JPH1135670A - ポリヒドロキシカルボン酸の単離方法 - Google Patents

ポリヒドロキシカルボン酸の単離方法

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JPH1135670A
JPH1135670A JP19735597A JP19735597A JPH1135670A JP H1135670 A JPH1135670 A JP H1135670A JP 19735597 A JP19735597 A JP 19735597A JP 19735597 A JP19735597 A JP 19735597A JP H1135670 A JPH1135670 A JP H1135670A
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JP
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acid
hydroxy
polymer
polyhydroxycarboxylic acid
solvent
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JP19735597A
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English (en)
Inventor
Kenichi Goto
謙一 後藤
Yukiko Mori
ゆきこ 森
Yoshi Ikeda
歓 池田
Katsuji Watanabe
勝治 渡辺
Masaji Tamai
正司 玉井
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生成したポリヒドロキシカルボン酸を品質お
よび、生産性の点で満足のいく形で単離する方法の提
供。 【解決手段】 ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
のオリゴマーにハロイミニウム塩を作用させることによ
って得られるポリヒドロキシカルボン酸の溶液に、脂肪
族炭化水素系溶媒を反応溶媒量と同量以上加えてポリヒ
ドロキシカルボン酸を析出させ、その後に該スラリー液
を65℃以上、脂肪族炭化水素系溶媒の沸点以下の温度
においてポリヒドロキシカルボン酸を濾別、単離する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用材料および
汎用樹脂代替の生分解性ポリマーとして有用なポリヒド
ロキシカルボン酸に関し、ハロイミニウム塩を用いて得
られるポリヒドロキシカルボン酸の単離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリヒドロキシカルボン酸は機械的性
質、物理的性質、化学的性質に優れている上に、他に害
を与えることなく自然環境下で分解され、最終的には微
生物によって水と炭酸ガスになるという生分解性の機能
を有しており、近年医療用材料や、汎用樹脂代替等、様
々な分野で注目されており、今後もその需要が大きく伸
びることが期待されている。特に、既存の汎用樹脂製品
に関してリサイクルが義務づけられるようになると、生
分解性ポリマーへの代替が進むことが予測され、飲料
品、洗剤、化粧品用の各種容器類、衣類、雑貨等の収納
ケース、食品こん包材、被覆用フィルムなどの用途に需
要が大きくなると見込まれる。
【0003】従来のポリヒドロキシカルボン酸の製造方
法としては、モノマーの環状二量体、例えば乳酸からラ
クチドを合成した後精製し、触媒の存在下で開環重合す
ることにより得る方法(米国特許第2,703,316
等)が知られている。また、乳酸を触媒の存在下で直接
脱水して重縮合する方法(特開昭59−96123号公
報、米国特許4,273,920等)が知られている。
そして、近年新たにヒドロキシカルボン酸にハロイミニ
ウム塩を作用させて重合を行いポリヒドロキシカルボン
酸を得る方法が見いだされた(EP0769512)。
この方法は、ヒドロキシカルボン酸のカルボキシル基を
ハロイミニウム塩によりハロゲン化して酸ハライドを生
成する反応と、次いで起こる酸ハライドとヒドロキシル
基の反応よりなる。これにより、前記の方法に比較して
単純な操作で容易にポリヒドロキシカルボン酸を得るこ
とが可能となった。
【0004】ハロイミニウム塩を用いて重合を行う場
合、ハロイミニウム塩が反応した後に生成するアミド
類、ウレア類、イミダゾリジノン類が反応液中に混在す
ることになる。該化合物がポリマー中に残存する場合、
加工段階の熱処理時に色調の悪化をもたらすことがあ
る。従って、該化合物を分離してポリヒドロキシカルボ
ン酸を単離することが望ましい。通常考えられる分離方
法としては、反応液から該化合物を揮発させる方法、そ
して、ポリマーを析出させて洗浄し該化合物を除去する
方法がある。しかし、反応液を濃縮して該化合物を揮発
させて除こうとする場合、該化合物は沸点が高いものが
多いため、濃縮条件も高温となり、処理時に色調が悪化
してしまうことがあった。また、ポリマーを析出させて
単離する場合には、収率の低下を招くことがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、ハロイミ
ニウム塩を用いて重合を行う場合においては、生成した
ポリヒドロキシカルボン酸を品質および、生産性の点で
満足のいく形で単離する方法の確立が求められていた。
本発明は、この課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】本発明者等は、ハロイミニウム塩を用いて
重合を行う場合において、生成したポリヒドロキシカル
ボン酸を品質および、生産性の点で満足のいく形で単離
する方法を提供することを課題とし、鋭意検討した。そ
の結果、驚くべきことに、脂肪族炭化水素系溶媒を用い
てポリヒドロキシカルボン酸を析出させ、なおかつ、溶
媒を濾過して分離させる際に加熱することにより、収
率、品質の点で申し分なくポリヒドロキシカルボン酸を
単離できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明はヒドロキシカルボン酸およ
び/またはそのオリゴマーにハロイミニウム塩を作用さ
せることによって得られるポリヒドロキシカルボン酸の
溶液に、脂肪族炭化水素系溶媒を反応溶媒量と同量以上
加えてポリヒドロキシカルボン酸を析出させ、その後に
該スラリー液を65℃以上、脂肪族炭化水素系溶媒の沸
点以下の温度として濾過することを特徴とするポリヒド
ロキシカルボン酸の単離方法であり、脂肪族炭化水素系
溶媒がn−ヘキサン、またはシクロヘキサンである前記
のポリヒドロキシカルボン酸の単離方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるヒドロキシカ
ルボン酸の具体例としては、以下のものが挙げられる。
グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロ
キシバレリン酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒド
ロキシヘプタン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロピオン酸、2−ヒドロキシ−
2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−2−エチル酪酸、2
−ヒドロキシ−2−メチルバレリン酸、2−ヒドロキシ
−2−エチルバレリン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピ
ルバレリン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルバレリン
酸、2−ヒドロキシ−2−メチルカプロン酸、2−ヒド
ロキシ−2−エチルカプロン酸、2−ヒドロキシ−2−
プロピルカプロン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルカプ
ロン酸、2−ヒドロキシ−2−ペンチルカプロン酸、2
−ヒドロキシ−2−メチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ
−2−メチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−エチル
ヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘプタン
酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘプタン酸、2−ヒド
ロキシ−2−ペンチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2
−ヘキシルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルオ
クタン酸、2−ヒドロキシ−2−エチルオクタン酸、2
−ヒドロキシ−2−プロピルオクタン酸、2−ヒドロキ
シ−2−ブチルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−ペン
チルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオクタ
ン酸、2−ヒドロキシ−2−ヘプチルオクタン酸、3−
ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒ
ドロキシバレリン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、3−
ヒドロキシヘプタン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3
−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、3−ヒドロキシ−3−
メチルバレリン酸、3−ヒドロキシ−3−エチルバレリ
ン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルカプロン酸、3−ヒ
ドロキシ−3−エチルカプロン酸、3−ヒドロキシ−3
−プロピルカプロン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルヘ
プタン酸、3−ヒドロキシ−3−エチルヘプタン酸、3
−ヒドロキシ−3−プロピルヘプタン酸、3−ヒドロキ
シ−3−ブチルヘプタン酸、3−ヒドロキシ−3−メチ
ルオクタン酸、3−ヒドロキシ−3−エチルオクタン
酸、3−ヒドロキシ−3−プロピルオクタン酸、3−ヒ
ドロキシ−3−ブチルオクタン酸、3−ヒドロキシ−3
−ペンチルオクタン酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒド
ロキシバレリン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒ
ドロキシヘプタン酸、4−ヒドロキシオクタン酸、4−
ヒドロキシ−4−メチルバレリン酸、4−ヒドロキシ−
4−メチルカプロン酸、4−ヒドロキシ−4−エチルカ
プロン酸、4−ヒドロキシ−4−メチルヘプタン酸、4
−ヒドロキシ−4−エチルヘプタン酸、4−ヒドロキシ
−4−プロピルヘプタン酸、4−ヒドロキシ−4−メチ
ルオクタン酸、4−ヒドロキシ−4−エチルオクタン
酸、4−ヒドロキシ−4−プロピルオクタン酸、4−ヒ
ドロキシ−4−ブチルオクタン酸、5−ヒドロキシバレ
リン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシヘ
プタン酸、5−ヒドロキシオクタン酸、5−ヒドロキシ
−5−メチルカプロン酸、5−ヒドロキシ−5−メチル
ヘプタン酸、5−ヒドロキシ−5−エチルヘプタン酸、
5−ヒドロキシ−5−メチルオクタン酸、5−ヒドロキ
シ−5−エチルオクタン酸、5−ヒドロキシ−5−プロ
ピルオクタン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒド
ロキシヘプタン酸、6−ヒドロキシオクタン酸、6−ヒ
ドロキシ−6−メチルヘプタン酸、6−ヒドロキシ−6
−メチルオクタン酸、6−ヒドロキシ−6−エチルオク
タン酸、7−ヒドロキシヘプタン酸、7−ヒドロキシオ
クタン酸、7−ヒドロキシ−7−メチルオクタン酸、8
−ヒドロキシオクタン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン
酸および/またはそれらのオリゴマーであり、一種また
は二種以上の混合物を用いても良い。またそれらヒドロ
キシカルボン酸及びそれらオリゴマーの中には光学炭素
を有し、各々D体、L体、D/L体の形態をとる場合が
あるが、本発明方法においてはその形態に何ら制限はな
い。これらは単独でも或は二種以上混合して用いてもよ
い。特に好ましく用いられるヒドロキシカルボン酸は、
乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロ
キシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、またはそれらの混合
物である。
【0009】本発明方法では前述のヒドロキシカルボン
酸から誘導されるオリゴマーを原料として用いることも
出来る。オリゴマーの製法としては、ヒドロキシカルボ
ン酸を単に窒素雰囲気下で加熱脱水する方法で良く、オ
リゴマーの平均重合度はいかなるものであっても良いの
で、縮合水が系外へ除去されるのであれば製法の条件に
特に制約はない。
【0010】本発明に使用されるハロイミニウム塩は、
下式(1)
【化1】 (式中X1、X2はハロゲン原子を表し同一であっても異
なっていてもよい。)で表される構造を分子内に含有し
ている化合物であり、環状化合物であってもなくても、
上記構造さえ有している化合物であれば何ら問題ない。
一般的なハロイミニウム塩としては、N,N−ジメチル
クロロメチレンイミニウムクロライド、N,N−ジフェ
ニルクロロフェニルメチレンイミニウムクロライド、
N,N−ジフェニルクロロ−p−メトキシフェニルメチ
レンイミニウムクロライド、N,N,N’,N’−テト
ラメチルクロロホルムアミジニウムクロライド、N,
N,N’,N’−テトラエチルクロロホルムアミジニウ
ムクロライド、N,N,N’,N’−テトラブチルクロ
ロホルムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−
N’,N’−ジプロピルクロロホルムアミジニウムクロ
ライド、N,N−ジエチル−N’,N’−ジアリルクロ
ロホルムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−
N’,N’−ジブチルクロロホルムアミジニウムクロラ
イド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム
クロライド、2−クロロ−1,3−ジエチルイミダゾリ
ニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジプロピルイ
ミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジブ
チルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3
−ジヘキシルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ
−1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリニウムクロライ
ド、2−クロロ−1,3−ジフェニルイミダゾリニウム
クロライド、2−クロロ−1,3−ジメチル−3,4,
5,6−テトラヒドロピリミジニウムクロライド等のク
ロライド類が挙げられるがフルオライド類、ブロマイド
類、アイオダイド類でも同様に使用できる。またこれら
ハロイミニウム塩は、粉体として使用することもできる
し、適当な溶剤に溶解または懸濁させた状態においても
なんら問題なく使用することができ、数種のハロイミニ
ウム塩を併用することもできる。
【0011】本発明において使用されるハロイミニウム
塩の使用量は、反応後にカルボキシル基残存量が全ヒド
ロキシカルボン酸モノマー単位量に対し0.2mol%
以下となる化学量論量以上であれば問題ないが、好まし
くはカルボキシル基残存量が全ヒドロキシカルボン酸モ
ノマー単位量に対し0.1mol%以下となる化学量論
量以上である。カルボキシル基残存量が全ヒドロキシカ
ルボン酸モノマー単位量に対し0.2mol%より多く
なると、到達分子量が低下し、満足する機械物性のポリ
マーを得ることができなくなる。
【0012】反応進行中、ハロイミニウム塩は、ハロゲ
ン化水素を放出しながらポリマーの生成が進行する。そ
のため、高分子量のポリマーを得るためには反応系内の
ハロゲン化水素を除去する必要がある。ハロゲン化水素
の除去方法としては、加熱によりハロゲン化水素ガスと
して除去する方法や、塩基を用いて塩の形で系外に除去
する方法が一般的であるが、本発明では加熱によりハロ
ゲン化水素ガスとして除去する方法が選ばれる。
【0013】ポリマーを得る際の反応温度は使用するハ
ロイミニウム塩の種類や、原料のヒドロキシカルボン酸
の種類により異なり特に限定されるものではないが、4
0℃〜200℃の範囲で十分実施できる。200℃を越
えるとハロイミニウム塩自体の分解が起こる傾向にある
為である。40℃より低い温度の場合は反応速度の低下
のため好ましくない。また反応圧力は、副生するハロゲ
ン化水素の系外への除去効率と反応温度の関係から自由
に選択することができる。
【0014】本発明において、反応に使用される溶媒
は、目的とするポリマーの骨格構造、分子量により異な
るが、反応中の条件でポリマーを溶解し、用いるハロイ
ミニウム塩及び反応原料と反応しないものならば基本的
にいかなるものでも使用できる。溶媒の具体例として
は、エチレンジクロライド、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ク
ロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等が挙げられるが
何ら限定されるものではない。
【0015】本発明において、ポリヒドロキシカルボン
酸を反応液より析出させる脂肪族炭化水素系溶媒として
は、沸点が65℃以上の、直鎖状または環状の脂肪族炭
化水素であればいかなるものでも使用できる。例えば、
n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオク
タン、n−デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サンなどが挙げられる。特に好ましくはn−ヘキサン、
シクロヘキサンが用いられる。
【0016】本発明において用いる脂肪族炭化水素系溶
媒の量は、反応に使用した溶媒の量に対して同量以上で
ある。脂肪族炭化水素系溶媒の量がそれより少ない場合
は、ポリマーの収率が低下したり、ポリマーが析出しな
い状況になることがあり好ましくない。溶媒の混合方法
は、バッチ式に反応液中に脂肪族炭化水素系溶媒を加え
る方法、または連続式に両液を混合する方法等が採られ
る。混合時の温度は0℃から用いる脂肪族炭化水素系溶
媒の沸点の間で任意に選択できる。0℃より低い条件ま
での冷却は経済的でなく、溶媒の沸点より高温では加え
る量の制御が困難になるので好ましくない。反応溶媒に
よっては、脂肪族炭化水素系溶媒を加えた時にポリマー
が塊状に析出するものもあるが、こうした場合には粉砕
機構を備えた撹拌機を用いて処理を行うこともできる。
【0017】スラリー液中のポリマー濃度(固形分濃
度)は5〜30%の間で選択できる。固形分濃度が5%
よりも低い場合は、装置の容積効率、溶媒量の増大等で
経済的でない。固形分濃度が30%よりも高い場合は、
撹拌、移液、濾過等の処理が困難になるので好ましくな
い。ポリマーを析出させたスラリー液を、濾過する際の
条件は65℃以上、脂肪族炭化水素系溶媒の沸点以下で
ある。処理温度が65℃より低い温度になると、反応液
中に混在していたアミド類、ウレア類、イミダゾリジノ
ン類のポリマーからの分離が不十分となることがあり好
ましくない。65℃以上であれば該化合物の除去には十
分であり、溶媒の沸点以上の加熱は効率的ではない。本
発明方法では、該化合物のポリマーからの除去をより強
化するために、濾過後の粉体に、同じ様に65℃以上、
溶媒の沸点以下の条件で脂肪族炭化水素系溶媒による洗
浄を行うこともできる。洗浄方法としても、再びスラリ
ーとする方法や濾過器内の粉体に溶媒を通液するリンス
法等が行えるが特に限定されるものではない。
【0018】
【実施例】以下実施例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。尚、ポリマーの重量平均分子量(M
w)は、shodex GPC system−11
(昭和電工(株)製)を用い、クロロホルム溶媒、40
℃で測定した。Mw値はポリスチレン換算値である。オ
リゴマーのカルボキシル基量は、サンプル(W;g)を
ジクロロメタン/メタノール=7/3(容量比)に溶解
させ、ナトリウムメチラートのメタノール溶液で滴定し
て求めた。
【数1】 カルボキシル基量:a(mol/g)=E
×10-3×c/W E:滴定量(ml) c:滴定液の規定濃度(mol/l)
【0019】単離したポリマー中の1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン(以下、DMIと略する)の含有
量は、サンプルをアセトニトリルに溶解し、水を加えて
ポリマーを析出させた後の液相を下記の条件のHPLC
にて分析し、定量した。 カラム:YMC−pack A−312×2本 溶離液:アセトニトリル/水/テトラブチルアンモニウ
ムヒドロキシド=930/70/5 (vol.) 燐酸でpH=2に調整 検出器:UV 235nm
【0020】色調の評価は、サンプルを200℃で溶融
させて2mm厚のプレスシートを作成し、スガ試験機
(株)社製カラーコンピューターSM−5によりYI値
を測定した。
【0021】合成例1 90%L−乳酸(ADM社製)1000g(10.00
mol)を1500mlフラスコに装入し、窒素下、1
60℃で8時間脱水した。得られたオリゴマーは、収量
801.0g、カルボキシル基量が0.0011mol
/gであった。
【0022】実施例1 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.11mol)をキシレン200gとともに500
mlフラスコに装入し、140℃とし、均一に溶解させ
た後、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム
クロライド(以下、DMCと略する)18.65g
(0.11mol)を装入し、窒素を吹き込みながら1
40℃で15時間反応させた。反応後、反応液中にヘキ
サン200gを加えポリマーを晶析し、65℃に保持し
て濾過した。濾過後の粉体に65℃のヘキサン200g
を通液して洗浄し、その後、粉体を80℃で12時間乾
燥しポリ乳酸を得た。収量97.5g、収率99.5
%、Mwは124,000であった。また、ポリマー中
のDMIの残存量は50ppm以下であった。このサン
プルを、50mm四方2mm厚の金型内において200
℃で10分間溶融させ、10MPaの荷重をかけて成形
物を作成した。成形物のYI値を測定したところ2.4
であった。
【0023】実施例2 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.11mol)をo−ジクロロベンゼン200gと
ともに500mlフラスコに装入し、140℃とし、均
一に溶解させた後、DMC18.65g(0.11mo
l)を装入し、窒素を吹き込みながら140℃で15時
間反応させた。反応後、反応液中にシクロヘキサン20
0gを加えポリマーを晶析し、65℃に保持して濾過し
た。濾過後の粉体に65℃のシクロヘキサン200gを
通液して洗浄し、その後、粉体を80℃で12時間乾燥
しポリ乳酸を得た。収量97.7g、収率99.7%、
Mwは136,000であった。また、ポリマー中のD
MIの残存量は50ppm以下であった。このサンプル
を、50mm四方2mm厚の金型内において200℃で
10分間溶融させ、10MPaの荷重をかけて成形物を
作成した。成形物のYI値を測定したところ2.1であ
った。
【0024】実施例3 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.11mol)をクロロベンゼン200gとともに
500mlフラスコに装入し、130℃とし、均一に溶
解させた後、DMC18.65g(0.11mol)を
装入し、窒素を吹き込みながら130℃で15時間反応
させた。反応後、反応液中にn−ヘプタン200gを加
えポリマーを晶析し、65℃に保持して濾過した。濾過
後の粉体に65℃のn−ヘプタン200gを通液して洗
浄し、その後、粉体を80℃で12時間乾燥しポリ乳酸
を得た。収量97.0g、収率99.0%、Mwは11
9,000であった。また、ポリマー中のDMIの残存
量は50ppm以下であった。このサンプルを、50m
m四方2mm厚の金型内において200℃で10分間溶
融させ、10MPaの荷重をかけて成形物を作成した。
成形物のYI値を測定したところ2.1であった。
【0025】実施例4 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.11mol)をメシチレン200gとともに50
0mlフラスコに装入し、140℃とし、均一に溶解さ
せた後、DMC18.65g(0.11mol)を装入
し、窒素を吹き込みながら140℃で15時間反応させ
た。反応後、反応液中にn−オクタン200gを加えポ
リマーを晶析し、65℃に保持して濾過した。濾過後の
粉体に65℃のn−オクタン200gを通液して洗浄
し、その後、粉体を80℃で12時間乾燥しポリ乳酸を
得た。収量97.5g、収率99.5%、Mwは13
3,000であった。また、ポリマー中のDMIの残存
量は50ppm以下であった。このサンプルを、50m
m四方2mm厚の金型内において200℃で10分間溶
融させ、10MPaの荷重をかけて成形物を作成した。
成形物のYI値を測定したところ2.5であった。
【0026】比較例1 濾過時、及び洗浄時の温度を40℃とした以外は実施例
1と同様に操作を行いポリ乳酸を得た。収量97.5
g、収率99.5%、Mwは123,000であった。
また、ポリマー中のDMIの残存量は1230ppm、
YI値は4.6であった。
【0027】比較例2 濾過時、及び洗浄時の温度を30℃とした以外は実施例
2と同様に操作を行いポリ乳酸を得た。収量97.8
g、収率99.8%、Mwは131,000であった。
また、ポリマー中のDMIの残存量は930ppm、Y
I値は3.8であった。
【0028】比較例3 濾過時、及び洗浄時の温度を50℃とした以外は実施例
3と同様に操作を行いポリ乳酸を得た。収量97.0
g、収率99.0%、Mwは121,000であった。
また、ポリマー中のDMIの残存量は1950ppm、
YI値は4.4であった。
【0029】比較例4 濾過時、及び洗浄時の温度を60℃とした以外は実施例
4と同様に操作を行いポリ乳酸を得た。収量97.1
g、収率99.1%、Mwは128,000であった。
また、ポリマー中のDMIの残存量は650ppm、Y
I値は4.0であった。
【0030】
【発明の効果】本発明は、ヒドロキシカルボン酸および
/またはそのオリゴマーにハロイミニウム塩を用いて重
合し、得られるポリヒドロキシカルボン酸を品質およ
び、生産性の点で満足のいく形で単離することを可能と
し、ポリヒドロキシカルボン酸の効率的な製造に寄与す
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 勝治 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 玉井 正司 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
    のオリゴマーにハロイミニウム塩を作用させることによ
    って得られるポリヒドロキシカルボン酸の溶液に、脂肪
    族炭化水素系溶媒を反応溶媒量と同量以上加えてポリヒ
    ドロキシカルボン酸を析出させ、その後に該スラリー液
    を65℃以上、脂肪族炭化水素系溶媒の沸点以下の温度
    においてポリヒドロキシカルボン酸を濾別、単離するこ
    とを特徴とするポリヒドロキシカルボン酸の単離方法。
  2. 【請求項2】 脂肪族炭化水素系溶媒がn−ヘキサン、
    またはシクロヘキサンである請求項1記載のポリヒドロ
    キシカルボン酸の単離方法。
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JP2002121272A (ja) * 2000-08-07 2002-04-23 Wako Pure Chem Ind Ltd 乳酸重合体及びその製造方法
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