JP6781331B2 - 生分解性高分子の精製方法 - Google Patents

生分解性高分子の精製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6781331B2
JP6781331B2 JP2019503919A JP2019503919A JP6781331B2 JP 6781331 B2 JP6781331 B2 JP 6781331B2 JP 2019503919 A JP2019503919 A JP 2019503919A JP 2019503919 A JP2019503919 A JP 2019503919A JP 6781331 B2 JP6781331 B2 JP 6781331B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
biodegradable polymer
polymer
monomer
alcohol
residual
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019503919A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019523324A (ja
Inventor
リ,ナヨン
コ,ヨンジュ
ヨ,ギュドン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samyang Biopharmaceuticals Corp
Original Assignee
Samyang Biopharmaceuticals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samyang Biopharmaceuticals Corp filed Critical Samyang Biopharmaceuticals Corp
Publication of JP2019523324A publication Critical patent/JP2019523324A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6781331B2 publication Critical patent/JP6781331B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/88Post-polymerisation treatment
    • C08G63/90Purification; Drying
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/02Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/06Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds derived from hydroxycarboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G85/00General processes for preparing compounds provided for in this subclass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G85/00General processes for preparing compounds provided for in this subclass
    • C08G85/002Post-polymerisation treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J11/00Recovery or working-up of waste materials
    • C08J11/02Recovery or working-up of waste materials of solvents, plasticisers or unreacted monomers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/02Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/06Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds derived from hydroxycarboxylic acids
    • C08G63/08Lactones or lactides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2300/00Characterised by the use of unspecified polymers
    • C08J2300/16Biodegradable polymers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Description

本発明は、ポリ乳酸又はその誘導体などの生分解性高分子の製造中に発生する高分子中の未反応の残留モノマーを簡単、且つ効率的に除去することによって超高純度の生分解性高分子を得るための工程に関する。特に、固体状態の生分解性高分子を第2級アルコール又は第3級アルコールを含有する有機溶媒と接触させ、固液抽出法により、固体状態の高分子から残留モノマーだけを溶解させ、除去することによって、生分解性高分子の物性を低下させることなく超高純度の生分解性高分子を得る方法に関するものである。
ポリ−L−乳酸(PLLA)、ポリ−D−乳酸(PDLA)、ポリ−D,L−乳酸(PDLLA)、ポリ(L−ラクチド−co−D,L−ラクチド)(PLDLLA)、ポリグリコール酸(PGA)、L−乳酸−グリコール酸共重合体(PLLGA)、D,L−乳酸−グリコール酸共重合体(PDLLGA)等を含むポリ乳酸及びその誘導体などの生分解性高分子は、生体適合性に優れ、人体に無害な乳酸又はグリコール酸などに分解される特徴により、ドラックデリバリー及び医療機器のような様々な分野で広く使用されている。
これら生分解性高分子、特に、医療用途のための生分解性高分子の中で、最も盛んに研究され使用されてきた合成高分子は、α−ヒドロキシ酸(alpha−hydroxyl acid)を単位とするポリエステルである。その中でも、乳酸(lactic acid)及び/又はグリコール酸(glycolic acid)を構成単位とするポリエステルが最も良く知られている。これらの高分子は、一般に、単量体の加熱脱水縮合によって生成されたオリゴマーを減圧及び加熱分解することにより得られる環状二量体であるグリコリド又はラクチドを、触媒存在下で開環重合することにより合成される。重合用触媒としては、2−エチルヘキサン酸スズなどの二価スズのエステル化合物が用いられる。開始剤としては、ラウルイルアルコールなどのアルコールが用いられる。次いで、得られた高分子塊は、切断、粉砕又はペレット化のような追加工程を経て、高分子チップ又はペレットに成形される。
前記重合工程で得られた生分解性高分子中に残留する未反応モノマーは、速やかに加水分解され、その加水分解生成物は、高分子の分解を促進させる。あるいは、モノマーの加水分解により生成した物質が高分子に可塑性を与えることで高分子のガラス転移温度(Tg)又は融点(Tm)を低下させるため、高分子の物理的性質が残留モノマーの含量によって変わることが報告されている。したがって、高分子の物性を安定的に維持するためには、残留する未反応モノマーを除去する必要がある。一般に、残留モノマーは、加熱及び減圧乾燥(vacuum drying)により除去される。高分子中の残留モノマーの最終含量は、0.5wt%以下であることが好ましい。しかし、減圧乾燥によりモノマー除去をする間、モノマーは高分子中の微量の水により加水分解される。これは、高分子の分解をもたらし、乾燥後、高分子の物性変化が観測される理由となり得る。
特許文献1では、高分子量のPLLAから残留モノマーを除去するために、アセトンを用いた固液(solid−liquid)抽出法が採用されており、高分子の物理的性質を変えることなくモノマーを除去できることが開示されている。しかし、このような方法は、高分子量及び高結晶性を有するPLLAのような高分子にしか適用できず、PDLLA、PLDLLA、PLGAのようなアセトンに溶解してしまう非晶質高分子には適用することができない。
特許文献2は、高分子を有機溶媒に溶解し、そこにアルカリ金属塩水溶液を加え、液−液抽出によってモノマーを水溶液層に移動させて除去し、次いで高分子が含まれた有機層を再沈殿させて高分子を得る方法を紹介している。しかし、この方法は、一旦高分子を溶解した後、モノマーを除去する必要があり、次いで高分子を再沈殿させなければならないという不便があった。
米国特許 第5319038号 韓国特許 第10−1119861号
本発明の目的は、結晶性生分解性高分子であるPLLAだけでなく、非結晶性(amorphous)特徴を有するPDLLA、PLDLLA、PLLGAなどの生分解性高分子を溶解させることなく、高分子に含まれた未反応モノマーのみを有機溶媒に溶解させ、固液抽出法により残留モノマーを除去して、超高純度の生分解性高分子を得る方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、(1)固体状態の生分解性高分子を第2級アルコール、第3級アルコール又はこれらの混合物と接触させ、固液抽出法により前記生分解性高分子から残留モノマーを抽出する工程;及び(2)前記生分解性高分子から抽出されたモノマーを除去する工程;を含む、生分解性高分子の精製方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、1H NMRで測定したときに、残留モノマーの含量が0.5%(w/w)以下である、前記方法に従って精製又は製造される生分解性高分子を提供する。
本発明によれば、高分子の物性を低下させることなく簡単、且つ効率的に高分子に残留する未反応モノマーを除去することにより、超高純度の結晶性又は非結晶性生分解性高分子(例えば、ポリ乳酸又はその誘導体)を製造することができる。
本発明の実施例3において、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLLA)をイソプロパノール(IPA)で処理前(上)と処理後(下)に測定されたプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)である。
以下で、本発明を詳細に説明する。
本発明において、用語「生分解性高分子」とは、優れた生体適合性を有し、乳酸又はグリコール酸のような人体に無害な成分に分解される高分子を意味する。
一実施形態では、前記生分解性高分子は、α−ヒドロキシ酸(alpha−hydroxyl acid)を単位とする、特に乳酸(lactic acid)及び/又はグリコール酸(glycolic acid)を構成単位とする脂肪族ポリエステルであってもよい。
一実施形態では、前記生分解性高分子は、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、又は乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)であってもよい。
一実施形態では、前記生分解性高分子は、ポリ乳酸又はポリ乳酸誘導体であってもよい。
一実施形態では、前記ポリ乳酸誘導体は、例えば、ポリグリコリド、ポリマンデル酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサン−2−オン、ポリアミノ酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物及びこれらの共重合体よりなる群から選ばれる一つ以上であってもよい。より具体的には、ポリ乳酸誘導体は、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、又はポリジオキサン−2−オンである。
一実施形態では、前記生分解性高分子は、ポリ−L−乳酸(PLLA)、ポリ−D−乳酸(PDLA)、ポリ−D,L−乳酸(PDLLA)、ポリ(L−ラクチド−co−D,L−ラクチド)(PLDLLA)、ポリグリコール酸(PGA)、L−乳酸−グリコール酸共重合体(PLLGA)及びD,L−乳酸−グリコール酸共重合体(PDLLGA)よりなる群から選ばれる一つ以上であってもよい。
一実施形態では、前記生分解性高分子は、ポリ乳酸、乳酸とグリコール酸との共重合体、乳酸とカプロラクトンとの共重合体及び乳酸と1,4−ジオキサン−2−オンとの共重合体よりなる群から選ばれる一つ以上であってもよい。
用語「ポリ乳酸」又は「ポリ乳酸誘導体」は、文脈上、明らかにそうでないと示さない限り、ポリ乳酸及びポリ乳酸誘導体をまとめて総称する概念であり、ポリ乳酸とポリ乳酸誘導体との精製方法に違いはない。
一実施形態では、前記生分解性高分子の数平均分子量は、例えば1,000〜500,000ダルトン、さらに具体的には、10,000〜300,000ダルトンであってもよいが、これらに限定されない。本発明による精製方法は、低分子量の生分解性高分子(例えば、ポリ乳酸又はその誘導体)だけでなく、高分子量の生分解性高分子にも適用することができる。
本発明では、固体状態の前記生分解性高分子を第2級アルコール又は第3級アルコール、又はこれらの混合物と接触させ、固液抽出法によって前記生分解性高分子から残留モノマーを除去する。
本発明では、PLLAなどの結晶性ポリマーだけでなく、PDLLA、PLDLLA、PLGAなどの非晶質高分子、低分子量を有する高分子から高分子量を有する高分子までほとんどのポリ乳酸及びその誘導体を含む生分解性高分子を溶解せずに、固液抽出によって残留モノマーを除去する。
非晶質高分子は、有機溶媒に対する耐性が弱く、ほとんどの非プロトン性(aprotic)溶媒に可溶性である傾向がある。したがって、非晶質高分子を溶解させない溶媒として、プロトン性(protic)溶媒であるアルコール類が考慮される。しかし、未反応モノマーを残存させたまま高分子をアルコール類に露出すると、アルコールのヒドロキシ基による環状モノマーの開環反応(ring−opening)が起こり、開環反応の生成物が高分子の分解を促進させる。これは、高分子の物性が水分により低下するという前述と同じメカニズムである。
そこで、本発明では、モノマー除去時のモノマーの加水分解による高分子の分解を抑制するために、残留するモノマーとは反応し難い第2級アルコール(ヒドロキシ基が第2級炭素に結合したアルコール化合物)、第3級アルコール(ヒドロキシ基が第3級炭素に結合したアルコール化合物)又はこれらの混合物が用いられる。第2級アルコール及び第3級アルコールは、第1級アルコールと比較して立体障害効果によってラクチドモノマーの開環反応を引き起こすことが困難であるため、モノマー除去工程中の高分子の分解を抑制できると考えられる。
一実施形態では、前記第2級アルコール又は第3級アルコールは、炭素数3以上(例えば、3〜10、又は3〜6、又は3〜5)の直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族の第2級アルコール又は第3級アルコールであってもよい。
一実施形態では、前記第2級アルコールはイソプロパノール(IPA、イソプロピルアルコールとも呼ばれる)、2−ブタノール及び3−ペンタンオールからなる群から選ばれる一つ以上であってもよく、より具体的には、イソプロパノールであってもよい。
一実施形態では、前記第3級アルコールは、tert−ブタノール及びtert−アミルアルコールからなる群から選ばれる一つ以上であってもよく、より具体的には、tert−ブタノールであってもよい。
本発明で使用される固液抽出法は、固体状態の処理対象(即ち、固体状態の生分解性高分子)を、前記処理対象は溶解しないが、それから除去されるべき不純物成分(即ち、残留モノマー)は溶解する抽出溶媒(即ち、第2級アルコール又は第3級アルコール)を混合して接触させた後、ろ過により抽出溶媒中に不純物を残したまま、固体成分のみを回収することによって、固体の処理対象から不純物成分を除去する方法を意味する。
一実施形態では、前記第2級アルコール又は第3級アルコール:生分解性高分子の混合割合は、1:1〜1:100(w/v)であり、より具体的には1:2〜1:10(w/v)であってもよい。
一実施形態では、前記生分解性高分子中に残留する未反応モノマーを第2級アルコール又は第3級アルコールで抽出するための時間は、0.5〜24時間であり、より具体的には4〜12時間であってもよい。
一実施形態では、前記生分解性高分子に残留する未反応モノマーを第2級アルコール又は第3級アルコールで抽出する時の温度は、0〜90℃であり、より具体的には25〜60℃であってもよい。
一実施形態では、前記生分解性高分子中に残留する未反応モノマーを第2級アルコール又は第3級アルコールで抽出する工程は、1回以上20回未満繰り返すことができ、具体的には2回〜5回繰り返すことができる。高分子を抽出溶媒から分離するための洗浄及びろ過は毎回行われる。ろ過後に得られた固体高分子チップ又はペレットをオーブン中で減圧乾燥(vacuum drying)して残留溶媒を除去する。減圧乾燥中のオーブンの温度は、20〜120℃、より具体的には40〜90℃であってもよい。乾燥時間は、1日以上、より具体的には2〜10日であってもよい。
したがって、本発明による生分解性高分子の精製方法及び製造方法は、固液抽出法で得られた混合物をろ過することによって固体状態の高分子を回収する工程、及び回収された高分子を減圧乾燥する工程をさらに含むことができる。
本発明により生分解性高分子を精製又は製造すると、H NMRによる測定で残留モノマーが検出されない(即ち、残留モノマー含量がN.D.(Not detected)である)超高純度の生分解性高分子を得ることができる。したがって、本発明の別の態様によれば、1H NMRによる測定の際の残留モノマーが0.5%(w/w)以下である、本発明の精製方法又は製造方法に従って精製又は製造された生分解性高分子が提供される。
本発明を、以下の実施例によってさらに詳細に説明する。ただし、これらの実施例は本発明を例示することのみを目的としており、本発明の範囲はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
減圧乾燥によるモノマーの除去及び第1級アルコールを用いた固液抽出法によるモノマー除去方法の有効性を確認するために、以下の比較例1〜4を行った。
比較例1:減圧乾燥によるPLLAからの残留モノマーの除去
1kgのPLLAをステンレス鋼製のトレイに入れ、そのトレイをオーブンに入れた。オーブンの温度を20℃に設定し、約1時間減圧乾燥した。その後、オーブンの温度を40℃に上げ、4〜12時間乾燥した後、オーブンの温度を最終的に90℃に上げ、10日間乾燥した。減圧乾燥によるモノマー除去が完了した後、試料をオーブンから取り出し、1H NMR及びIV(固有粘度、inherent viscosity)を測定した。IV測定は、ウベローデ(Ubelohde)粘度管を用いて、クロロホルム(CHCl3)溶媒中、25℃、c=0.1g/dLの条件で行った。1H NMRにより測定した残留モノマー含量変化及びIVの測定結果を下記表1に示す。
比較例2:減圧乾燥によるPDLLAからの残留モノマーの除去
1kgのPDLLAをステンレス鋼製のトレイに入れ、そのトレイをオーブンに入れた。オーブンの温度を20℃に設定し、約1時間減圧乾燥した。その後、オーブンの温度を40℃に上げ、4〜12時間乾燥した後、最終的に80℃に上げ、10日間乾燥した。減圧乾燥によるモノマー除去が完了した後、試料をオーブンから取り出し、1H NMR及びIVを測定した。1H NMRにより測定した残留モノマー含量変化及びIVの測定結果を下記表1に示す。
比較例3:メタノールを用いることによるPLLAからの残留モノマーの除去
10gのPLLAチップをフラスコに入れ、無水メタノール20mLを加えた。得られた混合溶液を室温で約4時間撹拌又は放置した。次いで、メタノールを除去し、新たなメタノールと交換した。この過程を計4回行った後、メタノールをろ過し、得られたPLLAチップをオーブンで乾燥した。乾燥温度は40℃、乾燥時間は4〜12時間であった。メタノール乾燥が完了した後、試料をオーブンから取り出し、1H NMR及びIVにより測定した。1H NMRにより測定した残留モノマー含量変化及びIVの測定結果を下記表1に示す。
比較例4:エタノールを用いることによるPDLLAからの残留モノマーの除去
10gのPDLLAチップをフラスコに入れ、無水エタノール20mLを加えた。得られた混合溶液を室温で約4時間撹拌又は放置した。次いで、エタノールを除去し、新たなエタノールと交換した。この過程を計4回行った後、エタノールをろ過し、得られたPDLLAチップをオーブンで乾燥した。乾燥温度は40℃、乾燥時間は4〜12時間であった。エタノール乾燥が完了した後、試料をオーブンから取り出し、1H NMR及びIVにより測定した。1H NMRにより測定した残留モノマー含量変化及びIVの測定結果を下記表1に示す。
Figure 0006781331
表1に示すように、減圧乾燥によりモノマー除去したPLLA試料(比較例1)は、依然としてモノマーが残留している。乾燥前と比較して、IVが15%減少したことも観察された。比較例2においても同様の結果が得られた。即ち、減圧乾燥後もモノマーが残留し、IVの低下が観察された。
メタノールを用いた固液抽出法によるモノマー除去を試みた比較例3では、メタノール処理した後にIVが低下したことは注目に値する。エタノールを用いた固液抽出法を行った比較例4の場合も同様にIVの低下が観測された。これは、第1級アルコールによるモノマーの開環反応及びそれに続く高分子の分解によるものと推測される。
次に、下記実施例1〜3において、第2級アルコール又は第3級アルコールを用いてモノマーの除去を行った。
実施例1:イソプロパノールを用いることによるPLDLLA70/30からの残留モノマーの除去
10gのPLDLLA70/30(L−ラクチド:D,L−ラクチドモル比=70:30)をフラスコに入れ、イソプロピルアルコール100mLを加え、撹拌した。撹拌中のフラスコ内の温度は60℃に設定した。約1〜4時間撹拌した後、イソプロパノールをろ過により除去し、同量の新たなイソプロパノールと交換した。この過程を計4回行った。最終的に、ろ過により得られたPLDLLA70/30チップを減圧乾燥により残留溶媒を除去した。イソプロパノールを除去するために、オーブンの温度を40〜80℃に設定した。イソプロパノールが完全に乾燥した後、試料をオーブンから取り出し、1H NMR及びIVにより測定した。1H NMRにより測定した残留モノマー含量変化及びIVの測定結果を下記表2に示す。
実施例2:tert−ブタノールを用いることによるPDLLAからの残留モノマーの除去
10gのPDLLAをフラスコに入れ、tert−ブタノール100mLを加え、撹拌した。撹拌中のフラスコ内の温度は40℃に設定した。約1〜4時間撹拌した後、tert−ブタノールをろ過により除去し、同量の新たなtert−ブタノールと交換した。この工程を計4回行った。最終的に、ろ過により得られたPDLLAチップを減圧乾燥により残留溶媒を除去した。tert−ブタノールを除去するために、オーブンの温度を40〜80℃に設定した。tert−ブタノールが完全に乾燥した後、試料をオーブンから取り出し、1H NMR及びIVにより測定した。1H NMRにより測定した残留モノマー含量変化及びIVの測定結果を下記表2に示す。
実施例3:イソプロパノールを用いることによるPDLLAからの残留モノマーの除去
10gのPDLLAをフラスコに入れ、イソプロパノール100mLを加え、撹拌した。撹拌中のフラスコ内の温度は50℃に設定した。約1〜4時間撹拌した後、イソプロパノールをろ過により除去し、同量の新たなイソプロパノールと交換した。この工程を計4回行った。最終的に、ろ過により得られたPDLLAチップを減圧乾燥により残留溶媒を除去した。イソプロパノールを除去するために、オーブンの温度を40〜80℃に設定した。イソプロパノールが完全に乾燥した後、試料をオーブンから取り出し、1H NMR及びIVにより測定した。1H NMRにより測定した残留モノマー含量変化及びIVの測定結果を下記表2に示す。また、モノマーを除去する前後の1H NMRスペクトルを図1に示す。
Figure 0006781331
表2に示すように、実施例1〜3のように第2級アルコール又は第3級アルコールを用いた固液抽出法によりモノマーを除去したところ、IV低下などの物性の低下は観測されなかった。特に、実施例1と同様に、IPAを用いて60℃に加熱して抽出を行った場合、残留するモノマーを完全に除去できることが確認された。これにより、第2級アルコール又は第3級アルコールを用いた固液抽出によるモノマーの除去方法が有効であることが確認された。

Claims (5)

  1. (1)固体状態の生分解性高分子を第2級アルコール、第3級アルコール又はこれらの混合物と接触させ、固液抽出法により前記生分解性高分子から残留モノマーを抽出する工程;及び
    (2)前記生分解性高分子から抽出された前記モノマーを除去する工程;を含み、
    前記生分解性高分子が、ポリ−D,L−乳酸(PDLLA)、またはポリ(L−ラクチド−co−D,L−ラクチド)(PLDLLA)であり、
    前記第2級アルコールがイソプロパノールであり、前記第3級アルコールがtert−ブタノールである生分解性高分子の精製方法。
  2. 前記生分解性高分子の数平均分子量が1,000〜500,000である請求項1に記載の生分解性高分子の精製方法。
  3. 前記第2級アルコール又は第3級アルコール:前記生分解性高分子の混合割合が1:1〜1:100(w/v)である請求項1または2に記載の生分解性高分子の精製方法。
  4. 前記第2級アルコール、第3級アルコール又はこれらの混合物で前記生分解性高分子から残留モノマーを抽出するための時間が0.5〜24時間である請求項1〜のいずれか1項に記載の生分解性高分子の精製方法。
  5. 前記第2級アルコール、第3級アルコール又はこれらの混合物で前記生分解性高分子から残留モノマーを抽出するための温度が0〜90℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載の生分解性高分子の精製方法。
JP2019503919A 2016-07-25 2017-07-06 生分解性高分子の精製方法 Active JP6781331B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2016-0094321 2016-07-25
KR1020160094321A KR102126984B1 (ko) 2016-07-25 2016-07-25 생분해성 고분자의 정제 방법
PCT/KR2017/007232 WO2018021719A1 (ko) 2016-07-25 2017-07-06 생분해성 고분자의 정제 방법

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019523324A JP2019523324A (ja) 2019-08-22
JP6781331B2 true JP6781331B2 (ja) 2020-11-04

Family

ID=61017151

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019503919A Active JP6781331B2 (ja) 2016-07-25 2017-07-06 生分解性高分子の精製方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20190270848A1 (ja)
EP (1) EP3489277A4 (ja)
JP (1) JP6781331B2 (ja)
KR (1) KR102126984B1 (ja)
CN (1) CN109476834A (ja)
WO (1) WO2018021719A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021252594A1 (en) 2020-06-11 2021-12-16 Nippon Shokubai Co., Ltd. Polyesters prepared from 1,1-diester-1-alkenes containing a strong acid and stabilizer

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4643734A (en) * 1983-05-05 1987-02-17 Hexcel Corporation Lactide/caprolactone polymer, method of making the same, composites thereof, and prostheses produced therefrom
JPH06116381A (ja) * 1992-10-09 1994-04-26 Mitsui Toatsu Chem Inc ポリヒドロキシカルボン酸の精製方法
US5319038A (en) 1993-02-09 1994-06-07 Johnson & Johnson Orthopaedics, Inc. G35 Process of preparing an absorbable polymer
JPH08245779A (ja) * 1995-03-13 1996-09-24 Dainippon Ink & Chem Inc 乳酸系ポリマーの精製方法
US5612052A (en) * 1995-04-13 1997-03-18 Poly-Med, Inc. Hydrogel-forming, self-solvating absorbable polyester copolymers, and methods for use thereof
US6413539B1 (en) * 1996-10-31 2002-07-02 Poly-Med, Inc. Hydrogel-forming, self-solvating absorbable polyester copolymers, and methods for use thereof
JP3328145B2 (ja) * 1995-10-19 2002-09-24 三井化学株式会社 重縮合系重合体の製造方法
JP3439304B2 (ja) * 1996-08-06 2003-08-25 株式会社島津製作所 生分解性ポリエステルの製造方法
JP3861500B2 (ja) * 1998-04-23 2006-12-20 大日本インキ化学工業株式会社 生分解性ポリエステルからなる自己水分散性粒子の製法
JP2001031762A (ja) * 1999-07-21 2001-02-06 Sharp Corp 乳酸系生分解性重合体
JP2002173535A (ja) * 2000-12-05 2002-06-21 Unitika Ltd 生分解性ポリエステル樹脂水分散体の製造方法
JP5334360B2 (ja) * 2006-06-28 2013-11-06 グンゼ株式会社 金属触媒の含有量が少ない生体内分解吸収性高分子の製法
US8076448B2 (en) * 2006-10-11 2011-12-13 Tolmar Therapeutics, Inc. Preparation of biodegradable polyesters with low-burst properties by supercritical fluid extraction
JP2009256668A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Jms Co Ltd ポリマーの精製方法およびそれを用いたポリマーの製造方法
DE102008051579A1 (de) * 2008-10-14 2010-04-15 Rhodia Acetow Gmbh Biologisch abbaubarer Kunststoff und Verwendung desselben
AU2009311895B2 (en) 2008-11-07 2013-05-23 Samyang Holdings Corporation Highly purified polylactic acid or a derivative thereof, a salt of the same, and purification method thereof
CN104136012B (zh) * 2012-02-29 2019-07-12 默克专利股份有限公司 制备装载有活性物质的纳米颗粒的方法
JP5769833B2 (ja) * 2014-02-03 2015-08-26 三井化学株式会社 ブロー成型品
CN105504235B (zh) * 2014-09-26 2018-05-25 中国科学院大连化学物理研究所 一种利用纤维素生产纤维素接枝聚乳酸共聚物的方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP3489277A1 (en) 2019-05-29
KR102126984B1 (ko) 2020-06-26
CN109476834A (zh) 2019-03-15
JP2019523324A (ja) 2019-08-22
KR20180011918A (ko) 2018-02-05
WO2018021719A1 (ko) 2018-02-01
EP3489277A4 (en) 2020-03-11
US20190270848A1 (en) 2019-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100818950B1 (ko) 환상 에스테르의 제조방법 및 정제방법
Hernández et al. Poly (ε-caprolactone) degradation under acidic and alkaline conditions
JPWO2005090438A1 (ja) 残留環状エステルの少ない脂肪族ポリエステルの製造方法
CA2742361C (en) Highly purified polylactic acid or a derivative thereof, a salt of the same, and purification method thereof
JP2007070413A (ja) ポリ乳酸組成物およびその製造方法
CN110511205B (zh) 一种高纯度乙交酯的制备方法
JP6781331B2 (ja) 生分解性高分子の精製方法
JP5150074B2 (ja) ポリ乳酸およびその製造方法
RU2699801C1 (ru) Способ очистки лактида
JP6917467B2 (ja) 低コストで高分子量と高溶解性を有するポリグリコール酸の合成
JP7116169B2 (ja) 乳酸-グリコール酸共重合体及びその製造方法
KR20190053168A (ko) 생분해성 고분자의 정제 방법
JP7374081B2 (ja) 改善された再吸収性ポリマーの精製方法
JP3273821B2 (ja) ポリヒドロキシカルボン酸の精製法
JP3520609B2 (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP3248595B2 (ja) 脂肪族ポリエステルの製造法
JP2022506551A (ja) 固体残留物の少ないグリコリドの製造
CN110563695A (zh) 一种乙交酯和丙交酯的混合物的制备方法
KR101809663B1 (ko) 알킬 프로피오네이트와 물 혼합용매를 이용한 광학순도가 향상된 락타이드의 제조방법
RU2802821C1 (ru) Способ очистки полигликолида и его сополимеров с высоким содержанием гликолида
KR102198137B1 (ko) 해중합촉매로서 금속아황산염을 이용하는 락타이드의 제조방법
RU2695998C1 (ru) Способ каталитического синтеза лактида в присутствии неорганических добавок
JP2004331782A (ja) ポリエステルの製造方法
Horváth et al. EXPERIMENTAL OVERVIEW OF STANDARD POLYCONDENSATION AND RING OPENING POLYMERIZATION METHODS OF PLLA
WO1997031049A1 (fr) Procede d'elaboration d'acide polyhydroxycarboxylique

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6781331

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250