JP4321918B2 - ポリエステルの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルの製造法、特に脂肪族ポリエステルを工業的に効率よく製造できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートに代表される芳香族系ポリエステルは、現在、容器やフィルム、繊維材料などエンジニアリングプラスチックとして幅広く用いられている。一方、脂肪族ポリエステルについても、縫合糸として利用されているほか、近年のプラスチック廃棄物の問題に対して生分解性を有しリサイクル及び分解が容易であることから、その用途は年々拡大する傾向にある。
【0003】
ポリエステルの製造法としては、硫酸などのプロトン酸やチタンアルコキシドなどの金属化合物を触媒として、ジオール成分とジカルボン酸成分とを重縮合させる方法が一般に行われている。しかし、ポリエステル化反応の平衡定数は1〜10程度であるため、高分子量のポリマーを得るには生成する水をできるだけ除き、平衡を生成物側にシフトさせる必要がある。この脱水操作の必要性が高重合度ポリエステルの合成を困難にしている要因となっている。
【0004】
このような問題を改善し、工業的に応用されているポリエステルの合成法として、微生物による合成法や極性高沸点溶媒中での重合法などがある。しかし、微生物による合成では、大量合成が困難であるのに加え、微生物を除去して純粋なポリマーを得ることが難しい。また、高沸点溶媒を用いる重合法では、ポリエステル製品中への溶媒の残留が問題となる。そして、特に脂肪族ポリエステルにおいては、芳香族ポリエステルに比べ加水分解が起こりやすいことから、重合系の水の除去が大きな問題となり、そのための設備投資の増大、重合プロセスの煩雑化等、工業化を進める上での問題点が多く存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、高沸点溶媒の使用や減圧等の脱水操作を行わなくても、少量の触媒で簡易に高重合度ポリマーを得ることのできるポリエステルの製造法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ポリマーと触媒とを容易に分離できるポリエステルの製造法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、重合度の高い脂肪族ポリエステルを工業的に効率よく製造できる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の触媒を用いると、水を除去しなくても高重合度のポリエステルが生成することを見いだし、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、下記式(1)
【化2】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、ブチル基を示し、Xはイソチオシアネート基、Yはヒドロキシ基を示す)
で表されるジスタノキサン触媒の存在下、ジオールとジカルボン酸とを重縮合させて対応するポリエステルを得るポリエステルの製造法を提供する。
なお、本明細書において、脂肪族ポリエステルとは非芳香族ジオールと非芳香族ジカルボン酸との重縮合により得られるポリエステルを意味する。
【0008】
【発明の実施の形態】
前記式(1)中、R1、R2、R3及びR4におけるアルキル基は、ブチル基である。
【0011】
本発明においては、式(1)で表されるジスタノキサンとして、R1、R2、R3及びR4がブチル基であり、Xがイソチオシアネート基であり、且つYがヒドロキシ基である、1−ヒドロキシ−3−イソチオシアネート−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサンを使用する。
【0012】
上記ジスタノキサンは、安価で合成が容易であり、無機系骨格を有するにも拘わらず、ほとんどの有機溶媒に対して可溶性を示すとともに、非極性溶媒中でもポリエステル化を行わせることができるという利点を有する。さらに、他の金属触媒では、ジオールとジカルボン酸との重縮合によるポリエステルの合成反応において、一般に、正反応と逆反応の活性化エネルギーを低下させるのみで、平衡定数には影響を及ぼさないのに対し、ジスタノキサン触媒では反応系の水の存在により逆反応、つまり加水分解を生じさせない。これは、ジスタノキサンの二層構造に起因するものと推測される。すなわち、ジスタノキサンは、例えば、下記式
【化3】
(式中、R1、R2、R3、R4、X及びYは前記に同じ)
で示されるように、酸素原子などの電子過剰な官能基(X、Y)と電子不足のスズ原子との間のイオン結合に似た相互作用により、はしご状二量体構造をとることが明らかになっている。この二量体構造は溶液中でも形成され、このジスタノキサン骨格の周囲を囲むアルキル基(R1〜R4)の疎水性作用により、生成した水の反応点への再接近が妨げられるものと考えられる。そのため、ジスタノキサンをジオールとジカルボン酸の重縮合によるポリエステル合成の触媒として用いると、高温化、減圧、共沸脱水等の脱水操作を行わなくても、低温、常圧という穏和な条件で簡便に高重合度のポリエステルを得ることができる。従って、ジスタノキサンは、特に加水分解の起こりやすい脂肪族ポリエステルの合成に有用である。
【0013】
前記ジオールとしては、一般のポリエステルの原料として使用されるジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチルレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,1−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール、1,3−アダマンタンジオール、2,2−ノルボルナンジメタノール、3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール、2,6−ノルボルナンジメタノール、パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノールなどの脂環式ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのエーテルグリコール;ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ナフタレンジオール、キシリレンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物などの芳香族ジオールなどが挙げられる。これらのジオールは1種又は2種以上混合して使用できる。好ましいジオールには、脂肪族ジーオール、脂環式ジオール、エーテルグリコールなどが含まれる。
【0014】
前記ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料として一般に使用されるジカルボン酸、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、2,6−ノルボルナンジカルボン酸、パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,3−ジメチル−5,7−アダマンタンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−4′,4′′−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸は1種又は2種以上組み合わせて使用できる。好ましいジカルボン酸には、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸が含まれる。
【0015】
本発明の方法では、前記式(1)で表されるジスタノキサン触媒の存在下で、ジオールとジカルボン酸とを重縮合させる。
ジスタノキサン触媒の使用量は、経済性や副反応等を考慮して適宜選択でき、例えば、ジカルボン酸に対して、0.001〜10モル%程度、好ましくは0.005〜5モル%、さらに好ましくは0.05〜2モル%程度である。ジスタノキサン触媒の使用量が多すぎると、ジオールの脱水閉環反応などの副反応が起こりやすく、経済的にも不利である。ジスタノキサン触媒の使用量が少なすぎると、生成するポリマーの分子量や収率が低下しやすい。
【0016】
ジオールとジカルボン酸の比率(モル比)は、例えば、ジオール/ジカルボン酸=0.95〜1.50程度、好ましくは1.00〜1.20程度、さらに好ましくは1.02〜1.10程度である。前記モル比が大きすぎても、また小さすぎても得られるポリマーの分子量が低下する傾向となる。なお、ジスタノキサン触媒は、前記のように反応活性点への水の再接近ができないことから、最終的には、原料ジオールが触媒と反応して前記式(1)中のY(又はX)が該ジオールに対応するアルコシキ基に変換された形となる。そのため、ジオールは、触媒量に応じて、ジカルボン酸に対して過剰に仕込むのが好ましい。
【0017】
重合温度は反応速度や副反応(ジオールの閉環反応など)等を考慮して適宜選択できる。また、溶融重合を行う場合には、生成するポリマーの融点以上の温度で重合するのが好ましい。従って、好ましい重合温度は用いるジオール及びジカルボン酸の種類によって異なるが、一般には80〜200℃程度の範囲であり、例えば、1,4−ブタンジオールとコハク酸の反応などでは、115〜155℃程度が特に好ましい。なお、重合温度が低すぎると反応速度が低下し、逆に高すぎると副反応が起きやすく、生成ポリマーの分子量も低下する傾向となる。
【0018】
重合時間は、原料モノマーの種類、重合温度、触媒量等によっても異なるが、通常、2〜200時間程度の範囲から適宜選択できる。なお、重合時間の増加と共に分子量は増加するが、分子量分布は重合時間によらずほぼ一定(例えば、1,4−ブタンジオールとコハク酸とを重縮合させた場合には、Mw/Mn=1.6〜2.0程度)である。
【0019】
重合の方式は、特に限定されず、溶液重合、溶融重合等の公知の方法を採用できる。本発明の方法では、水の除去を特に必要としないことから、溶液重合の場合には低沸点溶媒を使用できるとともに、溶融重合の場合も高温化、減圧等の操作を行わなくてもよい。従って、エネルギー的に極めて有利であり、設備も大幅に簡略化できる。
【0020】
なお、上記のように、本発明では脱水操作を特に必要としないが、共沸脱水等の脱水操作を行ってもよい。例えば、溶融重合によりポリマーを製造する場合、反応の途中段階で水に対する共沸溶媒(例えば、トルエンなど)を添加し、共沸により水を除去すると、ポリエステルの重合度がさらに大幅に向上する。
【0021】
本発明における重合反応の反応機構としては、例えばヒドロキシジスタノキサンを触媒として用いた場合を例にとれば、まずジスタノキサン触媒とジカルボン酸とが反応してジスタノキサンカルボキシレートが生成し、このジスタノキサンカルボキシレートとジオールとが反応することにより得られるアルコキシジスタノキサンが触媒サイクルの中心となってモノマー又はポリマーと反応し、水の放出を伴いながらポリエステル化が進行するものと考えられる。
重合により生成したポリエステルは、例えば、濾過、濃縮、沈殿、晶析、冷却固化などの慣用の方法により単離できる。より具体的には、例えば、反応終了後、反応液をポリマーの貧溶媒に投入することにより沈殿(又は、晶析)させるか、又は必要に応じてさらに再沈殿(又は、再結晶)させることにより、ポリエステルを固体として取得できる。ジスタノキサン触媒はほとんどの有機溶媒に可溶性を示すため、前記沈殿、再沈殿等の簡便な操作で触媒とポリマーとを容易に分離できる。
【0022】
前記沈殿、再沈殿に用いる溶媒としては、生成ポリマーの種類(すなわち、ジオール及びジカルボン酸の種類)により適宜選択できるが、一般には、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノールなどのアルコール;ヘプタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;エチルエーテル、ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル;アセトニトリルなどのニトリル;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド;酢酸などのカルボン酸;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、及びこれらの混合溶媒などが使用される。
【0023】
これらの中でも、メタノールなどのアルコール、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素などが好ましい。特に、メタノールなどのアルコールを沈殿又は再沈殿溶媒として用いると、ポリマーの低分子量体を除去でき、高分子量でしかも分子量分布の狭いポリマーを得ることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、特定の重合触媒を用いるため、高沸点溶媒を使用したり、減圧等の脱水操作を特に行わなくても、穏和な条件で簡易に高重合度ポリマーを得ることができる。また、生成したポリエステルと触媒とを沈殿などの簡単な操作で分離できる。さらに、重合度の高い脂肪族ポリエステルを工業的に効率よく製造できる。
【0025】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0026】
調製例1(触媒の調製)
チオシアン酸カリウム(1.94g、20ミリモル)のエタノール溶液(13ml)に、ジクロロジブチルスズ(IV)(3.34g、11ミリモル)のエタノール溶液(6.6ml)から6mlを計り取り加えた。この溶液を100℃で20時間攪拌後、室温まで戻し、生成した塩化カリウムを濾別した。濾液の溶媒を除去後、トルエンから再結晶を行うことにより、ジブチルスズ(IV)ジイソチオシアネートを白色針状結晶として得た(収率57%)。
融点:125〜137℃
IR:1970,2075cm-1(NCS;NC stretching vibration)
酸化ジブチルスズ(IV)(7.47g、30ミリモル)と、上記方法により得たジブチルスズ(IV)ジイソチオシアネート(3.5g、10ミリモル)のエタノール溶液(100ml)を100℃にて6時間攪拌した。次いで、エタノールを除去後、一日外気にさらし、その後、n−ヘキサンから再結晶を行い、1−ヒドロキシ−3−イソチオシアネート−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサンを白色粉末として得た(収率85%)。
融点:105〜120℃
IR:625,565cm-1(Sn-O-Sn)
2070cm-1(NCS;NC stretching vibration)
3425cm-1(OH)
【0027】
実施例1
冷却管を取り付けた丸底フラスコにコハク酸(0.295g、2.5ミリモル)、1,4−ブタンジオール(0.225g、2.5ミリモル)及び1−ヒドロキシ−3−イソチオシアネート−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン(0.014g、0.025ミリモル)を入れ、120℃で72時間攪拌した。反応終了後、メタノールを加え12時間攪拌した。得られた白色粉末状ポリマーを濾別後、60℃にて減圧乾燥することにより、ポリエステルを得た。得られたポリエステルの数平均分子量Mn(ポリスチレン基準)をGPCで測定したところ、4800であった。また、分子量分布Mw/Mnは1.70であった。さらに、得られたポリエステルの有機溶媒に対する溶解性を調べたところ、クロロホルム、m−クレゾール、硫酸に易溶性を示し、アセトン、酢酸エチル、トルエン、1,4−ジオキサン、酢酸、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドに可溶性を示した。また、メタノール及びヘキサンには不溶であった。
融点(Tm):112℃
IR(KBr):2945,1335cm-1(-CH2-)
1720cm-1(C=O)
1165cm-1(-O-)
1H-NMR(CDCl3)δ:1.71,2.63,4.12(4H,m,CH2)
13C−NMR(CDCl3)δ:25.2,29.1,64.3(CH2)
172.6(C=O)
【0028】
実施例2
1,4−ブタンジオールの使用量を2.525ミリモル(コハク酸に対して1.01倍モル)とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリエステルを得た(収率83%)。得られたポリエステルの数平均分子量Mnは7800、分子量分布Mw/Mnは1.98であった。
【0029】
実施例3
1,4−ブタンジオールの使用量を2.575ミリモル(コハク酸に対して1.03倍モル)とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリエステルを得た(収率80%)。得られたポリエステルの数平均分子量Mnは10000、分子量分布Mw/Mnは2.41であった。
【0030】
実施例4
1,4−ブタンジオールの使用量を2.625ミリモル(コハク酸に対して1.05倍モル)とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリエステルを得た(収率90%)。得られたポリエステルの数平均分子量Mnは12100、分子量分布Mw/Mnは2.63であった。
なお、このポリマーは70量体に相当し、平衡定数が4700、若しくは平衡定数を10としたとき生成した水の99.8%が除去されたことに匹敵する。
【0031】
実施例5
1,4−ブタンジオールの使用量を2.75ミリモル(コハク酸に対して1.10倍モル)とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリエステルを得た(収率92%)。得られたポリエステルの数平均分子量Mnは9900、分子量分布Mw/Mnは2.35であった。
【0032】
実施例6
重合温度を130℃とした以外は実施例4と同様の操作を行い、ポリエステルを得た(収率93%)。得られたポリエステルの数平均分子量Mnは5000、分子量分布Mw/Mnは2.16であった。
【0033】
実施例7
重合温度を150℃とした以外は実施例4と同様の操作を行い、ポリエステルを得た(収率90%)。得られたポリエステルの数平均分子量Mnは4700、分子量分布Mw/Mnは2.18であった。
【0034】
実施例8
触媒である1−ヒドロキシ−3−イソチオシアネート−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサンの使用量を0.0014g(0.0025ミリモル)とした以外は実施例4と同様の操作を行い、ポリエステルを得た(収率86%)。得られたポリエステルの数平均分子量Mnは3500、分子量分布Mw/Mnは2.16であった。
【0035】
実施例9
重合時間を168時間とした以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリエステルを得た。得られたポリエステルの数平均分子量Mnは7400、分子量分布Mw/Mnは1.91であった。
【0036】
実施例10
実施例4と同様の操作を行った後、さらに系内にトルエンを40ml加え、ディーンスターク装置により系内に存在する水を共沸蒸留により除去する操作を行ったところ、得られたポリエステルの数平均分子量Mnは30000、分子量分布Mw/Mnは2.1であった。
Claims (5)
- 非芳香族ジオールと非芳香族ジカルボン酸とを重縮合させて脂肪族ポリエステルを得る請求項1記載のポリエステルの製造法。
- ジオールをジカルボン酸1モルに対して1.00〜1.20モル使用する請求項1記載のポリエステルの製造法。
- 溶融重合によりポリエステルを生成させる請求項1記載のポリエステルの製造法。
- 重合により生成したポリマーをアルコールによる沈殿又再沈殿により単離する請求項1記載のポリエステルの製造法。
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