JP4555541B2 - D−ラクチドとl−ラクチドの混合物のいずれか一方のラクチドの光学異性体の精製方法 - Google Patents

D−ラクチドとl−ラクチドの混合物のいずれか一方のラクチドの光学異性体の精製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、D−ラクチドとL−ラクチドの混合物のいずれか一方のラクチドの光学異性体の精製方法であって、特にD体又はL体の光学純度の高いラクチドを得るものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリマー製造に用いられる出発原料としては、乳酸の二量体環状エステルであるラクチドが知られている。
【0003】
ラクチドを構成する乳酸にはD体、L体の光学異性体、すなわちD−乳酸、L−乳酸が存在するため、これら光学異性体の組み合わせによってラクチドにもD体、L体、メソ体の光学異性体、すなわちD−ラクチド、L−ラクチド、メソ−ラクチドがあり、ラクチドの固体若しくは液体中にはこれらの光学異性体が混在することとなる。
【0004】
ポリマー製造に際して、出発原料としてのラクチド中のD体又はL体の光学純度は、最終製品としてのポリマーの品質に大きな影響を与えるため、光学純度の高いラクチドが必要となる。
【0005】
しかしながら、D−ラクチドとL−ラクチドの物理的性質は互いに大変似かよっているため、D−ラクチド或いはL−ラクチドのみを精製することは難しい。
【0006】
従来では、特許第2880063号にて示されているように、粗ラクチドを結晶化させた後に部分融解することで精製を行ない、この結晶化と部分融解を繰り返すことにより精製精度の向上を図っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の精製方法では、回分操作の繰り返しであり、ラクチドの結晶化及び部分溶解の操作を複数回繰り返すため、エネルギ消費が大きい。又、これらの繰り返しによりラクチドに対する熱履歴も長くなるため、精製目的とするラクチドが熱変質する可能性があり、最終製品としてのラクチドの品質が均質でなくなるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、熱変質を生じることなく低い消費エネルギで、粗ラクチドを精製してD体又はL体の光学純度の高いラクチドを得ることができるD−ラクチドとL−ラクチドの混合物のいずれか一方のラクチドの光学異性体の精製方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成する方法のための装置として、縦方向に延びる筒型の精製塔の下部に原料の供給口と上部に精製後の結晶を製品として取り出すための取出口とをそれぞれ設け、原料の攪拌のための撹拌装置を上記精製塔内に配置し精製塔を用いて、精製が行われる。
【0010】
本発明は、D−ラクチドとL−ラクチドの混合物のいずれか一方のラクチドの光学異性体精製方法において、D−ラクチド及びL−ラクチドの総量に対するD−ラクチド又はL−ラクチドの含有量が80質量%以上である固体の粗ラクチドを、縦方向に延びる筒型の精製塔の下部に設けられた原料の供給口へ原料として投入し、精製塔に配設された攪拌装置で原料を上昇させながら攪拌し、精製塔内でD−ラクチド又はL−ラクチドの含有量が上昇粗ラクチドとの接触初期で90質量%以上である降下融解液と上昇原料との向流接触により原料を精製し、D−ラクチド又はL−ラクチドの含有量が80質量%以上のものを90質量%以上とした精製後の固体のラクチドを、上記精製塔の上部に設けられた取出口から製品として取り出すことを特徴としている。
【0011】
かかる本発明にあっては、原料の精製は精製塔内での精製結晶成分の降下融解液と上昇原料との向流接触によりなされる。すなわち、D−ラクチド及びL−ラクチドの総量に対するD−ラクチド又はL−ラクチドの含有量が80質量%以上である固体の粗ラクチドと高純度のD−ラクチド又はL−ラクチドの融解液を向流で接触させて、粗ラクチドの表面に付着している母液及び不純物を洗い流すと共に結晶内部に取り込まれてしまった母液及び不純物を発汗作用により精製を行い、結晶の表面に付着している不純物としてのL−ラクチド又はD−ラクチドを洗い流すと共に結晶内部に取り込まれてしまった不純物としてのL−ラクチド又はD−ラクチドを発汗作用により精製を行ってD体又はL体について高い光学純度のラクチドを得る方法を、本願発明者は見出した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態におけるラクチドの精製方法について説明する。
【0013】
ラクチド
ラクチドは、乳酸オリゴマーを乳酸単位で解重合等して得られる環状二量体である。
【0014】
かかるラクチドを精製してラクチドのL体又はD体の光学純度の高い製品として得るためには、粗ラクチドを精製する。精製に際しては、下述する図1そして図2に示されるいずれの形式の装置使用することが可能である。尚、粗ラクチドの製造方法については、後で詳述する。
【0015】
ここで、ラクチドのL体の光学純度、光学純度(L)は、次の式で示される。
尚、D体についても同様である。
【0016】
光学純度(L)%={(L体の含有量−D体の含有量)/(L体の含有量+D体の含有量)}×100
先ず、精製方法に先立ち、本発明方法に使用可能な、図1又は図2に示す両形式の装置について説明する。
【0017】
図1の装置において、精製塔1は、図1(A)に見られるように、縦型筒状をなしており、内部に攪拌装置2が配設されている。攪拌装置2は、図1(B)のごとく、縦に延びる回転軸体2Aを二本有し、後述の供給口3から精製塔1内に供給された固体の粗ラクチドを解きほぐしながら精製塔1内を上昇させるべく各回転軸体2Aに複数の攪拌翼2Bが取りつけられている。二本の回転軸体2Aは、同方向に回転してもあるいは逆方向に回転していてもよい。いずれにしても、攪拌翼2Bは回転軸体2Aの回転時に上昇流を形成するような水平面に対しての傾角を有していることが好ましい。二つの回転軸体2Aに取りつけられた攪拌翼2Bは、本実施形態では図1(B)に見られるように、上方から見たときに両方の攪拌翼2Bの回転面が一部重なり合うようになっている。この重なり合う領域にて攪拌能力は向上する。この攪拌能力が大きいほど、粗ラクチドの精製時における洗浄効果が向上する。
【0018】
上記精製塔1の下部には供給口3が設けられており、ここから原料として固体の粗ラクチドが供給されるようになっている。この供給口3には、図示していないが、スクリューフィーダー等の供給装置が設けられていて、固体の粗ラクチドを精製塔1内へ押し込むことが可能となっている。
【0019】
上記精製塔1の上部には、精製後の固体のラクチドを製品として取り出すための取出口4と、高純度のL−ラクチド又はD−ラクチドの融解液を外部から精製塔1内へ供給するための融解液供給手段5とが設けられている。上記融解液供給手段5は、ノズルやスプレー、供給管等の形態をなしており、温度等の状況が予め正確に判っている融解液が所定量だけ供給されるようになっている。
【0020】
さらに、上記精製塔1内の下部に濾過装置6が配設されていると共に、底部には不純物排出口7が設けられている。
【0021】
次に、他の形式の装置としての図2装置を説明するが、ここでは、図1装置と共通部位には同一符号を付してある。
【0022】
この図2の装置は、図1における融解液供給手段5に代えて加熱溶融器14が設けられている以外は、図1と同様の構成となっている。
【0023】
加熱溶融器14は、精製後の固体ラクチドを精製塔1内から取り出すための取り出し口4より低い位置で精製塔1内に配設される。この加熱溶融器14は、精製塔1内を上昇してくる固体のラクチドを加熱して、その一部を溶融して融解液として精製塔1内を流下させる。この加熱溶融器14としては、例えば電気ヒータ、熱交換器等が好適に使用できる。
【0024】
尚、攪拌装置2としては、複数の攪拌翼2Bが取り付けられた回転軸体2Aを2本とするものを例示したが、このような回転軸体2Aは1本或いは3本以上であってもよい。
【0025】
次に、かかる装置を用いての粗ラクチドをL−ラクチドについて精製する方法を説明する。尚、粗ラクチドはいずれの装置を用いても、同様に精製される。
【0026】
乳酸オリゴマーを解重合して得られたL−ラクチドを主成分とする固体の粗ラクチドは、精製塔1の下部に設けられた供給口3からスクリューフィーダー等の供給装置により精製塔1内へ供給される。その際、固体の粗ラクチドは、液状成分を多く含有する場合には濾過等により液状成分を除去した後に供給口3に投入され、液状成分の含有量が少ない場合にはそのまま供給口3に投入される。尚、L−ラクチドとD−ラクチドの混合物におけるL−ラクチドとD−ラクチドの組成比が1:4或いは4:1で共融組成物を形成するので、精製塔1に供給される粗ラクチド中のL−ラクチド及びD−ラクチドの総量に対するL−ラクチドの含有量(以下、L体の含有量という)は80質量%以上(L体の光学純度は60%以上)でなければならない。又、精製塔1に供給される粗ラクチド中のL体の含有量は、好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。
【0027】
精製塔1に供給された固体の粗ラクチドは、複数の攪拌翼2Bによって攪拌されながら精製塔1内を上昇する。この固体の粗ラクチドの一部は精製塔1内上部の加熱溶融器14により融解され或いは供給手段5により外部から供給される高純度のL−ラクチドと共に降下融解液となり、上昇する粗ラクチドとの向流接触により粗ラクチド表面に付着している母液やD−ラクチド等の不純物を洗い流すと共に粗ラクチド内部に取り込まれてしまった母液やD−ラクチド等の不純物を発汗作用により除去して精製を行う。尚、降下融解液としての高純度のL−ラクチドは、L体の含有量が、精製塔1内を上昇する粗ラクチドとの接触初期において90質量%以上であることが好ましく、更には95質量%以上であることが好ましい。このような降下融解液としての高純度のL−ラクチドは、精製後のラクチドを融解することにより容易に得ることができる。又、発汗操作は既知のものであり、これについては例えばMatsuokaらの論文(Journal of Crystal Growth,vol.166,(1996)pp.1035-1039)に詳述されている。
【0028】
精製された固体のラクチドは、精製塔1の上部取出口4からL体の光学純度の高いラクチドとして排出され、不純物は精製塔1下部の濾過装置6を通して不純物排出口7から排出される。上述したようなL体の含有量80質量%以上の粗ラクチドを原料として用いた場合には、精製塔1の上部取出口4からL体の含有量が90質量%以上のラクチドを得る。又、L体の含有量90%以上の粗ラクチドを原料として用いた場合には、L体の含有量が95質量%以上のラクチドを得る。このようにして得られたL体の光学純度の高いラクチドは、良品質のポリ乳酸のモノマー原料として用いることができる。
【0029】
ここで、上述の原料としての固体の粗ラクチドの製造について詳述する。
【0030】
原料としてL体の含有量80質量%以上の固体の粗ラクチドを得るには、先ず、触媒の存在下、乳酸オリゴマーを構成する乳酸単位のL体の存在比が80%以上の乳酸オリゴマーを乳酸単位で解重合して環状二量体化して粗ラクチドを生成し、この粗ラクチドの一部又は全部を固化する。このとき、生成される粗ラクチドにおけるL体の含有量が上述したように80質量%以上でなければならないので、乳酸オリゴマーを構成する乳酸単位のL体の存在比が80%以上とする必要がある。又、乳酸オリゴマーを構成する乳酸単位のL体の存在比は、好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上である。又、本発明に使用する乳酸オリゴマーは、直鎖状の6〜10量体であることが好ましい。尚、乳酸オリゴマーを構成する乳酸単位のL体の存在比は、乳酸オリゴマーを加水分解して乳酸溶液とし、その乳酸溶液のL−乳酸とD−乳酸の存在量から、
乳酸オリゴマーを構成する乳酸単位のL体の存在比(%)={L−乳酸量/(L−乳酸量+D−乳酸量)}×100
として求める。
【0031】
乳酸オリゴマー及びL−ラクチドの製造方法としては、例えば特開平7−138259号公報に開示された方法が利用できる。
【0032】
すなわち、好ましくは醗酵法により製造したL−乳酸を常圧下、温度130〜140℃にて加熱して単蒸留を行ない、ガスが発生しなくなるまで水を留去して乳酸オリゴマーを主成分とする混合液を得る。この混合液を、好ましくは減圧下で、脱水しながら還流して、直鎖状の6〜10量体の乳酸オリゴマーを得る。この際、減圧は10〜100Torrとするのが好ましい。又、還流温度は130〜170℃で3〜4時間行うことが好ましい。更に、還流は段階ごとに分けて徐々に昇温させることが好ましい。例えば、第一段階で135±3℃、第二段階150±3℃、第三段階160±3℃とするのが好ましい。
【0033】
次いで、このようにして得られた乳酸オリゴマーを構成する乳酸単位のL体の存在比80%以上の乳酸オリゴマーを乳酸単位で環状二量体化(エステル交換反応)する。その際、上記の乳酸オリゴマーに環状二量体化触媒を加え、好ましくは減圧下、加熱してラクチドを留出させて液状のラクチドを得る。環状二量体化触媒としては、従来公知のものが利用でき、例えばオクチル酸錫、三酸化アンチモン、酸化亜鉛等が利用できる。加熱は10〜50Torrの減圧下、好ましくは190〜210℃にて行なう。
【0034】
このようにして留出させて得られた液状のラクチドは熱安定性が低いため、本発明ではこれを速やかに冷却して、その一部又は全部を固化させて固体の粗ラクチドを得る。
【0035】
以上、L−ラクチドについて精製する場合について説明したが、D−ラクチドについても同様に適用することができる。
【0036】
【実施例】
乳酸オリゴマーを構成する乳酸単位のL体の存在比が90%の乳酸オリゴマーをオクチル酸錫存在下、減圧下(10〜35Torr)で液温度200℃で単蒸留により環状二量体化反応させて、ラクチドを留出させた。この留出物を全て冷却固化して得た固体状の粗ラクチド(L体の含有量85質量%、光学純度(L)81%)を、内径75mm、高さ1200mmの2つの円筒を重ねあわせた塔を使用した図1の装置に6.0kg/hで供給口3より供給し、L体の含有量99.9質量%のL−ラクチドの融解液を2.0kg/hで精製塔1の上部より供給し、4.1kg/hで精製ラクチド(L体の含有量99.9質量%)を取出口4から得ることができた。この精製ラクチドの組成は、L体99.9%、D体0.00%、メソ体0.12%であり、光学純度(L)が99.8%であった。尚、精製の際の攪拌装置2の回転軸体2Aの回転数は8rpmであった。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、D−ラクチド及びL−ラクチドの総量に対するD−ラクチド又はL−ラクチドの含有量が80質量%以上である固体の粗ラクチドを、縦方向に延びる筒型の精製塔の下部に設けられた原料の供給口へ原料として投入し、粗製塔に配設された攪拌装置で原料を上昇させながら攪拌し、精製塔内でD−ラクチド又はL−ラクチドの降下融解液と上昇原料との向流接触により原料を精製し、上記精製塔の上部に設けられた取出口から精製後の固体のラクチドを製品として取り出すこととしたので、次のような効果を得る。
(1) 溶融結晶化法同様、新たな精製溶媒或いは洗浄液を必要としない。
(2) 溶融結晶化法のような結晶化、融解の繰り返しをすることなく、一段の操作で、粗ラクチドから所望の光学異性体を分離して光学純度の高いラクチドを得ることができるので、省エネルギ化が図れる。
(3)連続して安定した品質のラクチドを得ることができる。
(4) 連続処理なので、操業管理が易しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するための精製装置の一例を示し、図1(A)は縦断面図、図1(B)は図1(A)におけるB−B拡大断面図である。
【図2】本発明を実施するための精製装置の他の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 精製塔
2 攪拌装置
3 仕込口
4 取出口

Claims (3)

  1. ラクチドの光学異性体精製方法において、D−ラクチド及びL−ラクチドの総量に対するD−ラクチド又はL−ラクチドの含有量が80質量%以上である固体の粗ラクチドを、縦方向に延びる筒型の精製塔の下部に設けられた原料の供給口へ原料として投入し、精製塔に配設された攪拌装置で原料を上昇させながら攪拌し、精製塔内でD−ラクチド又はL−ラクチドの含有量が上昇粗ラクチドとの接触初期で90質量%以上である降下融解液と上昇原料との向流接触により原料を精製し、D−ラクチド又はL−ラクチドの含有量が80質量%以上のものを90質量%以上とした精製後の固体のラクチドを、上記精製塔の上部に設けられた取出口から製品として取り出すことを特徴とするD−ラクチドとL−ラクチドの混合物のいずれか一方のラクチドの光学異性体の精製方法。
  2. 粗ラクチドは、乳酸オリゴマーを解重合して環状二量体化した後に少なくとも一部を固化して得られたものであり、該乳酸オリゴマーを構成する乳酸単位のD体及びL体の総量に対するD体又はL体の存在比が80%以上であることとする請求項1に記載のD−ラクチドとL−ラクチドの混合物のいずれか一方のラクチドの光学異性体の精製方法。
  3. 乳酸オリゴマーを構成する乳酸単位のD体及びL体の総量に対するD体又はL体の存在比が90%以上であることとする請求項2に記載のD−ラクチドとL−ラクチドの混合物のいずれか一方のラクチドの光学異性体の精製方法。
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