JPH11181071A - ポリヒドロキシカルボン酸の単離方法 - Google Patents

ポリヒドロキシカルボン酸の単離方法

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JPH11181071A
JPH11181071A JP35136197A JP35136197A JPH11181071A JP H11181071 A JPH11181071 A JP H11181071A JP 35136197 A JP35136197 A JP 35136197A JP 35136197 A JP35136197 A JP 35136197A JP H11181071 A JPH11181071 A JP H11181071A
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hydroxy
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polyhydroxycarboxylic
polyhydroxycarboxylic acid
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JP35136197A
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Kenichi Goto
謙一 後藤
Yukihiro Kumamoto
行宏 熊本
Katsuji Watanabe
勝治 渡辺
Kotaro Shimizu
耕太郎 清水
Yukiko Mori
ゆきこ 森
Masaji Tamai
正司 玉井
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロイミニウム塩を用いて重合を行う場合に
おいて、生成したポリヒドロキシカルボン酸を品質およ
び、生産性の点で満足のいく形で単離する方法の提供。 【解決手段】 ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
のオリゴマーにハロイミニウム塩を作用させることによ
って得られるポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液
を、混練機構を有する装置中に供給し、40〜80℃の
温度で該溶液を濃縮しながら、析出物を粉砕し、ポリヒ
ドロキシカルボン酸の粉状体を得るポリヒドロキシカル
ボン酸の単離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用材料び汎用
樹脂代替の生分解性ポリマーとして有用なポリヒドロキ
シカルボン酸に関し、ハロイミニウム塩を用いて得られ
るポリヒドロキシカルボン酸の単離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリヒドロキシカルボン酸は機械的性
質、物理的性質、化学的性質に優れている上に、他に害
を与えることなく自然環境下で分解され、最終的には微
生物によって水と炭酸ガスになるという生分解性の機能
を有しており、近年医療用材料や、汎用樹脂代替等、様
々な分野で注目されており、今後もその需要が大きく伸
びることが期待されている。特に、既存の汎用樹脂製品
に関してリサイクルが義務づけられるようになると、生
分解性ポリマーへの代替が進むことが予測され、飲料
品、洗剤、化粧品用の各種容器類、衣類、雑貨等の収納
ケース、食品こん包材、被覆用フィルムなどの用途に需
要が大きくなると見込まれる。
【0003】従来のポリヒドロキシカルボン酸の製造方
法としては、モノマーの環状二量体、例えば乳酸からラ
クチドを合成した後精製し、触媒の存在下で開環重合す
ることにより得る方法(米国特許第2,703,316
等)が知られている。また、乳酸を触媒の存在下で直接
脱水して重縮合する方法(特開昭59−96123号公
報、米国特許4,273,920等)が知られている。
そして、近年新たにヒドロキシカルボン酸にハロイミニ
ウム塩を作用させて重合を行いポリヒドロキシカルボン
酸を得る方法が見いだされた(EP0769512)。
この方法は、ヒドロキシカルボン酸のカルボキシル基を
ハロイミニウム塩によりハロゲン化して酸ハライドを生
成する反応と、次いで起こる酸ハライドとヒドロキシル
基の反応よりなる。これにより、前記の方法に比較して
単純な操作で容易にポリヒドロキシカルボン酸を得るこ
とが可能となった。
【0004】ハロイミニウム塩を用いて重合を行う場
合、ハロイミニウム塩が反応した後に生成するアミド
類、ウレア類、イミダゾリジノン類が反応液中に混在す
ることになる。また、有機塩基を使用する場合はその塩
も混在する。該化合物がポリマー中に残存する場合、加
工段階の熱処理時に色調の悪化をもたらすことがある。
従って、該化合物を分離してポリヒドロキシカルボン酸
を単離することが望ましい。通常考えられる分離方法と
しては、ポリマーを析出させて洗浄し該化合物を除去す
る方法がある。しかし、ポリマーの溶液に貧溶媒を添加
し、析出させて単離する場合には、ポリマーを完全に析
出させることが困難であり、生産性の点で満足のいくも
のではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、ハロイミ
ニウム塩を用いて重合を行う場合においては、生成した
ポリヒドロキシカルボン酸を品質および、生産性の点で
満足のいく形で単離する方法が確立されておらず、解決
が求められていた。本発明は、この課題を解決しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ハロイミ
ニウム塩を用いて重合を行う場合において、生成したポ
リヒドロキシカルボン酸を品質および、生産性の点で満
足のいく形で単離する方法を提供することを課題とし、
鋭意検討した。その結果、低温の条件で溶媒を揮発させ
ながら混練、粉砕を加えることによりポリヒドロキシカ
ルボン酸の粉状体を取り出し、なおかつ、得られる粉状
体を水または洗浄溶媒で洗浄することにより、収率、品
質の点で申し分なくポリヒドロキシカルボン酸を単離で
きることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明はヒドロキシカルボン酸およ
び/またはそのオリゴマーにハロイミニウム塩を作用さ
せることによって得られるポリヒドロキシカルボン酸の
有機溶媒溶液を、混練機構を有する装置中に供給し、4
0〜80℃の温度で該溶液を濃縮しながら、析出物を粉
砕し、ポリヒドロキシカルボン酸の粉状体を得ることを
特徴とするポリヒドロキシカルボン酸の単離方法であ
り、得られる粉状体を水または洗浄溶媒で洗浄すること
を特徴とする前記のポリヒドロキシカルボン酸の単離方
法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるヒドロキシカ
ルボン酸の具体例としては、以下のものが上げられる。
グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシブタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシペンタノイックアシッド、2−ヒ
ドロキシヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシヘプ
タノイックアシッド、2−ヒドロキシオクタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルブタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−エチルブタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−メチルペンタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−エチルペンタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−プロピルペンタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルペンタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘキサノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘキサノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘキサノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘキサノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘプタニックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘプタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルヘプタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシ−2−メチルオクタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシ−2−エチルオクタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルオクタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルオクタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルオクタノ
イックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオクタ
ノイックアシッド、3−ヒドロキシプロパノイックアシ
ッド、3−ヒドロキシブタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシペンタノイックアシッド、3−ヒドロキシヘキサ
ノイックアシッド、3−ヒドロキシヘプタノイックアシ
ッド、3−ヒドロキシオクタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−メチルブタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−メチルペンタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−エチルペンタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−メチルヘキサノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−エチルヘキサノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−プロピルヘキサノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−メチルヘプタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−エチルヘプタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−プロピルヘプタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−ブチルヘプタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−メチルオクタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−エチルオクタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−プロピルオクタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−ブチルオクタノイックアシッド、3
−ヒドロキシ−3−ペンチルオクタノイックアシッド、
4−ヒドロキシブタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
ペンタノイックアシッド、4−ヒドロキシヘキサノイッ
クアシッド、4−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、
4−ヒドロキシオクタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−メチルペンタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−メチルヘキサノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−エチルヘキサノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−メチルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−エチルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−プロピルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロ
キシ−4−メチルオクタノイックアシッド、4−ヒドロ
キシ−4−エチルオクタノイックアシッド、4−ヒドロ
キシ−4−プロピルオクタノイックアシッド、4−ヒド
ロキシ−4−ブチルオクタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシペンタノイックアシッド、5−ヒドロキシヘキサ
ノイックアシッド、5−ヒドロキシヘプタノイックアシ
ッド、5−ヒドロキシオクタノイックアシッド、5−ヒ
ドロキシ−5−メチルヘキサノイックアシッド、5−ヒ
ドロキシ−5−メチルヘプタノイックアシッド、5−ヒ
ドロキシ−5−エチルヘプタノイックアシッド、5−ヒ
ドロキシ−5−メチルオクタノイックアシッド、5−ヒ
ドロキシ−5−エチルオクタノイックアシッド、5−ヒ
ドロキシ−5−プロピルオクタノイックアシッド、6−
ヒドロキシヘキサノイックアシッド、6−ヒドロキシヘ
プタノイックアシッド、6−ヒドロキシオクタノイック
アシッド、6−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイック
アシッド、6−ヒドロキシ−6−メチルオクタノイック
アシッド、6−ヒドロキシ−6−エチルオクタノイック
アシッド、7−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、7
−ヒドロキシオクタノイックアシッド、7−ヒドロキシ
−7−メチルオクタノイックアシッド、8−ヒドロキシ
オクタノイックアシッド等の脂肪族ヒドロキシカルボン
酸が挙げられる。これらは単独でも或は二種以上混合し
て用いてもよい。特に好ましく用いられるヒドロキシカ
ルボン酸は、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシブチ
リックアシッド、4−ヒドロキシブチリックアシッド、
3−ヒドロキシバレリックアシッド、またはそれらの混
合物である。
【0009】本発明方法では前述のヒドロキシカルボン
酸から誘導されるオリゴマーを原料として用いることも
出来る。オリゴマーの製法としては、ヒドロキシカルボ
ン酸を単に窒素雰囲気下で加熱脱水する方法で良く、オ
リゴマーの平均重合度はいかなるものであっても良いの
で、縮合水が系外へ除去されるのであれば製法の条件に
特に制約はない。
【0010】本発明に使用されるハロイミニウム塩は、
下式(1)
【化1】 (式中X1、X2はハロゲン原子を表し同一であっても異
なっていてもよい。)で表される構造を分子内に含有し
ている化合物であり、環状化合物であってもなくても、
上記構造さえ有している化合物であれば何ら問題ない。
一般的なハロイミニウム塩としては、N,N−ジメチル
クロロメチレンイミニウムクロライド、N,N−ジフェ
ニルクロロフェニルメチレンイミニウムクロライド、
N,N−ジフェニルクロロ−p−メトキシフェニルメチ
レンイミニウムクロライド、N,N,N’,N’−テト
ラメチルクロロホルムアミジニウムクロライド、N,
N,N’,N’−テトラエチルクロロホルムアミジニウ
ムクロライド、N,N,N’,N’−テトラブチルクロ
ロホルムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−
N’,N’−ジプロピルクロロホルムアミジニウムクロ
ライド、N,N−ジエチル−N’,N’−ジアリルクロ
ロホルムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−
N’,N’−ジブチルクロロホルムアミジニウムクロラ
イド、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム
クロライド、2−クロロ−1,3−ジエチルイミダゾリ
ニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジプロピルイ
ミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジブ
チルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3
−ジヘキシルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ
−1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリニウムクロライ
ド、2−クロロ−1,3−ジフェニルイミダゾリニウム
クロライド、2−クロロ−1,3−ジメチル−3,4,
5,6−テトラヒドロピリミジニウムクロライド等のク
ロライド類が挙げられるがフルオライド類、ブロマイド
類、アイオダイド類でも同様に使用できる。またこれら
ハロイミニウム塩は、粉体として使用することもできる
し、適当な溶剤に溶解または懸濁させた状態においても
なんら問題なく使用することができ、数種のハロイミニ
ウム塩を併用することもできる。
【0011】本発明において使用されるハロイミニウム
塩の使用量は、反応させる乳酸および/または乳酸のオ
リゴマーのカルボキシル基に対し、等モル以上、好まし
くは1.1倍モル〜2倍モルである。ハロイミニウム塩
がカルボキシル基に対し、等モルより少ない場合、残存
したカルボキシル基が反応停止末端となる。
【0012】本発明方法でハロイミニウム塩を作用させ
る方法でポリ乳酸を製造する場合、重合反応は、ハロゲ
ン化水素を放出しながら進行するので、これを速やかに
完結させるためには反応系内のハロゲン化水素を除去す
る必要がある。ハロゲン化水素の除去方法としては、加
熱によりハロゲン化水素ガスとして除去する方法や、塩
基を用いて塩の形で系外に除去する方法が一般的であ
る。塩基を用いて系内のハロゲン化水素を中和する場
合、用いられる塩基としては、ピリジン、α−ピコリ
ン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノ
リン、N,N−ジメチルピペラジン、N,N−ジエチル
ピペラジン、キナルジン、2−エチルピリジン、4−エ
チルピリジン、3,5−ルチジン、2,6−ルチジン、
4−メチルモルホリン、4−エチルモルホリン、2,
4,6−コリジン等が挙げられる。また、これらを併用
することも可能である。
【0013】本発明において使用される、塩基の使用量
は、反応により生成し得るハロゲン化水素に対して化学
量論量以上であれば問題ないが、通常化学量論量に対し
て1〜5倍量用いる。好ましくは1.1〜3倍量であ
る。
【0014】本発明方法でハロイミニウム塩を作用させ
てポリ乳酸を製造する際の反応温度は、0℃以上100
℃以下が良い。100℃を超える温度では、原料または
ポリマー鎖末端のヒドロキシ基がハロゲン原子に置換さ
れる副反応が起こるため好ましくない。一方、0℃より
も低い温度での反応も可能ではあるが、0℃よりも低い
温度での反応は冷媒を必要とし、不経済である。
【0015】本発明において、反応に使用される溶媒
は、目的とする重合体の骨格構造、分子量により異なる
が、反応中の条件でポリマーを溶解し、用いるハロイミ
ニウム塩及び反応原料と反応せず、40℃〜80℃の温
度で留去が可能なものならばいかなるものでも使用でき
る。溶媒の具体例としては、エチレンジクロライド、ジ
クロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、メシチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベ
ンゼン等が挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。
【0016】本発明における混練機構を有する装置は、
高濃度で溶液粘度の高いポリヒドロキシカルボン酸の溶
液を混練しながら濃縮できるものであれば特に制限はな
く、既存のものを使用できる。例えば、入江商会製卓上
型ニーダー(PN−1、PN−5、PNV−1、PBV
等)、三菱重工業製セルフクリーニング式リアクター
(SCR、N−SCR、HVR等)、栗本鉄工所製K.
R.C.ニーダー(SCP−100)等が挙げられる。
これらの他にも種々の回分式及び連続式の混練装置を用
いることができる。
【0017】本発明において、ポリヒドロキシカルボン
酸の有機溶媒溶液を混練機構を有する装置中で処理する
際の温度は40〜80℃の範囲で行うことができる。8
0℃を超える温度では、濃縮されて得られるポリヒドロ
キシカルボン酸が融着する現象が起こることがあり、良
好な粉体が得られなくなるので好ましくない。40℃よ
り低い温度での濃縮は、反応溶媒の種類によっては過酷
な減圧条件を強いられたり、濃縮に長時間を要するよう
になるために経済的でない。
【0018】本発明において、得られるポリヒドロキシ
カルボン酸粉状体の洗浄は水、または洗浄溶媒で行うこ
とができる。洗浄の手法は、該粉状体を液中に入れてス
ラリーとした後濾過する方法や該粉状体の固定層に洗浄
液を流通する方法等、一般的な手法により対応できる。
水の他に洗浄溶媒としては、メタノール、エタノール、
1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン等が好
ましく用いられる。
【0019】
【実施例】以下実施例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。尚、重合体の重量平均分子量(M
w)は、shodex GPC system−11
(昭和電工 製)を用い、クロロホルム溶媒、40℃で
測定した。Mw値はポリスチレン換算値である。オリゴ
マーのカルボキシル基量は、サンプル(W;g)をジク
ロロメタン/メタノール=7/3(容量比)に溶解さ
せ、ナトリウムメチラートのメタノール溶液で滴定して
求めた。
【数1】 カルボキシル基量:a(mol/g)=E×10-3×c/W E:滴定量(ml) c:滴定液の規定濃度(mol/l)
【0020】単離したポリマー中の1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン(以後DMIと略す)の含有量
は、サンプルをアセトニトリルに溶解し、水を加えてポ
リマーを析出させた後の液相を下記の条件のHPLCに
て分析し、定量した。 カラム:YMC−pack A−312×2本 溶離液:アセトニトリル/水/テトラブチルアンモニウムヒドロキシド =930/70/5 (vol.) 燐酸でpH=2に調整 検出器:UV 235nm
【0021】色調の評価は、サンプルを200℃で溶融
させて2mm厚のプレスシートを作成し、スガ試験機
(株)社製カラーコンピューター SM−5によりYI
値を測定した。
【0022】合成例1 90%L−乳酸(ADM社製)1000g(10.00
mol)を1500mlフラスコに装入し、窒素下、1
60℃で8時間脱水した。得られたオリゴマーは、収量
811.3g、カルボキシル基量が0.0012mol
/gであった。
【0023】実施例1 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.12mol)をジクロロメタン300gとともに
500mlフラスコに装入し、均一に溶解させた後、2
−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライ
ド(以下DMCとする)22.3g(0.13mol)
を装入し、次に、ピリジン30.8g(0.39mo
l)を添加し窒素雰囲気下、30℃で6時間反応させ
た。反応後、反応液をΣ型ニーダー(入江商会製PNV
−1H)に装入し、混練しながら50℃に加熱して濃縮
した。ポリマー溶液は徐々に固化し、粉砕されて白色の
粉状体となった。得られた粉状体を水500gと混合し
50℃で1時間撹拌後濾過した。濾過後の粉体に水10
00gを通液して洗浄し、その後、粉体を80℃で12
時間乾燥しポリ乳酸を得た。収量97.5g、収率9
9.6%、Mwは185,000であった。また、ポリ
マー中のDMIの残存量は50ppm以下であった。こ
のサンプルを、50mm四方2mm厚の金型内において
200℃で10分間溶融させ、10MPaの荷重をかけ
て成形物を作成した。成形物のYI値を測定したところ
2.5であった。
【0024】実施例2 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.12mol)をベンゼン500gとともに100
0mlフラスコに装入し、40℃として均一に溶解させ
た後、DMC22.3g(0.13mol)を装入し、
次に、ピリジン30.8g(0.39mol)を添加し
窒素雰囲気下、40℃で3時間反応させた。反応後、反
応液をΣ型ニーダー(入江商会製PNV−1H)に装入
し、混練しながら80℃に加熱して濃縮した。ポリマー
溶液は徐々に固化し、粉砕されて白色の粉状体となっ
た。得られた粉状体をアセトン500gと混合し1時間
撹拌後濾過した。濾過後の粉体にアセトン1000gを
通液して洗浄し、その後、粉体を80℃で12時間乾燥
しポリ乳酸を得た。収量96.9g、収率99.0%、
Mwは188,000であった。また、ポリマー中のD
MIの残存量は50ppm以下であった。このサンプル
を、50mm四方2mm厚の金型内において200℃で
10分間溶融させ、10MPaの荷重をかけて成形物を
作成した。成形物のYI値を測定したところ2.3であ
った。
【0025】実施例3 合成例1で得た乳酸オリゴマー100g(カルボキシル
基0.12mol)をクロロベンゼン300gとともに
500mlフラスコに装入し、80℃として均一に溶解
させた後、DMC22.3g(0.13mol)を装入
し、次に、ピリジン30.8g(0.39mol)を添
加し窒素雰囲気下、80℃で2時間反応させた。反応
後、反応液をΣ型ニーダー(入江商会製PNV−1H)
に装入し、混練しながら50℃、40mmHgの条件で
濃縮した。ポリマー溶液は徐々に固化し、粉砕されて白
色の粉状体となった。得られた粉状体をエタノール50
0gと混合し1時間撹拌後濾過した。濾過後の粉体にエ
タノール1000gを通液して洗浄し、その後、粉体を
80℃で12時間乾燥しポリ乳酸を得た。収量97.2
g、収率99.3%、Mwは163,000であった。
また、ポリマー中のDMIの残存量は50ppm以下で
あった。このサンプルを、50mm四方2mm厚の金型
内において200℃で10分間溶融させ、10MPaの
荷重をかけて成形物を作成した。成形物のYI値を測定
したところ2.4であった。
【0026】比較例1 実施例1と同様に反応を行いポリ乳酸のジクロロメタン
溶液を得た。この溶液に、アセトン600gを注いでポ
リマーを析出させ濾過した。そして、アセトン1000
gを通液して洗浄し、その後、80℃で12時間乾燥し
ポリ乳酸を得た。Mwは187,000、ポリマー中の
DMIの残存量は50ppm以下、YI値は2.4であ
ったが、収量82.2g、収率84.0%と低下した。
【0027】比較例2 実施例3と同様に反応を行いポリ乳酸のクロロベンゼン
溶液を得た。この溶液に、エタノール600gを注いで
ポリマーを析出させ濾過した。そして、エタノール10
00gを通液して洗浄し、その後、80℃で12時間乾
燥しポリ乳酸を得た。Mwは158,000、ポリマー
中のDMIの残存量は50ppm以下、YI値は2.5
であったが、収量80.0g、収率81.8%と低下し
た。
【0028】
【発明の効果】本発明は、ハロイミニウム塩をヒドロキ
シカルボン酸および/またはそのオリゴマーに作用させ
て重合し、得られるポリヒドロキシカルボン酸を品質お
よび、生産性の点で満足のいく形で単離することを可能
とし、ポリヒドロキシカルボン酸の効率的な製造に寄与
するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 耕太郎 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 森 ゆきこ 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 (72)発明者 玉井 正司 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシカルボン酸および/またはそ
    のオリゴマーにハロイミニウム塩を作用させることによ
    って得られるポリヒドロキシカルボン酸の有機溶媒溶液
    を、混練機構を有する装置中に供給し、40〜80℃の
    温度で該溶液を濃縮しながら、析出物を粉砕し、ポリヒ
    ドロキシカルボン酸の粉状体を得ることを特徴とするポ
    リヒドロキシカルボン酸の単離方法。
  2. 【請求項2】 得られる粉状体を水または洗浄溶媒で洗
    浄することを特徴とする請求項1記載のポリヒドロキシ
    カルボン酸の単離方法。
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