JPH1121344A - 生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法 - Google Patents

生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法

Info

Publication number
JPH1121344A
JPH1121344A JP21892897A JP21892897A JPH1121344A JP H1121344 A JPH1121344 A JP H1121344A JP 21892897 A JP21892897 A JP 21892897A JP 21892897 A JP21892897 A JP 21892897A JP H1121344 A JPH1121344 A JP H1121344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
aliphatic polyester
aliphatic
hydroxy
integer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21892897A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunari Okada
一成 岡田
Katsuji Watanabe
勝治 渡辺
Yukiko Mori
ゆきこ 森
Masaji Tamai
正司 玉井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP21892897A priority Critical patent/JPH1121344A/ja
Publication of JPH1121344A publication Critical patent/JPH1121344A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子量物重合剤としてハロイミニウム塩
を用い脂肪族系カルボン酸クロライドを合成し、生分解
性を有する脂肪族系ポリエステルを製造する方法の後処
理に於いて、生成した塩及び/又は残存触媒を除去する
工程が必要であり、製造工程が煩雑、或いは製造コスト
がかさむ等の問題があった。 【解決手段】 カルボン酸クロライド基を有する脂肪族
系化合物と活性水素基を有する脂肪族系化合物とを、塩
基及び/又は触媒の非存在下、40℃以上180℃以下
の温度で、重合溶媒中の原料濃度を50%以上にて反応
させる生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用材料や汎用
樹脂代替の生分解性ポリマーとして有用な脂肪族系ポリ
エステルの製造方法に関する。更に詳しくは、カルボン
酸クロライド基を有する脂肪族系化合物と活性水素基を
有する脂肪族系化合物とを、塩基及び/又は触媒の非存
在下にて反応させて連結する事を特徴とする縮重合系重
合体の新規な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは,軽さ、加工のし易さに
加えて安価に入手出来る事から、日常生活のあらゆる分
野に使われており、各種産業分野に於いても技術の進歩
に大きく貢献している。しかしながら、使用後の廃棄の
際にゴミの量を増す上に、自然環境下で殆ど分解されな
い為に、埋没処理しても、半永久的に地中に残留すると
いう問題が有り、近年、投棄されたプラスチックによ
り、景観が損なわれ海洋生物の生活環境が破壊されたり
する等の環境問題が起こっている。この様な問題に対
し、分別廃棄物収集方式、リターナブル方式やデポジッ
ト方式等のプラスチックリサイクルシステムによる対応
が考えられているが、この様な対応の実現は、末端ユー
ザーまで十分に浸透していないのが現状である。
【0003】一方、自然界に普遍に存在する微生物の酵
素により分解される、生分解性機能を備えた生分解性プ
ラスチックが近年注目を浴び、前述の様な環境問題を解
決出来る可能性のあるものとして注目されている。既
に、現在この生分解性プラスチックを利用した環境対応
製品は数多く提案されており、例えば、包装容器分野で
は、飲料、シャンプーボトルの様な硬い容器やスナック
菓子等の軟包装材、更には紙と組み合わせた複合素材に
よる液体容器等に応用されている。他分野では、食器、
文具、雑貨類に於いても多く紹介され、既に商品化され
ているものも少なくない。一部自治体では、家庭の生ゴ
ミの回収用に生分解性プラスチック製のゴミ袋を使用し
ているところもある。
【0004】生分解性機能を備えた生分解性プラスチッ
クとしては、セルロースや澱粉等の多糖類・糖質等の天
然物を他のプラスチックと混ぜ合わせたもの、微生物に
より合成されたもの、化学的に合成されたものがある。
澱粉やキチン、キトサン又はバクテリアセルロースとい
った(多)糖類を利用したもの以外の生分解性プラスチ
ックは、脂肪族系のポリエステルを主体にしている。微
生物の産生する脂肪族ポリエステルとしてはヒドロキシ
アルカノエートユニットを有するものが知られ、3−ヒ
ドロキシブチレート・3−ヒドロキシバリレートが商品
名「バイオポール」(モンサント社製)として市販され
ている。化学合成のものとしては、ポリカプロラクト
ン、ポリブチレンサクシネートなどの他、乳酸を原料に
したポリ乳酸がある。
【0005】このポリ乳酸を始めとする、ポリヒドロキ
シカルボン酸は、他に害を与える事なく自然環境下で分
解され、最終的には微生物によって水と炭酸ガスになる
という生分解性の機能を有しているばかりでなく、機械
的や物理的性能、化学的性能が優れており、最近医療用
材料や汎用樹脂代替等、様々な分野で特に注目されてい
るプラスチックである。
【0006】この様な生分解性を有するプラスチックの
製造方法としては、例えば、ポリ乳酸の場合、乳酸の環
状二量体であるラクタイドを経由して開環重合する方法
(特開昭56−45920号公報)や、直接脱水重縮合
する方法(特開昭59−96123号公報、特開昭61
−028521号公報)が知られている。
【0007】ところが前者の方法は、環状二量体である
ラクタイドを高純度で得る必要があり、ラクタイドの再
結晶の工程が必要となり、高価なものとなってしまう。
一方、ヒドロキシカルボン酸類の直接加熱脱水重縮合法
によるポリヒドロキシカルボン酸類の製法については
特開昭59−96123号公報や米国特許明細書第
4,273,920に開示されている。しかしながら、
いずれの場合も系内の水分を除去する為に、高減圧下
(10mmHg以下)/高温(200〜260℃)や、
イオン交換樹脂触媒存在下に高温(180℃以上)を
要する等の、熱エネルギー的に過激な条件下でポリヒド
ロキシカルボン酸を製造する為に、得られたポリマーが
着色したり、熱分解による不純物を含有する等の問題点
を有していた。この様に環状二量体を用いる方法や加熱
直接重縮合法のいずれの場合も製造工程が煩雑である
等、得られたポリマーの物性が一定せず製造コストが嵩
む等の多くの問題点を有していた。
【0008】ポリ乳酸はポリエステルの一種である。一
般に、ポリエステルの製造方法としてジカルボン酸クロ
ライド類とジオール類、或いはヒドロキシカルボン酸ク
ロライド類からの重合方法が知られているが、通常、こ
れらの方法は酸クロライド化合物が比較的安定な芳香族
系化合物の場合によく用いられる方法であり、脂肪族系
カルボン酸類からの酸クロライド化合物を用いる重合方
法は殆ど知られていないのが現状である。脂肪族系酸ク
ロライド化合物を用いた数少ない報告の内、例えば、塩
素化剤として塩化チオニルを使用する例(Makrom
ol.Chem.182,681−686(198
1))が開示されている。
【0009】しかし、脂肪族のヒドロキシカルボン酸ク
ロライド類、特に乳酸及び/又はそのオリゴマーの酸ク
ロライドの様な脂肪族のヒドロキシカルボン酸クロライ
ド類については、全く開示されていない。又、乳酸及び
グリコール酸に塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化サ
クシニル、二塩化テレフタロイル等を作用させ、ポリマ
ー化する方法(特公平4−3763号公報)が開示され
ているが、この方法に於いても、乳酸及び/又はそのオ
リゴマーの酸クロライドの生成を推定しているだけでそ
の存在は全く確認されておらず、しかも得られる重合体
の重合率は、最も高いものでも84%と低かった(重合
率=(1−反応終了後の平均重合度/出発原料の平均重
合度)×100)。
【0010】一方、ハロイミニウム塩を用いた研究例は
古くから知られており、フジサワ等、Chem.So
c.Jpn.,Chem.Lett.,1891(19
82)や、特開昭62−45223号公報、特開平4−
308538号公報、特開平5−97714号公報、特
開平6−2347251号公報、特開平6−24794
6号公報等に開示されているが、いずれの場合もアルコ
ール類とカルボン酸類とのエステル化剤や、一級アルコ
ール類のハロゲン化剤、アルデヒドオキシム類からのニ
トリル類の合成試薬、チオ尿素類からのカルボジイミド
類の合成試薬、N−アシルアントラニル酸類からの4−
オキソ−1,3−ベンゾオキサジン類の合成試薬として
有効なことが示されているにすぎず、本発明の様に、カ
ルボン酸基を有する脂肪族系化合物の酸クロライドの製
造、或いは、高分子量物重合剤として際立った効力を有
する事は、今まで全く明らかにされていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
様な優れた高分子量物重合剤としてハロイミニウム塩を
用い脂肪族系カルボン酸クロライドを合成し、生分解性
を有する脂肪族系ポリエステルを製造するには、塩基及
び/又は触媒の存在下にて行なう為、後処理に於いて、
生成した塩及び/又は残存触媒を除去する工程を設けね
ばならず、製造工程が煩雑である或いは製造コストがか
さむ等の問題点があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、カルボン
酸クロライド基を有する脂肪族系化合物と活性水素基を
有する脂肪族系化合物とを用いて、生分解性を有する脂
肪族系ポリエステルを製造する方法に関し鋭意検討した
結果、驚くべきことに、高濃度にて反応を行なう事によ
り、塩基及び/又は触媒の非存在に於いても高分子量の
生分解性を有する脂肪族系ポリエステルを製造する事を
見出し本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、カルボン酸クロライド基
を有する脂肪族系化合物と活性水素基を有する脂肪族系
化合物とを、塩基及び/又は触媒の非存在下、40℃以
上180℃以下、望ましくは80℃以上150℃以下の
温度で、重合溶媒中の原料濃度を50%以上、望ましく
は100%即ち無溶媒下にて反応させる事を特徴とする
生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法であ
る。
【0014】その際、カルボン酸クロライド基を有する
脂肪族系化合物は、ハロイミニウム塩とカルボン酸基を
有する脂肪族系化合物とを反応させる事により得られる
カルボン酸クロライド基を有する脂肪族系化合物である
事が望ましい。
【0015】特に、生分解性を有する脂肪族系ポリエス
テルが、一般式(1)
【化3】 〔式中、R1、R2、R3、R4は水素原子又はC1〜
C6の飽和炭化水素を示し、各々同じであっても異なっ
ていてもよい。a、bは0又は1〜6の整数を示し、a
=0の場合bは1〜6の整数、b=0の場合aは1〜6
の整数を示す。k、lは0又は1以上の整数を示し、k
=0の場合lは1以上の整数、l=0の場合kは1以上
の整数を示す。〕で表わされる重量平均分子量が100
00以上であるポリヒドロキシカルボン酸である生分解
性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法である。
【0016】又、特に生分解性を有する脂肪族系ポリエ
ステルが、一般式(2)
【化4】 〔式中、R5、R6、R7、R8はC1〜C6の飽和炭
化水素を示し、各々同じであっても異なっていてもよ
い。m、nは0又は1以上の整数を示し、m=0の場合
nは1以上の整数、n=0の場合mは1以上の整数を示
す。〕で表わされる重量平均分子量が10000以上で
ある脂肪族ブロックコポリエステルである生分解性を有
する脂肪族系ポリエステルの製造方法である。
【0017】更に、生分解性を有する脂肪族系ポリエス
テルが、一般式(1)で示されるポリヒドロキシカルボ
ン酸と一般式(2)で示されるの脂肪族ブロックコポリ
エステルの任意の割合のブレンドである生分解性を有す
る脂肪族系ポリエステルの製造方法である。
【0018】又、更に生分解性を有する脂肪族系ポリエ
ステルが、一般式(1)で示されるポリヒドロキシカル
ボン酸と一般式(2)で示されるの脂肪族ブロックコポ
リエステルの任意の割合のコポリマーである生分解性を
有する脂肪族系ポリエステルの製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0020】本発明に用いられる脂肪族系ポリエステル
は、生分解性を有するものであればいずれでもよく、
又、これらの混合物でも構わない。更に、生分解性を損
なわない範囲で他の生分解性を有するポリマー又は生分
解性を有しない種々のポリマーを混合しても良い。
【0021】本発明に用いられる一般式(1)で示され
るポリヒドロキシカルボン酸の製造に使用される原料
は、例えば、2−ヒドロキシエタノイックアシッド、2
−ヒドロキシプロパノイックアシッド、2−ヒドロキシ
ブタノイックアシッド、2−ヒドロキシペンタノイック
アシッド、2−ヒドロキシヘキサノイックアシッド、2
−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ
オクタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−メチル
ブタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−エチルブ
タノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−メチルペン
タノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−エチルペン
タノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルペ
ンタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルペ
ンタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘ
キサノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘ
キサノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−プロピル
ヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ブチル
ヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチ
ルヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−メチ
ルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−メチ
ルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−エチ
ルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−プロ
ピルヘプタニックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ブチ
ルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ペン
チルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘ
キシルヘプタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−
メチルオクタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−
エチルオクタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2−
プロピルオクタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2
−ブチルオクタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−2
−ペンチルオクタノイックアシッド、2−ヒドロキシ−
2−ヘキシルオクタノイックアシッド、2−ヒドロキシ
−2−ヘプチルオクタノイックアシッド、3−ヒドロキ
シプロパノイックアシッド、3−ヒドロキシブタノイッ
クアシッド、3−ヒドロキシペンタノイックアシッド、
3−ヒドロキシヘキサノイックアシッド、3−ヒドロキ
シヘプタノイックアシッド、3−ヒドロキシオクタノイ
ックアシッド、3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイッ
クアシッド、3−ヒドロキシ−3−メチルペンタノイッ
クアシッド、3−ヒドロキシ−3−エチルペンタノイッ
クアシッド、3−ヒドロキシ−3−メチルヘキサノイッ
クアシッド、3−ヒドロキシ−3−エチルヘキサノイッ
クアシッド、3−ヒドロキシ−3−プロピルヘキサノイ
ックアシッド、3−ヒドロキシ−3−メチルヘプタノイ
ックアシッド、3−ヒドロキシ−3−エチルヘプタノイ
ックアシッド、3−ヒドロキシ−3−プロピルヘプタノ
イックアシッド、3−ヒドロキシ−3−ブチルヘプタノ
イックアシッド、3−ヒドロキシ−3−メチルオクタノ
イックアシッド、3−ヒドロキシ−3−エチルオクタノ
イックアシッド、3−ヒドロキシ−3−プロピルオクタ
ノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−ブチルオクタ
ノイックアシッド、3−ヒドロキシ−3−ペンチルオク
タノイックアシッド、4−ヒドロキシブタノイックアシ
ッド、4−ヒドロキシペンタノイックアシッド、4−ヒ
ドロキシヘキサノイックアシッド、4−ヒドロキシヘプ
タノイックアシッド、4−ヒドロキシオクタノイックア
シッド、4−ヒドロキシ−4−メチルペンタノイックア
シッド、4−ヒドロキシ−4−メチルヘキサノイックア
シッド、4−ヒドロキシ−4−エチルヘキサノイックア
シッド、4−ヒドロキシ−4−メチルヘプタノイックア
シッド、4−ヒドロキシ−4−エチルヘプタノイックア
シッド、4−ヒドロキシ−4−プロピルヘプタノイック
アシッド、4−ヒドロキシ−4−メチルオクタノイック
アシッド、4−ヒドロキシ−4−エチルオクタノイック
アシッド、4−ヒドロキシ−4−プロピルオクタノイッ
クアシッド、4−ヒドロキシ−4−ブチルオクタノイッ
クアシッド、5−ヒドロキシペンタノイックアシッド、
5−ヒドロキシヘキサノイックアシッド、5−ヒドロキ
シヘプタノイックアシッド、5−ヒドロキシオクタノイ
ックアシッド、5−ヒドロキシ−5−メチルヘキサノイ
ックアシッド、5−ヒドロキシ−5−メチルヘプタノイ
ックアシッド、5−ヒドロキシ−5−エチルヘプタノイ
ックアシッド、5−ヒドロキシ−5−メチルオクタノイ
ックアシッド、5−ヒドロキシ−5−エチルオクタノイ
ックアシッド、5−ヒドロキシ−5−プロピルオクタノ
イックアシッド、6−ヒドロキシヘキサノイックアシッ
ド、6−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、6−ヒド
ロキシオクタノイックアシッド、6−ヒドロキシ−6−
メチルヘプタノイックアシッド、6−ヒドロキシ−6−
メチルオクタノイックアシッド、6−ヒドロキシ−6−
エチルオクタノイックアシッド、7−ヒドロキシヘプタ
ノイックアシッド、7−ヒドロキシオクタノイックアシ
ッド、7−ヒドロキシ−7−メチルオクタノイックアシ
ッド、8−ヒドロキシオクタノイックアシッド等の脂肪
族ヒドロキシカルボン酸及びそれらから誘導される環状
体物及びオリゴマーであり、一種又は二種以上の混合物
を用いても良い。又それらヒドロキシカルボン酸及びそ
れらから誘導される環状体物及びオリゴマーの中には光
学炭素を有し、各々D体、L体、D/L体の形態をとる
場合があるが、本発明方法においては、その形態には何
ら制限はない。
【0022】又、当然のことながら本発明で使用される
カルボン酸クロライド基を有する脂肪族系化合物は、例
えば、上記ヒドロキシカルボン酸の酸クロライドであ
る。
【0023】本発明に用いられる一般式(2)で示され
る脂肪族ブロックコポリマーの製造に使用される脂肪族
ジオールは、例えば、エチレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオ
ール、1,12−ドデカンジオール、プロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール等が挙げられ、これらは
単体で、或いは2種類以上を混合して使用される。
【0024】本発明に用いられる一般式(2)で示され
る脂肪族ブロックコポリマーの製造に使用される脂肪族
ジカルボン酸は、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデ
カン二酸、フマル酸、ダイマー酸等が挙げられる。又、
ジカルボン酸としてこれらの無水物も使用出来る。これ
らは単体で、或いは2種類以上を混合して使用される。
【0025】又、当然のことながら本発明で使用される
カルボン酸クロライド基を有する脂肪族系化合物は、例
えば、上記脂肪族ジカルボン酸の酸クロライドである。
【0026】上述の様な生分解性を有する脂肪族系ポリ
エステルには、本発明の目的を損なわない範囲に於い
て、滑剤、安定剤、顔料、ブルーイング剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の添加剤、表面会質剤等
の無機質充填剤やフッ素樹脂等の摺動剤等ブレンドして
もよい。
【0027】本発明に係るハロイミニウム塩は、一般式
(3)
【化5】 〔式中、Xは塩素原子を示し、Y-は陰イオンを示
す。〕で表される構造分子内に含有している化合物であ
り、環状化合物であっても無くても、上記構造さえ含有
いている化合物であれば何ら問題ない。
【0028】一般的なハロイミニウム塩としては、例え
ば、N,N−ジメチルクロロメチレンイミニウムクロラ
イド、N,N−ジフェニルクロロフェニルメチレンイミ
ニウムクロライド、N,N−ジフェニルクロロ−p−メ
トキシフェニルメチレンイミニウムクロライド等のイミ
ニウムクロライド類、N,N,N´,N´−テトラメチ
ルクロロホルムアミジニウムクロライド、N,N,N
´,N´−テトラエチルクロロホルムアミジニウムクロ
ライド、N,N,N´,N´−テトラブチルクロロホル
ムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−N´,
N´−ジプロピルクロロホルムアミジニウムクロライ
ド、N,N−ジエチル−N´,N´−ジブチルクロロホ
ルムアミジニウムクロライド、N,N−ジエチル−N
´,N´−ジアリルクロロホルムアミジニウムクロライ
ド等のアミジニウムクロライド類、2−クロロ−1,3
−ジメチルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−
1,3−ジエチルイミダゾリニウムクロライド、2−ク
ロロ−1,3−ジプロピルイミダゾリニウムクロライ
ド、2−クロロ−1,3−ジブチルイミダゾリニウムク
ロライド、2−クロロ−1,3−ジヘキシルイミダゾリ
ニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジシクロヘキ
シルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3
−ジフェニルイミダゾリニウムクロライド等のイミダゾ
リニウムクロライド類、2−クロロ−1,3−ジメチル
−3,4,5,6−テトラヒドロピリジニウムクロライ
ド等のピリジニウムクロライド類があげられる。これら
ハロイミニウム塩は、上記クロライド類に限られず、フ
ルオライド類、ブロマイド類、アイオダイド類でも使用
出来る。又、これらハロイミニウム塩類は、固体でも液
体でも使用することが出来、適当な溶剤に溶解または懸
濁させた状態でも何等問題なく使用出来、数種のハロイ
ミニウム塩を併用することも出来る。
【0029】カルボン酸基を有する脂肪族系化合物にハ
ロイミニウム塩を作用させる温度は40℃以上180℃
以下、更には40℃以上140℃以下が好ましい。40
℃よりも低い温度では、反応が完結するのに長時間を要
し、180℃を越える場合は、例えばポリヒドロキシカ
ルボン酸の場合は、ヒドロキシ基が塩素原子に置換され
た不純物が、重合に影響を及ぼす量以上生じたり、ハロ
イミニウム塩自体の分解が起こったり、又、生成した酸
クロライドの分解が進む等の不都合が生じ好ましくな
い。
【0030】使用するハロイミニウム塩の量は反応させ
るカルボン酸基を有する脂肪族系化合物の分子量と得よ
うとする重合体の分子量の関係から適宜選ぶ事ができる
が、反応させるカルボン酸基を有する脂肪族系化合物の
カルボン酸に対し0.85倍モル以上、好ましくは1.
0〜6.0倍モルである。使用するハロイミニウム塩の
量は、反応温度によって適宜、好適範囲を選ぶのが好ま
しく、例えば、120℃よりも低い温度では1.0倍モ
ル〜6.0倍モル、120℃以上では0.85〜1.0
倍モルを作用させるのが良い。また、反応系内に水分が
存在する場合は、水分と等モルのハロイミニウム塩を更
に添加する方が好ましい。
【0031】このようにして得られたカルボン酸基を有
する脂肪族系化合物の酸クロライドは、反応生成物であ
るハロイミニウム塩の前駆体、例えば、ジメチルホルム
アミド、N,N,N´,N´−テトラブチルウレア、
N,N´−ジメチルイミダゾリジノン等、あるいは反応
溶媒、残存ハロイミニウム塩、生成塩化水素ガス等を含
んでいる。当該酸クロライドを重合する際は、得られた
反応マスをそのまま使用しても構わないが、ハロイミニ
ウム塩の前駆体、塩化水素ガスおよび反応溶媒を減圧あ
るいは常圧で蒸発留去させる、又は、ハロイミニウム塩
は溶解するが当該酸クロライドは溶解しない溶媒で洗浄
する等の処理を行った後、上記と同様の方法によってカ
ルボン酸クロライド基を有する脂肪族系化合物を取り出
した後、使用しても構わない。
【0032】本発明に係るカルボン酸クロライド基を有
する脂肪族系化合物と活性水素基を有する脂肪族系化合
物との反応、又は、ハロイミニウム塩存在下でのカルボ
ン酸基を有する脂肪族系化合物と活性水素基を有する脂
肪族系化合物との反応は、塩基及び/又は触媒の非存在
下、40℃以上180℃以下、望ましくは80℃以上1
50℃以下の温度で、重合溶媒中の原料濃度を50%以
上、望ましくは100%即ち無溶媒下にて反応させ生分
解性を有する脂肪族系ポリエステルを得る。
【0033】反応温度が40℃よりも低いと、反応が完
結するのに長時間を要し、180℃を超える場合は、活
性水素であるヒドロキシ基が塩素原子に置換された不純
物が生じ重合に影響を及ぼす、着色が進む、ハロイミニ
ウム塩自体の分解が起こる、生成した酸クロライドの分
解が進む、生成したポリエステルの分解反応が進む等の
不都合が生じ好ましくない。
【0034】本発明に於いて、反応溶媒は使用してもし
なくても構わない。使用される溶媒としては、反応系内
に存在するカルボン酸クロライド基を有する脂肪族系化
合物、カルボン酸クロライド基を有する脂肪族系化合
物、活性水素基を有する脂肪族系化合物、ハロイミニウ
ム塩、及び生成した生分解性を有する脂肪族系ポリエス
テルと反応しないものならば基本的にいかなるものでも
使用出来る。溶剤の具体例としては、ジクロロメタン、
エチレンジクロライド、クロロホルム、アセトン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジ
メチルアセトアミド、N,N´−ジメチルイミダゾリジ
ノン、ジメチルスルホン等があげられるが、特にジクロ
ロメタン、エチレンジクロライド、クロロホルム等の脂
肪族のハロゲン化炭化水素が好ましい。
【0035】本発明に於いて、重合濃度が50%未満の
場合は、塩基及び/又は触媒が存在しないと重合が十分
進行せず、プラスチックとして使用に耐え得る物が得ら
れない。
【0036】又、本発明に於いては、重合濃度を50%
以上、望ましくは100%即ち無溶媒下にて反応させる
為、殆どの場合に於いて、重合が進行するに従い溶媒を
含んだ固相状態となり、通常の装置では攪拌が困難とな
る。その場合、そのままの状態で重合を進行させても構
わないが、系内を減圧状態にし、溶媒を留去しながら攪
拌を行なうと粉体状態となり好ましい。
【0037】又、反応圧力は、副生するハロゲン化水素
の系外への除去効率と反応温度の関係から自由に選択す
る事が出来る。
【0038】又、カルボン酸クロライド基を有する脂肪
族系化合物を製造する際及び取り扱う際は、水分の管理
を厳重にする必要がある事はいうまでもなく、反応系内
の雰囲気は、系外の水分及び酸素の混入を防ぐ為に、窒
素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、或いは、真空
下にて行なうのが好ましいが、副生するハロゲン化水素
が除去出来れば、密閉系でも何ら問題ない。
【0039】本発明の方法により得られる生分解性を有
する脂肪族系ポリエステルの重量平均分子量は、溶媒の
有無及び種類と量、反応温度、反応時間、使用するハロ
イミニウム塩の種類と量を適宜選択する事により、種々
の重合平均分子量の物が得られる。
【0040】以上の方法により製造された生分解性を有
する脂肪族系ポリエステルは、そのままでも構わない
が、製造された生分解性を有する脂肪族系ポリエステル
と反応又は分解起こす可能性が無く、残存するハロイミ
ニウム塩、生成したハロイミニウム塩の前駆体及び使用
した反応溶媒を溶解する様な溶剤、例えば、水、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプ
ロピルアルコール、トルエン、キシレン等の溶剤にて洗
浄、濾過後乾燥を行ない取り出すことが好ましい。
【0041】
【実施例】以下に、本発明方法における実施例を記載す
るが、本発明は以下に記載する方法及び装置に限定され
るものではない。尚、生成した生分解性を有する脂肪族
系ポリエステルの重合平均分子量(Mw)は、昭和電工
(株)製 ShodexGPC system−11を
用い、クロロホルムを展開溶媒として測定した。Mw値
は、ポリスチレン換算値である。又、反応中、減圧を施
す等の断りが無い場合は、全て窒素雰囲気下にて反応を
行なっている。
【0042】実施例1 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた5000mlの4つ口フラスコにADM社製90%
L−乳酸5000gを装入し、窒素通風下、160℃で
14時間脱水を行ない平均重合度nが14.40の乳酸
オリゴマー3200g(以下LAオリゴマー1という。
カルボン酸末端モル数=0.000964モル/g)を
得た。次いで前記LAオリゴマー1 146.28g
(カルボン酸末端=0.141モル)にジクロロメタン
520gを装入し溶解させた後、2−クロロ−1,3−
ジメチルイミダゾリニウムクロライド(以下DMCとい
う)26.21g(0.155モル)を装入し、40℃
で13時間反応させた。得られた反応マスを40℃、3
0mmHgで溶媒を蒸発・乾固させ、窒素で常圧に戻
し、白色固体を得た(以下これを酸クロ1という)。こ
の得られた酸クロ1のMwは5700、Mnは1500
であり、カルボン酸クロライド末端数は0.00067
0モル/酸クロライド1g、カルボン酸末端は検出でき
なかった(測定は窒素通風下で行った)。また、得られ
た酸クロ1を加水分解して測定した乳酸中の2−クロロ
プロピオン酸は100モルppm(/乳酸ユニット)以
下だった。
【0043】実施例2 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、ク
ロロベンゼン50gを装入し、80℃にて溶解させた。
溶液が均一になったところでDMC6.93g(0.0
4096モル)を添加し、80℃で15時間反応させ
た。途中約6時間で固相化した。室温まで冷却した後、
得られた反応マスにイソプロピルアルコール(以下IP
Aと略称する)を装入し、濾過後更にIPAにてリンス
洗浄し、その後80℃、160mmHg、窒素下で一晩
乾燥しポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは3.
5万であった。
【0044】実施例3 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、ク
ロロベンゼン50gを装入し、80℃にて溶解させた。
溶液が均一になったところでDMC8.96g(0.0
53モル)を添加し、80℃で15時間反応させた。途
中約6時間で固相化した。室温まで冷却した後、得られ
た反応マスにIPAを装入し、濾過後更にIPAにてリ
ンス洗浄し、その後80℃、160mmHg、窒素下で
一晩乾燥しポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは
8.5万であった。
【0045】実施例4 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、ク
ロロベンゼン50gを装入し、120℃にて溶解させ
た。溶液が均一になったところでDMC8.96g
(0.053モル)を添加し、120℃で15時間反応
させた。途中約6時間で固相化した。室温まで冷却した
後、得られた反応マスにIPAを装入し、濾過後更にI
PAにてリンス洗浄し、その後80℃、160mmH
g、窒素下で一晩乾燥しポリ乳酸を得た。得られたポリ
乳酸のMwは6.5万であった。
【0046】実施例5 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、ク
ロロベンゼン50gを装入し、80℃にて溶解させた。
溶液が均一になったところでDMC8.96g(0.0
53モル)を添加し、80℃で6時間反応させ、反応相
が固化した後、120℃にて15時間反応させた。室温
まで冷却した後、得られた反応マスにIPAを装入し、
濾過後更にIPAにてリンス洗浄し、その後80℃、1
60mmHg、窒素下で一晩乾燥しポリ乳酸を得た。得
られたポリ乳酸のMwは9.8万であった。
【0047】実施例6 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、ク
ロロベンゼン12.5gを装入し、80℃にて溶解させ
た。溶液が均一になったところでDMC8.96g
(0.053モル)を添加し、80℃で15時間反応さ
せた。途中約3時間で固相化した。室温まで冷却した
後、得られた反応マスにIPAを装入し、濾過後更にI
PAにてリンス洗浄し、その後80℃、160mmH
g、窒素下で一晩乾燥しポリ乳酸を得た。得られたポリ
乳酸のMwは9.5万であった。
【0048】実施例7 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、ク
ロロベンゼン50gを装入し、80℃にて溶解させた。
溶液が均一になったところでDMC8.96g(0.0
53モル)を添加し、80℃で6時間反応させ、反応相
が固化した後、10mmHgまで徐々に減圧にしてい
き、クロロベンゼンを留去した。その後減圧下更に80
℃にて15時間反応させた。室温まで冷却した後、得ら
れた反応マスにIPAを装入し、濾過後更にIPAにて
リンス洗浄し、その後80℃、160mmHg、窒素下
で一晩乾燥しポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMw
は10.5万であった。
【0049】実施例8 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、ク
ロロベンゼン50gを装入し、80℃にて溶解させた。
溶液が均一になったところでDMC8.96g(0.0
53モル)を添加し、80℃で6時間反応させ、反応相
が固化した後、10mmHgまで徐々に減圧にしてい
き、クロロベンゼンを留去した。その後減圧下更に80
℃にて8時間、120℃にて4時間、150℃にて4時
間反応させた。室温まで冷却した後、得られた反応マス
にIPAを装入し、濾過後更にIPAにてリンス洗浄
し、その後80℃、160mmHg、窒素下で一晩乾燥
しポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは14.5
万であった。又、得られたポリ乳酸のパウダーを200
℃、10MPaに於いて3分間熱プレスして得られた厚
さ2mmのシートは、透明性に優れており、一般的に用
いられるポリスチレン並の強度を有していた。
【0050】実施例9 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、エ
チレンジクロライド50gを装入し、80℃にて溶解さ
せた。溶液が均一になったところでDMC8.96g
(0.053モル)を添加し、80℃で14時間反応さ
せた後、120℃にて4時間、150℃に4時間反応さ
せた。この間エチレンジクロライドは留去されている。
室温まで冷却した後、得られた反応マスにイソプロピル
アルコール(以下IPAという)を装入し、濾過後更に
IPAにてリンス洗浄し、その後80℃、160mmH
g、窒素下で一晩乾燥しポリ乳酸を得た。得られたポリ
乳酸のMwは14.1万であった。
【0051】実施例10 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコに実験例1にて得られ
た酸クロライド1を50g(酸クロライド末端数=0.
0335モル)、メチレンクロライド50gを装入し、
40℃にて溶解させた。溶液が均一になったところでD
MC6.23g(0.037モル)を添加し、40℃で
8時間反応させた後、徐々に80℃まで昇温していきメ
チレンクロライドを留去し、80℃にて8時間、120
℃にて4時間、150℃に4時間反応させた。室温まで
冷却した後、得られた反応マスにIPAを装入し、濾過
後更にIPAにてリンス洗浄し、その後80℃、160
mmHg、窒素下で一晩乾燥しポリ乳酸を得た。得られ
たポリ乳酸のMwは14.4万であった。
【0052】実施例11 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、ク
ロロベンゼン50gを装入し、80℃にて溶解させた。
溶液が均一になったところで2−クロロ−1,3−ジブ
チルイミダゾリニウムクロライド13.42g(0.0
53モル)を添加し、80℃で6時間反応させ、反応相
が固化した後、10mmHgまで徐々に減圧にしてい
き、クロロベンゼンを留去した。その後減圧下更に80
℃にて8時間、120℃にて4時間、150℃に4時間
反応させた。室温まで冷却した後、得られた反応マスに
IPAを装入し、濾過後更にIPAにてリンス洗浄し、
その後80℃、160mmHg、窒素下で一晩乾燥しポ
リ乳酸を得た。得られたポリ乳酸のMwは14.0万で
あった。
【0053】実施例12 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた300mlの4つ口フラスコに琥珀酸59.04g
(0.500モル)、1,4−ブタンジオール45.5
1g(0.505モル)、クロロベンゼン104.6g
を装入し、80℃にて溶解させた。溶液が均一になった
ところでDMC185.96g(1.10モル)を添加
し、80℃で6時間反応させた後、10mmHgまで徐
々に減圧にしていき、クロロベンゼンを留去した。その
後減圧下更に80℃にて8時間、120℃にて4時間、
150℃に4時間反応させた。室温まで冷却した後、得
られた反応マスにIPAを装入し、濾過後更にIPAに
てリンス洗浄し、その後80℃、160mmHg、窒素
下で一晩乾燥しポリ乳酸を得た。得られたポリブチレン
サクシネートのMwは16.0万であった。
【0054】比較例1 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、メ
チレンクロライド50gを装入し、20℃にて溶解させ
た。溶液が均一になったところでDMC8.96g
(0.053モル)を添加し、20℃で40時間反応さ
せた。室温まで冷却した後、得られた反応マスにIPA
を装入し、濾過後更にIPAにてリンス洗浄し、その後
80℃、160mmHg、窒素下で一晩乾燥しポリ乳酸
を得た。得られたポリ乳酸のMwは1.0万であった。
【0055】比較例2 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた400mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、ク
ロロベンゼン116.7gを装入し、80℃にて溶解さ
せた。溶液が均一になったところでDMC8.96g
(0.053モル)を添加し、80℃で30時間反応さ
せた。室温まで冷却した後、得られた反応マスにIPA
を装入し、濾過後更にIPAにてリンス洗浄し、その後
80℃、160mmHg、窒素下で一晩乾燥しポリ乳酸
を得た。得られたポリ乳酸のMwは2.3万であった。
【0056】比較例3 温度計、留出管、冷却管、吹き込み管及び撹拌装置を備
えた200mlの4つ口フラスコにLAオリゴマー1を
50g(カルボン酸末端数=0.04819モル)、ク
ロロベンゼン50gを装入し、80℃にて溶解させた。
溶液が均一になったところでDMC8.96g(0.0
53モル)を添加し、80℃で6時間反応させ、反応相
が固化した後、10mmHgまで徐々に減圧にしてい
き、クロロベンゼンを留去した。その後減圧下更に80
℃にて8時間、120℃にて4時間、150℃にて4時
間反応、200℃にて4時間反応させた。室温まで冷却
した後、得られた反応マスにIPAを装入し、濾過後更
にIPAにてリンス洗浄し、その後80℃、160mm
Hg、窒素下で一晩乾燥しポリ乳酸を得た。得られたポ
リ乳酸のMwは9.8万であったが、着色が著しかっ
た。
【0057】
【発明の効果】本発明の方法によれば、カルボン酸クロ
ライド基を有する脂肪族系化合物と活性水素基を有する
脂肪族系化合物とを、40℃以上180℃以下の温度
で、重合溶媒中の原料濃度を50%以上にて反応させる
事で、塩基及び/又は触媒の非存在下でも生分解性を有
する脂肪族系ポリエステルを製造出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉井 正司 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸クロライド基を有する脂肪族
    系化合物と活性水素基を有する脂肪族系化合物とを、塩
    基及び/又は触媒の非存在下、40℃以上180℃以下
    の温度で、重合溶媒中の原料濃度を50%以上にて反応
    させる事を特徴とする生分解性を有する脂肪族系ポリエ
    ステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 カルボン酸クロライド基を有する脂肪族
    系化合物が、ハロイミニウム塩とカルボン酸基を有する
    脂肪族系化合物とを反応させる事により得られるカルボ
    ン酸クロライド基を有する脂肪族系化合物である事を特
    徴とする請求項1記載の生分解性を有する脂肪族系ポリ
    エステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 生分解性を有する脂肪族系ポリエステル
    が、一般式(1) 【化1】 〔式中、R1、R2、R3、R4は水素原子又はC1〜
    C6の飽和炭化水素を示し、各々同じであっても異なっ
    ていてもよい。a、bは0又は1〜6の整数を示し、a
    =0の場合bは1〜6の整数、b=0の場合aは1〜6
    の整数を示す。k、lは0又は1以上の整数を示し、k
    =0の場合lは1以上の整数、l=0の場合kは1以上
    の整数を示す。〕で表わされる重量平均分子量が100
    00以上であるポリヒドロキシカルボン酸である請求項
    1記載の生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 生分解性を有する脂肪族系ポリエステル
    が、一般式(2) 【化2】 〔式中、R5、R6、R7、R8はC1〜C12の炭化
    水素を示し、各々同じであっても異なっていてもよい。
    m、nは0又は1以上の整数を示し、m=0の場合nは
    1以上の整数、n=0の場合mは1以上の整数を示
    す。〕で表わされる重量平均分子量が10000以上で
    ある脂肪族ブロックコポリエステルである請求項1記載
    の生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 生分解性を有する脂肪族系ポリエステル
    が、請求項3記載のポリヒドロキシカルボン酸と請求項
    4記載の脂肪族系ポリエステルの任意の割合のブレンド
    である請求項1記載の生分解性を有する脂肪族系ポリエ
    ステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 生分解性を有する脂肪族系ポリエステル
    が、請求項3記載のポリヒドロキシカルボン酸と請求項
    4記載の脂肪族系ポリエステルの任意の割合のコポリマ
    ーである請求項1記載の生分解性を有する脂肪族系ポリ
    エステルの製造方法。
JP21892897A 1997-05-06 1997-07-31 生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法 Pending JPH1121344A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21892897A JPH1121344A (ja) 1997-05-06 1997-07-31 生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-115558 1997-05-06
JP11555897 1997-05-06
JP21892897A JPH1121344A (ja) 1997-05-06 1997-07-31 生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1121344A true JPH1121344A (ja) 1999-01-26

Family

ID=26454052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21892897A Pending JPH1121344A (ja) 1997-05-06 1997-07-31 生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1121344A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004359706A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Toshiba Corp 樹脂組成物の製造方法及びこれによって得られる樹脂組成物
JP2010525152A (ja) * 2007-04-24 2010-07-22 タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ 生分解性マクロマー

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004359706A (ja) * 2003-06-02 2004-12-24 Toshiba Corp 樹脂組成物の製造方法及びこれによって得られる樹脂組成物
JP2010525152A (ja) * 2007-04-24 2010-07-22 タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ 生分解性マクロマー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Coulembier et al. From controlled ring-opening polymerization to biodegradable aliphatic polyester: Especially poly (β-malic acid) derivatives
JP5157035B2 (ja) ポリ乳酸樹脂組成物、その製造方法および成形品
EP1444285B1 (en) Biodegradable coating
JP3369565B2 (ja) コハク酸から誘導される繰り返し単位を有するコポリエステル
JP2001187818A (ja) コポリエステル樹脂組成物及びその製造方法
AU2021415772B2 (en) Semiaromatic polyester, and preparation method and application thereof
JP2001187817A (ja) コポリエステル樹脂組成物及びその製造方法
JP3644840B2 (ja) 生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法
US20100249361A1 (en) Process for production of polyester copolymers and a composition incorporating the copolymers
JP4179111B2 (ja) ポリエステルの製造方法
WO2021201185A1 (ja) 生分解性樹脂組成物及び成形体
JP3712844B2 (ja) 分解性重合体及びその製造方法
JPH1121344A (ja) 生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法
JP4100212B2 (ja) 高分子量ポリオキサレートの製造方法
JP4744675B2 (ja) 生分解性を有する脂肪族系ポリエステルの製造方法
US11795268B2 (en) Functional resin composition comprising biomass-derived component
JP5135740B2 (ja) ポリエステル及びその製造方法、並びにポリエステルブロック共重合体
JP3647689B2 (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP2001064375A (ja) ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法
JP3289595B2 (ja) 生分解性脂肪族ポリエステル共重合体及びその製造方法
JPH06287278A (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP3374530B2 (ja) 脂肪族ポリエステル共重合体の製造方法
JPH08183840A (ja) 高分子量ポリエステルの重合方法
JP2002338673A (ja) 生分解性ブロック共重合体の製造法
JP7015342B2 (ja) 生分解性コポリマー及びその製造方法並びに生分解性向上法