JP2006328251A - ポリエチレンテレフタレートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】 本発明は、従来にない高密度のポリエチレンテレフタレートを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、90モル%以上のエチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.1〜0.4dl/gであり、下記式(1)
/H≦0.1 (1)
(式中、Hは、該ポリエチレンテレフタレートの示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における結晶化の発熱量(J/g)を表わす。Hは、該ポリエチレンテレフタレートの示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における融解の吸熱量(J/g)を表わす。)
を満足するポリエチレンテレフタレート(A)である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ポリエチレンテレフタレートに関する。さらに詳しくは、密度の高いポリエチレンテレフタレートおよびその製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレートは、機械特性、化学特性および熱特性に優れ、繊維、フィルム、ボトル、エンジニアリングプラスチックなど広い用途に用いられている。このポリエチレンテレフタレートは、通常、テレフタル酸などのジカルボン酸と、エチレングリコールなどのジオール類とのエステル化反応の後、重縮合を進めることにより製造する。
上記したポリエチレンテレフタレートをはじめとして、ポリエステルの物性については従来から種々の提案がなされている。例えば特許文献1には、嵩密度が0.6g/cm以下、30メッシュより大きい粗大粒子の含量が5重量%以下、安息角が70°以下のポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル粉末が提案されている。
特許文献2には、重合反応において出発原料として有利に利用することのできる低分子量ポリエステルおよびその製造方法が開示されている。特許文献3には、実質的に未配向のポリエステル製容器で耐衝撃性、透明性等の物性に優れたものを容易に製造するために、固有粘度が1.1〜2.0dl/gのポリエステルからなり、結晶化度が40%以下のポリエステル粒状体を提供することが開示されている。これらの文献には、結晶化度の高い(密度の高い)ポリエチレンテレフタレートについては何ら示唆されていない。
特開昭52−23157号公報 特開昭62−132917号公報 特開平10−204162号公報
本発明は、従来にない高い密度を有するポリエチレンテレフタレートを提供することを目的とする。
本発明者らは、従来にない高い密度のポリエチレンテレフタレートの製造方法について鋭意検討した。その結果、結晶質と非晶質とからなるポリエチレンテレフタレートをエチレングリコールに接触せしめ、その非晶質を溶解させると、従来にない高密度のポリエチレンテレフタレートが得られることを見出し本発明を完成させた。
即ち、本発明は、90モル%以上のエチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.1〜0.4dl/gであり、下記式(1)
/H≦0.1 (1)
(式中、Hは、該ポリエチレンテレフタレートの示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における結晶化の発熱量(J/g)を表わす。Hは、該ポリエチレンテレフタレートの示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における融解の吸熱量(J/g)を表わす。)
を満足するポリエチレンテレフタレート(A)である。
また本発明は、90モル%以上のエチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.55dl/g以上で、密度が1.36g/cm以上のポリエチレンテレフタレート(a)を、エチレングリコールと接触させ、ポリエチレンテレフタレート(a)中の非晶質を溶解することからなるポリエチレンテレフタレートの製造方法である。
さらに本発明は、ポリエチレンテレフタレート(A)からなり、平均粒径が0.1〜50μmの粒子を包含する。
本発明のポリエチレンテレフタレート(A)は、極めて高い密度を有する。本発明の製造方法によれば、ポリエチレンテレフタレート(A)を容易に製造することができる。本発明の製造方法により得られたポリエチレンテレフタレート(A)は、多孔質状で粉砕することにより極めて粒径の小さい粒子にすることができる。本発明の粒子は粒径が極めて小さく、微粒子状のポリエチレンテレフタレートを素材とする技術分野に応用することができる。
<ポリエチレンテレフタレート(A)>
本発明のポリエチレンテレフタレート(A)は、90モル%以上、好ましくは95〜100モル%のエチレンテレフタレート単位からなる。他の単位としてエチレンイソフタレート単位、エチレンナフタレンジカルボキシレート単位等が挙げられる。即ちポリエチレンテレフタレート(A)は、ホモポリマーであることが好ましいが、全ジカルボン酸成分に対し10モル%以下の、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などのテレフタル酸以外のジカルボン酸成分を用いた共重合ポリマーであってもよい。また、全重量に対し10重量%以下の他の縮合樹脂を混合させたブレンドポリマーであっても良い。
(固有粘度)
ポリエチレンテレフタレート(A)の固有粘度は、0.1〜0.4dl/g、好ましくは0.13〜0.35dl/gの範囲にある。
ポリエチレンテレフタレート(A)は、高密度であるにもかかわらず、固有粘度が0.1〜0.4dl/gと低めであるため、例えば粉砕処理する場合に、通常のポリエチレンテレフタレートに比べて容易に粉砕でき、ひげ状物が発生しにくい。得られる粉砕物は耐熱性、耐薬品性等に優れた素材である。
(密度)
ポリエチレンテレフタレート(A)の密度は、好ましくは1.41〜1.45g/cm、さらに好ましくは1.42〜1.44g/cmである。
(H/H
ポリエチレンテレフタレート(A)は下記式(1)、好ましくは下記式(2)を満足する。
/H≦0.1 (1)
/H≦0.01 (2)
式中、Hは、該ポリエチレンテレフタレートの示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における結晶化の発熱量(J/g)を表わす。Hは、該ポリエチレンテレフタレートの示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における融解の吸熱量(J/g)を表わす。図1に、通常のポリエチレンテレフタレート(結晶質と非晶質の混在したもの)のDSC曲線を示す。
ポリエチレンテレフタレート(A)は、発熱ピーク自体が存在しない、即ちH=0で、H/H=0であることがさらに好ましい。通常ポリエチレンテレフタレートの結晶化による発熱ピークは、140〜160℃の範囲に見られるが、ポリエチレンテレフタレート(A)は、実質的に結晶質のみからなるため結晶化の発熱ピークが存在しないか、存在しても発熱量(H)は低い。その一方、昇温過程において融解温度は結晶化温度を経るため、実質的に融解時には結晶質となっており、融解の吸熱ピークの熱量(H)は元の状態が非晶質からなろうが、結晶質からなろうがほぼ同じ数値を示す。
<製造方法>
(ポリエチレンテレフタレート(a))
ポリエチレンテレフタレート(a)は、90モル%以上、好ましくは95〜100モル%のエチレンテレフタレート単位からなる。他の単位としてエチレンイソフタレート単位、エチレンナフタレンジカルボキシレート単位等が挙げられる。即ちポリエチレンテレフタレート(a)は、ホモポリマーであることが好ましいが、全ジカルボン酸成分に対し10モル%以下の、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などのテレフタル酸以外のジカルボン酸成分を用いた共重合ポリマーであってもよい。また、全重量に対し10重量%以下の他の縮合樹脂を混合させたブレンドポリマーであっても良い。
ポリエチレンテレフタレート(a)は、テレフタル酸とエチレングリコールの直接重合法により製造することができる。また、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールのエステル交換法により製造することができる。また、廃ポリエチレンテレフタレートをリサイクルすることにより製造することができる。例えば、廃ポリエチレンテレフタレートをエチレングリコールにより解重合した後、精製処理し高純度のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得、これを重合することにより製造することができる。
ポリエチレンテレフタレート(a)は、結晶化されたものであることが好ましい。結晶化の方法は、従来公知の方法で良い。例えば、ポリエチレンテレフタレートを結晶化温度に加熱する方法、溶融状態から徐冷する方法、有機溶媒を作用させる方法等を好ましく例示することができる。
(密度)
ポリエチレンテレフタレート(a)の密度は、1.36g/cm以上、好ましくは1.36g/cm以上1.41g/cm未満である。
(固有粘度)
また固有粘度は、0.55dl/g以上、好ましくは0.6〜1.2dl/gである。ポリエチレンテレフタレート(a)中には、非晶質と結晶質が混在する。
ポリエチレンテレフタレート(a)の形状は、反応が効率的に進めばどのような形状でも良く、パウダー、ペレット、チップ、フレーク等の形状を好ましく例示することができる。これらの中、原料の加工性、結晶化の状態、ハンドリング性等の面からペレットの形状であることが好ましい。ペレットは、断面が円形または楕円形の円柱状であることが好ましく、その長径は0.5〜3mm、短径は0.1〜2mmであることが好ましい。また、長さは1〜10mmであることが好ましい。
(接触工程)
本発明においては、ポリエチレンテレフタレート(a)をエチレングリコールと接触させ、ポリエチレンテレフタレート(a)の非晶質を溶解させる。接触は、ポリエチレンテレフタレート(a)の固有粘度が0.1〜0.4dl/gになるまで行なう。ポリエチレンテレフタレート(a)の非晶質は、結晶質に比べエチレングリコールにより解重合されやすく、優先的に溶解され、主として結晶質からなる多孔質状のポリエチレンテレフタレート(A)を得ることができる。得られたポリエチレンテレフタレート(A)中の結晶質の割合は、DSCによる昇温過程における結晶化の発熱量(H)と、融解の吸熱量(H)との比(H/H)を目安とすることができる。
本発明において、ポリエチレンテレフタレート(a)とエチレングリコールとの接触は、ポリエチレンテレフタレート(a)の非晶質が溶解(解重合)される程度に行うものである。一般的な高分子物質は結晶質と非晶質からなるが、分子が配向している結晶部分は、分子が配向していない非晶質よりも分解溶媒(本発明においてはエチレングリコール)が進入し難いため溶解(解重合)されにくく、本発明においてもこの現象が起こっているものと考えられる。
ポリエチレンテレフタレート(a)とエチレングリコールとの量比は、ポリエチレンテレフタレート(a)1重量部に対してエチレングリコールが好ましくは0.5〜6重量部、さらに好ましくは1〜5重量部である。
また、反応を効率的に進めるために水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムメチラート、酢酸亜鉛等の解重合触媒を加えることもできる。触媒の量としては、ポリエチレンテレフタレート(a)100重量部に対して好ましくは0.05〜0.50重量部、さらに好ましくは0.15〜0.40重量部である。
ポリエチレンテレフタレート(a)とエチレングリコールとの接触温度は、好ましくは150〜250℃、さら好ましくは160〜220℃である。また、接触時間は好ましくは30〜180分、さらに好ましくは40〜140分である。これらの範囲で反応させることにより非晶質の溶解(解重合)が効率的に進み、且つ、多孔質状のポリエチレンテレフタレート(A)の収率も良くなる。
(分離工程)
接触工程の後、ポリエチレンテレフタレート(A)とエチレングリコールを主成分とする液相とを分離する分離工程を行なうことが好ましい。分離は、固体状のポリエチレンテレフタレート(A)を分離できればどのような方法でも良く、濾過、遠心分離、デカンテーション等の方法が挙げられる。例えば、接触工程により得られた、多孔質状のポリエチレンテレフタレート(A)の分散液を5〜100メッシュのフィルターに通液することで行うことができる。
エチレングリコールを主成分とする液相は、エチレングリコールの他、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびそのオリゴマー、モノ(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等の固形成分を含む。従って分離工程は、これらの固形成分が析出しない150〜198℃で行なうことが好ましい。
(洗浄・乾燥工程)
分離工程の後、得られた多孔質状のポリエチレンテレフタレート(A)を洗浄し、乾燥する洗浄・乾燥工程を行なうことが好ましい。
この工程においては、先ず、ポリエチレンテレフタレート(A)に付着している主にエチレングリコールを主成分とする液相を、熱エチレングリコールにより洗浄することが好ましい。この操作によって液相中に溶解している不純成分(例えば、ポリエチレンテレフタレートのモノマーおよびオリゴマー等)を析出させずに除去することができる。この熱エチレングリコールの温度は130〜195℃、さらに140〜190℃であることが好ましい。多孔質状のポリエチレンテレフタレート(A)と熱エチレングリコールとの接触は、不純成分が洗浄されればどのような方法でも良いが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(A)を熱エチレングリコールで濯ぐ方法、ポリエチレンテレフタレート(A)を熱エチレングリコールに浸漬する方法等を好ましく挙げることができる。この洗浄はポリエチレンテレフタレート(A)1重量部に対して、熱エチレングリコール0.5〜5重量部であることが好ましい。
次いで、熱エチレングリコールの付着したポリエチレンテレフタレート(A)を熱水により洗浄することが好ましい。この操作によって熱エチレングリコールを除去し乾燥しやすくする効果が得られる。この熱水の温度は50〜95℃、さらに60〜90℃であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレート(A)の熱水による洗浄は、熱エチレングリコールが熱水により洗浄されればどのような方法でも良いが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(A)を熱水で濯ぐ方法、ポリエチレンテレフタレート(A)を熱水に浸漬する方法等を好ましく挙げることができる。この洗浄はポリエチレンテレフタレート(A)1重量部に対して、熱水0.5〜5重量部であることが好ましい。さらに、常温(好ましくは10〜40℃)の水で洗浄し、ポリエチレンテレフタレート(A)を常温にすることが好ましい。
この工程においては、さらに、洗浄したポリエチレンテレフタレート(A)を乾燥する。乾燥方法は、ポリエチレンテレフタレート(A)に付着している水が乾燥除去できればどのような方法でも良いが、真空乾燥、熱風乾燥等の方法が好ましく挙げられる。例えば、真空乾燥の場合、50〜1,000Pa、60〜120℃、1〜20時間で乾燥することが好ましい。
(粒子)
ポリエチレンテレフタレート(a)をエチレングリコールと接触させ、ポリエチレンテレフタレート(a)の非晶質を溶解したポリエチレンテレフタレート(A)は多孔質状であるので、粉砕することにより、極めて粒径の小さい粒子を容易に製造することができる。
即ち本発明は、ポリエチレンテレフタレート(A)からなり平均粒径が0.1〜50μm、好ましくは0.1〜20μmの粒子を包含する。
ポリエチレンテレフタレート(A)の粉砕は、ロッドミル、ボールミル、ハンマーミル、円盤型ミル、ジェットミル等の粉砕機により実施することができる。
本発明によれば、従来のポリエチレンテレフタレートだと平均粒径が100μm程度にしか粉砕できなかったものが、ポリエチレンテレフタレート(A)を粉砕することにより平均粒径0.1〜50μm、好ましくは平均粒径0.1〜20μmにまで粉砕することができる。平均粒径の測定は、試料を(株)島津製作所製、SALD300Vに適用することにより求めることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、この実施例によって本発明が限定されるものでないことは言うまでもない。また、例中の特性は下記の方法により測定した。
<密度>
試料を、硝酸カルシウム水溶液を用いた密度勾配管により、30℃で測定した。
<固有粘度>
o−クロロフェノール/テトラクロロエタン(2/3(重量比))の混合溶媒を用い、試料を濃度0.4g/100mlとなるように加え、30℃で測定して求めた。
<示差走査型熱量分析>
示差走査型熱量計(DSC:(株)島津製作所製、DSC−60)を使用して測定した。乾燥試料をサンプルパンに10mg秤量し、室温から10℃/分の昇温速度で昇温し、結晶化の発熱ピークから熱量Hを算出し、また融解の吸熱ピークから熱量Hを算出した。
<平均粒径>
(株)島津製作所製、SALD300Vで測定した。
〔実施例1〕
(ポリエチレンテレフタレート(a)の製造)
高純度テレフタル酸100重量部とエチレングリコール58重量部を常温でスラリー化し、圧力0.17MPa、温度260℃にて窒素雰囲気下でエステル化反応を行った。その後、反応系にリン酸トリメチル0.010重量部、酢酸コバルト四水和物0.005重量部、三酸化アンチモン0.018重量部を添加し、285℃、133Paの真空下で溶融重合を行った。
得られたポリエチレンテレフタレートをストランド状に抜き出し、水中に浸漬、冷却した後、ペレタイズした。このポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.58dl/gであった。
このポリエチレンテレフタレートを窒素雰囲気下170℃にて予備結晶化し、さらに2時間をかけて乾燥した後、220℃、10時間をかけて固相重合を行い115重量部のポリエチレンテレフタレート(a)を得た。ポリエチレンテレフタレート(a)の固有粘度は0.829dl/g、密度は1.399g/cmであった。
(接触工程)
得られたポリエチレンテレフタレート(a)55.5重量部とエチレングリコール129.5重量部、および触媒として水酸化ナトリウム0.14重量部を窒素雰囲気下の反応装置に投入し、198℃、常圧下、エチレングリコール中で120分間反応させた。
(分離工程)
反応終了後、残存したポリエチレンテレフタレートとエチレングリコールを主成分とする液相を10メッシュのフィルターを用いて濾別した。
(洗浄・乾燥工程)
濾別したポリエチレンテレフタレートを水洗した後、真空乾燥機により80℃で12時間かけて真空乾燥し、34.4重量部のポリエチレンテレフタレート(A)を得た。
(物性)
ポリエチレンテレフタレート(A)の密度は1.420g/cm、固有粘度は0.15dl/gであった。
ポリエチレンテレフタレート(A)について、DSCによる昇温過程における結晶化の発熱ピークを測定したところ、発熱ピークが存在せず、Hは0であることが認められた。また融解の吸熱ピークを測定したところHは41.44J/gであった(図2)。
〔実施例2〕
実施例1で得られたポリエチレンテレフタレート(A)を、マイクロACMパルベライザACM−2EC(ホソカワミクロン(株)製)により粉砕回転速度12,000rpm、分級回転速度6,000rpmで粉砕したところ、平均粒径12μmのポリエチレンテレフタレート粒子が得られた。
本発明のポリエチレンテレフタレート(A)は、ポリエチレンテレフタレートの微粒子を素材とする産業、例えば、シード重合の種粒子、粉体塗料、滑り性付与剤、トナー、光拡散用添加剤、絶縁フィラー、結晶核剤、クロマトグラフィー用充填剤等へ利用することができる。
通常のポリエチレンテレフタレート(結晶質と非晶質の混在したもの)のDSC曲線を示す。 実施例1で得られたポリエチレンテレフタレート(A)のDSC曲線を示す。
符号の説明
結晶化の発熱量
融解の吸熱量

Claims (6)

  1. 90モル%以上のエチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.1〜0.4dl/gであり、下記式(1)
    /H≦0.1 (1)
    (式中、Hは、該ポリエチレンテレフタレートの示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における結晶化の発熱量(J/g)を表わす。Hは、該ポリエチレンテレフタレートの示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における融解の吸熱量(J/g)を表わす。)
    を満足するポリエチレンテレフタレート(A)。
  2. 密度が1.41〜1.45g/cmの請求項1記載のポリエチレンテレフタレート(A)。
  3. 請求項1記載のポリエチレンテレフタレート(A)からなり、平均粒径が0.1〜50μmの粒子。
  4. 90モル%以上のエチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.55dl/g以上で、密度が1.36g/cm以上のポリエチレンテレフタレート(a)を、エチレングリコールと接触させ、ポリエチレンテレフタレート(a)中の非晶質を溶解することからなるポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  5. 接触を150〜250℃で行う請求項4記載の製造方法。
  6. 得られるポリエチレンテレフタレートは、90モル%以上のエチレンテレフタレート単位からなり、固有粘度が0.1〜0.4dl/gであり、下記式(1)
    /H≦0.1 (1)
    (式中、Hは、該ポリエチレンテレフタレートの示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における結晶化の発熱量(J/g)を表わす。Hは、該ポリエチレンテレフタレートの示差走査熱量計(DSC)による昇温過程における融解の吸熱量(J/g)を表わす。)
    を満足する請求項4記載の製造方法。
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