JP2009503177A - 重縮合によってポリエステルを製造するための触媒系及びポリエステルの製造方法 - Google Patents

重縮合によってポリエステルを製造するための触媒系及びポリエステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、重縮合によってポリエステルを製造するための触媒系及びポリエステルの製造方法に関する。本発明は特に、ポリエステルの製造、より特定的にはポリ(エチレンテレフタレート)の製造に特に用いられる多成分触媒系に関する。本発明は、アルミニウム化合物(A)と、アルカリ金属化合物(B)と、マグネシウム化合物(C)若しくは有機ホスフィン酸化合物(D)のいずれか一方又はマグネシウム化合物(C)及び有機ホスフィン酸化合物(D)の両方とを含むことを特徴とする複数成分含有触媒系に関し、この触媒系を構成するこれらの化合物は、少なくともポリエステルの重縮合の工程の媒体中に存在させる。本発明の触媒系は重金属を含まないが、従来の系に匹敵する触媒活性を有し、特に注目すべき色特性を有するポリエステルを得ることを可能にする。

Description

本発明は、重縮合によってポリエステルを製造するための触媒系及びポリエステルの製造方法に関する。
より詳細には、本発明は、特にポリエステルの製造、より特定的にはポリ(エチレンテレフタレート)の製造に用いられる多成分触媒系に関する。このポリエステルは、ヤーン、ファイバー又はフィルムの製造及び射出吹込(インジェクションブロー)成形プロセスによる瓶のような中空物体の生産において非常に重要な用途を有する。
ポリエステルの製造のために、数多くの触媒及び触媒系が提唱されてきた。これらの中では、アンチモン化合物をベース(主成分)とする系、チタン化合物をベースとする系又はゲルマニウム化合物をベースとする系が特に重要であり、工業的に特に広く用いられている。
アンチモン化合物をベースとする触媒は、最も広く用いられている。しかしながら、得られるポリエステルは、おそらくアンチモン金属の粒子が存在することのせいで、灰色の色合いを有する。さらに、アンチモンは重金属であり、そのため、特にポリエステルが食料品と接触する場合に、ある程度の毒性を有することがある物質と分類されがちである。さらに、重金属を含むポリエステルの生産からの廃液は一般的に毒性があるものと分類され、経費がかかる上に困難な処理を必要とする。
ポリエステルの特性を高いレベルで維持しながらもアンチモンの欠点を示さない新規の触媒系を見つけ出すために、何年もの間にわたってかなりの研究が行われてきている。
ゲルマニウムをベースとする触媒系は、望ましくない変色がなく且つ非常に良好な特性を有するポリエステルを得ることを可能にする系として、以前から知られている。しかしながら、世界中のゲルマニウムの入手可能性を考えれば、ゲルマニウムをアンチモンの代替物にすることは不可能である。
テトラアルコキシチタンのようなチタンをベースとする触媒系も提唱されている。これらの触媒系は非常に活性であるが、しかしながら、これらの触媒系を用いて得られるポリエステルは、黄変を示すことがしばしばあり、熱安定性が高くない。
特にヨーロッパ特許公開第1227117号及び同第1327648号の両公報には、アルミニウム化合物及び随意としてのリン含有化合物をベースとする新規の触媒系が提唱されている。しかしながら、商品として入手できるこれらの触媒系において適切な触媒活性を得るためには、重縮合についての非常に特定的な作業及び実施条件が必要とされる。
ヨーロッパ特許公開第1227117号公報 ヨーロッパ特許公開第1327648号公報
本発明の1つの目的は、重合プロセスを実施するための標準的且つ慣用的な条件においてアンチモンをベースとする系と少なくとも同等の触媒活性を示すアルミニウム化合物をベースとする新規の触媒系を提供することによって、これらの欠点を解消することにある。
この目的で、本発明の主題は、
・アルミニウム化合物(A);
・アルカリ金属化合物(B);及び
・マグネシウム化合物(C)若しくは有機ホスフィン酸化合物(D)のいずれか一方又はマグネシウム化合物(C)と有機ホスフィン酸化合物(D)との両方:
を含むことを特徴とする複数成分含有触媒系にある。この触媒系を構成するこれらの化合物は、少なくとも下に規定するポリエステルの重縮合の工程の媒体中に存在させる。
このポリエステルの製造方法は、少なくとも2つの一連の工程、即ち、第1のヒドロキシエステルを得るための二酸又はジエステルモノマーとジオールモノマーとを反応させることから成るエステル化又はエステル交換工程、及び続いての第2の重縮合工程を含む。
本発明に従えば、少なくとも上記の化合物A、B並びに(C及び/又はD)を含む触媒系は、重縮合媒体中に存在させなければならない。
この目的で、前記触媒系を重縮合媒体中に直接、有利にはこの工程の開始時に、触媒系を構成する化合物の混合物を添加することによって、又は化合物Aと化合物B並びに(C及び/若しくはD)とを別々に添加することによって、添加することができる。
また、化合物C、B及びDを重合媒体に、任意の時点で、そして最も遅くともアルミニウム化合物Aを添加する前に、添加することもできる。
従って、化合物C、B及びDは、エステル化、エステル交換又は重縮合媒体に区別なく、しかし遅くともアルミニウム化合物の前に又は一緒に、添加することができる。
しかしながら、触媒系が有機リン化合物Dを含む本発明の実施形態においては、そのすべての成分を有する触媒系を、エステル化若しくはエステル交換媒体に又は重縮合媒体に区別なく、添加することができる。この実施形態においては、アルミニウム化合物をエステル化又はエステル交換媒体に添加する時に、有機リン化合物Dをアルミニウム化合物と組み合わせて添加するのが有利である。
本発明の別の特徴に従えば、前記触媒系は、これを構成する化合物A、C、B及びDについて次の濃度で重縮合媒体中に存在させる:
・化合物A:その濃度は、ポリマーに対するアルミニウム元素のppmで表わして、1〜200ppmの範囲、有利には5〜40ppmの範囲とする。
・化合物B:その濃度は、ポリマーに対するアルカリ金属元素のppmで表わして、0.5〜50ppmの範囲、有利には1〜50ppmの範囲とする。
・化合物C:その濃度は、ポリマーに対するマグネシウム元素のppmで表わして、マグネシウム0ppm〜200ppmの範囲とする。
・化合物D:その濃度は、ポリマーに対するリン元素のppmで表わして、リン0ppm〜500ppmの範囲、有利には3〜300ppmの範囲とする。
・化合物(C)及び(D)の濃度の合計は、3ppm以上とする。
さらに、触媒系の金属元素の合計濃度は、樹脂100g当たりの金属元素のミリモル数で表わして、0.02ミリモル〜1ミリモルの範囲とする。用語「金属元素」とは、リン元素以外の触媒系の金属元素を意味するものとする。
本発明のさらに別の特徴に従えば、化合物Bは、リチウム、ナトリウム及びカリウムより成る群から選択されるアルカリ金属の化合物である。リチウム化合物が好ましい。
本発明にとって好適なアルカリ金属化合物としては、脂肪族カルボン酸の塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、アクリル酸塩又はメタクリル酸塩;芳香族カルボン酸の塩、例えば安息香酸塩;ハロゲン化カルボン酸の塩、例えばトリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩;ヒドロキシカルボン酸塩、例えば乳酸塩、クエン酸塩又はシュウ酸塩;無機酸の塩、例えば炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、硫酸水素塩、炭酸水素塩、リン酸水素塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、塩化物、塩素酸塩、臭化物又は臭素酸塩;有機スルホン酸塩、例えば1−プロパンスルホン酸塩、1−ペンタンスルホン酸塩又はナフタレンスルホン酸塩;有機硫酸塩、例えばラウリル硫酸塩;アルコキシド、例えばメトキシド、エトキシド、プロポキシド又はブトキシド;アセチルアセトネート;酸化物;及び水酸化物:を挙げることができる。
本発明にとって好適なアルミニウム化合物には、例えば、脂肪族カルボン酸の塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、アクリル酸塩又はメタクリル酸塩;芳香族カルボン酸の塩、例えば安息香酸塩;ハロゲン化カルボン酸の塩、例えばトリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩;ヒドロキシカルボン酸塩、例えば乳酸塩、クエン酸塩又はシュウ酸塩;無機酸の塩、例えば炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、硫酸水素塩、炭酸水素塩、リン酸水素塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、塩化物、塩素酸塩、臭化物又は臭素酸塩;有機スルホン酸塩、例えば1−プロパンスルホン酸塩、1−ペンタンスルホン酸塩又はナフタレンスルホン酸塩;有機硫酸塩、例えばラウリル硫酸塩;アルコキシド、例えばメトキシド、エトキシド、プロポキシド又はブトキシド;アセチルアセトネート;酸化物;及び水酸化物:がある。
同様に、本発明にとって好適なマグネシウム化合物には、例えば、脂肪族カルボン酸の塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、アクリル酸塩又はメタクリル酸塩;芳香族カルボン酸の塩、例えば安息香酸塩;ハロゲン化カルボン酸の塩、例えばトリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩;ヒドロキシカルボン酸塩、例えば乳酸塩、クエン酸塩又はシュウ酸塩;無機酸の塩、例えば炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、硫酸水素塩、炭酸水素塩、リン酸水素塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、塩化物、塩素酸塩、臭化物又は臭素酸塩;有機スルホン酸塩、例えば1−プロパンスルホン酸塩、1−ペンタンスルホン酸塩又はナフタレンスルホン酸塩;有機硫酸塩、例えばラウリル硫酸塩;アルコキシド、例えばメトキシド、エトキシド、プロポキシド又はブトキシド;アセチルアセトネート;酸化物;及び水酸化物:がある。
本発明にとって好適な有機ホスフィン酸化合物としては、1〜10個の炭素原子を有し且つヘテロ原子を含んでいることができる飽和直鎖状又は分岐鎖状有機アルキル基を挙げることができる。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル及びブチル基を挙げることができる。有機ホスフィン酸化合物は、2個の同一の又は異なる有機基を含むことができる。
また、オルガノジホスフィン酸化合物も本発明にとって好適である。各リン原子が有する有機基は、上に記載したものと同じように規定される。その2個のリン原子は、共有結合によって、又は1〜10個の炭素原子を有する飽和直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基又はフェニレン、アルキルフェニレン若しくはアリールアルキレン基を介して、互いに結合される。メチレン及びフェニレン基が有利である。
これらの有機ホスフィン酸化合物は、酸の形又は塩の形で添加される。特に、本発明の好ましい実施形態においてはこれらの化合物はアルミニウム塩の形で添加され、従って単一の化合物で本発明の触媒系の化合物A及びDの組合せを形成する。同様に、有機ホスフィン酸化合物のマグネシウム及び/又はリチウム塩を用いることもできる。
有機ホスフィン酸化合物を用いた場合には、マグネシウム化合物の不在下においてさえ、特に溶融及び固相重合速度が改善されることによって、本発明の系及び特にアルミニウムの触媒活性が改善される。さらに、これらの有機ホスフィン酸化合物は、ポリエステルに対する熱安定化効果を有する。
しかしながら、このポリエステルの熱安定化は、慣用のすでに知られている熱安定剤、例えばリン含有化合物、例えばリン酸塩、オルガノホスフェート、オルガノホスファイト又はオルガノホスホネートを添加することによって達成又は改善することができる。これらの化合物は、有機ホスフィン酸化合物とは違って、本発明の触媒系及び特にアルミニウムの触媒活性に対する効果は持たない。
本発明の別の実施形態において、マグネシウム及びリチウム又はより一般的にアルカリ金属は、重合媒体に添加することができ、又は、天然起源若しくは合成起源の混合化合物の形で触媒系を形成させることもできる。かくして、マグネシウム及びアルカリ金属のケイ酸塩、例えばベントナイト又はヘクトライト、より一層好ましくはLaponite(登録商標)の商品名で販売されている合成マグネシウム、ナトリウム及びリチウムケイ酸塩を用いることができる。
本発明の触媒系は、すべてのタイプのポリエステルの製造、特に二酸又はジエステルモノマーとジオール又はポリオールモノマーとの重合によって得られるものの製造に、好適である。
本発明の触媒系は、より特定的には、ヤーン、ファイバー及び包装用(特に食料品の包装及び貯蔵用)の中空物体の製造に用いられるポリ(エチレンテレフタレート)(PETとも称される)の合成に、好適である。
本発明の別の主題事項は、二酸及び/又はジエステルモノマーとジオール及び/又はポリオールモノマーとからのポリエステルの製造方法にある。
これらのポリエステルの製造のための慣用的な方法は、エステル化又はエステル交換工程及び重縮合工程と称される2つの一連の工程を含む。
本発明に従えば、ポリエステルの製造方法の重縮合工程は、本発明に従う触媒系の存在下で実施される。
かくして、ポリエステルの製造方法の第1工程は、2つのルートに従うことができる。
第1の調製ルートは、「テレフタル酸メチル」(DMT)ルートである。これは、エステル交換反応を用いるものである。溶融DMTを過剰量で存在するエチレングリコール(EG)に添加し(EG/DMTのモル比は約1.9〜2.2とする)、大気圧下で約150℃〜250℃の範囲の温度において反応を実施する。この反応は触媒、例えば酢酸マンガンの存在を必要とする。
反応によって放出されるメタノールは、蒸留によって取り除かれる。過剰量で存在するエチレングリコールは、エステル交換反応の後に取り除かれる。触媒(これはポリエステル分解の触媒でもある)は、反応後にリン含有化合物を用いてブロックされる。エステル交換から得られる生成物は、テレフタル酸ビス(ヒドロキシエチル)(BHET)とオリゴマーとの混合物である。
第2のルートは、「直接エステル化」ルートである。これは、テレフタル酸をエチレングリコールによってエステル化する反応を伴うものである。これは、約150℃〜280℃の範囲の温度において実施される。エチレングリコールは、約1〜1.4のEG/テレフタル酸モル比で存在させる。この反応の結果物は、酸基及びヒドロキシエチル基を末端官能基とするオリゴマーの混合物である。
よりわかりやすくするためにポリ(エチレンテレフタレート)の製造に関してこれら2つのルートを説明しているが、しかしこれらはすべてのタイプのポリエステルの製造に適用できる。
第2の「重縮合」工程は、本発明の触媒系から成る重縮合触媒の存在下で実施される。
かくして、この触媒系は、各種化合物A、B並びに(C及び/又はD)の混合物の形で、第1の工程において得られた溶融オリゴマーに添加することができる。しかしながら、化合物A、C、B及びDを別々に、又はこれらの化合物の内のいくつかの混合物の形若しくは通常は化合物A、C、B及びDによって提供される元素の内の少なくとも2種を含む化合物の形で、重縮合媒体に添加するのが好ましい。さらにより一層好ましくは、化合物C及びB並びに随意としてのDをエステル化又はエステル交換工程の開始時又は間にエステル化媒体に添加し、化合物A及び随意としての化合物Dを重縮合の開始時に媒体に添加する。しかしながら、化合物Dを存在させる場合には、本発明の触媒系の全体をエステル化又はエステル交換媒体に添加することができる。
この第2工程においては、重縮合媒体を撹拌しながら約10Pa〜200Paの範囲の圧力下で245℃〜280℃の範囲の温度に加熱する。
重合又は縮合の度合いは、撹拌機を動かすのに必要なトルク(又は偶力)又は力を測定することによって監視される。所望の重合度が得られた時、即ち撹拌機を動かす力又はトルクが所定レベルに達した時に、重縮合を停止する。こうして得られたポリマーを、紐状体を得るためにダイ中に注ぐ。冷却後に、これらの紐状体を細断して、ポリエステルグラニュールを製造する。
これらのグラニュールは次いで、随意に乾燥させた後に、紡糸によってヤーン若しくはファイバーを得るため、押出によってフィルムを得るため又は射出吹込成形によって中空物体を形成させるための設備に供給するための出発物質として用いられる。
上記の方法は単に例として与えたものであり、本発明の触媒系の利用分野を何ら限定するものではない。かくして、前記触媒系はまた、低重合度のポリエステルを得るために溶融重縮合を実施し、次いでポリエステルをグラニュールにした後に、予定される用途のために望まれる重合度を得るために固相重縮合を実施することから成るポリエステルの製造方法において用いることもできる。本発明の触媒系は、バッチ式又は連続式プロセスによるポリエステルの製造に好適である。
本発明の方法によって有利に製造することができるポリエステルは、ポリカルボン酸(より特定的には二酸)又はそれらのエステルと少なくともポリオール化合物(より特定的にはジオール)との共重合によって得られるものである。
本発明にとって好適なジカルボン酸としては、次のものを挙げることができる。
・飽和脂肪族酸、例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、脂肪酸二量体及びこれらの酸から誘導されるエステル。
・不飽和脂肪族ジカルボン酸、例えばフマル酸、マレイン酸、イタコン酸及びこれらの酸から誘導されるエステル。
・芳香族ジカルボン酸、例えばオルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸の塩、ジフェン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシルジフェニルスルホン、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸及びこれらの酸から誘導されるエステル。
テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸及びイソフタル酸が好ましい。
グリコールは本発明にとって好適なポリオールモノマーとして好ましい。
かくして、次のものを挙げることができる:
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、1,10−デカメチレングリコール、1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、芳香族グリコール類、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5−ナフタレンジオール。
エチレングリコール、プロピレングリコール及びブチレングリコールが好ましい。
本発明の好ましいポリエステルは、少なくとも80モル%がテレフタル酸から成る二酸モノマーと少なくとも80モル%がエチレングリコールから成るグリコールモノマーとから得られるポリ(エチレンテレフタレート)である。
また、多官能性コモノマー、例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール誘導体又は結晶化遅延剤を用いることも可能であり、これは、特に型成形若しくは射出成形物品(例えば予備成形物)を冷却する際にポリエステルの結晶化を減速させ又は遅延させて、非常に小さい結晶として結晶化を達成し、球状結晶化を回避し、そして許容できる機械的特性を有する物品を製造することができるようにするものである。かかる特性は、ある種の用途にとって有利であり得る。
これらの結晶化遅延剤は、二官能性化合物、例えば二酸及び/又はジオールであり、ポリエステルの重合の前又は間にモノマーの混合物に添加される。
結晶化遅延剤として、二酸の例としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸又はセバシン酸を挙げることができ、ジオールの例としては3〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、6〜20個の炭素原子を有する環状脂肪族ジオール、6〜14個の炭素原子を有する芳香族ジオール、及びそれらの混合物、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの異性体、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルシクロブタン、2,2−ビス(3−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパン、及びそれらの混合物を挙げることができる。ジエチレングリコールは、合成の際にエチレングリコール2分子が縮合することによって生成するので、しばしば固有にポリエステル中に存在する。
最終ポリエステル中に望まれるジエチレングリコール(DEG)残基含有繰返し単位の濃度に応じて、ジエチレングリコールをモノマーの混合物に添加してもよく、ジエチレングリコールの生成を抑制するためにポリエステルの合成のための条件を調節してもよい。
有利には、二酸モノマーのモル数に対するポリエステル中のジエチレングリコールのモル濃度は、3.5モル%未満、好ましくは2モル%未満とする。
本発明の触媒系の1つの利点は、重合プロセスの間のジエチレングリコールの生成を抑制するということである。従って、本発明の触媒系によって得られるポリエステルは、DEGを2重量%未満、特に1.5重量%付近の濃度で含む。この結果は、重合プロセスの実施において特定の条件を用いることなく達成される。
また、望まれる用途に応じて、特にある種のテキスタイル用途のためには、トリメチロールプロパンエトキシレート、トリメチロールプロパンプロポキシレート、ペンタエリトリトールエトキシレート又はペンタエリトリトールプロポキシレートのような多官能性コモノマーを用いてポリエステルを得ることもできる。これらのコモノマーを使用することにより、ポリエステルの構造中に分岐を得ることが可能になり、それにより、ポリエステルのある種の特性を変性することができる。
ポリエステル樹脂は一般的に、非常に広い範囲内であることができる粘度指数VIを有し、この粘度指数VIは、有利には0.5dl/g〜1.2dl/gの範囲、好ましくは0.6dl/g〜1dl/gの範囲であることができる。しかしながら、本発明の触媒系は、本発明の範囲から逸脱することなく、それより高い粘度指数を有するポリエステルの製造に用いることができる。
粘度指数VIは、o−ジクロロベンゼン及びフェノール(重量比50/50)から成る溶媒100ミリリットル当たりポリマー0.5gを含むポリマー溶液に対して、25℃において、ISO規格1628/5、「毛管粘度計を用いる希薄溶液状のポリマーの粘度の測定−第5部:熱可塑性ポリエステルのホモポリマー及びコポリマー(Determination of the viscosity of polymers in dilute solution using capillary viscometers - Part 5: homopolymers and copolymers of thermoplastic polyesters)」、1998年3月15日の第2版に従って、測定される。
前記粘度指数は一般的に、ポリマー製造の終わりに得られるポリマー粒体を分析することによって決定される。
本発明のポリエステルはまた、熱安定剤、光安定剤、染料、顔料、艶消剤等のようなその他の添加剤を含むこともできる。
本発明に従う触媒系を用いて得られるポリエステルは、注目すべき特徴を示す。0.5dl/g超、有利には0.6〜1dl/gの範囲の粘度指数に相当する重合度を達成するのに必要な重合時間は、最大でもアンチモンをベースとする触媒を用いて観察されるものに等しい。
さらに、得られるポリエステルの特性は、アンチモンを用いた触媒反応によって得られるポリエステルのものに匹敵し、特に着色及び熱安定性の点では、チタンを用いた触媒反応によって得られるポリエステルと比較して改善される。
本発明のその他の利点及び詳細は、例示として以下に単に指標として与えた実施例からより一層はっきりわかるだろう。
ポリマーの合成方法:
合成は、7.5リットルステンレス鋼製反応器から成る設備中で実施する。この反応器は、スクリュー/ウェル撹拌システム、並びに生成する水及びグリコールの分離が可能なカラムを備え、加圧下でエステル化工程を実施することが可能であり且つ段階的な真空下で重縮合工程を実施することも可能なものである。
合成されるポリ(エチレンテレフタレート)は、別途記載がない限り、2.3モル%のイソフタル酸単位を含み、即ち、用いる酸モノマーは、テレフタル酸(TPA)とイソフタル酸(IPA)とのIPAを2.3モル%含む混合物である。エチレングリコール[EG]対二酸の全モル数のモル比は1.20である。重縮合媒体中に用いる触媒系の組成を、それぞれの例について下記の表に示す。
用いる出発原料:
・テレフタル酸(TPA):2595g(15.63モル)
・イソフタル酸(IPA):61.1g(0.37モル)
・エチレングリコール(EG):1190g(19.2モル)
エステル化工程:
・エステル化反応器にグリコールを含ませる。テレフタル酸とイソフタル酸との混合物を撹拌しながら添加する。この反応器を窒素でパージし、次いでこの反応器を6.6バールの窒素の絶対圧下に置いた後に、反応物の温度を25℃から60分かけて徐々に260℃にし、10分かけて260℃から270℃にし、そして40分かけて270℃から275℃にする。反応物の温度が約240℃に達した時に、エステル化反応が始まる。
・このエステル化工程を通じてカラム頂部の温度が167〜168℃に保たれるように、蒸留水の還流比を調節する。
・水の蒸留が完了した時に、反応器内の圧力を大気圧に戻す。
触媒系を添加するための条件は、それぞれの例について特定的に記載する。
重縮合:
・反応器内の圧力を撹拌しながら90分かけて徐々に0.7ミリバールにする。同時に、本発明の触媒系を含む反応物の温度を285℃にする。
・次いで圧力を約0.7〜0.5ミリバールの範囲に保つ。撹拌のトルクを測定することによって重縮合を監視する。撹拌トルクが14Nmから変化する時に、重合が完了する。
触媒添加からの全重縮合時間を下記の表Iに示す。
造粒:
得られたポリマーをダイに通して紐状体を製造し、これを細断して粒体の形にする。
得られたポリマーの特徴付け:
ポリマーの粘度指数は、上記の標準化された方法によって測定する。
色特性は、Minolta CR310比色計を用いるCIE−L***標準に従う測定法によって測定する。
ジエチレングリコール及びイソフタル酸単位の濃度も、次の方法によって測定する:
ポリマーのメタノーリシス後にクロマトグラフィー(GC)分析を行う。GCによって同定された構造を、ガスクロマトグラフィー/赤外分光分析/質量分析(GC/IR/MS)の組合せによって確認する。
メタノーリシス:約300mgの正確に計量した試験サンプル(粉砕又は未粉砕)をジルコニウム製のParrボンベに、Normapurメタノール10ミリリットル及びチタン酸テトラブチル(TBOT)(Aldrich社製品番号24,411-2)の0.6%(重量/容量)メタノール溶液5滴と共に添加する。Parrボンベを通気オーブン中で190℃に16時間加熱する。冷却後に、内容物を定量的に50ミリリットルメスフラスコに移す。Parrボンベを10ミリリットルずつのアセトンで3回洗浄し、洗液を前記メスフラスコに添加する。このフラスコに内部標準(0.1mgの誤差内で計量したアセトン中の1,4−ブタンジオールの1.5g/50ミリリットル溶液を、精密ピペットで2ミリリットル)を添加する。このメスフラスコにアセトンを加えて全体を50ミリリットルにする。この溶液を用いて、クロマトグラフィー分析において通常用いられる技術に従ってクロマトグラフィー分析を実施して、各種モノマーの濃度を測定する。存在する可能性があるすべての化合物の応答係数を測定すべきである。分析した化合物の同定を完全なものにするために、赤外分析及び質量分析と組み合わせた。
末端カルボキシル基の割合は、次の方法で測定する:PET3gをo−クレゾール50g中に115℃において溶解させる。0.1N水酸化ナトリウムによる定量測定を電位差測定によって実施する。PETの挙動は、示差走査熱量分析(DSC)によって研究される。用いた装置は、Perkin-Elmer Pyris 1である。PET10mgをシール式平皿に入れる。40〜290℃の範囲で10℃/分の速度で2回の昇温及び1回の冷却を実施する。本発明を例示する試験を下記の表Iにまとめる。
試験1a〜1cは従来の触媒を用いた比較試験である。それ以外の試験において、用いたアルミニウム化合物はアルミニウムトリエトキシドであるが、例外的に試験6は塩化アルミニウムを用いて実施した。試験7及び10〜13は、特にClariant社よりExolit(登録商標)の名前で販売されているアルミニウムトリ(ジエチルホスフィネート)を用いて実施した。リチウム、ナトリウム及びマグネシウムは、これらの金属の酢酸塩の形で添加した。試験4においては、アルカリ金属及びマグネシウムを錯体化合物の形、即ちLaponite(登録商標)の形で、244ppmの割合で導入した。試験8cにおいて用いたリン化合物は、Ciba Specialty Chemicals社より商品名Irgamod 295の下で販売されている製品である。この化合物は、ジエチル((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスホネートである。
触媒系の各種成分の導入方法は、次のように規定される:
・a:重縮合工程の開始時に化合物を添加
・b:エステル化工程の開始時に化合物を添加。
Figure 2009503177
試験7及び8cは、試験7及び10〜13において用いた有機ホスフィン酸化合物の反応速度に対する影響を示す(試験6についての140分から試験7についての127分に重合時間が短縮)。対照的に、試験8cにおいて用いた有機ホスホン酸化合物はより長い重合時間(153分)をもたらした。
本発明の例に従って得られたポリエステルの特徴及び特性を下記の表IIにまとめる。
Figure 2009503177
これらの結果は、本発明の触媒系がゲルマニウム化合物をベースとする触媒反応によって得られたポリエステルのものに匹敵する色特徴を示しながらもDEGの生成が減少したポリエステルを得ることを可能にすることを示す。さらに、結晶化温度は、等割合の結晶化遅延剤を用いた従来技術の触媒について観察されるものと同等又は同様である。従って、本発明は以前の触媒系のものと同様の活性を示す触媒系を用いた低コストでのポリエステルの製造方法を提供する。得られるポリエステルはもはや「重」金属を含まず、優れた色特徴を示す。
いくつかのポリマーについて、次の手順に従って固相重縮合(SPC)速度を測定した:
・前もって周囲空気中で150℃において結晶化させた非晶質ポリエステル粒体300gを、制御型オーブン中に置いた撹拌式丸底フラスコに添加する。
・粒体をアルゴンガスフロー下で193℃の反応温度まで加熱する。
・SPCの開始は、粒体が193℃の温度に達する瞬間に相当する。サンプルを定期的に取り出すことによって、重縮合の速度を決定することができ、この速度はミリリットル/g/時間(時間の関数としてのポリエステルのVIの変化)で表わされる。
得られた結果を下記の表IIIにまとめる。
Figure 2009503177

Claims (21)

  1. 重縮合媒体中に
    ・アルミニウム化合物(A);
    ・アルカリ金属化合物(B);及び
    ・マグネシウム化合物(C)若しくは有機ホスフィン酸化合物(D)のいずれか一方又はマグネシウム化合物(C)と有機ホスフィン酸化合物(D)との両方:
    の組合せを含むことを特徴とする、ポリエステル重合触媒系。
  2. 重縮合媒体中におけるポリエステルに対する元素のppmで表わされる濃度が
    ・化合物(A)についてはAlとして1〜200ppmであり、
    ・化合物(B)についてはアルカリ金属として0.5〜50ppmであり、
    ・化合物(C)についてはMgとして0〜200ppmであり、
    ・化合物(D)についてはリンとして0〜500ppmであり、且つ
    ・化合物(C)及び(D)の濃度の合計が3ppm以上である
    こと、並びに樹脂100g当たりの金属のミリモル数で表わした触媒系の金属元素の合計濃度が0.02ミリモル〜1ミリモルの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の触媒系。
  3. 前記有機ホスフィン酸化合物がアルキルホスフィン酸化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の触媒系。
  4. 化合物(D)の濃度がリンとして表わして3〜300ppmの範囲であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の触媒系。
  5. 前記アルキルホスフィン酸化合物が1〜10個の炭素原子を有し且つヘテロ原子を含んでいることができる飽和直鎖状又は分岐鎖状アルキル基より成る群から選択されるアルキル基を含むことを特徴とする、請求項3又は4に記載の触媒系。
  6. 前記アルカリ金属化合物Bがリチウム化合物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の触媒系。
  7. 重縮合媒体中の化合物(A)の濃度がアルミニウムとして表わして5〜100ppmの範囲であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の触媒系。
  8. 前記アルミニウム化合物(A)が、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、アクリル酸塩及びメタクリル酸塩より成る群から選択される脂肪族カルボン酸塩;芳香族カルボン酸塩;トリクロロ酢酸塩及びトリフルオロ酢酸塩より成る群から選択されるハロゲン化カルボン酸塩;乳酸塩、クエン酸塩及びシュウ酸塩より成る群から選択されるヒドロキシカルボン酸塩;炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、硫酸水素塩、炭酸水素塩、リン酸水素塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、塩化物、塩素酸塩、臭化物及び臭素酸塩より成る群から選択される無機酸塩;1−プロパンスルホン酸塩、1−ペンタンスルホン酸塩及びナフタレンスルホン酸塩より成る群から選択される有機スルホン酸塩;ラウリル硫酸塩より成る群から選択される有機硫酸塩;メトキシド、エトキシド、プロポキシド及びブトキシドより成る群から選択されるアルコキシド;アセチルアセトネート;酸化物;並びに水酸化物:より成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の触媒系。
  9. 前記マグネシウム化合物(C)が、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、アクリル酸塩及びメタクリル酸塩より成る群から選択される脂肪族カルボン酸塩;芳香族カルボン酸塩;トリクロロ酢酸塩及びトリフルオロ酢酸塩より成る群から選択されるハロゲン化カルボン酸塩;乳酸塩、クエン酸塩及びシュウ酸塩より成る群から選択されるヒドロキシカルボン酸塩;炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、硫酸水素塩、炭酸水素塩、リン酸水素塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、塩化物、塩素酸塩、臭化物及び臭素酸塩より成る群から選択される無機酸塩;1−プロパンスルホン酸塩、1−ペンタンスルホン酸塩及びナフタレンスルホン酸塩より成る群から選択される有機スルホン酸塩;ラウリル硫酸塩より成る群から選択される有機硫酸塩;メトキシド、エトキシド、プロポキシド及びブトキシドより成る群から選択されるアルコキシド;アセチルアセトネート;酸化物;並びに水酸化物:より成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の触媒系。
  10. 前記アルカリ金属化合物(B)が、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、アクリル酸塩及びメタクリル酸塩より成る群から選択される脂肪族カルボン酸塩;芳香族カルボン酸塩;トリクロロ酢酸塩及びトリフルオロ酢酸塩より成る群から選択されるハロゲン化カルボン酸塩;乳酸塩、クエン酸塩及びシュウ酸塩より成る群から選択されるヒドロキシカルボン酸塩;炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、硫酸水素塩、炭酸水素塩、リン酸水素塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、塩化物、塩素酸塩、臭化物及び臭素酸塩より成る群から選択される無機酸塩;1−プロパンスルホン酸塩、1−ペンタンスルホン酸塩及びナフタレンスルホン酸塩より成る群から選択される有機スルホン酸塩;ラウリル硫酸塩より成る群から選択される有機硫酸塩;メトキシド、エトキシド、プロポキシド及びブトキシドより成る群から選択されるアルコキシド;アセチルアセトネート;酸化物;並びに水酸化物:より成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の触媒系。
  11. 前記アルミニウム化合物(A)がリン含有化合物(D)の塩であることを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の触媒系。
  12. 化合物A及びDとしてアルミニウムトリ(ジエチルホスフィネート)を含むことを特徴とする、請求項11に記載の触媒系。
  13. 第1工程のエステル化又はエステル交換工程及び第2工程の重縮合工程を含むポリエステルの製造方法であって、前記重縮合工程を請求項1〜12のいずれかに記載の触媒系の存在下で実施することを特徴とする、前記方法。
  14. 前記触媒系を構成する前記化合物A、B並びに(C及び/又はD)を重縮合媒体に同時に添加することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. 前記アルミニウム化合物(A)を重縮合媒体に添加し、前記化合物(C及び/又はD)並びにBをエステル化若しくはエステル交換媒体に又は重縮合媒体に、遅くとも化合物(A)の添加と共に、添加することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  16. 前記リン化合物(D)を存在させる場合に、化合物A、B、D及び随意としてのCから成る触媒系をエステル化又はエステル交換媒体に添加することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  17. 前記ポリエステルが1種以上の二酸又は酸ジエステルと1種以上のジオールとの重縮合によって得られることを特徴とする、請求項13〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記二酸が飽和脂肪族ジカルボン酸、不飽和脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸より成る群から選択されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ジオール化合物が脂肪族ジオール、環状脂肪族ジオール及び芳香族ジオールより成る群から選択されることを特徴とする、請求項13〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記ポリエステルが少なくとも80モル%がテレフタル酸から成る二酸モノマーと少なくとも80モル%がエチレングリコールから成るジオールモノマーとから得られるものであることを特徴とする、請求項13〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 艶消剤、熱安定化用添加剤、光安定化用添加剤、染料、顔料、アセトアルデヒド除去剤及び充填剤より成る群から選択される1種以上の添加剤を含ませることを特徴とする、請求項13〜20のいずれかに記載の方法。
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