JPH0512230U - 自動車用ウエザストリツプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車のピラー部に沿って取付けられて、ド
アガラスの垂直縁が押付けられるウエザストリップにお
いて、シール性を改善するとともに見栄えをよくするこ
とを目的とする。 【構成】 ウエザストリップ３のシール壁５５と側壁５
３とをつなぐ車外側のコーナ部５６に、シール壁５５側
および側壁５３側のいずれかの内面から突出し、シール
壁５５がドアガラス３の垂直縁にて押付けられたときに
相手側の内面に当接する突起６を形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用ウエザストリップ、特にハードトップ型自動車のピラー部に 沿って取付けられるウエザストリップに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４に示すような２ドア・ハードトップ車を例にとると、センタピラー１には これに沿って図５（Ａ）に示すようなウエザストリップ５が取付けられている。 ウエザストリップ５は一般に、センタピラー１に設けたリテーナ２に取付ける基 部５１と、断面ほぼ扇形の中空状のシール部５２を備えている。そしてシール部 ５２の外側後端がクォータウィンドガラス４の全部垂直縁またはこれに取付けた モール４０に当接し、シール部５２のシール壁５５にドアガラス３の後部垂直縁 が押付けられるようになっている。

【０００３】 ところが、シール壁５５にドアガラス３の後部垂直縁が押付けられると、図５ （Ｂ）に示すようにシール壁５５は側壁５３につながる端部から内方へ引き込ま れ、シール壁５５とドアガラス３の垂直縁の間に広い口開きβの隙間Ｃが生じる 。このため高圧洗車やホース洗車時に、水圧でシール切れが起こるおそれがあっ た。

【０００４】 そこで、シール部５２のシール壁５５と側壁５３とで形成するコーナ部５６に 、これ等の壁５３、５５を結ぶブリッヂを設けたウエザストリップが提案されて いる（実開昭６１−３０５１５号）。このブリッヂによりシール壁５５が引き込 まれるのが防がれ、従って隙間Ｃを狭くすることができる。

【０００５】 しかしながらブリッヂを設けることは次のような問題がある。即ち、この種の ウエザストリップは一般に押出成形によって製造されるのであるが、上記ブリッ ヂを設けるとコーナ部５６は細い中空部となり、このような細い中空部を有する ウエザストリップを押出成形するのは製造上の困難を伴ない、生産性がよくない 。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は、シール壁にドアガラスの垂直縁が押付けられたときに生じる 上記の隙間Ｃを従来に比べて著しく狭くすることができてシール性が改善され、 かつ生産性も良好なウエザストリップを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は図１に例示するように自動車のピラー部１に沿って取付けられ、中空 状のシール部５２を有するウエザストリップ５において、ドアガラス３の垂直縁 が押付けられるシール壁５５と、一方の側壁５３とが接続する車外側のコーナ部 ５６に、シール壁５５および側壁５３のいずれか（図例ではシール壁５５）の内 面から突出し、シール壁５５がドアガラス３の垂直縁にて押付けられたときに、 相手側の壁５３、５５（図例では側壁５３）の内面に当接する突起６を形成した ものである。

【０００８】

【実施例】

図１に本考案の第１の実施例を示す。図１（Ａ）に示すように、ハードトップ 型自動車のセンタピラー１の前側の傾斜面にはリテーナ２が固着してあり、これ にウエザストリップ５が嵌着してある。ウエザストリップ５はスポンジゴム製で 、基部５１およびシール部５２からなる。シール部５２は、基部５１から前方お よび側方へ向けて広がるように伸びる側壁５３、５４と、これ等の先端間をつな ぐシール壁５５とからなる中空状で、全体として扇形の断面形状をなしており、 両端にコーナ部５６、５７が形成されている。そして、基部５１によりリテーナ ２に嵌着される。

【０００９】 センタピラー１の外側平面部にはクォータウィンドガラス４の前部が接着剤７ で固着されている。クォータウィンドガラス４の前部垂直縁にはモール４０が取 付けてある。そしてモール４０に、ウエザストリップ５の車外側のコーナ部５６ が当接している。このコーナ部５６にはシール壁５５側の内面に、側壁５３とほ ぼ平行ないしはやや側壁５３向きの方向に突出する山型の突起６が形成してある 。このウエザストリップ５はスポンジゴム材を押出成形することにより得られる 。なお図において１０はセンタピラー１の車内側の面を覆うガーニッシュである 。

【００１０】 以上のように構成したウエザストリップ５において、図１（Ｂ）に示すように ドア閉時にシール壁５５にドアガラス３の垂直縁が押付けられると、コーナ部５ ６はシール壁５５が車内方向へ引き込まれてコーナ角が小さくなる方向に変形し ようとするが、突起６が側壁５３に当接するので変形が阻止される。そしてシー ル壁５５は、突起６のドアガラス３側の根元部分で屈曲する。従ってドアガラス ３の垂直縁端面と、これと対向するシール壁５５の面との間の隙間Ｃの口開きα は従来の口開きβ（図５）に比べ著しく狭くなり、隙間Ｃに入り込む洗車水の量 も少なく、しかもドアガラス３の垂直縁とシール壁５５との接触面積も広くなる るから、シール性が大きく改善されるのである。また、ドアガラス３の外面とコ ーナ部５６におけるシール壁５５の外面とが僅かな口開きαをおいて面一に連な るから、見栄えもよくなる。

【００１１】 図２は本考案の第２の実施例を示すものである。本実施例では、突起６の根元 部の両側では、ノッチ６１、６２が形成されてシール壁５５の他の部分よりも薄 肉となっている。従って、シール壁５５はノッチ６１、６２形成部で屈曲しやす いから、シール壁５５がドアガラス３にて押込まれたとき、突起６が突っ張って もシール壁５５の撓み荷重は上がらない。なお、突起６自体を撓みやすいリップ 状に形成することによっても、同様の効果が得られる。

【００１２】 図３は本考案の第３の実施例を示すもので、突起６は側壁５３に形成してある 。シール壁５５に突起がないので、シール壁５５のチューニング（荷重調整）が しやすく、また突起６を設けて成形した場合にその表面側に生じるスジ状のヒケ がなく見栄えがよい。

【００１３】 なお、上記実施例は、２ドア・ハードトップ車の例を示したが、本考案は４ド ア・ハードトップ車のセンタピラーに装着するウエザストリップにも適用できる 。この場合、フロント側およびリヤ側のウエザストリップを一体とした大きな扇 形のウエザストリップの各車外側のコーナ部に突起を設ければよい。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案のウエザストリップは、ドアガラス３の垂直縁がシ ール壁５５によく密着してシール性が良好であるとともに、ドアガラス３が閉じ られたときのドアガラス３まわりの見栄えもよい。

【００１５】 本考案は、ウエザストリップ５のシール部５５の内面に突起６を形成するもの であるから、押出成形上、何等の障害もなく、生産性がよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のウエザストリップの第１の実施例の取
付状態の断面およびドアガラスにて押付けられたときの
状態を示す図である。

【図２】本考案のウエザストリップの第２の実施例の要
部断面を示す図である。

【図３】本考案のウエザストリップの第３の実施例の断
面およびドアガラスにて押付けけられたときの状態を示
す図である。

【図４】本考案のウエザストリップが適用される自動車
の斜視図である。

【図５】従来のウエザストリップの図４のＶ−Ｖ線に沿
う位置での断面およびドアガラスにて押付けられたとき
の状態を示す図である。

【符号の説明】

１ ピラー部 ３ ドアガラス ５ ウエザストリップ ５２ シール部 ５３、５４ 側壁 ５５ シール壁 ５６ 車外側のコーナ部 ６ 突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハードトップ型自動車のピラー部に沿っ
   て取付けられるウエザストリップであって、断面ほぼ扇
   形で中空状のシール部を備え、ドア閉時にシール部のシ
   ール壁にドアガラスの垂直縁が押付けられるウエザスト
   リップにおいて、上記シール壁の両端部とシール部の両
   側壁とをつなぐコーナ部のうちの車外側のコーナ部に、
   シール壁および側壁のいずれかの内面から突出し、シー
   ル壁がドアガラスの垂直縁にて押付けられたときに、相
   手側の内面に当接する突起を設けたことを特徴とする自
   動車用ウエザストリップ。