JPH1135693A - 生分解性を有する粉状ポリエステルの製造法 - Google Patents

生分解性を有する粉状ポリエステルの製造法

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JPH1135693A
JPH1135693A JP9191488A JP19148897A JPH1135693A JP H1135693 A JPH1135693 A JP H1135693A JP 9191488 A JP9191488 A JP 9191488A JP 19148897 A JP19148897 A JP 19148897A JP H1135693 A JPH1135693 A JP H1135693A
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acid
organic solvent
polyester
hydroxy
solution
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JP9191488A
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Inventor
Yukiko Mori
ゆきこ 森
Yoshi Ikeda
歓 池田
Katsuji Watanabe
勝治 渡辺
Kenichi Goto
謙一 後藤
Masaji Tamai
正司 玉井
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性を有するポリエステルの有機溶媒溶
液から粉状ポリエステルを取り出す方法を提供する。 【解決手段】 生分解性を有するポリエステルの有機溶
媒溶液と、置換基を有する芳香族炭化水素類とを、60
℃よりも低い温度で混合し、析出する固体状物を固液分
離する生分解性を有する粉状ポリエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用材料や汎用
樹脂代替の生分解性を有するポリエステルの製造法に関
する。特に、本発明は生分解性を有するポリエステルの
有機溶媒溶液から粉状ポリエステルを取り出す方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】生分解性を有するポリエステルとは他に
害を与えることなく自然界で分解され、最終的には微生
物によって水と炭酸ガスになるという機能を有している
ポリエステルの事であり、最近医療用材料や汎用樹脂代
替等、様々な分野で特に注目されているプラスチックで
ある。
【0003】通常、生分解性を有するポリエステルの主
体である脂肪族ポリエステルは、SbF3,Sb23
SnCl2,オクチル酸スズ(米国特許第2,668,
162号、米国特許第3,297,033号)などの触
媒の存在下で重合される。重合後の触媒の残存はその後
のポリエステルの安定性や力学的物性の劣化を引き起こ
す要因となるため、触媒を除去することが必要である。
その方法として、米国特許第4,960,866号にポ
リエステルを有機溶媒溶液とし、酸またはキレート剤を
含む液で洗浄する方法が開示されている。この場合、洗
浄後の有機溶媒溶液からポリエステルを取り出すことが
必要となってくる。また、重合の際に溶媒を使用した場
合、溶媒の種類によってはポリエステルは有機溶媒溶液
として得られ、この場合も有機溶媒溶液からポリエステ
ルを取り出すことが必要となる。
【0004】以上のように、生分解性を有するポリエス
テルの有機溶媒溶液から該ポリエステルを効率良く取り
出すことは該ポリエステルを製造するにあたり非常に有
用である。一般にポリエステルの有機溶媒溶液からポリ
エステルを取り出す方法としては、該ポリエステルの有
機溶媒溶液に非あるいは貧溶媒を添加しポリエステルを
析出させ取り出す方法が知られているが、生分解性を有
するポリエステルにこの方法を適用しても、析出するポ
リエステルがゲル状物となり撹拌が困難になったり、釜
に付着する等の問題を生じる等幾つかの問題点がある。
【0005】この様な問題に対し、ポリエステル溶液
を、沈殿したポリエステルが微粒子に分割されるように
乱流剪断力の影響下に沈殿剤と接触させ、ポリエステル
の精製および単離を同時に行う方法が特開昭63−25
4128号公報に開示されている。しかしながら、この
方法に於いては特殊な装置を使用しなければならず、過
大な設備費を要する等の欠点を有する。
【0006】この他、該ポリエステルをキシレンやフタ
ル酸ジエチルエステルの溶媒に加熱溶解した後冷却し、
かかる溶剤を除去する方法(特開昭58−206637
号公報、特開昭61−042531号公報)が開示され
ているが、取扱性に優れた粉粒体を得るには、毎分20
℃〜200℃の温度で冷却する事が必要であり、特殊な
設備を必要とする等の問題点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述したよう
な重合体製造における従来技術の問題点を克服するため
に行われたものである。本発明は、生分解性を有するポ
リエステルの有機溶媒溶液から粉状ポリエステルを取り
出す方法を提供する事を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述した問
題点を解決する為、鋭意検討した結果、生分解性を有す
るポリエステルの有機溶媒溶液と、置換基を有する芳香
族炭化水素類とを、60℃よりも低い温度で混合する
と、驚くことに固体状物が析出することを見出し本発明
を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、生分解性を有するポリ
エステルの有機溶媒溶液と、置換基を有する芳香族炭化
水素類とを、60℃よりも低い温度で混合することを特
徴とする生分解性を有する粉状ポリエステルの製造方法
であり、生分解性を有するポリエステルの有機溶媒溶液
と、置換基を有する芳香族炭化水素類とを、60℃より
も低い温度で、置換基を有する芳香族炭化水素類/有機
溶媒(重量比)>2となる様に混合することを特徴とす
る生分解性を有する粉状ポリエステルの製造方法、更に
は、生分解性を有するポリエステルの有機溶媒溶液にお
ける、有機溶媒がハロゲン化炭化水素類、アミン類、フ
ェノール類または芳香族炭化水素類から選ばれる1種ま
たは2種以上からなる前記の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法により得られる
生分解性を有する粉状ポリエステルは、重量平均分子量
が5万から100万の物である。本発明方法に用いる生
分解性を有するポリエステルは、以下に挙げる多価カル
ボン酸類、多価アルコール類および/またはヒドロキシ
カルボン酸類を原料として、直接脱水縮合重合または開
環重合することにより得られるものであり、これらの共
重合体であっても、あるいは混合物であっても良い。
【0011】本発明の製造方法において使用される生分
解性を有するポリエステルを製造する原料として用いら
れる多価カルボン酸類としては、例えば、コハク酸、シ
ュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ
ン二酸、ドデカン二酸、フェニルコハク酸、1,4−フ
ェニレンジ酢酸、マレイン酸、フマル酸のような脂肪族
多価カルボン酸類が挙げられる。
【0012】本発明の製造方法において使用される生分
解性を有するポリエステルを製造する原料として用いら
れる多価アルコール類としては、例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチ
レングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−ベンゼンジメタノール、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールヘプタ
ン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキ
サントリオール等の脂肪族多価アルコール類が挙げられ
る。
【0013】更に、本発明の製造方法において使用され
る生分解性を有するポリエステルを製造する原料として
用いられるヒドロキシカルボン酸類としては、グリコー
ル酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシバレ
リン酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシヘ
プタン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシ
−2−メチルプロピオン酸、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル酪酸、2−ヒドロキシ−2−エチル酪酸、2−ヒドロ
キシ−2−メチルバレリン酸、2−ヒドロキシ−2−エ
チルバレリン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピルバレリ
ン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルバレリン酸、2−ヒ
ドロキシ−2−メチルカプロン酸、2−ヒドロキシ−2
−エチルカプロン酸、2−ヒドロキシ−2−プロピルカ
プロン酸、2−ヒドロキシ−2−ブチルカプロン酸、2
−ヒドロキシ−2−ペンチルカプロン酸、2−ヒドロキ
シ−2−メチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチ
ルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−エチルヘプタン
酸、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘプタン酸、2−ヒ
ドロキシ−2−ブチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2
−ペンチルヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−ヘキシル
ヘプタン酸、2−ヒドロキシ−2−メチルオクタン酸、
2−ヒドロキシ−2−エチルオクタン酸、2−ヒドロキ
シ−2−プロピルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−ブ
チルオクタン酸、2−ヒドロキシ−2−ペンチルオクタ
ン酸、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオクタン酸、2−
ヒドロキシ−2−ヘプチルオクタン酸、3−ヒドロキシ
プロピオン酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシバ
レリン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシ
ヘプタン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、3−ヒドロキ
シ−3−メチル酪酸、3−ヒドロキシ−3−メチルバレ
リン酸、3−ヒドロキシ−3−エチルバレリン酸、3−
ヒドロキシ−3−メチルカプロン酸、3−ヒドロキシ−
3−エチルカプロン酸、3−ヒドロキシ−3−プロピル
カプロン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルヘプタン酸、
3−ヒドロキシ−3−エチルヘプタン酸、3−ヒドロキ
シ−3−プロピルヘプタン酸、3−ヒドロキシ−3−ブ
チルヘプタン酸、3−ヒドロキシ−3−メチルオクタン
酸、3−ヒドロキシ−3−エチルオクタン酸、3−ヒド
ロキシ−3−プロピルオクタン酸、3−ヒドロキシ−3
−ブチルオクタン酸、3−ヒドロキシ−3−ペンチルオ
クタン酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシバレリ
ン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシヘプ
タン酸、4−ヒドロキシオクタン酸、4−ヒドロキシ−
4−メチルバレリン酸、4−ヒドロキシ−4−メチルカ
プロン酸、4−ヒドロキシ−4−エチルカプロン酸、4
−ヒドロキシ−4−メチルヘプタン酸、4−ヒドロキシ
−4−エチルヘプタン酸、4−ヒドロキシ−4−プロピ
ルヘプタン酸、4−ヒドロキシ−4−メチルオクタン
酸、4−ヒドロキシ−4−エチルオクタン酸、4−ヒド
ロキシ−4−プロピルオクタン酸、4−ヒドロキシ−4
−ブチルオクタン酸、5−ヒドロキシバレリン酸、5−
ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシヘプタン酸、5
−ヒドロキシオクタン酸、5−ヒドロキシ−5−メチル
カプロン酸、5−ヒドロキシ−5−メチルヘプタン酸、
5−ヒドロキシ−5−エチルヘプタン酸、5−ヒドロキ
シ−5−メチルオクタン酸、5−ヒドロキシ−5−エチ
ルオクタン酸、5−ヒドロキシ−5−プロピルオクタン
酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシヘプタ
ン酸、6−ヒドロキシオクタン酸、6−ヒドロキシ−6
−メチルヘプタン酸、6−ヒドロキシ−6−メチルオク
タン酸、6−ヒドロキシ−6−エチルオクタン酸、7−
ヒドロキシヘプタン酸、7−ヒドロキシオクタン酸、7
−ヒドロキシ−7−メチルオクタン酸、8−ヒドロキシ
オクタン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸および/ま
たはそれらのオリゴマーであり、一種または二種以上の
混合物を用いても良い。またそれらヒドロキシカルボン
酸及びそれらオリゴマーの中には光学炭素を有し、各々
D体、L体、D/L体の形態をとる場合があるが、本発
明方法においてはその形態に何ら制限はない。これらは
単独でも或は二種以上混合して用いてもよい。特に好ま
しく用いられるヒドロキシカルボン酸は、乳酸、グリコ
ール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3
−ヒドロキシ吉草酸、またはそれらの混合物である。
【0014】本発明で用いる生分解性を有するポリエス
テルは例えばラクタイドを用いる開環重合法、モノマー
を直接重合する直接法があり、何れの方法で製造される
生分解性を有するポリエステルでも可能である。
【0015】開環重合法は、特公平3−1330号公報
に記載の例えば、乳酸の環状二量体又は乳酸及びグリコ
ール酸の環状二量体の混合物を触媒の存在下130〜2
00℃で反応する方法等である。
【0016】直接法は、特開平6−65360号公報に
記載の例えば、実質的に水の非存在下でヒドロキシカル
ボン酸類またはそのオリゴマーを、有機溶媒を含む反応
混合物中で脱水縮合する方法等である。
【0017】本発明でいう、生分解性を有するポリエス
テルの有機溶媒溶液に使用する有機溶媒は、該ポリエス
テルを60℃より低い温度で5%以上溶解させるもので
あればよく、ハロゲン化炭化水素類、アミン類、フェノ
ール類または芳香族炭化水素類などであり、特に脂肪族
ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類が好ましい。
有機溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン、ピリジン、ベンゼン、フ
ルオロベンゼン等が挙げられる。これらは1種または2
種以上を混合して用いても良い。
【0018】本発明で使用する置換基を有する芳香族炭
化水素類とは例えば、アルキル基、ハロゲン原子、カル
ボキシル基、エステル基、アシル基、ニトリル基、ニト
ロ基等の置換基を有する芳香族炭化水素類があげられる
が、特にアルキル基、ハロゲン原子を有する化合物が好
ましい。例えば、トルエン、o−キシレン、m−キシレ
ン、p−キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、クロ
ロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベン
ゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−
トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼ
ン、キュメン等が挙げられる。これらの溶媒と生分解性
を有するポリエステルの有機溶媒溶液とを混合すること
により、生分解性を有するポリエステルのゲル化や釜内
への付着を抑え、分子量の低下を伴わず、取扱性に優れ
た粉状の生分解性を有するポリエステルを取り出す事が
できる。
【0019】生分解性を有するポリエステルの有機溶媒
溶液と、置換基を有する芳香族炭化水素類とを混合し、
固体状物ポリエステルを析出させる際の温度は、60℃
よりも低い温度がよい。その際、60℃よりも低い温度
で混合を行っても良く、あるいは混合後に60℃よりも
低い温度にしても構わない。60℃以上の温度のままで
生分解性を有するポリエステルの取り出しを行った場合
は、生分解性を有するポリエステルの析出が不十分とな
り、収率が低下する。
【0020】置換基を有する芳香族炭化水素類と生分解
性を有するポリエステルの有機溶媒溶液とを混合する方
法としては、置換基を有する芳香族炭化水素類に生分解
性を有するポリエステルの有機溶媒溶液を添加する方法
でも、生分解性を有するポリエステルの有機溶媒溶液に
置換基を有する芳香族炭化水素類を添加する方法でもい
ずれでも構わない。添加方法は、一括装入、分割装入ま
たは滴下装入でも良く、さらには、生分解性を有するポ
リエステルの有機溶媒溶液の沸点が置換基を有する芳香
族炭化水素類のそれより低い場合は、有機溶媒を留去し
ながら、芳香族炭化水素類を添加する、有機溶媒の沸点
よりも高い温度に保った芳香族炭化水素類中に、該ポリ
エステルの有機溶媒溶液を添加するあるいは、芳香族炭
化水素類とポリエステルの有機溶媒溶液を混合した後
に、該有機溶媒を留去し、所定の量比にしても良い。
【0021】置換基を有する芳香族炭化水素類と生分解
性を有するポリエステルの有機溶媒溶液の量は、次式 芳香族炭化水素類/有機溶媒(重量比)>2 式(1) で表す量となるのが好ましい。置換基を有する芳香族炭
化水素類の量が式(1)より少なくなる場合は、生分解
性を有するポリエステルの析出が不十分となり、収率が
低下する。
【0022】置換基を有する芳香族炭化水素類と生分解
性を有するポリエステルの有機溶媒溶液を混合する際の
ポリエステルの濃度が高いほどポリエステルの収率およ
び混合機の釜効率が有利になるが、取扱性の面から、該
ポリエステルの固体状物が析出した際のスラリー濃度が
3〜20%、好ましくは5〜15%が良い。析出した固
体状物の生分解性を有するポリエステルは、通常用いら
れる固液分離操作にて単離され、乾燥し、粉状の生分解
性を有するポリエステルを取得することが出来る。
【0023】
【実施例】以下、実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。なお、得られた粉状ポリエステル
の重合平均分子量は以下の方法により測定した。 ●重量平均分子量(Mw):Shodex GPC s
ystem−11(昭和電工(株)製)を用い、クロロ
ホルム溶媒で測定した。Mwはポリスチレン換算値であ
る。
【0024】合成例1 温度計、撹拌翼、留出管を備えた500mlの四つ口フ
ラスコに、90%L−乳酸75gを装入し、130℃/
50mmHgで3時間系外へ水を除去しながら加熱撹拌
した。次に留出管を取り外し、代わりにディーンシュタ
ックを取付、更に、1−クロロナフタリン325g、錫
粉0.4gを加え、140℃/25〜30mmHgで5
時間加熱還流させた。この時、還流する1−クロロナフ
タリンと生成水との混合物をディーンシュタック内で分
離させ、水層を逐次抜き出した。次にディーンシュタッ
クを取り外し、代わりにモレキュラーシーブス3A50
gが充填された管を取付、還流により留出する溶媒がモ
レキュラーシーブスを通って系内へ戻るようにし、反応
条件を130℃/15〜18mmHgに設定し、20時
間反応させた。反応終了後、反応マスにクロロホルム4
00mlを加え、溶解した後吸引濾過し錫粉末を除去し
た。得られたクロロホルム溶液にメタノール1400m
lを加え、析出した白色固体のポリ乳酸を濾別し、乾燥
した。収量52.3g、収率は96.8%、重量平均分
子量145,000であった。
【0025】合成例2 90%L−乳酸75gをこはく酸45g、1,4−ブタ
ンジオール36gとし、130℃/15〜18mmHg
での反応を10時間とした他は、実施例1と同様の操作
を行った。得られたポリブチレンサクシネート(以下、
PSBと略する)は64.2g、収率は95.8%、重
量平均分子量100,000であった。
【0026】合成例3 温度計、撹拌翼、モレキョラシーブス3A50gが充填
された管を備えた500mlの四つ口フラスコに合成例
1で得られたポリ乳酸27g、合成例2で得られたPS
B27g、1−クロロナフタリン325gおよび錫粉
0.4gを加え、還流により留出する溶媒がモレキョラ
シーブスを通って系内へ戻るようにし、反応条件を13
0℃/15〜18mmHgに設定し20時間反応させ
た。以下、合成例1と同様の操作によりポリ乳酸とPS
Bの共重合体を取り出した。得られた共重合体は51.
3g、収率は95.0%、重量平均分子量は172,0
00であった。
【0027】実施例1 Mw14.5万のフレーク状ポリ乳酸20gをジクロロ
メタン80gに溶解させた。次いで、25℃でm−キシ
レン190gを装入した。析出した固体状物を吸引濾過
により濾取し、80℃で一晩乾燥した。得られたポリ乳
酸の粉末は19.2gであり、分子量は14.5万だっ
た。
【0028】実施例2 Mw14.5万のフレーク状ポリ乳酸20gをクロロホ
ルム80gに溶解させた。次いで、25℃でm−キシレ
ン190gを装入した。析出した固体状物を吸引濾過に
より濾取し、80℃で一晩乾燥した。得られたポリ乳酸
の粉末は19.4gであり、分子量は14.5万だっ
た。
【0029】実施例3 Mw14.5万のフレーク状ポリ乳酸20gを1,2−
ジクロロエタン80gに溶解させた。次いで、25℃で
エチルベンゼン190gを装入した。析出した固体状物
を吸引濾過により濾取し、80℃で一晩乾燥した。得ら
れたポリ乳酸の粉末は19.0gであり、分子量は1
4.5万だった。
【0030】実施例4 Mw14.5万のフレーク状ポリ乳酸20gをベンゼン
80gに溶解させた。次いで、25℃でo−ジクロロベ
ンゼン190gを装入した。析出した固体状物を吸引濾
過により濾取し、80℃で一晩乾燥した。得られたポリ
乳酸の粉末は18.8gであり、分子量は14.5万だ
った。
【0031】実施例5 Mw14.5万のフレーク状ポリ乳酸15gを1,2−
ジクロロエタン85gに溶解させた。次いで、25℃で
m−キシレン85gを装入した。40℃で135mmH
g〜40mmHgに徐々に減圧し、1,2−ジクロロエ
タン70gを留出させた。析出した固体状物を吸引濾過
により濾取し、80℃で一晩乾燥した。得られたポリ乳
酸の粉末は14.1gであり、分子量は14.5万だっ
た。
【0032】実施例6 Mw14.5万のフレーク状ポリ乳酸をMw10.0万
のフレーク状ポリブチレンサクシネート(以下、PSB
と略す)とした他は実施例5と同様に行った。得られた
PSB粉末は14.7gであり、分子量は9.9万だっ
た。
【0033】実施例7 Mw14.5万のフレーク状ポリ乳酸をMw17.2万
のフレーク状のポリ乳酸とPSBの共重合体とした他は
実施例5と同様に行った。得られた共重合体の粉末は1
4.5gであり、分子量は17.2万だった。
【0034】比較例1 添加したm−キシレン量を120gとした他は実施例1
と同様の操作を行った。ポリ乳酸の析出が不十分であ
り、溶液がゲル状物となり濾過できなかった。
【0035】比較例2 溶媒添加時の温度を60℃とした他は、実施例3と同様
の操作を行った。しかしながら、ポリエステルは依然と
して溶解したままであり、粉末として取り出す事はでき
なかった。
【0036】比較例3 添加した溶媒をアセトンとした他は、実施例1と同様の
操作を行った。しかしながら、ポリエステルは依然とし
て溶解したままであり、粉末として取り出す事はできな
かった。
【0037】
【発明の効果】本発明により、生分解性を有するポリエ
ステルの有機溶媒溶液から粉状ポリエステルを効率的に
取り出す事が可能となった。
フロントページの続き (72)発明者 後藤 謙一 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 玉井 正司 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性を有するポリエステルの有機溶
    媒溶液と、置換基を有する芳香族炭化水素類とを、60
    ℃よりも低い温度で混合し、析出する固体状物を固液分
    離することを特徴とする生分解性を有する粉状ポリエス
    テルの製造方法。
  2. 【請求項2】 生分解性を有するポリエステルの有機溶
    媒溶液と、置換基を有する芳香族炭化水素類とを、60
    ℃よりも低い温度で、置換基を有する芳香族炭化水素類
    /有機溶媒(重量比)>2となる様に混合し、析出する
    固体状物を固液分離することを特徴とする生分解性を有
    する粉状ポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 生分解性を有するポリエステルの有機溶
    媒溶液における、有機溶媒がハロゲン化炭化水素類、ア
    ミン類、フェノール類または芳香族炭化水素類から選ば
    れる1種または2種以上からなる請求項1または2記載
    の製造方法。
JP9191488A 1997-07-16 1997-07-16 生分解性を有する粉状ポリエステルの製造法 Pending JPH1135693A (ja)

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