JPH08301864A - α−オキシ酸の分子間環状ジエステルの精製方法 - Google Patents

α−オキシ酸の分子間環状ジエステルの精製方法

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JPH08301864A
JPH08301864A JP11070695A JP11070695A JPH08301864A JP H08301864 A JPH08301864 A JP H08301864A JP 11070695 A JP11070695 A JP 11070695A JP 11070695 A JP11070695 A JP 11070695A JP H08301864 A JPH08301864 A JP H08301864A
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lactide
diester
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mixture
solvent
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JP11070695A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Aoyama
知裕 青山
Kunio Kimura
邦生 木村
Takeshi Ito
武 伊藤
Minako Yuuchi
美奈子 有地
Keiichi Uno
敬一 宇野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 α−オキシ酸環状ジエステルの効率的な精製
方法を提供する。 【構成】 下記一般式(I)で示されるα−オキシ酸の
分子間環状ジエステルおよび不純物を含む溶融混合物
を、(1)不純物を含む分子間環状ジエステルの凝固点
から凝固点より30℃低い温度までの範囲内で徐々に固
化させながら一定時間保持し、(2)しかるのち冷却
し、(3)固形物とした後に粉砕して形態を粉末状に
し、溶媒をもちいて洗浄することを特徴とするα−オキ
シ酸の分子量間環状ジエステルの精製方法。 【化2】 (式中R1 、R2 は独立に水素または炭素数1〜5のア
ルキル基を示す) 【効果】 本発明において精製されるα−オキシ酸の分
子間環状ジエステルは従来の方法に比較してより高い純
度を有している。このジエステルを開環重合すると、容
易に高分子量のα−オキシ酸ポリエステルが得られ、種
々の生分解性成形物を製造することができ、広範な用途
が期待できるので、産業界または環境問題の解決にも寄
与すること大である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はα−オキシ酸ポリエステ
ルの原料としてもちいられる環状ジエステル類の精製方
法に関する。ポリ乳酸、ポリグリコール酸に代表される
α−オキシ酸ポリエステルは、良好な生分解性を有して
おり、手術用縫合糸、注射薬用マイクロカプセル等の生
体分解性医用材料に利用されている。また近年、プラス
チック廃棄物が問題となっており、酵素や微生物による
分解が期待される生分解性プラスチックとしても注目さ
れ、研究開発が進められている。
【0002】
【従来の技術】従来よりα−オキシ酸ポリエステルの高
分子量体を得る方法として、式(I)で示されるα−オ
キシ酸の分子間環状二量体であるジエステルを当該技術
分野で公知である触媒の存在下に加熱、開環重合させる
方法が知られている。このようなジエステルは相当する
α−オキシ酸および/またはそのエステルを比較的低分
子量のオリゴマーやそれらのポリオール共重合体に変換
し、ついでそれらを当該技術分野で公知である触媒の存
在下に加熱し解重合することで製造される。
【0003】しかしながら、これらの方法で得られたジ
エステルは量の多少はあっても揮発性のヒドロキシル化
合物を不純物として含んでおり、これらは水、α−オキ
シ酸やその低分子量オリゴマーなどであって、開環重合
を阻害するため好ましくないものである。すなわちこれ
らは開始剤、連鎖移動剤、触媒失活剤等のさまざまな作
用を及ぼし、ポリエステルが目的とする分子量に到達す
ることを妨げる。
【0004】したがって開環重合のモノマーに相当する
該ジエステルは、充分に精製されていることが必要であ
る。この場合、得られるポリエステルの分子量制御、重
合速度、および着色の度合いなどの観点から、ジエステ
ル中の不純物は可能な限り少ないのが好ましく、例えば
α−オキシ酸やその低分子量オリゴマー量は酸価で表す
と10eq/ton以下、より好ましくは5eq/to
n以下であることが知られている。
【0005】精製法としてはトルエン、酢酸エチル、イ
ソプロパノール、t−アミルアルコールなどの乾燥有機
溶媒をもちいた再結晶法が公知である。しかしながらこ
のような再結晶操作は通常、数回実施する必要があるた
めジエステルの収率の大幅な低下を招き、また操作も煩
雑になるため、得られた精製ジエステルからα−オキシ
酸ポリエステルを製造しても医用材料以外の用途には費
用がかかりすぎる。
【0006】また分別凝縮および蒸留による精製は、溶
融混合物中に含まれる水、α−オキシ酸やその低分子量
オリゴマーなどが蒸留温度において目的とするジエステ
ルの分解、重合を引き起こすため、収率の低下を招く。
さらに蒸留操作中の経時的なα−オキシ酸やその低分子
量オリゴマーの生成はしばしば目的とする純度のジエス
テルを得ることを困難にする。
【0007】そこでジエステルをα−オキシ酸ポリエス
テルのモノマーとしてもちいるため、そのより安価な精
製法がこれまで種々検討されてきた。再結晶にかわる安
価な精製法として、たとえばジエステル固形物を水系溶
媒をもちいて洗浄する方法(特開平6−22828
8)、ジエステル固形物をエーテル系溶媒で洗浄する方
法(特開平6−172341)などが開示されている。
これらの方法によれば、不純物を含んだジエステル固形
物を溶媒と混合洗浄することで容易にα−オキシ酸ポリ
エステルのモノマーとしてもちいることが可能な高純度
のジエステルを得ることが可能であることが知られてい
る。しかしながらこれらの方法においても洗浄による精
製という性質上、おもにジエステル固形物表面上の不純
物が除去されるにすぎず、結晶中に取り込まれている不
純物は除去することができない。したがって、さらに高
純度の精製ジエステルを得る上でこれらの方法には制約
がある。
【0008】上記方法において結晶中に取り込まれてい
る不純物を排除するために、ジエステル固形物を非常に
微細な粉末にすることで、ある程度の改善がおこなわれ
るが、本発明者の実験の結果、洗浄後の固液分離および
乾燥操作において操作時間の延長が必要になること、そ
のためにジエステルの加水分解がおこるなどの好ましく
ない影響がみられることがわかった。さらに結晶中の不
純物を抽出するためにジエステル固形物をスラリーの状
態で長時間保持しても、低い抽出効率、およびジエステ
ルの加水分解のため不純物の充分な除去効果は得られな
かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような理由によ
り、ジエステル固形物を溶媒をもちいて洗浄し精製する
方法において、より高純度の精製ジエステルを得るため
には洗浄に供する固形物の結晶状態を制御する必要があ
る。しかしながらこれまでこのような知見は得られてお
らず、より純粋なジエステル固形物を溶媒で洗浄してこ
れまでより高純度の精製ジエステルを得る方法は知られ
ていないのが現状である。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、ジ
エステル固形物を溶媒をもちいて洗浄し精製する方法に
おいて、より高純度の精製ジエステルを得るために鋭意
検討を重ねた結果、ジエステルと不純物の溶融混合物を
特定の温度範囲内で一定時間保持することで結晶内に取
り込まれる不純物の含有量が低下し、この固形物を粉砕
して粉末状にした後、溶媒で洗浄することでこれまでの
方法よりさらに高純度の精製ジエステルが得られること
を見出し、ついに本発明を完成するに到った。
【0011】すなわち本発明は、下記一般式(I)で示
されるα−オキシ酸の分子間環状ジエステルおよび不純
物を含む溶融混合物を、(1)不純物を含む分子間環状
ジエステルの凝固点から凝固点より30℃低い温度まで
の範囲内で徐々に固化させながら一定時間保持し、
(2)しかるのち冷却し、(3)固形物とした後に粉砕
して形態を粉末状にし、溶媒をもちいて洗浄することを
特徴とするα−オキシ酸の分子間環状ジエステルの精製
方法である。
【0012】
【化2】 (式中R1 、R2 は独立に水素または炭素数1〜5のア
ルキル基を示す)
【0013】本発明は水、α−オキシ酸やその低分子量
オリゴマーなどの開環重合を阻害するヒドロキシル不純
物、および前精製段階でもちいられた溶媒からのジエス
テル精製に適用される。好ましくはα−オキシ酸および
/またはそのエステルの低分子量オリゴマーまたはそれ
らのポリオール共重合体を解重合して合成されたジエス
テルとヒドロキシル化合物からなる不純物との混合物の
精製に適用される。またα−ハロカルボン酸ハライドと
α−オキシ酸から得られるエステルを環化して合成され
たジエステルと不純物との混合物の精製にも適用され
る。さらに、合成後の蒸留、抽出、洗浄、再結晶等の公
知の精製法で得られたある程度純粋なジエステルと不純
物の混合物の精製に適用することができる。
【0014】本発明において、精製されるα−オキシ酸
の環状ジエステルとしては、グリコリド(グリコール酸
の分子間環状ジエステル)、ラクチド(乳酸の分子間環
状ジエステル)、さらにはα−ヒドロキシ酪酸、α−ヒ
ドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロ
キシイソ吉草酸、α−ヒドロキシ−α−メチル酪酸、α
−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン
酸、α−ヒドロキシ−β−メチル吉草酸、α−ヒドロキ
シヘプタン酸等の分子間環状ジエステルが挙げられる。
また、不斉炭素を有するものは、L体、D体、ラセミ
体、メソ体のいずれでもよいが一般にメソ体は加水分解
されやすく、収率の極端な低下を招く傾向がある。
【0015】好ましいジエステルはグリコリド(1,4
−ジオキサン−2,5−ジオン)およびラクチド類であ
り、さらに好ましくはL−ラクチド((3S)−シス−
3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオ
ン)、D−ラクチド((3R)−シス−3,6−ジメチ
ル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)およびDL
−ラクチド(L−ラクチドとD−ラクチドのラセミ化合
物)である。
【0016】ラクチド類は現在広く開発が進められてい
る乳酸系生分解性プラスチックの原料として非常に重要
な化合物である。またジエステルは異なるα−オキシ酸
分子同士により形成されるものであっても一向に差し支
えない。具体的には、グリコール酸と乳酸の間の環状ジ
エステルであり、モノメチルグリコリドなる慣用名で知
られる3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオ
ンなどが挙げられる。
【0017】本発明において、これらのジエステルと不
純物の混合物を溶融する場合、不必要に高い温度に長時
間暴露することは、不純物により目的とするジエステル
の分解がおきるため好ましくない。すなわち水、α−オ
キシ酸やその低分子量オリゴマーなどがジエステルを開
環し、新たなオキシ酸を生成する恐れがある。本発明の
操作では通常、不純物を含むジエステルの凝固点の15
℃、より好ましくは5℃より高くない温度である。
【0018】本発明において、不純物を含むジエステル
を保持する温度としては、不純物を含むジエステルの凝
固点から凝固点より30℃低い温度までの範囲内であ
る。この範囲内で不純物を含むジエステルを一定時間保
持すると、ジエステルが徐々に結晶化し、かつ生成した
結晶内に取り込まれる不純物の含有量が低下し、より純
粋なジエステル固形物を得ることが可能になる。またこ
の範囲内では不純物と共融混合物を生成せず、結晶中に
共融混合物が取り込まれることがない。
【0019】本発明において、不純物を含むジエステル
を一定時間保持する場合、保持時間中に温度範囲の上限
すなわち不純物を含んだジエステルの凝固点から、下限
すなわちその凝固点より30℃低い温度まで冷却をおこ
なうのが好ましい。このとき最終的に得られる結晶性固
形物のジエステル純度は、冷却速度に大きく依存する。
すなわち冷却速度として好ましくは10℃/min以下
であり、より好ましくは5℃/min以下であり、最も
好ましくは2℃/min以下である。
【0020】このように可能な限り小さい冷却速度で冷
却することで、徐々にジエステルが結晶化し、生成した
結晶内に取り込まれる不純物の含有量が低下するためよ
り純粋なジエステル固形物が得られる。10℃/min
より大きくなると、生成する結晶中に多量の不純物が取
り込まれやすくなる。その結果得られた固形物を粉砕
し、溶媒で洗浄しても本発明の目的を達成することはで
きない。
【0021】さらに、不純物を含むジエステルを不純物
を含むジエステルの凝固点から凝固点より30℃低い温
度までの範囲内で、一定温度に保持することも好まし
い。この場合、上記の温度範囲の上限に可能な限り近い
温度で冷却することが、より純粋なジエステル固形物を
得るうえではさらに好ましい。このように保持すること
で徐々にジエステルが結晶化し、生成した結晶内に取り
込まれる不純物の含有量が低下し、また保持中に結晶か
ら不純物が抽出されるためより純粋なジエステル固形物
が得られる。
【0022】それぞれ、不純物を含むジエステル中の目
的とするジエステルの結晶化が充分におこなわれるまで
混合物をその温度で保持する必要がある。上記の温度範
囲よりさらに低い温度で一定温度で保持すると、生成す
る結晶中に多量の不純物が取り込まれやすくなる。その
結果得られた固形物を粉砕し、溶媒で洗浄しても本発明
の目的を達成することは困難となる。また上記の温度範
囲以上の温度では目的とするジエステルが結晶化しにく
い。
【0023】さらに不純物と数種類のジエステルを含む
混合物を精製する場合は、それぞれのジエステルと不純
物の混合物の凝固点から凝固点より30℃低い温度まで
の範囲内で一定時間保持するのも好ましい。すなわち一
定時間保持することを数回にわたりおこなうことにな
る。この場合、結晶化して得られた数種類のジエステル
の混合物は、一回の保持でおこなわれた場合より不純物
の含有量がさらに低下するため、より純粋なジエステル
固形物が得られる。
【0024】最終的に実際の保持する温度範囲、冷却速
度または保持温度および保持する回数は、ジエステルと
不純物の混合物組成、目的とする精製ジエステル純度、
組成および生産性などを考慮して、当該技術分野の実施
者により注意深く決定されることになる。
【0025】例えば、光学活性であるL−ラクチドおよ
びD−ラクチドを精製する場合、通常の混合物組成では
好ましい温度範囲は45℃から95℃であり、より好ま
しくは65℃から85℃である。なぜなら通常の混合物
組成では45℃までに光学活性ラクチドが純粋に結晶化
するためである。また45℃までは乳酸およびそのオリ
ゴマーはラクチドと共融混合物を生成せず、結晶中に共
融混合物が取り込まれることがないためである。さらに
一定温度に保持して結晶化する場合、通常の混合物組成
では45℃以下になると不純物が取り込まれやすくな
る。
【0026】そして、光学活性な乳酸オリゴマーの解重
合の際のラセミ化により必然的に生成し、最大20%程
度含有されるメソラクチド(トランス−3,6−ジメチ
ル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)を不純物と
して可能な限り排除する必要がある場合特にそうなので
あるが、L−ラクチドまたはD−ラクチドとメソラクチ
ドの組成物は共融点を有し、共融混合物組成はL−ラク
チドまたはD−ラクチド34%、その温度は45℃にあ
るためである。なおメソラクチドの融点は65℃にあ
る。純粋なL−ラクチドまたはD−ラクチド固相と、そ
の固相およびメソラクチドを含有した液相の共存する温
度および共融点はさらにヒドロキシル化合物などの不純
物により変動すると考えられ溶融混合物の組成に依存す
る。
【0027】なお、純粋なL−ラクチドまたはD−ラク
チドの融点は95℃であるため、95℃以上で目的とす
る光学活性ラクチドが結晶化しない。したがって、メソ
ラクチドを完全に排除しない場合、通常得られる混合物
組成では上記の温度範囲内で、5℃/min以下の速度
で冷却をおこなうか、または80℃付近で一定温度に保
持する。
【0028】また、例えばDL−ラクチドを精製する場
合、まず、精製に供するジエステルと不純物の溶融混合
物組成が光学活性ラクチドの場合と大きく異なる。なぜ
なら通常DL−ラクチドはDL−乳酸すなわちL−乳酸
とD−乳酸のラセミ混合物をオリゴマーに変換し解重合
することで得られており、この場合得られたDL−ラク
チドすなわちL−ラクチドとD−ラクチドのラセミ化合
物のほかに、必然的に25〜45%程度のメソラクチド
が含有されるからである。
【0029】メソラクチドは他のラクチド類と大きく性
質が異なり、前述したように融点が低く、加水分解性が
高い。すなわち乳酸やそのオリゴマーと親和性が高いた
め、不純物としてメソラクチドを排除するのが精製する
上で好ましいと考えられるが、この場合、必然的に収率
の極端な低下を招く。工業的にはメソラクチドを混合物
としてある程度の比率に調整しモノマーとして利用する
のが好ましい。
【0030】通常の混合物組成では好ましい温度範囲は
65℃から125℃であり、より好ましくは75℃から
105℃である。この温度範囲で一定時間保持し、目的
とするDL−ラクチドを最初に結晶化させる。DL−ラ
クチドはラセミ化合物であるためこれを構成する光学活
性ラクチドより融点が高くなり、純粋な形態の融点は1
25℃にある。そしてさらに好ましくは得られた固液混
合物を通常の混合物組成では30℃から65℃の範囲内
で一定時間保持し、液相として存在するメソラクチドか
ら、DL−ラクチド中の乳酸およびそのオリゴマーを排
除しながらメソラクチドを結晶化させる。
【0031】65℃以上ではメソラクチドが結晶化しな
いため、収率の低下を招く。したがって上記のそれぞれ
の温度範囲内で、2℃/min以下の速度で冷却をおこ
なうか、または通常得られる混合物組成では溶融混合物
を90℃付近で一定温度に保持しおよび/またはさらに
40℃付近で一定温度に保持する。上記のいずれの場合
も最終的に実際の処理操作は、これらジエステルと不純
物の溶融混合物組成にあわせて経験的に、当該技術分野
の実施者により注意深く決定される。
【0032】本発明において、上記の操作をおこなった
後、冷却をおこない、固形物を得る。ここでの冷却速度
は、目的としているジエステルが結晶化している場合特
に制限はないが、数種類のジエステルを含む混合物を一
回の保持で結晶化させる場合、好ましくは10℃/mi
n以下でおこなうと、より純粋な結晶性固形物が得られ
る傾向にある。固形物を生成させる到達温度はジエステ
ルと不純物の混合物組成、目的とする精製ジエステル純
度、組成および生産性などで異なるが一般に室温付近で
ある。
【0033】得られた固形物を粉砕して粉末状にした
後、溶媒をもちいて洗浄することにより、不純物は溶媒
に溶解し、結晶中に取り込まれた不純物量の少ない結晶
性固形物を得ることができる。また固形物を溶媒中で粉
砕してスラリー形態で洗浄するのも好ましい。
【0034】得られた固形物は結晶中に取り込まれた不
純物量が少ないため、洗浄溶媒の分離に差し支えない程
度であれば粉砕される粒度および粒度分布に特に制限は
ない。粉砕される最適平均粒度は結晶化条件により異な
るが、通常1000ミクロン程度で洗浄後の固液分離お
よび乾燥操作に支障を来すことなく、目的とする高純度
の精製ジエステルを得ることができる。
【0035】ここで用いられる洗浄溶媒としては、例え
ば有機溶媒ではトルエンなどの芳香族炭化水素類、イソ
プロパノールなどのアルコール類、ジエチルエーテルな
どのエーテル類などが挙げられる。また水系溶媒とは水
と、水と自由に混和する有機溶媒との種々の割合の混合
物であり、このような有機溶媒としてはメタノール、エ
タノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロ
フラン等が挙げられる。好ましくは水系溶媒であり、最
も好ましくは水である。
【0036】このようにして本発明で精製されたα−オ
キシ酸の分子間環状ジエステルは、トルエン、酢酸エチ
ル、イソプロパノール、t−アミルアルコールなどの乾
燥有機溶媒から数回再結晶されたジエステルと同等の高
い重合性を有しており、高分子量α−オキシ酸ポリエス
テル製造用のモノマーとして好適である。したがって得
られたα−オキシ酸のジエステルを開環重合すると容易
に高分子量のα−オキシ酸ポリエステルが得られ、種々
の生分解性成形物を製造することが可能となる。
【0037】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために以下
に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお実施例における特性値は以下の方法によっ
て測定した。
【0038】(1)酸価(AV) ジエステル0.8gを精秤しメタノール−クロロホルム
(1/1体積比)に溶解した直後の溶液を0.1N−N
aOCH3 メタノール溶液で、フェノールフタレインを
指示薬に用いて滴定することによって測定し、これをジ
エステルに含まれるα−オキシ酸やそのオリゴマ−量の
尺度としてジエステル1ton当たりのNaOCH3
消費量(当量数)で表した。
【0039】(2)含有水分量 ジエステル1.0gを精秤しクロロホルムに溶解した
後、平沼産業(株)製デジタル微量水分測定装置AQ−
3Cを用いて測定し、ppmで表した。
【0040】(3)ジエステル、およびそのメソ体含有
量 ジエステル40mgを精秤し、アセトニトリルに溶解し
た後、FID−GC(島津製作所製ガスクロマトグラフ
GC−7A)にて内部標準法で定量し、重量%で表し
た。カラムにはOV−225、キャリアーガスには窒素
を使用した。
【0041】(参考例1)精製に供するL−ラクチドの
合成 90%L−乳酸水溶液(98%e.e.)から、グリセリン
を添加し末端を封鎖したL−乳酸オリゴマーを、三酸化
アンチモンを触媒として脱水重縮合により合成し、これ
を200℃、1mmHg以下で熱分解することでAV=
165eq/t、L−ラクチド含有量84.5%、メソ
ラクチド含有量7.9%の組成を有するジエステルの薄
黄色結晶を得た。
【0042】(参考例2)精製に供するDL−ラクチド
の合成 90%DL−乳酸水溶液から、参考例1と同様な操作で
AV=179eq/t、DL−ラクチド含有量57.5
%、メソラクチド含有量36.9%の組成を有するジエ
ステルの薄黄色結晶を得た。
【0043】(参考例3)L−ラクチドの結晶化挙動観
察 参考例1で得られたL−ラクチドと不純物の溶融混合物
約10mgをアルミニウムパンにとり、降温速度5℃/
minでDSCを測定したところ、約88℃で結晶化ピ
ークの立ち上がりがみられ、78℃までに結晶化が終了
した。ΔHC =−85J/gであった。
【0044】実施例1 L−ラクチドの精製 参考例1で得られたL−ラクチドと不純物の溶融混合物
40.0gをステンレス容器中、窒素雰囲気で95℃に
保持した後、冷却速度0.5℃/minで冷却すると非
常に緩慢な速度でL−ラクチドの柱状結晶の成長が始ま
った。最終的に70℃まで冷却した。混合物の外観は完
全に固化しており、柱状のL−ラクチド結晶が析出して
いた。さらにこの固形物を30℃まで冷却した。固形物
を取り出し、イオン交換水40mlとともにミキサーで
3min粉砕洗浄し、得られたスラリーを吸引濾過し
た。濾紙上のケークをさらに40mlのイオン交換水で
2回洗浄した後、窒素気流中で風乾した。さらにデシケ
ーター中で24hrs 真空乾燥して純白色の結晶性粉末を
得た。回収量は32.3gであった。得られた精製ラク
チドはAV=1.2eq/t、メソラクチド含有量0.
6%、L−ラクチド含有量99.2%であった。また含
有水分量は100ppm以下であった。
【0045】(参考例4)精製ラクチドの重合試験 実施例1で得られた精製ラクチド2.50gをアルミニ
ウムアセチルアセトネート0.04mol%、ラウリル
アルコール0.12mol%とともに190℃、アンプ
ル中で窒素雰囲気下、開環重合したところ、急速に重合
が進行するのが観察された。2hrs で重合を終了して得
られた薄黄色ポリマーのクロロホルム中の溶液粘度は
2.65であり、 1H−NMRによる転化率は95.6
%に達していた。
【0046】実施例2 参考例1で得られたL−ラクチドと不純物の溶融混合物
40.0gをステンレス容器中、窒素雰囲気で93℃に
保持した後、冷却速度2.5℃/minで冷却し、最終
的に70℃まで冷却した。混合物の外観は完全に固化し
ており、柱状のL−ラクチド結晶が析出していた。さら
にこの固形物を30℃まで冷却した。固形物を取り出
し、実施例1と同様な洗浄操作をおこなって純白色の結
晶性粉末を得た。回収量は32.0gであった。得られ
た精製ラクチドはAV=2.1eq/t、メソラクチド
含有量0.8%、L−ラクチド含有量99.1%であっ
た。また含有水分量は100ppm以下であった。
【0047】実施例3 参考例1で得られたL−ラクチドと不純物の溶融混合物
40.0gをステンレス容器中、窒素雰囲気で93℃に
保持した後、冷却速度5.0℃/minで冷却し、最終
的に70℃まで冷却した。混合物の外観は完全に固化し
ており、柱状のL−ラクチド結晶が析出していた。さら
にこの固形物を25℃まで冷却した。固形物を取り出
し、実施例1と同様な洗浄操作をおこなって純白色の結
晶性粉末を得た。回収量は32.0gであった。得られ
た精製ラクチドはAV=4.3eq/t、メソラクチド
含有量0.6%、L−ラクチド含有量99.1%であっ
た。また含有水分量は100ppm以下であった。
【0048】実施例4 参考例1で得られたL−ラクチドと不純物の溶融混合物
40.0gをステンレス容器中、窒素雰囲気で95℃に
保持した後、冷却速度0.2℃/minで冷却し、最終
的に80℃まで冷却した。混合物の外観は完全に固化し
ており、柱状のL−ラクチド結晶が析出していた。さら
にこの固形物を25℃まで冷却した。固形物を取り出
し、実施例1と同様な洗浄操作をおこなって純白色の結
晶性粉末を得た。回収量は32.5gであった。得られ
た精製ラクチドはAV=1.1eq/t、メソラクチド
含有量0.7%、L−ラクチド含有量99.2%であっ
た。また含有水分量は100ppm以下であった。
【0049】実施例5 定温結晶化 参考例1で得られたL−ラクチドと不純物の溶融混合物
40.0gをステンレス容器中、窒素雰囲気で90℃で
保持した後、冷却速度4℃/minで冷却し、83℃に
到達させた。数分後に非常に緩慢な速度でL−ラクチド
の柱状結晶の成長が始まった。さらに83℃で保持し4
hrs 後、混合物の外観は完全に固化しており、柱状のL
−ラクチド結晶が析出していた。さらにこの固形物を3
5℃まで冷却した。固形物を取り出し、実施例1と同様
な洗浄操作をおこなって純白色の結晶性粉末を得た。回
収量は32.0gであった。得られた精製ラクチドはA
V=1.0eq/t、メソラクチド含有量0.6%、L
−ラクチド含有量99.2%であった。また含有水分量
は100ppm以下であった。
【0050】実施例6 イソプロパノールによる洗浄操
作 参考例1で得られたL−ラクチドと不純物の溶融混合物
40.0gをステンレス容器中、窒素雰囲気で90℃で
保持した後、冷却速度4℃/minで冷却し、83℃に
到達させた。数分後に非常に緩慢な速度でL−ラクチド
の柱状結晶の成長が始まった。さらに83℃で保持し4
hrs 後、混合物の外観は完全に固化しており、柱状のL
−ラクチド結晶が析出していた。さらにこの固形物を3
5℃まで冷却した。固形物を取り出し、イソプロパノー
ル40mlとともにミキサーで2min粉砕洗浄し、得
られたスラリーを吸引濾過した。濾紙上のケークをさら
に40mlのイソプロパノールで1回洗浄した後、窒素
気流中で風乾した。さらにデシケーター中で24hrs 真
空乾燥して純白色の結晶性粉末を得た。回収量は30.
5gであった。得られた精製ラクチドはAV=1.0e
q/t、メソラクチド含有量0.3%、L−ラクチド含
有量99.2%であった。また含有水分量は100pp
m以下であった。
【0051】実施例7 DL−ラクチドの精製 参考例2で得られたDL−ラクチドと不純物の溶融混合
物40.0gをステンレス容器中、窒素雰囲気で105
℃に保持した後、冷却速度0.1℃/minで冷却する
と非常に緩慢な速度でDL−ラクチドのプリズム状結晶
の成長が始まった。最終的に85℃まで冷却した。混合
物の大部分は固化しており、プリズム状のDL−ラクチ
ド結晶が析出していた。さらにこの混合物を25℃まで
冷却した。混合物の外観は完全に固化していた。固形物
を取り出し、実施例1と同様な洗浄操作をおこなって純
白色の結晶性粉末を得た。回収量は28.5gであっ
た。得られた精製ラクチドはAV=7.6q/t、メソ
ラクチド含有量24.5%、DL−ラクチド含有量7
4.9%であった。また含有水分量は150ppmであ
った。
【0052】実施例8 2段階の結晶化 参考例2で得られたDL−ラクチドと不純物の溶融混合
物40.0gをステンレス容器中、窒素雰囲気で102
℃に保持した後、冷却速度0.1℃/minで冷却し、
最終的に85℃まで冷却した。混合物の大部分は固化し
ており、プリズム状のDL−ラクチド結晶が析出してい
た。さらにこの混合物を2℃/minで55℃まで冷却
した後、冷却速度0.1℃/minで冷却し、最終的に
45℃まで冷却した。混合物の外観は完全に固化してい
た。さらにこの混合物を25℃まで冷却した。固形物を
取り出し、実施例1と同様な洗浄操作をおこなって純白
色の結晶性粉末を得た。回収量は28.9gであった。
得られた精製ラクチドはAV=3.5eq/t、メソラ
クチド含有量23.7%、DL−ラクチド含有量76.
0%であった。また含有水分量は120ppmであっ
た。
【0053】実施例9 2段階の定温結晶化 参考例2で得られたDL−ラクチドと不純物の溶融混合
物40.0gをステンレス容器中、窒素雰囲気で100
℃に保持した後、冷却速度4℃/minで冷却し、87
℃に到達させた。数分後、非常に緩慢な速度でDL−ラ
クチドのプリズム状結晶の成長が始まった。さらに87
℃で保持し4hrs 後、混合物の大部分は固化しており、
プリズム状のDL−ラクチド結晶が析出していた。さら
にこの混合物を44℃まで冷却した後、さらに44℃で
保持し2hrs 後、混合物の外観は完全に固化していた。
さらにこの混合物を25℃まで冷却した。固形物を取り
出し、実施例1と同様な洗浄操作をおこなって純白色の
結晶性粉末を得た。回収量は27.8gであった。得ら
れた精製ラクチドはAV=2.3eq/t、メソラクチ
ド含有量25.5%、DL−ラクチド含有量73.8%
であった。また含有水分量は120ppmであった。
【0054】比較例1 参考例1で得られたL−ラクチドと不純物の溶融混合物
40.0gを窒素雰囲気中で90℃で保持した後、スプ
レーノズルより室温(約20℃)の雰囲気に噴出させ
た。瞬間的に室温に冷却され固化したものと考えられる
微細な粒状(1mm程度)のラクチド固形物を得た。粒
状の固体をイオン交換水40mlとともに3min攪拌
洗浄し、得られたスラリーを吸引濾過した。濾紙上のケ
ークをさらに40mlのイオン交換水で2回洗浄した
後、窒素気流中で風乾した。さらにデシケーター中で2
4hrs 真空乾燥して純白色の粒状固形物を得た。回収量
は29.8gであった。得られた精製ラクチドはAV=
40.0eq/t、メソラクチド含有量3.1%、L−
ラクチド含有量95.8%であり、実施例に比較して低
純度であった。
【0055】比較例2 参考例1で得られたL−ラクチドと不純物の溶融混合物
40.0gをステンレス容器中、窒素雰囲気で90℃で
保持した後、冷却速度25℃/minで冷却し、70℃
まで冷却した。微細な結晶が急速に成長して、一気に固
形物が生成するのが観察された。混合物の外観は完全に
固化しており、微細な針状のL−ラクチド結晶が析出し
ていた。さらにこの固形物を30℃まで冷却した。固形
物を取り出し、実施例1と同様な洗浄操作をおこなって
純白色の結晶性粉末を得た。回収量は32.0gであっ
た。得られた精製ラクチドはAV=35.0eq/t、
メソラクチド含有量1.7%、L−ラクチド含有量9
7.9%であった。また含有水分量は250ppmであ
り、実施例に比較して低純度であった。
【0056】参考例5 精製ラクチドの重合試験 比較例1で得られた精製ラクチド2.50gをアルミニ
ウムアセチルアセトネート0.04mol%、ラウリル
アルコール0.12mol%とともに190℃、アンプ
ル中で窒素雰囲気下、開環重合したところ、重合は緩慢
であり重合時間延長の必要が感じられた。2hrs で重合
系からサンプリングして得られた薄黄色ポリマーの溶液
粘度は0.89であり、転化率は82.0%であった。
したがって参考例4と比較すると、好ましい重合におい
てはより高純度の精製ジエステルが必要であることが明
らかである。
【0057】比較例3 参考例1で得られたL−ラクチドと不純物の溶融混合物
40.0gをステンレス容器中、窒素雰囲気で90℃で
保持した後、冷却速度15℃/minで冷却し、70℃
まで冷却した。微細な結晶が成長していくのが観察され
た。混合物の外観は完全に固化しており、微細な針状の
L−ラクチド結晶が析出していたが、さらにこの固形物
を30℃まで冷却した。固形物を取り出し、実施例1と
同様な洗浄操作をおこなって純白色の結晶性粉末を得
た。回収量は32.0gであった。得られた精製ラクチ
ドはAV=17.2eq/t、メソラクチド含有量1.
9%、L−ラクチド含有量97.4%であった。また含
有水分量は250ppmであり、実施例に比較して低純
度であり、開環重合のモノマーとして用いるには好まし
くなかった。これらの比較例を実施例と比較すると、冷
却速度を制御することにより、より高純度の精製ジエス
テルを得られることが明らかである。
【0058】
【発明の効果】以上の実施例からかなように、本発明に
おいて精製されるα−オキシ酸の分子間環状ジエステル
は従来の方法に比較してより高い純度を有している。こ
のジエステルを開環重合すると、容易に高分子量のα−
オキシ酸ポリエステルが得られ、種々の生分解性成形物
を製造することができ広範な用途が期待できるので、産
業界、または環境問題の解決にも寄与すること大であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有地 美奈子 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 宇野 敬一 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるα−オキシ
    酸の分子間環状ジエステルおよび不純物を含む溶融混合
    物を、(1)不純物を含む分子間環状ジエステルの凝固
    点から凝固点より30℃低い温度までの範囲内で徐々に
    固化させながら一定時間保持し、(2)しかるのち冷却
    し、(3)固形物とした後に粉砕して形態を粉末状に
    し、溶媒をもちいて洗浄することを特徴とするα−オキ
    シ酸の分子間環状ジエステルの精製方法。 【化1】 (式中R1 、R2 は独立に水素または炭素数1〜5のア
    ルキル基を示す)
  2. 【請求項2】 段階(2)において、10℃/min以
    下の速度で冷却することを特徴とする請求項1記載の精
    製方法。
  3. 【請求項3】 段階(1)において、一定時間保持する
    ときに、不純物を含む分子間環状ジエステルの凝固点か
    ら凝固点より30℃低い温度までの範囲内で10℃/m
    in以下の速度で冷却することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の精製方法。
  4. 【請求項4】 段階(1)において、一定時間保持する
    ときに、不純物を含む分子間環状ジエステルの凝固点か
    ら凝固点より30℃低い温度までの範囲内で一定温度に
    保持することを特徴とする請求項1または2記載の精製
    方法。
  5. 【請求項5】 分子間環状ジエステルがL−またはD−
    ラクチドであることを特徴とする請求項3または4記載
    の精製方法。
  6. 【請求項6】 分子間環状ジエステルがグリコリドであ
    ることを特徴とする請求項3または4記載の精製方法。
  7. 【請求項7】 分子間環状ジエステルがDL−ラクチド
    であることを特徴とする請求項3または4記載の精製方
    法。
  8. 【請求項8】 分子間環状ジエステルとしてさらにメソ
    ラクチドが含まれる場合であって、かつ段階(2)の後
    に、段階(1)〜(2)を繰り返すことを特徴とする請
    求項5〜7のいずれかに記載の精製方法。
  9. 【請求項9】 段階(3)において、溶媒中で粉砕して
    スラリー形態で洗浄することを特徴とする請求項1〜8
    のいずれかに記載の精製方法。
  10. 【請求項10】 段階(3)において、溶媒が有機溶媒
    であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載
    の精製方法。
  11. 【請求項11】 段階(3)において、溶媒が水系溶媒
    であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載
    の精製方法。
  12. 【請求項12】 段階(3)において、溶媒が水である
    ことを特徴とする請求項11記載の精製方法。
JP11070695A 1995-05-09 1995-05-09 α−オキシ酸の分子間環状ジエステルの精製方法 Pending JPH08301864A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008526897A (ja) * 2005-10-03 2008-07-24 テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド ロスバスタチンのジアステレオマー精製
JP2009185108A (ja) * 2008-02-04 2009-08-20 Toyobo Co Ltd ポリ乳酸系樹脂溶解物
US7622546B2 (en) 2002-10-08 2009-11-24 Kureha Corporation Production process of aliphatic polyester
CN109400854A (zh) * 2018-10-29 2019-03-01 深圳市鑫元素新材料科技有限公司 一种聚己内酯高聚物及制备方法

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