JP4959899B2 - 環状エステルの精製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
<発明の属する技術分野>
本発明は、一般式(化1)で示される二量体の環状エステル(特に、ラクチド又はグリコリド)の二量体を精製するための工程に関連する。
【化1】
Figure 0004959899
(化1中、R、R、R及びRは、水素、芳香族性基若しくは置換又は非置換の炭素数1〜10の脂肪族性基の代わりとして示される。)
これらのエステルは、医薬品で生物分解性及び生体吸収性プラスチックを調製するために特に有用なポリマーに変換することができる。ラクチド(化1において、R及びRがH、R及びRがCH)のポリマーは、殆どの環境条件下で水性の加水分解によって分解されて乳酸又はオリゴマーを生成する。
【0002】
乳酸の二つの光学活性体である(L−LA)と(D−LA)は、三種類のジアステレオマー型のラクチド(LD又は環状二量体)、即ち、二分子のD−乳酸からなるラクチド(D,D−ラクチド又はD−LD)、二分子のL−乳酸からなるラクチド(L,L−ラクチド又はL−LD)、又はそれぞれ一分子ずつからなるラクチド(メソ−ラクチド又はメソ−LD)を生じさせることができる。さらに、問題となるのは、L−LD又はD−LD(Tf=97℃)よりもはるかに高温の融点(Tf=126℃)によって特徴付されるラセミ混合物((D,L)−ラクチド)である。
【0003】
現在、ラクチドを製造する二つの主要な方法は、縮合ステップ由来のオリゴマーの平均重合度(DP)によって本質的に区別される。
【0004】
第一は、8≦DP≦25のオリゴマーを得るために乳酸溶液から水を抽出することにある。これらのオリゴマーは、高温又は低温における減圧下若しくは窒素供給下のいずれか一方の条件下で、ルイス酸触媒によってその後、解重合(バック−ビティング反応)される。この工程は厳しい条件下で行われることから、費用がかかるとともに、ラクチドの光学純度(高い割合のラセミ化)に影響を与えることが分かった。
【0005】
第二の方法は、高温における水蒸気相又は水と共沸混合物を形成する補助溶媒の存在する液体相で形成される1.5≦DP≦2.5のオリゴマーを利用する。これの主な欠点は、溶媒の存在、多くの場合は高沸点の芳香族性溶媒の存在、180℃を超える反応温度、選択性の欠如、及び大量のプロトン性不純物、である。
【0006】
一般に、様々な合成経路によって得られる粗製ラクチドは、開環による重合工程に統合される粗製生成物のための十分な純度を提供するために抽出しなければならないプロトン性不純物(カルボン酸、ヒドロキシル化合物、水など)を多く含む。
【0007】
<従来の技術>
以下、百分率は、常に重量百分率で表される。
熟練技術者は、豊富に含まれた結晶形中のメソ−LDの回収を伴う、溶融状態の動的な結晶化による精製のための工程を提案するCA 2 115 472を知っている。しかしながら、この工程は、L−LD/D−LDの比率が少なくとも80/20又は少なくとも20/80の粗製ラクチドにのみ適用可能である。粗製生成物の構成が、共沸混合物の範囲を越える構成に相当すると考えられる場合、水、乳酸及びオリゴマーのような不純物と共にL−LDの除去を伴う、ラセミ混合物L−LD+D−LDが豊富に存在する。他方では、既にラクチド(L−LD+メソ−LD、但し、>90%)が豊富に含まれている粗製ラクチドから始める必要がある。
【0008】
米国特許第5,502,215号公報は、遠心分離に付随する水性媒体中におけるL−LD及び/又はD−LDの結晶化、気相乾燥、遠心分離及び気相乾燥に伴う有機溶媒からの再結晶化、そして、ここで好ましくは前記有機溶媒で洗浄することからなる粗製ラクチドを精製する工程に関する。重要な点は、加水分解によるメソ−LDの除去及び水によってプロトン性不純物を抽出しないことである。他方では、その目的は特定のタイプのラクチドの結晶を製造することではない。
【0009】
上述した二つの精製方法は、様々な種類の粗製ラクチドを処理すること、及びかなり良好な条件下でポリラクチド(PLA)への重合を可能にする99%の純度を得ることを可能にした。しかしながら、これらの方法は、開環による収率の大きな減少、ラクチド環の化学的なラセミ化及び/又は熱的なラセミ化、若しくは、溶媒純化手段と一体となった貯蔵や処理のために必要とされる高額な投資費用や実施費用のいずれかを伴った。
【0010】
本発明は、上記の欠点を解決するとともに、経済的に優れた条件下における重合のための十分な純度のラクチドの製造を可能にする。
【0011】
<発明の開示>
本発明は、”粗製ラクチド”、即ち、乳酸及び/又は乳酸エステル並びにこれらそれぞれのオリゴマー(LA、但し、n<5)、水及び/又はアルコール並びにラクチドの様々なジアステレオ異性体の混合物から出発する環状エステルを製造する工程、特に乳酸(ラクチド)の環状の二量体を精製する工程、を提供する。
【0012】
この粗製生成物は、乳酸及び/又はその塩及び/又は上記には詳しく説明していないが熟練技術者に知られたあらゆる合成方法からもたらされるそのエステル、若しくは溶融媒体中における蒸留又は結晶化のような精製工程由来の残渣、から得ることができる。
【0013】
乳酸のエステルに適用することができるにも関わらず、常に、乳酸からのラクチドの合成を下に言及する。乳酸については、メソ−LDを含まない二つのジアステレオ異性体(L−LD又はD−LD)のうちの一つを意味する。
【0014】
本発明において述べられる精製工程は、粗製ラクチド(ラクチドが乏しいものでさえ)から高収率で少ないエネルギー消費量で極めて高品質のラクチドを調製することから独創的なものである。極めて高品質(化学的又は光学純度的)のラクチドは、開環によるPLAの合成のためのモノマーとしての役割を果たすことができる。
【0015】
定量的で選択的な工程は、以下の作業の結合によって確保される。
(a)は、大きな結晶の形成及びプロトン性不純物の液相への移行を促進するため、水性媒体におけるラクチドの制御された抽出晶析
(b)はラクチド及び液相の遠心分離又は他の分離(洗浄有り又は無し)
(c)は得られたウエットケーキの固相又は液相乾燥
(d)は溶融媒体における1又はそれ以上の再結晶
【0016】
このシーケンスは、容易でしかも乳酸製造工程への水相の不純物の量的再利用を可能とする。従来の工程とは対照的に、温度及び滞留時間の条件を最適化することは、精製工程におけるラクチドの化学的及び熱的な劣化を避けることを可能にした。質及び収率の工業的な基準は極めて容易に達成する。
【0017】
技術の単純性、低操作温度及び各ステップの賢明な並置のために、エネルギー支出は最小である。PLAの合成のために必要とされる優れた質と選択性のラクチドを得ることを可能にすることから、溶融媒体における再結晶は、熟練技術者に知られている。しかしながら、ラクチドに乏しい粗製ラクチドから出発するこの技術は、ラクチドの十分な収率を保証すること及び他の技術(蒸留、溶媒からの再結晶など)に対する経済的な競争に対抗することを可能とはしない。他方では、ステップ(a)から(d)の連続性及び本発明によって示唆された方法論は、欠点を補う。
【0018】
<発明の詳細な説明>
優先的に、出発混合物は、ラクチドのうちの一つに関しては30〜90%、好ましくは40〜85%、水(エステルとともに、水はアルコールと取り替えられる。)に関しては、0〜2%、好ましくは0〜1%、乳酸及びそのオリゴマー(LA、但し、N<5)に関しては、0〜50%、残り(メソ−LD及びラクチドの他のジアステレオ異性体)は0〜30%、とから構成される。
【0019】
この混合物又は粗製生成物は、乳酸の環状二量体の合成によって得られる水蒸気の濃縮ステップの特定のポイントにおける抽出に由来する。それらのために精製するには量が少なすぎるが、乳酸(ラクチドの加水分解)の源ではなくラクチドとして再利用のためには十分なラクチド含有量の精製工程(蒸留又は溶融媒体における結晶化)から得られる画分の回収を可能にする。
【0020】
この工程は、本質的に以下のステップから構成される。
(a)制御された抽出晶析
これは、水を加えることによる、液相におけるプロトン性不純物の濃度の水性媒体中における、量的、選択的及び制御されたラクチドの結晶化である。
【0021】
遠心分離(b)のステップと乾燥(c)のステップの結合は、溶融媒体(d)における再結晶による最終的、効果的でしかも有利な精製のために十分な選択性(LD含有する。)の混合物を与える予備精製から構成される。水の添加を考慮に入れない場合、高い選択性は、90%以上、好ましくは95%以上のLD含有量を与える。
【0022】
水による抽出の工程の存在に関連して、ここで、メソ−LDの大部分は、環の加水分解によって取り除かれることはない。しかし、形成された結晶の形状は制御されて、相分離はラクチド(固相)と不純物(液相)の間で引き起こされ、そして溶性のプロトン性不純物の抽出が促進される。メソ−LD含有量の減少は、完全に避けることはできない。この工程の最後のステップは、ラクチドとメソ−LDの有効で立体特異的な分離を可能にする。ゆえに、開環によって後者の加水分解を避けるために必要とされる。確かな応用のために、メソ−LDの回収及びPLAのためのその使用は、主要な長所を構成する。
【0023】
この工程は、不純物を乳酸からラクチドの生成に再利用することを、結晶の形状を制御することを、プロトン性不純物の効果的な水性抽出を、そして、化学的又は熱的なラクチドの開環による収率の低下を防ぐために非常に穏やかな反応条件を可能にする。
【0024】
ラセミ化及びエネルギー支出を減少するように、並びに工程の生産性を高めるように抽出を開始及び完了するために、本発明は、混合物(粗製ラクチド+抽出に用いた水)の最初と最後の温度はそれぞれ100℃及び50℃を超えないことを、好ましくは90℃以下及び35℃以下、より好ましくは80℃以下及び25℃以下、滞留時間は1〜90分間、好ましくは1〜60分間であることを推奨する。
【0025】
しかしながら、水の不適切な量の長所は、転位、効果的な抽出又は結晶化の制御の問題を引き起こす。これは、水の量があまりにも多いと、メソ−LDの加水分解だけでなく、開環(かなり収率に影響する)によるラクチドの加水分解を可能にするからである。よく知られた抽出工程では、この分解は、混合物の温度の非常に急激な低下、及び固化によって遅延され、この急激な温度低下は、混合物内の非常に重要な核形成を引き起こす。これは、プロトン性不純物(出発物質の純度は、既に相対的に高い)の水性抽出ではなく結晶の形式存在するメソ−LDの選択的な加水分解に向けられる既知の抽出工程への損失でない。対照的に、発明に関する限り、核形成および結晶の成長は、抽出の効率を低下する凝固を防ぐために制御されなければならない。温度低下は、結晶の表面から取り除くことが非常に困難な不純物(乳酸あるいは乳酸オリゴマーのような)の粘性の上昇を引き起こし、水で溶媒和することが困難なブロックの形成をさらに引き起こす。
【0026】
さらに、凝固は結晶の形状の制御を妨げ、これは層状の構造成長させることができない。本発明に従う包接も閉鎖も伴わないこれらの結晶は、より高い純度、安定性及び可操作度である。
【0027】
メソ−LDの加水分解を促進しないために、本発明では、出発混合物に加えられた水の濃度は、0〜40%、好ましくは0〜30%、より好ましくは0〜20%である。粗製ラクチドの各ラクチド組成に対応する特定の結晶化温度が存在するので、ラクチドの分解はそのときはるかに遅く、温度および結晶化のより好ましい制御を可能にする。第一段階では、混合物は、この温度より、10℃、好ましくは5℃、そしてより好ましくは2℃より低い状態に至らされ、そして、1〜45分、好ましくは1〜30分、そしてより好ましくは1〜15分、このままの状態に維持される。本発明の1つのアプローチは、混合の後に、加えられる水の温度に、望まれる一定温度に相当するその温度を課すことにある。本発明の第二のアプローチは、純粋なラクチド(連続的なシード添加)の結晶の結晶化を開始することにある。
【0028】
第一のステップの次の段階において、結晶の連続的な成長を刺激し、かつ収率を向上するために、混合物の温度はゆっくりと低下される。結晶化手順のこの制御は、徐々に液相に不純物を押し込め、また、包接なしで層状の構造を有する結晶が形成される。得られた結晶の形状は、分離(b)及び乾燥(c)の二つのステップの効率性を大幅に増加させる。他方、1%に近づいた水含有量で、ラクチド結晶の化学的安定性は、混合物の凝固によって得られたもののよりも増加される。
【0029】
本発明では、反応装置は、混合物の全体に熱を分配するために有効な攪拌を提供し、凝固を回避し、反応装置からの混合物の容易な除去を可能にする。その大きなサーモスタットの容量は、連続的な結晶化(収率)を促進し、ラクチドの結晶化(結晶の成長)を制御する。例えば、外部熱交換器と結合したバッチ反応装置のように、これらの必要条件に一致するあらゆるバッチ又は連続的反応装置が適切である。さらに、熟練技術者は、ラクチドの結晶化を促進するための結晶接種又は音による再結晶あるいは結晶を認識することができる。
【0030】
水による抽出の既知の工程とは対照的に、操作のこの新しい方法は、ラクチドの1つの特別の形状の外観を促進する。
【0031】
この制御された、抽出可能な結晶化から得られた生成物のGC分析は、さらなる未知の合成物の外観を観察することを可能にした。
【0032】
温度、水濃度及び接触時間の機能として、この合成物の量は、逆にラクチドのそれに変化した。
【0033】
GC−MS、NMR(13C、H)及びIR分析は、この合成物が水の分子によるラクチド「混合物」の分子であることを示す。二つの分子(ラクチド及び混合物)の分析が、混合物及び化学結合ではない存在を証明する傾向があるm/z162の付加ピークなしで、二つの全く同一の質量スペクトルを与えたので、この混合物は共有結合性の化学結合ではなく比較的に強い極の相互作用であると仮定される。NMRとIRのスペクトルは、水の存在に相当する明確な変化を示す。
【0034】
この混合物は急激に冷却した場合、生成されない。この混合物の存在及び性質に関する知識だけが、このプロセスと一体となった溶融媒体中における乾燥及び結晶化のステップを正確に、そして効果的に操作することを可能にした。
【0035】
(b)遠心分離
水含有量が1〜40重量%、好ましくは1〜25%、更により好ましくは1〜20%、(混合物が含まれている)ラクチド含有量が35〜90%、好ましくは40〜90%、更により好ましくは45〜90%、乳酸とそのオリゴマー(LA、但し、n<5)の含有量が、0〜10%、好ましくは0〜5%、残りはメソ−LDとラクチドの他のジアステレオ異性体である、(a)で得られる懸濁液からの出発において、このステップは、固体相(ケーキ)中に基本的に存在するラクチド及びプロトン性不純物が加えられた水溶性フィルターの遠心分離又は他の分離である。
【0036】
ろ過は、全体のPLA合成収率を増やすために、乳酸から出発したラクチドの生成物に対して容易に再循環させられる。
【0037】
遠心分離は望ましいものである。つまり、ステップ(a)で生成された結晶体の好ましい形状ゆえにとても敏速である。更にケーキの乾燥は、生成物の扱いを容易にする。その上、結晶体の化学的安定性は、開環による収率の損失を防ぐ。
【0038】
1つの好ましいアプローチは、0〜3%、好ましくは0〜1%、更に好ましくは0〜0.5%の残留自由水含有量に達するのに十分な吸引時間を勧める。
【0039】
後述の乾燥工程を促進したり、抑制するために、フィルターケーキを洗浄する。洗浄は接触時間を最小に減少すること、及び収率の増加を可能にする。あらゆる工程が本発明の状況に適している。
【0040】
洗浄溶剤の選択は、結晶体の表面のフィルム枠に沈殿する不純物を簡単な方法で除去すること、ケーキの残留水量を除くこと、及び結晶体の化学的安定性を増加させることを可能にする。溶剤は水と混合できるものであり(残留水中での還元)、水と低共沸混合物を形成するものであり(微量の水の容易な蒸留)、比較的低い融点を持つものであり(節約)、ラクチドに対して化学的不活性であり(開環を防ぐため)、ラクチドに対して容易に溶け(収率の損失を避けるため)、ラクチドより水に対してより大きい相互作用を持つものである(ラクチドの水結合を除くため)。溶剤の難しい選択は、それゆえ抽出率、収率及び工程の利益性の間での結果である。
【0041】
溶剤はケトン類、エーテル類、芳香族又は脂肪族炭化水素、シリコンベースの溶剤、及びハロゲン化溶剤(アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン、アニソール、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、メチルフェニルエーテル、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、クメン、シメン、p−キシレン、o−キシレン、m−キシレン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、1−ペンテン、4−メチルアニソール、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、メシチレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、エタノール、イソプロパノール)が使用できる。
【0042】
(c)乾燥
水含有量が0〜5%、好ましくは0〜2%、更により好ましくは0〜1%、(混合物が含まれている)ラクチド含有量が75〜98%、好ましくは85〜98%、更により好ましくは90〜98%、乳酸とそのオリゴマー(LA、但し、n<5)含有量が、0〜5%、好ましくは0〜3%、更により好ましくは0〜1%、残りはメソ−LDとラクチドの他のジアステレオ異性体である、(b)で得られるウエットケーキからの出発において、このステップは残留の水量を蒸発することにある。このステップはまた、洗浄過程で使用された溶剤の全て又はいくつかの抽出を可能にする。
【0043】
更に、この工程によって生成する混合物は、注意深く扱われなければならない。つまり、その生成物は可逆的であるので、その混合物は一定の条件下でその水を放出するからである。
【0044】
ステップ(b)で得られるウエットケーキは、それゆえ、(混合物中の)自由残留水と結合水からなる事実があるという根拠に基づいて処理されなければならない。
【0045】
しかしながら、ラクチドの一時的な化学的安定性を確実にするために不可欠である、ウエットラクチドの低水(自由+結合)含有量は、溶融媒体の再結晶化による最終精製を許さない。つまり、この水量は再溶解処理の間、開環によって収率を削減する。1つの好ましいアプローチは、0〜800ppm、好ましくは0〜600ppm、より好ましくは0〜400ppmの間の自由残留水含有量を得ることを可能にする。同様に、混合物量は0〜3%、好ましくは0〜0.5%、より好ましくは0〜0.05%の間でなければならない。
【0046】
本発明において、2つの乾燥技術がこれらの水量を処理するために考えられる。
【0047】
第一は、最初の結晶体(固体)中においてステップ(b)から得られる生成物を処理することからなる。水や残留の溶剤を除く目的のために大きい乾燥力を提供する乾燥器は、生成物のいかなる熱劣化も避けるために、緩やかで制御された状態下で乾燥を行う。乾燥工程は、水で抽出の他の工程に比べて、ウエットケーキが45〜50℃の間の溶解温度でメソ−LDを含むという事実のためより繊細である。真空下やガスの流れのもとで、少なくとも50℃で乾燥を行うことが適している。更に、水を放出しやすい混合物はまた、ラクチドの分解を避けるために低温度で働くための誘因を与える。湿性固体からの水や溶剤の蒸発や抽出を奨励する熟練技術者に知られているどんな乾燥工程及びどんな技術も、本発明において予想される。つまり、真空下や乾燥ガス流下の攪拌乾燥操作、沸騰原理、プレート乾燥器などである。
【0048】
第二の技術は、ステップ(b)からウエットケーキを液化すること、及び乾燥ガス流のパージや散布によって水(自由+結合)を取り込むことを奨励する。第一技術のように、ラクチドの化学的安定性を確実にするために、乾燥温度は液体結晶形中のウエットラクチドに維持するために要求される最小に近づけられる。湿性液体からの水や溶剤の抽出を奨励する熟練技術者に知られているいかなる乾燥工程及び技術も、本発明において予想される。つまり、ガス浄化カラム(ストリッピング)、薄膜乾燥器、分子ふるい、などである。
【0049】
一方、溶剤でのケーキの洗浄中、もし、後述の抽出の残留水含有量が説明された溶融媒体の再結晶体に相溶性であるか、もし、溶剤の残留量が、最後のステップ(工程中の溶剤量に非還元)に対して、化学的(溶剤によるラクチドの非開口)で技術的な観点から相溶性のままであるならば、この乾燥ステップは避けることができる。
【0050】
ケーキの洗浄のために、溶剤は理論上水で共沸混合物を形成する。つまり、これは最後の生成ステップの有益な利用のために最終の微量の水や溶剤を抽出するために容易で有益とされる。
【0051】
(d)溶融媒体の再結晶化
組成物が、低自由水と結合水の量を除きステップ(b)から得られた生成物のそれに似ている(c)で得られた乾燥状の不純ラクチドは、化学的、立体特異的純度が開環によってPLA合成に対して十分であるラクチドを与えるために、溶融媒体(1又はそれ以上のステージ)の再結晶化によって最後の精製を行う。十分な純度は、99.0〜99.9%、より好ましくは99.5〜99.9%のラクチド含有量、0〜0.5%、好ましくは0〜0.2%のメソ−LD含有量、0〜100ppm、好ましくは0〜50ppmの水含有量、及び0〜10meq/kg、好ましくは0〜1meq/kgの酸性度を意味する。
【0052】
(c)で得られた乾燥状の不純ラクチドは溶解され、結晶化をはじめるために制御下で冷却される。不純物は液体相に濃縮される。結晶化に続いて、液体相は重力によって分離され、不純物のフィルムで覆われた結晶が残る。フィルムを除くために、部分的な再融解処理が行われる。それゆえ、得られた液体はフィルムを同調し、重力によって排除される。その操作は、要求する純度に達するまで繰り返される。このステップの繰り返しは、静的又は動的である。
【0053】
一旦希望の純度が得られると、晶析装置の中身を溶解し、回収する。
【0054】
この最終精製ステップは、上記の3ステップに一致して粗製ラクチドの前処理によってのみ利用可能な量、経済的、そして精力的である。溶融媒体の再結晶化で到達する生成物は、工程の実行可能な利用に対して90%以上、より好ましくは95%以上の純度である。不十分な純度は、操作数及びそれゆえ投資費用をかなり増加させる。
【0055】
低自由水含有量(<800ppm、好ましくは<400ppm)は、ラクチドの速い化学的劣化及び生産力と収率の低下の防止を可能にする。水は第一ステップで液体相に集められ、技術の固有部分である加熱サイクルによってラクチドの時期尚早の開始を生じさせる。その工程は異なった画分の再利用を元にしているので、その結果として生じる損失分は最終収率に直接影響する。溶融媒体結晶化に達する生成物中の混合物量は、急激に縮小されるに違いない。つまり、このステップの条件は、混合物から生じる水の放出の原因となるかもしれない。
【0056】
溶融媒体の再結晶化条件のふさわしい選択は、ステップ(a)の低損失の理由でメソ−LDの回収を可能にする。この工程は、制御された分解動力学でPLA合成を提供する。
【0057】
本発明の最後のステップの間、精製される生成物中の不純物の粘性は多量の転送係数に影響を及ぼす、従って、結晶の形、結晶化の割合及び収率に直接影響を及ぼす。ステップ(d)において出発物質への溶剤の追加は、粘性の低減を可能にする。この溶剤は、溶剤なしでの精製中にステップ(c)の乾燥状の生成物に混合される、あるいは工程のステップ(d)中に加えられた溶剤の残留物かもしれない。この量は乾燥ステップ(c)が行われたかどうかによって変わる。
【0058】
この溶剤は、我々の工程の産業上の利用を保つことを可能にする濃縮、すなわち、0〜30%、好ましくは0〜20%、そしてより好ましくは0〜10%の濃縮を提供する。多すぎる量の追加は、より高い容積の晶析装置を要求する溶液からの再結晶化に等しく、そのために溶剤を使用する利益を相殺する。前記溶剤はラクチドに関して不活性であるに違いないし、全体のPLA生成工程へ容易に再利用されるに違いない。つまり例えば、上述は乳酸のエステル又はステップ(B)の溶剤から作られる。
【0059】
例として以下挙げられるがそれに制限されない、他の詳細、および発明の特定の特徴は、可能な実施形態を記述する。
【0060】
実施例
実施例1
L−LD83%、メソ−LD8%、及び残留酸性度570meq/kgの水酸化L−LD混合物(混合物)1.6%を含む粗製ラクチド(0.696kg)のサンプル(供給物)を全長1m、直径30mmの垂直のステンレススチールチューブからなる晶析装置に挿入した。チューブの被覆物は、結晶相、浸出相、あるいは再融解相の制御のために温度調節された発熱体によって伝熱流体で供給された。この粗製生成物は105℃で溶解された。
【0061】
次に、結晶化は、被覆物の中にある伝熱流体の温度のゆるやかな減少によって壁上で始められた。純結晶の吸蔵と包含を防ぐために、この温度の減少は2〜5℃/時間であった。粗製生成物の一部は、中心部分が多数の不純物を含む液体相(ドレイン)を含む間に、壁上で結晶化した。
【0062】
前記伝熱流体が60℃になった時、液体相は重力によって分離された。
【0063】
結晶体は、まだ、浸出ステップが除去のために要求される不純物のフィルムで覆われている。つまり、チューブの表面は、それらの融点が天然生成物の融点より低いので、最小の清浄の結晶体の表面を溶かすために、(60℃から98℃へ)非常にゆっくり熱せられる。粗製生成物の性質次第で、重力によって回収された浸出画分は、最初のチャージの5〜25%を表わした。
【0064】
最後に、晶析装置を、重力(溶解)によって回収された物質をすべて液化するために、生成物(97〜102℃)の融解に(4℃/分で)使用した。
【0065】
PLA合成のためのラクチドの規格に満たすために必要とされる最終生成物は、同じ方法で精製の第二及び第三のステージまで行った。
【0066】
表1は、ステージの作用として、不純物を備えた中間生成物部分の濃縮、およびさらに回収された画分の多量収率の増加を示す。
【0067】
【表1】
Figure 0004959899
【0068】
L−LD、メソ−LD、および混合物の量は、下記のカルボキシル化合物のエステル化のGCによって限定される。酸性度は、指標としてフェノールフタレインを使用して、無水の溶剤中のナトリウムメトキシドで滴定された。水量はカール・フィッシャーによって決定された。
【0069】
実施例2
L−LDを77.2%、メソ−LDを8.6%、混合物を1.2%、残留している酸性度を1840meq/kg含んだ粗製ラクチドのサンプルは、実施例1においてと同様に溶融生成物において再結晶化により精製する前に、精製手段を行う。
【0070】
冷水25重量%は90℃で粗製生成物2583kgに加えられる。混合物を急速にその結晶化温度にもたらし、結晶の核生成を促進するために30分間そのままにしておく。その温度はそれから徐々に25℃まで下げられる。
【0071】
その混合物はその後1500回転/分で水分を取り、大きな白い結晶1553kgが回収される。乾燥の前後のこの生成物の分析を表2に表す。
【0072】
【表2】
Figure 0004959899
【0073】
水分の含有量は溶融媒体において直接的な再結晶化にとって非常に高いので、乾燥窒素の流れは110℃、1.5時間で生成物を通り抜ける。この処理は440ppmで水分含有量を減らすが、L−LDの消費で混合物の濃度は上昇する。
【0074】
この処理から得られた乾燥した生成物は実施例1に従って溶融媒体を再結晶化による精製の2つまたは3つのステージを行う。
【0075】
表3は溶融媒体における精製の効率が増加していることを示す。要するに、低い純度のものの供給で、2つのステージは必要な質に十分達する。混合物の存在は最終の精製段階の間に回収された画分の大部分の収率に逆の強い効果をもつ。
【0076】
【表3】
Figure 0004959899
【0077】
実施例3
L−LDを84.9%、メソ−LDを5.5%、及び混合物を3.3%含み、残留している酸性度を830meq/kgを有する粗製ラクチドの実施例は、水分を取ることと乾燥する段階以外に、実施例2に従って、混合物の構成を最小化するために適応させられる処理を受ける。
【0078】
冷水25重量%を90℃の天然生成物2587kgに加えられる。その混合物は急速にその結晶化温度にもたらされ、そこで30分間そのままにされる。その後、温度は25℃まで下げられる。
【0079】
その混合物はその後、2000回転/分で水分を取られ、大きい白い結晶1786kgが回収される。これらの結晶は自由水だけでなく混合物の形態を固める水を抽出するために、真空45℃で乾燥される。要するに、混合物の消滅はL−LDの含有量における増加に相当する。乾燥させた生成物の分析を表4に表す。
【0080】
【表4】
Figure 0004959899
【0081】
この処理から得られた乾燥させた生成物は実施例1に従って溶融媒体において再結晶化を行う。
【0082】
表5は実施例2との比較によって、出発物質における混合物の量が低いとき、この精製工程において回収される画分の大部分の収率における増加を示す。
【0083】
【表5】
Figure 0004959899
【0084】
実施例4
この実施例は低いラクチド混合物のための精製の効率を示し、それは精製工程の副生成物である。L−LDを41.9%、メソ−LDを14.3%、混合物を2.2%含んだ粗製ラクチドのサンプルは実施例3に従った処理を行う。
【0085】
冷水25重量%は80℃で粗製生成物を1.082kg加えられる。その混合物は急速にその結晶化温度にもたらされ、そこで30分間そのままにされる。それから、その温度は25℃に下げられる。
【0086】
その混合物はその後水分をとられ、0.400kgの大きな白い結晶が回収され、乾燥される。乾燥された生成物の分析を表6に表す。
【0087】
【表6】
Figure 0004959899
【0088】
この処理から得られた乾燥された生成物は実施例1に従って溶融媒体において再結晶化することにより処理されうる。さまざまな再生利用する体制とともにPLAを生産するための従来型の工程に関連して、我々の技術はもはや乳酸塩型でない現状のラクチドを再生利用するという長所を提供する。

Claims (36)

  1. 以下のステップからなることを特徴とする、プロトン性不純物を含む粗製ラクチドから乳酸の二量体環状エステルを精製する方法であって、
    前記粗製ラクチドは、乳酸及び/又は乳酸エステル及びそれぞれのオリゴマー、水及び/又はアルコール、及びラクチドのジアステレオ異性体又はこれらの混合物、の混合物を含み、
    前記乳酸の二量体環状エステルは、L−ラクチド又はD−ラクチドである方法。
    a)形成された結晶の形状を制御し、ラクチドのジアステレオ異性体のいずれか一つを含む固体相、及び乳酸とメソラクチドと他のラクチドジアステレオ異性体とそれらのオリゴマーを含む液体相を製造する、水性媒体中における粗製ラクチドの制御された抽出晶析
    b)プロトン性不純物を含んだ低ラクチド液体相及びラクチド結晶高含有ウエットケーキへの(a)で得られた結晶懸濁液の分離
    c)(b)で得られたウエットケーキの乾燥
    d)(c)で得られた不純物を含む乾燥されたラクチドの溶融媒体中における再結晶、及び精製ラクチドの回収
  2. 前記粗製ラクチドが、ラクチド精製又は合成工程由来の画分の混合によって得られたことを特徴とする請求項1記載の方法
  3. 前記粗製ラクチドが、30〜90%のラクチドのジアステレオ異性体含有量、0〜2%の水含有量、0〜50%の乳酸及び乳酸オリゴマー含有量、0〜30%のメソ−ラクチド及びラクチドの他のジアステレオ異性体含有量を有することを特徴とする請求項1又は2記載の方法
  4. 前記ラクチドのジアステレオ異性体含有量が40〜85%、前記水含有量が0〜1%、であることを特徴とする請求項3記載の方法
  5. 前記制御された抽出晶析ステップ(a)が、混合物中でのラクチドの結晶温度よりわずかに低い温度で混合物を維持することにより、ラクチドの結晶の結晶化を開始する第一段階と、水相への不純物の排除を伴う結晶の成長の第二段階からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法
  6. 前記不純物の排除を伴う成長段階が、混合物の温度の制御された減少によって達成されることにより、ラクチド結晶の成長を促進することを特徴とする請求項5記載の方法
  7. 前記制御された抽出晶析ステップ(a)が、100〜0℃の温度で行われることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の方法
  8. 前記温度が80〜10℃であることを特徴とする請求項7記載の方法
  9. 前記制御された抽出晶析ステップ(a)が、前記粗製ラクチドの割合に対する加水量が0〜40%の混合物中で行われることを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の方法
  10. 前記加水量が0〜30%であることを特徴とする請求項9記載の方法
  11. 前記制御された抽出晶析ステップ(a)が、サーモスタットの容量を有する攪拌機付きの反応装置、及び1〜90分の滞留時間でペースト様生成物のための適当な抽出システムからなることを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の方法
  12. 前記滞留時間が1〜60分であることを特徴とする請求項11記載の方法
  13. 前記制御された抽出晶析ステップ(a)の後に得られる結晶懸濁液組成物が、1〜40%の水含有量、35〜90%のラクチドのジアステレオ異性体含有量、0〜10%の乳酸及び乳酸オリゴマー含有量、並びにメソ−ラクチド及び他のラクチドのジアステレオ異性体、とからなることを特徴とする請求項1乃至12いずれかに記載の方法
  14. 前記水含有量が1〜25%、前記ラクチドのジアステレオ異性体含有量が40〜90%、前記乳酸及び乳酸オリゴマー含有量が0〜5%であることを特徴とする請求項13記載の方法
  15. 前記ラクチドのジアステレオ異性体が、ラクチドそれ自身および水素結合によって水の1つの分子と可逆的に結合したラクチドの1つの分子から成るラクチド混合物とからなることを特徴とする請求項13又は14記載の方法
  16. 分離ステップ(b)が、遠心分離、又はウエットケーキ中に0〜3%の残留自由水を得ることを可能にする他の分離であることを特徴とする請求項1乃至15いずれかに記載の方法
  17. 前記残留自由水の含有量が0〜1%であることを特徴とする請求項16記載の方法
  18. 乾燥ステップ(c)が、水を抽出することを目的にステップ(b)で得られたラクチド結晶を豊富に含むウエットケーキの洗浄溶媒の遠心分離によって置換されることを特徴とする請求項17記載の方法
  19. 前記ステップ(b)の後得られるウエットケーキの組成物が、特に、0〜5%の自由水含有量、75〜98%の合計のラクチド含有量、0〜5%の乳酸と乳酸のオリゴマー含有量、及びメソラクチドとその他のラクチドのジアステレオ異性体含有量よりなることを特徴とする請求項1乃至18いずれかに記載の方法
  20. 前記自由水含有量が0〜2%、前記ラクチド含有量が85〜98%、前記乳酸と乳酸のオリゴマー含有量が0〜3%であることを特徴とする請求項19記載の方法
  21. 前記ステップ(b)の後得られる前記ウエットケーキの前記合計のラクチドが、所望のラクチドジアステレオ異性体及び合成ラクチドからなることを特徴とする請求項20記載の方法
  22. 前記ステップ(c)が、0〜800ppmの乾燥した不純ラクチド中の残留自由水、及び0〜3%のラクチド混合物の形状中の残留結合水を得る乾燥方法からなることを特徴とする請求項1乃至21いずれかに記載の方法
  23. 前記乾燥した不純ラクチド中の残留自由水の含有量が0〜400ppm、ラクチド混合物の形状中の残留結合水の含有量が0〜0.5%であることを特徴とする請求項22記載の方法
  24. 前記ステップ(b)から得られる前記ウエットケーキの固体相中の乾燥ステップ(c)が、50℃以下の真空下又は乾燥ガス流の下で実行されることを特徴とする請求項1乃至23いずれかに記載の方法
  25. 液体相の前記乾燥ステップ(c)が、前記ステップ(b)から得られる前記ウエットケーキの融解、及び液体中へ乾燥ガス流を散布及び/又はパージすることによる水(自由及び結合)の取り込みからなることを特徴とする請求項1乃至24いずれかに記載の方法
  26. 前記ウエットケーキ中のウエットラクチドの融解温度よりわずかに高い前記乾燥ステップ(c)の温度が、90〜130℃であることを特徴とする請求項25記載の方法
  27. 前記温度が95〜115℃であることを特徴とする請求項26記載の方法
  28. 前記乾燥ガス流が不活性ガス又は空気であり、該ガス流が特定の場所で予熱されることを特徴とする請求項25又は26記載の方法
  29. 前記ステップ(d)が、前記ステップ(c)で得られる乾燥した不純ラクチドの溶解媒体中の1又はそれ以上の再結晶からなることを特徴とする請求項1乃至28いずれかに記載の方法
  30. 再結晶の割合、物質移動係数及び溶融媒体中の再結晶の効率を増加させるために、粘度低下剤が前記工程(c)から得られる乾燥不純ラクチドに混合されることを特徴とする請求項29記載の方法
  31. 前記粘度低下剤が、前記乾燥ステップ(c)の最終で供給される溶剤であり、ケトン、エーテル、芳香族又は脂肪族炭化水素、シリコンベースの溶剤、及びハロゲン化溶剤、アルコール、及び乳酸のエステルであることを特徴とする請求項30記載の方法
  32. 前記粘度低下剤が、ステップ(b)の遠心分離工程の間に供給される残留の溶剤であり、ケトン、エーテル、芳香族又は脂肪族炭化水素、シリコンベースの溶剤、及びハロゲン化溶剤、アルコール、及び乳酸のエステルであることを特徴とする請求項31記載の方法
  33. 前記粘度低下剤の量が0〜30%であることを特徴とする請求項30乃至32いずれかに記載の方法
  34. 前記粘度低下剤の量が0〜20%であることを特徴とする請求項33記載の方法
  35. 前記ステップ(d)の最終において、ラクチド量が99.0〜99.9%、メソラクチド量が0〜0.5%、水量が0〜100ppm、乳酸及びオリゴマーの量が0〜10meq/kgであることを特徴とする請求項1乃至34いずれかに記載の方法
  36. 前記ラクチド量が99.5〜99.9%、前記メソラクチド量が0〜0.2%、前記水量が0〜50ppm、前記乳酸及びオリゴマーの量が0〜1meq/kgであることを特徴とする請求項35記載の方法
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