JP2024514136A - テレフタル酸ジメチルのエステル交換反応によるテレフタレート誘導体の製造方法 - Google Patents

テレフタル酸ジメチルのエステル交換反応によるテレフタレート誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、テレフタル酸ジメチルからテレフタレート誘導体を製造する方法に関し、反応条件及びエステル交換反応用触媒を最適化して、単純工程によってテレフタレート誘導体を高収率で製造することができる、工程効率及び経済性を向上させた、テレフタル酸ジメチルからテレフタレート誘導体を製造する方法に関する。

Description

本発明は、テレフタル酸ジメチル(dimethyl terephthalate、DMT)からエステル交換反応によってテレフタレートに結合した官能基が他の形態に置換された高付加誘導体を製造するエステル交換反応、及びそれによるエステル官能基を含む高分子の効率的な解重合方法に関し、前記DMTと一価及び/又は多価のアルコールとを原料とするエステル交換反応において、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属酸化物及びグアニジン(guanidine)系有機化合物の中から選択された少なくとも1種を触媒として用いて、常温(25℃)乃至適用されたアルコールの沸点以下の温度でエステル交換反応を行うことにより、高付加テレフタレート誘導体を高収率で製造することができる効率的な転換方法、並びにこれをメタノリシス反応と連携して前記高付加テレフタレート誘導体を高収率で得るとともにエステル交換反応の工程効率及び経済性を向上させることができる、エステル官能基を含む高分子の解重合反応工程に関する。
プラスチックは、安価で耐久性のある物質であり、成形及び加工が便利であるという利点をもっており、様々な製品の生産に使用されている。このような利点により、プラスチックは、産業と生活の各分野で消費量が数十年間劇的に増加した。しかし、管理が不適切なプラスチック廃棄物が環境に放置されて環境汚染を引き起こしたり、小片に分解された微小プラスチックが生態系のあちこちを漂って生物に蓄積され、その結果として微細粉塵、飲料水、食品などを通じて再び人体に入ったりするという問題点が生じている。さらに、このようなプラスチックの50%以上が、包装・農業用フィルム、使い捨て消費物品などのように単一用途の使い捨て用途として使用されるか、或いは製造後1年以内に廃棄される短期製品として使用される。
廃棄されるほとんどのプラスチックは、自然浄化が難しい指定埋立地或いは自然生息地にランダムに排出され、環境汚染問題の深刻性は日増しに増加している。自然分解又は生分解可能なプラスチックも、紫外線暴露のレベル、温度、分解微生物の存在などの局所環境要因によって数十年間存続する可能性がある。
かかる問題を解決するために、自然状態での分解サイクルが短い新規プラスチック物質の開発だけでなく、既存の石油系プラスチックの化学的分解からプラスチックの物理的再生及び再加工に至るまで、プラスチックの蓄積を最小限に抑えたり、環境的影響を低減したりするための様々な研究が行われている。
エステル官能基を含む高分子は、解重合(depolymerization)によって単量体化が可能であり、様々な化学的反応経路が開発されてきた。分解によって生成された単量体は、理論的には初期の高分子合成に投入される原料と同等の性質を有することができる。産業的にポリエステルをリサイクルするために応用されている解重合経路としては、加水分解(Hydrolysis)、グリコリシス(Glycolysis)、メタノリシス(Methanolysis)、アンモノリシス(Ammonolysis)などがあり、これらを組み合わせて工程別の利点を活用する複合工程に至るまで、様々な化学的解重合方法が広く用いられている。
上記に列挙したエステル官能基を含む高分子の解重合製造方法についてより具体的に説明すると、加水分解の場合、酸、塩基、又は金属塩触媒の存在下に、様々な反応経路を通じて分解が行われ得ることが知られている。酸を触媒として適用する反応の場合、高い反応収率を得るために常に高い濃度の硫酸溶液が必要なので、工程の設計、運転及び後処理に伴う経済性の問題などが欠点として指摘されている。塩基及び金属塩触媒を適用する反応系の場合、分解反応速度が非常に遅く、製品純度が低く、触媒回収が難しいので非効率的である。
グリコリシスは、反応物としてグリコールを添加する解重合反応である。グリコリシスの最も一般的な例としては、単量体原料の一つであるエチレングリコールを過剰に添加してビス-(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(bis(2-hydroxyethyl)terephthalate、BHET)を製造する工程がある。ポリエチレンテレフタレート(PET)高分子合成の原料の一つであるエチレングリコールを反応物として使用するため、解重合反応によって製造された製品は、テレフタレートの両末端にエチレングリコールが既に結合した形態の化学構造を備えている。したがって、既存のテレフタル酸を使用する縮重合工程の原料の一部のみを代替しても、反応力学的な面で非常に有利な結果をもたらすことができる。
また、グリコリシス反応で得られた製品は、PETの合成原料として直接使用することが可能なので、別途の過剰な設備投資なしに既存のPET生産ラインの一部のみを修正して高分子素材の製造に適用可能であるという利点がある。グリコリシスは、反応物であるグリコールの還流条件下で行うのが一般的であり、オリゴマーから単量体に分解される段階の速度が遅く、反応時間を遅らせても化合物間の平衡状態に至るために製品純度が低いのでありうるのであり、最終製品である単量体を反応物から高純度又は高収率で分離することが容易ではないという問題点がある。一般に、酢酸亜鉛又は酢酸リチウムなどの金属塩が反応触媒として使用される。このような触媒を構成する金属イオンは、精製過程で完全に除去されずに製品に残留するおそれがあり、少量でも人体有害性を有する金属が再生単量体に含まれる可能性があって、これを再投入して生産される製品、特に食品用、医療用及びその他の生活用品素材の再加工には活用が難しい側面がある。そして、グリコリシスは、高い温度で反応が行われるが、製品の回収及び精製過程は、低温の再結晶化法に従うのが一般的であるため、エネルギー消費量が多く、生産工程の熱源供給方法による費用と効率性が低くなるという問題点がある。
メタノリシス工程は、過去のグローバル化学会社だけでなく、中小プラスチック産業に至るまで実際の商用工程に広く応用された工程の一つである。前記工程によって理論的にテレフタル酸ジメチル(dimethyl terephthalate、DMT)が最終単量体製品として得られ、エステル交換反応が行われるにつれて、分解されたテレフタレートのモル数の等価に該当するエチレングリコールが遊離し得る。実際の反応では、部分的なメタノリシス、遊離エチレングリコールとの反応平衡、及び加水分解などの副反応によってヒドロキシエチルメチルテレフタレート(1-(2-HYdroxyethyl)4-methyl terehthalate、HEMT)、モノメチルテレフタレート(monomethyl terephthlate、MMT)などが反応生成物内に副生しうる。メタノリシス反応の目的化合物であるDMTは、より高付加性の他の単量体を製造するための工程又は複合混成解重合工程(例えば、メタノリシス-グリコリシス)の中間原料として活用できる。また、相対的に他の単量体に比べて低沸点特性を持っており、水素添加反応に対する選択性の制御が容易であって高付加ジオール単量体(例えば、1,4-シクロヘキサンジメタノール)製造のための気相反応物として活用でき、再結晶化又は蒸留工程によって精製が容易であって、高純度と高品質が要求されるPET重合の原料としても使用できる。しかし、メタノールを反応溶媒として使用するので、高温高圧の過酷な反応条件が必要であり、このような運転環境を満たすことが可能な反応器と耐久性を有する関連付帯設備とを備えるために初期費用が過剰であるおそれがあり、反応物の回収及び製品の精製のための追加単位工程が必須的なので、高い投資費が要求される可能性がある。使用される触媒は、グリコリシス反応に一般的に使用される解重合触媒としての酢酸亜鉛を含む酢酸マグネシウム、酢酸コバルト、二酸化鉛などの重金属が含有されたエステル交換反応触媒が代表的に使用できるが、製品内の金属残留量に起因する人体有害性の問題及び環境問題などを誘発するおそれがある。
エステル官能基を含む高分子の解重合反応工程は、加水分解又はアルカリ分解工程と共にメタノリシスが広範囲に活用されたが、両反応とも、高温エネルギー多消費工程であって、低温で解重合を行うと反応時間が長く、生成された製品の品質と量が制限されうる。解重合単量体製造のための反応経路としてメタノリシスが選択された場合、単量体製品であるDMTの収率及び純度は、触媒の反応性と反応不純物によって大きな影響を受け、製品に対する精製過程の負担を減らすためには効果的な副反応抑制方法と高い反応性が同時に要求される。
従来技術として、特開平1998-287741号公報(特許文献1)は、廃PETをメタノールによって処理してテレフタル酸ジメチル及びアルキレングリコールをそれぞれ高効率で回収する方法であって、ポリアルキレンテレフタレート高分子からテレフタル酸ジメチルを回収するとき、少なくとも一部が溶融状態にある前記高分子にメタノールを連続的に導入しながら前記ポリアルキレンテレフタレートの解重合反応によってDMTを生成するにあたり、解重合反応温度200~300℃で炭酸カリウムなどを触媒として使用することについて記述している。上記の特許では、解重合温度があまり高いため設備への投資費及び反応工程に用いられるエネルギーが過剰であるという欠点がある。
したがって、メタノリシス反応によって、エステル官能基を含む高分子を解重合するにあたり、過剰なエネルギーを使用せずに解重合反応速度を高めることができ、反応の選択性を増進して高収率のDMTを製造することができる方法が有利であり、これを中間体として用いて連続的なエステル交換反応を構成することができれば、エネルギー消費量は減少するのに対し、BHET又は他の形態のテレフタレート誘導体を高収率で製造することができる、効率的かつ経済的な工程の実現が可能であると期待することができる。
上記反応の一例として、DMTとエチレングリコールを開始物質として用い、高付加単量体であるBHETを最終製品とするエステル交換反応では、テレフタレートに結合したメチル末端基が部分的に置換されたHEMTが反応中間生成物として生成され、加水分解によって、カルボン酸官能基がテレフタレートに結合した形態の化合物が副反応物として生成できる。このような副反応経路を最大限に抑制し、DMTに結合した2モル当量のメタノールが全てエチレングリコールによって交換できるように、段階別のエステル交換反応を促進することが可能な反応経路の設計、及びBHET生成が支配的に行われ得る最適な運転条件を解明してそれを工程に適用することにより、効率的なBHET製造工程の設計が可能であろうと予想される。
非特許文献「Zn- and Ti-Modified Hydrotalcites for Transesterification of Dimethyl Terephthalate with Ethylene Glycol: Effect of the Metal Oxide and Catalyst Synthesis Method」(Amarsinh L. Jadhav, Radhika S. Malkar, and Ganapati D. Ya, ACS Omega 2020, 5, 2088-2096)には、DMTとエチレングリコールを用いてエステル交換反応を行う際に、亜鉛及びチタンをヒドロタルサイト(hydrotalcites)に導入した後、改質によって製造される複合金属平面構造体を触媒として用いて、高付加単量体であるBHETの選択度を96.1%まで向上させることができる例が報告されている。
しかし、上記先行文献の場合、180℃の高温でエステル交換反応が行われたにも拘らず、テレフタル酸ジメチルの転換率が70%未満のレベルに留まっており、得られた反応混合物からBHETの精製に多くのエネルギーが消費されることがあり、触媒の製造過程が複雑であって再現性に問題があるおそれがあり、触媒に導入された金属も浸出するおそれがあって、商用工程に適用するには工程の効率及び経済性に限界があり得る。
したがって、DMTのエステル交換反応によって高付加テレフタレート誘導体を製造するにあたり、過剰なエネルギーを使用せず、有害性の低い環境に優しい素材を適用すると共に、低価触媒の使用と工程単純化によって経済性を確保することが重要である。また、DMTの転換率だけでなく、高収率のテレフタレート誘導体を得ることを可能とする、工程効率及び経済性の両方が向上した反応及び精製統合工程技術の開発が要求される。製造された誘導体は、廃プラスチック資源の再循環のための再生単量体、可塑剤などの添加剤、物性改善のためにグリコールの一部又は全部が変形した素材の合成のための重合原料など、産業的に活用価値の高い多様なアップサイクリング原料として活用できる。
本発明は、上述した問題点を解決するために、工程を単純化しながら高収率の高付加単量体を製造することができるエステル交換反応方法、すなわちテレフタル酸ジメチル(DMT)から他の形態のテレフタレート誘導体を製造するための方法を提供しようとする。
また、本発明は、前記DMTから他の形態のテレフタレート誘導体への転換方法を拡張、応用して、エステル官能基を含む高分子の解重合から生成された反応生成物と、一価及び/又は多価のアルコールを反応物として適用することで、常温(25℃)乃至適用されたアルコールの沸点以下の温度で、高収率のテレフタレート誘導体を製品として製造することができる方法、すなわち、エステル官能基を含む高分子原料を開始物質として多重エステル交換反応によって高付加テレフタレート誘導体を製造することができる効率的且つ経済的な解重合方法を提供しようとする。
上記の課題を解決するために、本発明は、(a)テレフタル酸ジメチルに一価及び/又は多価アルコールをエステル交換のための溶媒として添加し、アルカリ炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリアルコキシド、アルカリ土類金属酸化物及びグアニジン系有機化合物よりなる群から選択された少なくとも1種のエステル交換反応用触媒の存在下に、キャリアガスの流れを加えながら、エステル交換反応を行う段階と、(b)前記反応で製造されたテレフタレート誘導体を分離して得る段階と、を含むことを特徴とする、DMTからテレフタレート誘導体を製造する方法を提供する。
本発明の一実施形態において、前記(a)段階のエステル交換反応は、常温から、反応物としての一価及び/又は多価のアルコール溶媒の沸点との間の温度範囲で実施でき、テレフタル酸ジメチル1モル当たり、エステル交換反応用触媒は0.00005~1.0のモル比を有することができる。
本発明の一実施形態において、前記(a)段階におけるアルコールは、エチレングリコールであり得る。
また、本発明は、(A)エステル官能基を含む高分子にアルコール、極性非プロトン性溶媒及び炭酸カリウム(KCO)を投入して解重合する段階と、(B)前記(A)段階で得られた解重合結果物に、キャリアガスの流れを加えながら、エステル交換反応を行う段階と、(C)前記反応で製造されたテレフタレート誘導体を分離して得る段階と、を含むことを特徴とする、エステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を生産する方法を提供する。
本発明の一実施形態において、前記(A)段階後、前記解重合結果物から一部の化合物を分離する段階をさらに行うことができ、前記外部に分離される一部の化合物は、未反応のエステル官能基を含む高分子、不溶性触媒、極性非プロトン性溶媒及び反応副生成物などから選択された少なくとも1種を含むものであり得る。
また、前記(A)段階の極性非プロトン性溶媒は、エステル官能基を含む高分子の解重合反応に参加しない不活性であり、アルコールに対する触媒の溶解度を下げることができる溶媒であり、前記有機化合物の骨格構造は、鎖状及び/又は環状の化合物であって、前記有機化合物にハロゲン元素、酸素及び窒素の少なくとも1種が結合したものであり、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アミノプロピオニトリル、メチルアミノプロピオニトリル、イミノジプロピオニトリル、ブチロニトリル、メチルブテンニトリル、ブタネンニトリル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジメトキシベンゼン、トリメトキシベンゼン、メトキシフェノール、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、及びトリクロロベンゼンの中から選択された少なくとも1種であり得る。
また、本発明の一実施形態において、前記(A)段階で、エステル官能基を含む高分子原料の繰り返し単位のモル数に対する、前記アルコールのモル数及び前記極性非プロトン性溶媒のモル数は、エステル官能基を含有する高分子原料の繰り返し単位のモル数対比0.1~5,000倍の割合範囲である得る。
また、本発明の一実施形態において、前記(B)段階でエステル交換反応を行う前に、(A)段階での解重合結果物に、エステル交換のための反応物として、一価及び/又は多価のアルコール反応物、及び/又は;アルカリ炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリアルコキシド、アルカリ土類金属酸化物及びグアニジン(guanidine)系有機化合物よりなる群から選択された少なくとも1種のエステル交換反応触媒を、解重合結果物に含まれたテレフタル酸ジメチルのモル当たりで所定範囲のモル数となるように調節することができ、前記(C)段階で回収されたメタノールは、再び(A)段階の解重合原料として再使用できる。
また、本発明の一実施形態において、前記(B)段階で調節されるエステル交換反応用触媒は、解重合結果物に含まれたテレフタル酸ジメチルの1モル当たり0.00005~1.0倍のモル数であることを特徴とする。
本発明は、少量のエステル交換反応触媒とエネルギー消費量が多くない単純な工程構成によって、DMTから高付加テレフタレート誘導体を高収率で得ることができる方法を提供する。より詳細には、単量体原料と付加された一価及び/又は多価のアルコール及びエステル交換反応によって遊離するメタノールが閉鎖系内で至ることが可能な反応平衡を変化させる方法が使用される。例えば、メタノールのみを選択的に外部へ排出することにより、逆反応に該当するメタノリシスを抑制し、正反応に該当するエステル交換反応を促進してテレフタレート誘導体を高収率で製造する方法を提供する。
本発明の一例によって準備できる反応物内触媒は、エステル交換反応に効果的な触媒が使用でき、メタノリシスや誘導体を生成するエステル交換反応に対する反応選択性の区分が不要であり、一般的なエステル官能基を含む高分子の解重合反応に投入される触媒の質量対比1000分の1乃至10分の1の微量のみでも十分な反応性を発揮することができ、選択性を維持することができる効果的かつ効率的なエステル交換反応を誘導するために使用できる。したがって、まず行われたメタノリシス反応系から排出された反応生成物中に残留した触媒の全部又は一部のみでもエステル交換反応を行うことができる。外部へ排出される蒸気は、DMTの当量分の高純度メタノールであって、ほぼ大部分濃縮・回収が可能であり、回収されたメタノールは、エステル官能基を含む高分子の解重合のためのメタノリシスの反応物として100%リサイクルできるため、メタノリシスと誘導体を生成するエステル交換反応を共に構成すれば、理論的には完璧なメタノールの再循環が可能な技術に相当する。
また、本発明は、エステル官能基を含む高分子の解重合から得られたDMT及びエチレングリコールを反応中間生成物にして高収率のテレフタレート誘導体を製造する方法を提供することができる。例えば、メタノール、極性溶媒及びエステル交換反応触媒の存在下で行われ得る低温メタノリシス反応から高収率のDMT及びエチレングリコールを生成した後、前記生成されたDMTにエチレングリコールが付加されるエステル交換反応を介してBHETを最終製品として生産する方法を提供することができる。本発明の一例によって、エステル官能基を含む高分子の解重合を行うと、既存のグリコリシスの高温反応条件(190~280℃)を使用しないにも拘らず、高付加単量体であるBHETの高収率製造が可能である。例えば、適用されたジオール反応物(例えば、エチレングリコール)の沸点以下、ひいてはメタノールの沸点よりも低い常温に近接する温度に維持される一連の反応工程のみで高収率のBHETを選択的に製造することができる。これは、低温、低エネルギーのグリコリシス解重合技術の実現が可能であることを意味する。
本発明による方法は、既存の高温グリコリシス反応よりも二量体(dimer)又はオリゴマーの生成量を低く維持することができ、これから相対的に高い濃度のBHETを得ることができながらも、反応物の温度を不純物(二量体やオリゴマーを含む)除去のための精製工程の運転範囲と同様に維持することができ、反応物を移送する際にエネルギー消費を伴う予熱又は冷却過程を経ることなく精製工程に直接適用が可能なので、エネルギー損失量を最小限に抑えるとともに連続反応及び後処理工程の実現が容易である。
本発明によって行われ得るエステル交換反応は、PETの再重合に使用できるBHET以外の様々な種類の素材合成に応用できる再生単量体又はテレフタレート誘導体の製造に適用できる。一例として、製造される単量体は、エストロゲンホルモンの構造とは異なる幾何学的な特性を有するので、人体ホルモン撹乱を引き起こすことが知られているフタレート系可塑剤に代わる素材に応用することができる。この他にも、様々な種類のプラスチック物性改善のための原料の製造に活用することができる。PETは、熱及び機械的特性に優れるが、最終結晶化温度が低く、結晶化速度が遅いため、短いサイクル内の射出成形が困難であることが知られており、このような特性のために用途が制限的である。したがって、目的と用途に合わせて物性が改善された様々な形態の高分子樹脂に対する市場需要は着実に増加している。例えば、PETのジオール単位に新しい単量体を導入して共重合又は縮重合するときに使用される、ジオールの一部を変形させて最終製品の物性を改善する方法は、既に産業で普遍的に活用されている。一例として、縮重合の過程でエチレングリコールをブチレングリコールに置き換えて重合を行うと、より柔軟な鎖構造の特性に応じて、射出成形に優れた高分子形態のポリブチレンテレフタレート(PBT)素材が製造できる。その他にも、異なる種類のジオールを導入すると、多様な形態の高分子素材の合成に応用できる。すなわち、本発明の一例によってDMTのエステル交換反応を行うにあたり、一価及び/又は多価のアルコールの反応物を変形させ、類似した反応条件を加えると、様々な形態のテレフタレート誘導体を容易に製造することができる。特に、廃PETのメタノリシスから製造される反応生成物を直接原料として活用すると、非常に単純で容易な反応工程によって再生単量体を経済的に製造することができ、原料の注入を異にすることにより、様々な高付加テレフタレート誘導体を柔軟に製造することができる、幅広いアップサイクリング工程の構成が可能である。
本発明の一実施形態によってDMTのエステル交換反応から生成されるメタノールを反応器の外部へ排出するためのキャリアガスの供給方法を図式化したものである。 本発明の一実施形態によってエステル官能基を含む高分子原料から解重合によって製品としてのテレフタレート誘導体を高収率で得るために構成できる工程組み合わせの例を図式化したものである。 本発明の一実施形態によってDMTのエステル交換反応を行うための実験装置の一構成例を図式化したものである。
他に定義されない限り、本明細書で使用されたすべての技術的及び科学的用語は、本発明の属する技術分野における熟練した専門家によって通常理解されるのと同じ意味を有する。一般に、本明細書で使用された命名法は、当該技術分野でよく知られており、通常使用されるものである。
本明細書全体においてある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
本発明は、DMTを原料として使用し、一価及び/又は多価のアルコールを付加して進行できるエステル交換反応を行う際に、高付加のテレフタレート誘導体を高収率で得るための最適な触媒を提供する。
本発明は、一態様において、エステル交換反応によってDMTを高収率でテレフタレート誘導体に転換するための触媒として、アルカリ炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリアルコキシド、アルカリ土類金属酸化物及びグアニジン(guanidine)系有機化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を選択することができるエステル交換反応方法を提供する。
また、本発明は、グリコリシス反応によってDMTをテレフタレート誘導体に転換する際に、前記最適なエステル交換反応触媒の他にも、最適な反応条件を設定してテレフタレート誘導体を高収率で得ることができる、DMT由来テレフタレート誘導体を製造することができるエステル交換反応方法を提供する。
本発明の前記方法は、(a)DMTに、一価及び/又は多価のアルコールをエステル交換反応のための反応物として添加し、アルカリ炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリアルコキシド、アルカリ土類金属酸化物及びグアニジン系有機化合物よりなる群から選択された少なくとも1種のエステル交換反応触媒の存在下に、キャリアガスの流れを加えながら、エステル交換反応を行う段階と、(b)前記反応で製造されたテレフタレート誘導体を分離して取得する段階と、を含む。
本発明において、前記(a)段階の触媒の投入とキャリアガスの流れは、反応物が目的温度に到達する前又は後に制限なく反応物に供給することができ、バッチ式反応条件又は連続的流れのある条件で行われうる。触媒と付加反応物である一価及び/又は多価のアルコールは、反応を準備する前に、DMTと混合した形態で投入されることもありうる。
前記キャリアガスの流れは、メタノールを外部へ排出するための手段として使用され、圧力差を勾配とする気相の強制循環による流れを使用することができる。また、反応器の外部でメタノール蒸気を凝縮した後、蒸気相の濃度がほぼ希薄な状態で再循環するガスの連続的流れを使用するか(図2のa)、或いは外部から不活性ガスを連続的に供給してメタノールを外部へ排出する方法(図2のb)も使用できる。
前記(a)段階によるエステル交換反応を行う際に、反応器にテレフタル酸ジメチル、一価及び/又は多価アルコール及びエステル交換反応用触媒を投入し、キャリアガスが前記反応器内の反応物と直接的に気液接触することができるように、移送管を反応物の水位の下に置き、気泡が噴射できるようにすることができる。この過程で気相内のメタノール蒸気の濃度が形成され、キャリアガスによる外部への流れを介して連続的に外部へ排出されうる。キャリアガスにより拡散するメタノール蒸気は、飽和濃度以上で物質移動が起こることが反応性に有利であり得るが、十分な速度のキャリアガスが供給されると、エステル交換反応の速度によってメタノール排出量が調節できる。
前記エステル交換反応の温度は、気液接触過程で反応から発生するか、或いは反応物内に存在するメタノールの蒸発速度が発生する範囲、すなわち常温から、反応物に適用された一価及び/又は多価アルコールの沸点までの間の温度、そして絶対圧を基準に0.1torr~5atmの圧力を維持することができるが、エステル交換反応を行うための温度及び圧力の範囲と、キャリアガスによるメタノール除去速度を一緒に考慮して上記の範囲内で変更できる。
上記の温度範囲は、投入するエステル交換反応用触媒に応じて変更でき、好ましくは、常温から、反応物に適用されたアルコールの沸点までの間の温度であり、前記圧力は、大気圧付近の圧力で行うことが安定かつ連続的な工程運営に有利であり得る。また、前記(a)段階における反応時間は、反応に使用された触媒の種類と投入量の他に、供給されたDMT及びアルコールの量によっても変わり得る。
まず、前記(a)段階において、原料であるDMTの単位モル当たり、エステル交換反応用触媒は0.00005~1.0のモル比、好ましくは0.0001~0.2のモル比を有するように投入することができる。前記エステル交換反応用触媒が原料としてのDMTの単位モル当たり0.00005未満のモル比で含まれる場合には、一価及び/又は多価アルコールによるDMTのエステル交換反応がゆっくり進行して工程効率が低下しうるのであり、1.0のモル比を超えて含まれる場合には、増加した触媒の含有量に比べて向上する効果の程度が大きくないために、非経済的であり、むしろ副生成物が増加する可能性があり、テレフタレート誘導体分離の際に、前記過剰の触媒は不純物として残るので、分離及び精製の効率に影響を与える可能性がある。
前記エステル交換反応用触媒は、アルカリ炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリアルコキシド、アルカリ土類金属酸化物及びグアニジン系有機化合物よりなる群から選択される少なくとも1種、好ましくは、KCO、KHCO、NaCO、NaHCO、NaOH、KOH、MgO、CaO、CHOK、CHONa及びTBDの中から選択される少なくとも1種であり、触媒の量及び組合せは、DMTの転換率を著しく向上させるとともに、テレフタレート誘導体に対する収率も著しく向上させることができるものでなければならない。
(a)段階におけるエチレングリコールの量は、DMTモル当たり1~50モルの範囲であり得る。エチレングリコールの量が上記の範囲にある場合、最も効率よくエステル化反応が起こり得る。
前記一価及び多価アルコールは、炭素数1~20の直鎖状、分岐状、環状又はこれらの混合形態であるアルコールであってもよく、多価アルコールのOH官能基は、2つ以上である。前記アルコールの一例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、グリセロール及び1,2,4-ブタントリオールのうちの少なくとも1種が使用でき、好ましくはエチレングリコールが使用できる。
このような、前記エステル交換反応用触媒の下でDMTに一価及び/又は多価アルコールを付加してエステル交換反応する(a)段階では、テレフタレート誘導体及びメタノールが生成され、製造されるテレフタレート誘導体製品への正反応が平衡濃度以上で進行し続けるように、キャリアガスの流れを反応器の内部に置き、メタノール蒸気を反応系の外部へ連続的に排出する条件下で行われる。キャリアガスを供給する方法としては、図2に示すように、メタノール蒸気を凝縮器によって分離した後、外部へ排出させる一方向の流れ(図2のb)による方法、又はメタノール蒸気を除去した後に再循環させる方法(図2のa)が使用できる。
反応器に注入されるキャリアガスは、エステル交換反応から副生するメタノールが逆反応によって再結合するのを防止又は抑制することができるように反応物内のメタノールの濃度を希薄に維持させる反応条件がDMT転換率とテレフタレート誘導体製品の収率向上に有利であり得る。このとき、前記キャリアガスは、DMTのアルコール付加エステル交換反応又は触媒に化学的作用を及ぼさないガスであれば制限なく使用でき、好ましくは空気、窒素、アルゴン、ヘリウム等を使用することができ、好ましくは、水分を実質的に含まない不活性ガスが有利であり得る。
本発明において、(b)段階は、前記反応で形成されたテレフタレート誘導体を分離して得る段階であり、具体的には、前記(a)段階で形成されたテレフタレート誘導体を、未反応の残留DMT、エチレングリコール、残留触媒などを含む反応混合物から分離して高純度で得る段階であって、一般に公知の精製方法によって実施でき、その方法が限定されないが、ろ過、結晶化、遠心分離、蒸発、蒸留等の物理的方法、又は吸着、中和、塩析などの化学的方法を並行して行うことができる。
本発明は、DMTを開始物質として一価及び/又は多価アルコールが付加できるエステル交換反応によって高付加テレフタレート誘導体を製造するにあたり、前記DMTは、エステル官能基を含む高分子の解重合から得られたものであり、解重合結果物を、前処理過程を含むか或いは含まない状態で一価及び/又は多価アルコールとエステル交換反応させて、テレフタレート誘導体を製造することができる。
前記DMTの一価及び/又は多価アルコール付加によるエステル交換反応は、エステル官能基を含む高分子原料からメタノリシス反応によって製造される反応生成物が、第二のエステル交換反応の原料として直接使用される2段階の直列反応によって高収率のテレフタレート誘導体を製造する反応工程にも応用できる。
すなわち、本発明は、エステル官能基を含む高分子の解重合を開始して最終製品としてテレフタレート誘導体を製造する方法が含まれ、(A)エステル官能基を含む高分子に、アルコール、極性非プロトン性溶媒及び炭酸カリウム(KCO)を投入して解重合する段階と、(B)前記(A)段階で得られた解重合結果物にキャリアガスの流れを加えながら、エステル交換反応を進行させる段階と、(C)前記反応で製造されたテレフタレート誘導体製品を分離して得る段階と、を含むことを特徴とする、エステル官能基を含む高分子の解重合によって高付加テレフタレート誘導体を製造する方法を提供する。
図1は、前記エステル官能基を含む高分子原料から、エステル交換反応によってテレフタレート誘導体を製造する過程を概念的に模式化したものである。まず、前記(A)段階(100)は、エステル官能基を含む高分子とアルコール、極性非プロトン性溶媒及び炭酸カリウム(KCO)を解重合反応器に投入して解重合する段階であって、前記エステル官能基を含む高分子が、アルコール、極性非プロトン性溶媒及び炭酸カリウム(KCO)と接触して、エステル交換反応によってアルコール付加単量体を製造することができ、高分子の低温解重合が効果的に行われる。当該工程は、非常に単純であり、90%以上の高収率でDMTを得ることができ、エネルギー消費量が低いため非常に経済的である。
ここで、前記エステル官能基を含む高分子は、単独又は混合廃プラスチックの形態、例えば、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン又はそれらの組み合わせが、前記エステル官能基を含む高分子と混合された形態であり得る。上記に例示として列挙されたエステル官能基を含む高分子と混合される他の高分子は、単純例示に過ぎず、上記のものに限定されない。
また、エステル官能基を含む高分子は、ジカルボン酸とジアルコールとが縮重合して形成された高分子であってもよく、ここで、ジカルボン酸は、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの組み合わせよりなる群から選択され、ジアルコールは、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカンメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジ(テトラメチレン)グリコール、トリ(テトラメチレン)グリコール、ポリテトラメチレングリコール、ペンタエリスリトール、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン及びこれらの組み合わせよりなる群から選択される。
例として、前記エステル官能基を含む高分子は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリグリコリド又はポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ベクトラン及びこれらの組み合わせから選択できる。
前記エステル官能基を含む高分子の最も一般的な一例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、ここで、前記高分子製造のための出発物質は、テレフタル酸又はその誘導単量体及びエチレングリコールである。
本発明に使用されるエステル官能基を含む高分子は、純粋な状態ではなく、様々な不純物が含まれた状態であり得る。例えば、エステル官能基を含む高分子の他に、ボトルキャップ、接着剤、紙、残余液体、埃又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない残骸の混合物が解重合の原料として使用できる。
前記アルコールは、反応物であって、好ましくは直鎖状の第一級アルコールであり、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール又はこれらの組み合わせであり得る。
前記アルコールは、前記エステル官能基を含む高分子原料の繰り返し単位のモル数当たり、アルコールのモル数は0.1~5,000の割合範囲で、好ましくは1~500の割合範囲で使用できる。
前記触媒としては、炭酸カリウムを使用する。炭酸カリウムは、化学式KCOで表され、水に溶ける白色結晶体である。前記炭酸カリウムは、水和物形態よりは無水物形態を使用することが好ましく、使用前に乾燥させて使用することがさらに好ましい。炭酸カリウムの使用量は、エステル官能基を含む高分子繰り返し単位モル数の0.01倍以上であり、好ましくは0.01~100倍、さらに好ましくは0.1~10倍でありうる。
前記極性非プロトン性溶媒は、エステル官能基の分解反応又はエステル交換反応の活性化エネルギーを下げるために適用できる有機液体状化合物として使用され、反応に直接参加しない非反応性(non-reactive)、不活性(inert)溶媒であり、反応物(アルコール)に対する触媒(炭酸カリウム)の溶解度を下げて不均一系触媒反応を誘導し、生成される単量体を溶解させることができることが反応熱力学的に好ましい。
前記極性非プロトン性溶媒中の有機化合物の骨格構造は、鎖状又は環状の化合物であってもよく、有機化合物にハロゲン元素が直接結合した、或いは酸素又は窒素によって有機化合物がそれ自体又は互いに連結された形態であってもよい。その具体的な例としては、トルエン、アセトン(acetone)、メチルエチルケトン(methyl ethyl ketone)、メチルイソブチルケトン(methyl iso-butyl ketone)、アセトニトリル(acetonitrile)、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、ジクロロメタン(dichloro methane)、クロロホルム(chloroform)、クロロベンゼン(chlorobenzene)、メチルフェニルエーテル(methyl phenyl etehr)、メチルフェニルエーテル(ethyl phenyl ether)の中から選択される少なくとも1種が使用できる。
また、前記極性非プロトン性溶媒は、前記エステル基を含む高分子原料の繰り返し単位のモル数対比0.1~5,000倍のモル数範囲で、好ましくは1~500倍のモル数比率の範囲で使用できる。
前記(A)段階は、0~80℃の範囲、好ましくは10~60℃でエステル官能基を含む高分子をアルコール付加解重合するため、前記(A)による一部の例によれば、常圧、常温付近にて高分子の完全な分解を誘導することができるのであり、簡単な構造及び構成によって、反応システムを実現することができるため、既存の技術又は既存の工程に比べて投資費が一層低い可能性があり、効率的且つ安定的なエネルギー管理も可能である。
一方、前記(A)段階の解重合は、基本的に水溶性である不均一系の低価格の触媒が使用されるため、反応後の触媒の回収及び再使用が容易であり、反応物自体の温度を常温以下に下げて製造された単量体を高い割合で回収することができ、使用された溶媒は、再び新しい高分子原料の解重合原料として再投入が可能であるので、リサイクル工程の経済性をさらに向上させることができる。
また、前記(A)段階における高分子の解重合は、追加的な熱源の投入なしに解重合反応のための混合溶液が製造される過程で発生する混合熱、溶解熱などのみで、解重合に必要な十分なエネルギーを得ることもできる。この場合、前記解重合は、断熱された反応器内で実施できる。また、本発明による一部の具体例の如く、外部熱源を供給しながら解重合を行うこともできる。
また、前記高分子の解重合は、大気圧以上で行うことができる。具体的には、約1atm~6.5atmの圧力で行うことができる。
また、前記高分子の解重合は、大気に晒された形態又は閉鎖系の形態で行うことができ、凝縮器を置いて溶媒を還流して行うこともできる。
また、(A)段階の解重合反応時間は、使用される高分子の量によって異なるが、エネルギーを全く加えていない常温の場合、24時間以内に十分に高い収率で単量体を得ることができ、反応物を除いた物質は、化学的変化が深刻に起こらないため、ほとんどを回収して工程に再投入することができる。
前記(A)段階の後に解重合によって得られた解重合結果物から一部の化合物を外部へ分離する段階(200)をさらに行うことができる。具体的には、前記一部の化合物を解重合結果物から分離する段階は、前記(A)段階の解重合反応の完了後に得られるDMT及びエチレングリコールと共に残存する未反応物、メタノール、極性非プロトン性溶媒、触媒又はモノメチルテレフタレート(mono-methyl terephthalate、MMT)、テレフタル酸(terephthalic acid、TPA)誘導化合物などの副生成物を含む反応混合物10から前記高分子、不溶性触媒及び極性非プロトン性溶媒、反応副生成物などから選択された少なくとも1種を含む流れを外部へ分離する段階であって、一般に知られている方法によって実施できるため、その方法が限定されない。
分離の一例として、前記解重合結果物から濾過によって不溶性触媒及び未反応高分子を分離すると、解重合結果物は、均一な液状の形態を取ることができるのであり、ここに加温又は減圧して極性非プロトン性溶媒又はメタノールの濃度の一部又は全部を蒸発又は蒸留すると、解重合結果物のうちのDMTの結晶化が起こり得る。ここに、異物を除去してDMTの濃度を高めるための方法として、洗浄液をさらに加え、再結晶化、物理ろ過、蒸留、蒸発、乾燥等の方法をさらに用いて、エチレングリコール付加エステル交換反応の原料として準備することができる。解重合結果物から分離された溶媒及び触媒等は、先に(A)段階であるメタノリシス解重合100の原料として再投入(20)できる。
一方、前記一部の化合物を分離する段階(200)は、生成されたDMTに一価及び/又は多価のアルコールを加えて行う、エステル交換反応段階(300)を準備するために行われる段階であり得るが、必ずしも行うべきことを意味しない。すなわち、前記(A)段階のエステル官能基を含む、高分子の解重合段階から得られる解重合結果物を分離する段階(200)を経ることなく、直ちに(B)段階の原料として直接使用されることも可能である。
本発明において、(B)段階(300)は、(A)段階で得られた解重合結果物にキャリアガスの流れ3を加えながらエステル交換反応を行う段階である。前記(B)段階でのエステル交換反応を行う方法は、前述したDMTからテレフタレート誘導体を製造する方法と同様の方法によって行われるので、詳細な説明は省略する。前記(B)段階のDMTは、エステル官能基を含む高分子の解重合によって得られたもの(30)であり、前記解重合は、常温及び常圧にて単純工程によって行われうるのであり、解重合の生成物は、高収率のDMTと多価アルコールを含むものであり、これを再び前記本明細書のDMTからテレフタレート誘導体を製造する方法に用いることにより、エステル官能基を含む高分子から直接テレフタレート誘導体が最終製品として得られうる。
前記(B)段階でエステル交換反応を行う前に、(A)段階での解重合結果物にエステル交換反応のための溶媒として一価及び/又は多価のアルコール、及び/又は;アルカリ炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリアルコキシド、アルカリ土類金属酸化物及びグアニジン系有機化合物よりなる群から選択された少なくとも1種のエステル交換反応触媒を、解重合結果物に含まれているテレフタル酸ジメチルのモル当たり所定範囲のモル数となるように調節した後にエステル交換反応を行うこともできる。
前記アルコール及び/又はエステル交換反応触媒のモル数の調節は、アルコール及び/又はエステル交換反応触媒を、前記解重合結果物に追加するか、或いは解重合結果物から一部除去する過程、或いは一部除去の後に新しい一価及び/又は多価のアルコールを追加する過程によって行われる。この際、上記の除去過程及び追加過程は、前述した一部の化合物を分離する段階(200)で行われてもよい。
前記新たに追加される一価及び/又は多価のアルコールは、炭素数1~20の直鎖状、分岐状、環状又はこれらの混合形態であるアルコールであってもよく、多価アルコールのOH官能基は、2つ以上である。
前記調節後のエチレングリコールのモル数は、解重合結果物に含まれているテレフタル酸ジメチルのモル当たり0.1~100モルの範囲、好ましくは1~50モルの範囲であり得る。
また、調節後のエステル交換反応用触媒のモル数は、解重合結果物に含まれているテレフタル酸ジメチルのモル当たり0.00005~1.0モルの範囲、好ましくは0.0001~0.2モルの範囲であり得る。
前記エステル交換反応300では、メタノールによる逆反応を抑制するとともに、製品が生成される方向である一価及び/又は多価のアルコールの付加反応を持続するため、キャリアガスの流れ3によって、メタノールは反応器の外部へ排出(40)されうるのであり、低温に維持される凝縮器400を介して回収されたメタノールは、(A)段階の解重合反応原料として再使用(60)されうる。これは、高温の反応条件(通常200~280℃の範囲)を用いる、既存のグリコリシス法によるBHET製造方法と比較したとき、一価及び/又は多価のアルコールの沸点よりも遥かに低い低温でも、反応が速く進行して、効果的にテレフタレート誘導体製品を得ることができるのであり、反応温度領域と製品に至る反応経路が異なるため、製品内の分解(又は解重合)が少なく進行することから、発生する製品(二量体又はオリゴマー)は、相対的に低い濃度で生成するあ又は発生しないのに対し、高収率でテレフタレート誘導体が得られる。
本発明の方法によれば、低温領域の反応性と精製過程の効率性が改善されることにより、既存の工程に比べてエネルギー使用量を大幅に低減することができるのであり、結果として、高付加テレフタレート誘導体を経済的に製造することが可能な手段を提供することができる。
本発明において、(C)段階は、前記反応で製造された高収率のテレフタレート誘導体を分離して得る段階(500)であって、前述したDMTからテレフタレート誘導体を製造する方法と同様の方法で行うことができるため、詳細な説明は省略する。
以下、比較例及び実施例によって本発明の過程の詳細を説明する。これは、本発明を説明するための代表的な例示に過ぎず、本発明の適用範囲が下記の実施例によって限定されるものではない。
原料1(テレフタル酸ジメチル原料)
試薬製造社から供給されたテレフタル酸ジメチル(Sigma-Aldrich製、catal.#185124、純度>99.0%)を、乳棒と乳鉢を用いて均一に粉砕して微粒状の粉末を原料1として用意した。
原料2(エステル官能基を含有した高分子原料)
エステル官能基を含む高分子物質であって、消費後に排出された廃ポリエチレンテレフタレート素材のボトルを残留異物が無いように洗浄し、乾燥させた後、連続粉砕ミル(製造社及びモデル:IKA MF10.1)を用いて粉砕し、しかる後に、標準ふるいを用いて、広い面についての横及び縦の長さが、それぞれ1~3mmの規格、厚さが0.5mm以下の規格を有するプラスチックチップのみを集めて原料2として用意した。
<実施例1>
原料1の過程に従って準備されたDMT原料約14.5gと、2価アルコール極性溶媒としてのエチレングリコール(Sigma-Aldrich製;純度≧99.8%)約55.6g(原料1のモルに対して12倍のモル数に相当)とを三口フラスコに投入し、冷却器付き蒸留装置を装着した後、マグネチックスターラーを用いて1,200rpmの速度で攪拌を開始した。
反応生成物であるメタノールを効果的に除去するために、不活性キャリアガスとして高純度の窒素(中央産業ガス製;99.9992%)を使用し、反応器内の液体物と接触するガス流量は200sccm、又はこれを標準状態下の初期反応混合物の体積に正規化してガス空間速度(Gas Hourly Space Velocity、GHSV(hr-1))に換算したとき、設定値が240に一定に維持できるように質量流量コントローラー(mass flow controller)を用いて調節した。
その後、反応物が含まれたフラスコを加熱し始め、反応溶液の最終温度が80℃に達すると、触媒として炭酸カリウム(KCO、pottasium carbonate;Sigma-Aldrich製、ACS reagent)を約0.05g(投入された原料1のモル数対比0.005倍のモル数に相当)を加えて反応を開始した後、合計8時間のエステル交換反応を行うことにより、高付加解重合単量体としてのBHETを得た。反応が進行することに伴い生成されたメタノールは、キャリアガスの流れによって反応物から脱気されて反応器の外部へ排出されたのであり、0℃以下に維持される外部トラップによって収集された。
前記反応中に、時間帯別に微量(50mg以下)の液状反応物を採取した後、標準試料で予め検量された高性能液体クロマトグラフィー(HPLC with Optimapak C18 Column(250mm、5micron)、UV検出器(λ=254nm))を介して定量し、これから製品の分布及び濃度を推算した。これにより、転換率と生成物の収率をそれぞれ算出した。HPLC分析の際に、移動相としては、メタノール:水の体積比が70:30の混合溶液を使用し、総流量は0.7ml/minに維持した。
エステル交換反応によるDMTの転換率とDMTからアルコール反応物によってエステル交換反応が部分的に進行した中間生成物(例えば、エチレングリコール付加エステル交換反応の場合、HEMT)、エステル交換反応が完全に進行して生成される単量体製品(例えば、エチレングリコール付加エステル交換反応の場合、BHET)、二量体、副反応物であるモノメチルテレフタレートカリウム塩(K-MMT)及びテレフタル酸二カリウム(K-TPA)の収率は、次の数式で計算した。
DMT転換率=(N-N)/N (数式1)
単量体の収率=(Nmonomer/N)×100% (数式2)
中間体の収率=(Nintermediate/N)×100% (数式3)
MMTの収率=(NMMT/N)×100% (数式4)
TPAの収率=(NTPA/N)×100% (数式5)
二量体の収率=(Ndimer/N)×100% (数式6)
上記数式中、Nは、初期投入原料であるDMTのモル数であり、N,Nintermediate、Nmonomer、NMMT、NTPA及びNdimerは、未転換のDMT、中間生成物、単量体製品、MMT、TPA及び二量体が持っているテレフタレートのモル数である。
<比較例1>
前記実施例1において炭酸カリウムを入れない以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例2>
前記実施例1において炭酸カリウムを約0.001g(原料1のモル対比0.0001倍のモル数に相当)使用した以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例3>
前記実施例1において炭酸カリウムを約0.01g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用した以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例4>
前記実施例1において炭酸カリウムを約0.1g(原料1のモル対比0.01倍のモル数に相当)使用した以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例5>
前記実施例1において炭酸カリウムを約0.5g(原料1のモル対比0.05倍のモル数に相当)使用した以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例6>
前記実施例1において炭酸カリウムを約2.1g(原料1のモル対比0.2倍のモル数に相当)使用した以外は、実施例1と同様の方法によってステル交換反応を実施及び評価した。
<比較例2>
前記実施例1において不活性キャリアガスを使用しない以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例7>
前記実施例1において不活性キャリアガスとして高純度の窒素を50sccm(GHSV=60h-1)に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例8>
前記実施例1において不活性キャリアガスとして高純度の窒素を100sccm(GHSV=120h-1)に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例9>
前記実施例1において不活性キャリアガスとして高純度の窒素を500sccm(GHSV=600h-1)に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例10>
前記実施例1において反応液の温度を50℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例11>
前記実施例1において反応液の温度を65℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例12>
前記実施例1において反応液の温度を100℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例13>
前記実施例1において反応液の温度を110℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例14>
前記実施例1において反応液の温度を120℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例15>
前記実施例1において反応液の温度を130℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例16>
前記実施例1において反応液の温度を140℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例17>
前記実施例1において触媒として重炭酸カリウム(KHCO)を約0.008g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例18>
前記実施例1において触媒として炭酸ナトリウム(NaCO)を約0.008g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例19>
前記実施例1において触媒として重炭酸ナトリウム(NaHCO)を約0.006g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<比較例3>
前記実施例1において触媒として酢酸カリウム(KOAc)を約0.007g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<比較例4>
前記実施例1において触媒として酢酸ナトリウム(NaOAc)を約0.006g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<比較例5>
前記実施例1において触媒として酢酸亜鉛(Zn(OAc)・2HO)を約0.01g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例20>
前記実施例1において触媒として水酸化カリウム(KOH)を約0.004g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例21>
前記実施例1において触媒として水酸化ナトリウム(NaOH)を約0.003g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例22>
前記実施例1において触媒としてカリウムメトキシド(CHOK)を約0.005g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例23>
前記実施例1において触媒としてナトリウムメトキシド(CHONa)を約0.004g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例24>
前記実施例1において触媒として酸化マグネシウム(MgO)を約0.003g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例25>
前記実施例1において触媒として酸化カルシウム(CaO)を約0.004g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例26>
前記実施例1において触媒としてトリアザビシクロデセン(Triazabycyclodecene、TBD)を約0.01g(原料1のモル対比0.001倍のモル数に相当)使用し、反応時間を3時間に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<比較例6:高温グリコリシス反応によるPET解重合>
原料2のPET原料約10gをグリコリシス反応の原料として準備した。2価アルコール極性溶媒であるエチレングリコール約38.75g(高分子の繰り返し単位体のモル当たり12モル)を三口フラスコに投入し、大気圧で還流冷却器を取り付けた後、加熱式マグネチックスターラーを用いて加熱攪拌した。温度が177℃に到達すると、準備された高分子原料10gを投入し、引き続き昇温と同時に撹拌した。反応混合物が197℃又は還流温度に到達すると、酢酸亜鉛触媒約0.571g(高分子の繰り返し単位体のモル当たり0.05モル)を加えて触媒反応を開始した。2時間持続的に攪拌するが、反応温度は、±0.5℃の範囲内で一定に維持しながら、一端を大気圧にさらされた凝縮器を用いて反応を行った。反応後、結果物中の未反応物は、濾過によって分離定量した。分解された単量体、二量体、副反応物であるモノヒドロキシエチルテレフタレート(mono(hydroxyethyl)terehthalate、MHET)及びオリゴマーなどは、実施例1の反応物を定量するために使用された方法と同様に、標準試料で予め検量された高性能液体クロマトグラフィーを用いて定量した後、製品の分布及び濃度を推算した。
<実施例27:常温のメタノリシス及び低温のグリコリシスによるPET解重合>
原料2に応じて準備されたPET原料約3gと、ジクロロメタン(Samchun Pure Chemical Ind. Co. Ltd;純度99.5%)約66.3g(原料2高分子の繰り返し単位のモル対比50倍のモル数に相当)、メタノール(Samchun Pure Chemical Ind. Co. Ltd ;99.9%)24.96g(原料2高分子の繰り返し単位モル対比50倍のモル数に相当)、及び触媒としてのKCO(炭酸カリウム;Sigma-Aldrich製、ACS reagent)約0.43g(原料2高分子の繰り返し単位のモル対比0.2倍のモル数に相当)を三口フラスコに投入し、二次蒸留水を加えて反応物の初期水分含有量が原料高分子の繰り返し単位のモルに対して0.4の初期モル数を有するように調節した。マグネチックスターラーを用いて25℃及び大気圧で24時間500rpmにて攪拌しながら反応を行った。
反応後、結果物は濾過して、DMT、HEMT、エチレングリコール及びMMTのカリウム塩であるK-MMTの一部と共に、有機溶媒などが含まれた濾液(filtrate)、及び未反応のPET、KCO触媒、K-MMTを含む固形分(filter cake)に分離した。
前記濾液と固形分内のカリウム塩は、微量(50mg以下)をそれぞれ取った後、移動相水溶液で希釈して試料を製造した。高性能液体クロマトグラフィー(HPLC with Optimapak C18 Column(250nm、5micron)、UV検出器(λ=254nm))を用いた定量分析によって、各試料内の製品分布と濃度を推定し、固形分内の未反応PETは重量法で定量した。定量された値を通じて、解重合反応によるPETの転換率と、DMT、HEMT、TPA、MMTの収率を算出した。HPLC分析の際に、移動相としてはメタノール:水の体積比が70:30の混合溶液を使用し、総流量は0.7ml/minに維持した。
解重合反応によるPETの転換率とDMT収率は、次の数式で計算した。
PET転換率=(M-M)/M×100% (数式7)
DMTの収率=(MDMT/M)×100% (数式8)
前記数式中、MとMは、それぞれ初期投入された原料高分子(PET)と未反応高分子の繰り返し単位のモル数を示し、MDMTは、生成されたDMTのモル数を示す。
前記解重合結果物の濾液を原料として、エチレングリコールが付加されるエステル交換反応に適用した。エステル交換反応を行う際に、実施例1の方法と同様の条件で行うが、原料として原料1の代わりに前記解重合結果物の濾液を使用し、メタノールと極性非プロトン性溶媒の大部分を真空蒸発器で除去した。その後、DMTのモル数が実施例1と同一となるように調節し、エチレングリコールは、解重合から生成されたものと、さらに投入したものを加えて、全量が約55.6g(DMTのモル対比12倍のモル数の比)となるように調節した。触媒を追加で加えていない状態で、エステル交換反応を実施及び評価した。
ろ過後に回収された固形分内の触媒とK-MMTのモル数を、重量法とHPLCを用いてそれぞれ定量(原料の繰り返し単位のモル数に対して0.126と0.024のモル比で測定される)し、初期投入された触媒のモル数から固相として回収されたものを除いたモル数(カリウムカチオンのモル数を基準)を解重合結果物の濾液中の残留触媒のモル数で推算した。これから、エチレングリコールが付加されるエステル交換反応の原料内触媒(KCO)の量は、DMTの単位モル当たり約0.054モルの比で存在することが分かった。
エステル交換反応によるDMTの転換率、BHET、HEMT、BHET二量体の収率は、前述した数式1~4で計算し、その結果を表5に示した。
<実施例28>
前記実施例1において反応物としてエチレングリコールを使用する代わりに、同モル数(DMT単位のモル数対比12倍のモル比)の1,3-プロパンジオール(Sigma-Aldrich製、純度≧98%)を使用し、反応液の温度を100℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例29>
前記実施例1において反応物としてエチレングリコールを使用する代わりに、同モル数(DMT単位のモル数対比12倍のモル比)の1,4-ブタンジオール(Sigma-Aldrich製;ReagentPlus(登録商標)、純度≧99%)を使用し、反応液の温度を100℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例30>
前記実施例1において反応物としてエチレングリコールを使用する代わりに、同モル数(DMT単位のモル数対比12倍のモル比)の1,6-ヘキサンジオール(Sigma-Aldrich製;純度≧99%)を使用し、反応液の温度を100℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例31>
前記実施例1において反応物としてエチレングリコールを使用する代わりに、同モル数(DMT単位のモル数対比12倍のモル比)の1,2-プロパンジオール(Sigma-Aldrich製;RagentPlus(登録商標)、純度≧99%)を使用し、反応液の温度を100℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例32>
前記実施例1において反応物としてエチレングリコールを使用する代わりに、同モル数(DMT単位のモル数対比12倍のモル比)の1,3-ブタンジオール(Sigma-Aldrich製;Anhyrous、純度≧99%)を使用し、反応液の温度を100℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例33>
前記実施例1において反応物としてエチレングリコールを使用する代わりに、同モル数(DMT単位のモル数対比12倍のモル比)の1,4-シクロヘキサンジメタノール(Sigma-Aldrich製;mixture of cis antrass、純度≧99%)を使用し、反応液の温度を100℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
<実施例34>
前記実施例1において反応物としてエチレングリコールを使用する代わりに、同モル数(DMT単位のモル数対比12倍のモル比)の2-エチル-1-ヘキサノール(Sigma-Aldrich製;純度≧99.6%)を使用し、反応液の温度を100℃に維持する以外は、実施例1と同様の方法によってエステル交換反応を実施及び評価した。
[触媒の使用量によるエステル交換反応特性の比較]
表1は、前記実施例1~6及び比較例1でエステル交換反応を行う際に、本発明の例に応じて、触媒として使用された炭酸カリウム(KCO)の量を調節して反応の効果を観察した結果である(反応温度80℃、GHSV=240h-1)。触媒を用いた実施例とは異なり、触媒を全く追加しなかった比較例1の場合、2時間及び8時間の経過後のBHETの収率は、それぞれ0.0%及び2.4%程度であって、エステル交換反応の速度が非常に低いことが分かる。これは、本発明で例示している低温下のDMTのエチレングリコールの付加エステル交換反応を促進するためには、触媒の使用が必須であることを説明する結果である。

DMT:ジメチルテレフタレート、EG:エチレングリコール
BHET:ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート
HEMT:1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルテレフタレート
K2-TPA:テレフタル酸ジカリウム
K-MMT:テレフタル酸モノメチルカリウム
実施例1~4は、触媒として、原料1のDMT1モルに対して0.0001~0.01モルに相当する炭酸カリウムを用いて反応を行った結果であり、炭酸カリウムの量が増加するほどBHETの生成速度及び収率が大きく向上することを示している。
一方、実施例5及び実施例6は、触媒として、DMT1モルに対してそれぞれ0.05及び0.2モルに相当する炭酸カリウムを用いたものであるが、むしろBHETの生成速度及び収率が減少する傾向を示した。これに対し、反応の副生成物であるK-TPAの最終収率が、それぞれ6.0%と18.5%に増える傾向を示した。これは、投入されたDMTのモル数に比べて過剰の触媒が使用されると、触媒の消費だけでなく、加水分解やアルカリ分解などの副反応が促進できることを説明する結果である。よって、触媒の量を適切に調節することが、エステル交換反応の性能及び経済性を向上させるのに役立つことができる。
[ガス空間速度(GHSV)によるエステル交換反応の特性比較]
過剰なエチレングリコール溶媒の存在下でDMTのエステル交換反応を行うと、反応初期には、製品であるBHETの生成速度が非常に高く観察され、交換反応により副生するメタノールの生成速度も、生成されたBHETのモル数に比例して増加する。閉鎖系において、このようなエステル交換反応は、初期投入されたDMTが全てBHETに転換される不可逆的反応ではなく、副生したメタノールとBHETが参加するエステル交換逆反応も速度を有することができる。正反応及び逆反応が平衡に至ると、もはや化合物の濃度に変化が起こらず、反応の条件を変えても、製品の収率を向上させるには限界があり得る。しかし、反応生成混合物中に反応生成物の一部を効果的に除去するか、或いは反応系の外部へ排出すると、逆反応を抑制することができ、反応の特性は、当該物質の濃度変化量、すなわち外部へ排出される物質伝達の速度によって決定されうる。
本発明の一例によって行われるエステル交換反応から生成されるメタノールは、投入される原料及び生成物のうち最も沸点の低い物質(エチレングリコールよりも130℃以上)で反応系の温度を高めるか或いは圧力を下げる方法の他に、外部から流入するキャリアガスを連続的に流すと、メタノールの選択的外部排出が発生し、エステル交換逆反応によるDMTの再生成を抑制することができる。
表2は、反応生成物からメタノールを除去すべく、反応器の内部反応物との気液接触を起こすために流入する、不活性キャリアガス(高純度の窒素)の流量を異にして行われたエステル交換反応の特性を観察したものである(反応温度80℃)。
キャリアガスの流れがない場合(比較例2)、80℃で3時間のエステル交換反応を行った結果、BHETの収率は約58.4%と比較的低い値が観察されたとともに、8時間ほどの長時間反応条件にさらしたにも拘らず、反応収率は0.9%程度の微々たる増加が観察された。反応器がオープン系の形態で存在し、内部温度がメタノールの沸点以上に維持されても、一部のエステル交換反応が進行することにより生成されたメタノールが、反応物が満たされていない気相(head-space)又は反応器の外部に支配的に拡散せず、反応物中に高い濃度で存在することによる結果として予想することができる。
一方、キャリアガスである窒素の流量を異にする連続的流れ条件下で行ったエステル交換反応の場合(実施例1及び実施例7~9)では、転換率とBHETの収率が大きく向上することが分かる。特に、GHSVが200を超える実施例1及び実施例9によって実施した反応では、反応時間が3時間を超えると、92%以上のBHET収率が得られることが分かる。
一方、キャリアガスの流速を過度に高く維持し、長時間反応条件にさらすと、二量体及びオリゴマーの収率が小幅に上昇することによりBHETの収率が改善されないことが分かった。実施例1の場合には、3時間以上反応を行っても、反応物中にオリゴマーが観察されなかった。これに対し、実施例9によってエステル交換反応を行ったとき、6時間経過後からオリゴマーが生成され始めながらBHETの選択性が減少することが観察された。オリゴマーが3%未満の少量のみ生成されても、反応混合物の粘性は大幅に増加したとともに、生成物の一部が不均一相を形成して反応物が急激に懸濁する現象が観察された。したがって、高分子解重合単量体であるBHETの収率を最大化するためにはキャリアガスの流れを適用するが、エステル交換反応から生成されるメタノールが効率よく除去できるのでありながらも、エチレングリコールの付加反応も支配的に起こり得るキャリアガスの最適な流れ条件を選択することが、BHETの最終収率を向上させるのに好ましい。
[反応温度によるエステル交換反応の特性変化]
表3は、本発明の方法によってDMTからエチレングリコール付加によるエステル交換反応を行うが、反応温度を異にして観察した反応の結果を示すものである(GHSV=240h-1)。
メタノールの沸点を超える温度に維持する場合(実施例1及び実施例12~16)、エステル交換反応から得られるBHETの収率は、反応初期から高く維持でき、反応時間が4時間を超えると、95%以上のBHET収率が得られることが分かる。このような収率の向上は、反応温度がメタノールの沸点を超えると、メタノールの物質移動速度が増加するとともに、DMTがHEMTに、HEMTがBHETに転換される、順次的なグリコリシス触媒反応の速度の増進にも寄与したと推定することができる。
一方、反応温度をメタノールの沸点以下に維持しながらエステル交換反応を行った場合(実施例10及び実施例11)、反応経過時間によるBHETの収率は、それぞれ、反応時間2時間経過時には45.4%及び73.9%、4時間経過時には68.1%及び86.8%と、やや遅い速度で増加することが観察された。
また、表には示していないが、長時間(反応時間7時間以後)反応条件にさらされることにより、オリゴマーが検出され始めたとともに、反応時間8時間以後に適用されたDMT原料の約11.2%及び3.3%が、オリゴマーに転換された。この際、反応液の粘性が大きく増加したうえ、不均一な懸濁液に変化することも観察された。
要約すると、短い反応時間又は滞留時間内にDMTの転換率を高め、オリゴマー生成なしに単量体であるBHETの収率を向上させるためには、反応温度をメタノールの沸点を超える温度に制御することがより有利であることが分かった。
[反応触媒の選択によるエステル交換反応特性の比較]
エステル官能基を含む高分子からBHETを製造するための既存のグリコリシス反応は高温で行われるため、大量のエネルギー消費が問題点として指摘される。かかる問題点を克服するために、低温領域で高収率のBHETを製造することが可能な新しい反応経路が考えられる。
このような反応経路の一例として、エステル官能基を含む高分子原料からDMTを製造するメタノリシス反応は常温で行われうるのであり、連続してエチレングリコール付加が支配的に起こり得る低温の反応条件を提供することができれば、高収率のBHETを製造することができると予想できる。
第一の反応であるメタノリシスの後に別途の分離工程を経なければ、生成された反応混合物中に触媒が一部残留しうるが、連続するエステル交換反応に対して十分な性能を発揮することができる新しい触媒系の設計や考察が必要であり得る。
エステル交換反応でよく使用される触媒は酸性、塩基性及び金属塩触媒があり得るが、酸性触媒は、塩基性触媒に比べて反応が遅く進行するため、高温(100℃以上)で反応を行うことが一般的であり、腐食を防止するためには、反応器と付帯設備に対する耐酸性設計が必要であり、これは過剰な初期投資費をもたらす可能性がある。
したがって、本発明では、DMTのエチレングリコール付加エステル交換反応に対して反応性と選択性を有すると予想される、塩基性触媒及び金属塩触媒に対する反応性能の評価及び有用性についての検討が行われた。
触媒の相対的性能を比較するために、触媒の種類を除いた同一の反応条件、すなわちエステル反応触媒の投入量は、DMT1モル当たり0.001モルとし、キャリアガスの流れはGHSV240h-1、反応温度は80℃に維持して3時間反応を行った。
性能評価のための触媒としては、エステル交換反応では最も優れた性能を示すと予想される酢酸金属塩(例えば酢酸亜鉛)、アルカリ炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリアルコキシド、アルカリ土類金属酸化物、及びグアニジン系有機化合物を選択して使用した。これらの反応性能及び酸解離平衡定数(pKa)を表4に示した(反応温度80℃、反応時間3h、GHSV=240h-1

DMT:ジメチルテレフタレート、EG:エチレングリコール
BHET:ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート
HEMT:1-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルテレフタレート
KOAc:酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、二酢酸亜鉛、酢酸亜鉛二水和物
TBD:トリアザビシクロデセン
K2-TPA:テレフタル酸ジカリウム
K-MMT:テレフタル酸モノメチルカリウム
エステル官能基を含む高分子の解重合によってBHETを製造するための一般的な高温反応工程では、酢酸金属塩が触媒として使用される。特に、酢酸亜鉛(Zn(CHCOO)・2HO)は、高分子解重合反応性が高く、BHETに対する選択性に優れるため、商用工程に最も普遍的に使用されている。本発明によるエステル交換反応に対する酢酸金属塩の触媒有効性を確認するために、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、及び酢酸亜鉛等を触媒として代替投入した後、反応実験を行った。
同じ条件下で酢酸カリウム及び酢酸ナトリウムを代替触媒として投入した後、反応を行った比較例3と比較例4の場合は、3時間経過後、BHET収率が4%以下のレベルと非常に低い反応性能が観察された。また、酢酸亜鉛を触媒として用いた比較例5の場合は、BHETの収率が0.7%であり、触媒を入れずに行った比較例1の場合と同様に、BHETがほとんど生成されなかった。したがって、既存の高温(≧190℃)グリコリシス反応に有用に使用できる酢酸金属塩は、本発明によって行われるエステル交換反応に対して効率的な触媒として使用できないということが確認された。
炭酸と重炭酸がアニオンからなる金属塩触媒を用いた実施例3及び実施例17~19の反応結果を比較すると、炭酸カリウム(KCO)及び炭酸ナトリウム(NaCO)を触媒として適用して反応を3時間行った場合、BHETの収率は、それぞれ92.0%及び92.3%であり、重炭酸カリウム(KHCO)及び重炭酸ナトリウム(NaHCO)を触媒として用いた場合に比べて13%以上高いBHET収率が得られた。
アルカリ水酸化物(又は水酸化アルカリ金属塩)は、エステル官能基を含む高分子の解重合反応中にアルカリ分解反応の代表的な原料として使用される。アルカリ分解反応では、アルカリ水酸化物がエステル結合の分解に反応物として直接参加するため、高分子が持っているエステル結合基のモル数より過剰に供給され、水やアルコールなどが反応のための媒体として使われ、エチレングリコールが反応生成物として排出される。
本明細書では、アルカリ水酸化物をアルカリ分解のための反応物ではなく触媒としての機能を観察した。本明細書による反応条件、すなわちエチレングリコールを過剰に供給し、常温(25℃)乃至エチレングリコールの沸点との間の温度範囲で微量のアルカリ水酸化物を加えると、エステル化交換反応のための触媒としての機能が発現できる。水酸化カリウムと水酸化ナトリウムを(実施例20と実施例21)DMT1モル当たり0.001モルの量で微量投入してエステル交換反応を行った結果、DMTが全て転換され、3時間反応後のBHETの収率は91%以上の値に達した。
次に、アルコキシド金属塩を代替触媒として使用したとき、エステル交換反応に対する性能を確認した。カリウムメトキシド(CHOK)又はナトリウムメトキシド(CHONa)を代替触媒として用いて行った場合(実施例22と実施例23)、高い反応性と共に、3時間反応後のBHET収率はそれぞれ90.6%及び83.6%と比較的高い値が観察された。これらの触媒は、先にアルカリ金属系炭酸塩触媒を適用した場合(実施例3及び実施例18)に比べて、DMTから第1のエチレングリコール付加反応(HEMT生成)の速度を増進するのに効果的であるが、第2の付加反応(BHET生成)では、やや低い反応速度特性を示した。
アルカリ土類金属系酸化物触媒を適用した場合にも、エステル交換反応の性能が高く観察された。酸化マグネシウムと酸化カルシウムを代替触媒として用いて反応を行った結果(実施例24及び実施例25)、転換率は96%以上と観察され、3時間反応後のBHET収率は、それぞれ77.4%及び90.6%が得られた。
最後に、金属が含まれていない有機触媒についての反応特性を比較した。実施例26では、強い塩基特性を持っており、有機物合成触媒として一般的に使用されるグアニジン系化合物であるトリアザビシクロデセン(TBD)が、エステル交換反応の触媒として使用された。炭酸カリウム(KCO)を触媒として用いる実施例3の場合と同様に、反応時間3時間後に投入された、ほぼ全てのDMTがグリコリシス反応に関与し、BHET収率は90.5%と比較的高く観察された。
表4の上記使用された触媒の酸解離平衡定数(pKa)による反応性能を比較すると、本発明の低温(≦100℃)グリコリシス反応を行って、高収率のBHETを得るためには、pKa値6以上の触媒が適することが確認される。
[エステル官能基を含む高分子のエステル交換反応によるBHETの製造]
エステル官能基を含む高分子原料の解重合によってBHETを直接製造するグリコリシス反応は、190~300℃の高温で行うことが一般的である。多数の先行文献によって報告されているように、高温グリコリシス反応は、金属酢酸を触媒として適用し、付加反応物であるエチレングリコールの沸点付近又はそれ以上の温度で反応を行うことが一般的である。当該触媒反応では、グリコリシスによる単量体製品(BHET)が80%以上であって、他の化合物よりは高い割合で得られるが、加水分解などの副反応から生成される副生成物(例えば、モノヒドロキシエチルテレフタレート(MHET)、テレフタル酸)以外に、反応平衡に応じて、二量体やオリゴマーが一定の割合で生成されることが観察された。これに対し、本発明の一例によって、温度領域とBHET生成メカニズムを異にする低温メタノリシス-グリコリシス直列反応経路を採用して解重合を行うと、少量の反応中間体(例えば、HEMT)と二量体(dimer)のみを含む高純度BHETを高収率で得ることができる。
表5は、原料2を同じ原料として用いて製造した高温(190℃)及び低温エステル交換反応(25℃のメタノリシス及び80℃のエチレングリコール付加エステル交換反応)の結果を比較して示すものである。
下記の表において、比較例6のEGと触媒のモル数は、PETの繰り返し単位を基準としたものであり、実施例27のEGと触媒のモル数は、DMTを基準としたものである。
酢酸亜鉛を用いて高温で解重合反応を行った場合(比較例6)、反応初期(2時間以内)から速い速度で高分子分解が起こり、BHETの収率は80.6%が得られた。しかし、これを8時間ほど長時間反応条件にさらした場合、BHETの収率増加は目立たず、二量体は約4.1%、オリゴマーは10~15%の収率で、未分解された化合物の濃度が高く観察された。
実施例27では、先に使用したPET原料(原料2)を同様に使用し、共溶媒を適用したメタノリシス基盤の常温(25℃)の解重合で得られる液体反応混合物(DMTの収率:91%)から、濾過によって触媒の一部を除去し、温度を上昇させて溶媒を除去した後、エチレングリコールを添加して第2の反応であるグリコリシスを行った。この反応の場合は、先に比較例6の高温グリコリシスと非常に異なる反応特性及び製品分布が観察された。
実施例27では、反応初期から非常に高いDMT転換率が観察されたとともに、十分な時間(8時間以上)反応条件に放置した場合に92%を超えるBHET収率が観察された。反応副生成物の分布を見ると、比較例6の高温グリコリシスではMHETが反応副生成物として得られたが、実施例27ではエチレングリコール付加が一方のみ進行したHEMTが反応中間生成物として得られ、比較的速く反応が進んで8時間反応後には0.5%以下の非常に低いHEMT濃度のみ残留することが観察された。
これらの結果から、低温メタノリシス-グリコリシス反応を介して、エステル官能基を含む高分子からBHETを製造する際に、各反応に対して同じ触媒が連続的に使用できることを確認することができる。
[アルコール反応物種類別エステル交換反応の特性及び単量体製品の収率の比較]
表6は、エステル官能基を含む高分子単量体を製造する際に、グリコリシス反応の原料であるエチレングリコールの代わりに、一価又は多価のアルコールの種類を異にして付加して実施したエステル交換反応特性を観察した結果を示したものである(反応温度100℃、GHSV=240h-1)。

DMT:ジメチルテレフタレート、K2-TPA:テレフタル酸ジカリウム
K-MMT:テレフタル酸モノメチルカリウム
EG:エチレングリコール、PDO:プロパンジオール、BDO:ブタンジオール、
HDO:ヘキサンジオール、
CHEM:1,4-シクロヘキサンジメタノール、2E1H:2-エチル-1-ヘキサノール
単量体製品:DMTの両メチル基が完全にジオール反応剤に置換
中間体:DMTの片方のメチル基だけがトランスエステル化により置換
付加反応物として鎖状ジオール(実施例12及び実施例28~32)と環状ジオール(実施例33)を用いてエステル交換反応を行った結果、炭素数が増加するにつれて、DMTの初期転換速度がやや遅くなることが観察された。これは、ジオールの分子サイズが増加するにつれて、立体障害が発生する可能性があり、炭素数が増加するにつれて、エステル交換反応に対する反応活性が低くなることによる結果として予想することができる。1,3-プロパンジオールをエステル交換反応の反応物として適用した場合(実施例28)、DMTが反応中間体である1-(3-ヒドロキシプロピル)4-メチルテレフタレート(HBMT)に転換される一次エステル交換反応の速度は、1,4-ブタンジオールをエステル交換反応の反応物として適用した場合(実施例29)よりも速いことが観察されたが、反応中間体から製品であるビス-(3-ヒドロキシプロピル)テレフタレート(BHPT)に転換される二次エステル交換反応の速度は相対的に遅く観察された。これは、一次的にエステル交換反応によって置換されたジオール化合物の構造的特性が二次エステル交換反応の速度に影響を示していることを説明している。
一方、エステル交換反応の反応物として鎖の両端にジオール(α,ω-ジオール)を有する1,3-プロパンジオール(実施例28)の代わりに、第2のアルコール官能基が隣接するように位置してエステル交換反応に直接的な影響を及ぼすと予想される構造異性体(1,2-プロパンジオール)を反応物として適用した場合(実施例31)、一次及び二次エステル交換反応速度がすべて大きく制限されることが観察された。相対的に長鎖構造を有するブタンジオールの構造異性体を反応物とするエステル交換反応の結果(実施例29と実施例32)を比較すると、鎖の柔軟性から一次及び二次エステル交換反応の速度が大きく制限されないことが観察された。相対的に大きい体積を有する環状炭化水素構造を含んでいる1,4-シクロヘキサンジメタノールを反応物として適用した場合(実施例33)、ジオール分子構造自体の立体的障害に応じてエステル交換反応が遅く進行した。一方、反応初期には、一次エステル交換反応のみが選択的に進行することが観察された。これは、一次エステル交換反応と二次エステル交換反応に適用される一価又は多価アルコール反応物の種類を異にして適用すると、互いに異なるエステル結合対を有する単量体構造の設計も可能であることを示す結果である。
付加反応物としてプラスチック可塑剤の主原料である2-エチルヘキサノールを用いてエステル交換反応を行った場合(実施例34)、反応初期からDMTの転換速度が速く進行して2時間でほとんどのDMTが転換された。その後、8時間維持される高温の反応条件に晒されたにも拘らず、副生成物の生成なしに単量体製品としてのジオクチルテレフタレート(DOTP)が安定した状態に維持された。
要約すると、本明細書による一例によって付加するアルコールの種類を異にしてエステル交換反応条件に適用すると、様々な構造の官能基がエステル結合によってテレフタレートと結合した形態の単量体の製造が可能である。
以上、本発明の内容の特定部分を詳細に説明したが、当該分野における通常の知識を有する者にとって、これらの具体的な技術は単なる好適な実施形態に過ぎず、これによって本発明の範囲が限定されるものではないことは明らかであろう。よって、本発明の実質的な範囲は、添付の請求の範囲とそれらの等価物によって定義されるというべきである。

Claims (12)

  1. テレフタル酸ジメチルからテレフタレート誘導体を製造する方法であって、
    (a)テレフタル酸ジメチルに一価及び/又は多価のアルコールをエステル交換のための反応物として添加し、アルカリ炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリアルコキシド、アルカリ土類金属酸化物及びグアニジン系有機化合物よりなる群から選択された少なくとも1種のエステル交換反応用触媒の存在下に、キャリアガスの流れを加えながら、エステル交換反応を行う段階と、
    (b)前記反応で製造されたテレフタレート誘導体を分離して得る段階と、を含むことを特徴とする、テレフタル酸ジメチルからテレフタレート誘導体を製造する方法。
  2. 前記(a)段階のテレフタル酸ジメチル1モル当たり、エステル交換反応用触媒は0.00005~1.0モルの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のテレフタル酸ジメチルからテレフタレート誘導体を製造する方法。
  3. 前記(a)段階におけるアルコールはエチレングリコールであることを特徴とする、請求項1に記載のテレフタル酸ジメチルからテレフタレート誘導体を製造する方法。
  4. エステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法であって、
    (A)エステル官能基を含む高分子にアルコール、極性非プロトン性溶媒及び炭酸カリウム(KCO)を投入して解重合する段階と、
    (B)前記(A)段階で得られた解重合結果物に、キャリアガスの流れを加えながら、エステル交換反応を行う段階と、
    (C)前記反応で製造されたテレフタレート誘導体を分離して得る段階と、を含むことを特徴とする、エステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法。
  5. 前記(A)段階後、前記解重合結果物から一部の化合物を外部に分離する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法。
  6. 前記外部に分離される一部の化合物は、未反応のエステル官能基を含む高分子、不溶性触媒、極性非プロトン性溶媒及び反応副生成物の中から選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項5に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法。
  7. 前記(A)段階の極性非プロトン性溶媒は、エステル官能基を含む高分子の解重合反応に参加しない不活性であり、アルコールに対する触媒の溶解度を下げることができる溶媒であり、前記有機化合物の骨格構造は、鎖状及び/又は環状の化合物であって、前記有機化合物にハロゲン元素、酸素及び窒素の少なくとも1種が結合したものであることを特徴とする、請求項4に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法。
  8. 前記(A)段階の極性非プロトン性溶媒は、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アミノプロピオニトリル、メチルアミノプロピオニトリル、イミノジプロピオニトリル、ブチロニトリル、メチルブテンニトリル、ブタネンニトリル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジメトキシベンゼン、トリメトキシベンゼン、メトキシフェノール、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、及びトリクロロベンゼンの中から選択された少なくとも1種であることを特徴とする、請求項4に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法。
  9. 前記(A)段階において、エステル官能基を含む高分子原料の繰り返し単位のモル数に対する、前記アルコールのモル数及び前記極性非プロトン性溶媒のモル数は、エステル官能基を含む高分子原料の繰り返し単位のモル数対比0.1~5,000倍の割合範囲であることを特徴とする、請求項4に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法。
  10. 前記(B)段階でエステル交換反応を行う前に、(A)段階での解重合結果物にエステル交換のための反応物として一価及び/又は多価アルコール反応物及び/又は;アルカリ炭酸塩、アルカリ水酸化物、アルカリアルコキシド、アルカリ土類金属酸化物及びグアニジン(guanidine)系有機化合物よりなる群から選択された少なくとも1種のエステル交換反応触媒を、解重合結果物に含まれたテレフタル酸ジメチルのモル当たり所定範囲のモル数となるように調節することを特徴とする、請求項4に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法。
  11. 前記(C)段階で回収されたメタノールは、再び(A)段階の解重合原料として再使用されることを特徴とする、請求項4に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法。
  12. 前記(B)段階で調節されるエステル交換反応用触媒は、解重合結果物に含まれたテレフタル酸ジメチルの1モル当たり0.00005~1.0倍のモル数であることを特徴とする、請求項4に記載のエステル官能基を含む高分子の解重合によってテレフタレート誘導体を製造する方法。
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