JP3710456B2 - さとうきび収穫機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、さとうきび収穫機(ケーンハーベスター)に関するものであり、全長を可及的に短くして小型化、軽量化、低価格化し、比較的作業能率が高く、作業能率が高い割に廉価であり、さとうきび栽培農家が個人専用機として使用することができるものである。
【0002】
【従来の技術】
刈り取り、裁断し、ハカマ(幹に付着している葉)を分離し風選して、幹部だけをかごや袋などに収集するさとうきび収穫機(ハーベスター)は従来公知であり(例えば、特開昭55−48318号公報、特開平5−153836号公報)、刈り取り、裁断機構は共通であるが、搬送機構、風選装置、エンジンの配置については様々なものが実用されている。その一つの従来技術が図1に示されているものであり、これは全体機構が最も単純で、機能的にも優れたものである。
【0003】
上記従来のさとうきび収穫機は、クローラ1で自走して、左右一対のクロップディバイダー2でさとうきびを引き起こしながら機内に引き込み、ベースカッタ3で根切りする。ベースカッタ3で根切りされたさとうきびは、その螺旋状の跳ね上げ具3aでその下端(根元)を跳ね上げられる。跳ね上げられたさとうきびは、その直後に配置された引き込み装置4に根元から引き込まれ、引き込み装置4の送りローラ4aで斜め上方に指向され、搬送ローラコンベア5の下端に無理なく誘導されて搬送ローラコンベア5に引き込まれ、これによって斜め上方に引き上げられる。搬送ローラコンベア5の上端まで引き上げられたさとうきびは搬送ローラコンベア5の上端に設けたチョッピング装置6でほぼ30cm程度の長さに切断されて風選装置7に落とされる。風選装置7に落とされたさとうきびは、ブロア7aによって吹き上げられる高速空気流によってハカマが幹部から分離されて、幹部が袋Bに収集される。風選装置7で幹部から分離されたハカマはファン7bによる吸引装置で上方に吸引され、その排出口から排出される。
【0004】
ベースカッタ3で切断されたさとうきびを、引き込み装置4で搬送ローラコンベア5へ指向させ、搬送ローラコンベア5で上方に引き上げることで、刈り取り後のさとうきびの処理をスムーズにかつ能率的に行うことができるので、作業能率が高い。
長いさとうきびを引き込み装置4で引き込み、斜めの搬送ローラコンベア5の傾斜方向に誘導する引き込み装置4は、斜め上方に小さく傾斜しており、引き込んださとうきびをさらに上方に指向させて搬送ローラコンベア5に無理なく引き渡すために、上下一対のロールによる送りローラ4aを3組備えている。なお、引き込み装置4から搬送ローラコンベア5への引き渡し角度が搬送ローラコンベア5の傾斜角度に比して小さいと、さとうきびが送りローラ5a間の隙間から突き出て搬送ローラコンベア5から逸脱し、地面に落下するばかりでなく、送りローラ5a間の隙間から突き出て突っ掛かって停止したさとうきびが、後続のさとうきびのスムーズな搬送の障害となり、搬送が滞留し、刈り取り作業を中断せざるを得なくなる可能性が高い。したがって、引き込み装置の送りローラは、2組では引き込んださとうきびをさらに上方に指向させることはできないので、最低限3組が必要である。
【0005】
また、さとうきびを引き込み装置4から引き取り、斜め上方に引き上げ、その上端のチョッピング装置6に供給する搬送ローラコンベア5の傾斜角度は約45度であり(曲りくねった細長いさとうきびを引き込み装置4からスムーズに引き取り、斜め上方にスムーズに指向させるにはこれ以上の傾斜角度は無理である)、また、その送りローラ5aは、曲がりくねった長細いさとうきびでも、送りローラ5a間の隙間から突き出て脱落することなく確実に、かつスムーズに搬送されるように密に配列されている。もし、送りローラ5aの配置密度が粗であると、送りローラ5a間の隙間から、さとうきびが突き出て突っ掛かって停止し、停止したさとうきびが後続のさとうきびのスムーズな搬送の障害となり、搬送が滞留し、刈り取り作業を中断せざるを得なくなる可能性が高いので、送りローラ5aの配置密度を高くすることが避けられない。
【0006】
また、さとうきび収穫機は地面が軟らかいさとうきび畑を走行するのであるから重量が左右にバランスしていることが重要である。また、搬送ローラコンベア5及びチョッピング装置6の下部に空間があるので、この空間にエンジンを横置きにして配置してエンジンの重量が左右に均等にかかるようにしている。また、このさとうきび収穫機では、エンジンでオイルポンプを駆動し、クロップディバイダー、ベースカッタ、引き込み装置の引き込みローラ、搬送コンベアの送りローラ、走行駆動輪等は全てオイルモータで駆動されるようになっている。このように多くの機器が油圧で駆動されるので、多量の作動油が必要であり、この作動油の放熱のために大型のオイルタンクが必要であり、その重量は大である。このため大型オイルタンクを運転台の後方に配置している。
【0007】
なお、クロックディバイダーは油圧シリンダS1 によって昇降操作され、また、ベースカッタ3及び引き込み装置4は枠体が同じであって、油圧シリンダS2 によって昇降操作され、作業時には図示の位置に下降している。
以上の従来のさとうきび収穫機は、全体機構、作動が、従来の他の方式のものに比してシンプルで、耐久性に優れており、高い作業能力を有するが、しかし、他の方式のものと同様に、大型、大重量になることが避けられず、また、高価なものになる。したがって、さとうきび栽培農家が自家用作業機として購入するには高価すぎるという側面がある。また、上記従来のさとうきび収穫機は大面積のさとうきび畑での収穫作業には適しているが、比較的狭いさとうきび畑での収穫作業には大きすぎて不向きであるという面もある。このようなことから、従来のさとうきび収穫機(ハーベスタ)は、わが国における比較的小規模のさとうきび農家には普及し難いという側面がある。
【0008】
他方、稲作からさとうきび栽培に転換する農家が徐々に増加しているので、中小規模のさとうきび栽培農家が増えることが予想される。
以上のようなことから、作業能率は幾分低くても、上記従来のさとうきび収穫機と全く同様の機能を有し、小型、軽量で廉価なさとうきび収穫機が求められている。
小型、軽量化、製造コスト低減を図るには、機構を単純化し、長さを短くしなければならない。しかし、クロップディバイダーからベースカッタまでの機構は、さとうきびの引き起こし、根切りに関わるものであるから、その機構の小形化は可能であるが簡略化は困難であり、また、クロップディバイダーからベースカッタまでの長さはさとうきびの高さに関連するから、この間の長さを短くすることはほとんどできない。
【0009】
したがって、さとうきび収穫機の全体機構を単純化し、全長を短縮化するには、ベースカッタよりも下流側(さとうきびの流れの方向において下流)の装置、すなわち、引き込み装置、搬送装置、風選装置についてその機構を単純化し、これらの配置、エンジンの配置を工夫して、ベースカッタよりも下流側の装置の集約化を図る他はない。
【0010】
【特許文献1】
特開昭55−48318号公報
【特許文献2】
特開平5−153836号公報
【0011】
【解決しようとする課題】
そこで、この発明は、さとうきび収穫機について、その機能を低下させることなしに、小型化、軽量化、低価格化を図ることを目的とし、そのために、ベースカッタよりも下流(さとうきびの流れの方向において下流)の機器、すなわち、引き込み装置、搬送装置、風選装置を単純化し、これらの配置、エンジンの配置を工夫して、ベースカッタから下流側の装置全体を集約化することをその課題とするものである。
【0012】
【課題解決のために講じた手段】
上記課題解決のために講じた手段は、クロップディバイダー、ベースカッタ、引き込み装置、斜め上方に搬送する搬送装置、チョッピング装置、風選装置を有し、エンジンによってオイルポンプを駆動し、走行装置、作業装置をオイルモータで駆動するものであって、クローラで自走するさとうきび収穫機を前提として、次の(イ)乃至(ニ)によるものである。
(イ)上記引き込み装置を前後2組の送りローラによるものとし、この引き込み装置の後方にチョッピング装置を配置したこと、
(ロ)上記搬送装置をJ型チェンコンベアとして、その下端水平部分を上記チョッピング装置の下方に配置したこと、
(ハ)上記J型チェンコンベアの傾斜部の下方の空間に上記風選装置を配置し、当該風選装置のダクトを傾斜ダクトとしてJ型チェンコンベアの傾斜部の下面に沿わせ、上記ダクトの下部にブロアを配置し、当該ダクト上端をJ型チェンコンベア上端の下方に位置させたこと、
(ニ)上記エンジンをチェンコンベアの一方の横に、前後方向に向けて配置し、反対側にオイルタンクを配置したこと。
【0013】
【作用】
ベースカッタ直後の引き込み装置に近接してその直後にチョッピング装置が配置されていて、さとうきびは引き込み装置で引き込まれてからすぐにチョッピング装置で切断されるので、細長いさとうきび引き込み装置で特別の方向に指向させて誘導する必要はない。したがって、引き込み装置は細長いさとうきびを引き込む機能を奏すればよいのでその送りローラは前後2組で足りる。したがって、従来のさとうきび収穫機における引き込み装置に比して簡略化され、その全長が短縮され、小形化され、軽量化される。
【0014】
また、J型チェンコンベアの下部水平部が上記チョッピング装置の下方に配置されているので、チョッピング装置で細断されたさとうきびはJ型チェンコンベアの下部水平部で受け止められ、同チェンコンベアで斜め上方にスムーズかつ確実に引きあげられる。このように、さとうきびを細断してから斜め上方に引き上げる方式を採用したことで、搬送コンベアをチェンコンベアによるものとすることができる。したがって、密に配置した送りローラによる従来のものの搬送コンベアに比してその機構が極めて単純化され、軽量化される。さらに、細断されたさとうきびを斜めに引き上げるのであるから、曲がりくねった細長いさとうきびを多数の送りローラで順次搬送する従来のものとは違って、搬送コンベアの傾斜角度を大きくすることができ、したがって、引き上げ高さが同じでありながら、その傾斜部の前後方向長は大幅に短縮される。また、J型チェンコンベアの下部水平部は、チョッピング装置の下方空間に差し込んだ状態に配置されるので、その分だけJ型チェンコンベアの占有空間の前後方向長さが短縮される。
【0015】
また、搬送コンベアをチェンコンベアで構成したことで、さとうきびを斜め上方に引き上げるための搬送コンベアが、送りローラによる従来のものに比して、極めて薄くなり、その分だけその下方の空間が広く、したがって、この空間に風選装置を配置し、その風選ダクトを搬送コンベアの下面に沿わせて配置することができる。そして、搬送コンベアの下方空間にエンジンを配置し、風選装置が搬送コンベア上端の後方に配置されている従来のものに比して、風選ダクトを搬送コンベアの下面に沿わせて配置することにより、搬送コンベアと風選装置との配置が集約化され、その前後方向長さが大幅に短縮される。
【0016】
さらに、従来、搬送コンベアの下部空間に横置きに配置されていたエンジンを搬送コンベアの横に前後方向に向けて(縦置き)配置すると左右方向の重量バランスが崩れるという問題が生じるが、エンジンの反対側にオイルタンクを配置したことで上記のようにバランスが崩れることは回避される。
以上のように、ベースカッタ、引き込み装置、チョッピング装置、搬送コンベア、風選装置が前後方向に密に集約された状態で配置された結果、機器配置の全長が大幅に短縮される。また、機器配置の全長か大幅に短縮された結果、クローラの長さが短縮されるから、その小型化、軽量化が図られる。
なお、機構を単純化し、小形化したことで作業能率が低下することは避けられない。他方、作業能率が低下すると、その分だけ刈り取り速度が遅くなり、また、その分だけ引き込み装置、チョッピング装置及び搬送コンベアによる一連の装置の幅を従来のものよりも狭くすることができる。このように上記一連の装置の幅を狭くすることによって、搬送コンベアの横にエンジンとオイルタンクとを縦置きに配置することが可能になる。
【0017】
【実施態様1】
実施態様1は、車体のメインフレームの後端部において左右にサブフレームを対象に張り出させ、これらのサブフレームにエンジン、オイルタンクをそれぞれ搭載したことである。
【0018】
【作用】
車体フレームがほぼ左右対称になるので、エンジンとオイルタンクとの重量が互いにバランスし合うだけでなく、重量が大きい車体フレーム自体の左右方向の重力バランスが維持される。
【0019】
【実施例】
次いで、図面を参照しながら実施例を説明する。
この実施例におけるクロックディバイダー2、ベースカッタ3の機構は基本的には従来のさとうきび収穫機と違いはないが、小形化し、また、左右一対のクロックディバイダー2をそれぞれ単一のロールによるものにしている(従来のものは、前後2つのロールによるものである)。そして、ベースカッタ3と引き込み装置10及びチョッピング装置11が一つの枠体に取り付けられており、この枠体が油圧シリンダS2 によって昇降操作される。
【0020】
引き込み装置10は、上下ローラによる前後2組の送りローラ10aを備えており、油圧モータで駆動されるチェン伝動装置を備え、このチェン伝動装置を介して前後上下の各ローラが駆動される。
4つの送りローラ10aのうちの下側の2つのローラは固定で、互いにチェンで連動しているが、上側の2つのローラはその中間の歯車を介して互いに連動しており、上記歯車の軸を支持点とする支持アームによって上下方向に可動に支持されている。上下一対の2組の送りローラ2組で引き込み装置10を構成することができ、引き込み装置10は上下一対の2組の送りローラ2組で構成されたものであるから、前後方向の長さが短く、かつその支持機構、駆動機構が単純であり、したがって、従来技術における引き込み装置4に比して極めて小型、軽量である。
【0021】
上記チョッピング装置11は、上下一対のローラによる把持ローラとカッタからなるものであり、油圧モータによって、ギヤを介してカッタ及び把持ローラが駆動される。引き込み装置10の後方の送りローラから繰り出されるさとうきびは、チョッピング装置11のカッター11aで把持され細断される。なお、さとうきび収穫機のカッタには様々な形式のものがあるが、この例では、さとうきびの流れをスムーズにするために、2軸回転刃方式を採用しており、その機構の概要は次のとおりである。
互いに同速度で回転する上下2軸のうちの上軸に180度の間隔で切断刃11xが2枚セットされており、下軸にロール11yが固定されている。そして、このロール11yの外周の切断刃11xが当たるところに、緩衝のためのウレタンゴムが埋め込まれている。そして、引き込み装置11の送りローラ11aから繰り出されたさとうきびを切断刃11xとロール11y間に挟み込みつつ切断刃11xで切断する。
【0022】
チョッピング装置11の後方にJ型のチェンコンベア12が配置されている。このチェンコンベア12は、左右のコンベアチェン12a,12aの間に多数の羽根12bを等間隔で配置し、左右のコンベアチェン12aを羽根12bで連結した、いわゆる羽根付きチェンコンベアであり、細断されたさとうきびをこの羽根12bに載せて搬送するものである。この羽根付きチェンコンベアそれ自体は従来周知のものであり、その外観は図6に示すとおりである。
この実施例では、J型のチェンコンベア12の傾斜部の傾斜角度は約60度であり、その長さは200cmであり、幅は50cmである。J型のチェンコンベア12の下端の水平部の長さは約50cmであって、チョッピング装置11のカッタの下方に約20cm入り込んでいる。
【0023】
J型のチェンコンベア12の傾斜部の下方空間に風選装置13の傾斜ダクト13aがあり、チェンコンベア12の下面に沿って斜め上方に傾斜した状態で配置されている。この風選装置13の傾斜ダクト13aの幅は約50cmであり、その上端13eがチェンコンベア12の上端部の下方に位置している。
また、上記傾斜ダクト13aの下部に送風ファン13bがあって、傾斜ダクト13aに風選用風を高速で送り込んでいる。この例では、ダクト13aの上端開口の断面積は650cm2 であり、風速40m/秒で風が吹き出される。
上記傾斜ダクト13aの上端13eの開口部に縦方向の整流板が一定間隔で設けられており、チェンコンベア12の上端から落下するさとうきびに対して傾斜ダクト13aの上端13eの開口部から斜め上方に向けて風が吹き付けられるようにしている。
チェンコンベア12の羽根で後方に放り出された落下するさとうきびが、斜め上方に吹き付けられる風によって後方に押し出され、チェンコンベア12の上端よりも後方にある収納袋Bのほぼ中央に落下し、収納袋Bの全面にほぼ均等に順次収納されてゆく。
また、チェンコンベア12の上端から放り出された直後に、斜め下方から吹き上げられ、ハカマは下から呷られ、さらに吸引装置15によって上方に強力に吸引されるので、さとうきびの幹から確実に分離される。
なお、吸引装置15のケーシングに対する取付け構造は図1の従来例と違いはなく、そのケーシングの上方壁の外にオイルモータがあり、当該オイルモータのファン軸ががケーシングの上方壁を貫通してケーシング内に突出しており、当該ファン軸の下端にファンが取付けられている。
【0024】
また、チェンコンベア12の枠の上端に吸引ダクト14が取り付けられており、この吸引ダクト14に吸引装置15を載せて固定していて、その排出口が後方に開口している。ただし、排出口は左方又は右方に開口させることもできる。したがって、分離されたハカマは吸引装置15によって吸引ダクト14から吸引され、吸引装置の上記開口から後方、左方又は右方に排出される。
また、上記風選装置13の傾斜ダクト13aの後方に収納袋Bを装着する袋支持部16があり、チェンコンベア12の上端から落下し、ハカマが分離された幹部を収納袋Bに収納するようになっている。
【0025】
ところで、この実施例の車体フレームの一部平面形状の概要は図4に示すとおり、車体のメインフレームFの後部が左右に張り出している。この右側の張出部(サブフレーム)F1 に40馬力のディーゼルエンジンを、前後方向に向けて搭載してあり、また、左側の張出部(サブフレーム)F2 に容量が180リットルのオイルタンクTを載せて固定している。
以上のような実施例は、その作業能力が従来のさとうきび収穫機の約50%であるが、車体フレームの全長が560cmで、上記従来のさとうきび収穫機に比して50cm短縮されており、また、作業機の高さが330cmであって、従来のものに比して30cm低い。また、重量が3.8t(トン)で、従来のさとうきび収穫機に比して約2t軽減されており、さらに、走行クローラの前後方向長さが160cmで、従来のさとうきび収穫機に比して約20cm短縮されている。 以上のように、処理能力の低下割合に比して、大幅に小形化、軽量化されており、大型の従来のさとうきび収穫機に劣らない機能を有し、軽便で小回りがきくので、その利用性は極めて高い。
【0026】
【発明の効果】
以上のとおり、この発明のさとうきび収穫機は、そのベースカッタ、引き込み装置、チョッピング装置、搬送コンベア、風選装置が前後方向に密に集約された状態で配置され、機器配置の全長が大幅に短縮される。そして、その結果、クローラの長さが短縮される。
【0027】
また、機構を単純化し、小形化した結果、作業能率は低下するが、その分だけ引き込み装置、チョッピング装置、搬送コンベアによる一連の装置の幅が狭くなるので、その横にエンジンとオイルタンクとを縦置きに配置することが可能である。そして、オイルタンクを搬送コンベアの横に配置した結果、従来オイルタンクが配置されていた運転室の下部後方の空間が空くので、この空いた空間から、引き込み装置、チョッピング装置などをメンテナンスすることができ、これらの保守点検を極めて容易に行うことができるという顕著な効果を奏する。
【0028】
また、処理能力の低下割合に比して、大幅に小形化、軽量化されており、大型の従来のさとうきび収穫機に劣らない機能を有し軽便で小回りが利くので、その利用性は極めて高く、さとうきび栽培農家の自家用機として普及することが確実に期待され、その結果、中小規模のさとうきび栽培農家の労働負荷を軽減することができ、また、労力節減に大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、従来のさとうきび収穫機の側面図である。
【図2】は、実施例のさとうきび収穫機の側面図である。
【図3】は、実施例における搬送チェンコンベア及び風選用吸引装置の側面図である。
【図4】は、実施例における車体フレームの平面形状、引き込み装置、チョッピング装置、搬送チェンコンベア、エンジン、オイルタンクの車体フレーム上での配置を模式的に示す平面図である。
【図5】はチョッピング装置のカッターの側面図である。
【図6】は羽根付きチェンコンベアの一部拡大図である。
【符号の説明】
1:クローラ
2:クロップディバイダー
3:ベースカッタ
10:引き込み装置
10a:送りローラ
11:チョッピング装置
11a:カッター
12:J型チェンコンベア
13:風選装置
13a:傾斜ダクト
13b:送風ファン
13e:傾斜ダクトの上端
14:吸引ダクト
15:吸引装置
Claims (3)
- クロップディバイダー、ベースカッタ、引き込み装置、斜め上方に搬送する搬送装置、チョッピング装置、風選装置を有し、エンジンによってオイルポンプを駆動し、走行装置、作業装置をオイルモータで駆動するものであって、クローラで自走するさとうきび収穫機であって、
上記引き込み装置は前後2組の送りローラによるものであり、この引き込み装置の後方にチョッピング装置が配置されており、
上記搬送装置がJ型チェンコンベアであり、その下端水平部分が上記チョッピング装置の下方に配置されており、
上記J型チェンコンベアの傾斜部の下方の空間に上記風選装置が配置され、当該風選装置のダクトが傾斜ダクトとしてJ型チェンコンベアの傾斜部の下面に沿っており、上記ダクトの下部にブロアが配置され、当該ダクト上端がJ型チェンコンベア上端の下方に位置しており、
上記エンジンがチェンコンベアの一方の横に、前後方向に向けて配置され、反対側にオイルタンクを配置されているさとうきび収穫機。 - 車体のメインフレームの後端部において左右にサブフレームが対象に張り出して設けられており、これらのサブフレームにエンジン、オイルタンクがそれぞれ搭載されている請求項1のさとうきび収穫機。
- 上記風選装置の傾斜ダクトの上端の上方に吸引装置が設けられており、当該吸引装置のケーシングの上方壁の外にオイルモータがあり、当該オイルモータのファン軸がケーシングの上方壁を貫通してケーシング内に突出しており、当該ファン軸の下端にファンが取付けられている、請求項1のさとうきび収穫機。
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