JPH1135662A - 乳酸および乳酸オリゴマーとそれを用いたポリ乳酸の製造方法 - Google Patents

乳酸および乳酸オリゴマーとそれを用いたポリ乳酸の製造方法

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JPH1135662A
JPH1135662A JP18830297A JP18830297A JPH1135662A JP H1135662 A JPH1135662 A JP H1135662A JP 18830297 A JP18830297 A JP 18830297A JP 18830297 A JP18830297 A JP 18830297A JP H1135662 A JPH1135662 A JP H1135662A
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lactic acid
oligomer
ether
polylactic acid
mol
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JP18830297A
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Kenichi Goto
謙一 後藤
Yukiko Mori
ゆきこ 森
Yoshi Ikeda
歓 池田
Kazunari Okada
一成 岡田
Katsuji Watanabe
勝治 渡辺
Masaji Tamai
正司 玉井
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子量のポリ乳酸を、工業的に効率良く、
安価に製造し得る製造方法を提供する。 【解決手段】 1,1´−ビス(1,1´−カルボキシ
エチル)エーテルおよび該構造単位の含有量が乳酸モノ
マー単位に対して0.3モル%以下である乳酸および乳
酸オリゴマー、該乳酸および/または乳酸オリゴマーの
原料を用いるポリ乳酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用材料や汎用
樹脂代替の生分解性ポリマーとして有用なポリ乳酸の製
造方法に関し、その原料である乳酸および乳酸オリゴマ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリヒドロキシカルボン酸は機械的性
質、物理的性質、化学的性質に優れている上に、他に害
を与えることなく自然環境下で分解され、最終的には微
生物によって水と炭酸ガスになるという生分解性の機能
を有しており、近年医療用材料や、汎用樹脂代替等、様
々な分野で注目されており、今後もその需要が大きく伸
びることが期待されている。特に、既存の汎用樹脂製品
に関してリサイクルが義務づけられるようになると、生
分解性ポリマーへの代替が進むことが予測され、飲料
品、洗剤、化粧品用の各種容器類、衣類、雑貨等の収納
ケース、食品こん包材、被覆用フィルムなどの用途に需
要が大きくなると見込まれる。
【0003】従来のポリ乳酸の製造方法としては、乳酸
の環状二量体であるラクチドを合成した後精製し、触媒
の存在下で開環重合することにより得る方法(米国特許
第2,703,316等)が知られている。この方法の
場合、ラクチドの単離により原料が精製され高分子量の
重合体が得られる様になる。しかし、工業的にはこのラ
クチド製造・精製の工程の運転面、設備面でのコストが
大きくなるので、安価な製品を製造するためには問題と
なっていた。
【0004】一方、乳酸を触媒の存在下で直接脱水して
重縮合する方法(特開昭59−96123号公報、米国
特許4,273,920等)が知られている。しかしな
がら、これらの方法では、得られるポリ乳酸の対数粘度
が0.3dl/g程度で、十分な機械物性を付与し得る
までの高分子量化が達成されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、十分な機
械物性を有する高分子量のポリ乳酸を、工業的に効率良
く、安価に製造し得る方法は確立されていなかった。本
発明者等は、この問題を解決するべく、高分子量のポリ
乳酸を、工業的に効率良く、安価に製造し得る製造方法
を提供することを課題とする。ここで言う高分子量のポ
リ乳酸とは、GPC測定での重量平均分子量が70,0
00以上のポリ乳酸を指す。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、乳酸の直
接脱水重縮合によりポリ乳酸を得る方法、および乳酸お
よび/または乳酸のオリゴマーにハロイミニウム塩を作
用させポリ乳酸を得る方法に関して鋭意検討の結果、特
定の不純物の含有量が特定量以下の乳酸および/または
乳酸オリゴマーを原料として用いることにより、高分子
量のポリ乳酸を得ることができることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、1,1´−ビス(1,1´
−カルボキシエチル)エーテルおよび該構造単位の含有
量が乳酸モノマー単位に対して0.3モル%以下である
乳酸および乳酸オリゴマーであり、乳酸および/または
乳酸オリゴマーを触媒の存在下または非存在下に有機溶
媒中で脱水重縮合することによるポリ乳酸の製造方法に
おいて、上記の原料を用いることを特徴とするポリ乳酸
の製造方法、また、乳酸および/または乳酸オリゴマー
にハロイミニウム塩を作用させることによるポリ乳酸の
製造方法において、上記の原料を用いることを特徴とす
るポリ乳酸の製造方法、更に、1,1´−ビス(1,1
´−カルボキシエチル)エーテルおよび該構造単位の含
有量が乳酸モノマー単位に対して0.3モル%以下であ
る、重量平均分子量が70,000〜1,000,00
0のポリ乳酸である。
【0008】
【発明の実施形態】本発明で用いられる乳酸は、L−乳
酸、D−乳酸のいずれでも良く、また、その混合物も用
いることができる。本発明方法ではこの乳酸から製造さ
れるオリゴマーを原料として用いることも出来る。ここ
で言うオリゴマーとは、平均重合度が2〜100程度の
ものである。1,1´−ビス(1,1´−カルボキシエ
チル)エーテルおよび該構造単位は市販の乳酸に既に含
まれているものもあれば、オリゴマーを原料とする場
合、そのオリゴマー化時に生成することもある。本発明
では、1,1´−ビス(1,1´−カルボキシエチル)
エーテルおよび該構造単位の含有量が乳酸モノマー単位
に対して0.3モル%以下である原料を使用することが
できるが、好ましくは0.1モル%以下、特に好ましく
は0.05モル%以下である。
【0009】オリゴマーの製法としては、市販の乳酸を
窒素雰囲気下で加熱脱水する方法で良い。反応温度は、
100〜200℃の範囲で選択できる。100℃より低
い温度では、縮合・脱水の速度が遅くなり効率的でな
い。200℃を越える温度では、1,1´−ビス(1,
1´−カルボキシエチル)エーテルおよび該構造単位の
生成速度が速くなるので好ましくない。
【0010】本発明方法で脱水重縮合によりポリ乳酸を
製造する場合、用いる触媒としては、元素周期律表I、
II、III、IV、V族の金属、あるいはそれらの塩
または水酸化物、酸化物が挙げられる。例えば、亜鉛、
錫、アルミニウム、マグネシウム等の金属、酸化錫、酸
化アンチモン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグ
ネシウム、酸化チタン等の金属酸化物、塩化亜鉛、塩化
マグネシウム、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化
物、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化
錫、水酸化鉄、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸
化銅、水酸化セシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化
バリウム、水酸化リチウム、水酸化ジルコニウム等の金
属水酸化物、硫酸亜鉛、硫酸錫、硫酸アルミニウム等の
硫酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム
等の炭酸塩、酢酸錫、ピルビン酸錫、オクタン酸錫、乳
酸錫、酢酸亜鉛、ピルビン酸亜鉛、酢酸アルミニウム、
ピルビン酸アルミニウム、乳酸鉄等の有機カルボン酸
塩、トリフルオロメタンスルホン酸錫、p−トルエンス
ルホン酸錫等の有機スルホン酸塩、ジブチルチンオキサ
イド等の上記金属の有機金属酸化物、チタニウムイソプ
ロポキサイド等の上記金属のアルコキサイド、ジエチル
亜鉛等の上記金属のアルキル金属、ダウエックス、アン
バーライト等のイオン交換樹脂等が挙げられる。その使
用量は、原料の乳酸またはそのオリゴマーに対し0.0
001〜10重量%が好ましい。
【0011】本発明方法で脱水重縮合によりポリ乳酸を
製造する場合、用いられる有機溶媒は、例えば芳香族炭
化水素類、エーテル系芳香族炭化水素類等が挙げられ
る。芳香族炭化水素類としては、トルエン、キシレン、
ナフタレン、クロロナフタレン、ビフェニル、クロロベ
ンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼ
ン、p−ジクロロベンゼン等が挙げられる。エーテル系
芳香族炭化水素類としては、アニソール、エトキシベン
ゼン、プロポキシベンゼン、ブトキシベンゼン、ペント
キシベンゼン、2,4−ジメトキシベンゼン、2−クロ
ロメトキシベンゼン、2−ブロモメトキシベンゼン、4
−クロロメトキシベンゼン、4−ブロモメトキシベンゼ
ン、2,4−ジクロロメトキシベンゼン等のアルコキシ
ベンゼン類、ジフェニルエーテル、4,4´−ジメチル
ジフェニルエーテル、3,3´−ジメチルジフェニルエ
ーテル、3−メチルジフェニルエーテル、4,4´−ジ
ブロモジフェニルエーテル、4,4´−ジクロロジフェ
ニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、4−メ
チル−4´−ブロモジフェニルエーテル、4−メトキシ
ジフェニルエーテル、4,4´−ジメトキシジフェニル
エーテル、3,3´−ジメトキシジフェニルエーテル、
4−メチル−4´−メトキシジフェニルエーテル、ジベ
ンゾフラン、キサンテン等のジフェニルエーテル類が挙
げられる。これらは単独または2種以上混合して用いる
ことができる。
【0012】反応中のポリマー濃度は3〜90重量%の
範囲で選択できる。好ましくは、5〜70重量%の濃度
範囲が良い。90重量%より濃厚な場合、溶液粘度が極
端に高くなり、反応中の撹拌や、その後の移液などの操
作が困難になることがある。一方、3重量%より稀薄な
場合、容積効率が悪く生産性の点で不利である。
【0013】本発明方法で脱水重縮合によりポリ乳酸を
製造する場合、反応は常圧下、減圧下のいずれでも良
く、反応温度は100〜200℃の範囲で選択できる。
100℃より低い温度では、縮合・脱水の速度が遅くな
り効率的でない。200℃を越える温度では、1,1´
−ビス(1,1´−カルボキシエチル)エーテルおよび
該構造単位の生成速度が速くなるので好ましくない。
【0014】生成水の除去方法としては、溶媒の還流下
に留出する含水溶媒を乾燥剤で処理した後、再び系内へ
戻すシステム、または蒸留分離能力を有する装置を備え
た反応機中で反応させ、還流する溶媒と水との混合物を
そのまま蒸留分離して水分を除去し、脱水された溶媒の
みを系内へ戻す還流システム、更には留出する含水溶媒
を一旦系外へ抜き出した後、蒸留装置に装入し水を蒸留
分離し、脱水された溶媒のみを反応系内へ戻すシステム
のいずれの方法でも用いることができる。
【0015】本発明方法でハロイミニウム塩を作用させ
る方法でポリ乳酸を製造する場合、使用されるハロイミ
ニウム塩は、下式(1)
【化1】 (式中X1、X2はハロゲン原子を表し同一であっても異
なっていてもよい。)で表される構造を分子内に含有し
ている化合物であり、環状化合物であってもなくても、
上記構造さえ有している化合物であれば何ら問題ない。
【0016】一般的なハロイミニウム塩としては、N,
N−ジメチルクロロメチレンイミニウムクロライド、
N,N−ジフェニルクロロフェニルメチレンイミニウム
クロライド、N,N−ジフェニルクロロ−p−メトキシ
フェニルメチレンイミニウムクロライド、N,N,
N’,N’−テトラメチルクロロホルムアミジニウムク
ロライド、N,N,N’,N’−テトラエチルクロロホ
ルムアミジニウムクロライド、N,N,N’,N’−テ
トラブチルクロロホルムアミジニウムクロライド、N,
N−ジエチル−N’,N’−ジプロピルクロロホルムア
ミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−N’,N’
−ジアリルクロロホルムアミジニウムクロライド、N,
N−ジエチル−N’,N’−ジブチルクロロホルムアミ
ジニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジメチルイ
ミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジエ
チルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3
−ジプロピルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ
−1,3−ジブチルイミダゾリニウムクロライド、2−
クロロ−1,3−ジヘキシルイミダゾリニウムクロライ
ド、2−クロロ−1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリ
ニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジフェニルイ
ミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジメ
チル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムク
ロライド等のクロライド類が挙げられるがフルオライド
類、ブロマイド類、アイオダイド類でも同様に使用でき
る。またこれらハロイミニウム塩は、粉体として使用す
ることもできるし、適当な溶剤に溶解または懸濁させた
状態においてもなんら問題なく使用することができ、数
種のハロイミニウム塩を併用することもできる。
【0017】本発明において使用されるハロイミニウム
塩の使用量は、反応させる乳酸および/または乳酸のオ
リゴマーのカルボキシル基に対し、等モル以上、好まし
くは1.1倍モル〜2倍モルである。ハロイミニウム塩
がカルボキシル基に対し、等モルより少ない場合、残存
したカルボキシル基が反応停止末端となる。
【0018】本発明方法でハロイミニウム塩を作用させ
る方法でポリ乳酸を製造する場合、重合反応は、ハロゲ
ン化水素を放出しながら進行するので、これを速やかに
完結させるためには反応系内のハロゲン化水素を中和す
る必要がある。そのため、本発明では塩基を用いて系内
のハロゲン化水素を中和する。用いられる塩基として
は、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコ
リン、キノリン、イソキノリン、N,N−ジメチルピペ
ラジン、N,N−ジエチルピペラジン、キナルジン、2
−エチルピリジン、4−エチルピリジン、3,5−ルチ
ジン、2,6−ルチジン、4−メチルモルホリン、4−
エチルモルホリン、2,4,6−コリジン等が挙げられ
る。また、これらを併用することも可能である。
【0019】本発明において使用される、塩基の使用量
は、反応により生成し得るハロゲン化水素に対して化学
量論量以上であれば問題ないが、通常化学量論量に対し
て1〜5倍量用いる。好ましくは1.1〜3倍量であ
る。
【0020】本発明方法でハロイミニウム塩を作用させ
る方法でポリ乳酸を製造する場合、反応は0℃以上10
0℃以下で行うのが良い。100℃を超える温度では、
原料またはポリマー鎖末端のヒドロキシ基がハロゲン原
子に置換される副反応が起こるため好ましくない。一
方、0℃よりも低い温度での反応も可能ではあるが、0
℃よりも低い温度での反応は冷媒を必要とし、不経済で
ある。
【0021】本発明方法でハロイミニウム塩を作用させ
る方法でポリ乳酸を製造する場合、使用される溶剤は、
目的とする重合体の骨格構造、分子量により異なるが用
いるハロイミニウム塩及び反応原料と反応しないものな
らば基本的にいかなるものでも使用できる。溶剤の具体
例としては、エチレンジクロライド、ジクロロメタン、
クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチ
レン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等が挙げ
られるが何ら限定されるものではない。また反応系内の
雰囲気は、系外の水分の混入を防ぐために窒素、アルゴ
ン等の不活性ガスでパージするのが好ましいが、密閉系
でも問題なく実施できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。尚、重合体の重量平均分子量(M
w)は、shodex GPC system−11
(昭和電工(株)製)を用い、クロロホルム溶媒、40
℃で測定した。Mw値はポリスチレン換算値である。オ
リゴマーのカルボキシル基量は、サンプル(W;g)を
ジクロロメタン/メタノール=7/3(容量比)に溶解
させ、ナトリウムメチラートのメタノール溶液で滴定し
て求めた。
【数1】 カルボキシル基量:a(mol/g)=E
×10-3×c/W E:滴定量(ml) c:滴定液の規定濃度(mol/l) また、原料中の1,1´−ビス(1,1´−カルボキシ
エチル)エーテルは、試料0.5gを18%水酸化ナト
リウム水溶液3.0gで加水分解し、その後36%塩酸
1.5gで中和して、下記の条件のHPLCで定量し
た。 カラム:Shodex KC810p+KC811×2
本 溶離液:4.8mM−HClO4 水溶液 検出器:UV 225nm
【0023】合成例1 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管および撹拌装置を
備えた1000mlの4つ口フラスコにラクチド(PU
RASORB L:PURAC社製)800g、水32
0gを装入し、窒素通風下、90℃で8時間加水分解を
行った。その後、昇温して脱水し、180℃の温度にな
ったところで一旦留出水の抜き出しを止め、3時間還流
させた。そして、160℃に温度を下げて、留出水の抜
き出しを再開し12時間脱水を行い、乳酸のオリゴマー
を得た。オリゴマーのカルボキシル基量は0.0011
mol/gであった。また、オリゴマー中の1,1´−
ビス(1,1´−カルボキシエチル)エーテルの構造単
位は乳酸モノマー単位に対して540モルppmであっ
た。
【0024】合成例2 合成例1と同様の装置に、ラクチド800g、水320
gを装入し、窒素通風下、90℃で8時間加水分解を行
った。その後、昇温して脱水し、210℃の温度になっ
たところで一旦留出水の抜き出しを止め、3時間還流さ
せた。そして、160℃に温度を下げて、留出水の抜き
出しを再開し12時間脱水を行い、乳酸のオリゴマーを
得た。オリゴマーのカルボキシル基量は0.0009m
ol/gであった。また、オリゴマー中の1,1´−ビ
ス(1,1´−カルボキシエチル)エーテルの構造単位
は乳酸モノマー単位に対して3260モルppmであっ
た。
【0025】実施例1 500mlの3つ口フラスコに、温度計、モレキュラー
シーブを充填したディーンシュタック、及び撹拌装置を
備え付け、合成例1で得た乳酸のオリゴマー75g〔原
料中の1,1´−ビス(1,1´−カルボキシエチル)
エーテルの構造単位が乳酸モノマー単位に対して540
モルppm〕とo−ジクロロベンゼン325g、錫粉
0.4gを装入した。そして、130℃/200mmH
gの条件で、還流する溶媒がモレキュラーシーブを通っ
て系内へ戻る状態で30時間反応を行った。反応終了
後、反応マスにクロロホルム400mlを加えて溶解し
た後、濾過して錫粉を除去した。得られたクロロホルム
溶液にイソプロピルアルコール1400mlを加えて、
析出したポリ乳酸を濾別、乾燥した。得られたポリ乳酸
のMwは183,000であった。
【0026】実施例2 原料を合成例1で得た乳酸のオリゴマー60gと合成例
2で得た乳酸のオリゴマー15gの混合物〔原料中の
1,1´−ビス(1,1´−カルボキシエチル)エーテ
ルの構造単位が乳酸モノマー単位に対して1080モル
ppm〕を用いた以外は、実施例1と同様に処理操作を
行った。得られたポリ乳酸のMwは162,000であ
った。
【0027】実施例3 原料を合成例1で得た乳酸のオリゴマー15gと合成例
2で得た乳酸のオリゴマー60gの混合物〔原料中の
1,1´−ビス(1,1´−カルボキシエチル)エーテ
ルの構造単位が乳酸モノマー単位に対して2720モル
ppm〕を用いた以外は、実施例1と同様に処理操作を
行った。得られたポリ乳酸のMwは79,000であっ
た。
【0028】比較例1 原料を合成例2で得た乳酸のオリゴマー75g〔原料中
の1,1´−ビス(1,1´−カルボキシエチル)エー
テルの構造単位が乳酸モノマー単位に対して3260モ
ルppm〕を用いた以外は、実施例1と同様に処理操作
を行った。得られたポリ乳酸のMwは59,000であ
った。
【0029】実施例4 合成例1で得た乳酸のオリゴマー30g〔原料中の1,
1´−ビス(1,1´−カルボキシエチル)エーテルの
構造単位が乳酸モノマー単位に対して540モルpp
m、カルボキシル基0.033mol〕をジクロロメタ
ン120gとともに200mlフラスコに装入し、均一
に溶解させた後、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダ
ゾリニウムクロライド6.1g(0.036mol)を
装入し、次に、ピリジン7.1g(0.090mol)
を添加し窒素雰囲気下、30℃で6時間反応させた。反
応後、反応液をイソプロピルアルコール300g中に注
いで重合体を晶析、濾過し、イソプロピルアルコールで
洗浄した。その後、粉体を乾燥しポリ乳酸を得た。得ら
れたポリ乳酸のMwは397,000であった。
【0030】実施例5 原料を合成例1で得た乳酸のオリゴマー24gと合成例
2で得た乳酸のオリゴマー6gの混合物〔原料中の1,
1´−ビス(1,1´−カルボキシエチル)エーテルの
構造単位が乳酸モノマー単位に対して1080モルpp
m、カルボキシル基0.032mol〕を用いた以外
は、実施例4と同様に処理操作を行った。得られたポリ
乳酸のMwは199,000であった。
【0031】実施例6 原料を合成例1で得た乳酸のオリゴマー6gと合成例2
で得た乳酸のオリゴマー24gの混合物〔原料中の1,
1´−ビス(1,1´−カルボキシエチル)エーテルの
構造単位が乳酸モノマー単位に対して2720モルpp
m、カルボキシル基0.028mol〕を用いた以外
は、実施例4と同様に処理操作を行った。得られたポリ
乳酸のMwは81,000であった。
【0032】比較例2 原料を合成例2で得た乳酸のオリゴマー30g〔原料中
の1,1´−ビス(1,1´−カルボキシエチル)エー
テルの構造単位が乳酸モノマー単位に対して3260モ
ルppm、カルボキシル基0.027mol〕を用いた
以外は、実施例4と同様に処理操作を行った。得られた
ポリ乳酸のMwは59,000であった。
【0033】
【発明の効果】本発明によって、実施例でも明らかなよ
うに、原料中の1,1´−ビス(1,1´−カルボキシ
エチル)エーテルの構造単位が乳酸モノマー単位に対し
て0.3モル%以下である場合、容易にMw70,00
0以上の高分子量のポリ乳酸を製造できる。本発明は、
十分な機械物性を有する高分子量のポリ乳酸を、工業的
に効率良く、安価に製造することを可能にするものであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 岡田 一成 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 渡辺 勝治 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 玉井 正司 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,1´−ビス(1,1´−カルボキシ
    エチル)エーテルおよび該構造単位の含有量が乳酸モノ
    マー単位に対して0.3モル%以下である乳酸および乳
    酸オリゴマー。
  2. 【請求項2】 乳酸および/または乳酸オリゴマーを触
    媒の存在下または非存在下に有機溶媒中で脱水重縮合す
    ることによるポリ乳酸の製造方法において、請求項1記
    載の原料を用いることを特徴とするポリ乳酸の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 乳酸および/または乳酸オリゴマーにハ
    ロイミニウム塩を作用させることによるポリ乳酸の製造
    方法において、請求項1記載の原料を用いることを特徴
    とするポリ乳酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 1,1´−ビス(1,1´−カルボキシ
    エチル)エーテルおよび該構造単位の含有量が乳酸モノ
    マー単位に対して0.3モル%以下である、重量平均分
    子量が70,000〜1,000,000のポリ乳酸。
JP18830297A 1997-07-14 1997-07-14 乳酸および乳酸オリゴマーとそれを用いたポリ乳酸の製造方法 Pending JPH1135662A (ja)

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