JP3716860B2 - 透明性を有するディスプレイ用電磁波シールド性接着フィルム及びディスプレイ用電磁波遮蔽体の製造法並びにディスプレイ - Google Patents
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レン、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン系樹脂などのバインダー樹脂中に均一に分散される。その配合の最適量は、バインダー樹脂100重量部に対して赤外線吸収剤が0.01〜10重量部であるが、0.1〜5重量部がさらに好ましい。0.01重量部未満では赤外線遮蔽効果が少なく、10重量部を超えると透明性が損なわれる。
(実施例1)
<電磁波シールド性接着フィルム1及び電磁波遮蔽構成体1作製例>プラスチックフィルムとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績株式会社製、商品名A−4100、屈折率n=1.575)を用い、その片面に下記の赤外線吸収剤を含む接着剤層1を室温でアプリケータを用いて所定の乾燥塗布厚になるように塗布し、90℃、20分間加熱乾燥させた。その接着剤層1を介して導電性金属である厚さ12μmの電解銅箔を、その粗化面が接着剤層側になるようにして、180℃、30kgf/cm2の条件で加熱ラミネートして導電性金属付きプラスチックフィルムである銅箔付きPETフィルムを得た。得られた銅箔付きPETフィルムにケミカルエッチング法を使ったフォトリソグラフ工程(レジストフィルム貼付け−露光−現像−ケミカルエッチング−レジストフィルム剥離)を経て、ライン幅25μm、ライン間隔250μmの銅格子パターンをPETフィルム上に形成し、電磁波シールド性接着フィルム1を得た。この電磁波シールド性接着フィルム1の可視光透過率は20%以下であった。この電磁波シールド性接着フィルム1を熱プレス機を使用し市販のアクリル板(コモグラス;株式会社クラレ製商品名、厚み3mm、n=1.49)に接着剤層が形成されている面が接するようにして110℃、20Kg/cm2、15分の条件で加熱圧着し、紫外線照射装置によりPETフィルム側から3J/cm2の紫外線により接着剤層を硬化させ電磁波遮蔽構成体1を得た。接着剤層1の組成物を使用し、乾燥後の接着剤層1の厚みが20μmになるようにして作製した電磁波シールド性接着フィルム1とプラスチック板から得た電磁波遮蔽構成体1を実施例1とした。
バイロンBK−4103(東洋紡績株式会社製商品名;アクリル変性ポリエステ
ル樹脂、Mn=4万) 100重量部
SIR−159(赤外線吸収剤1:三井東圧株式会社製商品名)
0.5重量部
ベンゾフェノン(和光純薬工業株式会社製) 5重量部
トルエン 450重量部
酢酸エチル 10重量部
上記の接着剤層1の組成物の溶媒乾燥後の屈折率は1.52、200℃の溶融粘度は1500ポイズであった。
<電磁波シールド性接着フィルム2及び電磁波遮蔽構成体2作製例>厚さ25μmのPETフィルムの片面に下記の赤外線吸収剤を含む接着剤層2を室温でアプリケータを用いて塗布し、90℃、20分間加熱乾燥させた。その接着剤層2を介して厚さ25μmのアルミ箔を加熱ラミネート(130℃、20Kg/cm2)してアルミ箔付きPETフィルムを得た。このアルミ箔付きPETフィルムに実施例1の電磁波シールド性接着フィルム1及び電磁波遮蔽構成体1作製例と同様のフォトリソグラフ工程を経て、ライン幅15μm、ライン間隔125μmのアルミ格子パターンをPETフィルム上に形成した。この電磁波シールド性接着フィルム2の可視光透過率は20%以下であった。この電磁波シールド性接着フィルム2を市販のアクリル板(コモグラス;株式会社クラレ製商品名、厚み3mm)に接着剤層が形成されている面が接するように120℃、30Kgf/cm2、30分の条件で熱プレス機を使用し加熱圧着し、紫外線照射装置によりPETフィルム側から3J/cm2の紫外線を照射して接着剤層を硬化させ電磁波遮蔽構成体2を得た。
接着剤層2の組成物を使用し、乾燥後の接着剤層2の厚みが40μmになるようにして作製した電磁波シールド性接着フィルム2とプラスチック板から得た電磁波遮蔽構成体2を実施例2とした。
バイロンEP−2940(東洋紡績株式会社製商品名;エポキシ変性ポリエステ
ル樹脂、Mn=4万) 100重量部
UFP−HX(赤外線吸収剤2:住友金属鉱山株式会社製商品名;ITO、平均
粒径0.1μm) 0.4重量部
サイラキュアUVI−6970(ユニオンカーバイド日本株式会社商品名、芳香
族スルホニウム塩化合物) 5重量部
MEK 330重量部
シクロヘキサノン 15重量部
上記の接着剤層2組成物の溶媒乾燥後の屈折率は1.54、200℃の溶融粘度は1200ポイズであった。
<電磁波シールド性接着フィルム3及び電磁波遮蔽構成体3作製例>厚さ50μmのPETフィルムの片面に下記の接着剤層3を室温でアプリケータを用いて塗布し、90℃、20分間加熱乾燥させた。その接着剤層に、マスク層を用いて無電解ニッケルめっきを格子状に形成することによりライン幅10μm、ライン間隔100μm、厚さ1μmのニッケル格子パターンをPETフィルム上に形成した電磁波シールド性接着フィルム3を作製した。この電磁波シールド性接着フィルム3の可視光透過率は20%以下であった。この電磁波シールド性接着フィルム3をロールラミネータを使用し市販のアクリル板(コモグラス;株式会社クラレ製商品名、厚み3mm)に接着剤層が形成されている面が接するようにして110℃、20Kgf/cm2の条件で加熱圧着し、紫外線照射装置によりPETフィルム側から3J/cm2の紫外線を照射して接着剤層を硬化させ電磁波遮蔽構成体3を得た。接着剤層3の組成物を使用し、乾燥後の接着剤層3の厚みが5μmになるようにして作製した電磁波シールド性接着フィルム3とプラスチック板から得た電磁波遮蔽構成体3を実施例3とした。
ポリベックR−45ACR−LC(出光石油化学株式会社製商品名;アクリロイ
ル変性ポリブタジエン樹脂) 100重量部
IRG―002(赤外線吸収剤3:日本化薬株式会社株製商品名;アミニウム系
化合物) 1.2重量部
ベンゾフェノン(和光純薬工業株式会社製) 5重量部
MEK 285重量部
シクロヘキサノン 5重量部
上記の接着剤層3の組成物の溶媒乾燥後の屈折率は1.50、200℃での溶融粘度は70ポイズであった。
<電磁波シールド性接着フィルム4及び電磁波遮蔽構成体4作製例>実施例1の電磁波シールド性接着フィルム1及び電磁波遮蔽構成体1作製例において、接着剤層1の組成物からベンゾフェノンを除き、下記の接着剤層4の組成物とし、紫外線照射装置に代えて電子線照射装置を使用し、PETフィルム側から5Mrad照射して接着剤層4を硬化させ電磁波遮蔽構成体4を得た。接着剤層4の組成物を使用し、乾燥後の接着剤層4の厚みが20μmになるようにし、その他は電磁波シールド性接着フィルム1及び電磁波遮蔽構成体1と同様にして作製した電磁波シールド性接着フィルム4とプラスチック板から得た電磁波遮蔽構成体4を実施例4とした。
バイロンBK−4103(東洋紡績株式会社製商品名;アクリル変性ポリエステ
ル樹脂、Mn=4万) 100重量部
SIR−159(赤外線吸収剤1:三井東圧株式会社製商品名)
0.5重量部
トルエン 450重量部
酢酸エチル 10重量部
上記の接着剤層4の組成物の溶媒乾燥後の屈折率は1.52、200℃の溶融粘度は1500ポイズであった。
下記の接着剤層5の組成物を使用し、乾燥後の接着剤層の厚みが20μmになるようにし、その他は実施例1の電磁波シールド性接着フィルム1及び電磁波遮蔽構成体1と同様にして作製した電磁波シールド性接着フィルム5とプラスチック板から得た電磁波遮蔽構成体5を実施例5とした。
BAC45(出光石油化学株式会社製商品名;ダイレクトアクリロイル変性ポリ
ブタジエン樹脂) 100重量部
IRG―002(赤外線吸収剤3:日本化薬株式会社製商品名;アミニウム系化
合物) 1.2重量部
MEK 285重量部
シクロヘキサノン 5重量部
上記接着剤層5の組成物の溶媒乾燥後の屈折率は1.51、200℃での溶融粘度は60ポイズであった。
プラスチックフィルムをPET(50μm)フィルムからポリカーボネート(50μm、n=1.58)フィルムに、接着剤層の厚みを40μmから30μmにした以外は全て実施例2と同様にして得た電磁波遮蔽構成体6を実施例6とした。
ライン幅を10μmから30μmに、ライン間隔を100μmから500μmに、接着剤層の厚みを5μmから10μmにした以外は実施例3と同様にして得た電磁波遮蔽構成体を実施例7とした。
フォトリソグラフ工程を経てPETフィルム上に形成した銅格子パターンに黒化処理を施したこと以外は実施例1と同様にして得た電磁波遮蔽構成体8を実施例8とした。
実施例3で使用した接着剤層3の組成物のポリベックR−45ACR−LCの代わりに、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂(Mw=5万)を使用し、接着剤層7の組成物とした。活性エネルギー線の照射はせず、それ以外の条件は全て実施例3と同様にして得た電磁波遮蔽構成体を比較例2とした。接着剤層7の組成物の溶媒乾燥後の屈折率は1.73、200℃での溶融粘度は300ポイズであった。
接着剤層の厚みを20μmから5μmとし、活性エネルギー線の照射はせず、それ以外は実施例1と同様にして電磁波遮蔽構成体を作製し比較例3とした。
ライン間隔を250μmから50μmとし、活性エネルギー線の照射はせず、それ以外は実施例1と同様にして電磁波遮蔽構成体を作製し比較例4とした。
ライン幅を25μmから50μmにライン間隔を250μmから150μmとし、活性エネルギー線の照射はせず、それ以外は実施例1と同様にして電磁波遮蔽構成体を作製し比較例5とした。
接着剤層2の組成物から赤外線吸収剤を除き、活性エネルギー線の照射はせず、それ以外は実施例2と同様にして電磁波遮蔽構成体を作製し比較例6とした。
導電材料として0.1μm(1、000Å)全面蒸着させたITO蒸着PETを使用し、パターンを形成しないで、直接接着剤層1の組成物から赤外線吸収剤を除いた組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射はせず、それ以外は実施例
1と同様にして得た電磁波遮蔽構成体を比較例7とした。
接着剤としてポリジメチルシロキサン(Mw=4.5万、n=1.43)を使用し、接着剤層8の組成物とした。活性エネルギー線の照射はせず、それ以外の条件は全て実施例3と同様にして得た電磁波遮蔽構成体を比較例8とした。
であり、その後に活性エネルギー線を照射して硬化・架橋させるので耐熱性に優れていた。また、実施例8で示した銅を黒化処理した電磁波遮蔽構成体は、コントラストが大きく鮮明な画像を快適に鑑賞することができた。
2 導電性金属で描かれた幾何学図形
3 プラスチックフィルム
4 電磁波シールド性接着フィルム
5 ディスプレイの画面
6 プラスチック板
8 電磁波遮蔽構成体
9 接着剤層
Claims (8)
- プラスチックフィルムに、活性エネルギー線により硬化する接着剤層、該接着剤層への貼合せ面が粗化されている導電性材料の金属箔の順になるよう貼り合せて、該接着剤層に金属箔の貼合せ面の粗化形状が転写される工程、貼り合せた金属箔にケミカルエッチング法を使用したフォトリソグラフ法により開口率が50%以上になるようにライン幅が40μm以下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚さが40μm以下である幾何学図形を描く工程、及び、金属箔を除去して形成した幾何学図形を含む接着剤層の粗化形状が転写された面を被着体に接着する工程を含むことを特徴とする透明性を有するディスプレイ用電磁波シールド性接着フィルムの製造法。
- 金属箔を除去して形成した幾何学図形を含む接着剤層の粗化形状が転写された面を被着体に接着するに際し、赤外線遮蔽性を有する層が、その面又は該被着体に形成されている請求項1記載の透明性を有するディスプレイ用電磁波シールド性接着フィルムの製造法。
- プラスチックフィルムに、活性エネルギー線により硬化する接着剤層、該接着剤層への貼合せ面が粗化されている導電性材料の金属箔の順になるよう貼り合せて、該接着剤層に金属箔の貼合せ面の粗化形状が転写される工程、貼り合せた金属箔にケミカルエッチング法を使用したフォトリソグラフ法により開口率が50%以上になるようにライン幅が40μm以下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚さが40μm以下である幾何学図形を描く工程、及び、金属箔を除去して形成した幾何学図形を含む接着剤層の粗化形状が転写された面をガラス板に接着する工程を含むことを特徴とするディスプレイ用電磁波遮蔽体の製造法。
- 金属箔を除去して形成した幾何学図形を含む接着剤層の粗化形状が転写された面をガラス板に接着するに際し、赤外線遮蔽性を有する層が、その面又は該ガラス板に形成されている請求項3記載のディスプレイ用電磁波遮蔽体の製造法。
- プラスチックフィルムに、活性エネルギー線により硬化する接着剤層、該接着剤層への貼合せ面が粗化されている導電性材料の金属箔の順になるよう貼り合せて、該接着剤層に金属箔の貼合せ面の粗化形状が転写される工程、貼り合せた金属箔にケミカルエッチング法を使用したフォトリソグラフ法により開口率が50%以上になるようにライン幅が40μm以下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚さが40μm以下である幾何学図形を描く工程、及び、金属箔を除去して形成した幾何学図形を含む接着剤層の粗化形状が転写された面をプラスチック板に接着する工程を含むことを特徴とするディスプレイ用電磁波遮蔽体の製造法。
- 金属箔を除去して形成した幾何学図形を含む接着剤層の粗化形状が転写された面をプラスチック板に接着するに際し、赤外線遮蔽性を有する層が、その面又は該プラスチック板に形成されている請求項5記載のディスプレイ用電磁波遮蔽体の製造法。
- プラスチックフィルムに、活性エネルギー線により硬化する接着剤層、該接着剤層への貼合せ面が粗化されている導電性材料の金属箔の順になるよう貼り合せて、該接着剤層に金属箔の貼合せ面の粗化形状が転写される工程、貼り合せた金属箔にケミカルエッチング法を使用したフォトリソグラフ法により開口率が50%以上になるようにライン幅が40μm以下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚さが40μm以下である幾何学図形を描く工程、及び、金属箔を除去して形成した幾何学図形を含む接着剤層の粗化形状が転写された面をディスプレイに接着する工程を含む方法により製造されたディスプレイ。
- 金属箔を除去して形成した幾何学図形を含む接着剤層の粗化形状が転写された面をディスプレイに接着するに際し、赤外線遮蔽性を有する層が、その面又は該ディスプレイに形成されている請求項7記載のディスプレイ。
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