JP2002335095A - 電磁波シールド性接着フィルム、電磁波遮蔽構成体及びディスプレイの製造法 - Google Patents

電磁波シールド性接着フィルム、電磁波遮蔽構成体及びディスプレイの製造法

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JP2002335095A
JP2002335095A JP2002043205A JP2002043205A JP2002335095A JP 2002335095 A JP2002335095 A JP 2002335095A JP 2002043205 A JP2002043205 A JP 2002043205A JP 2002043205 A JP2002043205 A JP 2002043205A JP 2002335095 A JP2002335095 A JP 2002335095A
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JP
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electromagnetic wave
wave shielding
adhesive film
adhesive
film
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Application number
JP2002043205A
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English (en)
Inventor
Toshishige Uehara
寿茂 上原
Hiroyuki Hagiwara
裕之 萩原
Minoru Tosaka
実 登坂
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Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波シールド性、透明性、非視認性および
良好な接着特性を有する電磁波シールド性接着フィルム
を提供する。 【解決手段】 透明基板の上に接着剤層が積層されてお
り、この接着剤層に幾何学図形の導電層が埋設されてな
る電磁波シールド性接着フィルム。この電磁波シールド
性接着フィルムをプラスチック板と構成し電磁波遮蔽構
成体とする。そして電磁波シールド性接着フィルムまた
は電磁波遮蔽構成体をCRT、PDP、液晶、ELなどのディス
プレイ前面に用いたディスプレイ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はCRT、PDP(プ
ラズマ)、液晶、ELなどのディスプレイ前面から発生
する電磁波のシールド性を有する電磁波シールド性接着
フィルム並びにその電磁波シールド性接着フィルムを用
いた電磁波遮蔽構成体及びディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】近年各種の電気設備や電子応用設備の利
用が増加するのに伴い、電磁気的なノイズ妨害も増加の
一途をたどっている。ノイズは大きく分けて伝導ノイズ
と放射ノイズに分けられ、伝導ノイズの対策としては、
ノイズフィルタなどを用いる方法がある。一方、放射ノ
イズの対策としては、電磁気的に空間を絶縁する必要が
あるため、筐体を金属体または高導電体にするとか、回
路基板と回路基板の間に金属板を挿入するとか、ケーブ
ルを金属箔で巻き付けるなどの方法が取られている。こ
れらの方法では、回路や電源ブロックの電磁波シールド
効果を期待できるが、CRT、PDPなどのディスプレ
イ前面より発生する電磁波シールド用途としては、不透
明であるため適用できなかった。
【0003】電磁波シールド性と透明性を両立させる方
法として、透明性基材上に金属または金属酸化物を蒸着
して薄膜導電層を形成する方法(特開平1−27880
0号公報、特開平5−323101号公報参照)が提案
されている。一方、良導電性繊維を透明基材に埋め込ん
だ電磁波シールド材(特開平5−327274号公報、
特開平5−269912号公報参照)や金属粉末等を含
む導電性樹脂を透明基板上に直接印刷した電磁波シール
ド材料(特開昭62−57297号公報、特開平2−5
2499号公報参照)、さらには、厚さが2mm程度の
ポリカーボネート等の透明基板上に透明樹脂層を形成
し、その上に無電解めっき法により銅のメッシュパター
ンを形成した電磁波シールド材料(特開平5−2838
89号公報参照)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電磁波シールド性と透
明性を両立させる方法として、特開平1−278800
号公報、特開平5−323101号公報に示されている
透明性基材上に金属または金属酸化物を蒸着して薄膜導
電層を形成する方法は、透明性が達成できる程度の膜厚
(数100Å〜2、000Å)にすると導電層の表面抵
抗が大きくなりすぎるため、30MHz〜1GHzで要
求される30dB以上のシールド効果に対して20dB
以下と不十分であった。良導電性繊維を透明基材に埋め
込んだ電磁波シールド材(特開平5−327274号公
報、特開平5−269912号公報)では、30MHz
〜1GHzの電磁波シールド効果は40〜50dBと十
分大きいが、電磁波漏れのないように導電性繊維を規則
配置させるために必要な繊維径が35μmと太すぎるた
め、繊維が見えてしまい(以後視認性という)ディスプ
レイ用途には適したものではなかった。また、特開昭6
2−57297号公報、特開平2−52499号公報の
金属粉末等を含む導電性樹脂を透明基板上に直接印刷し
た電磁波シールド材料の場合も同様に、印刷精度の限界
からライン幅は、100μm前後となり視認性が発現す
るため適したものではなかった。さらに特開平5−28
3889号公報に記載の厚さが2mm程度のポリカーボ
ネート等の透明基板上に透明樹脂層を形成し、その上に
無電解めっき法により銅のメッシュパターンを形成した
シールド材料では、無電解めっきの密着力を確保するた
めに、透明基板の表面を粗化する必要がある。この粗化
手段として、一般にクロム酸や過マンガン酸などの毒性
の高い酸化剤を使用しなければならず、この方法は、A
BS以外の樹脂では、満足できる粗化を行うことは困難
となる。この方法により、電磁波シールド性と透明性は
達成できたとしても、透明基板の厚さを小さくすること
は困難で、フィルム化の方法としては適していなかっ
た。さらに透明基板が厚いと、ディスプレイに密着させ
ることができないため、そこから電磁波の漏洩が大きく
なる。また製造面においては、シールド材料を巻物等に
することができないため嵩高くなることや自動化に適し
ていないために製造コストがかさむという欠点もあっ
た。ディスプレイ前面から発生する電磁波のシールド性
については、30MHz〜1GHzにおける30dB以
上の電磁波シールド機能の他に、ディスプレイ前面より
発生する900〜1、100nmの赤外線はリモートコ
ントロールで操作する他のVTR機器等に悪影響を及ぼ
すため、これを遮蔽する必要がある。この他にも良好な
可視光透過性、さらに可視光透過率が大きいだけでな
く、電磁波の漏れを防止するためディスプレイ面に密着
して貼付けられる接着性、シールド材の存在を肉眼で確
認することができない特性である非視認性も必要とされ
る。接着性についてはガラスや汎用ポリマー板に対し比
較的低温で容易に貼付き、長期間にわたって良好な密着
性を有することが必要である。しかし、電磁波シールド
性、赤外線遮蔽性、透明性・非視認性、接着性等の特性
を同時に十分満たす接着フィルムとしては、これまで満
足なものは得られていなかった。本発明は、電磁波シー
ルド性、透明性、非視認性および良好な接着特性を有す
る電磁波シールド性接着フィルム、その電磁波シールド
性接着フィルムを用いた電磁波遮蔽構成体及びディスプ
レイを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、次のものに関
する。 (1) 透明基材の上に接着剤層が積層されており、こ
の接着剤層に幾何学図形の導電層がその上面を露出する
ように埋設されてなる電磁波シールド性接着フィルム。 (2) 接着剤が加熱または加圧により流動するもので
あり、その軟化温度が200℃以下である(1)に記載
の電磁波シールド性接着フィルム。 (3) 接着剤の屈折率が1.40〜1.70の範囲に
ある(1)又は(2)に記載の電磁波シールド性接着フ
ィルム。 (4) 接着剤層の幾何学図形の導電層が埋設されてい
ない部分の厚さが導電層の厚さ以上である(1)〜
(3)のいずれかに記載の電磁波シールド性接着フィル
ム。 (5) 導電層の幾何学図形の開口率が50%以上であ
る(1)〜(4)のいずれかに記載の電磁波シールド性
接着フィルム。 (6) 幾何学図形の導電層のライン幅が40μm以
下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚さが40μ
m以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の電磁波
シールド性接着フィルム。 (7) 透明基材とは反対側の表面にさらに剥離可能な
保護フィルムが積層されてなる(1)〜(6)のいずれ
かに記載の電磁波シールド性接着フィルム。 (8) (1)ないし(7)のいずれかに記載の電磁波
シールド性接着フィルムを用いた電磁波遮蔽構成体。 (9) (1)ないし(7)のいずれかに記載の電磁波
シールド性接着フィルムを用いた電磁波シールド性ディ
スプレイ。 (10) (8)に記載の電磁波遮蔽体を用いた電磁波
シールド性ディスプレイの製造法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用する透明基材は、プ
ラスチック板、ガラス板等であっても良いが、可とう性
のあるものが好ましく、例えば、プラスチックフィルム
を使用することが好ましい。プラスチックフィルムとし
ては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、EVAなどのポリ
オレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンな
どのビニル系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、アク
リル樹脂などのプラスチックからなるものがある。透明
基材は、全可視光透過率が70%以上で厚さが1mm以
下のものが好ましい。透明基材は単層で使うこともでき
るが、2層以上を組み合わせて多層体として使用しても
よい。前記プラスチックフィルムのうち透明性、耐熱
性、取り扱いやすさ、価格の点からポリエチレンテレフ
タレートフィルムまたはポリカーボネートフィルムが好
ましい。透明基材の厚さは、特にプラスチックフィルム
の厚さは、5〜500μmが好ましい。5μm未満にな
ると取り扱い性が悪くなる傾向があり、500μmを超
えると可視光の透過率が低下してくる傾向がある。透明
基材の厚さは、特にプラスチックフィルムの厚さは、1
0〜200μmとすることがより好ましい。
【0007】本発明で用いる接着剤の屈折率は1.40
〜1.70のものを使用することが好ましい。これは本
発明で使用するプラスチックフィルム等の透明基材と接
着剤の屈折率との関係で、その差を小さくして、可視光
透過率が低下するのを防ぐためであり、屈折率が1.4
0〜1.70であると可視光透過率の低下が少なく良好
である。
【0008】本発明で用いられる接着剤は、また、加熱
または加圧により流動する接着剤であることが好まし
く、特に、200℃以下の加熱または1Kgf/cm
以上の加圧により流動性を示す接着剤であることが好ま
しい。このような接着剤を用いることにより、この接着
剤の層に導電層が埋設されている本発明おける電磁波シ
ールド性接着フィルムを被着体であるディスプレイやプ
ラスチック板に接着剤層を流動させて接着することがで
きる。流動できるので電磁波シールド性接着フィルムを
被着体にラミネートや加圧成形、特に加圧成形により、
また曲面、複雑形状を有する被着体にも容易に接着する
ことができる。このためには、接着剤の軟化温度が20
0℃以下であると好ましい。電磁波シールド性接着フィ
ルムの用途から、使用される環境が通常80℃未満であ
るので接着剤層の軟化温度は、80℃以上が好ましく、
加工性から80〜120℃が最も好ましい。軟化温度
は、粘度が1012ポイズ以下になる温度のことで、通常
その温度では1〜10秒程度の時間のうちに流動が認め
られる。
【0009】上記のような加熱または加圧により流動す
る接着剤としては、主に以下に示す熱可塑性樹脂が代表
的なものとしてあげられる。たとえば天然ゴム(屈折率
n=1.52)、ポリイソプレン(n=1.521)、ポリ−1,2−
ブタジエン(n=1.50)、ポリイソブテン(n=1.505〜1.5
1)、ポリブテン(n=1.513)、ポリ−2−ヘプチル−1,
3−ブタジエン(n=1.50)、ポリ−2−t−ブチル−1,
3−ブタジエン(n=1.506)、ポリ−1,3−ブタジエン
(n=1.515)などの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン(n=
1.456)、ポリオキシプロピレン(n=1.450)、ポリビニル
エチルエーテル(n=1.454)、ポリビニルヘキシルエーテ
ル(n=1.459)、ポリビニルブチルエーテル(n=1.456)など
のポリエーテル類、ポリビニルアセテート(n=1.467)、
ポリビニルプロピオネート(n=1.467)などのポリエステ
ル類、ポリウレタン(n=1.5〜1.6)、エチルセルロース(n
=1.479)、ポリ塩化ビニル(n=1.54〜1.55)、ポリアクリ
ロニトリル(n=1.52)、ポリメタクリロニトリル(n=1.5
2)、ポリスルホン(n=1.633)、ポリスルフィド(n=1.6)、
フェノキシ樹脂(n=1.5〜1.6)、ポリエチルアクリレート
(n=1.469)、ポリブチルアクリレート(n=1.466)、ポリ−
2−エチルヘキシルアクリレート(n=1.463)、ポリ−t
−ブチルアクリレート(n=1.464)、ポリ−3−エトキシ
プロピルアクリレート(n=1.465)、ポリオキシカルボニ
ルテトラメチレン(n=1.465)、ホ゜リメチルアクリレー
ト(n=1.472〜1.480)、ポリイソプロピルメタクリレート
(n=1.473)、ポリドデシルメタクリレート(n=1.474)、ポ
リテトラデシルメタクリレート(n=1.475)、ポリ−n−
プロピルメタクリレート(n=1.484)、ポリ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(n=1.48
4)、ポリエチルメタクリレート(n=1.485)、ポリ−2−
ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート(n=1.48
7)、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート(n
=1.489)、ポリメチルメタクリレート(n=1.489)などのポ
リ(メタ)アクリル酸エステルが使用可能である。これ
らのアクリルポリマーは必要に応じて、2種以上共重合
してもよいし、2種類以上をブレンドして使用すること
も可能である。
【0010】さらにアクリル樹脂とアクリル以外との共
重合樹脂としてはエポキシアクリレート(n=1.48〜1.6
0)、ウレタンアクリレート(n=1.5〜1.6)、ポリエーテル
アクリレート(n=1.48〜1.49)、ポリエステルアクリレー
ト(n=1.48〜1.54)なども使うこともできる。特に接着性
の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシ
アクリレートとしては、1、6−ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、
レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグ
リシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグ
リシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエー
テル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポ
キシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有する
ポリマーは接着性向上に有効である。これらの共重合樹
脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。こ
れらの接着剤となるポリマーの軟化温度は、取扱い性か
ら200℃以下が好適で、150℃以下がさらに好まし
い。電磁波シールド性接着フィルムの用途から、使用さ
れる環境が通常80℃以下であるので接着剤層の軟化温
度は、加工性から80〜120℃が最も好ましい。一
方、ポリマーの重量平均分子量(ゲルパーミエーション
クロマトグラフィーによる標準ポリスチレンの検量線を
用いて測定したもの、以下同様)は、500以上のもの
を使用することが好ましい。分子量が500以下では接
着剤組成物の凝集力が低すぎるために被着体への密着性
が低下するおそれがある。本発明で使用する接着剤には
必要に応じて、希釈剤、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、
着色剤、紫外線吸収剤や粘着付与剤などの添加剤を配合
してもよい。接着剤の層の厚さは、10〜80μmであ
ることが好ましく、導電層の厚さ以上で20〜50μm
とすることが特に好ましい。
【0011】本発明における導電層の材料は、導電性金
属、導電性ペースト等が使用されるが、導電性金属が特
に好ましい。導電性金属としては、銅、アルミニウム、
ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、タングステン、ク
ロム、チタンなどの金属、あるいはそれらの金属の2種
以上を組み合わせた合金を使用することができる。導電
性や回路加工の容易さ、価格の点から銅、アルミニウム
またはニッケルが適しており、金属箔、めっき金属、蒸
着などの真空下で形成される金属が使われる。導電層の
厚さは、0.5〜40μmが好ましい。40μmを超え
ると、細かいライン幅の形成が困難であったり、視野角
が狭くなる。また厚さが0.5μm未満では、表面抵抗
が大きくなり、電磁波シールド効果が劣る傾向にある。
加工性、電磁波シールド性の観点から1〜20μmがさ
らに好ましい。
【0012】導電性金属が銅であり、少なくともその表
面が黒化処理されたものであると、コントラストが高く
なり好ましい。また導電性金属が経時的に酸化され退色
されることが防止できる。黒化処理は、幾何学図形の形
成前又は形成後に行えばよいが、形成後に行うことが好
ましい。その手法は、プリント配線板分野で行われてい
る通常の方法を用いて行うことができる。例えば、亜塩
素酸ナトリウム(31g/l)、水酸化ナトリウム(1
5g/l)、燐酸三ナトリウム(12g/l)の水溶液
中、95℃で2分間処理することにより行うことができ
る。また、導電性金属が、ニッケル、鉄、ステンレス、
チタン等の常磁性金属であると、磁場シールド性に優れ
るために好ましい。導電性金属を前記透明基材に密着さ
せる方法としては、前記した接着剤層を介して導電性金
属の箔又はフィルムを貼り合わせられるのが最も簡便で
ある。導電性金属の導電層の厚みを小さくする必要があ
る場合は、接着剤層の上に、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレート法、化学蒸着法、無電解・電気め
っき法などの薄膜形成技術のうちの1または2以上の方
法を組み合わせることにより達成できる。導電性金属の
厚みは40μm以下とすることが好ましく、厚みが薄い
ほどディスプレイの視野角が広がり電磁波シールド材料
として好ましく、18μm以下とすることがさらに好ま
しい。
【0013】本発明の導電層で描かれた幾何学図形は、
正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正
方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形などの四角
形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、
(正)二十角形などの(正)n角形(nは正の整数)、
円、だ円、星型などを組み合わせた模様であり、これら
の単位の単独の繰り返し、あるいは2種類以上組み合わ
せで使うことも可能である。電磁波シールド性の観点か
らは三角形が最も有効であるが、可視光透過性の点から
は同一のライン幅なら(正)n角形のn数が大きいほど
開口率が上がるが、可視光透過性の点から開口率は50
%以上が必要とされる。開口率は、60%以上がさらに
好ましい。開口率は、電磁波シールド性接着フィルムの
有効面積に対する有効面積から導電性金属で描かれた幾
何学図形の導電性金属の面積を引いた面積の比の百分率
である。ディスプレイ画面の面積を電磁波シールド性接
着フィルムの有効面積とした場合、その画面が見える割
合となる。
【0014】また、導電性金属上にめっきを施すことに
よって、さらに電磁波シールド性を向上させることがで
きる。金属めっきを施す方法として常法による電解めっ
き、無電解めっきのいずれの方法でも可能である。めっ
き金属の種類は金、銀、銅、ニッケル、アルミ等が可能
であるが、導電性、価格の点から銅、またはニッケルが
最も適している。めっき厚みの範囲は0.1〜100μ
mが適当で、0.1μm未満では導電性が不十分なた
め、十分なシールド性が発現しないおそれがある。また
めっき厚みが100μmを超えると、視野角が狭くなる
ため好ましくない。0.5〜50μmがさらに好まし
い。
【0015】このような幾何学図形を形成させる方法と
しては、前記のように透明基材に導電性金属が張り合わ
されている場合、マイクロリソグラフ法、スクリーン印
刷法、凹版オフセット印刷法等を利用してエッチングレ
ジストパターン作製した後、導電性金属をエッチングす
る方法がある。これらの方法が回路加工の精度および回
路加工の効率の点から有効である。エッチングする方法
としては、ケミカルエッチング法等がある。ケミカルエ
ッチングとは、エッチングレジストで保護された導体部
分以外の不要導体をエチング液で溶解し、除去する方法
である。エッチング液としては、塩化第二鉄水溶液、塩
化第二銅水溶液、アルカリエッチング液等がある。これ
らの中でも、低汚染性で再利用が可能な塩化第二鉄又は
塩化第二銅の水溶液が好適である。エチング液の濃度
は、被エッチング物の厚さ、処理速度にもよるが、通常
150〜250g/リットルである。また、液温は、6
0〜80℃の範囲が好ましい。被エッチング物をエッチ
ング液に暴露する方法は、エッチング液中への被エッチ
ング物の浸漬、エッチング液中の被エッチング物へのシ
ャワーリング、エッチング剤の気相中への被エッチング
物の暴露などがある。エッチング精度の安定性からはエ
ッチング液中の被エッチング物へのシャワーリングが好
ましい。
【0016】マイクロリソグラフ法を利用する方法は、
透明基材、接着剤層及び導電性金属の層を含む積層体の
導電性金属の層に活性電磁波の照射により感光する感光
層を設け、この感光層に像様露光し、現像してレジスト
像を形成し、ついで、導電性金属をエッチングして導電
性金属の幾何学的模様を形成し、最後にレジストを剥離
する方法である。マイクロリソグラフ法には、フォトリ
ソグラフ法、X線リソグラフ法、電子線リソグラフ法、
イオンビームリソグラフ法などがある。これらの中で
も、その簡便性、量産性の点からフォトリソグラフ法が
最も効率がよい。なかでも、ケミカルエッチング法を使
用したフォトリソグラフ法は、その簡便性、経済性、回
路加工精度などの点から最も好ましい。
【0017】スクリーン印刷法又は凹版オフセット印刷
法は、透明基材、接着剤及び導電性金属層を含む積層体
の導電性金属の層表面にエッチングレジストインクを印
刷し、硬化させた後エッチング処理により導電性金属の
幾何学図形を形成し、この後レジストを剥離する方法が
ある。スクリーン印刷では、メッシュに乳剤を付け乳剤
に所望のパターン穴を形成して作製されたメッシュ版、
メッシュレスメタル板に乳剤を付け、乳剤に所望のパタ
ーン穴を形成して作製されたメッシュレスメタル版等の
版を通して導電性金属層にスキージを使用してパターン
が印刷されるのが一般的である。
【0018】エッチングレジストインキとしては、硬化
物が導電性金属のエッチング処理に対して耐性を有する
ものであればよく、一般にしられたものを使用すること
ができる。エッチングレジストインキとしては、ネガ型
フォトレジスト組成物、感光性樹脂組成物、熱硬化性樹
脂組成物等がある。
【0019】ネガ型フォトレジスト組成物としては、ア
ルカリ水溶液可溶性樹脂、アミノ樹脂及び酸発生剤を含
有してなるものがあり、印刷乾燥後、紫外線、遠紫外
線、あるいはX線、電子線等の活性放射線照射を行い、
さらに必要に応じて加熱することにより硬化させること
ができる。アルカリ水溶液可溶性樹脂としてはアルカリ
水溶液に可溶な樹脂であれば特に制限はないが、フェノ
ール類とアルデヒド類とを縮合させたノボラック樹脂が
好ましい。酸発生剤としては、たとえば、ハロゲン含有
化合物、キノンジアジド化合物、スルホン酸エステル化
合物、オニウム塩が挙げられる。
【0020】これらの配合は、アルカリ水溶液可溶性樹
脂100重量部に対し、酸発生剤は5〜40重量部含有
させるのが好ましく、アミノ樹脂は3〜50重量部の割
合で含有させることが好ましい。溶剤は、通常、アルカ
リ水溶液可溶性樹脂100重量部に対して200〜20
00重量部の範囲で用いられる。溶剤としては、アセト
ン、ジエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香
族系溶剤、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセタ
ート、エチルセロソルブアセタート等のセロソルブ系溶
剤、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、プロピ
レングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールエチルエーテルアセテート、ピルビン酸メチ
ル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル等のエステ
ル系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、プ
ロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコ
ールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエ
ーテル等のアルコール系溶剤などを単独で又は2種類以
上組み合わせて用いることができる。
【0021】感光性樹脂組成物としては、バインダー樹
脂に、重合性モノマーおよび光開始剤を含むものがあ
る。バインダー樹脂としては、以下に示すものが挙げら
れる。天然ゴム、ポリイソプレン、ポリ−1、2−ブタ
ジエン、ポリイソブテン、ポリブテン、ポリ−2−ヘプ
チル−1,3−ブタジエン、ポリ−2−t−ブチル−
1、3−ブタジエン、ポリ−1、3−ブタジエンなどの
(ジ)エン類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピ
レン、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルヘキシル
エーテル、ポリビニルブチルエーテルなどのポリエーテ
ル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオネー
トなどのポリエステル類、ポリウレタン、エチルセルロ
ース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリメ
タクリロニトリル、ポリスルホン、ポリスルフィド、ポ
リエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリ
−2−エチルヘキシルアクリレート、ポリ−t−ブチル
アクリレート、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレー
ト、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート、ポリ
メチルアクリレート、ポリイソプロピルメタクリレー
ト、ポリドデシルメタクリレート、ポリテトラデシルメ
タクリレート、ポリ−n−プロピルメタクリレート、ポ
リ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレ
ート、ポリエチルメタクリレート、ポリ−2−ニトロ−
2−メチルプロピルメタクリレート、ポリ−1,1−ジ
エチルプロピルメタクリレート、ポリメチルメタクリレ
ートなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、またはこ
れらの共重合体を使用することができる。
【0022】重合性モノマーとしては、アクリルモノマ
ー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポ
リエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレートな
ども使用できる。特に支持体への密着性の点から、ウレ
タンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテ
ルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートと
しては、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ア
リルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノール
ジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステ
ル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエ
ーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテ
ル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メ
タ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレ
ートなどのように分子内に水酸基を有するポリマーは支
持体への密着性向上に有効である。これらは、汎用溶剤
に溶解させるか、または無溶剤のまま金属分散剤などと
ともに攪拌・混合して使用することができる。
【0023】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂のようなな
どが適用可能で、これらのポリマーは必要に応じて、2
種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして
使用することも可能である。これらは、通常、汎用溶剤
に溶解させるか、または無溶剤のまま金属分散剤などと
ともに攪拌・混合して使用することができる。上記感光
性樹脂組成物は、マイクロリソグラフ法を行うときの感
光層の作製にも使用することができる。
【0024】本発明で使用するこれらの組成物には必要
に応じて、分散剤のほかに、チクソトロピー性付与剤、
消泡剤、レベリング剤、希釈剤、可塑化剤、酸化防止
剤、金属不活性化剤、カップリング剤や充填剤などの添
加剤を配合してもよい。
【0025】導電性金属で描かれた幾何学図形の線幅は
40μm未満が好ましい。また、その線ピッチは100
μm以上、線厚は40μm以下の範囲とするのが好まし
い。また、幾何学図形の非視認性の観点から線幅は、3
0μm未満がより好ましく、25μm以下がさらに好ま
しい。可視光透過率の点から線ピッチは120μm以
上、線厚18μm以下がさらに好ましい。線幅は、電気
的に導通していれば、可視光透過性の観点から細い方が
好ましい。細すぎると製造が困難になる傾向があるた
め、10μm以上とされることが好ましい。線厚は、電
磁波シールド性の観点から1μm以上とされることが好
ましい。線ピッチは、大きいほど開口率は向上し、可視
光透過率は向上するが、電磁波シールド性が低下するた
め、線ピッチは1mm以下とするのが好ましい。なお、
線ピッチは、幾何学図形等の組合せで複雑となる場合、
繰り返し単位を基準として、その面積を正方形の面積に
換算してその一辺の長さを線ピッチとする。ライン間隔
は、大きいほど開口率は向上し、可視光透過率は向上す
る。前述のようにディスプレイ前面に使用する場合、開
口率は50%以上が必要であるが、60%以上がさらに
好ましい。ライン間隔が大きくなり過ぎると、電磁波シ
ールド性が低下するため、ライン幅は1000μm(1
mm)以下とするのが好ましい。なお、ライン間隔は、
幾何学図形等の組合せで複雑となる場合、繰り返し単位
を基準として、その面積を正方形の面積に換算してその
一辺の長さをライン間隔とする。
【0026】本発明おいて、幾何学的図形を有する導電
層は、導電ペーストを接着剤の層にスクリーン印刷法、
凹版オフセット印刷法等の印刷法により直接描いても良
い。
【0027】導電層を接着剤層に埋設する方法として
は、前記のように透明基材、接着剤層及び幾何学的図形
の導電層を含む積層体を加熱プレス、ロールラミネータ
ーのロール間を通過させる方法等により加熱加圧する方
法がある。このときの条件としては温度が20〜200
℃の範囲で、圧力が0.1〜40Kgf/cm範囲か
ら適宜好適条件を選択することが好ましい。時間は30
秒以上であればよい。さらに好ましい条件としては、6
0〜150℃の範囲で、圧力が1〜10Kgf/cm
範囲から選択され、時間は60秒以上であればよい。
【0028】本発明における電磁波シールド性接着フィ
ルムには、赤外線吸収剤を介在させることができる。赤
外線吸収剤として、酸化鉄、酸化セリウム、酸化スズや
酸化アンチモンなどの金属酸化物、またはインジウム−
スズ酸化物(以下ITO)、六塩化タングステン、塩化
スズ、硫化第二銅、クロム−コバルト錯塩、チオール−
ニッケル錯体またはアミニウム化合物、ジイモニウム化
合物(日本化薬株式会社製商品名)またはアントラキノ
ン系(SIR−114)、金属錯体系(SIR−12
8、SIR−130、SIR−132、SIR−15
9、SIR−152、SIR−162)、フタロシアニ
ン系(SIR−103)(以上、三井東圧化学株式会社
製商品名)などの有機系赤外線吸収剤などが挙げられ
る。赤外線吸収剤は、上記接着剤層中に含有させること
が好ましい。この他にバインダー樹脂中に分散させた組
成物を接着剤として透明基材上に形成した加熱または加
圧により流動する接着剤層の面に塗布したり、プラスチ
ックの面に直接塗布しさらにその上に加熱または加圧に
より流動する接着剤層を形成したり、透明基材に形成し
た接着剤層の面と反対側のフィルム背面に塗布すること
もできる。また、予め透明基材中に赤外線吸収剤を含有
させた透明基材を使用することもできる。これらの赤外
線吸収性化合物のうち、最も効果的に赤外線を吸収する
効果があるのは、硫化第二銅、ITO、アミニウム化合
物、ジイモニウム化合物や金属錯体系などの赤外線吸収
剤である。有機系赤外線吸収剤以外の赤外線吸収剤の場
合、これらの化合物の一次粒子の粒径に注意する必要が
ある。粒径が赤外線の波長より大きすぎると遮蔽効率は
向上するが、粒子表面で乱反射が起き、ヘイズが増大す
るため透明性が低下する。一方、粒径が赤外線の波長に
比べて短かすぎると遮蔽効果が低下する。好ましい粒径
は0.01〜5μmで0.1〜3μmがさらに好まし
い。
【0029】赤外線吸収性の材料である赤外線吸収剤
は、バインダー樹脂として、例えば、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノ
ボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ系樹脂、ポリイ
ソプレン、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリイソブテ
ン、ポリブテンなどのジエン系樹脂、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、t−ブチルアクリレートなどからなるポリアクリ
ル酸エステル共重合体、ポリビニルアセテート、ポリビ
ニルプロピオネートなどのポリエステル系樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、EVAなどの
ポリオレフィン系樹脂などのバインダー樹脂中に均一に
分散される。その配合の最適量は、バインダー樹脂10
0重量部に対して赤外線吸収剤が0.01〜10重量部
であるが、0.1〜5重量部がさらに好ましい。0.0
1重量部未満では赤外線遮蔽効果が少なく、10重量部
を超えると透明性が損なわれる。
【0030】接着剤層中に、上記の赤外線吸収剤を含有
させた接着剤層は透明基材の片面に形成され、さらにそ
の接着剤層の面に導電性金属が被覆されると好ましい。
また、前述したように、赤外線吸収剤を含有した組成物
を透明基材面に形成し、その上に加熱または加圧により
流動する接着剤層(赤外線吸収剤を含有または含有して
なくても良い)を形成してもよいし、透明基材面に接着
剤層を形成し、その上に赤外線吸収剤を含有した組成物
を形成しても良い。さらに、電磁波シールド性接着フィ
ルムの導電性金属の反対側の面に形成しても良い。ま
た、電磁波シールド性接着フィルムとプラスチック板か
ら構成された電磁波遮蔽構成体のいずれかの層に形成し
ても良い。例えば、1枚の電磁波シールド性接着フィル
ムと1枚のプラスチック板から構成された電磁波遮蔽構
成体であれば、電磁波シールド性接着フィルムの面A、
電磁波シールド性接着フィルムとプラスチック板の間の
面B、プラスチック板の面Cのいずれの面に形成しても
良い。この場合、赤外線吸収剤を含有した組成物は、こ
れを直接上記のA,B,Cの少なくとも一つの面に形成
しても良い。赤外線吸収剤を含有した層が少なくとも1
層は必要であり、それ以外の層は赤外線吸収剤を含有し
てなくても良い。赤外線吸収剤を含有した層は、接着性
を有していた方が、作業性や加工性が容易となり好まし
い。具体的には、電磁波シールド性接着フィルムの接着
剤層面またはフィルム背面に0.1〜10μmの厚さで
塗布される。塗布された、赤外線吸収性の化合物を含む
組成物は熱や紫外線を使用して硬化させてもよい。一
方、赤外線吸収剤は上述した加熱または加圧により流動
する接着剤層の接着剤組成物に直接混合して使うことも
可能である。その際の添加量は接着剤の主成分となるポ
リマー100重量部に対して効果と透明性から、0.0
1〜5重量部が最適である。
【0031】透明基材の上に接着剤層が積層されてお
り、この接着剤層に幾何学図形の導電層が埋設されてな
る本発明おける電磁波シールド性接着フィルムの表面に
は、剥離可能な保護フィルムを積層してもよい。このよ
うなフィルムとしては前記したプラスチックフィルムの
なかから適宜選択して使用される。このフィルムの接着
剤層に向かう面には剥離処理が施されていてもよい。剥
離処理としては、シリコーンポリマー等の離型剤を塗布
する方法がある。保護フィルムの積層は前記した加熱加
圧の条件と同様に行うことができる。また、別個に接着
剤を使用して保護フィルムを張り合わせてもよい。この
ときの接着剤としては、前記したのと同様のものが使用
できる。
【0032】透明基材の上に接着剤層が積層されてお
り、この接着剤層に幾何学図形の導電層が埋設されてな
る本発明おける電磁波シールド性接着フィルムは、ガラ
ス板、プラスチック板等の別の基板に張り合わせて、電
磁波遮蔽体とすることができる。このとき、別の基板と
本発明おける電磁波シールド性接着フィルムをそのまま
積層して、加圧してもよい。加圧条件は前記したのと同
様である。また、別の基板と電磁波シールド性接着フィ
ルムの向かいあう面の少なくとも一方の表面に別個に接
着剤を使用して保護フィルムを張り合わせてもよい。こ
のときの接着剤としては、前記したのと同様のものが使
用できる。このときの接着方法としては、プレス機を使
用してもラミネーターを使用してもよい。また、上記の
電磁波シールド性接着フィルムが保護フィルムを有する
ときは、この保護フィルムをはがした後、又は剥がしつ
つ上記のように張り合わせて電磁波遮蔽体とすることが
できる。また、別の基板の代わりにディスプレイ表面に
直接張り合わせてもよい。
【0033】前記のプラスチック板の材質としては、具
体的には、ポリスチレン樹脂(n=1.59)、アクリル樹脂(n
=1.49)、ポリメチルメタクリレート樹脂(n=1.49)、ポリ
カーボネート樹脂(n=1.58)、ポリ塩化ビニル樹脂(n=1.5
4)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(n=1.6〜1.63)、ポリエチ
レン樹脂(n=1.51)、ポリプロピレン樹脂(n=1.50)、ポリ
アミド樹脂(n=1.52)、ポリアミドイミド樹脂(n=1.5)、
ポリエーテルイミド樹脂(n=1.5)、ポリエーテルケトン
樹脂(n=1.45)、ポリアリレート樹脂(n=1.5〜1.6)、ポリ
アセタール樹脂(n=1.5〜1.6)、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂(n=1.57)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(n
=1.58)などの熱可塑性ポリエステル樹脂、酢酸セルロー
ス樹脂(n=1.49)、フッ素樹脂(n=1.4〜1.5)、ポリスルホ
ン樹脂(n=1.63)、ポリエーテルスルホン樹脂(n=1.45〜
1.6)、ポリメチルペンテン樹脂(n=1.45〜1.6)、ポリウ
レタン樹脂(n=1.45〜1.6)、フタル酸ジアリル樹脂(n=1.
45〜1.6)などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げれれ
る。これらの中でも透明性に優れるポリスチレン樹脂、
アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂、ポリメチルペンテン樹脂が好適に用
いられる。本発明で使用するプラスチック板の厚みは、
0.5mm〜5mmがディスプレイの保護や強度、取扱
性から好ましい。
【0034】図1は、本発明の電磁波シールド性接着フ
ィルムの一例を示す断面図である。図1において、透明
基材1の上に接着剤2の層が形成されており、この接着
剤2の層に幾何学図形の導電層3が埋設されている。
【0035】本発明の電磁波シールド性接着フィルム
は、幾何学図形を有する導電層、接着剤層及び透明基材
から基本的に構成される。導電層は金属箔の使用が特に
好ましく、この場合接着性向上のため金属箔の面を粗化
形状にすることが多く、幾何学図形を形成すると、除去
された金属部分は、接着層にその粗化形状を転写して金
属と接している接着剤層の部分に粗化形状が転写されて
しまい可視光線がそこで散乱されてしまうので光線透過
率が低下し透明性が損なわれる。また、透明基材におい
ても、フィルムの成形加工性向上のため微量のフィラー
を添加しフィルム表面に凹凸を付与しフィルム巻き取り
時のフィルム同士の滑りを良くして巻き取り性を向上さ
せたり、フィルム表面に接着剤との接着性向上のためマ
ット加工等の粗化処理をされることがある。このよう
に、接着剤層の導電層(特に金属箔)が除去された部分
や透明基材自体は密着性向上等のために意図的に凹凸を
有していたり、導電層(特に金属箔)の背面形状を転写
したりするためにその表面で光が散乱され、透明性が損
なわれるが、本発明の接着剤層は透明基材の凹凸面を埋
めその凹凸面に透明基材と屈折率が近い樹脂が平滑に塗
布されると乱反射が最小限に押さえられ、また導電層
(特に金属箔)の粗化形状の転写は、接着剤層が流動す
ることにより解消され被着体の表面形状に沿って流動す
るので透明性が発現するようになると考えられる。さら
に透明基材上の導電性材料で形成された幾何学図形は、
ライン幅が非常に小さいため肉眼で視認されない。また
ライン間隔も十分に大きいため見掛け上透明性を発現す
ると考えられる。一方、遮蔽すべき電磁波の波長に比べ
て、幾何学図形のライン間隔は十分に小さく、優れたシ
ールド性を発現すると考えられる。
【0036】
【実施例】次に実施例に於いて本発明を具体的に述べる
が、本発明はこれに限定されるものではない。 (実施例1)<電磁波シールド性接着フィルム1及び電
磁波遮蔽構成体1作製例>プラスチックフィルムとして
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム(東洋紡績株式会社製、商品名A−4100、
屈折率n=1.575)を用い、その片面に下記の赤外
線吸収剤を含む接着剤層1を室温でアプリケータを用い
て所定の乾燥塗布厚(厚さ20μm)になるように塗布
し、90℃、20分間加熱乾燥させた。その接着剤層1
を介して導電性金属である厚さ12μmの電解銅箔を、
その粗化面が接着剤層側になるようにして、180℃、
30Kgf/cm の条件で加熱ラミネートして導電性
金属付きプラスチックフィルムである銅箔付きPETフ
ィルムを得た。得られた銅箔付きPETフィルムにスク
リーン印刷法〔スクリーン印刷機(ニューロング精密工
業株式会社製、アライメント装置付きLS−34G
X)、ニッケル合金製メッシュレスメタル版(メッシュ
工業株式会社製、厚み50μm、パターン寸法8mm×
8mm)及びパーマレックスメタルスキージ(巴工業株
式会社輸入品)〕を利用して、銅の薄膜上にエッチング
レジスト(日立化成工業株式会社製商品名、RAYCA
ST)を、ライン幅40μm、ライン間隔250μmの
エッチングレジストを形成した。その後、200g/リ
ットルの塩化第二鉄水溶液(液温60℃)を3分間噴霧
してケミカルエッチング(エッチング速度2.0mm/
分)してライン幅25μm、ライン間隔250μmの銅
格子パターンをPETフィルム上に形成し、電磁波シー
ルド性接着フィルム1を得た。この電磁波シールド性接
着フィルム1の可視光透過率は20%以下であった。こ
の電磁波シールド性接着フィルム1を熱プレス機を使用
し、保護フィルムとして片面を剥離処理した厚さ50μ
mのPETフィルム(東セロ(株)製離型コートPE
T)の剥離面に接着剤層が形成されている面が接するよ
うにして110℃、20Kgf/cm2、15分の条件
で加熱圧着し電磁波シールド性フィルムを得た。このよ
うにして作製した電磁波シールド性接着フィルム1の保
護フィルムを剥離し、市販のアクリル板(コモグラス;
株式会社クラレ製商品名、厚み3mm、n=1.49)
と110℃、20Kgf/cm、15分の条件で加熱
圧着して張り合わせて電磁波遮蔽構成体1を得た。
【0037】<接着剤層1の組成物>500cmの温
度計、冷却管、窒素導入管を有した三つ口フラスコにト
ルエン200cm、メタクリル酸メチル(MMA)5
0g、メタクリル酸エチル(EMA)5g、アクリルアミ
ド(AM)2g、AIBN250mgを入れ、窒素でバブ
リングさせながら100℃で3時間、還流中で攪拌を行
った。その後、メタノールで再沈殿させ、得られたポリ
マーをろ過後、減圧乾燥してポリアクリル酸エステルを
合成した。この収率は75重量%であった。これを接着
剤層1の主成分とした。 ポリアクリル酸エステル(MMA/EMA/AM=88/9/3、Mw=70万) 100重量部 SIR−159(赤外線吸収剤1:三井東圧化学株式会社製商品名) 0.5重量部 トルエン 450重量部 酢酸エチル 10重量部 上記の接着剤層1の組成物の溶媒乾燥後の屈折率は1.
48、軟化点は105℃であった。
【0038】(実施例2) <電磁波シールド性接着フィルム2及び電磁波遮蔽構成
体2作製例>厚さ25μmのPETフィルムの片面に下
記の赤外線吸収剤を含む接着剤層2を室温でアプリケー
タを用いて塗布し、90℃、20分間加熱乾燥させた。
その接着剤層2(厚さ40μm)を介して厚さ25μm
のアルミ箔を加熱ラミネート(130℃、20Kg/c
)して接着させアルミ箔付きPETフィルムを得
た。このアルミ箔付きPETフィルムに実施例1と同様
のスクリーン印刷法によりライン幅40μm、ライン間
隔125μmのエッチングレジストパターンを形成し
た。その後、200g/リットルの塩化第二鉄水溶液
(液温60℃)を噴霧してケミカルエッチングして、ラ
イン幅15μm、ライン間隔125μmのアルミ格子パ
ターンをPETフィルム上に形成した。この電磁波シー
ルド性接着フィルム2の可視光透過率は20%以下であ
った。この電磁波シールド性接着フィルム1を熱プレス
機を使用し、実施例1と同じ片面を剥離処理した厚さ5
0μmのPETフィルム(保護フィルム)の剥離面に接
着剤層が形成されている面が接するようにして120
℃、30Kgf/cm、30分の条件で熱プレス機を
使用し加熱圧着して電磁波シールド性接着フィルム2を
得た。このようにして作製した電磁波シールド性接着フ
ィルム2の保護フィルムを剥離して市販のアクリル板
(コモグラス;株式会社クラレ製商品名、厚み3mm)
に接着剤層が形成されている面が接するようにして12
0℃、30Kgf/cm、30分の条件で熱プレス機
を使用し加熱圧着し電磁波遮蔽構成体2を得た。
【0039】 <接着剤層2の組成物> TBA−HME(日立化成工業株式会社製;高分子量エポキシ樹脂、Mw=30 万) 100重量部 UFP−HX(赤外線吸収剤2:住友金属鉱山株式会社製商品名;ITO、平均 粒径0.1μm) 0.4重量部 MEK 330重量部 シクロヘキサノン 15重量部 上記の接着剤層2の組成物の溶媒乾燥後の屈折率は1.
57、軟化点は79℃であった。
【0040】(実施例3) <電磁波シールド性接着フィルム3及び電磁波遮蔽構成
体3作製例>厚さ50μmのPETフィルムの片面に下
記の接着剤層3を室温でアプリケータを用いて塗布し、
90℃、20分間加熱乾燥させた。その接着剤層(厚さ
5μm)に、凹版オフセット印刷機〔ガラス版;ソーダ
ライムガラス、溝の平均深さ10μm、内部の平均表面
粗さ1μm、シリコーンポリマー離型層の厚さ0.5μ
m−ブランケット;エポキシ変性シリコーンゴム製、J
IS K 6253による硬度50度、平均表面粗さ
(Rz)0.5μm〕を使用して、ニッケルペーストを
ライン幅10μm、ライン間隔100μm、厚さ1μm
の格子パターンにPETフィルム上に印刷し、その後無
電解銅メッキを施した。これをロールラミネータを使用
し、実施例1と同じ片面を剥離処理した厚さ50μmの
PETフィルム(保護フィルム)の剥離面に接着剤層が
形成されている面が接するようにして110℃、20K
gf/cmの条件で加熱圧着して電磁波シールド性接
着フィルム3を作製した。この電磁波シールド性接着フ
ィルム3の可視光透過率は20%以下であった。この電
磁波シールド性接着フィルム3の保護フィルムを剥離
し、市販のアクリル板(コモグラス;株式会社クラレ製
商品名、厚み3mm)に接着剤層が形成されている面が
接するようにして110℃、20Kgf/cmの条件
で加熱圧着し電磁波遮蔽構成体3を得た。電磁波シール
ド性接着フィルム3を使用し、実施例2と同様にして電
磁波遮蔽構成体3を作製した。
【0041】 <接着剤層3の組成物> バイロンUR―1400(東洋紡績株式会社製商品名;飽和ポリエステル樹脂、 Mn=4万) 100重量部 IRG―002(赤外線吸収剤3:日本化薬株式会社製商品名;アミニウム系化 合物) 1.2重量部 MEK 285重量部 シクロヘキサノン 5重量部 上記の接着剤層3の組成物の溶媒乾燥後の屈折率は1.
55、軟化点は83℃であった。
【0042】(実施例4)接着剤層1の組成物の主成分
であるポリアクリル酸エステルの組成をメタクリル酸メ
チル(MMA)/メタクリル酸エチル(EMA)/アク
リルアミド(AM)=85/10/5とし、同じ条件で
合成しMw=55万のポリアクリル酸エステルを得た。
このポリアクリル酸エステル以外は同じ組成としたもの
を接着剤層4の組成とし実施例1の電磁波シールド性接
着フィルム1及び電磁波遮蔽構成体1と同様にして電磁
波シールド性接着フィルム4及び電磁波遮蔽構成体4を
作製した。接着剤層4の溶媒乾燥後の屈折率は1.4
7、軟化点は99℃であった。
【0043】(実施例5)実施例1の接着剤層1の組成
物の主成分であるポリアクリル酸エステルをポリブタジ
エンエラストマー(Poly bd R−45HT:出光石油
化学株式会社製商品名)としたものを接着剤層5の組成
物とし、それ以外の条件は実施例1と同様にして電磁波
シールド性接着フィルム5及び電磁波遮蔽構成体5を作
製した。接着剤層5の溶媒乾燥後の屈折率は1.50、
軟化点は61℃であった。
【0044】(実施例6)実施例1の接着剤層1の組成
物の主成分であるポリアクリル酸エステルをバイロン―
200(東洋紡績株式会社製商品名、Mn=15、00
0、線状飽和ポリエステル樹脂)としたものを接着剤層
6の組成物とし、それ以外の条件は実施例1と同様にし
て電磁波シールド性接着フィルム6及び電磁波遮蔽構成
体6を作製した。接着剤層6の溶媒乾燥後の屈折率は
1.55、軟化点は163℃であった。
【0045】(実施例7)プラスチックフィルムをPE
T(50μm)からポリカーボネートフィルム(50μ
m、n=1.58)に、接着剤層2の厚みを40μmか
ら30μmにした以外は実施例2と同様にして電磁波シ
ールド性接着フィルム7及び電磁波遮蔽構成体7を得
た。
【0046】(実施例8)ライン幅を10μmから30
μmに、ライン間隔を100μmから500μmに、接
着剤層の厚みを5μmから10μmにした以外は実施例
3と同様にして電磁波シールド性接着フィルム8及び電
磁波遮蔽構成体8を得た。
【0047】(実施例9)PETフィルム上に形成した
銅格子パターンに黒化処理を施したこと以外は実施例1
と同様にして電磁波シールド性接着フィルム9及び電磁
波遮蔽構成体9を得た。
【0048】(実施例10) <電磁波シールド性接着フィルム10及び電磁波遮蔽構
成体10の作製例>プラスチックフィルムとして厚さ5
0μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ム(東洋紡績株式会社製、商品名A−4100、屈折率
n=1.575)を用い、その片面に実施例1の接着剤
層1(但し、赤外線吸収剤を含まない)を室温でアプリ
ケータを用いて所定の乾燥塗布厚になるように塗布し、
90℃、20分間加熱乾燥させた。その接着剤層1を介
して導電性金属である厚さ12μmの電解銅箔を、その
粗化面が接着剤層側になるようにして、180℃、30
Kgf/cmの条件で加熱ラミネートして導電性金属
付きプラスチックフィルムである銅箔付きPETフィル
ムを得た。得られた銅箔付きPETフィルムにケミカル
エッチング法を使用したフォトリソグラフ工程(レジス
トフィルム貼付け−露光−現像−ケミカルエッチング−
レジストフィルム剥離)を経て、ライン幅25μm、ラ
イン間隔250μmの銅格子パターンをPETフィルム
上に形成し、電磁波シールド性接着フィルム1を得た。
この電磁波シールド性接着フィルム1の可視光透過率は
20%以下であった。この電磁波シールド性接着フィル
ム1を熱プレス機を使用し、実施例1と同じ片面を剥離
処理した厚さ50μmのPETフィルム(保護フィル
ム)の剥離面に接着剤層が形成されている面が接するよ
うにして110℃、20Kgf/cm、15分の条件
で加熱圧着し電磁波シールド性フィルム10を得た。こ
のようにして作製した電磁波シールド性接着フィルム1
0の保護フィルムを剥離し、市販のアクリル板(コモグ
ラス;株式会社クラレ製商品名、厚み3mm、n=1.
49)と110℃、20Kgf/cm、15分の条件
で加熱圧着して張り合わせて電磁波遮蔽構成体10を得
た。
【0049】(比較例1)導電材料として0.1μm
(1、000Å)全面蒸着させたITO蒸着PETを使
い、パターンを形成しないで、直接接着剤層1の組成物
から赤外線吸収剤を除いた組成物を塗布し、実施例1と
同様にして電磁波遮蔽構成体10を得た。
【0050】以上のようにして得られた電磁波シールド
性接着フィルムの導電性金属材料で描かれた幾何学図形
の開口率、電磁波シールド性、可視光透過率、非視認
性、赤外線遮蔽率、電磁波遮蔽構成体の加熱処理前後の
接着特性を測定した。結果を表1に示した。
【0051】なお接着剤層の組成物の屈折率は、屈折計
(株式会社アタゴ光学機械製作所製、アッベ屈折計)で
測定した。導電性金属で描かれた幾何学図形の開口率は
顕微鏡写真をもとに実測した。電磁波シールド性は、同
軸導波管変換器(日本高周波株式会社製、TWC−S−
024)のフランジ間に試料を挿入し、スペクトラムア
ナライザー(YHP製、8510Bベクトルネットワー
クアナライザー)を用い、周波数30MHz〜1GHz
で測定した。可視光透過率の測定は、ダブルビーム分光
光度計(株式会社日立製作所製、200−10型)を用
いて、400〜700nmの透過率の平均値を用いた。
非視認性は、アクリル板に電磁波シールド性接着フィル
ムを貼り付けた電磁波遮蔽構成体を0.5m離れた場所
から目視して導電性金属で形成された幾何学図形を認識
できるかどうかで評価し、認識できないものを良好と
し、認識できるものをNGとした。赤外線遮蔽率は、分
光光度計(株式会社日立製作所製、U−3410)を用
いて、900〜1、100nmの領域の赤外線吸収率の
平均値を用いた。接着力は、引張り試験機(東洋ボール
ドウィン株式会社製、テンシロンUTM−4−100)
を使用し、幅10mm、90°方向、剥離速度50mm
/分で測定した。
【0052】
【表1】
【0053】比較例1は、PETフィルムにITO(イ
ンジウム−スズ酸化物)を蒸着したものであるが、電磁
波シールド性に劣った。実施例で示した、導電性金属で
描かれた幾何学図形を有し、その開口率が50%以上
で、接着剤層に軟化温度が200℃以下、屈折率が1.
40〜1.70の範囲にあり、接着剤層の厚みが導電性
金属の厚さ以上で、赤外線吸収剤が含有されている接着
剤層がいずれも好ましい値を示した。また、導電性金属
で描かれたライン幅が、40μm以下、ライン間隔が1
00μm以上、ライン厚みが40μm以下の導電性金属
が好ましい値を示した。また、実施例9で示した銅を黒
化処理した電磁波遮蔽構成体は、コントラストが大きく
鮮明な画像を快適に鑑賞することができた。
【0054】
【発明の効果】本発明で得られる電磁波シールド性接着
フィルムは、被着体に容易に貼付けて使用でき、しかも
密着性が優れているので電磁波漏れがなくシールド機能
が特に良好である。また可視光透過率、非視認性などの
光学的特性が良好で、しかも長時間にわたって高温での
接着特性に変化が少なく良好である。本発明の電磁波シ
ールド性接着フィルム及び電磁波遮蔽構成体は、電磁波
シールド性や透明性に優れているため、ディスプレイの
他に電磁波を発生したり、あるいは電磁波から保護する
測定装置、測定機器や製造装置の内部をのぞく窓や筐
体、特に透明性を要求される窓のような部位に設けて使
用することができる。本発明おけるディスプレイは、電
磁波漏洩が少なく、しかも、軽量、コンパクトで透明性
に優れ可視光透過率が大きく、非視認性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電磁波シールド性接着フィルムの一
例示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明基材 2 接着剤層 3 幾何学図形の導電層
フロントページの続き (72)発明者 登坂 実 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 Fターム(参考) 2H048 CA05 CA12 CA19 CA21 4F100 AB10A AB17A AK01A AK01G AK42B AR00A AT00B BA02 BA10A BA10B CA30 CB03 GB41 HB00A JA04A JA04G JD08 JG01A JN01B JN18A JN18G YY00A YY00G 5E321 AA23 BB25 BB32 GG05 GG11 GH01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材の上に接着剤層が積層されてお
    り、この接着剤層に幾何学図形の導電層がその上面を露
    出するように埋設されてなる電磁波シールド性接着フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 接着剤が加熱または加圧により流動する
    ものであり、その軟化温度が200℃以下である請求項
    1に記載の電磁波シールド性接着フィルム。
  3. 【請求項3】 接着剤の屈折率が1.40〜1.70の
    範囲にある請求項1又は請求項2に記載の電磁波シール
    ド性接着フィルム。
  4. 【請求項4】 接着剤層の幾何学図形の導電層が埋設さ
    れていない部分の厚さが導電層の厚さ以上である請求項
    1〜3のいずれかに記載の電磁波シールド性接着フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 導電層の幾何学図形の開口率が50%以
    上である請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波シール
    ド性接着フィルム。
  6. 【請求項6】 幾何学図形の導電層のライン幅が40μ
    m以下、ライン間隔が100μm以上、ライン厚さが4
    0μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の電磁
    波シールド性接着フィルム。
  7. 【請求項7】 透明基材とは反対側の表面にさらに剥離
    可能な保護フィルムが積層されてなる請求項1〜6のい
    ずれかに記載の電磁波シールド性接着フィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記
    載の電磁波シールド性接着フィルムを用いた電磁波遮蔽
    構成体。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記
    載の電磁波シールド性接着フィルムを用いた電磁波シー
    ルド性ディスプレイ。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の電磁波遮蔽体を用い
    た電磁波シールド性ディスプレイの製造法。
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