JP2880063B2 - ラクチドの溶融結晶化精製 - Google Patents
ラクチドの溶融結晶化精製Info
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Description
チドの溶融結晶化精製に関し、この方法によりラクチド
はヒドロキシル不純物例えば水、通常ラクチドと一緒に
その製造の間に生成するモノマー及びオリゴマー性ヒド
ロキシカルボン酸を含む不純物、並びに溶媒及び触媒の
ような他の不純物から完全に分離される。さらに本発明
は1つより多い異性体形態で存在するラクチドの分離及
び精製に関する。そのような精製によりラクチドが高い
及び/又は調節された純度の状態で、選択的な溶媒、溶
媒からの分画結晶化、蒸溜又はこの技術分野で公知の他
の物理的手段を用いることなく簡単且つ迅速に得られ
る。
−3,5−ジメチル−2,5−ジオン)は、生物学的にそ
して加水分解により分解されて生理学的に且つ環境上か
ら許容される副生成物を生じ得ることから生物医学及び
他の用途に有用であることが明らかになった高分子ポリ
乳酸の中間体である。そのような用途に必要な高分子量
を実現するにはラクチドが実質的にヒドロキシル(ヒド
ロキシルカルボキシルを含む)不純物を含まないことが
必要であり、なぜならそのような不純物は所望の分子量
に到達することを妨げるからである。ラクチドの酸含量
は、例えばkg当たり10ミリ当量(meq/kg)より低い
こと、いっそう好ましくは5meq/kgより低いことが好
ましい。
である。乳酸はD及びL立体異性形態の両方で存在する
一方、ラクチドはさらにメソ形態を持つ。同じく商業的
に重要なD及びLラクチドのラセミ混合物を指してDL
ラクチドと称する。これらの異性体ラクチドは異なる安
定度を持ち、そして実質的に異なる性質を持つポリマー
を生じるので、ある種のポリマーの用途にとっては最終
製品における各々の異性体形態の比率を調整することが
必要となる。これらの比率は単一の異性体のみを作る方
法を使用することにより、又は異性体の混合物を精製す
ることにより調節することができる。この技術分野で公
知の精製方法は異性体が近似の物理的性質を持つため極
端に煩わしく且つ困難である。
(オリゴマー)のポリ乳酸に重合させ、次いでオリゴマ
ーを一般にこの技術分野でよく知られた触媒の存在下で
加熱してそれをラクチドに解重合し、次いでこれを蒸気
生成物の流れの成分として回収することによりもっとも
都合良く作られる。Gruter等、米国特許第1,095,205号
(1914年);Lowe,米国特許第2,668,162号(1954
年);Bhatia,米国特許第4,835,293号(1989年);DeV
ries,米国特許第4,797,468号(1989年);及びMulle
r,米国特許第5,053,522号(1991年)を参照されたい。
これらの特許は参照により本明細書に組み入れられる。
ず揮発性ヒドロキシル不純物を含みこれらは水、ラクチ
ドよりいっそう揮発性のモノマー乳酸及びしばしばより
高沸点の乳酸のオリゴマーを含み、これらのすべては所
望の分子量への到着を妨げる重合連鎖停止剤であるから
望ましくない。それらは以前の処理段階から残留する小
量の溶媒又は触媒を含むこともある。典型的には、蒸気
生成物流は任意の異性体を含む90%より多いラクチド
及び10%より少ない不純物を含む。
の代表的な技術手順は一般に溶媒を用いるスクラビング
又は溶媒からの結晶化を含む。しかしながら、そのよう
な条件下でヒドロキシル不純物特に水及び乳酸はラクチ
ドの開環反応を起こす能力があり、その結果ラクチド収
得量の減少及び生成物の酸度の増加を生じる。使用する
回収工程の温度が高い程いっそうそのような反応が起こ
りそうである。その上、溶媒に依存することは、環状エ
ステルを回収するために蒸気生成物流をスクラビングす
ることであれ、又は再結晶によりそれを精製することで
あれ、溶媒を貯蔵し、それを使用し、それを精製しそし
てそれが放出されて環境を汚染することを防止するため
の設備を必要とし、これらのすべては著しく工程への投
資及び操作費用に対する負荷となることから、不利なこ
とである。
の精製と回収は著しい生成物の損失がしばしば生じると
いう欠点におちいりやすく、これは明らかに蒸溜温度に
おける水及び他のヒドロキシ酸不純物のラクチドとの反
応によるものである。高温においては蒸溜装置の酸性環
境による腐蝕の結果金属イオンが生じることがあり、次
いでこれは装置自体中において過早ラクチド重合の触媒
作用をする可能性がある。一種類より多い異性体形態で
存在するラクチドの分離はなおいっそう複雑であり、し
ばしば多数の溶媒再結晶と分画蒸溜との組合せを必要と
する。
にしばしば使用されて来た。しかしながら、この方法の
実現可能性をたやすく予言することはできない。それは
所望の生成物、その不純物及びそれらの生成物との混合
物の凝固点に依存すること、すなわち不純物が精製する
べき生成物と共融混合物又は固体溶液を形成するか否か
によるのみならず、形成される結晶の構造、従って不純
物を吸蔵する傾向にも依存する。その上、結晶化装置の
大きさ及び生産性は結晶構造中において不純物の吸蔵が
起こらずに適当な結晶を形成することができる速度に依
存する。この技術の最近の総説〔Wynn,「溶融結晶化に
よる有機物質の分離(Separate Organics by Melt Crys
tallization )」、Chemical Engineering Progress(1
992年3月)、52〜60ページ〕に述べられているよう
に、「残念ながら、溶融結晶化においては重要な段階は
速度依存性である。それらは理論から正確に予言するこ
とはできない。研究室又はパイロットプラントのデータ
は方法の実現可能性が確立され得る場合でさえあらかじ
め作られなければならない」。
ように不純物が精製する物質と反応することができる場
合さらにいっそうの困難が生じることがり、このアプロ
ーチの可能性をいっそう予言し難いものにする。従っ
て、ラクチド特に小量のヒドロキシル不純物例えば水、
モノマー乳酸及びそのオリゴマーで汚染されたラクチド
の新しく且つ改良された無溶媒精製法であって、従来技
術の方法の欠点を最小にし、一方高分子ポリマーの製造
に適する高純度のラクチドを簡単に且つ迅速に生成する
方法が求められている。その上、そのようなラクチドの
異性体形態をその異性体から分離し、制御された異性体
の分布を持つ生成物の生産を可能にする無溶媒法が求め
られている。
純物及び/又は他の不純物を含む混合物からラクチドを
精製しそして回収する方法を提供するのが本発明の目的
である。低濃度の酸性不純物及び/又は制御された異性
体組成を持つポリマーグレードの物質を提供するのがさ
らに別の目的である。このポリマーグレード物質の精製
及び回収を溶融結晶化により実行する方法を提供するの
がなおさらに別の目的である。
い割合の1つ又はそれより多い不純物例えばヒドロキシ
ル不純物又はその他の汚染物質からなる非共融混合物か
ら1つ又はそれより多い溶融結晶化段階によるラクチド
の精製及び回収のための実質的に無溶媒の方法である。
他の実施態様においては、本発明は異性体形態の混合物
から1つ又はそれより多い溶融結晶化段階によるラクチ
ドの精製及び回収のための実質的に無溶媒の方法であ
る。
ド混合物をラクチドの凝固点又はわずかに下に冷却し、
溶融物を一部分結晶化させそして低い不純物含量の固相
及び高い不純物含量の液相を形成させ、次いで固相を液
相から分離することからなる。場合により、いっそう高
純度の固相を一般に「スイーティング(Sweating)」と称
する方法により得ることができ、すなわち溶融結晶化段
階からの固相をラクチドの凝固点より低い温度まで徐々
に加温して残りの不純物の少なくとも一部分を最小量の
ラクチドと一緒に選択的に溶融し、いっそう純化した固
相及びより低純度の液相を分離し、通常より低純度の液
相を工程の溶融結晶化又は「スイーティング」段階に再
循環させる。
結晶化及び「スイーティング」に有用であることが知ら
れており、そしてこれらの段階に使用することができ
る。場合により、上述の溶融精製法は帯域溶融により実
行することができ、この場合溶融帯域は固体ラクチドの
せまい帯域を加熱することにより作られ、次いでこの帯
域を固体物質に沿って動かし、それと共に不純物を運
ぶ。
最大の装置生産性、生成物の純度又は収率を達成するた
めに注意深く結晶化及びスイーティング温度を調節しそ
して結晶化の間の冷却速度及びスイーティングの間の加
熱速度を調節することにより変動させることができる。
別法として、液相及び固相を形成させるための溶融、一
部分結晶化の順序、場合により固相のスイーティング及
び固相と液相との分離を所望の精製の程度に到達するま
で繰り返すことができる。最初の結晶化段階から生じる
液相は有用な物質を回収するための種々の工程にかける
こと又は収得量を増すため結晶化工程に一部分再循環さ
せることができる。
0°〜200℃で溶融しそしてラクチド成分と非反応性
の約20重量%より少ない不活性有機溶媒を含む固体ラ
クチド組成物の処理、又は小量のそのような溶媒を吸蔵
された液体の除去を助けるため上述の結晶性ケーキと接
触させることを意味する。好ましくはラクチド組成物は
40°〜160℃で溶融し、70重量%より高いラクチ
ド及び異性体を含む純度を持ちそして約10重量%より
低い非反応性有機溶媒を含み、そしてなおいっそう好ま
しくは90重量%より高いラクチド純度を持ちそして実
質的にそのような溶媒を含まない。
チドの異性体形態の低融点共融組成物、又はこれらのラ
クチドの存在するヒドロキシル及び他の不純物とのそれ
を意味する。従って上述のラクチド組成物は所望の精製
されたラクチドがラクチドのその不純物との混合物より
高い融点を持つことを特徴とする。例えば純粋なL及び
Dラクチドは各々97℃で溶融し、一方各々の50−5
0の物理的混合物であるいわゆるDLラクチドは127
℃で溶融する。対照的に、80−20及び20−80の
比率のD対Lラクチドの2つの共融組成物が存在し、そ
の各々は94℃で溶融する。従ってDラクチドとの混合
物から純粋なLラクチドを得るにはLラクチドは80%
より多くそしてDラクチドは20%より少ないか、又は
LのDに対する比率は4:1より大きくなければならな
い。同様にLラクチドとの混合物から純粋なDラクチド
を得るにはLラクチドは20%より少なくそしてDラク
チドは80%より多いか、又はLのDに対する比率は
1:4より低くなければならない。D及びLラクチドの
混合物からDLラクチドを得るには、その組成は各々の
異性体が80%〜20%であるか又はLのDに対する比
率が4:1から1:4の間になければならない。
が存在する場合いくらか変動することがある。本発明の
方法においては、メソ異性体はD又はL異性体から除か
れ、それにより富化形態でのメソ体回収が可能である。
この富化形態はこの技術分野で公知の方法によるもう一
段の精製に適しており、調整された量のメソ異性体が望
まれるポリマーのためのラクチド組成物に添加すること
が可能である。
晶化によりラクチドの異性体形態のような不純物からそ
してヒドロキシカルボン酸並びに溶媒及び触媒のような
他の汚染物質から分離し、それによりポリマーグレード
物質として得ることができるという発見に基づく。本発
明の方法は、一部は溶剤使用の費用が回避されることよ
り、そして一部は水−乳酸−ラクチド系の劣化又はイオ
ン汚染、早すぎるラクチド生成物の重合を引き起こす高
温精製方法の傾向を回避することにより驚くほど能率的
且つ経済的である。
びそのオリゴマー、並びに前反応段階からの溶媒及び触
媒を含む組成物からのラクチドの分離と回収に適用する
ことができる。特に、乳酸のオリゴマーの解重合及びそ
の後の蒸留による精製により得られる組成物に適用する
ことができる。固体のラクチド混合物を溶融する場合、
ラクチドの分解を避けるため最低の温度で実行するのが
重要である。好ましくはこれはラクチドの融点より上1
°〜5℃を超えてはならない。これは各々の立体異性体
及びラセミ混合物毎に変動すると思われ、あらかじめ注
意深く決定しなければならない。
却する場合、ラクチドの凝固点よりわずかに低い冷却媒
質を使用して達成すべきである。温度の差が大き過ぎる
と不純物が伝熱表面上に所望の純粋な生成物と同時に凝
固して不適当な精製になる。所望の純度を得るには、よ
りゆっくりした冷却速度を多数の溶融結晶化に対する必
要と釣り合わせなければならない。最適の条件はある程
度溶融結晶化に使用する装置の種類の如何により、そし
て当業者により特定の装置について容易に決定される。
上述のゆっくりした冷却工程は溶融物が一部分結晶化
し、低い不純物含量の固相及び高い不純物含量の液相が
形成されるまで続けるべきである。結晶化する出発物質
の画分が大き過ぎると生成物は過度に不純になって使用
できなくなり、そして多くの再結晶を必要とする。結晶
化する画分が小さ過ぎると収得量の損失となるか又は過
度に大きな始発投入の画分の再循環を必要とする結果と
なる。そのような変動により工程は実施可能に保たれな
くなり、それらは時間又は設備の使用の点で経済的でな
い。最適条件はもちろん一部分は出発物質の純度及び所
望の生成物の純度並びに設備の限界に依存するが、再び
これは当業者により特定の操作について容易に決定され
る。
から分離するために便利な方法のいずれも使用すること
ができる。大部分の場合動力による簡単な分離、すなわ
ちドレイニングが適当であろう。次いで生成物は伝熱表
面から簡単な溶融により除くことができるが、この場合
も生成物分解を避けるため融点を数度しか超えないよう
に注意する。
グにより得ることができ、すなわち溶融結晶化段階から
の固相をラクチドの融点より低い温度に徐々に加温して
残存する不純物の少なくとも一部分を最小量のラクチド
と一緒に選択的に溶融する。如何に注意深く始発生成物
を伝熱表面に凝固させても、ある量の未凝固溶融物が表
面に付着するであろう。その上、いくらかの物質は冷却
表面の温度がラクチドの最初の凝固点より低くなるにつ
れて凝固物質の中に含まれることがあり得る。スイーテ
ィング工程により表面に付着する物質及び結晶構造中に
実際に取り込まれた物質の一部の両方が除かれる。この
時点で除かれるスイーティングした物質は通常必要な生
成物純度よりわずかに低く、そして都合良く次回投入の
新鮮な材料に再循環される。大規模な再循環の必要を回
避するため、スイーティング工程はゆっくりと注意深
く、好ましくはゆっくりした漸新的な温度の変化のため
に備えられた時間操作温度調節器のような装置を使用す
る調整された緩慢な加熱手段を用いて操作すべきであ
る。1つのそのような便利な装置はディジタル温度調節
器である。
して、小量の洗浄用液体又は溶剤を結晶化固体から表面
付着物質を除くために使用することができる。これは系
に他成分を導入することになるが、そのような洗浄用液
体又は溶剤を既にある不純物として含んでいる系又はあ
る後工程において洗浄用液体又は溶剤を使用する系にお
いてはこのことは不利ではないであろう。スイーティン
グ段階及びドレイニング又は他の方法によるスイーティ
ングした物質の除去後、精製した生成物を前述のように
溶融により除くことができる。
らの段階に使用することができる。代表的な静的方法は
その中の物質に対して調節された速度又は調節された温
度差で加熱及び冷却する機構を備えた多数の伝熱要素を
持つ大型槽の使用である。精製する生成物は前述のよう
に簡単に溶融、凝固、ドレイニング、スイーティング、
再ドレイニングされ、そして精製した生成物は溶融され
る。この装置は容易に注意時間又は労働の必要をほとん
ど要しないように自動化される。代表的な半連続式方法
は縦型冷却管及び溶融粗物質を管の頂部にポンプ輸送し
そして底からドレイニングする方法の使用を含む。次い
で分離段階を前述のように実行する。この工程は種々の
タイミング又は調節装置により完全連続式にすることが
できる。代表的な装置は米国特許第3,621,664号及びR
E 32,241(Sulzer)に記述されており、参照により本
明細書に組み入れる。多くの他の改変装置がさまざまな
装置メーカーによる下記の特許に記述されており、同じ
くこの方法に使用することができる。
より実行することができ、この場合固体ラクチド混合物
のせまい帯域を加熱して溶融帯域を作り、次いでこの帯
域を固体物質に対して動かして、それと一緒に不純物を
運ぶ。この方法において調整する重要な事項は帯域移動
の速度及び帯域温度である。帯域移動速度が遅すぎると
低い装置生産性となる。帯域移動が早すぎると不適当な
精製になる。帯域温度が高すぎると不必要な生成物分解
を生じる。温度が処理する物質の融点に近すぎると不適
当な伝熱速度となり、従って低い装置生産性となる。帯
域精製段階の最適の条件及び数は処理する物質の純度及
び必要とする生成物の純度に依存するが、これは当業者
により容易に決定される。帯域溶融は大規模処理より小
規模処理に適しており、なぜなら工程が完了した後望ま
しくない固体残留物から固体精製物質を物理的に分離す
る必要があるからである。
る。長さが500mmで内径が10mmのガラス管を立てた
位置に置いて一部分を50gmの溶融した粗ラクチドで充
填し、そして粗物質を固化させた。長さ10mmの溶融帯
域を作るように設計された一組の外部ヒーターを105
℃の温度に設定した。管を一組のヒーター及び付随する
冷却機を通過させて時間当たり30mmの早さで動かし
た。適当な平衡状態に確実にするため25回通過させた
後管を冷却し、次いで管の4ヵ所で物質の分析ができる
ように充填部分を3つの断片に破壊し、前記4ヵ所は
A、B、C及びDと名称を付けたが、その中でAは管の
最初に加熱した端部の物質をそしてDは管の最終末端の
物質を表す。異性体分布は市販のキラルカラム及び内部
で開発した分析手順を用いる高圧液体クロマトグラフィ
ーにより測定した。酸度は乾燥溶剤媒質中でフェノール
フタレインを指示薬とするナトリウムメトキシドを用い
る滴定により測定した。この結果は下表に示すように各
々の粗試料につき成分の有効な分離が行われたことを示
している。
チド%は非ラクチド不純物のみが上で測定した酸性成分
であり、そして平均分子量は162(乳酸の線状ダイマ
ーに相当する)であると仮定して評価した。
/kgに低下しそして相当する全ラクチド純度が89.2
%から99.6%に改良されたのみならず、D−ラクチ
ド及びメソラクチド異性体はLラクチドから完全に除か
れた。
濃度は最初の値の5倍に増加した。これはメソ体の精製
をこの技術分野で公知の方法よりはるかに容易にするも
のである。その上、その酸性不純物を除いた後、この高
メソ物質は重合前のラクチド混合物中に配合してある種
の適用に望ましい調整されたメソ濃度を達成することが
できる。
して、いっそう高い純度が帯域Aで得られる。最終帯域
におけるメソラクチド濃度はほとんど4倍に増加した。
て低い1.8Meq/kgに減少し、そしてメソ濃度はほぼ7
倍に富化された。
のメソラクチドを含むDL粗ラクチドの試料は597me
q/kgの酸度を示した。次いでこの試料を次のように冷
水で洗浄した。すなわち、試料をその重量の4倍の0℃
の水と2〜3秒間混合し、次いで迅速にろ過した。次に
湿潤ケーキを真空アスピレーター中で、0%の関係湿
度、25℃及び80mmHgの圧力で1〜4時間または乾燥
に至るまで乾燥した。それにより酸度は約150meq/k
gに減少し、異性体比率にほとんど影響がなかった。次
いで粗DLラクチド冷水洗浄試料につき実施例1の帯域
溶融手順を繰り返した。この場合帯域精製の生成物を5
つの帯域に分割した。
の酸度は上の粗Lラクチドの結果と同様に1.9meq/kg
に減少した。驚くべきことに、帯域A、B及びCにおけ
る物質の異性体分布は分析精度の範囲内で正確にDLラ
クチドの理論的な50−50のラセミ組成になり、過剰
Lラクチドは帯域D及びEに移動した。その上、メソ異
性体は帯域A及びBの物質から完全に除かれた。帯域E
におけるメソ含量はもとの試料における量の2倍以上に
富化された。
使用を例証する。長さ12メートル、内径70mmの縦型
結晶化管に制御された冷却のための外部ジャケット、管
からの液体ドレイニングを集める35リッターの貯溜タ
ンク、及び再循環ポンプを備えつけた。次いで33.5k
gの粗ラクチドを貯溜槽中で110℃の加熱温度を使用
して溶融し、その後分析用試料を採取した。溶融粗物質
をポンプで結晶化管の頂部に上げ、そして底部から出る
物質を貯溜槽に集め、そして管の頂部に戻して再循環さ
せた。結晶化を開始するため、管の外側シェルの伝熱液
を5分で90℃の平均温度に冷却した。管が段々に冷却
されると物質は結晶化管の壁に凝固し始め、そして貯溜
槽の液体の水準は下がり始めた。管壁の温度は、妥当な
凝固速度を維持しそして増加する有機質固体の厚さの断
熱効果、及び凝固する物質の不純物水準の増加に伴う漸
新的な凝固点低下を克服するため、凝固工程の間中段々
に下げた。一旦貯溜槽中の液体の水準が選ばれた水準に
低下したら、その中の液体「残留物」を排出しそして分
析した。通常これは貯溜槽の液体が最初の供給量の1/
4〜1/5の時に行った。残留物を系から除くと同時
に、結晶化管の表面を純粋物質の融点の近くまで迅速に
加温し(10分間で55℃〜95℃に)、その後1分当
たり0.15℃の割合でゆっくり且つ注意深く加温し
た。連続する「スイーティング」画分をこの工程の間集
めた。合計のスイーティング画分は通常最初の供給量の
約5%〜10%であった。その後スイーティング画分を
分析、及びあり得る後の再循環のため系から除いた。次
いで結晶化管を97℃から開始して1分当たり2℃の割
合で結晶化管に凝固した物質が溶融しそして貯溜槽に集
められるまで加熱した。次にこの物質を前と同じ手順を
使用する第二段階精製のため結晶化管を経て戻した。第
二段階残留物及びスイーティング画分を再び集めそして
分離した。第二段階生成物の重量は17.6kgであり、
そして酸度は52meq/kgの最初の値に対して1meq/kg
より低いことが見出された。
固段階で約70分が費やされ、管を融点に注意深く戻す
ために約10分、スイーティング段階に約15分そして
最終生成物溶融に約5分を要した。上述の管サイズに基
づく代表的な流速は1分当たり10〜20kgの範囲内に
あった。
る装置で得られることを例証している。
晶化段階で得られることを例証している。
グ画分を、次に別の粗供給材料と一緒にして新しい結晶
化充填物を作った。これに再び実施例3におけるように
2回結晶化処理を行った。始発重量33.3kgに対して
第二段階生成物の重量は15.3kgであり、そして酸価
は最初の値42meq/kgに対して1meq/kgより低いこと
が見出され、本質的に実施例3に示す改良が再現され
た。
画分を一緒にして酸価が163meq/kgの供給原料を
得、この酸価は実施例3及び4の酸価の3倍より高かっ
た。この物質を実施例3におけるように2回結晶化し
た。第二段階生成物の重量は15.4kgで、これに対し
て最初の重量は31.7kgであり、そして約1meq/kgの
酸価が認められた。第一段階残留物はメソ含量の5倍よ
り大きい富化を示した。
かけ、酸度減少の重合速度に与える影響を測定した。速
度が速い程その結果重合設備の生産性が高くなるので望
ましい。重合は188℃の温度で実行した。85%変換
に達するに要する分数を試料間の結果を比較するために
使用した。結果を下表に要約する。
益を明らかに示している。
した落下フィルム結晶化装置に供給し、115℃で0.
5時間循環させた。試料を採取し、200meq/kgの酸
価を持つことが認められた。次いでこの物質を1回の結
晶化のみを使用した以外実施例3におけるように結晶化
した。しかしながら、スイーティングした物質が2つの
部分として得られ、別々に分析した。最終生成物の重量
は17.3kgであり、そして約18meq/kgの酸度を持つ
ことが認められた。この試料は金属含量についても分析
し、この溶融結晶化の金属精製効果を測定した。スズ含
量は前段階からの残留触媒に由来しており、鉄、クロム
及びニッケルは前段階におけるいくらかの設備腐蝕に起
因するものである。この結果を下表に要約する。
不純物及び異性体不純物は単一溶融結晶化段階により大
部分が除かれるのみならず、金属不純物もほとんどすべ
てが同様に除かれる。メチルイソブチルケトン溶媒を含
むラクチドの試料においては、臭気比較により明らかな
ように大部分の溶媒も同様に除かれた。
Claims (4)
- 【請求項1】 (1)ラクチドと、酸性不純物、異性体
不純物、スズ、鉄、クロム、ニッケル及びこれらの混合
物からなる群より選ばれた不純物との溶融混合物をラク
チドの凝固点又はラクチドの凝固点よりわずかに下に冷
却し、 (2)溶融混合物を一部分結晶化させることにより溶融
混合物より低い不純物含量の固相及び溶融混合物より高
い不純物含量の液相を形成させ、そして (3)固相を液相から分離することにより分離した固相
を形成させることからなるラクチドの精製方法。 - 【請求項2】 さらに (4)分離した固相を溶融することにより追加の溶融混
合物を形成させ、そして (5)段階(1)〜(3)を追加の溶融混合物について
繰り返す段階からなる請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 さらに段階(3)の後で(4)分離した
固相をその融点より低い温度まで徐々に加温することに
より第二の液相を形成させ、この第二の液相は少なくと
も残りの不純物の一部分からなり、そして(5)第二の
液相を除くことからなる請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 さらに段階(5)の後で (6)第二の液相を溶融混合物に再循環させることから
なる請求項3記載の方法。
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