JP3715056B2 - ポリエステルの解重合方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルの新規解重合法に関する。より詳細には、本発明は、酸素と水を実質的に含まない有機溶剤及び触媒にポリエステルを付すことによってポリエステルを解重合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリ(アルキレンテレフタレート)のような線状ポリエステルは周知の市販ポリマーである。これらのポリマーは、強度、靭性、高い光沢及び溶剤耐性を始めとする貴重な特性を有する。線状ポリエステルは、従来、ジカルボン酸の官能性誘導体(通例は二酸ハロゲン化物又はエステル)とジオールとの反応によって合成されてきた。さらに、上述のポリエステルは、射出成形、回転成形及び押出を始めとする幾多の周知技術によって製品へと二次加工し得る。
【0003】
近年、大環状(macrocyclic) ポリエステルオリゴマーが開発され、高分子複合材用のマトリックスとして魅力的なユニークな性質を有しているので望まれている。そうした望ましい性質は大環状ポリエステルオリゴマーが低い粘度を示すことに由来し、そのため密な繊維状プレフォームを容易に含浸できる。さらに、このような大環状ポリエステルオリゴマーは、得られるポリマーの融点を十分下回る温度で溶融し重合する。したがって、溶融流れと重合と結晶化を等温的に起こすことができ、そのため、成形用具の熱サイクルに要する時間及び経費が都合よく軽減される。
【0004】
大環状ポリエステルオリゴマーの従来公知の生産方法では、アミン触媒及び塩化テレフタロイルのような腐食性酸ハロゲン化物を用いるのが通例である。このような方法は、環境上望ましくないハロゲン化物を必要とするだけでなく、副生物のアミン塩の生成に伴う高価なリサイクル段階を必要とするので、望ましくないことが多い。その他の方法では、水素化カルシウム上での溶剤の蒸留を始めとする面倒な工程が用いられる。
【0005】
したがって、本発明は大環状ポリエステルオリゴマーの新規合成方法に関するものであり、当該方法は、酸素と水を実質的に含まない有機溶剤及び触媒にポリエステルを付す段階を含んでなる。
ポリエステルの各種の合成方法が技術文献に開示されている。本願出願人に譲渡された米国特許第5039783号では、非立体障害性アミン触媒の存在下でのジオールと二酸塩化物との縮合によって大環状ポリエステルオリゴマーが合成されている。
【0006】
また、本願出願人に譲渡された米国特許第4132707号には、線状ポリエステルを枝分れコポリエステルに変換する方法が記載されている。その方法では、ポリ(アルキレンテレフタレート)をフェノールとテトラクロロエタンの混合物及び分岐化剤成分と一緒にして、固体粒状ブレンドを生じさせる。続いて、固体粒状ブレンドを不活性ガスの存在下で加熱して所望の枝分れコポリエステルを生じさせる。
【0007】
さらに別の研究者らもポリエステルの生産に焦点を合わしている。本願出願人に譲渡された米国特許第5407984号には、スズ触媒で大環状ポリエステルオリゴマーを製造する方法が記載されている。
【0008】
【解決すべき課題】
本発明は大環状ポリエステルオリゴマーの新規製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一の態様において、大環状ポリエステルオリゴマーの新規製造方法に関する。この新規方法は、熱の存在下で
(a)ポリエステル線状分子
(b)酸素及び水を実質的に含まない有機溶剤、及び
(c)解重合触媒
を接触させる段階を含んでなる。
【0010】
本発明は、第二の態様において、大環状ポリエステルオリゴマーを製造するための連続法に関する。
さらに、本発明は、意外なことに、ポリエステル線状分子からの大環状ポリエステルオリゴマーへの変換という結果をもたらし、この変換では、約30分以内、好ましくは約20分以内、最も好ましくは約10分以内に平衡に達し、アミンも塩化テレフタロイルのような腐食性酸ハロゲン化物も使用する必要がない。
【0011】
本発明は、また意外なことに、有機溶剤に不溶性の不純物の形成という結果ももたらし、そのため、かかる不純物は所望の大環状ポリエステルオリゴマーの回収及び純度を妨害しない。さらに、本発明で観察される反応速度は従来法で観察される反応速度よりも少なくとも約5倍、好ましくは少なくとも約10倍大きく、しかもチタネート触媒を使用することができて、面倒な蒸留段階を用いる必要がない。
【0012】
解重合とは、本明細書中では、ポリエステル線状分子からそれよりも分子量の低い大環状ポリエステルオリゴマーへの変換を意味する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明において、ポリエステル線状分子はオリゴマー又はポリマーであると定義され、次式の構造単位を有する。
【0014】
【化2】
Figure 0003715056
【0015】
式中、mは2〜10であって好ましくは2〜4であり、nは20〜500、好ましくは50〜300、最も好ましくは100〜200であり、Aは単環式又は多環式二価芳香族基であって、Aが単環式のときは好ましくは1,3−又は1,4−二価芳香族基、最も好ましくは1,4−二価芳香族基である。さらに、Aが多環式二価芳香族基のときは、Aは好ましくは1,4−又は1,5−又は2,6−ナフチレン基である。さらに、ポリエステル線状分子は枝分れ側鎖を有していてもよい。
【0016】
本発明で用いられる上述のポリエステル線状分子はポリ(アルキレンジカルボキシレート)であり、通例、高分子状テレフタル酸グリコール又はイソフタル酸グリコール並びにテレフタル酸とイソフタル酸のコポリエステルを始めとするそれらの混合物からなる群のものである。本発明で用いるのに特に好ましいポリエステル線状分子は、ポリ(1,2−エチレンテレフタレート)(PET)及びポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)並びにそれらを含んでなるコポリエステルである。かかるコポリエステルは通例約25重量%未満のPETを含んでなるが、好ましくはPETを約15重量%未満しか含まない。その他の好ましいポリエステル線状分子には、ポリ(1,2−エチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)などが含まれる。
【0017】
本発明で用いられるポリエステル線状分子は市販されており、しばしばフタル酸とグリコールのエステルのアルコーリシスとそれに続いてのエステル交換触媒存在下での混合物の加熱による重合によって製造される。上述のポリエステル線状分子の合成についての説明は、本願出願人に譲渡された米国特許第4126592号に見いだすことができ、その開示内容は文献の援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0018】
本発明で用いることのできる有機溶剤は周知であって、市販されており、約110℃以上の沸点を有するものが包含される。本発明で使用し得る有機溶剤の具体例としては、クロロベンゼン、ナフタレン、トルエン、テトラメチルベンゼン、メチルナフタレン、o−ジクロロベンゼン又はこれらの混合物が挙げられる。ただし、好ましい有機溶剤はo−キシレンである。
【0019】
本発明で使用し得る触媒に関しては、使用温度で分解しないこと並びにポリエステル線状分子の解重合を増進し得ること以外には特段の制約はない。
本発明で使用し得る上述の触媒には、例えばスズ触媒又はチタネート触媒が含まれる。スズ触媒は多くは市販されており、ジアルキルスズオキシドやジアルキルスズアルコキシドのようなジアルキルスズ触媒、スタノキサン(stannoxane)並びにスピロスズ化合物のようなオルガノスズ化合物が含まれる。このようなスズ触媒は米国特許第5407984号に記載されており、その記載内容は文献の援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0020】
本発明で使用し得るチタネート化合物は多くは市販されており、例えば、2−エチルヘキシルチタネート、テトラキス−(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラブチルチタネート及びテトライソプロピルチタネートのようなアルキルチタネート、並びにチタンメトキシド、チタンエトキシド、ジイソプロポキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)のようなアルコキシチタネートなどが含まれる。その他の使用し得るチタン触媒には、米国特許出願(出願人整理番号RD−24626)に開示されているようなブタンジオールチタネートのようなチタン酸グリコールが含まれる。この米国特許出願の開示内容は文献の援用によって本願明細書の内容の一部をなす。
【0021】
溶剤の使用量に関しては、その量がポリエステル線状分子の溶解とその後の解重合という結果を生じること以外に特段の制約はない。ただし、多くの場合、得られる溶液の濃度は、ポリマー中のモノマー単位の総モル数を基準にして、約0.30M未満であり、好ましくは約0.20M未満、最も好ましくは約0.10M未満である。
【0022】
本発明で選択し得る反応温度(熱の存在)についても特段の制限はない。通例、溶剤中でポリエステル線状分子の解重合という結果をもたらす温度であればどんな温度でも使用し得る。ただし、多くの場合上記温度は約150〜約280℃から選択され、好ましくは約180℃〜約260℃、最も好ましくは約220℃を上回る温度から約250℃までの温度が選択される。
【0023】
本発明で用いる触媒の量は通常はポリエステルモノマー単位当たり約1.0〜約5.0モル%のスズであるが、好ましくはポリエステルモノマー単位当たり約2.0〜約3.0モル%のスズ又はチタネート触媒である。
本発明の実施に際して、ポリエステル線状分子を溶剤に添加してもよい。溶液の生成を促すために撹拌を用いてもよいし、反応条件が最適になるように圧力を変更することもできる。不活性ガスでの溶剤のスパージングは、触媒の添加前であればいつ行ってもよく、好ましくは加熱中に行う。スパージングを行う際の温度については、使用する溶剤の沸点よりも低いということ以外には何の制限もない。多くの場合、スパージング中の溶剤の温度は約150℃未満であり、好ましくは約100℃未満である。スパージングとは、本明細書中では、有機溶剤中に存在する酸素及び水を追い出すために溶剤に不活性ガス(好ましくは窒素)を吹き込むことを意味するものとして定義され、スパージングにより溶剤は実質的に乾燥しかつ実質的に無酸素になる。実質的に乾燥とは、本明細書中では、溶剤中に水が約50ppm以下しか存在しないことを意味するものとして定義され、溶剤中に水は好ましくは約25ppm以下、最も好ましくは約15ppm以下しか存在しない。実質的に無酸素とは、本明細書中では、ガスクロマトグラフィー分析で測定して、分子状酸素が約20ppm未満であることを意味するものとして定義され、分子状酸素は好ましくは約15ppm、最も好ましくは約10ppm未満である。触媒は固形物として混合物に添加することもできるが、溶剤と触媒からなる溶液を使用することもできる。添加の前、添加中又は添加後に、熱を供給し得る。生成溶液における平衡は通例約2時間以内に観察されるが、約5分〜約2時間で観察されることが多い。所望の大環状ポリエステルオリゴマーを生成溶液から分離するには、線状ポリエステルの沈殿が起こるように上記生成溶液を約50〜約120℃、好ましくは約60℃〜約100℃に冷却し、次いで濾過すればよい。大環状ポリエステルオリゴマーは得られる濾液を蒸発させて残留溶剤を除去することによって回収される。こうして回収される大環状ポリエステルオリゴマーは実質的に純粋であって、多くの場合約75%以上の純度、好ましくは約85%以上の純度、最も好ましくは約95以上の純度である。さらに、生成した大環状ポリエステルオリゴマーは約5.0%未満のポリエステル線状分子しか含んでおらず、好ましくは約2.0%未満、最も好ましくは約1.0%未満のポリエステル線状分子しか含んでいない。
【0024】
生成した大環状ポリエステルオリゴマー中のポリエステル線状分子濃度がこのように低いのは、例えば有機溶剤のスパージングに起因しており、スパージングによって高い温度で解重合を行うことができるようになるからである。高温での解重合によって、さらに、ポリエステル線状分子の解重合を行いながら同時にヒドロキシブチル末端オリゴマーを分解するのに好都合となる。このようなヒドロキシブチル末端オリゴマーは有機溶剤に可溶性の不純物であって、大環状ポリエステルオリゴマーの製造のときに典型的にみられる。本発明では、採用する条件が、意外なことに、有機溶剤に不溶性のカルボン酸末端オリゴマー及びテトラヒドロフラン副生物の形成という結果をもたらし、これらはいずれも、実質的に純粋な大環状ポリエステルオリゴマーの製造及び回収を妨害しない。
【0025】
本発明で用いることのできる装置に関しては、ポリエステル線状分子の解重合が可能なものであること以外には、特段の制限はない。このような目的には、ガラス製又はステンレス鋼製の混合容器/反応器を始めとする回分式反応器を用いることができる。
ただし、好ましい実施の形態では、大環状ポリエステルオリゴマーの連続生産のため、一方の端から反応体が入って反対側の端から生成物が出ていけるような管が幾つか平行に並んだものからなるようなチューブ型反応器が用いられる。このようなチューブ型反応器への熱伝達は例えば加熱ジャケットなどで達成することができ、反応器には反応体及び生成物の流れを押すポンプを装備し得る。さらに、かかる反応器に触媒ペレット又は不活性固体(そのいずれかが解重合を促す)を充填することも本発明の範囲内であり、かかる装置は反応体と溶剤のスラリーを保持し得る供給タンクを含んでいてもよい。
【0026】
最も好ましい実施の形態では、連続撹拌式タンク反応器を使用し得る。このような反応器は、直列につながった複数の撹拌式タンク反応器或いは多数の区画に分かれた単一の反応容器からなることが多い。連続撹拌式タンク反応器には加熱機構が装備されていてもよく、チューブ型反応器と同様に反応体及び生成物の流れを押しやるポンプ並びに反応体と溶剤のスラリーを保持し得る供給タンクが装備されていてもよい。
【0027】
上述のチューブ型反応器及び連続撹拌式タンク反応器は、多くの理由の中でも特に所望の大環状ポリエステルオリゴマーを連続的に生産するために使用することができ、これらの反応器については共にケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック(Chemical Engineers' Handbook)第5版、4−20から4−22頁(1973)に記載されている。その開示内容は文献の援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0028】
本発明を例示し、その理解を促すために以下の実施例を挙げる。得られた生成物は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は質量分析(マススペクトル)で確認することができ、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーで確認し得る。
【0029】
【実施例】
実施例1
磁気式撹拌機及び制御式ヒーターを備えた清浄なステンレス鋼製反応器に、600ml(522g)のo−キシレン及び7.4g(0.036モル)のPBTペレット(ポリスチレン標準試料を基準にしてMw=105000)を投入して、0.06Mのポリマー/o−キシレン溶液を調製した。この溶液を100℃に暖め、水分量が約5ppmとなるまで乾燥窒素でスパージングした。スパージングによって溶剤中の溶存酸素も除去され、反応器が不活性化された。反応器を密封して溶剤を約220℃に加熱した。温度が安定した後、触媒のチタンブタンジオール3.5モル(ポリエステルモノマー単位の総モル数を基準)を系に添加した。この添加は乾燥o−キシレン及び窒素による系内への触媒の圧力輸送(完全に輸送するための系内への触媒のフラッシング)によって行った。この時点を実験における時間ゼロと定めた。反応混合物からのサンプリングを、系の圧を駆動力として用いるとともに系内に置かれた小さなガラス濾過器で大気条件へ圧力を降下させることで系から混合物試料1〜2mlを定期的に採取することによって行った。回収した試料をHPLCで分析して大環状ポリエステルオリゴマーの収量を求めた。約1時間後に、o−キシレン中水混液の添加によって水(16.5モル)を添加して、触媒を奪活した。この水/o−キシレン混液は系内に圧力輸送し、次いで撹拌を進行しながら系を75℃に冷却した。次いで、得られた反応混合物を加熱したフィルターを通して濾過した。濾過によって、沈殿した線状不純物(カルボン酸末端線状分子)が系から除去された。所望の大環状ポリエステルオリゴマー(75℃で溶解状態)を含んだ濾液を回転蒸発して約5mlに濃縮し、反溶剤(ペンタン)を加えてオリゴマーの沈殿を誘起した。沈殿したオリゴマーを濾過し、乾燥した。平衡に達したのは約10分後であり、収率は約55%であった。得られたオリゴマーの純度は99%を上回っていて、生成物中にヒドロキシブチル末端線状分子は全く観察されなかった。
【0030】
実施例2
実施例2は、3.42モル%の触媒を使用し、反応温度を約240℃としたこと以外は、実施例1に記載した手順と同様にして行った。得られた反応混合物は約10分後に平衡に達し、収率は約60%であり、大環状ポリエステルオリゴマーの純度は約99%で生成物中にヒドロキシブチル末端線状分子は全く観察されなかった。
【0031】
実施例3
実施例3は、2モル%の触媒を使用し、反応温度を約240℃とし、PBT/PET95:5(モル比)の線状コポリマーを使用し、ステンレス鋼製反応器の代わりに連続チューブ型反応器(長さ80フィート、外径0.5インチ、内径0.45インチのコイル形チューブを有する)を用いたこと以外は、実施例1に記載した手順と同様にして行った。得られた大環状コポリエステルオリゴマーの収率は約60%であり、大環状ポリエステルオリゴマーの純度は約99%で生成物中にヒドロキシブチル末端線状分子は全く観察されなかった。
【0032】
比較例4
比較例4は、窒素によるスパージングを行わなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で行った。生成物の収率は20%未満であった。
比較例5
比較例5は、窒素によるスパージングを行わなかったこと以外は、実施例2と同様の手順で行った。生成物の収率は15%未満であった。

Claims (33)

  1. 以下:
    (a)ポリエステル線状分子
    (b)酸素および水を実質的に含まない有機溶剤、および
    (c)スズ化合物およびチタン化合物からなる群から選択される解重合触媒
    から本質的になる混合物を熱の存在下で接触させる段階を含む、ポリエステル線状分子の解重合方法。
  2. 前記ポリエステル線状分子がポリマーまたはオリゴマーである、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  3. 前記ポリエステル線状分子が次式:
    Figure 0003715056
    の構造単位を有する、請求項2記載のポリエステル線状分子の解重合方法であって、式中、mは、2〜10であり、nは、20〜500であり、Aは単環式又は多環式二価芳香族基である。
  4. mは2〜4であり、nは50〜300である、請求項3記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  5. Aが、単環式二価芳香族基である、請求項3記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  6. 前記単環式二価芳香族基が、1,3−二価芳香族基又は1,4−二価芳香族基である、請求項5記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  7. Aが、多環式二価芳香族基である、請求項3記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  8. 前記多環式二価芳香族基が、1,4−ナフタレン基、1,5−ナフタレン基、又は2,6−ナフタレン基である、請求項7記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  9. 前記ポリエステル線状分子が、ポリ(1,2−エチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)またはこれらのコポリエステルである、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  10. 前記ポリエステル線状分子が、ポリ(1,2−エチレン 2,6−ナフタレンジカルボキシレート)である、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  11. 前記解重合触媒が、チタン化合物である、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  12. 前記チタン化合物がイソプロピルチタネート、2−エチルヘキシルチタネート、テトラキス−(−2−エチルヘキシル)チタネート、テトラ ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、チタンメトキシド、チタンエトキシド、ジイソプロポキシドビス(2,4−ペンタンジオネート)又はブタンジオールチタネートである、請求項11記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  13. 前記酸素及び水を実質的に含まない有機溶剤が不活性ガスでパージした有機溶剤である、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  14. 前記不活性ガスが窒素である、請求項13記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  15. 前記酸素及び水を実質的に含まない有機溶剤が水を50ppm以下しか含んでおらず、かつ該有機溶剤が20ppm未満の酸素を含む、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  16. 前記有機溶剤が110℃以上の沸点を有している、請求項15記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  17. 前記溶剤がo−キシレン、クロロベンゼン、ナフタレン、トルエン、テトラメチルベンゼン、メチルナフタレン、o−ジクロロベンゼンまたはこれらの混合物である、請求項16記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  18. 前記熱が150℃〜280℃である、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  19. 前記ポリエステル線状分子ならびに酸素及び水を実質的に含まない有機溶剤がポリマー中のモノマー単位の総モル数を基準にして、0.30M未満の濃度の溶液を生じる、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  20. 前記解重合触媒がポリエステルモノマー単位の総モル数を基準にして、1.0〜5.0モル%の量で用いられる、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  21. 前記混合物が、50℃〜100℃の間の温度に冷却され、ポリエステル線状分子を沈殿し、そしてその中に溶解された大環状ポリエステルオリゴマーを有する溶液を生成する、生成溶液になる、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  22. 前記大環状ポリエステルオリゴマーが、溶剤を蒸発させることによって前記溶液から回収される、請求項21記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  23. 前記方法がバッチ法または連続法である、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  24. 前記方法が不溶性ポリエステル線状分子の濾過の段階をさらに含む、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  25. 前記不溶性ポリエステル線状分子が、カルボン酸末端ポリエステル線状分子である、請求項24記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  26. 前記生成溶液が、ヒドロキシブチル末端線状分子オリゴマーを実質的に含まない、請求項21記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  27. 前記酸素及び水を実質的に含まない有機溶剤が水を15ppm以下しか含んでおらず、かつ分子酸素を20ppm以下しか含んでいない、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  28. 前記ポリエステル線状分子が1つ以上の分子種からなる、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  29. 前記有機溶剤が1つ以上の分子種からなる、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  30. 前記解重合触媒が1つ以上の分子種からなる、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  31. 前記熱の存在が180℃〜260℃である、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  32. 前記熱の存在が220℃〜250℃である、請求項1記載のポリエステル線状分子の解重合方法。
  33. ポリエステル線状分子の解重合方法であって、該方法は、以下:
    (a)ポリエステル線状分子
    (b)スパージングされた有機溶剤、および
    (c)スズ化合物およびチタン化合物からなる群から選択される解重合触媒
    を熱の存在下で接触させる段階を含む、方法。
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