JP6442055B2 - 2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルの未精製組成物を精製する方法 - Google Patents

2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルの未精製組成物を精製する方法 Download PDF

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Description

本発明は、2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステル及びモノアルキルエステルを含む未精製エステル組成物を精製するための方法に関する。
2,5−フランジカルボン酸(2,5-FDCA)のジアルキルエステルは、バイオ系ポリエステルの調製においてモノマーとしての使用が見出されている。そのようなポリエステルの調製は、例えば、米国特許公開公報第2011/0282020号明細書及び国際公開第2013/062408号に開示されている。その調製は、アルキレンジオールと2,5-FDCAのジアルキルエステルの重縮合反応を含む。あるいは、その酸をモノマーとして用いることができる。その酸をモノマーとして用いる場合、ジアルキルエステルを最初に調製し、得られたそのジアルキルエステルを加水分解にかけることがそれでもなお便利であることができ、なぜなら、未精製2,5-FDCAの精製は、そのエステルの精製よりも厄介だと思われるからである。生成したポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)の代替物として用いることができ、それは国際公開第2013/062408号で述べられているとおりである。
2,5-FDCAのジアルキルエステルの調製は当技術分野で公知である。これとの関連で、例えば、欧州特許出願公開第248627号公報が参照され、これには、炭水化物から5−ヒドロキシメチルフルフラールのエーテルが調製され、このエーテルが次に2,5-FDCAとそのエステルを含む生成物へと酸化される方法が記載されている。その生成物はさらにエステル化されて、2,5-FDCAのジアルキルエステルとそのモノアルキルエステルを含むエステル組成物を生成しうる。そのエステル組成物はまた、結果として生成するポリマーの着色を引き起こす混入物質を典型的には含んでいることが発見された。
透明で無色のポリエステルの製造を可能にするためには、したがって上記エステル組成物を精製することが望ましい。PETの調製のための対応するモノマーの精製は、ジメチルテレフタレートの未精製エステル組成物の蒸留又は結晶化によって達成できることが知られている。米国特許第4040793号明細書には、結晶化及び再結晶にはかなりの費用がかかり、なぜなら、各再結晶工程には以下の4つの工程が必要だからであることが開示されている:真性な溶液の作成、前述したような結晶化、次にその結晶化した物質の分離、そして最後に、得られた結晶の洗浄。米国特許第4683034号明細書及び米国特許第5542372号明細書には、ジメチルテレフタレートの精製方法が記載されており、そこでは、ジメチルテレフタレートが、蒸発、結晶化、及び溶融結晶化の組み合わせによって、イソフタル酸及びオルトフタル酸のジメチルエステルから分離されている。これらの特許文献は、着色を引き起きす化合物について何も記載していない。
欧州特許出願公開第1380566号公報による方法についても、ジメチルテレフタレートの精製のために溶融結晶化を用いることが提案された。しかし、溶融結晶化だけでは、充分に純粋な生成物を得るには不十分であると思われた。欧州特許出願第1380566号公報は、したがって、未精製エステル生成物を得るための、p−キシレン及びメチルp−トルエートの酸化生成物のエステル化;その未精製エステル生成物から軽質画分を分離するための蒸留工程;未精製エステル生成物から着色を引き起こす重質の化合物を分離するためのフラッシュ蒸留;及び、その未精製エステル生成物から、精製されたジメチルテレフタレートを得るための少なくとも2つの溶融結晶化工程、を含む方法を開示している。その2つの溶融結晶化工程のあいだに、最初の溶融結晶化の結晶化生成物が再度追加の蒸留カラム中で処理されて、それから着色を引き起こす化合物が除され、次に二番目の溶融結晶化にかけられる。この方法は、着色を引き起こす化合物の除去の困難さを示している。
米国特許公開公報第2011/0282020号明細書 国際公開第2013/062408号 欧州特許出願公開第248627号公報 国際公開第2013/062408号 米国特許第4040793号明細書 米国特許第4683034号明細書 米国特許第5542372号明細書 欧州特許出願公開第1380566号公報
本発明は、2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステル及びモノアルキルエステルを含む未精製エステル組成物を精製するための方法を提供する。
2,5-FDCAの未精製エステル組成物については、2,5-FDCAのモノアルキルエステルがそのジアルキルエステルから分離されるように溶融結晶化を行えば、着色を引き起こす化合物を除去するための追加の蒸留工程は必要ないことが今や驚くべきことに判明している。そのような分離は、未精製エステル組成物が、その組成物の質量に基づいて、少なくとも90質量%のジアルキルエステルと、約5質量%以下(すなわち最大約5質量%)のモノアルキルエステルを含有する場合に達成されることができる。さらに驚くべきことには、未精製エステル組成物がより高い含量のモノアルキルエステルを含む場合には、溶融結晶化によるそのようなエステル組成物の精製は達成することが困難であり、非常に低い収率でしか達成することができない。
したがって、本発明は、初めのジアルキルエステル濃度として2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルを少なくとも90質量%と、初めのモノアルキルエステル濃度として2,5−フランジカルボン酸のモノアルキルエステルを最大で5質量%含むエステル組成物(これらの百分率はエステル組成物の質量に基づく)を精製する方法であって、エステル組成物を溶融結晶化にかけて初めのジアルキルエステル濃度よりも高いジアルキルエステル濃度を含む精製されたジアルキルエステル組成物と、初めのモノアルキルエステル濃度よりも高いモノアルキルエステル濃度を有する溶融残渣とを得る工程を含む方法を提供する。この高い濃度のジアルキルエステルと少ない量のモノアルキルエステルによって、溶融結晶化工程が、モノアルキルエステルとともにエステル組成物中に含まれている混入物質からのジアルキルエステルの分離を可能にする。
上記エステル組成物は、エステル組成物の質量に基づいて、最大で10質量%の混入物質を含んでいてもよく、好ましくは多くとも5質量%である。混入物質は、それに先立つ反応の間に形成されうる。上で示したように、エステル組成物は、5−ヒドロキシメチルフルフラール、又はそのエーテル若しくはエステルを形成する炭化水素の脱水を含む広範な反応による生成物でありうる。脱水で得られた生成物は、酸化触媒、典型的にはコバルト及びマンガンを含む触媒の上で、酸化剤によって、2,5-FDCA又はその誘導体へと酸化されうる。酸化生成物は次にアルカノールでさらにエステル化されることができる。これらの反応の間に、特に酸化反応の間に、2,5-FDCAのジアルキルエステル及びモノアルキルエステルに加えて、不純物及び/又は副生成物(ここでは一緒にして混入物質、すなわち、FDCAのジアルキルエステル及びモノアルキルエステル以外の化合物)が形成されうる。そのような混入物質は、エステル化の出発物質である2,5-FDCA、及び5−ホルミル−フラン−2−カルボン酸(FFCA)、FFCAのアルキルエステル、及び着色を引き起こす化合物からなる群から選択される1以上の化合物を含みうる。FFCA及びその誘導体の存在は望ましくなく、なぜなら、それが、続くジオールとの重縮合反応の停止を引き起こすからである。
2,5-FDCAのモノアルキルエステルの初めの濃度が約10質量%以上である2,5-FDCAのジアルキルエステルの未精製エステル組成物の溶融結晶化は、ジアルキルエステルの含有量が約90質量%よりも有意に上のレベルまで増大されている精製されたジアルキルエステル組成物を生じさせないことを発見している。このやり方で得ることができる2,5-FDCAのジアルキルエステルの最も高い純度は、約90〜92質量%の範囲であることを発見している。したがって、モノアルキルエステルの量が5質量%未満であり且つジアルキルエステルの量が90質量%より高い場合に、モノアルキルエステルのさらに低減された量をもつ精製されたジアルキルエステル生成物が得られるだけでなく、着色を引き起こす化合物を含む混入物質もモノアルキルエステルと一緒に分離されることは驚くべきことである。理論に束縛されることを望むことなしに、2,5-FDCAのモノアルキルエステル及びジアルキルエステルは、モノアルキルエステルの量が8〜10質量%の範囲にある共晶を形成すると考えられる。これらのエステルの混合物の組成が共晶組成物に類似している場合には、そのような混合物を溶融結晶化によって純粋な成分に分離することは実際上不可能になる。本発明による方法は、ジアルキルエステルの濃度が少なくとも98質量%、好ましくは少なくとも99質量%、さらに好ましくは少なくとも99.5質量%に達する、精製されたジアルキルエステル組成物の提供を可能にする。モノアルキルエステルの濃度は、高くても1000ppm(1000ppm以下)、好ましくは多くても800ppm(800ppm以下)の量まで低下されることができる。
溶融結晶化は当技術分野で公知の手法であり、例えば、米国特許第5542372号明細書、米国特許第4683034号明細書、及び欧州特許出願公開第1380566号公報に記載されている。その手法は、冷たい表面と接触させられる溶融フィード物の供給を含む。そのような接触により、その溶融フィード物の結晶化が始まる。溶融結晶化は、純粋でない溶融物質がその凝固点より下まで冷却され、さらに熱が取り除かれたときに、その物質のうちいくらかが固化するという原理に基づいている。固化した物質は純粋になる傾向がある一方で、不純物は溶融物中に濃縮する。精製された物質は、その溶融物から固化した物質を分離することによって、さらに場合によってはそれを再度溶融することによって回収される。溶融結晶化は、層状結晶化法(layer crystallization)又は懸濁溶融結晶化法として好適に行われる。層状結晶化法では、形成される固体物質は、冷却された表面の上で作り出される。懸濁溶融結晶化法では、結晶は、熱交換機の冷却された表面の上で作り出される。その結晶は表面からかき取られ、撹拌した成長容器中で成長させられる。十分な大きさにまでこの容器中で大きくさせられた後、結晶はピストン型の洗浄用カラムに移され、そこで結晶は溶融残渣から分離される。
層状結晶化法は、静置式結晶化法として、又は流下薄膜式結晶化法として行うことができる。両方の方法において、結晶化は、冷却された表面の上で起こる。静置式結晶化法においては、結晶化は、流動しない溶融組成物中に浸漬された冷却されたプレートの上で起こる。好ましくは、本発明の方法は、流下薄膜式結晶化法として実施される。そのような方法においては、溶融物は、冷却された表面としてのチューブの壁(例えば、そのチューブの内壁)に沿って流れ落ち、その一方で、冷却媒体はそのチューブの別の側に沿って(例えば、外側の壁に沿って)流通させられる。再溶融するために、冷却媒体を加熱媒体に置き換えることができる。したがって、本発明の方法は、静置式、又は流下薄膜式、及び/又は懸濁溶融結晶化装置内で好適に行われ、静置式結晶化装置又は流下薄膜式結晶化装置の使用が好ましい。
本発明の方法においては、2,5-FDCAのジアルキルエステルはエステル組成物から結晶化し、冷却された表面(例えば、流下薄膜結晶化装置のチューブ)上に固体物質の実質的に純粋な層を形成する。モノアルキルエステルだけでなく混入物質、例えば、5−ホルミルフラン−2−カルボン酸、そのアルキルエステル(1種又は複数)、2,5-FDCA、及び着色の原因となる化合物も、残った溶融物中に濃縮される。したがって、溶融結晶化は流下薄膜式装置内で好適に実施され、そこでは溶融されたエステル組成物が、冷却チューブの壁に沿って通されて、その冷却チューブの壁の上で2,5-FDCAのジアルキルエステルの結晶化が達成される。
純度を高めるためには、固体を回収するために再溶融する前に、その固体物質をわずかに再加熱することが有利であることが発見されている。このわずかな再加熱とは、2,5-FDCAの純粋なジアルキルエステルの融点を超えない温度まで、その温度をもっていくことを意味している。このわずかな再加熱をしたときに、低融点成分が最初に再溶融し、低融点成分の別個の画分として集めることができる。この画分(フラクション)は、低融点成分に加えて、ジアルキルエステルも含む。この画分は、残りの溶融物と一緒にすることができるが、それを別個の画分として集め、残りの溶融物とは別に処理することもできる。したがって、本発明の方法は、冷却された表面の上での2,5-FDCAのジアルキルエステルの結晶化の後で、その冷却された表面を2,5-FDCAのジアルキルエステルの融点より低い温度に再加熱して、低融点成分の溶融を達成するようにして、適切に行われる。この手法は「スウェッティング(sweating)」として知られている。この方法で回収されうる低融点成分の画分は、したがって、「スウェット(sweat)」(低融点画分)としても知られている。精製されたジアルキルエステル組成物及び溶融残渣に加えて、溶融された低融点成分は、したがって、低融点画分(スウェット)として得ることができる。
2,5-FDCAのジアルキルエステルの多くの用途にとって、その純度は最も重要である。したがって、いくつかの工程で溶融結晶化を実施することが有利であることができ、その場合、溶融結晶化が1回又は複数回繰り返されて、最終生成物の純度を高める。それに加えて、本発明の方法は、最初の工程においてエステル組成物が、最初に精製されたジエステル組成物、最初の溶融残渣、及び場合によっては最初の低融点画分(スウェット)を生じさせるように、溶融結晶化にかけることができ、ここで、その最初に精製されたジエステル組成物は次の溶融結晶化工程にかけられて、次の精製されたジエステル組成物と次の溶融残渣及び場合によっては次の低融点画分(スウェット)を生じさせ、ここで次に精製された前記ジエステル組成物が所望する生成物として得られることができる。この手順は数回繰り返してもよい。好適には、繰り返しの回数は2〜7、好ましくは2〜4であってよい。1回より多い工程を溶融結晶化法において適用する場合、複数の溶融結晶化装置を使用する必要はない。それらの工程は、単一の溶融結晶化装置で順次実施することができる。
そのような手順においては、次の溶融残渣及び場合によっては低融点画分(スウェット)を、エステル組成物のさらなる部分と一緒にすることが有利である。次の溶融残渣は、最初のエステル残渣と混合されて、別の溶融結晶化工程にかけられることができる。この別個の溶融結晶化工程による精製された生成物は、エステル組成物のさらなる部分及び場合によっては次の溶融残渣と混合することができる。
溶融結晶化が行われる条件は、精製されるべき化合物によって決定され、特に、それはジアルキルエステル部分のアルキル基に左右される。典型的には、エステル組成物は、そのアルキル基が1〜6、好ましくは1〜4の炭素原子を有するジアルキルエステルを含有する。本発明の方法を、2,5-FDCAのジメチルエステルに対して行うことが特に好ましい。典型的には、溶融結晶化にかけられるエステル組成物は、110〜150℃の範囲の温度を有する。冷却された表面は、典型的には、2,5-FDCAのジアルキルエステルの融点よりも十分に低い温度を有する。そのような温度は、適切には、80〜110℃の範囲である。この温度は、溶融結晶化法において使用される熱伝導媒体(冷却媒体)の温度を用いることによって調節される。明らかに、固体物質が再溶融されるべき場合には、表面及び固体物質の温度は、2,5-FDCAのジアルキルエステルの融点よりも上まで上昇される。典型的には、その温度は、110〜150℃の範囲である。スウェット工程を考えている場合、表面及び固体物質の温度は、そのジアルキルエステルの融点以下の温度に再加熱される。適切には、熱伝導媒体の温度は85〜118℃の範囲である。これらの条件が、エステル組成物の精製が蒸留によって行われる場合に適用されるべき条件よりも好ましいことは明らかである。さらに、蒸留による精製は、溶融結晶化によるよりも経済的な規模で達成することはもっと困難であるので、本発明の方法は、従来の蒸留精製を超える有意な技術的及び経済的利点をもたらす。
回収される溶融残渣は、より高められた濃度の2,5-FDCAのモノアルキルエステルを含む。その組成物は、かなりの量のジアルキルエステルも含む。溶融残渣の組成は、上で説明した共晶組成物に似ている可能性がある。したがって、そのような高められた濃度のモノアルキルエステルを含む組成物からジアルキルエステルを回収することは困難である。しかし、その組成物が、共晶点のモノアルキルエステル濃度を十分に超えるモノアルキルエステル濃度を有する組成物に入れられる場合、溶融残渣からのモノアルキルエステルの分離が達成されうる。したがって、溶融残渣にモノアルキルエステルを添加して、所望する値にモノアルキルエステルの含有量を増大させることができる。しかし、そのような添加のためには、追加量のFDCAのモノアルキルエステルを有していることが必要である。したがって、溶融残渣から価値ある生成物を回収するためには、溶融残渣を、モノアルキルエステルが豊富な中間生成物に変換することが有利であることがわかり、その中間生成物は共晶点における濃度を超えるモノアルキルエステル濃度を含むものであり、それは例えば、中間生成物の質量に基づいて少なくとも10質量%の濃度であり、かつ、場合によっては、その中間生成物を溶融結晶化にかけて、精製されたモノアルキルエステル組成物と、混入物質が多い残渣を得ることが有利であることがわかる。溶融残渣を、モノアルキルエステルが豊富な中間生成物に変換することは、対応するモノアルキルエステルへのジアルキルエステルの反応を目的としている。一般的に、この変換を達成するための3つの方法が当業者に利用可能である。第一の方法は、ジアルキルエステルと2,5-FDCAのエステル交換である。この方法では、2,5-FDCAが、溶融残渣に、典型的には200℃より高い温度、例えば、200〜300℃の温度で添加される。好ましくは、さらなる混入物質の存在を避けるために、いかなるエステル交換触媒も添加されない。
中間生成物を得るための第二のやり方は、溶融残渣を部分加水分解にかけることである。加水分解は酸性基によって触媒されるので、モノアルキルエステルの酸基の存在が加水分解を触媒する。したがって、部分加水分解は、溶融残渣への水、例えばスチームの形態の水の投入によって達成することができる。水の量が部分加水分解のために必要な量を超えないことを確実にすることによって、モノアルキルエステルの収率を最適化することができる。このようにして、中間生成物が高い濃度のモノアルキルエステルを有する一方で、2,5-FDCAの過剰な形成及びまたその他のエステルの鹸化が実質的に回避される。本発明の方法はしたがって、溶融残渣が部分加水分解を受けるように、好ましくは実施される。部分加水分解の条件は広い範囲から選択することができ、それには100〜200℃の温度及び1〜30バールの圧力、好ましくは120〜180℃の温度及び2〜15バールの圧力が含まれる。
溶融残渣からモノアルキルエステルが豊富な中間生成物に至るための第三のやり方は、溶融残渣を蒸発(蒸留)、例えば、流下薄膜式蒸発にかけることによる。蒸発によって、2,5-FDCAの比較的低沸点のジアルキルエステルは気化され、生成物として回収され、あるいは溶融結晶化へとリサイクルされることができる。蒸発の残りの液体は、2,5-FDCAのモノアルキル及びジアルキルエステル並びにいくらかの混入物質、例えば、着色を引き起こす化合物からなる。蒸発によって、その残りの液体中のモノアルキルエステルの濃度は、その残りの液体に基づいて少なくとも10質量%の値まで適切にもっていかれる。その残りの液体は中間生成物として回収される。
有利には、上述した方法の1つで得られる中間生成物は、次に溶融結晶化にかけられる。中間生成物の溶融結晶化は、流下薄膜式、静置式、又は懸濁式の溶融結晶化として実施してよい。流下薄膜式結晶化が好ましい。
最初のエステル組成物の場合には、モノアルキルエステルが豊富な中間生成物の溶融結晶化の温度及びその他の条件は、その中間生成物中のアルキル基に応じて適用することができる。スウェット(低融点画分)生成物が得られるように、溶融結晶化を実施することも好ましい。この中間生成物の溶融結晶化は、また、いくつかの工程を含んでいてもよく、ある工程のスウェット生成物は、それに続く工程の中間生成物の一部に添加されてもよい。典型的には、中間生成物の溶融結晶化は、モノアルキルが豊富な中間生成物が160〜250℃の範囲の温度を有するように実施される。上記の冷却された表面は、典型的には、モノアルキルエステルの融点よりも十分低い温度を有し、それは最初のエステル組成物に対するものと同じ範囲であるかあるいはいくらか高くてよく、例えば140〜200℃である。明らかに、固体物質が再溶融される場合には、上記表面及び固体物質の温度は、2,5-FDCAのモノアルキルエステルの融点より上まで高められる。典型的には、その結果その温度は160〜250℃の範囲である。スウェット工程を考えている場合には、上記表面及び固体物質の温度は、モノアルキルエステルの融点以下の温度まで再加熱される。適切には、その温度は、そのようなスウェット工程においては、160〜250℃の範囲である。
本発明の方法による生成物は、2,5-FDCAのジアルキルエステルを含む。溶融残渣を処理して、これも精製されたモノアルキルエステルが豊富な生成物を形成する場合には、本発明の方法による生成物はまた、2,5-FDCAの精製されたモノアルキルエステルも含む。所望する生成物がジアルキルエステルである場合は、モノアルキルエステルは、そのモノアルキルエステルと追加のアルカノールとの反応によってさらにエステル化されることができる。そのような反応は、酸性触媒の存在下で行ってよいが、そのモノアルキルエステルは酸性基を既に含んでいるので、追加の酸性触媒の添加は必要ない。
しかし、2,5-FDCAを十分な純度で得ることは困難なので、本発明による方法は、適切な出発物質、すなわち高純度であって、2,5-FCDAに容易に変換することができるそのジアルキルエステル、場合によってはそのモノアルキルエステルへの、優れた且つ便利な経路を提供する。
したがって、本発明はまた、初めのジアルキルエステル濃度として2,5-FDCAのジアルキルエステルを少なくとも90質量%と、初めのモノアルキルエステル濃度として2,5-FDCAのモノアルキルエステルを最大で5質量%含むエステル組成物(百分率はエステル組成物の質量に基づく)から、2,5-FDCAを調製する方法も提供し、その方法は、以下の工程:
エステル組成物を溶融結晶化にかけて、その出発時のジアルキルエステル濃度よりも高いジアルキルエステル濃度を含む精製されたジアルキルエステル組成物と、出発時のモノアルキルエステル濃度よりも高いモノアルキルエステル濃度を含む溶融残渣とを得る工程;及び、
その精製されたジアルキルエステル組成物を加水分解して、精製された2,5-FDCAを得る工程、
を含む。
上で説明したとおり、本発明による方法は、精製されたモノアルキルエステル組成物の製造も、結果としてもたらすことができる。この精製されたモノアルキルエステル組成物はまた、加水分解した場合に、ジカルボン酸自体を生成することも、結果としてもたらす。この加水分解生成物は、したがって、ジアルキルエステルの加水分解の生成物と同じである。それ故に、精製されたモノアルキルエステル生成物を加水分解することが有利である。したがって、この方法はまた、溶融残渣を、中間生成物の質量に基づいて少なくとも10質量%生成物のモノアルキルエステル濃度を有する、モノアルキルエステルが豊富な中間生成物への変換にかける工程;
そのモノアルキルエステルが豊富な中間生成物を溶融結晶化にかけて、精製されたモノアルキルエステル組成物を生成させる工程;及び
その精製されたモノアルキルエステル組成物を加水分解にかけて、精製された2,5-FDCAを生成させる工程、
を含むことが好ましい。
溶融残渣を、モノアルキルエステルが豊富な中間生成物へと変換することは、上述したように、エステル交換又は部分加水分解又は蒸発によって適切に達成することができ、後の2つの方法が好ましい。
加水分解は、一般的に、酸性又は塩基性触媒の存在下で実施される。モノアルキルエステルが酸性基を既に有しており、そのため、追加の触媒を添加することを不必要にするので、精製されたジアルキルエステル組成物と精製されたモノアルキルエステル組成物を混合し、得られた組み合わせ物を同時に加水分解することが好ましい。
溶融結晶化にかけられるエステル組成物はさまざまな方法で得ることができる。非常に適切なやり方においては、以下の工程を含む方法で得られている:
- 反応ゾーン中で、アルカノールの蒸気流を、2,5-FDCAを含む液体出発物質と対向流となるように接触させて、エステル化反応を実施する工程;
- 反応ゾーンからアルカノールと水を含む反応蒸気を抜き出す工程;及び
- 反応ゾーンの底部から、少なくとも2,5-FDCAのジアルキルエステルを含む液相を排出して、2,5-FDCAのジアルキルエステルを含むエステル組成物を得る工程。
反応ゾーン中のアルカノールは、適切には1〜4の炭素原子を含み、好ましくはメタノールである。反応ゾーンは、反応のためのストリッピングカラムを含むことが有利である。それは、反応器内部構造物(reactor internal)及び/又は充填材(packing)、好ましくは、内部構造物(internal)、より好ましくは、ふるい板(sieve plate)を含むことが適切である。
アルカノール及び水を含む反応蒸気は、アルカノール画分と水画分とに、例えば蒸留によって、分離されることができる。これを実施する場合、アルカノール画分は、反応ゾーンにリサイクルされることができる。また、液相の一部が反応ゾーンにリサイクルされてもよい。これは、エステル化反応からの液相を分けて、一部を反応ゾーンにリサイクルすることによって達成されうる。任意選択により場合によっては、その少ないほうの部分(マイナーな部分)は、過剰量の混入物質が集まることを避けるために、流出ストリーム(bleed stream)として排出してもよい。エステル化ゾーンで得られる液相を、2,5-FDCAのモノアルキルエステルが豊富な第一の画分と、2,5-FDCAのジアルキルエステルが豊富な第二の画分に分けることが特に好ましい。その第二の画分は、次に、上記のエステル組成物として用いられ、本発明による溶融結晶化にかけられる。この分離によって、エステル組成物中のモノアルキルエステルの部分が5質量%の濃度よりも充分低くなることが確実にされ、それによって溶融結晶化がその有利な結果を達成する。
反応ゾーンにおけるエステル化反応は、150〜300℃の範囲の反応温度及び5〜25バールの圧力において実施してよい。溶融結晶化はバッチ法であるが、上述したエステル化によるエステル組成物の調製は、連続法で実施してもよい。
本発明による方法は、以下の図面によってさらに明らかになろう。
図1は、いくつかの溶融結晶化法の統合を示している、本方法のある実施態様の単純化されたフロースキームを示す。 図2は、未精製エステル組成物の製造方法が図式的に示されている別の態様を示しており、その組成物は溶融結晶化によって次に精製される。
エステル組成物に基づいて90質量%より多い2,5-FDCAのジアルキルエステル、例えば、ジメチル2,5-フランジカルボキシレートを含む未精製エステル組成物は、配管1を通って溶融結晶化装置Aへ受け渡される。溶融結晶化装置Aは、好都合なことには、チューブの束を含む流下薄膜式溶融結晶化装置であることができ、未精製エステル組成物がチューブの内壁に沿って通され、かつ熱伝導媒体がその壁の外側上を通される。エステル組成物は、チューブの冷却された表面に沿って通され、それにより固化する。チューブの内壁上で固化しない溶融残渣は、配管3を通って抜き出される。同じ配管3を通って、その固化した物質をわずかに再加熱することによって得られるスウェット(低融点成分)が、溶融残渣と一緒にされる。その固化した物質の再溶融後に、再溶融された液体は、配管2を通して溶融結晶化装置Aから抜き出され、配管4から供給される未精製エステル組成物の別の画分と混合される。一緒にされた再溶融物質と未精製エステル組成物の前述した画分は、第二の溶融結晶化装置Bへと送られ、そこでそれらは、配管1の未精製エステル組成物と同様のやり方で処理される。溶融結晶化装置Bの溶融残渣とスウェットはこの結晶化装置から抜き出され、配管3内の溶融残渣及びスウェットと混合される。精製されたジアルキルエステル組成物、すなわち、実質的に純粋なジメチル2,5-フランジカルボキシレートは、溶融結晶化装置Bから配管5を通って抜き出される。
配管3内の混合された溶融残渣及びスウェットは、第三の溶融結晶化装置Cへと送られ、そこで配管3内の一緒にされた物質は溶融結晶化にかけられて、配管7内の液体溶融残渣及びスウェットと、配管8内の再溶融物質を生成する。配管8はかなりの量のジアルキルエステルを伴う物質を含むので、配管8内の物質はそれより前の溶融結晶化装置のうちの1つ、この場合には溶融結晶化装置Aにリサイクルされ、そこでそれは配管1内の未精製エステル組成物と混合される。
溶融結晶化はバッチ法であることが見てわかる。図では、溶融結晶化装置は3つの別々の装置として示されているが、結晶化装置の数がこれより少なくても、あるいは多くてもよいことは明らかである。この図は、方法の工程の可能な順番を示す操作の1つの態様を示しているに過ぎない。
配管7内の溶融残渣は廃棄されてもよい。しかし、本発明の方法の好ましい態様においては、配管7内の溶融残渣はかなりの量のモノアルキルエステル、例えば、2,5-FDCAのモノメチルエステルを含んでいる。この価値ある生成物を回収するために、溶融残渣を、配管7を通して加水分解反応器Dへ移す。加水分解反応器D内では、配管9から供給されるスチームが反応混合物に添加される。加水分解反応器D内で、ジアルキルエステルはモノアルキルエステルに変換される。その反応で、アルカノール、例えばメタノールも生成される。アルカノール、例えばメタノールは、反応器Dから配管10によって抜き出される。モノアルキルエステルは、モノアルキルエステルが豊富な中間生成物として得られ、これは反応器Dから配管13を通って抜き出される。それは次に溶融結晶化装置Fへと移され、溶融結晶化装置Fは配管15を通る第一の精製されたモノアルキルエステル生成物と、配管14を通る第一の溶融残渣及びスウェットを生成する。第一の精製されたモノアルキルエステル生成物は、適切には、さらなる溶融結晶化装置Gへと移され、そこでは任意選択により場合によっては配管13からの中間生成物の別の部分と混合されて、配管18を通って供給される。溶融結晶化装置Gは、配管16を通って抜き出される精製されたモノアルキルエステル組成物と、配管17を通って抜き出されるさらなる溶融残渣及びスウェットを生成する。配管17からの後者の溶融残渣及びスウェットは、配管14中の溶融残渣及びスウェットに添加され、配管14内の混合された内容物は溶融結晶化装置Hへと移される。溶融結晶化装置Gのフィード物は、配管19から抜き出される混入物質が多い溶融残渣(これは任意選択により場合によってはスウェット工程からのいくらかの物質を伴う)、及び配管20を通る固化され且つ再溶融された画分に分けられる。配管20はかなりの量の所望するモノアルキルエステルを含むので、その画分はそれより前の溶融結晶化装置、この場合には溶融結晶化装置Fにリサイクルされて、配管13からの中間生成物と混合される。
配管5からの精製されたジアルキルエステル生成物と、配管16からの精製されたモノアルキルエステル生成物は、別個の最終生成物として回収されてもよい。しかし、所望する生成物が、精製された2,5-FDCAである場合には、配管16からの生成物を、配管5からの生成物に添加し、混合された生成物を配管5を通して加水分解反応器Iに移してもよい。この反応器においては、スチームが配管21を通して反応混合物に添加され、ここで、水の量は全てのエステル基を加水分解するために十分な量である。加水分解反応においては、アルカノール、例えば、メタノールが遊離し、これは配管22を通して抜き出される。アルカノールを回収するために、アルカノールは、配管22を通して蒸留カラムEへと移してもよい。配管22からのアルカノールに加えて、蒸留カラムEには、加水分解反応器Dからの、すなわち配管10からのアルカノールを供給してもよい。蒸留カラムEは、アルカノール流11を生成する。このアルカノールは回収されることができ、未精製エステル組成物の製造方法のどこかで用いてもよい。任意のより重い副生成物が、配管12を通して排出されることができる。
最終生成物、すなわち、精製された2,5-FDCAは、加水分解反応器Iで得られ、配管23を通して回収される。
図2を参照すると、この図は、配管101を通って混合ゾーン2Aへと供給される2,5-FDCAを含む流れを示している。この流れは2,5-FDCAを含むことができ、加えて、2,5-FDCAのモノエステル、例えば、モノメチルエステルを含むこともできる。混合ゾーン2A内では、その2,5-FDCA、又は2,5-FDCA及びそのモノエステルの混合物が、配管102を通ってもたらされるジアルキル2,5-フランジカルボキシレートを含む液体流と混合される。配管102内の液体流は、ある量の2,5-FDCAのモノアルキルエステルを含んでいてもよい。混合された液体流は、混合ゾーン2Aから配管103を通って抜き出され、反応ゾーン2Bへと移される。反応ゾーン2Bは、反応ストリッピングカラムの形態であってよい。配管103内の混合された液体流は、次に、反応ストリッピングカラム2Bの上部へ導入される。反応ストリッピングカラム2Bは、塔頂部から塔底部への液体の流れ及び塔底部から塔頂部への気体の蒸気の流れを可能にする一方で、バックミキシングが低減されることを可能にするための孔を有する篩板を備えていてもよい。反応ストリッピングカラム2B内の蒸気は、配管106を通ってストリッピングカラム2Bの低部に導入されるアルカノールの流れによってもたらされる。ストリッピングカラム内では、2,5-FDCAとアルカノールの間のエステル化反応が起こり、その間、アルカノールは2,5-FDCAと対向流で接触させられる。エステル化反応時に形成された全ての水は、水蒸気として、アルカノール蒸気とともに抜き出される。それにより、エステル化反応の平衡が移動し、エステル化反応が実質的に完了するように進むことが可能にされる。アルカノールと水を含む反応蒸気が、反応ストリッピングカラムの頭頂部から抜き出され、配管107を通して蒸留カラム2Dへと移され、アルカノール及び水の分離を可能にする。蒸留カラム2Dにおける蒸留時、水の画分が通常は塔底画分として回収され、したがって、配管109を通して蒸留カラム2Dの塔底部から抜き出される。そうして回収された水は、通常は廃棄される。
反応ストリッピングカラム2B内にアルカノールが滞留している間は、いくらかの副生成物、例えば、カラム2Bの酸性環境中でのアルカノールのエーテル化を通してジアルキルエーテルが形成されることができる。このジアルキルエーテルは、次にアルカノールから分離され、そのエーテルが低沸点をもつ画分である場合、配管108を通して蒸留カラム2Dから抜き出される一方、アルカノールは配管105を通して蒸留カラム2Dから回収され、抜き出される。
配管105内のアルカノール画分は、コンビネーションゾーン2Cへと移され、そこでそれは配管104からもたらされる新鮮な補充のアルカノールと混合される。混合されたアルカノール流は、配管106を通して、反応ストリッピングカラム2Bへと移される。このようにして、アルカノールは有効にリサイクルされる。
反応ストリッピングカラム2B内で形成されるジアルキル2,5−フランジカルボキシレートは、配管110を通して反応ストリッピングカラム2Bの塔底部から液相として抜き出される。配管110内では、ジアルキルエステルを含む液相が、分離ゾーン2Eへと移される。分離ゾーン2E内では、液相は、配管102を通って混合ゾーン2Aへと移されるリサイクル流と、配管111から抜き出されるジアルキル2,5−フランジカルボキシレートが豊富な未精製エステル組成物とに分離される。反応ストリッピングカラム2Bからの液相は、2,5-FDCAの製造時に形成されうる高沸点混入物質の形態の少量の重質副生成物を含みうる。そのような場合には、流出ストリーム(bleed stream)を行うのが有効である。そのような流出ストリームは、配管102の液相を、配管112を通して排出されるマイナーな流れに分けることによって得ることができる。
分離ゾーン2Eは、適切には、ジアルキルエステルが豊富な生成物流と、反応ストリッピングカラム2Bからの液相中に含まれるモノアルキルエステルの主要部を少なくとも含むリサイクル流をもたらす蒸発ゾーンである。
配管111内の2,5-FDCAのジアルキルエステルが豊富な未精製エステル組成物は、溶融結晶化装置2Fへと送られ、そこから、精製されたジアルキルエステルが配管113を通って回収され、未精製エステル組成物中に存在するモノアルキルエステルの主要部を含む溶融残渣は、配管114を通して抜き出される。
図2には、1つの溶融結晶化装置のみが示されている。1つより多い結晶化装置を使用してもよいことは明らかである。配管114を通して抜き出される溶融残渣が、同じ又は別の溶融結晶化装置へリサイクルされて、実現可能な量のジアルキルエステル生成物を得ることも、さらに明白である。
本発明を、以下の例によってさらに説明する。
[例1]
ジメチル2,5-フランジカルボキシレート及び2,5-FDCAのモノメチルエステルを含む未精製組成物を、溶融結晶化工程にかけた。その組成物は、2,5-FDCAのモノメチルエステルを約2.1質量%及びその他の不純物約800 ppmwを含み、残りはジメチル2,5-フランジカルボキシレートだった。これらのパーセント割合は、その組成物の質量に基づくものである。それは108.40℃の凝固点を有していた。
溶融結晶化は、以下の手順にしたがって実施した。熱伝導媒体の内部循環によって加熱又は冷却される垂直板を、溶融された未精製組成物を入れた箱の中に吊した。熱伝導媒体を未精製組成物の凝固点より下までゆっくり冷却することによって、結晶が前記の板の上で成長を始めた。予め決めていた層の結晶が成長したときに、残りの溶融した物質(その中に混入物質が濃縮されている)を流しだし、溶融残渣として集めた。これを、熱伝導媒体の様々な温度において行った。それぞれの画分(フラクション)を集めた。次に、残った結晶化した物質の層を最後に溶融し、生成物として回収した。
回収された画分(フラクション)の凝固点を測定した。固体組成物の凝固点が低くなればなるほど、その組成物は純粋が低くなり、凝固点の高さは、得られた純度の高さを示している。下の表1は、結晶化段階、スウェッティング段階、及び最後の溶融段階における熱伝導媒体(HTM)の温度、各画分(フラクション)の量(溶融結晶化装置に投入した組成物のパーセント割合として示したもの)、並びにその画分(フラクション)の凝固点を示している。
Figure 0006442055
フラクション1−1は溶融残渣だった。フラクション1−2及び1−3はスウェットフラクションだった。フラクション1−4は生成物として回収された。それは最も高い凝固点を有しており、それはその高められた純度を示している。フラクション1−4の組成を分析し、それはフラクション1−4の質量に基づいて0.6質量%の2,5-FDCAのモノメチルエステルを含むことが判明した。その他の不純物(それは着色を引き起こす化合物を含む)の濃度は42ppmwだった。そのフラクションの残りは、ジメチル2,5-フランジカルボキシレートだった。
この例は、溶融結晶化が、上記の未精製エステル組成物を精製するための優れた方法であることを示している。
[例2]
そのリサイクルのためにスウェットフラクションが適切であることを示すために、フラクション1−3を、例1でも用いた最初の未精製組成物の一部と混合した。フラクション1−3の量は、得られた混合物に基づいて約11質量%だった。その混合物を、概略、例1において概要を説明した手順に従って溶融結晶化にかけたが、ただ一つのフラクションをスウェットフラクションとして集めた。示した量は、溶融結晶化装置に投入した組成物のパーセント割合として示されている。結果を、下の表2に示す。
Figure 0006442055
フラクション2−1は溶融残渣であり、フラクション2−2はスウェットフラクションである。フラクション2−3は生成物である。投入物の多くの部分をスウェットフラクションとして排出することによって、生成物として回収されるフラクション(すなわち、フラクション2−3)の純度をさらに高くすることができ、それはより高い凝固点によって示されているとおりである。いくつかのフラクションのリサイクルに対する適性も、この例に示されている。
フラクション2−3は、このフラクションを再度溶融結晶化にかけることによってさらに精製された。フラクション2−3は、溶融残渣(フラクション2−4)、スウェットフラクション(フラクション2−5)、及び最終生成物フラクション(フラクション2−6)に分けられた。表3は、HTM温度、フラクション2−3に基づく前述のフラクションの量、及びそのフラクションの凝固点を示している。
Figure 0006442055
表3の結果は、フラクション2−3の純度が、もう一回の溶融結晶化によってさらに高められることができることを示している。フラクション2−6の組成を分析して、フラクション2−6の質量に基づいて、0.08質量%の2,5-FDCAのモノメチルエステルを含むことが判明した。別の不純物は全く検出されず、それは着色を引き起こす化合物が除去されていることを示している。そのフラクションの残りのものは、ジメチル2,5-フランジカルボキシレートだった。
[例3(比較例)]
この比較例では、組成物が2,5-FDCAのモノアルキルエステルを5質量%より多く含む場合には、ジアルキル2,5-フランジカルボキシレートの未精製エステル組成物を精製するためには、溶融結晶化法は不適当であることを示している。
フラクション1−1、1−2、及び2−1を混合した。その混合物は、7.5質量%より多い2,5-FDCAのモノメチルエステル、及び1500ppmwのその他の不純物を含み、その残りがジメチル2,5-フランジカルボキシレートだった。
その混合物を、例1において概要を説明した手順に一般的には従って溶融結晶化にかけたが、1つのフラクションのみをスウェットフラクションとして集めた。その結果を下の表4に示す。
Figure 0006442055
表4の結果は、7.5質量%より多いモノメチルエステルを含んだジメチルエステル組成物を溶融結晶化させることによっては、凝固点の上昇を達成することはほとんどできなかったことを示している。フラクション3−3の混入物質の量は、1350ppmwよりも多かった。

Claims (20)

  1. 初めのジアルキルエステル濃度として2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルを少なくとも90質量%と、初めのモノアルキルエステル濃度として2,5−フランジカルボン酸のモノアルキルエステルを最大で5質量%まで含むエステル組成物(前記百分率はエステル組成物の質量に基づく)を精製する方法であって、
    前記エステル組成物を溶融結晶化にかけて、初めのジアルキルエステル濃度よりも高いジアルキルエステル濃度を含む精製されたジアルキルエステル組成物と、初めのモノアルキルエステル濃度よりも高いモノアルキルエステル濃度を含む溶融残渣とを得る工程を含む、方法。
  2. 前記エステル組成物が最大で10質量%までの混入物質を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記混入物質が、5−ホルミル−フラン−2−カルボン酸、5−ホルミル−フラン−2−カルボン酸のアルキルエステル、2,5−フランジカルボン酸、及び着色を引き起こす化合物からなる群から選択される1以上の化合物を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記エステル組成物の溶融結晶化が、静置式、流下薄膜式、及び/又は懸濁型溶融結晶化装置内で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記エステル組成物の溶融結晶化が、静置式又は流下薄膜式溶融結晶化装置内で行われ、結晶化が冷却された表面で起こる、請求項4に記載の方法。
  6. 溶融結晶化が流下薄膜式装置内で行われ、その冷却チューブの壁上で2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルの結晶化を起こさせるための、冷却された表面としての冷却チューブの壁に沿って、溶融エステル組成物が通過させられる、請求項5に記載の方法。
  7. 冷却された表面上での2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルの結晶化の後、前記冷却された表面が、2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルの融点より低い温度まで再加熱されて、精製されたジアルキルエステル組成物及び溶融残渣に加えてスウェット(sweat)として得られる、低融点成分の溶融を起こさせる、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 溶融結晶化にかけられるエステル組成物が110〜200℃の範囲の温度を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. その中間生成物の質量に基づいて少なくとも10質量%のモノアルキルエステル濃度を含む、モノアルキルエステルが多い中間生成物への変換工程に、前記溶融残渣がかけられる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 溶融残渣の変換が、2,5−フランジカルボン酸と前記ジアルキルエステルのエステル交換である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記溶融残渣の変換が部分加水分解である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記溶融残渣が蒸発工程にかけられて、2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルが気化されて、残留液体をモノアルキルエステルが多い中間生成物として回収する、請求項9に記載の方法。
  13. 前記モノアルキルエステルが多い中間生成物が溶融結晶化にかけられて、精製されたモノアルキルエステル組成物と、混入物質が多い残渣を生じさせる、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. モノアルキルエステルが多い中間生成物の溶融結晶化が、静置式、流下薄膜式、及び/又は懸濁型溶融結晶化装置内で行われる、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 溶融結晶化にかけられるモノアルキルエステルが多い中間生成物が、180〜250℃の範囲の温度を有する、請求項9〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記エステル組成物が、
    - 反応ゾーン内で、アルカノールの蒸気流を、2,5−フランジカルボン酸を含む液体出発物質と対向流となるように接触させて、2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルと水へのエステル化反応を実施する工程;
    - 前記反応ゾーンからアルカノールと水を含む反応蒸気を抜き出す工程;及び
    - 前記反応ゾーンの底部から、少なくとも2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルを含む液相を排出して、2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルを含むエステル組成物を得る工程、
    を含む方法で得られる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記のエステル化反応で得られる液相を、2,5−フランジカルボン酸のモノアルキルエステルが多い第一の画分と、2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルが多い第二の画分に分け、前記第二の画分をエステル組成物として溶融結晶化にかける、請求項16に記載の方法。
  18. 初めのジアルキルエステル濃度として2,5−フランジカルボン酸のジアルキルエステルを少なくとも90質量%と、初めのモノアルキルエステル濃度として2,5−フランジカルボン酸のモノアルキルエステルを最大で5質量%含むエステル組成物(前記百分率はエステル組成物の質量に基づく)から2,5−フランジカルボン酸を製造する方法であって、
    前記エステル組成物を請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法で精製して、初めのジアルキルエステル濃度よりも高いジアルキルエステル濃度を有する精製されたジアルキルエステル組成物と、初めのモノアルキルエステル濃度よりも高いモノアルキルエステル濃度を有する溶融残渣とを得る工程;及び
    前記の精製されたジアルキルエステル組成物を加水分解して、精製された2,5−フランジカルボン酸を得る工程、を含む方法。
  19. 前記溶融残渣を、中間生成物の質量に基づいて少なくとも10質量%のモノアルキルエステル濃度を有するモノアルキルエステルが豊富な中間生成物へ変換する工程;
    前記のモノアルキルエステルが豊富な中間生成物を溶融結晶化にかけて、精製されたモノアルキルエステル組成物を得る工程;及び
    前記精製されたモノアルキルエステル組成物を加水分解して、精製された2,5−フランジカルボン酸を得る工程、
    をさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 精製されたジアルキルエステル組成物及び精製されたモノアルキルエステル組成物を混合して、同時に加水分解する、請求項19に記載の方法。
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