JP2000026588A - ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法

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JP2000026588A
JP2000026588A JP10193186A JP19318698A JP2000026588A JP 2000026588 A JP2000026588 A JP 2000026588A JP 10193186 A JP10193186 A JP 10193186A JP 19318698 A JP19318698 A JP 19318698A JP 2000026588 A JP2000026588 A JP 2000026588A
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acid
hydroxy
isopropyl alcohol
polymer
polyhydroxycarboxylic
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Kenichi Goto
謙一 後藤
Yukihiro Kumamoto
行宏 熊本
Katsuji Watanabe
勝治 渡辺
Masaji Tamai
正司 玉井
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量産可能なプロセスで、高品質のポリヒドロ
キシカルボン酸を製造する方法の提供。 【解決手段】 ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
のオリゴマーにハロイミニウム塩を作用させることによ
って得られるポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液
を、有機溶媒に対し0.5〜1.5重量倍量のイソプロ
ピルアルコールとともに、混練機構を有する装置中に供
給して混合し、ポリマーの重量分率が12.5〜18.
0%の湿潤状態の固体を得て、該固体をイソプロピルア
ルコールで洗浄するポリヒドロキシカルボン酸の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用材料び汎用
樹脂代替の生分解性ポリマーとして有用なポリヒドロキ
シカルボン酸に関し、ハロイミニウム塩を用いて得られ
るポリヒドロキシカルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリヒドロキシカルボン酸は機械的性
質、物理的性質、化学的性質に優れている上に、他に害
を与えることなく自然環境下で分解され、最終的には微
生物によって水と炭酸ガスになるという生分解性の機能
を有しており、近年医療用材料や、汎用樹脂代替等、様
々な分野で注目されており、今後もその需要が大きく伸
びることが期待されている。特に、既存の汎用樹脂製品
に関してリサイクルが義務づけられるようになると、生
分解性ポリマーへの代替が進むことが予測され、飲料
品、洗剤、化粧品用の各種容器類、衣類、雑貨等の収納
ケース、食品こん包材、被覆用フィルムなどの用途に需
要が大きくなると見込まれる。
【0003】通常、ポリヒドロキシカルボン酸の製造方
法としては、モノマーの環状二量体、例えば乳酸であれ
ばラクチドを合成した後精製し、各種触媒の存在下、開
環溶融重合することで高分子量のポリマ−が得られるこ
とが知られている(米国特許明細書第2,703,31
6、同第2,758,987)。これらの方法は、環状
二量体であるラクチドの製造に際して多大の労力と費用
を必要とするため経済的でなく、最終的な製品が高価な
ものとなってしまう。
【0004】一方、ヒドロキシカルボン酸及びそのオリ
ゴマ−から直接脱水法によって、ポリヒドロキシカルボ
ン酸を得る方法が幾つか開示されている(特開昭59−
096123号、特開昭61−028521号)。しか
しながら、これらの方法では得られる該ポリマ−の固有
粘度は約0.3dl/g程度が限界で十分な機械物性を
有さず、その用途、目的によっては使用できない。ヒド
ロキシカルボン酸の直接重合法は、二塩基酸と多価アル
コ−ルによるエステル化反応と同様に逐次反応であり、
反応時間と共に分子量は増大するが、この際生成する水
分子は、加水分解作用による逆反応により、重縮合体の
分子量を低下させる作用を有するので、生成する水分を
系外へ効率よく除去することが高分子量ポリマ−を得る
ために必要である。その方法としては、反応時に撹拌速
度を高める方法、減圧度を高める方法、不活性ガスを反
応系に導入し水を揮散させる方法、等があるが、分子量
の増大と共に反応系の粘度が著しく上昇するため水分除
去効率にも限界があり、所望の機械物性を有する高分子
量のポリヒドロキシカルボン酸とするのに非常に長い処
理時間を要する問題や、理論的な限界分子量に到達させ
るのが困難であるといった問題が残されていた。
【0005】既存の汎用樹脂製品の代替用としては、従
来の技術で得られるポリヒドロキシカルボン酸は未だ高
価格であることが大きな問題であり、量産が可能なプロ
セスで効率的に生分解性ポリマーを製造することは重要
な課題となっている。
【0006】そして、近年新たにヒドロキシカルボン酸
にハロイミニウム塩を作用させて重合を行いポリヒドロ
キシカルボン酸を得る方法が見いだされた(特開平10
−152550号公報)。この方法は、ヒドロキシカル
ボン酸のカルボキシル基をハロイミニウム塩によりハロ
ゲン化して酸ハライドを生成する反応と、次いで起こる
酸ハライドとヒドロキシル基の反応よりなる。これによ
り、前記の方法に比較して単純な操作で容易にポリヒド
ロキシカルボン酸を得ることが可能となった。
【0007】しかし、ハロイミニウム塩を用いて重合を
行う場合、ハロイミニウム塩が反応した後に生成するア
ミド類、ウレア類、イミダゾリジノン類が反応液中に混
在することになる。また、反応に有機塩基を使用する場
合はその塩も混在する。これらの化合物がポリマー中に
残存する場合、加工段階の熱処理時に色調の悪化をもた
らすことがある。従って、該化合物を分離してポリヒド
ロキシカルボン酸を単離することが望まれる。通常考え
られる分離方法としては、反応液から該化合物を揮発さ
せる方法、そして、ポリマーを析出させて洗浄し該化合
物を除去する方法がある。しかし、反応液を濃縮して該
化合物を揮発させて除こうとする場合、該化合物は沸点
が高いものが多いため、濃縮条件も高温となり、処理時
に色調が悪化してしまうことがあった。また、ポリマー
を析出させて単離する場合には、ポリマー中に残存する
該化合物を十分に洗浄除去することが困難であったり、
未析出分がロスするなど生産性の点で満足のいくもので
はなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技
術では、量産可能なプロセスで、高品質のポリヒドロキ
シカルボン酸を製造する方法が確立されておらず、解決
が求められていた。本発明は、この課題を解決しようと
するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】本発明者等は、量産可能なプロセスで、高
品質のポリヒドロキシカルボン酸を製造する方法を提供
することを課題とし鋭意検討した。その結果、驚くべき
ことに、ハロイミニウム塩を作用させることにより得ら
れるポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液にイソプ
ロピルアルコールを特定の条件で混合してポリヒドロキ
シカルボン酸を析出させ、さらにイソプロピルアルコー
ルでの洗浄を行うことにより、高い生産性で高品質のポ
リヒドロキシカルボン酸を製造できることを見いだし本
発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明はヒドロキシカルボン酸およ
び/またはそのオリゴマーにハロイミニウム塩を作用さ
せることによって得られるポリヒドロキシカルボン酸の
有機溶媒溶液を、有機溶媒に対し0.5〜1.5重量倍
量のイソプロピルアルコールとともに、混練機構を有す
る装置中に供給して混合し、ポリマーの重量分率が1
2.5〜18.0%の湿潤状態の固体を得て、該固体を
イソプロピルアルコールで洗浄することを特徴とするポ
リヒドロキシカルボン酸の製造方法であり、ヒドロキシ
カルボン酸が乳酸である前記のポリヒドロキシカルボン
酸の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるヒドロキシカ
ルボン酸の具体例としては、以下のものが上げられる。
グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシブタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシペンタノイックアシッド、2−ヒ
ドロキシヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシヘプ
タノイックアシッド、2−ヒドロキシオクタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルブタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−エチルブタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−メチルペンタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−エチルペンタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−プロピルペンタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルペンタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘキサノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘキサノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘキサノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘキサノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘプタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘプタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルヘプタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−メチルオクタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−エチルオクタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルオクタノ
イックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルオクタノ
イックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルオクタ
ノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオク
タノイックアシッド、3−ヒドロキシプロパノイックア
シッド、3−ヒドロキシブタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシペンタノイックアシッド、3−ヒドロキシヘキ
サノイックアシッド、3−ヒドロキシヘプタノイックア
シッド、3−ヒドロキシオクタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−メチルブタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−メチルペンタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−エチルペンタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−メチルヘキサノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−エチルヘキサノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−プロピルヘキサノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−メチルヘプタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−エチルヘプタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−プロピルヘプタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−ブチルヘプタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−メチルオクタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−エチルオクタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−プロピルオクタノイックアシッド、
3−ヒドロキシ−3−ブチルオクタノイックアシッド、
3−ヒドロキシ−3−ペンチルオクタノイックアシッ
ド、4−ヒドロキシブタノイックアシッド、4−ヒドロ
キシペンタノイックアシッド、4−ヒドロキシヘキサノ
イックアシッド、4−ヒドロキシヘプタノイックアシッ
ド、4−ヒドロキシオクタノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−メチルペンタノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−メチルヘキサノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−エチルヘキサノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−メチルヘプタノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−エチルヘプタノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−プロピルヘプタノイックアシッド、4−ヒ
ドロキシ−4−メチルオクタノイックアシッド、4−ヒ
ドロキシ−4−エチルオクタノイックアシッド、4−ヒ
ドロキシ−4−プロピルオクタノイックアシッド、4−
ヒドロキシ−4−ブチルオクタノイックアシッド、5−
ヒドロキシペンタノイックアシッド、5−ヒドロキシヘ
キサノイックアシッド、5−ヒドロキシヘプタノイック
アシッド、5−ヒドロキシオクタノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−メチルヘキサノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−メチルヘプタノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−エチルヘプタノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−メチルオクタノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−エチルオクタノイックアシッド、5
−ヒドロキシ−5−プロピルオクタノイックアシッド、
6−ヒドロキシヘキサノイックアシッド、6−ヒドロキ
シヘプタノイックアシッド、6−ヒドロキシオクタノイ
ックアシッド、6−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイ
ックアシッド、6−ヒドロキシ−6−メチルオクタノイ
ックアシッド、6−ヒドロキシ−6−エチルオクタノイ
ックアシッド、7−ヒドロキシヘプタノイックアシッ
ド、7−ヒドロキシオクタノイックアシッド、7−ヒド
ロキシ−7−メチルオクタノイックアシッド、8−ヒド
ロキシオクタノイックアシッド等の脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸が挙げられる。これらは単独でも或は二種以上
混合して用いてもよい。特に好ましく用いられるヒドロ
キシカルボン酸は、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキ
シブタノイックアシッド、4−ヒドロキシブタノイック
アシッド、3−ヒドロキシペンタノイックアシッド、ま
たはそれらの混合物である。
【0012】本発明方法では前述のヒドロキシカルボン
酸から誘導されるオリゴマーを原料として用いることも
出来る。オリゴマーの製法としては、ヒドロキシカルボ
ン酸を単に窒素雰囲気下で加熱脱水する方法で良く、オ
リゴマーの平均重合度はいかなるものであっても良いの
で、縮合水が系外へ除去されるのであれば製法の条件に
特に制約はない。
【0013】本発明に使用されるハロイミニウム塩は、
下式(1)
【化1】 (式中X1、X2はハロゲン原子を表し同一であっても異
なっていてもよい。)で表される構造を分子内に含有し
ている化合物であり、環状化合物であってもなくても、
上記構造さえ有している化合物であれば何ら問題ない。
一般的なハロイミニウム塩としては、N,N−ジメチル
クロロメチレンイミニウムクロライド、N,N−ジフェ
ニルクロロフェニルメチレンイミニウムクロライド、
N,N−ジフェニルクロロ−p−メトキシフェニルメチ
レンイミニウムクロライド、N,N,N’,N’−テト
ラメチルクロロホルムアミジニウムクロライド、N,
N,N’,N’−テトラエチルクロロホルムアミジニウ
ムクロライド、N,N,N’,N’−テトラブチルクロ
ロホルムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−
N’,N’−ジプロピルクロロホルムアミジニウムクロ
ライド、N,N−ジエチル−N’,N’−ジアリルクロ
ロホルムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−
N’,N’−ジブチルクロロホルムアミジニウムクロラ
イド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム
クロライド、2−クロロ−1,3−ジエチルイミダゾリ
ニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジプロピルイ
ミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジブ
チルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3
−ジヘキシルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ
−1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリニウムクロライ
ド、2−クロロ−1,3−ジフェニルイミダゾリニウム
クロライド、2−クロロ−1,3−ジメチル−3,4,
5,6−テトラヒドロピリミジニウムクロライド等のク
ロライド類が挙げられるがフルオライド類、ブロマイド
類、アイオダイド類でも同様に使用できる。またこれら
ハロイミニウム塩は、粉体として使用することもできる
し、適当な溶剤に溶解または懸濁させた状態においても
なんら問題なく使用することができ、数種のハロイミニ
ウム塩を併用することもできる。
【0014】本発明において使用されるハロイミニウム
塩の使用量は、反応させる乳酸および/またはそのオリ
ゴマーのカルボキシル基に対し、等モル以上、好ましく
は1.1倍モル〜2倍モルである。ハロイミニウム塩が
カルボキシル基に対し、等モルより少ない場合、残存し
たカルボキシル基が反応停止末端となる。
【0015】本発明方法でハロイミニウム塩を作用させ
る方法でポリヒドロキシカルボン酸を製造する場合、重
合反応は、ハロゲン化水素を放出しながら進行するの
で、これを速やかに完結させるためには反応系内のハロ
ゲン化水素を除去する必要がある。ハロゲン化水素の除
去方法としては、加熱によりハロゲン化水素ガスとして
除去する方法や、有機塩基を用いて塩の形で系外に除去
する方法が一般的である。有機塩基を用いて系内のハロ
ゲン化水素を中和する場合、用いられる有機塩基として
は、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコ
リン、キノリン、イソキノリン、N,N−ジメチルピペ
ラジン、N,N−ジエチルピペラジン、キナルジン、2
−エチルピリジン、4−エチルピリジン、3,5−ルチ
ジン、2,6−ルチジン、4−メチルモルホリン、4−
エチルモルホリン、2,4,6−コリジン等が挙げられ
る。また、これらを併用することも可能である。
【0016】本発明において使用される、塩基の使用量
は、反応により生成し得るハロゲン化水素に対して化学
量論量以上であれば問題ないが、通常化学量論量に対し
て1〜5倍量用いる。好ましくは1.1〜3倍量であ
る。
【0017】本発明において、反応に使用される有機溶
媒は、反応中の条件でポリマーを溶解し、単離時に高収
率でポリマーを得ることのできるものが求められる。溶
媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、
メシチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンが
挙げられる。
【0018】本発明方法でハロイミニウム塩を作用させ
てポリヒドロキシカルボン酸を製造する際の反応温度
は、0℃以上100℃以下が好ましい。100℃を超え
る温度では、原料またはポリマー鎖末端のヒドロキシ基
がハロゲン原子に置換される副反応が起こるため好まし
くない。一方、0℃よりも低い温度での反応も可能では
あるが、0℃よりも低い温度での反応は冷媒を必要と
し、不経済である。
【0019】得られたポリヒドロキシカルボン酸の有機
溶媒溶液を、イソプロピルアルコールとともに、混練機
構を有する装置中に供給して混合するに際して、イソプ
ロピルアルコールの使用量は、反応に使用した有機溶媒
に対し0.5〜1.5重量倍量である。イソプロピルア
ルコールの量が該範囲より少ない場合は、ポリマーが十
分に析出しない状況になることがあり好ましくない。イ
ソプロピルアルコールの量が該範囲より多すぎる場合
は、混練機での均質な混合が困難になり後の精製に影響
を及ぼす為好ましくない。また、混練して得られる湿潤
状態の固体は、ポリマーの重量分率が12.5〜18.
0%であることが必要である。ポリマーの重量分率がこ
の範囲より低い場合はスラリー状態になり、混練機での
均質な混合が困難になる。該範囲より高い場合はペース
ト状態となり、ポリマーが十分に析出しない状況になる
ので好ましくない。溶媒の混合方法は、バッチ式混練機
に反応液を入れてそこにイソプロピルアルコールを加え
る方法もしくはイソプロピルアルコール中に反応液を加
える方法もしくは両液を同時に入れていく方法、または
連続式の混練機に両液を混合する方法等が採られるが、
イソプロピルアルコールと反応に使用した溶媒の量比が
適正であれば混合方法には特に制限はない。混合時の温
度にも特に制限はないが、イソプロピルアルコールの揮
発により有機溶媒との適正混合量比を逸脱しないように
する必要がある。
【0020】本発明における混練機構を有する装置は、
既存のものを使用できる。例えば、入江商会製卓上型ニ
ーダー(PN−1、PN−5、PNV−1、PBV
等)、三菱重工業製セルフクリーニング式リアクター
(SCR、N−SCR、HVR等)、栗本鉄工所製K.
R.C.ニーダー(SCP−100)等が挙げられる。
これらの他にも種々の回分式及び連続式の混練装置を用
いることができる。
【0021】混練機中で均質に混合されて得られる湿潤
状態の固体をイソプロピルアルコールで洗浄することに
より、ハロイミニウム塩の転化後の化合物や有機塩基の
塩を除去することができる。洗浄方法としては、得られ
た湿潤状態の固体をイソプロピルアルコール中でスラリ
ーとする方法や、湿潤状態の固体を固定層としてそこに
イソプロピルアルコールを通液するリンス法等が行える
が特に限定されるものではない。洗浄後、通常行われる
乾燥方法によりイソプロピルアルコールを揮発させポリ
ヒドロキシカルボン酸を得ることができる。
【0022】
【実施例】以下実施例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。尚、重合体の重量平均分子量(M
w)は、shodex GPC system−11
(昭和電工 製)を用い、クロロホルム溶媒、40℃で
測定した。Mw値はポリスチレン換算値である。オリゴ
マーのカルボキシル基量は、サンプル(W;g)をジク
ロロメタン/メタノール=7/3(容量比)に溶解さ
せ、ナトリウムメチラートのメタノール溶液で滴定して
求めた。
【数1】 カルボキシル基量:a(mol/g)=E
×10-3×c/W E:滴定量(ml) c:滴定液の規定濃度(mol/l)
【0023】単離したポリマー中の1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン(以後DMIと略す)およびピリ
ジン塩酸塩の含有量は、サンプルをアセトニトリルに溶
解し、水を加えてポリマーを析出させた後の液相を下記
の条件のHPLCにて分析し、定量した。 カラム:YMC−pack A−312×2本 溶離液:アセトニトリル/水/テトラブチルアンモニウ
ムヒドロキシド=930/70/5 (vol.)
燐酸でpH=2に調整 検出器:UV 235nm
【0024】色調の評価は、サンプルを200℃で溶融
させて2mm厚のプレスシートを作成し、スガ試験機
(株)社製カラーコンピューター SM−5によりYI
値を測定した。
【0025】合成例1 90%L−乳酸(ADM社製)1000g(10.00
mol)を1500mlフラスコに装入し、窒素下、1
60℃で8時間脱水した。得られたオリゴマーは、収量
804.3g、カルボキシル基量が0.0011mol
/gであった。
【0026】実施例1 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.11mol)をベンゼン200gとともに500
mlフラスコに装入し、60℃とし、均一に溶解させた
後、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムク
ロライド(以下、DMCと略する)20.45g(0.
12mol)とピリジン20.9g(0.26mol)
を装入し、窒素雰囲気下60℃で3時間反応させた。反
応後、反応液をイソプロピルアルコール250gととも
にΣ型ニーダー(入江商会製PNV−1H)に装入し、
30分間混練し、ポリマーの重量分率が16.9%の均
質な湿潤固体を得た。この湿潤固体をイソプロピルアル
コール300g中に加えて撹拌し均質なスラリーとした
後に濾過した。濾過後の粉体にイソプロピルアルコール
300gを通液して洗浄し、その後、粉体を80℃で1
2時間乾燥しポリ乳酸を得た。収量90.2g、収率9
2.1%、Mwは142,000であった。また、ポリ
マー中のDMIおよびピリジン塩酸塩の残存量は10p
pm以下であった。このサンプルを、50mm四方2m
m厚の金型内において200℃で10分間溶融させ、1
0MPaの荷重をかけて成形物を作成した。成形物のY
I値を測定したところ1.7であった。
【0027】実施例2 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.11mol)をクロロベンゼン200gとともに
500mlフラスコに装入し、60℃とし、均一に溶解
させた後、DMC20.45g(0.12mol)とピ
リジン20.9g(0.26mol)を装入し、窒素雰
囲気下60℃で3時間反応させた。反応後、反応液をイ
ソプロピルアルコール300gとともにΣ型ニーダー
(入江商会製PNV−1H)に装入し、30分間混練
し、ポリマーの重量分率が15.6%の均質な湿潤固体
を得た。この湿潤固体をイソプロピルアルコール400
g中に加えて撹拌し均質なスラリーとした後に濾過し
た。濾過後の粉体にイソプロピルアルコール300gを
通液して洗浄し、その後、粉体を80℃で12時間乾燥
しポリ乳酸を得た。収量91.2g、収率93.1%、
Mwは144,000であった。また、ポリマー中のD
MIおよびピリジン塩酸塩の残存量は10ppm以下で
あった。このサンプルを、50mm四方2mm厚の金型
内において200℃で10分間溶融させ、10MPaの
荷重をかけて成形物を作成した。成形物のYI値を測定
したところ1.7であった。
【0028】実施例3 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.11mol)をトルエン250gとともに100
0mlフラスコに装入し、80℃とし、均一に溶解させ
た後、DMC20.45g(0.12mol)とピリジ
ン20.9g(0.26mol)を装入し、窒素雰囲気
下80℃で3時間反応させた。反応後、反応液をイソプ
ロピルアルコール350gとともにΣ型ニーダー(入江
商会製PNV−1H)に装入し、30分間混練し、ポリ
マーの重量分率が13.5%の均質な湿潤固体を得た。
この湿潤固体をイソプロピルアルコール400g中に加
えて撹拌し均質なスラリーとした後に濾過した。濾過後
の粉体にイソプロピルアルコール300gを通液して洗
浄し、その後、粉体を80℃で12時間乾燥しポリ乳酸
を得た。収量88.2g、収率90.0%、Mwは13
0,000であった。また、ポリマー中のDMIおよび
ピリジン塩酸塩の残存量は10ppm以下であった。こ
のサンプルを、50mm四方2mm厚の金型内において
200℃で10分間溶融させ、10MPaの荷重をかけ
て成形物を作成した。成形物のYI値を測定したところ
1.9であった。
【0029】比較例1 混練させる際のイソプロピルアルコールの量を150g
とした以外は実施例1と同様に操作を行い、ポリマーの
重量分率が20.4%の湿潤固体を得た。その後、同様
に洗浄してポリ乳酸を得た。収量86.0g、収率8
7.8%、Mwは132,000であった。また、ポリ
マー中のDMIの残存量は120ppm、ピリジン塩酸
塩の残存量は180ppm、YI値は3.6であった。
【0030】比較例2 混練させる際のイソプロピルアルコールの量を500g
とした以外は実施例2と同様に操作を行った。混練した
際に、反応溶液はポリマーの重量分率が11.9%のス
ラリーとなった。その後、同様に洗浄してポリ乳酸を得
た。収量90.1g、収率92.0%、Mwは133,
000であった。また、ポリマー中のDMIの残存量は
150ppm、ピリジン塩酸塩の残存量は260pp
m、YI値は4.2であった。
【0031】
【発明の効果】本発明は、ハロイミニウム塩を用いる重
合およびイソプロピルアルコールを用いた特定条件での
単離精製により、高品質のポリヒドロキシカルボン酸を
効率的に製造することを可能とし、その工業的な製造に
寄与するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉井 正司 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4J029 AA02 AB04 AC01 AD01 AD02 AE06 EA02 EA03 EA05 JB123 JC141 JD05 KE09 KH05 LB05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
    のオリゴマーにハロイミニウム塩を作用させることによ
    って得られるポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液
    を、有機溶媒に対し0.5〜1.5重量倍量のイソプロ
    ピルアルコールとともに、混練機構を有する装置中に供
    給して混合し、ポリマーの重量分率が12.5〜18.
    0%の湿潤状態の固体を得て、該固体をイソプロピルア
    ルコールで洗浄することを特徴とするポリヒドロキシカ
    ルボン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシカルボン酸が乳酸である請求
    項1記載のポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014168134A1 (ja) 2013-04-11 2014-10-16 三井化学株式会社 乳酸―グリコール酸共重合体の製造法またはその塩の製造法
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