JP2000026589A - ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法

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JP2000026589A
JP2000026589A JP10193187A JP19318798A JP2000026589A JP 2000026589 A JP2000026589 A JP 2000026589A JP 10193187 A JP10193187 A JP 10193187A JP 19318798 A JP19318798 A JP 19318798A JP 2000026589 A JP2000026589 A JP 2000026589A
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acid
hydroxy
isopropyl alcohol
polyhydroxycarboxylic acid
polyhydroxycarboxylic
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Kenichi Goto
謙一 後藤
Yukihiro Kumamoto
行宏 熊本
Katsuji Watanabe
勝治 渡辺
Masaji Tamai
正司 玉井
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量産可能なプロセスで、高品質のポリヒドロ
キシカルボン酸を製造する方法の提供。 【解決手段】 ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
のオリゴマーにハロイミニウム塩を作用させることによ
って得られるポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液
に、イソプロピルアルコールを、50℃以上イソプロピ
ルアルコールの沸点以下の温度で保持しながら、反応溶
媒量の1.5倍量以上加え、該液を50℃以下に冷却し
てポリヒドロキシカルボン酸を析出させ、これを濾別し
イソプロピルアルコールで洗浄するポリヒドロキシカル
ボン酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用材料び汎用
樹脂代替の生分解性ポリマーとして有用なポリヒドロキ
シカルボン酸に関し、ハロイミニウム塩を用いて得られ
るポリヒドロキシカルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリヒドロキシカルボン酸は機械的性
質、物理的性質、化学的性質に優れている上に、他に害
を与えることなく自然環境下で分解され、最終的には微
生物によって水と炭酸ガスになるという生分解性の機能
を有しており、近年医療用材料や、汎用樹脂代替等、様
々な分野で注目されており、今後もその需要が大きく伸
びることが期待されている。特に、既存の汎用樹脂製品
に関してリサイクルが義務づけられるようになると、生
分解性ポリマーへの代替が進むことが予測され、飲料
品、洗剤、化粧品用の各種容器類、衣類、雑貨等の収納
ケース、食品こん包材、被覆用フィルムなどの用途に需
要が大きくなると見込まれる。
【0003】通常、ポリヒドロキシカルボン酸の製造方
法としては、モノマーの環状二量体、例えば乳酸であれ
ばラクチドを合成した後精製し、各種触媒の存在下、開
環溶融重合することで高分子量のポリマ−が得られるこ
とが知られている(米国特許明細書第2,703,31
6、同第2,758,987)。これらの方法は、環状
二量体であるラクチドの製造に際して多大の労力と費用
を必要とするため経済的でなく、最終的な製品が高価な
ものとなってしまう。
【0004】一方、ヒドロキシカルボン酸及びそのオリ
ゴマ−から直接脱水法によって、ポリヒドロキシカルボ
ン酸を得る方法が幾つか開示されている(特開昭59−
096123号、特開昭61−028521号)。しか
しながら、これらの方法では得られる該ポリマ−の固有
粘度は約0.3dl/g程度が限界で十分な機械物性を
有さず、その用途、目的によっては使用できない。ヒド
ロキシカルボン酸の直接重合法は、二塩基酸と多価アル
コ−ルによるエステル化反応と同様に逐次反応であり、
反応時間と共に分子量は増大するが、この際生成する水
分子は、加水分解作用による逆反応により、重縮合体の
分子量を低下させる作用を有するので、生成する水分を
系外へ効率よく除去することが高分子量ポリマ−を得る
ために必要である。その方法としては、反応時に撹拌速
度を高める方法、減圧度を高める方法、不活性ガスを反
応系に導入し水を揮散させる方法、等があるが、分子量
の増大と共に反応系の粘度が著しく上昇するため水分除
去効率にも限界があり、所望の機械物性を有する高分子
量のポリヒドロキシカルボン酸とするのに非常に長い処
理時間を要する問題や、理論的な限界分子量に到達させ
るのが困難であるといった問題が残されていた。
【0005】既存の汎用樹脂製品の代替用としては、従
来の技術で得られるポリヒドロキシカルボン酸は未だ高
価格であることが大きな問題であり、量産が可能なプロ
セスで効率的に生分解性ポリマーを製造することは重要
な課題となっている。
【0006】そして、近年新たにヒドロキシカルボン酸
にハロイミニウム塩を作用させて重合を行いポリヒドロ
キシカルボン酸を得る方法が見い出された(特開平10
−152550号公報)。該方法は、ヒドロキシカルボ
ン酸のカルボキシル基をハロイミニウム塩によりハロゲ
ン化して酸ハライドを生成する反応と、次いで起こる酸
ハライドとヒドロキシル基の反応よりなる。これによ
り、前記の方法に比較して単純な操作で容易にポリヒド
ロキシカルボン酸を得ることが可能となった。
【0007】しかし、ハロイミニウム塩を用いて重合を
行う場合、ハロイミニウム塩が反応した後に生成するア
ミド類、ウレア類、イミダゾリジノン類が反応液中に混
在することになる。また、反応に有機塩基を使用する場
合はその塩も混在する。これらの化合物がポリマー中に
残存する場合、加工段階の熱処理時に色調の悪化をもた
らすことがある。従って、該化合物を分離してポリヒド
ロキシカルボン酸を単離することが望まれる。通常考え
られる分離方法としては、反応液から該化合物を揮発さ
せる方法、そして、ポリマーを析出させて洗浄し該化合
物を除去する方法がある。しかし、反応液を濃縮して該
化合物を揮発させて除こうとする場合、該化合物は沸点
が高いものが多いため、濃縮条件も高温となり、処理時
に色調が悪化してしまうことがあった。また、ポリマー
を析出させて単離する場合には、ポリマー中に残存する
該化合物を十分に洗浄除去することが困難であったり、
後の加工操作に際して取り扱いに適した形状の粉体を得
ることが難しいことや、未析出分がロスするなどの点で
満足のいくものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技
術では、量産可能なプロセスで、高品質のポリヒドロキ
シカルボン酸を製造する方法が確立されておらず、解決
が求められていた。本発明は、この課題を解決しようと
するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】本発明者等は、量産可能なプロセスで、高
品質のポリヒドロキシカルボン酸を製造する方法を提供
することを課題とし鋭意検討した。その結果、驚くべき
ことに、ヒドロキシカルボン酸および/またはそのオリ
ゴマーにハロイミニウム塩を作用させることによって得
られるポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液にイソ
プロピルアルコールを特定の条件で混合してポリヒドロ
キシカルボン酸を析出させ、さらにイソプロピルアルコ
ールでの洗浄を行うことにより、品質に影響を及ぼす化
合物を十分に除去し、かつ良好な粉体としてポリヒドロ
キシカルボン酸を製造できることを見いだし本発明を完
成するに至った。
【0010】即ち、本発明はヒドロキシカルボン酸およ
び/またはそのオリゴマーにハロイミニウム塩を作用さ
せることによって得られるポリヒドロキシカルボン酸の
有機溶媒溶液に、イソプロピルアルコールを、50℃以
上イソプロピルアルコールの沸点以下の温度で保持しな
がら、反応溶媒量の1.5倍量以上加え、該液を50℃
以下に冷却してポリヒドロキシカルボン酸を析出させ、
これを濾別しイソプロピルアルコールで洗浄することを
特徴とするポリヒドロキシカルボン酸の製造方法であ
り、ヒドロキシカルボン酸が乳酸である前記のポリヒド
ロキシカルボン酸の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるヒドロキシカ
ルボン酸の具体例としては、以下のものが挙げられる。
グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシブタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシペンタノイックアシッド、2−ヒ
ドロキシヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシヘプ
タノイックアシッド、2−ヒドロキシオクタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルブタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−エチルブタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−メチルペンタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−エチルペンタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−プロピルペンタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルペンタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘキサノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘキサノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘキサノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘキサノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘプタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘプタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルヘプタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−メチルオクタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−エチルオクタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルオクタノ
イックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルオクタノ
イックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルオクタ
ノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオク
タノイックアシッド、3−ヒドロキシプロパノイックア
シッド、3−ヒドロキシブタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシペンタノイックアシッド、3−ヒドロキシヘキ
サノイックアシッド、3−ヒドロキシヘプタノイックア
シッド、3−ヒドロキシオクタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−メチルブタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−メチルペンタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−エチルペンタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−メチルヘキサノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−エチルヘキサノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−プロピルヘキサノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−メチルヘプタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−エチルヘプタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−プロピルヘプタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−ブチルヘプタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−メチルオクタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−エチルオクタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−プロピルオクタノイックアシッド、
3−ヒドロキシ−3−ブチルオクタノイックアシッド、
3−ヒドロキシ−3−ペンチルオクタノイックアシッ
ド、4−ヒドロキシブタノイックアシッド、4−ヒドロ
キシペンタノイックアシッド、4−ヒドロキシヘキサノ
イックアシッド、4−ヒドロキシヘプタノイックアシッ
ド、4−ヒドロキシオクタノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−メチルペンタノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−メチルヘキサノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−エチルヘキサノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−メチルヘプタノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−エチルヘプタノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−プロピルヘプタノイックアシッド、4−ヒ
ドロキシ−4−メチルオクタノイックアシッド、4−ヒ
ドロキシ−4−エチルオクタノイックアシッド、4−ヒ
ドロキシ−4−プロピルオクタノイックアシッド、4−
ヒドロキシ−4−ブチルオクタノイックアシッド、5−
ヒドロキシペンタノイックアシッド、5−ヒドロキシヘ
キサノイックアシッド、5−ヒドロキシヘプタノイック
アシッド、5−ヒドロキシオクタノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−メチルヘキサノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−メチルヘプタノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−エチルヘプタノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−メチルオクタノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−エチルオクタノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−プロピルオクタノイックアシッド、
6−ヒドロキシヘキサノイックアシッド、6−ヒドロキ
シヘプタノイックアシッド、6−ヒドロキシオクタノイ
ックアシッド、6−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイ
ックアシッド、6−ヒドロキシ−6−メチルオクタノイ
ックアシッド、6−ヒドロキシ−6−エチルオクタノイ
ックアシッド、7−ヒドロキシヘプタノイックアシッ
ド、7−ヒドロキシオクタノイックアシッド、7−ヒド
ロキシ−7−メチルオクタノイックアシッド、8−ヒド
ロキシオクタノイックアシッド等の脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸が挙げられる。これらは単独でも或は二種以上
混合して用いてもよい。特に好ましく用いられるヒドロ
キシカルボン酸は、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキ
シブタノイックアシッド、4−ヒドロキシブタノイック
アシッド、3−ヒドロキシペンタノイックアシッド、ま
たはそれらの混合物である。
【0012】本発明方法では前述のヒドロキシカルボン
酸から誘導されるオリゴマーを原料として用いることも
出来る。オリゴマーの製法としては、ヒドロキシカルボ
ン酸を単に窒素雰囲気下で加熱脱水する方法で良く、オ
リゴマーの平均重合度はいかなるものであっても良いの
で、縮合水が系外へ除去されるのであれば製法の条件に
特に制約はない。
【0013】本発明に使用されるハロイミニウム塩は、
下式(1)
【化1】 (式中X1、X2はハロゲン原子を表し同一であっても異
なっていてもよい。)で表される構造を分子内に含有し
ている化合物であり、環状化合物であってもなくても、
上記構造さえ有している化合物であれば何ら問題ない。
一般的なハロイミニウム塩としては、N,N−ジメチル
クロロメチレンイミニウムクロライド、N,N−ジフェ
ニルクロロフェニルメチレンイミニウムクロライド、
N,N−ジフェニルクロロ−p−メトキシフェニルメチ
レンイミニウムクロライド、N,N,N’,N’−テト
ラメチルクロロホルムアミジニウムクロライド、N,
N,N’,N’−テトラエチルクロロホルムアミジニウ
ムクロライド、N,N,N’,N’−テトラブチルクロ
ロホルムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−
N’,N’−ジプロピルクロロホルムアミジニウムクロ
ライド、N,N−ジエチル−N’,N’−ジアリルクロ
ロホルムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−
N’,N’−ジブチルクロロホルムアミジニウムクロラ
イド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム
クロライド、2−クロロ−1,3−ジエチルイミダゾリ
ニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジプロピルイ
ミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジブ
チルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3
−ジヘキシルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ
−1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリニウムクロライ
ド、2−クロロ−1,3−ジフェニルイミダゾリニウム
クロライド、2−クロロ−1,3−ジメチル−3,4,
5,6−テトラヒドロピリミジニウムクロライド等のク
ロライド類が挙げられるがフルオライド類、ブロマイド
類、アイオダイド類でも同様に使用できる。またこれら
ハロイミニウム塩は、粉体として使用することもできる
し、適当な溶剤に溶解または懸濁させた状態においても
なんら問題なく使用することができ、数種のハロイミニ
ウム塩を併用することもできる。
【0014】本発明において使用されるハロイミニウム
塩の使用量は、反応させるヒドロキシカルボン酸および
/またはそのオリゴマーのカルボキシル基に対し、等モ
ル以上、好ましくは1.1倍モル〜2倍モルである。ハ
ロイミニウム塩がカルボキシル基に対し、等モルより少
ない場合、残存したカルボキシル基が反応停止末端とな
る。
【0015】本発明方法でハロイミニウム塩を作用させ
る方法でポリヒドロキシカルボン酸を製造する場合、重
合反応は、ハロゲン化水素を放出しながら進行するの
で、これを速やかに完結させるためには反応系内のハロ
ゲン化水素を除去する必要がある。ハロゲン化水素の除
去方法としては、加熱によりハロゲン化水素ガスとして
除去する方法や、有機塩基を用いて塩の形で系外に除去
する方法が一般的である。有機塩基を用いて系内のハロ
ゲン化水素を中和する場合、用いられる有機塩基として
は、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコ
リン、キノリン、イソキノリン、N,N−ジメチルピペ
ラジン、N,N−ジエチルピペラジン、キナルジン、2
−エチルピリジン、4−エチルピリジン、3,5−ルチ
ジン、2,6−ルチジン、4−メチルモルホリン、4−
エチルモルホリン、2,4,6−コリジン等が挙げられ
る。また、これらを併用することも可能である。
【0016】本発明において使用される、塩基の使用量
は、反応により生成し得るハロゲン化水素に対して化学
量論量以上であれば問題ないが、通常化学量論量に対し
て1〜5倍量用いる。好ましくは1.1〜3倍量であ
る。
【0017】本発明方法でハロイミニウム塩を作用させ
てポリヒドロキシカルボン酸を製造する際の反応温度
は、0℃以上100℃以下が好ましい。100℃を超え
る温度では、原料またはポリマー鎖末端のヒドロキシ基
がハロゲン原子に置換される副反応が起こるため好まし
くない。一方、0℃よりも低い温度での反応も可能では
あるが、0℃よりも低い温度での反応は冷媒を必要と
し、不経済である。
【0018】本発明において、反応に使用される溶媒
は、目的とする重合体の骨格構造、分子量により異なる
が、反応中の条件でポリマーを溶解し、用いるハロイミ
ニウム塩及び反応原料と反応せず、単離操作時に50℃
からイソプロピルアルコールの沸点の温度に保てるもの
ならば基本的にいかなるものでも使用できる。溶媒の具
体例としては、エチレンジクロライド、クロロホルム、
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベ
ンゼン、o−ジクロロベンゼン等が挙げられるが何ら限
定されるものではない。
【0019】本発明において用いるイソプロピルアルコ
ールの量は、反応に使用した溶媒の量に対して1.5倍
量以上であり、好ましくは2〜3倍量である。イソプロ
ピルアルコールの量がそれより少ない場合は、ポリマー
が十分に析出しない状況になることがあり好ましくな
い。溶媒の混合方法は、バッチ式に反応液中にイソプロ
ピルアルコールを加える方法もしくはイソプロピルアル
コール中に反応液を加える方法、または連続式に両液を
混合する方法等が採られるが、イソプロピルアルコール
と反応に使用した溶媒の量比が適正であれば混合方法に
は特に制限はない。混合時の温度は50℃以上イソプロ
ピルアルコールの沸点(82.4℃)以下の温度で保持
する。混合時に50℃以下の温度になると、析出するポ
リヒドロキシカルボン酸の粉体形状が悪化し、混在する
ハロイミニウム塩の反応後の化合物や有機塩基の塩の洗
浄による除去性が低下したり、粉体としての取り扱い性
が悪くなるので好ましくない。
【0020】洗浄方法としては、濾別した粉体をイソプ
ロピルアルコール中で再びスラリーとする方法や濾過器
内の粉体にイソプロピルアルコールを通液するリンス法
等が行えるが特に限定されるものではない。
【0021】
【実施例】以下実施例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。尚、重合体の重量平均分子量(M
w)は、shodex GPC system−11
(昭和電工 製)を用い、クロロホルム溶媒、40℃で
測定した。Mw値はポリスチレン換算値である。オリゴ
マーのカルボキシル基量は、サンプル(W;g)をジク
ロロメタン/メタノール=7/3(容量比)に溶解さ
せ、ナトリウムメチラートのメタノール溶液で滴定して
求めた。
【数1】 カルボキシル基量:a(mol/g)=E
×10-3×c/W E:滴定量(ml) c:滴定液の規定濃度(mol/l)
【0022】単離したポリマー中の1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン(以後DMIと略す)およびピリ
ジン塩酸塩の含有量は、サンプルをアセトニトリルに溶
解し、水を加えてポリマーを析出させた後の液相を下記
の条件のHPLCにて分析し、定量した。 カラム:YMC−pack A−312×2本 溶離液:アセトニトリル/水/テトラブチルアンモニウ
ムヒドロキシド=930/70/5 (vol.)
燐酸でpH=2に調整 検出器:UV 235nm
【0023】色調の評価は、サンプルを200℃で溶融
させて2mm厚のプレスシートを作成し、スガ試験機
(株)社製カラーコンピューター SM−5によりYI
値を測定した。
【0024】合成例1 90%L−乳酸(ADM社製)1000g(10.00
mol)を1500mlフラスコに装入し、窒素下、1
60℃で8時間脱水した。得られたオリゴマーは、収量
791.0g、カルボキシル基量が0.0011mol
/gであった。
【0025】実施例1 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.11mol)をキシレン400gとともに100
0mlフラスコに装入し、100℃とし、均一に溶解さ
せた後、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウ
ムクロライド(以下DMCとする)20.45g(0.
12mol)とピリジン20.9g(0.26mol)
を装入し、窒素雰囲気下100℃で3時間反応させた。
反応後、反応液中にイソプロピルアルコール700g
を、60℃に保持しながら加え、その後40℃にまで冷
却して重合体を晶析した。濾過後の粉体にイソプロピル
アルコール600gを通液して洗浄し、その後、粉体を
80℃で12時間窒素通風乾燥しポリ乳酸を得た。収量
89.6g、収率91.4%、Mwは128,000で
あった。また、ポリマー中のDMIおよびピリジン塩酸
塩の残存量は10ppm以下であった。 このサンプル
を、50mm四方2mm厚の金型内において200℃で
10分間溶融させ、10MPaの荷重をかけて成形物を
作成した。成形物のYI値を測定したところ2.0であ
った。
【0026】実施例2 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.11mol)をo−ジクロロベンゼン400gと
ともに1000mlフラスコに装入し、100℃とし、
均一に溶解させた後、DMC20.45g(0.12m
ol)とピリジン20.9g(0.26mol)を装入
し、窒素雰囲気下100℃で3時間反応させた。反応
後、反応液中にイソプロピルアルコール700gを、5
0℃に保持しながら加え、その後40℃にまで冷却して
重合体を晶析した。濾過後の粉体にイソプロピルアルコ
ール600gを通液して洗浄し、その後、粉体を80℃
で12時間窒素通風乾燥しポリ乳酸を得た。収量90.
6g、収率92.5%、Mwは126,000であっ
た。また、ポリマー中のDMIおよびピリジン塩酸塩の
残存量は10ppm以下であった。このサンプルを、5
0mm四方2mm厚の金型内において200℃で10分
間溶融させ、10MPaの荷重をかけて成形物を作成し
た。成形物のYI値を測定したところ1.8であった。
【0027】実施例3 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.11mol)をクロロベンゼン400gとともに
1000mlフラスコに装入し、80℃とし、均一に溶
解させた後、DMC20.45g(0.12mol)と
ピリジン20.9g(0.26mol)を装入し、窒素
雰囲気下80℃で3時間反応させた。反応後、80℃の
反応液中にイソプロピルアルコール700gを加えて行
き、50℃にまで冷却しつつ重合体を晶析した。濾過後
の粉体にイソプロピルアルコール600gを通液して洗
浄し、その後、粉体を80℃で12時間窒素通風乾燥し
ポリ乳酸を得た。収量88.5g、収率90.3%、M
wは138,000であった。また、ポリマー中のDM
Iおよびピリジン塩酸塩の残存量は10ppm以下であ
った。このサンプルを、50mm四方2mm厚の金型内
において200℃で10分間溶融させ、10MPaの荷
重をかけて成形物を作成した。成形物のYI値を測定し
たところ1.7であった。
【0028】比較例1 反応液中に加えるイソプロピルアルコールの量を500
gとした以外は実施例3と同様に操作を行いポリ乳酸を
得た。収量72.1g、収率73.6%、Mwは13
0,000であった。また、ポリマー中のDMIおよび
ピリジン塩酸塩の残存量は10ppm以下、YI値は
1.9であった。
【0029】比較例2 反応液中にイソプロピルアルコールを加える際の温度を
40℃とした以外は実施例3と同様に操作を行いポリ乳
酸を得た。収量89.0g、収率90.8%、Mwは1
31,000であった。また、ポリマー中のDMIの残
存量は120ppm、ピリジン塩酸塩の残存量は340
ppm、YI値は4.8であった。
【0030】
【発明の効果】本発明は、ハロイミニウム塩を用いる重
合およびイソプロピルアルコールを用いた特定条件での
単離精製により、高品質のポリヒドロキシカルボン酸を
効率的に製造することを可能とし、その工業的な製造に
寄与するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉井 正司 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4J029 AA02 AB05 AC01 AD01 AE01 AE06 EA02 EA03 EA05 HA01 HB01 HD01 JC141 KB04 KC05 KE09 KH04 KH08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
    のオリゴマーにハロイミニウム塩を作用させることによ
    って得られるポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液
    に、イソプロピルアルコールを、50℃以上イソプロピ
    ルアルコールの沸点以下の温度で保持しながら、反応溶
    媒量の1.5倍量以上加え、該液を50℃以下に冷却し
    てポリヒドロキシカルボン酸を析出させ、これを濾別し
    イソプロピルアルコールで洗浄することを特徴とするポ
    リヒドロキシカルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシカルボン酸が乳酸である請求
    項1記載のポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001288273A (ja) * 2000-04-04 2001-10-16 Kanebo Ltd ポリ乳酸系樹脂粉末およびその製法、並びにそれによって得られる接着剤
JP2004359706A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Toshiba Corp 樹脂組成物の製造方法及びこれによって得られる樹脂組成物

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JP2004359706A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Toshiba Corp 樹脂組成物の製造方法及びこれによって得られる樹脂組成物

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