部吸引部材32には、端子列A2の接点部C4〜C7に係合して、接点部C4〜C7を吸引保持する4つの係合穴eが設けられている。図中、説明の便宜上、係合穴eは2つのみを図示している。尚、可動吸引保持部材32,33の各係合穴eには連通孔32a,33aを介して図示しない真空源からの吸気負圧が作用する様になっている。
【0035】
この様な吸引装置30´を備える本実施例では、第1実施例における第3工程を省略するとと共に、第1,第2工程,第4工程を図6(a),(b),(c)の如く実行する。この第2工程の状態では、第1,第2端子列A1,A2の間隔がスイッチベースへの取付間隔よりも大きなaになっている。従って、本実施例では、第4工程において間隔aに設定された第1,第2端子列A1,A2のスイッチ端子T1〜T6をプレス装置により素材板20から分離することになる。
【0036】
次に、本実施例では、第5工程において、第1端子列A1のスイッチ端子T1〜T3を可動吸引部材32で吸引保持させると共に、第2端子列A2のスイッチ端子T4〜T7を可動吸引部材33で吸引保持させた後、エアシリンダ34,35を作動させて、図7(b)に示したように第1,第2端子列A1,A2の間隔をスイッチベースへの取付間隔bに設定する。
【0037】
この状態で、スイッチ端子T1〜T6を、図7(b)に示した如く吸引装置(吸引保持手段)30´により吸引保持させて射出成形装置まで移動させた後、第1実施例の図5(b)と同様に射出成形装置の下成形金型40の端子挿入穴eの複数の端子挿入穴(所定位置)40aに2列にセットする。
【0038】
次に、第1実施例における第6の工程を実行することにより、取付部M1〜M6はスイッチベース10の壁部10bに埋設され、接点部C1〜C7が壁部10bより上方に突出することになる。
【0039】
【効果】
以上説明したように、請求項1の発明の回転式スイッチ用端子の組付方法は、板状の端子本体と該板状の端子本体の一端部に形成されたプレス成形製の円錐台状の接点部を備える構造の複数のスイッチ端子と該スイッチ端子を形成する素材板との結合部を残した状態で、前記複数のスイッチ端子からなる第1,第2端子列を前記素材板に打ち抜きにより設けると共に、この打ち抜きに際して前記第1,第2端子列の端子配列方向にそれぞれ沿い且つ前記第1,第2端子列がそれぞれ結合された第1,第2の辺とこの第1,第2の辺を連設する第3,第4の辺を前記素材板に設け、次に各端子本体を素材板の板面に直交する方向で且つ同一方向に折曲させることにより、前記各端子本体を一端部の取付部とこの取付部に連設された脚部からL字状に形成した後、第3,第4の辺を前記端子本体の折曲方向にU字状に折曲させることにより、前記第1,第2端子列の間隔をスイッチベースへの取付間隔に設定して、前記スイッチ端子を素材板から分離し、前記分離した各スイッチ端子の前記接点部を前記第1,第2端子列の間隔を維持した状態で吸引保持手段の負圧が作用する複数の係合穴にそれぞれ係合させることにより、該係合穴に作用する吸気負圧により前記各接点部を前記各係合穴にそれぞれ吸引保持させた後、該接点部が保持された前記複数のスイッチ端子を吸引保持手段により成形金型まで移動させ、前記複数のスイッチ端子の前記脚部を成形金型に設けられた複数の端子挿入穴にそれぞれ挿入し、前記各スイッチ端子の前記接点部を前記スイッチベースから突出させた状態で前記取付部を前記スイッチベースに前記成形金型を用いてインサート成形することにより、イグニッションスイッチの回転操作により操作される可動接点が固定接点である前記複数の接点部の導通関係を切り換えることが可能となるように構成したので、部品点数を少なくできると共に部品管理が容易であり、又、スイッチ端子のスイッチベースへの組み付けが容易で、且つコストダウンを図れることができる。しかも、複数の端子本体の管理及びスイッチベースへの組み付け作業に手数を要せず、その組み付けの自動化を容易に行うことができる。また、この発明によれば、複数の端子本体の加工時の材料歩留りが良く、端子本体の寸法精度が確保でき、端子本体をスムースに所定位置に供給できる。
【0040】
しかも、請求項1の回転式スイッチ用端子の組付方法によれば、各部品の射出成形装置への供給を小型の吸引保持手段でおこなうことができる。
【0041】
請求項2の回転式スイッチ用端子の組付方法は、板状の端子本体と該板状の端子本体の一端部に形成されたプレス成形製の円錐台状の接点部を備える構造の複数のスイッチ端子と該スイッチ端子を形成する素材板との結合部を残した状態で、前記複数のスイッチ端子からなる第1,第2端子列を前記素材板に打ち抜きにより設けると共に、この打ち抜きに際して前記第1,第2端子列の端子配列方向にそれぞれ沿い且つ前記第1,第2端子列がそれぞれ結合された第1,第2の辺とこの第1,第2の辺を連設する第3,第4の辺を前記素材板に設け、次に各端子本体を素材板の板面に直交する方向で且つ同一方向に折曲させることにより、前記各端子本体を一端部の取付部とこの取付部に連設された脚部からL字状に形成した後、前記各スイッチ端子を素材板から切り離し、次に前記第1,第2端子列の各スイッチ端子を第1,第2吸引保持手段によりそれぞれ吸引保持させて、第1,第2吸引保持手段の間隔を狭めることにより、前記第1,第2端子列の間隔をスイッチベースへの取付間隔に設定し、前記複数のスイッチ端子の前記脚部を成形金型に設けられた複数の端子挿入穴にそれぞれ挿入し、前記各スイッチ端子の前記接点部を前記スイッチベースから突出させた状態で前記取付部を前記スイッチベースに前記成形金型を用いてインサート成形することにより、イグニッションスイッチの回転操作により操作される可動接点が固定接点である前記複数の接点部の導通関係を切り換えることが可能となるように構成としたので、第1,第2端子列の間隔を変えたとしても、間隔調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明にかかる回転式スイッチ用端子のスイッチベースの概略平面図、(b)は(a)に示したスイッチベースの斜視図である。
【図2】図1(a)に示したスイッチ端子の説明図である。
【図3】図1(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図4】(a)〜(d)はこの発明にかかる回転式スイッチ用端子の加工組付方法の第1実施例を示す第1説明図である。
【図5】(a)〜(e)はこの発明にかかる回転式スイッチ用端子の加工組付方法の第1実施例を示す第2説明図である。
【図6】(a)〜(c)はこの発明にかかる回転式スイッチ用端子の加工組付方法の第2実施例を示す第1説明図である。
【図7】(a),(b)はこの発明にかかる回転式スイッチ用端子の加工組付方法の第2実施例を示す第2説明図である。
【図8】(a)は従来の回転式スイッチ用端子のスイッチベースの概略斜視図、(b)は(a)のスイッチベースに組み付けられるスイッチ端子の斜視図である。
【図9】図8に示したスイッチベースに組み付けられる端子本体の一例を示す分解斜視図である。
【図10】図9のスイッチ本体を図8のスイッチベースに組み付けた状態で部分的に端面した説明図である。
【符号の説明】
10…スイッチベース
20…素材板
20a…第1の辺
20b…第2の辺
20c…第3の辺
20d…第4の辺
30…吸引装置(吸引保持手段)
40…下成形金型
31…可動吸引部材(第1吸引保持手段)
32…可動吸引部材(第2吸引保持手段)
A1…第1端子列
A2…第2端子
f1〜f6…結合部
T1〜T6…スイッチ端子
Claims (2)
- 板状の端子本体と該板状の端子本体の一端部に形成されたプレス成形製の円錐台状の接点部を備える構造の複数のスイッチ端子と該スイッチ端子を形成する素材板との結合部を残した状態で、前記複数のスイッチ端子からなる第1,第2端子列を前記素材板に打ち抜きにより設けると共に、この打ち抜きに際して前記第1,第2端子列の端子配列方向にそれぞれ沿い且つ前記第1,第2端子列がそれぞれ結合された第1,第2の辺とこの第1,第2の辺を連設する第3,第4の辺を前記素材板に設け、次に各端子本体を素材板の板面に直交する方向で且つ同一方向に折曲させることにより、前記各端子本体を一端部の取付部とこの取付部に連設された脚部からL字状に形成した後、第3,第4の辺を前記端子本体の折曲方向にU字状に折曲させることにより、前記第1,第2端子列の間隔をスイッチベースへの取付間隔に設定して、前記スイッチ端子を素材板から分離し、前記分離した各スイッチ端子の前記接点部を前記第1,第2端子列の間隔を維持した状態で吸引保持手段の負圧が作用する複数の係合穴にそれぞれ係合させることにより、該係合穴に作用する吸気負圧により前記各接点部を前記各係合穴にそれぞれ吸引保持させた後、該接点部が保持された前記複数のスイッチ端子を吸引保持手段により成形金型まで移動させ、前記複数のスイッチ端子の前記脚部を成形金型に設けられた複数の端子挿入穴にそれぞれ挿入し、前記各スイッチ端子の前記接点部を前記スイッチベースから突出させた状態で前記取付部を前記スイッチベースに前記成形金型を用いてインサート成形することにより、イグニッションスイッチの回転操作により操作される可動接点が固定接点である前記複数の接点部の導通関係を切り換えることが可能となるようにしたことを特徴とする回転式スイッチ用端子の組付方法。
- 板状の端子本体と該板状の端子本体の一端部に形成されたプレス成形製の円錐台状の接点部を備える構造の複数のスイッチ端子と該スイッチ端子を形成する素材板との結合部を残した状態で、前記複数のスイッチ端子からなる第1,第2端子列を前記素材板に打ち抜きにより設けると共に、この打ち抜きに際して前記第1,第2端子列の端子配列方向にそれぞれ沿い且つ前記第1,第2端子列がそれぞれ結合された第1,第2の辺とこの第1,第2の辺を連設する第3,第4の辺を前記素材板に設け、次に各端子本体を素材板の板面に直交する方向で且つ同一方向に折曲させることにより、前記各端子本体を一端部の取付部とこの取付部に連設された脚部からL字状に形成した後、前記各スイッチ端子を素材板から切り離し、次に前記第1,第2端子列の各スイッチ端子を第1,第2吸引保持手段によりそれぞれ吸引保持させて、第1,第2吸引保持手段の間隔を狭めることにより、前記第1,第2端子列の間隔をスイッチベースへの取付間隔に設定し、前記複数のスイッチ端子の前記脚部を成形金型に設けられた複数の端子挿入穴にそれぞれ挿入し、前記各スイッチ端子の前記接点部を前記スイッチベースから突出させた状態で前記取付部を前記スイッチベースに前記成形金型を用いてインサート成形することにより、イグニッションスイッチの回転操作により操作される可動接点が固定接点である前記複数の接点部の導通関係を切り換えることが可能となるようにしたことを特徴とする回転式スイッチ用端子の組付方法。
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