JPH1121343A - ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法

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JPH1121343A
JPH1121343A JP17590697A JP17590697A JPH1121343A JP H1121343 A JPH1121343 A JP H1121343A JP 17590697 A JP17590697 A JP 17590697A JP 17590697 A JP17590697 A JP 17590697A JP H1121343 A JPH1121343 A JP H1121343A
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JP
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acid
hydroxy
mol
molecular weight
synthesis example
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Application number
JP17590697A
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English (en)
Inventor
Kenichi Goto
謙一 後藤
Yukiko Mori
ゆきこ 森
Katsuji Watanabe
勝治 渡辺
Yoshi Ikeda
歓 池田
Masaji Tamai
正司 玉井
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量の制御されたヒドロキシカルボン酸の
製造方法を提供する。 【解決手段】 ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
のオリゴマーに対し、モノカルボン酸類、ジカルボン酸
類、モノアルコール類またはジオール類から選ばれる1
種または2種以上の分子量調節剤を任意の量比で混在さ
せ、そこにハロイミニウム塩と塩基を作用させる、分子
量の制御されたポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特殊用途及び汎用
樹脂代替の生分解性ポリマーとして有用なポリヒドロキ
シカルボン酸の製造方法に関し、特にポリヒドロキシカ
ルボン酸の分子量制御の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリヒドロキシカルボン酸は機械的性
質、物理的性質、化学的性質に優れている上に、他に害
を与えることなく自然環境下で分解され、最終的には微
生物によって水と炭酸ガスになるという生分解性の機能
を有しており、近年医療用材料や、汎用樹脂代替等、様
々な分野で注目されており、今後もその需要が大きく伸
びることが期待されている。特に、既存の汎用樹脂製品
に関してリサイクルが義務づけられるようになると、生
分解性ポリマーへの代替が進むことが予測され、飲料
品、洗剤、化粧品用の各種容器類、衣類、雑貨等の収納
ケース、食品こん包材、被覆用フィルムなどの用途に需
要が大きくなると見込まれる。
【0003】このように多岐な用途があるポリヒドロキ
シカルボン酸は、射出、ブロー、フィルム化、繊維化と
いった種々の成形加工に供され、その加工性が非常に重
要視される。製品に満足な物性を付与し、且つ、良好な
加工性を実現させるためには、それぞれの用途が要求す
る分子量に正確に制御する必要がある。当然のことなが
ら、原料樹脂の分子量の再現性が悪い場合、加工段階で
の生産性の低下につながることとなり、汎用用途におい
ては極めて深刻な問題となる。ポリヒドロキシカルボン
酸の分子量制御の重要性は自明であるが、しかし、これ
までにポリヒドロキシカルボン酸の分子量を正確に制御
して製造する方法は見いだされていないのが現状であ
る。
【0004】縮合系の高分子の場合、反応完結後の分子
量は、縮合反応をする2種の官能基のモル比によって決
まる。ポリヒドロキシカルボン酸は、ヒドロキシル基と
カルボキシル基を一つずつ有するモノマーから得られる
ポリエステルである。従って、分子量制御は、モノマー
にモノカルボン酸類、ジカルボン酸類、モノアルコール
類、ジオール類のいずれかを混合し、ヒドロキシル基と
カルボキシル基のモル比を調節したうえで縮合反応を行
うことによって可能になる。しかし、従来の技術ではこ
のヒドロキシル基とカルボキシル基のモル比を所望の量
比に正確に制御して反応させることが困難だった。
【0005】これまでに、ポリヒドロキシカルボン酸の
末端基の封止に関しては、物性面、機能面の向上に効果
をあげる技術として用いられてはいた。例えば、特開平
7−316273号公報には、カルボキシル基末端また
は、カルボキシル基とヒドロキシル基の両末端を封鎖し
て、耐加水分解性や、高温下での安定性を向上させたポ
リ乳酸が提供されることが報じられている。また、特開
平7−278277号公報にはα−ヒドロキシモノカル
ボン酸からなるポリエステルで、末端カルボキシル基を
エステル化することによって、良好な徐放性を示す徐放
性製剤用基剤となることが報じられている。しかし、ポ
リヒドロキシカルボン酸の分子量の制御を目的としたも
のではなく、実際に分子量を制御することはできていな
かった。
【0006】ポリヒドロキシカルボン酸の分子量の制御
を困難にしている原因としては、その製造条件の過酷さ
がある。従来のポリヒドロキシカルボン酸の製造方法と
しては、ヒドロキシカルボン酸、例えば乳酸では、環状
二量体であるラクチドを合成した後精製し、触媒の存在
下で開環重合することにより得る方法(米国特許第2,
703,316等)や、乳酸を触媒の存在下で直接脱水
して重縮合する方法(特開昭59−96123号公報、
米国特許4,273,920等)が知られている。これ
らの方法の場合、反応温度が140〜260℃と高く、
更には、10mmHg以下の減圧条件で行うこともあ
る。そのため、反応中に低分子量物の揮発が起こり、ヒ
ドロキシル基とカルボキシル基のモル比を調節すること
が困難だった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、この問
題を解決するべく、分子量の制御されたヒドロキシカル
ボン酸の製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、分子量の
制御されたヒドロキシカルボン酸の製造方法を提供する
ことを課題として、鋭意検討した。その結果、驚くべき
ことに、ヒドロキシカルボン酸および/またはそのオリ
ゴマーに、ヒドロキシル基とカルボキシル基のモル比を
所望の量比とするためにモノカルボン酸類、ジカルボン
酸類、モノアルコール類またはジオール類を添加し、低
温で反応を完結させることによって、初期のモル比が反
映された分子量のポリヒドロキシカルボン酸が得られる
ことを見いだし本発明を完成させるに至った。
【0009】即ち本発明は、ヒドロキシカルボン酸およ
び/またはそのオリゴマーに対し、モノカルボン酸類、
ジカルボン酸類、モノアルコール類またはジオール類か
ら選ばれる1種または2種以上の分子量調節剤を任意の
量比で混在させ、そこにハロイミニウム塩と塩基を作用
させることを特徴とする、分子量の制御されたポリヒド
ロキシカルボン酸の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるヒドロキシカ
ルボン酸の具体例としては、以下のものが挙げられる。
グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロ
キシバレリン酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒド
ロキシヘプタン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロピオン酸、2−ヒドロキシ−
2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−2−エチル酪酸、2
−ヒドロキシ−2−メチルバレリン酸、2−ヒドロキシ
−2−エチルバレリン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピ
ルバレリン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルバレリン
酸、2−ヒドロキシ−2−メチルカプロン酸、2−ヒド
ロキシ−2−エチルカプロン酸、2−ヒドロキシ−2−
プロピルカプロン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルカプ
ロン酸、2−ヒドロキシ−2−ペンチルカプロン酸、2
−ヒドロキシ−2−メチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ
−2−メチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−エチル
ヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘプタン
酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘプタン酸、2−ヒド
ロキシ−2−ペンチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2
−ヘキシルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルオ
クタン酸、2−ヒドロキシ−2−エチルオクタン酸、2
−ヒドロキシ−2−プロピルオクタン酸、2−ヒドロキ
シ−2−ブチルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−ペン
チルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオクタ
ン酸、2−ヒドロキシ−2−ヘプチルオクタン酸、3−
ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒ
ドロキシバレリン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、3−
ヒドロキシヘプタン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3
−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、3−ヒドロキシ−3−
メチルバレリン酸、3−ヒドロキシ−3−エチルバレリ
ン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルカプロン酸、3−ヒ
ドロキシ−3−エチルカプロン酸、3−ヒドロキシ−3
−プロピルカプロン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルヘ
プタン酸、3−ヒドロキシ−3−エチルヘプタン酸、3
−ヒドロキシ−3−プロピルヘプタン酸、3−ヒドロキ
シ−3−ブチルヘプタン酸、3−ヒドロキシ−3−メチ
ルオクタン酸、3−ヒドロキシ−3−エチルオクタン
酸、3−ヒドロキシ−3−プロピルオクタン酸、3−ヒ
ドロキシ−3−ブチルオクタン酸、3−ヒドロキシ−3
−ペンチルオクタン酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒド
ロキシバレリン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒ
ドロキシヘプタン酸、4−ヒドロキシオクタン酸、4−
ヒドロキシ−4−メチルバレリン酸、4−ヒドロキシ−
4−メチルカプロン酸、4−ヒドロキシ−4−エチルカ
プロン酸、4−ヒドロキシ−4−メチルヘプタン酸、4
−ヒドロキシ−4−エチルヘプタン酸、4−ヒドロキシ
−4−プロピルヘプタン酸、4−ヒドロキシ−4−メチ
ルオクタン酸、4−ヒドロキシ−4−エチルオクタン
酸、4−ヒドロキシ−4−プロピルオクタン酸、4−ヒ
ドロキシ−4−ブチルオクタン酸、5−ヒドロキシバレ
リン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシヘ
プタン酸、5−ヒドロキシオクタン酸、5−ヒドロキシ
−5−メチルカプロン酸、5−ヒドロキシ−5−メチル
ヘプタン酸、5−ヒドロキシ−5−エチルヘプタン酸、
5−ヒドロキシ−5−メチルオクタン酸、5−ヒドロキ
シ−5−エチルオクタン酸、5−ヒドロキシ−5−プロ
ピルオクタン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒド
ロキシヘプタン酸、6−ヒドロキシオクタン酸、6−ヒ
ドロキシ−6−メチルヘプタン酸、6−ヒドロキシ−6
−メチルオクタン酸、6−ヒドロキシ−6−エチルオク
タン酸、7−ヒドロキシヘプタン酸、7−ヒドロキシオ
クタン酸、7−ヒドロキシ−7−メチルオクタン酸、8
−ヒドロキシオクタン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン
酸および/またはそれらのオリゴマーであり、一種また
は二種以上の混合物を用いても良い。またそれらヒドロ
キシカルボン酸及びそれらオリゴマーの中には光学炭素
を有し、各々D体、L体、D/L体の形態をとる場合が
あるが、本発明方法においてはその形態に何ら制限はな
い。これらは単独でも或は二種以上混合して用いてもよ
い。特に好ましく用いられるヒドロキシカルボン酸は、
乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロ
キシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、またはそれらの混合
物である。
【0011】本発明方法では前述のヒドロキシカルボン
酸から誘導されるオリゴマーを原料として用いることも
出来る。オリゴマーの製法としては、ヒドロキシカルボ
ン酸を単に窒素雰囲気下で加熱脱水する方法で良く、オ
リゴマーの平均重合度はいかなるものであっても良いの
で、縮合水が系外へ除去されるのであれば製法の条件に
特に制約はない。
【0012】本発明に使用される分子量調節剤としての
モノカルボン酸類は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、トリメチ
ル酢酸、ピルビン酸、2−メトキシプロピオン酸、2−
クロロプロピオン酸、フェニル酢酸、安息香酸、トルイ
ル酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、メトキシ安息
香酸、p−sec.−ブチル安息香酸、等が挙げられ
る。また、本発明に使用される分子量調節剤としてのジ
カルボン酸類は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ド
デカン二酸等が挙げられる。これらは単独でも或は二種
以上混合して用いてもよい。特に好ましく用いられるモ
ノカルボン酸類及びジカルボン酸類は、酢酸、ピルビン
酸、コハク酸、またはそれらの混合物である。
【0013】本発明に使用される分子量調節剤としての
モノアルコール類は、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オ
クタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノ
ール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、イソプロ
パノール、イソブタノール、sec.−ブタノール、t
ert.−ブタノール、シクロヘキサノール、乳酸メチ
ル、乳酸エチル、フェノール、クレゾール、クロロフェ
ノール、クミルフェノール、tert.−ブチルフェノ
ール等が挙げられる。また、本発明に使用される分子量
調節剤としてのジオール類は、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベ
ンゼンジメタノール等が挙げられる。これらは単独でも
或は二種以上混合して用いてもよい。特に好ましく用い
られるモノアルコール類及びジオール類は、イソプロパ
ノール、乳酸エチル、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、またはそれらの混合物である。
【0014】ポリヒドロキシカルボン酸の分子量は、ヒ
ドロキシル基とカルボキシル基のモル比、即ち、モノマ
ー或いはモノマー単位(x;mol)と分子量調節剤
(y;mol)の量比で決まる。平均重合度(n)、平
均分子量(Mn,Mw)との関係は下式で示される。
【数1】n=x/y , Mn=n×M+α Mw=Mn×C M:モノマー単位の分子量 α:末端基分の分子量
C:定数
【0015】原料のヒドロキシカルボン酸の中には、モ
ノカルボン酸類、モノアルコール類といった成分が不純
物として含まれている場合がある。このように、初期か
らヒドロキシル基かカルボキシル基のいずれかが過剰に
なっている場合は、その過剰な官能基量を考慮して分子
量調節剤を加える。モノマー或いはモノマー単位x(m
ol)中の過剰な官能基量がz(mol)とすると、分
子量調節剤量y(mol)でのnは下式のようになる。
過剰な官能基と同じ官能基を有する分子量調節剤を加え
る場合。
【数2】n=x/(y+z) 過剰な官能基の反応相手である官能基を有する単官能の
分子量調節剤を加える場合。
【数3】y>z ならば n=x/y y<z ならば n=x/z 過剰な官能基の反応相手である官能基を有する二官能の
分子量調節剤を加える場合。
【数4】y≧z/2 ならば n=x/y y<z/2 ならば n=x/(z−y)
【0016】本発明に使用されるハロイミニウム塩は、
下式(1)
【化1】 (式中X1、X2はハロゲン原子を表し同一であっても異
なっていてもよい。)で表される構造を分子内に含有し
ている化合物であり、環状化合物であってもなくても、
上記構造さえ有している化合物であれば何ら問題ない。
一般的なハロイミニウム塩としては、N,N−ジメチル
クロロメチレンイミニウムクロライド、N,N−ジフェ
ニルクロロフェニルメチレンイミニウムクロライド、
N,N−ジフェニルクロロ−p−メトキシフェニルメチ
レンイミニウムクロライド、N,N,N’,N’−テト
ラメチルクロロホルムアミジニウムクロライド、N,
N,N’,N’−テトラエチルクロロホルムアミジニウ
ムクロライド、N,N,N’,N’−テトラブチルクロ
ロホルムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−
N’,N’−ジプロピルクロロホルムアミジニウムクロ
ライド、N,N−ジエチル−N’,N’−ジアリルクロ
ロホルムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−
N’,N’−ジブチルクロロホルムアミジニウムクロラ
イド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム
クロライド、2−クロロ−1,3−ジエチルイミダゾリ
ニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジプロピルイ
ミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジブ
チルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3
−ジヘキシルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ
−1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリニウムクロライ
ド、2−クロロ−1,3−ジフェニルイミダゾリニウム
クロライド、2−クロロ−1,3−ジメチル−3,4,
5,6−テトラヒドロピリミジニウムクロライド等のク
ロライド類が挙げられるがフルオライド類、ブロマイド
類、アイオダイド類でも同様に使用できる。またこれら
ハロイミニウム塩は、粉体として使用することもできる
し、適当な溶剤に溶解または懸濁させた状態においても
なんら問題なく使用することができ、数種のハロイミニ
ウム塩を併用することもできる。
【0017】本発明において使用されるハロイミニウム
塩の使用量は、反応させるヒドロキシカルボン酸および
/またはそのオリゴマーのカルボキシル基に対し、等モ
ル以上、好ましくは1.1倍モル〜2倍モルである。ハ
ロイミニウム塩がカルボキシル基に対し、等モルより少
ない場合、残存したカルボキシル基が反応停止末端とな
るため、分子量制御に影響を及ぼすことになる。
【0018】本発明方法の重合反応は、ハロゲン化水素
を放出しながら進行するので、これを速やかに完結させ
るためには反応系内のハロゲン化水素を中和する必要が
ある。そのため、本発明では塩基を用いて系内のハロゲ
ン化水素を中和する。用いられる塩基としては、ピリジ
ン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノ
リン、イソキノリン、N,N−ジメチルピペラジン、
N,N−ジエチルピペラジン、キナルジン、2−エチル
ピリジン、4−エチルピリジン、3,5−ルチジン、
2,6−ルチジン、4−メチルモルホリン、4−エチル
モルホリン、2,4,6−コリジン等が挙げられる。ま
た、これらを併用することも可能である。
【0019】本発明において使用される、塩基の使用量
は、反応により生成し得るハロゲン化水素に対して化学
量論量以上であれば問題ないが、通常化学量論量に対し
て1〜5倍量用いる。好ましくは1.1〜3倍量であ
る。
【0020】本発明の反応は0℃以上100℃以下で行
うのが良い。100℃を超える温度では、原料またはポ
リマー鎖末端のヒドロキシル基がハロゲン原子に置換さ
れた不純物(以下ハロゲン置換体と略記する。)が生成
して末端を封止するため、目的とする分子量制御ができ
なくなるので好ましくない。一方、0℃よりも低い温度
での反応も可能ではあるが、0℃よりも低い温度での反
応は冷媒を必要とし、不経済である。
【0021】本発明の方法において使用される溶剤は、
目的とする重合体の骨格構造、分子量により異なるが用
いるハロイミニウム塩及び反応原料と反応しないものな
らば基本的にいかなるものでも使用できる。溶剤の具体
例としては、エチレンジクロライド、ジクロロメタン、
クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチ
レン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等が挙げ
られるが何ら限定されるものではない。また反応系内の
雰囲気は、系外の水分の混入を防ぐために窒素、アルゴ
ン等の不活性ガスでパージするのが好ましいが、密閉系
でも問題なく実施できる。
【0022】
【実施例】以下実施例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。尚、重合体の重量平均分子量(M
w)は、shodex GPC system−11
(昭和電工(株)製)を用い、クロロホルム溶媒、40
℃で測定した。Mw値はポリスチレン換算値である。オ
リゴマーまたはポリマーのカルボキシル基量は、サンプ
ル(W;g)をジクロロメタン/メタノール=7/3
(容量比)に溶解させ、ナトリウムメチラートのメタノ
ール溶液で滴定して求めた。
【数5】 カルボキシル基量:a(mol/g)=E
×10-3×c/W E:滴定量(ml) c:滴定液の規定濃度(mol/l) また、このカルボキシル基量より数平均分子量Mnを求
めた。
【数6】 Mn=1/a そして、末端封止のされていないポリ乳酸について、実
際にGPCによりMwを、滴定によりMnを測定し、そ
の結果からMw/Mn(=C)を求めたところ、3.0
±0.2であった。分子量調節剤による到達Mwの計算
は、この定数を用いて行った。
【0023】合成例1 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管および撹拌装置を
備えた1000mlの4つ口フラスコにラクチド(PU
RASORB L:PURAC社製)800g、水、3
20gを装入し、窒素通風下、90℃で8時間加水分解
を行った。引き続き160℃で12時間脱水を行いオリ
ゴマーを得た。オリゴマーのカルボキシル基量は0.0
011mol/gであった。この乳酸オリゴマー30g
(カルボキシル基0.033mol)をジクロロメタン
120gとともに200mlフラスコに装入し、均一に
溶解させた後、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾ
リニウムクロライド6.1g(0.036mol)を装
入し、次に、ピリジン7.1g(0.090mol)を
添加し窒素雰囲気下、30℃で6時間反応させた。反応
後、反応液をイソプロピルアルコール300g中に注い
で重合体を晶析、濾過し、イソプロピルアルコールで洗
浄した。その後、粉体を乾燥しポリ乳酸を得た。得られ
たポリ乳酸のMwは890,000であった。
【0024】実施例1 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、酢酸0.020g(3.33×10-4mol)
を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポリ乳酸
を得た。得られたポリ乳酸のMwは255,000であ
った。酢酸の添加量から計算されるMwは、246,8
00〜282,000であり、その範囲内に制御され
た。
【0025】実施例2 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、酢酸0.040g(6.67×10-4mol)
を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポリ乳酸
を得た。得られたポリ乳酸のMwは134,000であ
った。酢酸の添加量から計算されるMwは、123,4
00〜141,000であり、その範囲内に制御され
た。
【0026】実施例3 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、酢酸0.060g(1.00×10-3mol)
を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポリ乳酸
を得た。得られたポリ乳酸のMwは90,000であっ
た。酢酸の添加量から計算されるMwは、82,300
〜94,000であり、その範囲内に制御された。
【0027】実施例4 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、乳酸エチル0.050g(4.23×10-4
ol)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポ
リ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは211,00
0であった。乳酸エチルの添加量から計算されるMw
は、194,300〜222,100であり、その範囲
内に制御された。
【0028】実施例5 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、乳酸エチル0.100g(8.47×10-4
ol)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポ
リ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは99,000
であった。乳酸エチルの添加量から計算されるMwは、
97,200〜111,000であり、その範囲内に制
御された。
【0029】実施例6 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、乳酸エチル0.150g(1.27×10-3
ol)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポ
リ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは68,000
であった。乳酸エチルの添加量から計算されるMwは、
64,800〜74,000であり、その範囲内に制御
された。
【0030】実施例7 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、コハク酸0.050g(4.23×10-4mo
l)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポリ
乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは208,000
であった。コハク酸の添加量から計算されるMwは、1
94,300〜222,100であり、その範囲内に制
御された。
【0031】実施例8 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、コハク酸0.100g(8.47×10-4mo
l)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポリ
乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは101,000
であった。コハク酸の添加量から計算されるMwは、9
7,200〜111,000であり、その範囲内に制御
された。
【0032】実施例9 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、コハク酸0.150g(1.27×10-3mo
l)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポリ
乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは72,000で
あった。コハク酸の添加量から計算されるMwは、6
4,800〜74,000であり、その範囲内に制御さ
れた。
【0033】実施例10 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、ブタンジオール0.050g(5.55×10
-4mol)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行
い、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは16
5,000であった。ブタンジオールの添加量から計算
されるMwは、148,200〜169,400であ
り、その範囲内に制御された。
【0034】実施例11 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、ブタンジオール0.100g(1.11×10
-3mol)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行
い、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは76,
000であった。ブタンジオールの添加量から計算され
るMwは、74,100〜84,700であり、その範
囲内に制御された。
【0035】実施例12 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、ブタンジオール0.150g(1.66×10
-3mol)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行
い、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは55,
000であった。ブタンジオールの添加量から計算され
るMwは、49,400〜56,500であり、その範
囲内に制御された。
【0036】実施例13 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、酢酸0.040g(6.67×10-4mol)
と、ブタンジオール0.020g(2.22×10-4
ol)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポ
リ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは199,00
0であった。酢酸とブタンジオールの添加量から計算さ
れるMwは、184,800〜211,200であり、
その範囲内に制御された。
【0037】実施例14 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、酢酸0.040g(6.67×10-4mol)
と、ブタンジオール0.030g(3.33×10-4
ol)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポ
リ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは267,00
0であった。酢酸とブタンジオールの添加量から計算さ
れるMwは、246,400〜281,600であり、
その範囲内に制御された。
【0038】実施例15 合成例1で合成した乳酸オリゴマー30g(カルボキシ
ル基0.033mol,モノマー単位数0.408mo
l)に、酢酸0.040g(6.67×10-4mol)
と、ブタンジオール0.040g(6.66×10-4
ol)を加えて、合成例1と同様に重合反応を行い、ポ
リ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは129,00
0であった。酢酸とブタンジオールの添加量から計算さ
れるMwは、123,500〜141,100であり、
その範囲内に制御された。
【0039】
【発明の効果】本発明方法により、ポリヒドロキシカル
ボン酸の分子量を制御して製造することが可能になっ
た。それによって、原料樹脂の分子量変動による成形加
工性の変動、製品物性の変動といった問題の発生を防ぐ
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 歓 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 玉井 正司 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
    のオリゴマーに対し、モノカルボン酸類、ジカルボン酸
    類、モノアルコール類またはジオール類から選ばれる1
    種または2種以上の分子量調節剤を任意の量比で混在さ
    せ、そこにハロイミニウム塩と塩基を作用させることを
    特徴とする、分子量の制御されたポリヒドロキシカルボ
    ン酸の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013515833A (ja) * 2009-12-29 2013-05-09 サムヤン バイオファーマシューティカルズ コーポレイション タンパク質、ポリペプチドまたはペプチド薬物伝達用高分子及びその製造方法、並びにタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド薬物の徐放性組成物及びその製造方法

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