JP3719114B2 - ウエザストリップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体の開口部と、これを開閉する開閉部材の周縁間をシールするウエザストリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車体の開口部、例えば車体側面のドア開口やトランクルームの開口の周縁と、これらの開口を開閉するドアやトランクリッドの周縁との間は、少なくとも一方の周縁に設けたウエザストリップでシールされるようになっている。
【0003】
図4に示すワゴン車を例にとると、車体側面のリヤ側のドア開口1は、スライド式のドア2により開閉されるようになっており、ドア開口1の周縁にはウエザストリップが取付けてある。
【0004】
図5(図4のC−C断面)に示すように、ウエザストリップ5は、断面ほぼU字形の取付基部51と、その一方の側面から膨出する中空状のシール部52を備え、取付基部51がドア開口周縁に沿って形成したフランジ11に取付けられ、シール部52は車外側に向けて膨出している。
【0005】
一方、ドア2は、後部車体の側面に沿う開位置からドア開口1を覆う位置へ前進し、閉鎖直前に車内側に移動して車体の側面と面一となってドア開口1を閉じる。このとき、ドア2の周縁内面がウエザストリップ5のシール部52に圧接する。
【0006】
ウエザストリップ5の取付基部51は一般にEPDMゴムまたはオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)のソリッド材からなり、取付基部51から円弧状に膨出するシール部52はEPDMゴムまたはTPOのスポンジ材からなる。取付基部51には芯金510が埋設してある。
【0007】
シール部52は、取付基部51との接続端に至るまでスポンジ材で構成すると、腰が弱くドア2により押付けられると不規則に変形し、シール性が不安定となるので、根元部は取付基部51と一体のソリッド材で形成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ウエザストリップ5は一体押出成形されるが、不可避的な押出しバラツキで、上記根元部におけるソリッド材とスポンジ材の見切り53a,53bが取付基部51側またはシール部52側にばらつく。見切り53a,53bが低すぎるとシール部52を安定にする効果が発揮されない。逆に高すぎるとドア閉時にドア閉力が急増して底つき感を与える。またウエザストリップ長手方向にも見切り53a,53bに高低差が生じシール圧が不均一となる。そこで本発明は、シール部の根元部におけるソリッド材とスポンジ材の見切り位置にバラツキがあっても、これがシール部の安定性に影響せず、かつドア閉時のシール部のたわみ荷重がウエザストリップ全長にわたり均一で、しかも底つき感のないウエザストリップを提供することを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車体の開口部および該開口部を開閉する開閉部材の少なくとも一方の周縁に取付けられるウエザストリップであって、上記周縁に取付けられる取付基部と、取付基部から膨出する中空状のシール部を備えたウエザストリップにおいて、上記シール部は、これに圧接する相手部材に向けて上記取付基部からこれとほぼ垂直に突出する1対の脚部と、これら脚部の先端からそれぞれ互いに反対方向へほぼ直角にL字状に屈曲して延出する張出し部と、これら張出し部の先端を円弧状につなぐシール壁とからなり、上記取付基部および脚部を構成するゴム状弾性材のソリッド材と、上記シール壁を構成するゴム状弾性材のスポンジ材との見切りを、上記張出し部の中間に位置せしめた。
【0010】
上記張出し部はシール壁を押付ける相手部材のシール面とほぼ平行に延びる形となり、この張出し部にソリッド材とスポンジ材の見切りを設けたから、見切り位置のバラツキはシール部のたわみ荷重にほとんど影響を及ぼさない。またドア閉時のシール部に対する相手部材の押込み量が大きいと張出し部が屈曲端で撓み、底つきが緩和される。またウエザストリップの取付け部位によって相手部材が斜め方向からシール部に押付けられても、張出し部の突っ張りでシール部全体が大きく倒れ込むことはない。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1(A)は図4のC−C線に沿う位置での本発明のウエザストリップの取付状態の断面を示すもので、車体側面のドア開口の周縁には、車体の内板と外板の端縁を接合したフランジ11が、車体側面に沿う方向で開口側に突出している。
【0012】
ウエザストリップ5は、断面ほぼU字形の取付基部51と、その一方の側面から膨出する中空状のシール部52を備えている。ウエザストリップ5は、取付基部51の内部対向面から突出する保持リップ511でフランジ11を挟持せしめることによりフランジ11に取付けられる。シール部52は車外方向へ膨出しており、ドア閉時の最終段階で車内方向(矢印Y方向)に移動するスライド式ドア2のドアフレーム内側面が押付けられる。
【0013】
シール部52は、取付基部51の車外側の側面からこれとほぼ垂直にドアフレームの押付け面に向けて突出する1対の脚部521a,521bと、各脚部521a.521bの先端から互いに反対方向へほぼ直角にL字状に屈曲して延出する張出し部522a.522bと、張出し部522a,522bの先端間を円弧状につなぐシール壁523で形成されている。
【0014】
ウエザストリップ5は、 EPDMソリッドゴムとEPDMスポンジゴムからなる。上記張出し部522a,522bの中間部に両材料の見切り53a,53bがあり、取付基部51および脚部521a,521bからそれぞれ見切り53a,53bに至る部分がEPDMソリッドゴムからなり、シール壁52およびその両端から見切り53a,53bに至る部分がEPDMスポンジゴムからなる。取付基部51には芯金510が埋設してある。
【0015】
ウエザストリップ5は一体押出成形により得られる。この場合、ソリッド材とスポンジ材の供給量のバラツキなどで見切り53a,53bの位置は不可避的に変化する。しかし、張出し部522a,522bは幅が3〜8mm程度に形成してあり、見切り53a,53bの位置が張出し部522a,522bからはずれるようなバラツキは生じない。
【0016】
ドア閉時、閉作動の最終段階でスライド式ドア2が車内方向に移動すると、ドアフレームの内面がウエザストリップ5のシール壁523をその頂端から押付ける。この場合、張出し部522a,522bにおける見切り53a.53bの位置が変化しても、張出し部522a,522bはドアフレームの押付け面とほぼ平行に延びているから、シール部52の撓み荷重にはほとんど影響を及ぼさない。従ってウエザストリップ5の各製品間で見切り53a,53b位置にバラツキがあっても、また同一製品で製品長手方向に見切り53a,53b位置にバラツキが生じても、ドア2の押込みとシール部52の撓み荷重の関係は一定であり、均一なシール性が得られる。また、ドア閉時のドア2のシール部52に対する押し込み量が大きくても、図1(B)に示すように張出し部522a,522bがこれらの屈曲部で撓み、シール部52の撓み荷重は急上昇せず、底つき感がない。
【0017】
以上、車体のドア開口周縁に取付けられるウエザストリップ5のうち、ドア開口の上縁に取付けられる部分について説明したが、ドア開口の前後の縦縁に取付けられる部分においては、図2(図4のD−D線断面)に示すように、ウエザストリップ5のシール部52は斜め後方(矢印Z方向)からドア2の外周内面により押付けられる。このとき、ドア2の押付けに対しL字形をなす脚部521bおよび張出し部522bが突っ張るから、シール部52全体が大きく倒れ込むことがなく充分なシール性が確保される。
【0018】
本発明のウエザストリップは、車体側面のドア開口に限らず、車体の他の開口部にも適用され得る。図3は自動車の車体後部のトランクルームに適用した実施形態を示すもので、ウエザストリップ5Aは、トランクルーム3の周壁31の内周に沿って立設したフランジ32にその上から取付けられる。図において、右が車外側、左が室内側である。
【0019】
ウエザストリップ5Aは、フランジ32を覆うように上方からフランジ32に嵌着せしめて取付けられる。ウエザストリップ5Aは、逆U字形をなす取付基部51の頂面から上方へシール部52が膨出している。他の構造は実質的に上記ウエザストリップ5と同じであって、同一部分は同一符号で示す。
【0020】
トランクリッド4が閉じられるとき、その外周部内面によりシール部52が押付けられる。この場合、シール部52は図1(A)に示すウエザストリップ5と同様に撓み変形し、同一の作用効果が奏せられる。
【0021】
上記ウエザストリップ5,5Aの取付基部51はいずれも断面U字形であるが、取付基部が厚肉体で、その取付基部が車体のドア開口またはこれを開閉する開閉部材の周縁にリテーナを介して取付けられ、あるいは両面接着テープにより固着されるウエザストリップにも本発明が適用され得る。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、取付基部と取付基部から膨出する中空状のシール部を備え、取付基部、および取付基部と接続するシール部の根元部がソリッド材からなり、シール部のシール壁がスポンジ材からなるウエザストリップにおいて、ソリッド材とスポンジ材の見切り位置にバラツキが生じても、均一なシール性が発揮される。またドア閉時にシール部が相手部材により大きく押込まれても、シール部の撓み荷重は急上昇せず、ドア等の開閉部材を閉じるときに底つき感がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は図4のC−C線に沿う位置での本発明のウエザストリップの取付状態断面図、(B)はウエザストリップのシール部が相手部材により押込まれた状態を示す図である。
【図2】図4のD−D線に沿う位置での本発明のウエザストリップの取付状態断面およびシール部の変形を示す図である。
【図3】トランクルームに適用された本発明のウエザストリップの取付状態断面図である。
【図4】本発明のウエザストリップが適用される自動車の側面図である。
【図5】図4のC−C線に沿う位置での従来のウエザストリップの取付状態断面図である。
【符号の説明】
1 開口部(車体のドア開口)
2 開閉部材(ドア)
3 開口部(トランクルーム)
4 開閉部材(トランクリッド)
5,5A ウエザストリップ
51 取付基部
52 シール部
521a,521b 脚部
522a,522b 張出し部
523 シール壁
53a,53b 見切り

Claims (1)

  1. 車体の開口部(1)および該開口部(1)を開閉する開閉部材(2)の少なくとも一方の周縁に取付けられるウエザストリップであって、上記周縁に取付けられる取付基部(51)と、取付基部(51)から膨出する中空状のシール部(52)を備えたウエザストリップ(5)において、上記シール部(52)は、これに圧接する相手部材(1または2)に向けて上記取付基部(51)からこれとほぼ垂直に突出する1対の脚部(521a,521b)と、これら脚部(521a,521b)の先端からそれぞれ互いに反対方向へほぼ直角にL字状に屈曲して延出する張出し部(522a,522b)と、これら張出し部(522a,522b)の先端を円弧状につなぐシール壁(523)とからなり、上記取付基部(51)および脚部(521a,521b)を構成するゴム状弾性材のソリッド材と、上記シール壁(523)を構成するゴム状弾性材のスポンジ材との見切り(53a,53b)を、上記張出し部(522a,522b)の中間に位置せしめたことを特徴とするウエザストリップ。
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