JP3248595B2 - 脂肪族ポリエステルの製造法 - Google Patents

脂肪族ポリエステルの製造法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性を有する脂肪族
ポリエステル、なかんずくα−オキシ酸ポリエステルの
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ乳酸、ポリグリコール酸等に代表さ
れる脂肪族ポリエステル、なかんずくα−オキシ酸ポリ
エステルは、良好な生分解性を有しており、手術用縫合
糸、注射薬用マイクロカプセル等の生体分解性医用材料
に利用されている。また近年、プラスチック廃棄物が問
題となっており、酵素や微生物による分解が期待される
生分解性プラスチックとしても注目され、研究開発が進
められている。
【0003】α−オキシ酸ポリエステルの高分子量体を
得る方法として、従来より、前記式(II)で示されるα
−オキシ酸の環状二量体であるジエステルを触媒存在下
に加熱、開環重合させる方法が知られている。しかしな
がらこの場合、モノマーに相当する該ジエステルは重合
の進行を妨害する不純物を含んでいてはならない。これ
らの環状ジエステルは通常、α−オキシ酸の脱水縮合に
よりプレポリマーを製造しこれを加熱解重合することに
より得られているが、原料に由来する成分、または反応
により生成する成分、すなわち水、α−オキシ酸および
そのオリゴマーなどが不純物として含まれており、これ
らは反応停止剤としてはたらくため、これらの不純物を
除くのに従来、得られた前記ジエステルを少なくとも1
回、好ましくは数回再結晶する必要があった。しかしな
がら、このような再結晶操作はジエステルの収率の大幅
な低下を招き、また操作も煩雑となるため、コスト高と
なり決して工業的に望ましい方法とはいえないものであ
る。
【0004】また、α−オキシ酸である乳酸の環状ジエ
ステルであるラクチドより高分子量のポリ乳酸やそのコ
ポリマーを製造する場合には、未精製ラクチドを水に不
溶の有機溶媒に溶解し、塩基性物質を溶解した水で抽出
処理した後、ラクチドを前記有機溶媒層より分離し、開
環重合して、高分子量のポリ乳酸を製造する方法等が開
示されている(特開昭63−165430)。しかしな
がらこの方法も、収率は改善されるが、煩雑な抽出操作
を必要とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような理由によ
り、高分子量のα−オキシ酸ポリエステルを与える高純
度の環状ジエステルを、効率的に製造する方法はいまだ
見出されていないのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、効
率よく精製された環状ジエステルを得るべく鋭意検討を
重ねた結果、水系溶媒をジエステルの洗浄溶媒に用いる
ことにより、効率的に前記環状ジエステルが精製できる
ことを見出し、ついに本発明を完成するに到った。
【0007】即ち、本発明は一般式(I) −O−CR
1 2 −CO−(但しR1 2 はHまたは炭素数1〜5
のアルキル基を示す。)を主たる繰り返し単位とする脂
肪族ポリエステルを製造する方法において、下記式(I
I)で示される環状ジエステルを水系溶媒を用いて洗浄
精製した後、開環重合することを特徴とする脂肪族ポリ
エステルの製造法である。
【0008】
【化2】 (式(II)中、R1 、R2 はHまたは炭素数1〜5のア
ルキル基を示す。)
【0009】より具体的には、本発明は一般式(I)
−O−CR1 2 −CO−(但しR 1 、R2 はHまたは
炭素数1〜5のアルキル基を示す。)を主たる繰り返し
単位とする脂肪族ポリエステルを製造する方法におい
て、α−オキシ酸のプレポリマー、もしくはその末端を
封鎖したプレポリマーを分解することによって生成した
式(II)で示される環状ジエステルを、水系溶媒を用い
て攪拌、洗浄した後、該環状ジエステルを溶媒から分
離、乾燥し、(所望であればさらに精製した後)開環重
合してα−オキシ酸ポリエステルを得ることを特徴とす
る脂肪族ポリエステルの製造法に関するものである。
【0010】驚くべきことに、水系溶媒を環状ジエステ
ルの洗浄溶媒に用いて洗浄することで、未精製環状ジエ
ステル中の不純物、すなわち原料のα−オキシ酸やその
オリゴマーなどが容易に除去され、重合に何ら影響を及
ぼさなくなるため、得られた環状ジエステルを開環重合
することで容易に高分子量のα−オキシ酸ポリエステル
が得られる。さらに洗浄後の環状ジエステルの精製品の
回収率は再結晶を行なった場合に比較して良好である。
【0011】本発明により製造されるα−オキシ酸ポリ
エステルは、トルエン、酢酸エチルイソプロパノールな
どの有機溶媒から数回再結晶した高純度環状ジエステル
を開環重合して得られたポリマーと同程度の、重合度を
有している。また、洗浄後に排出される濾液はそのま
ま、α−オキシ酸の脱水縮合反応に回分することも可能
であり、非常に効率的である。さらに本発明において洗
浄後に得られる環状ジエステルは再結晶した場合に比較
して精製品の回収率が良好であること、洗浄剤に水系溶
媒を用いていること、操作が容易であることから、従来
の方法に比較して、低コストで高純度のα−オキシ酸ポ
リエステルを製造することが可能である。
【0012】本発明において、水系溶媒で洗浄される環
状ジエステルの形状は塊状、粒状、粉末状等、どのよう
な形状でも構わないが、特に、微細な粉末状とした場合
が効率的である。微細な粉末状にすることにより洗浄時
に、含まれる不純物は効果的に除去される。また、得ら
れた環状ジエステルの含有水分量を、他の形状のものに
比較して少なくすることができる。環状ジエステルの粒
子径が小さいほど、要する洗浄時間は減少する傾向があ
る。
【0013】洗浄工程はバッチ、あるいは連続で行なわ
れ、洗浄後、環状ジエステルは、濾過、遠心分離のよう
な機械的手段によって容易に溶媒から分離することがで
きる。また、場合によっては再結晶、精留、昇華等の方
法と組み合わすことも可能である。
【0014】本発明における水系溶媒とは、水、もしく
は水と容易に混合する有機溶媒よりなる混合物を言い、
混合される有機溶媒としてはメタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレ
ングリコール、アセトニトリル、アセトン、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらは単独
もしくは2種以上を水と混合してもよい。特にイソプロ
パノールは再結晶用溶媒としても用いられており好まし
い溶媒である。
【0015】水はこれらの有機溶媒に対して、少なくと
も1%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは
60%以上の割合で自由に混合されて用いられる。1%
以下であると洗浄後に得られる環状ジエステル精製品の
回収率が低下する。これらの溶媒は、蒸留等の手段によ
って精製されたものを用いるのが好ましい。洗浄溶媒の
温度は、環状ジエステルの融点以下であれば差し支えな
いが、あまり温度が高いと、不純物は効率的に除去され
る一方、溶媒の水による環状ジエステルの加水分解が進
行し、また温度が低いと不純物が除去されにくい傾向が
ある。好ましくは5〜80℃、さらに好ましくは15〜
40℃の範囲で用いられる。
【0016】本発明において、出発原料となるα−オキ
シ酸の環状ジエステルとしては、グリコリド、ラクチ
ド、さらにはα−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ
酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシイソ吉草
酸、α−ヒドロキシ−α−メチル酪酸、α−ヒドロキシ
カプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒド
ロキシ−β−メチル吉草酸、α−ヒドロキシヘプタン酸
等の分子間環状ジエステルが挙げられる。また、不斉炭
素を有するものは、L体、D体、ラセミ体、メソ体のい
ずれでもよい。また、環状ジエステルは異なるα−オキ
シ酸分子同士により形成されるものであっても一向に構
わない。具体的には、グリコール酸と乳酸の間の環状ジ
エステルであり、モノメチルグリコリドなる慣用名で知
られる3−メチル−2,5−ジケト−1,4−ジオキサ
ンなどが挙げられる。
【0017】本発明において、出発原料となる環状ジエ
ステルはあらかじめカルボキシル基末端を封鎖したプレ
ポリマーを熱分解することにより製造されてもよい。こ
の場合、洗浄後に得られる環状ジエステルは、未封鎖の
プレポリマーから得られたものに比べてより高い重合能
を有している。前記末端封鎖剤としては、一級アルコー
ル類、エポキシド類、ジアルキルカーボネート類、カル
ボジイミド類、カルボキシル基と反応しうる金属化合物
類などを用いることができる。
【0018】また重合には一般に触媒が用いられるが、
これにはラクトン類の重合に通常用いられる公知の触
媒、たとえばスズ、アンチモン、亜鉛、鉛、チタン、
鉄、アルミニウム化合物等が好適に使用できる。これら
の触媒は1種、または2種以上を併用してもよい。反応
は窒素、アルゴン等の不活性雰囲気、あるいは減圧、も
しくは加圧下で行なってもよく、その際、逐次、触媒を
添加しても一向に構わない。
【0019】このようにして開環重合後に得られたα−
オキシ酸ポリエステルは高い分子量を有しており、種々
の生分解性成形物を製造することが可能である。さら
に、前記ポリエステルの重合度の調節、熱安定性の向
上、さらには機械特性、分解特性を制御するために、エ
ポキシ化合物やアルコール、カルボン酸等を用いて、カ
ルボキシル基末端、ヒドロキシル基末端を封鎖したり、
他の脂肪族ポリエステル形成物、すなわち酸成分として
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等、グリコール成分
としてエチレングリコール、1,4−ブタンジオール
等、またはε−カプロラクトン等のラクトン類などとの
混合、共重合化をはかることも可能である。また必要に
応じて、顔料、酸化防止剤、劣化防止剤、可塑剤、艶消
剤、帯電防止剤蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの添加剤
を加えても一向に差し支えない。
【0020】本発明におけるα−オキシ酸ポリエステル
は、溶融、溶液状態から繊維、フィルム、種々の成形品
に成形加工することが可能であり、生分解性材料として
有用である。具体的な用途として繊維では釣り糸、魚
網、不織布等、フィルムでは包装用フィルム、農業用マ
ルチフィルム、ショッピングバッグ、テープ類、肥料
袋、分離膜等、成形品では飲料や化粧品類のボトル、デ
ィスポーザブルカップ、トレイ等の容器類、農業用植木
鉢、育苗床、掘り出し不要のパイプ、仮止め材等の建材
が考えられる。さらに医療用途として、縫合糸、人工
骨、人工皮膚、マイクロカプセルなどのDDS分野への
応用等が考えられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0021】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために以下
に実施例を述べるが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお実施例における特性値は以下の方法によ
って測定した。
【0022】(1)還元粘度(ηsp/C) ポリマー0.125gをクロロホルム、もしくは2,
4,6−トリクロロフェノール/フェノール(7/10
重量比)混合溶媒25mlに溶解しそれぞれ25±0.
1℃、30±0.1℃で測定して還元粘度を算出した。
【0023】(2)酸価(AV) ジエステル0.1gを精秤しベンジルアルコール/クロ
ロホルム(1/1体積比)に溶解した直後の溶液を0.
025N−NaOHベンジルアルコール/メタノール
(9/1体積比)溶液で、フェノールフタレインを指示
薬に用いて滴定することによって測定し、ジエステル1
06 gr当たりのNaOHの消費量(当量数)で表し
た。
【0024】(3)含有水分量 ジエステル0.5gをクロロホルムに溶解し、平沼産業
(株)製デジタル微量水分測定装置AQ−3Cを用いて
測定した。
【0025】
【参考例1】L−乳酸90%水溶液250.0g、オク
チル酸第一スズ0.5gを攪拌装置窒素導入管を備えた
4つ口フラスコに装入し、窒素雰囲気下に200℃で脱
水、縮合反応を行ないプレポリマーを得た。これを20
5℃、0.3mmHgで熱分解することで環状ジエステ
ルであるラクチドの薄黄色結晶を得た。得られたラクチ
ドはAV=782、水分量=720ppmであった。
【0026】実施例1 参考例1によって得られたラクチド10.00gを、水
20mlとともにミキサーで3分間、粉砕洗浄し、濾過
した後窒素気流中で風乾した。さらにデシケーター中で
48hr、真空乾燥して白色結晶を得た。回収量は7.
12gであった(初期重量の71%)。得られたラクチ
ドは、AV=99、水分量=240ppmであった。得
られたラクチド5.00gをオクタン酸第一スズ1.5
mgのトルエン1%溶液とともに攪拌装置、窒素導入管
を備えた重合管に装入し、窒素雰囲気下に200℃、1
hr加熱し、開環重合した。得られたポリマーは高い分
子量を有しており、ηsp/C(クロロホルム)=2.0
9であった。得られた結果を表1に示す。
【0027】実施例2 参考例1によって得られたラクチド10.00gを、水
/イソプロパノール(2/1体積比)20mlとともに
ミキサーで3分間、粉砕洗浄し、濾過した後窒素気流中
で風乾した。さらにデシケーター中で48hr、真空乾
燥して白色結晶を得た。回収量は6.45gであった
(初期重量の65%)。得られたラクチドは、AV=7
4、水分量=190ppmであった。得られたラクチド
5.00gを実施例1と同様に開環重合した。得られた
ポリマーは高い分子量を有しており、ηsp/C(クロロ
ホルム)=2.22であった。得られた結果を表1に示
す。
【0028】比較例1 参考例1で得られたラクチド5.00gを水系溶媒を用
いて洗浄精製しない以外は実施例1と同様に開環重合し
た。得られたポリマーはηsp/C(クロロホルム)=
0.20であった。得られた結果を表1に示す。
【0029】比較例2 参考例1によって得られたラクチド20.00gを、イ
ソプロパノール20mlで3回再結晶して、白色結晶を
得た。回収量は11.62gであった(初期重量の58
%)。得られたラクチドはAV=82、水分量=150
ppmであった。得られたラクチド5.00gを水系溶
媒を用いて洗浄精製しない以外は実施例1と同様に開環
重合した。得られたポリマーはηsp/C(クロロホル
ム)=2.30であった。得られた結果を表1に示す。
【0030】参考例2 L−乳酸90%水溶液250.0g、三酸化アンチモン
0.3gを攪拌装置、窒素導入管を備えた4つ口フラス
コに装入し、窒素雰囲気下に200℃で脱水、縮合反応
を行ないプレポリマーを得た。得られたプレポリマー6
0gに1−ドデカノール9.2g(AVの1.5当量)
を添加し、200℃で30分間反応させた後、210
℃、0.1mmHgで熱分解することで、環状ジエステ
ルであるラクチドの薄黄色結晶を得た。得られたラクチ
ドはAV=72、水分量=150ppmであった。
【0031】実施例3 参考例2によって得られたラクチド10.00gを、水
/イソプロパノール(2/1体積比)20mlとともに
ミキサーで3分間、粉砕洗浄し、濾過した後窒素気流中
で風乾した。さらにデシケーター中で48hr、真空乾
燥して白色結晶を得た。精製品の回収量は6.55gで
あった(初期重量の75%)。得られたラクチドは、A
V=32、水分量=160ppmであった。得られたラ
クチド5.00gを実施例1と同様に開環重合した。得
られたポリマーは高い分子量を有しており、ηsp/C
(クロロホルム)=2.74であった。得られた結果を
表1に示す。
【0032】比較例3 参考例2で得られたラクチド5.00gを水系溶媒を用
いて洗浄精製しない以外は実施例1と同様に開環重合し
た。得られたポリマーはηsp/C(クロロホルム)=
2.01であった。得られた結果を表1に示す。
【0033】参考例3 グリコール酸(結晶)200.0g、酢酸第一スズ0.
1gを攪拌装置、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに
装入し、窒素雰囲気下に180℃で脱水し、続いて23
5℃で縮合反応を行ないプレポリマーを得た。これを2
35℃、0.1mHgで熱分解することで環状ジエステ
ルであるグリコリドの薄黄色結晶を得た。得られたグリ
コリドは、AV=945、水分量=750ppmであっ
た。
【0034】実施例4 参考例3によって得られたグリコリド10.00gを、
水20mlとともにミキサーで3分間粉砕洗浄し、濾過
した後窒素気流中で風乾した。さらにデシケーター中で
50hr、真空乾燥して白色結晶を得た。精製品の回収
量は7.78gであった(初期 重量の78%)。得ら
れたグリコリドは、AV=90、水分量=200ppm
であった。得られたグリコリド5.00gをオクチン酸
第一スズ1.5mgのトルエン1%溶液とともに攪拌装
置、窒素導入管を備えた重合管に装入し、窒素雰囲気下
に200℃、1hr加熱し、開環重合した。得られたポ
リマーは高い分子量を有しており、ηsp/C(トリクロ
ロフェノール/フェノール)=1.65であった。得ら
れた結果を表1に示す。
【0035】比較例4 参考例3で得られたグリコリド5.00gを水系溶媒を
用いて洗浄精製しない以外は実施例4と同様に開環重合
した。得られたポリマーはηsp/C(トリクロロフェノ
ール/フェノール)=0.05であった。得られた結果
を表1に示す。
【0036】比較例5 参考例3によって得られたグリコリド20.00gを、
酢酸エチル20mlで3回再結晶して、白色結晶を得
た。精製品の回収量は13.82gであった(初期重量
の69%)。得られたグリコリドは、AV=75、水分
量=120ppmであった。得られたグリコリド5.0
0gを水系溶媒を用いて洗浄精製しない以外は実施例4
と同様に開環重合した。得られたポリマーはηsp/C
(トリクロロフェノール/フェノール)=1.73であ
った。得られた結果を表1に示す。
【0037】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明において製造されるα−オキシ酸ポリエステルは高
い分子量を有しており、従来の方法に比較して、高収率
かつ低コストで安全に製造することが可能である。得ら
れたα−オキシ酸ポリエステルからは種々の生分解性成
形物を製造することができ、広範な用途が期待できるの
で、産業界、または環境問題の解決にも寄与するところ
が非常に大きい。
【0038】
【表1】
フロントページの続き (56)参考文献 米国特許5011946(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) −O−CR1 2 −CO
    −(但しR1 、R2はHまたは炭素数1〜5のアルキル
    基を示す。)を主たる繰り返し単位とする脂肪族ポリエ
    ステルを製造する方法において、下記式(II)で示され
    る環状ジエステルを水系溶媒を用いて洗浄精製した後、
    開環重合することを特徴とする脂肪族ポリエステルの製
    造法。 【化1】 (式(II)中、R1 、R2 はHまたは炭素数1〜5のア
    ルキル基を示す。)
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