JP2012005450A - 甘藷つる収穫機 - Google Patents

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洋三 森
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Abstract

【課題】甘藷つるを細断カッターに確実に押し込める引き上げ搬送コンベア、中継コンベアの提供。
【解決手段】掻き上げ装置4の後方に引き上げ搬送コンベア3があり、引き上げ搬送コンベア3の後方にローラコンベア式中継コンベア7があり、中継コンベア7は下方の送りコンベアと上方の押し込みコンベアによるものであり、これらのコンベアローラがロール外周に多数の掻き込み爪を備えているものであり、掻き上げ装置4、引き上げ搬送コンベア3、中継コンベア7、細断カッター8が前後方向に一直線に配置されており、甘藷つるを掻き上げ装置4でかき集め、引き上げ搬送コンベア3の先端で掴み、根切りカッター6で根切りし、引き上げ搬送コンベア3で引き上げ、引き上げ搬送コンベア3の上端で解放された甘藷つるを上記中継コンベア7で引き取って細断カッター8に押し込んで細断させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、甘藷(さつまいも)の茎葉(以下これを「甘藷つる」という)を家畜用飼料として有効に利用するためにこれを収穫する作業機(甘藷つる収穫機)に関するものであり、甘藷つるの収穫作業を容易かつ能率的に行うことができるものである。
甘藷つるは地面を這って圃場一面に広がっているので、藷掘り作業に先立って、これを刈り取る作業(つる払い作業)が行われる。以前はこのつる払い作業は人手で行われていたが、最近は、甘藷栽培農家の栽培面積が拡大されていることや、農家の人手が不足し、また高齢化している等の事情から、このつる払い作業についても自走式のつる払い機で行われるようになっている。
公知のつる払い機には、甘藷つるの根元を切断し、甘藷つるを畝からまくり上げる方式のものや、多数の回転刃(いわゆる「フレールモア」)で切り刻んで分散させる方式のものがあり(後者については、例えば特開2008−193991号公報)、これらによるときは甘藷つるは圃場に残されて肥料にされる。
ところで、近年、家畜用の飼料が高価になっていることや、資源の有効利用が求められる等の事情から、甘藷つるを収穫し発酵させて富栄養化(いわゆるサイレージ発酵)を図り、これを家畜飼料とすることが推進されつつある。
甘藷つるを収穫して発酵させて富栄養化させるには、甘藷つるを収集し細断しなければならないので、甘藷つるを刈り取り細断するという作業を一貫して行う甘藷つる収穫機の実現が求められる。そして、このような甘藷つる収穫機を実現して普及させるには、小型、簡便で作業能率が高く、回収率が高いものでなければならない。甘藷つる収穫作業に多くの労力とコストがかかるのでは畜産農家にとって利益が少なく、魅力に乏しいからである。
〔甘藷つる収穫機を開発する上の基本的な問題点〕
ところで、甘藷つる収穫機の作業速度は従来のつる払い機による場合と同程度以上でなければ農家の要求に適うものではなく、また、取り残しが多いと藷掘り作業の支障になるので、取り残しが少ないものでなければならない。
また、甘藷つるは絡み合って圃場一面に広がっており、しかも柔らかくて弱く、強く引っ張られるとちぎれてしまうため、これを自走式の全自動作業機で能率良く収集することは容易でない。
また、収集した甘藷つるは細断カッターで細断する必要があるので、甘藷つるを根切りし、掻き集めて細断カッターまで搬送しなければならない。しかし、甘藷つるは柔らかくてちぎれやすくしかも嵩張るのでコンベアによって搬送するときの搬送性が悪く、このために収集から搬送、細断までを一貫した連続作業として甘藷つる収穫機で円滑に行うことは容易でない。
実用性の高い甘藷つる収穫機を実現するには、以上の種々の問題を解消する必要があり、そのためには次の課題が技術的に解決されることが必要である。
(1)互いに絡み合って圃場一面に広がっている甘藷つるを、畝の中央に確実に寄せ集め、これを搬送コンベアに引き込ませるように、甘藷つるを掻き寄せる装置を工夫すること。
(2)甘藷つるは長く伸びており、柔らかくて含水量が多く、つぶれやすくてちぎれやすいので、これを搬送コンベアで掴んで引き上げて細断カッターまで搬送するのは容易でない。したがって、根切りされた甘藷つるを、その根元を掴んで引き上げることで引き寄せて収集し、細断カッターまでスムーズにかつ確実に引き上げることができる引き上げ搬送コンベアを工夫すること。
(3)また、甘藷つるは柔らかくて含水量が多いので、引き上げ搬送コンベアで引き上げられた甘藷つるは腰が弱く、しかも滑りやすい。このために、引き上げ搬送コンベアから解放されたところで停滞し、細断カッターの送りローラーの手前で詰まってしまうので、これを確実に細断カッターの送りローラーに送り込めるようにするための特別の機構構造を工夫すること。
(4)また、収穫された甘藷つるに砂などの異物が混入していると、それによって飼料の品質が低下するので、これらが混入することを防止する必要がある。他方、甘藷つるを細断カッターで細断してチップ状にして後に異物を分離させることは容易でない。したがって、細断する前の段階で甘藷つるから異物が除去されるようにしなければならないが、引き上げ搬送コンベアによる搬送中に異物が除去されるようにすることはできない。
以上のことから、引き上げ搬送コンベアの後にあり、細断カッターの前にある中継コンベアにおいて砂等の異物(主に砂)が効果的に除去されるように、当該中継コンベアの機構構造を工夫すること。
(5)上記中継コンベアについてこれをローラコンベア式とするときは、その前後方向長さを短くしてコンパクトにすることができるという利点がある。しかし、ローラコンベアは甘藷つるに対する搬送力が弱く、甘藷つるがコンベアローラに巻き付き、搬送不能になるという決定的な問題があり、この問題を完全に解消する必要がある。
この発明は、甘藷つるを掻き上げ装置でかき集めつつ掻き上げ、引き上げ搬送コンベアで斜め上方に引き上げ、引き上げ搬送コンベアの上端で開放された直後にこれを中継コンベアで引き取り、その後方の細断カッターへ送り込み、当該細断カッターで細断するようになっている甘藷つる収穫機を前提として、上記中継コンベアを機構が簡便でコンパクトなローラコンベアで構成するについて、当該ローラコンベア式中継コンベアの甘藷つるに対する搬送力を強化してその搬送を確実にし、かつ、そのローラコンベアの回転部分への甘藷つるの過大な巻き付きを確実に防止して安定的・連続的に作業を行えるように、ローラコンベア式中継コンベアの機構構造を工夫することをその課題とするものである。
この発明の甘藷つる収穫機は上記課題を全て解決し、その性能を向上させるために多くの工夫を重ねたものである。
この甘藷つる収穫機は自走体前方の刈り取り装置で甘藷つるを根切りし収集し、収穫機上に引き上げつつ細断カッターまで搬送し、細断カッターで細断して収穫するものである。そしてその要点は、甘藷つるをサイドカッターで切断して畝毎に切り離し、これを畝の中央に掻き集め、引き上げ搬送コンベアで引き込んで斜め上方に搬送する刈り取り装置を備えていることであり、さらに、畝の中央に掻き寄せられた甘藷つるが引き上げ搬送コンベアの先端に捕捉された直後に根切りされ、引き上げ搬送コンベアによって収穫機上に引き上げられ、さらに、ローラコンベア式中継コンベアによって搬送されることであり、そして、これらによる搬送は前方から後方にほぼ直線的に行われ、この搬送路の後端に配置された細断カッターに上記ローラコンベア式中継コンベアによってスムーズに押し込まれるように構成されていることである。
そして解決手段は、具体的には次のように構成されている。
すなわち、車体フレーム1の前方に刈り取り装置のフレーム2が上下方向に揺動自在に支持されており、当該フレーム2にコンベアフレーム30が上下方向に揺動自在に支持されている。また、上記フレーム2の前方に左右のスクレーパー10があり、その後方に左右のサイドカッター5があり、当該サイドカッター5の後方(図面上はほぼ横)に掻き上げ装置4がある。
上記コンベアフレーム30の先端に掻き上げ装置4があり、当該掻き上げ装置4の後方に引き上げ搬送コンベア3があり、引き上げ搬送コンベア3の後方にローラコンベア式中継コンベア7がある。
さらに、上記ローラコンベア式中継コンベア(以下、これを単に「中継コンベア」ということもある)は上方の押し込みコンベアと下方の送りコンベアとによるものであり、押し込みコンベア、送りコンベアは共に隣接した2以上のコンベアローラによるものである。そして、当該コンベアローラの外周に歯付きの掻き込み爪が多数設けられており、隣接するコンベアローラはその掻き込み爪の先端が互いに干渉することがない程度に、当該掻き込み爪の先端の回転円が微小に離間した状態に配置されている。
なお、上記サイドカッター5、上記掻き上げ装置4、引き上げ搬送コンベア3、上記ローラコンベア式中継コンベアは前後方向に一直線状に配置されている。なお、ここでいう「一直線状」は基本的には、途中に屈曲点がなく一直線状ないしはほぼ一直線状であることを意味し、必ずしも文字通り一直線であることを意味するものではない。
そして、甘藷つるを掻き上げて畝の中央(頂上)に掻き寄せる掻き上げ装置4、甘藷つるの根元を引き上げ搬送コンベア3の先端で掴んだ直ぐ後に切断する根切りカッター6、甘藷つるを引っ張って引き寄せながら斜め上方に搬送する引き上げ搬送コンベア3、引き上げ搬送コンベア3から解放された甘藷つるを引き取り、細断カッター8に押し込むローラコンベア式中継コンベア7、甘藷つるを細断する細断カッター8が順に後方に配置されている。これにより、刈り取り装置が前後方向にコンパクトに纏められて小型で簡潔に構成され、甘藷つるがスムーズに搬送されて細断カッター8に確実に送り込まれる。
スクレーパー10、サイドカッター5が掻き上げ装置4の前方(図面上はほぼ横)にあり、まず、甘藷つるがすくい上げられ、次いでサイドカッター5によって畝の両側で切断され、畝毎に切り離されるので、甘藷つるは畝の中央に容易に掻き寄せられ、引き上げ搬送コンベア3の先端に向けて案内される。
また、引き上げ搬送コンベア3の搬送ベルトコンベア31の先端近傍に円盤状の根切りカッター6が配置されていて、搬送ベルトコンベア31の先端に甘藷つるの根元が捕捉された直後に根切りされるように構成されている。
また、搬送ベルトコンベア31の後端で放出された甘藷つるはローラコンベア式中継コンベア(単に「中継コンベア」ともいう)で引き取られるように、引き上げ搬送コンベア3と中継コンベア7とは近接して配置され、また中継コンベア7から後方に押し出される甘藷つるが細断カッター8の送りローラ81へ押し込まれるように中継コンベア7と細断カッター8とは近接して配置されている。
甘藷つる収穫機が畝を跨いで前進すると、スクレーパー10の先端が溝の底に沿って前進し、甘藷つるをすくい上げ、サイドカッター5の高さまで押し上げる。そして、甘藷つるY(図6参照)はサイドカッター5に達したときに同カッター5で切断され、これによって他の畝の甘藷つるから切り離される。
掻き上げ装置4が甘藷つるを畝の中央に向かって掻き寄せるときは、その前に、甘藷つるはサイドカッター5で切断されて畝毎に切り離されているので、各畝の甘藷つるは容易にその畝の中央に掻き寄せられる。そして、畝の中央にかき寄せられた甘藷つるは、引き上げ搬送コンベア3の前進によって、その先端に捕捉されて引き込まれる。なお、引き上げ搬送コンベア3の先端で甘藷つるの根元が捕捉されて斜め上方に引き上げられると、少し斜め上方に引き上げられたところで根切りカッター6で根元から切断される。したがって、甘藷つるの収集が容易になされ、また、甘藷つるに引っ張られて甘藷が引き抜かれこれに伴って砂などの異物が甘藷つるに混入することはない。
そして、甘藷つるはその下部を搬送ベルトコンベア31によって斜め上方に引き上げられるとき、引き寄せられつつ上方の搬送チェンコンベア32に引き込まれる。搬送チェンコンベア32に引き込まれると、その甘藷つるに搬送チエンコンベア32の角33が横から突っ込まれ、これで引っかけられて引き上げられる。
以上のように、甘藷つるY(図6参照)はその下部を搬送ベルトコンベア31で把持されて引き上げられ、上部を搬送チェンコンベア32で軽く捕捉され、角33に引っかけられて同速度で引き上げられる。したがって、甘藷つるYの上部が下部と一緒に引き上げられ、引き上げ搬送コンベア3の上端まで確実に引き上げられる。
甘藷つるは引き上げ搬送コンベア3の上端まで搬送されて当該コンベアから解放され、そして、解放されるとそこで停滞するが、そのとき中継コンベア7に引き取られ、当該中継コンベア7の出口まで引きずられて搬送され、出口から細断カッター8に向けて押し出される。すなわち、引き上げ搬送コンベア3の上端で解放された甘藷つるは、中継コンベア7の送りコンベア72(下方のコンベア)と押し込みコンベア74(上方のコンベア)によって上下から捕捉され、これらのコンベアローラ72a,72bと74a,74bの掻き込み爪72T,74Tで上側及び下側から引っかけられて引っ張られ、そして出口から押し出され、これによって、細断カッター8の送りローラー81に積極的に押し込まれることになる。
甘藷つるは柔らかくて巻き付き易いので、すぐコンベアローラ72a,74aに巻き付いて膨らみ、運転の障害になるが、例えば、送りコンベアローラ72aに巻き付くとその甘藷つるが隣接する他の送りコンベアローラ72bの掻き込み歯72Tに接触しこれで切断されて送りコンベアローラ72aから分離されるので、これが重ねて巻き込まれて大きく膨らんで運転の障害になることはない。押し込みコンベア74の押し込みコンベアローラ74aについても同様である。
それゆえ、引き上げ搬送コンベア3と細断カッター8間の中継が円滑、確実かつ能率的になされる。
なお、細断カッター8の送りローラー81による送り速度は中継コンベア7の搬送速度よりも速く(例えば約3倍)、甘藷つるは一瞬のうちに送りローラーに引き込まれるので、甘藷つるが中継コンベア7からひっきりなしに押し出されたとしても、甘藷つるが細断カッター8の送りローラー81の直前で停滞するようなことはない。
甘藷つるは圃場一面に広がり複雑に絡み合っており、この甘藷つるは柔軟で腰がなく、水分が多くてつぶれやすく、ちぎれやすいが、それにも拘わらず、確実に掻き寄せられ、そして引き上げ搬送コンベア3によって引き寄せられつつ引き上げられ、中継コンベアによって確実に細断カッターに送り込まれ、迅速に細断カッターで細断される。細断された甘藷つる(チップ状の甘藷つる)が回転羽根82で跳ね上げられてホッパー9に投入される(投擲搬送)。
また、掻き上げ装置4で掻き寄せられた甘藷つるは引き上げ搬送コンベア3の先端に捕捉された直後に根切りカッター6で根元から切断されるので、甘藷が地面から引き抜かれることはなく、これに伴って砂などの異物が甘藷つるに巻き込まれることもない。そして、もしも異物が甘藷つるに混じって引き上げ搬送コンベア3でその上端まで搬送されたとしても、引き上げ搬送コンベア3から解放されたときに甘藷つるから分離され、ハウジング70の傾斜した底部71aに落下し、これから滑落して外に排出される。したがって、異物が細断カッターまで持ち込まれることはなく、異物が甘藷つる収穫物に混入することは確実に防止される。
〔構成要素の詳細〕
以上の解決手段の各構成要素の詳細は以下のとおりである。
(1)スクレーパー
スクレーパー10はフレーム2の先端よりも前方にあり、前下がりに傾斜したすくい上げ部とその後方のアーム部を有している。作業機の前進によって当該スクレーパーが前進し、畝の両側下端において甘藷つるを下からすくい上げ、押し上げてその後方のサイドカッターへ案内して切断させる。
(2)サイドカッター
サイドカッター5は、帯状鋸刃による縦方向カッターであって、帯状の固定刃と上下に往復動する可動刃とによるものであり、スクレーパーで押し上げられた甘藷つるを切断し、これによって甘藷つるを畝毎に切り離してその掻き寄せを容易にするものである。
(3)掻き上げ装置
掻き上げ装置4は掻き上げベルト41A,41Bによるものであり、これらはゴムベルトである。そしてこのベルトには比較的堅くて長いひげ41aが一定間隔で備えられており、このひげ41aで畝の側面を撫でるようにして甘藷つるを掻き上げ、畝の中央に掻き寄せて、引き上げ搬送コンベア3に送り込むものである。
(4)引き上げ搬送コンベア
引き上げ搬送コンベア3は、前方から斜め上方に傾斜したコンベアフレーム30と、下側の搬送ベルトコンベア31及び上側の搬送チェンコンベア32とによるものである。そして、上側の搬送ベルトコンベア31の左右の搬送平ベルト31A,31Bは対称に配置され、バネ35(図4)等で互いに圧接されており、甘藷つるの根元(下部)を掴んで斜めに引き上げて、甘藷つるを引き寄せつつ引き上げるものである。
搬送チェンコンベア32は左右の搬送チェン32A,32Bによるものであり、左右の搬送チェン32A,32Bは角33を有しており、この角33,33の先端間に少し隙間が介在する程度に、搬送チェン32A,32Bが離間して配置されている。そして、引き上げ搬送コンベア3に引き寄せられた甘藷つるが、左右の搬送チェン32A,32Bで軽く挟まれ、その角33,33で引っかけられて引っ張られ、途中で停滞することなしにスムーズかつ確実に搬送される。なお上記角33は、チェンコンベアの対向する面(搬送面)の突起であり、甘藷つるY(図6参照)の中に突っ込まれて、これを引っかけて引き上げる作用を奏する。
引き上げ搬送コンベア3は途中に左右方向への屈曲点はなく、したがって、前後方向においては一直線状ないしはほぼ一直線状である。しかし、その側面形状については、直線状である方が構造が単純であるから望ましいが、先端から後端まで一直線状である必要は必ずしもなく、下部、中部、後部において求められる傾斜角度が設計において異なる場合があり、そのようにする方が当該コンベアの構造設計上、あるいは、その配置の都合等から得策である場合もある。このような場合は、例えば、前部の傾斜角度を中部よりも小さくし、後部の傾斜角度を中部よりも小さくする等、部分的に傾斜角度が異なるようにすることもできる。
なお、高強度高耐久性のベルトコンベアを上記搬送チェンコンベア32に代えて用いることもできる。この場合は、ベルトの搬送面に上記角33と同様の角を突設する必要があり、その角を金属で被覆するなどしてその摩耗、損傷から防護する必要がある。また、引き上げ搬送コンベア3の上側の搬送チェンコンベア32の搬送速度は下側搬送ベルトコンベア31の搬送速度とほぼ同速度であり、また、これらの水平方向速度は、作業機(甘藷つる収穫機)の前進速度のほぼ1.5〜2.0倍が適当である。引き上げ搬送コンベア3の搬送速度が速すぎると空廻りが多くなり、逆に遅すぎると甘藷つるが停滞する可能性が高いので、結果的に搬送性能が低下する。
(5)ローラコンベア式中継コンベア
ローラコンベア式中継コンベア7はハウジング70と下方の送りコンベア72及び上方の押し込みコンベア74によるものである。そして、ハウジング70は四角な筒状体であり、この例では細断カッター8のハウジングと一体である。
ハウジング70の下側にある送りコンベア72、上側にある押し込みコンベア74は二つ以上のコンベアローラによるものである。そして、当該送りコンベア72、押し込みコンベア74によるローラコンベア式中継コンベアは上下にハ字状に前開きになっている。これに対して、上記ハウジング70の左右両側壁は互いに平行な壁である。ハウジング70の底板71aは前下がりに角度θ3で傾斜しており、これにより、引き上げ搬送コンベア3の後端から解放された甘藷つるの受け入れを容易にするとともに、ここまで持ち込まれた砂などの異物がこの斜面を滑落して外に排出されるようになっている。
また、上記の送りコンベア72、押し込みコンベア74のコンベアロールには山形の歯付き掻き込み爪72T,74Tが多数(掻き込み速度の脈動を小さくするために、少なくとも4つ以上)設けられている。
さらに、押し込みコンベア74の前後のコンベアローラ74a,74bは、上記の歯付き掻き込み爪74T,74Tが互いに接触しない程度に近接して配置されており、両コンベアローラ74a,74bの歯付き掻き込み爪74T,74Tの先端と先端相互間の隙間(微小隙間)は、実用上は3〜10mmあればよく5mm程度が適当である。なお、上記数値は下記のような意義を有するものであって、格別の臨界的意義が有するものではない。
すなわち、上記隙間が5mm程度であれば、甘藷つるが上記両コンベローラ74a又は74bに巻き付いても、掻き込み歯で瞬間的に切断されるので、この巻き付きが成長することはない。しかし。この隙間が大きい(例えば10mmよりも1乃至2mm以上大きい)と、甘藷つるの巻き付きが大きく成長して巻き付きが解けにくくなり、また、掻き込み爪の掻き込み性能に支障を生じるようになる。収穫する甘藷つるの太さ、強さにもよるので、一概にはいえないが、設計値としては5mm程度が好ましい値である。
以上、押し込みコンベア74のコンベアローラ74a,74bについて説明したが、送りコンベア72のコンベアローラ72a,72bについても同様である。
なお、コンベアローラ72a,72b,74a,74bのロール直径D(図5−1参照)、掻き込み爪の回転半径の大きさは同じでよく、特に違える必要はない。
コンベアローラ72a,72bと74a,74bのローラ半径は掻き込み爪
72T,74Tの外端(刃先)の回転半径であり、これは120〜150mm程度が適当である。このコンベアローラのローラ半径が小さすぎるとコンベアローラの回転速度が高速になり、また、甘藷つるに対する搬送速度の脈動が大きくなり、大きすぎると中継コンベアが不必要に大型になるという問題がある。
また、歯付き掻き込み爪72T,74Tの山形の歯は、甘藷つるを引っかけて後方に送る作用と、コンベアローラに巻き付いた甘藷つるをその刃先で切断するという作用を奏するものである。山形(逆V型)の歯のピッチが小さいと送り作用が悪くなり、大きいと巻き付きやすいという問題がある。このことを勘案して具体的な構造設計において所要の作用効果を奏するように適当に選択する必要がある。
上記の送りコンベア72、押し込みコンベア74は、甘藷つるが引き上げ搬送コンベア3の上端で解放されたとき、同時にこれを引き取り、掻き込み爪72T,74Tで引っかけて搬送し、細断カッター8に押し込むものである。また、ローラコンベア式中継コンベアの入り口はその先端が上下にハ字状に前広に開かれている(図5参照)。このことにより、甘藷つるが下方の送りコンベア72、上方の押し込みコンベア74の掻き込み爪72T,74Tで引っ張られ上下に圧縮されながら搬送され、ローラコンベア式中継コンベア7の出口で細断カッター8の送りローラー81へ向けて押し出される。
(6)細断カッター
細断カッター8は送りローラー81と回転羽根82によるものであり、甘藷つるを細断し、これをホッパー9へ搬送するものである。
ローラコンベア式中継コンベア7によって送り込まれた甘藷つるを送りローラー81で迅速に引き込み、回転羽根82の切断刃で切断し、細断片を回転羽根で跳ね上げ、空気流でこれを搬送(打撃搬送)する。
この細断カッター8は、この実施例のものが最良であるが、要するに中継コンベア7から供給される長い甘藷つるを所定の長さに細断することができるものであれば、種々の形式構造の細断カッターを用いることができる。したがって、ここでいう「細断カッター」は実施例の構造のものには限られない。
(7)ホッパー
ホッパー9は細断された甘藷つるを収容する容器である。甘藷つる収容容器の形態は甘藷つるのその後の処理作業とも関係するので、箱型のものに限られることはなく、袋などの他の容器を採用することも可能である。
は実施例全体の側面図 は実施例における押さえローラーと引き上げ搬送コンベアとの位置関係を概略的、模式的に示す正面図 は実施例における刈り取り装置の一部平面図 (a)は掻き上げ装置の平面図、(b)は側面図 は引き上げ搬送コンベアを模式的に示す側面図 は図3におけるA−A断面図 は中継コンベアの模式的な正面図 (a)は図5の一部の拡大図、(b)はコンベアローラ74a,74bの掻き込み爪74t,74T間の噛み合い状態を模式的に示す説明図 は引き上げ搬送コンベアによる甘藷つるの搬送状態を模式的に示す側面図
次いで、図示の実施例を説明する。なお、この説明における数値はこの実施例についての理解の助けとするための具体例である。
図示の実施例の甘藷つる収穫機は、全長4.6m、幅1.6mの作業機であり、左右のクローラ(幅230mm、接地長さ1500mm)で自走するものであり、35馬力のディーゼルエンジンを搭載していて、路面走行における標準走行速度は時速3kmである。この実施例の足周りや作業機周り等の駆動手段は全て油圧駆動式であり、斜板型可変ポンプを駆動源として、走行モータ、搬送装置のコンベアや細断カッター等の個々の作業用モータ、刈り取り装置のフレーム2の昇降用油圧シリンダー(図示略)等で駆動される。
掻き上げ装置4、サイドカッター5、根切りカッター6、引き上げ搬送コンベア3(搬送ベルトコンベア31及び搬送チェンコンベア32)、ローラコンベア式中継コンベア7、細断カッター8の駆動モータは非可変式のものであり、このうち、掻き上げ装置4、引き上げ搬送コンベア3、ローラコンベア式中継コンベア7については操作レバーによってこれを正転、逆転させることができ、駆動速度も加減することができる。また、走行モータは非可変式のものであり、その駆動速度は斜板型可変ポンプを制御することによって調節される。
駆動油圧回路の油圧は210kg/cm 以下に設定されている。この実施例の刈り取り作業時の標準前進速度は時速1.5kmであるが、作業状況に応じて適宜加減される。この作業時の前進速度(走行速度)の限界は、実際問題としては、掻き上げ装置4から細断カッター8までの搬送能力によって大きく左右される。
この実施例の作業能力(甘藷つるの収穫能力)は、甘藷の種類、甘藷つるの密度など種々の条件によって左右されるが、標準的な条件下では、最大稼働で1時間当たりほぼ5トン、標準稼働ではほぼ3トンである。
この実施例の甘藷つる収穫機の全体的規模の概要は以上のとおりである。そして、当該作業機の詳細は次のとおりである。
刈り取り装置は先端の掻き上げ装置4、根切りカッター6、引き上げ搬送コンベア3を備えているものであり、この刈り取り装置のフレーム(以下これを単に「フレーム」という)2が、支持軸2pで上下方向に揺動自在に車体フレーム1に支持されている。そして、当該フレーム2の先端に左右の案内車輪21,21がブラケット22を介して取り付けられており、この案内車輪21,21でフレーム2の先端を支持している(図1)。上記案内車輪21は畝Wの側面下端を左右から挟んで走行し(図1−1参照)、これによって、刈り取り装置の先端が畝W(図2参照)を追跡する。上記案内車輪21は、左右それぞれ一つの車輪によるものでも特に問題はないが、この実施例では走行面の凹凸によるフレーム2の先端の上下動を低減するために前後一対の車輪によるものを用いている。この案内車輪21は直径が380mm、幅が150mmである。なお、この案内車輪21,21による案内は、例えば、甘藷収穫作業機において知られた事項であり(上記特開2008−193991号公報)、畝を追跡して走行する各種の農作業機において周知、慣用の事項である。
引き上げ搬送コンベア3のコンベアフレーム30が支持軸3pによって上下方向に揺動自在にフレーム2に支持されており、また、コンベアフレーム30はクッションのための支持バネを介してフレーム2に支えられており、さらに、左右の押さえローラー3Rによってブラケット3bを介して畝の左右両肩部に支えられている。
また、押さえローラー3Rは、念のためのものであって、引き上げ搬送コンベア3で甘藷つるが引っ張られたときにそれにつれて甘藷が引き上げられて、地面から引き抜かれることがないように、畝Wの肩を軽く押さえる作用を奏する。この実施例における押さえローラー3Rはその直径が140mm、幅が150mmである。押さえローラー3Rによるコンベアフレーム30の支持高さは調節自在であり、これによって、掻き上げ装置4の畝面に対する高さが調節される。なお、上記支持高さの調節機構は、手動ねじ式のものである(図示は詳細は省略)。畝の高さは各圃場によって異なるので、畝の高さに応じて調節される。
甘藷つる収穫機が前進するのに伴って畝Wの高さが変化するが、押さえローラー3Rが畝Wの肩を転動するので、掻き上げ装置4の畝面に対する高さは変わらず、したがってほぼ一定に保たれる。
さらに上記フレーム2は昇降シリンダーを備えており(図示略)、作業機を転向させる時などに、昇降レバーを操作することによってフレーム2が引き上げられる。
〔掻き上げ装置〕
コンベアフレーム30の先端に掻き上げ装置4があり、これは前開きのハの字状に配置された左右の掻き上げベルト41A,41Bによるものである(図2−1(a))。そして、この掻き上げベルト41A,41Bは後方の駆動プーリ45と前方の従動プーリ46の間に巻きかけられており、側面視において前下がりに傾斜している(図2−1(b))。なお、この傾斜角度θ1はほぼ38度程度であり、これは畝を下方から上方に緩やかに撫で上げるような角度である。そして、掻き上げベルト41A,41Bの後端が少しの隙間(例えば、80mm)をおいて互いに接近していて、甘藷つるを掻き上げ掻き寄せて、引き上げ搬送コンベア3の先端に案内してその先端に引き込ませるようになっている。
掻き上げベルト41A,41Bは幅が11mm、厚さが8mmのゴムベルトであり、互いに対向する面に長いひげ41aが一定間隔(約90mm)で突設されている。このひげ41aは比較的堅くて強く、ベルトの搬送面に対して掻き上げ方向と反対方向に傾斜しており、その長さhは80mm、その根元の厚さは14mmである。このひげ41aは、掻き上げベルト41A,41Bが矢印方向に循環する(図2−1(a)参照)ことによって若干撓みながら甘藷つるを撫でるようにして掻き上げ、畝Wの中央に向けて掻き寄せる作用を有する。
上記ひげ41aの長さは、上記の作用(畝の中央に向けて甘藷つる掻き上げ掻き寄せる作用)を奏する範囲であれば長い必要はない。堅さについても同様である。
上記掻き上げベルト41A,41Bの循環速度は、作業機の前進速度のほぼ1.5〜2.0倍程度である。これが速すぎても遅すぎても掻き上げ、掻き寄せ効果が不十分になり、極端な場合は甘藷つるをかき集めてこれを引き上げ搬送コンベア3の先端に誘導することができない。
この掻き上げベルト41A,41Bの適切な循環速度は、その傾斜角度θ1(図2−1(b))の大きさ、ひげ41aの長さ、強さ等と関係し、また畝Wの高さや幅、甘藷の種類、甘藷つるの太さや堅さ等とも関係するので、作業現場においてその駆動モータ(油圧モータ)の駆動速度をバルブ操作で調節できるようにしており、掻き上げベルト41A,41Bの速度を加減してスムーズに掻き上げられるように操作する。
なお、この実施例の掻き上げベルト41A,41Bの標準的な循環速度は秒速で0.6m程度である。
〔引き上げ搬送コンベア〕
引き上げ搬送コンベア3、全長は約850mmであり、傾斜角度θ2は15〜38度である(図3)。引き上げ搬送コンベア3に捕捉された甘藷つるが緩やかに引き上げられる方が引き上げ搬送作業をスムーズにするのに好都合であり、傾斜角度が大きいと搬送抵抗が大きくなって搬送性能が著しく損なわれる。他方、最終的には細断カッター8まで引き上げなければならないので、傾斜角度θ2が小さいと前後方向の長さが著しく長くなる。また、甘藷つる収穫機の全長は短かい方が小型化、軽量化のために好都合である。このことからすれば、引き上げ搬送コンベア3の前後方向の長さはなるべく短かい方が好ましく、傾斜角度θ2は大きい方が好ましいことになる。以上のことを勘案して、傾斜角度θ2を選定する他はない。
引き上げ搬送ベルト3の下方の搬送ベルトコンベア31は甘藷つるの根元を掴んで引き上げるものであり、厚さが16mm、幅31wが60mmの一対の搬送平ベルト31A,31Bによるものである(図3、図4参照)。そして、これらの搬送平ベルトは上側の駆動プーリ31dと下側の従動プーリ31fの間に巻き掛けられている。そして、左右の駆動プーリ31d,31dは二つの油圧モータにより、互いに反対方向にそれぞれ駆動されており、左右の搬送平ベルト31A,31Bが互いに反対方向に循環し、甘藷つるの根元を挟んでこれを引き上げる。
この搬送ベルトコンベア31の搬送速度は甘藷つる収穫機の前進速度の約1.5〜2.0倍程度であり、この実施例の傾斜角度θ2は38度であるから、搬送ベルトコンベア31の水平方向速度は作業機の前進速度の約1.2倍程度になる。
甘藷つるYは搬送ベルトコンベア31にその下部が把持されて後方に引っ張られ、斜め上方に引き上げられる(図6参照)。
引き上げ搬送コンベア3の搬送チェンコンベア32は互いに平行な搬送チェン32A,32Bによるものであり、この搬送チェンは幅が14mmで、金属チェンによるものであり、互いに対向する面に一定間隔(約100mm間隔)で角33がある。そしてその駆動、被駆動チェンスプロケット32d,32fの間に掛け渡されており、左右の駆動チェンスプロケット32d,32dが一つの油圧モータによって歯車を介して反対方向に駆動される。これにより左右の搬送チェン32A,32Bが互いに反対方向に同期して循環し、その間に甘藷つるが引き込まれ、甘藷つるに角33が引っかかってこれを引き上げる。
上記の搬送チェンコンベア32は、搬送ベルトコンベア31よりも約130mm上方にあり、その搬送速度は搬送ベルトコンベア31とほぼ同速である。
搬送チェンコンベア32の、搬送ベルトコンベア31に対する高さは、これが小さすぎると甘藷つるが詰まる傾向があり、大きすぎると空回りする傾向があり、また、甘藷つるの量とも関係する。また、搬送チェンコンベア32の搬送ベルトコンベア31に対する速度差は、余り大きいと甘藷つるがちぎれる傾向がある。これらについては、以上のことを勘案して、適切な範囲に設計段階で選択すればよい。
上記角33は四角な台形形状の突起であり、当該角33の高さは35mmである。その形状は、角錐形状でも円錐形状でもよく、また、円柱形状でも角柱状でもよいが、この実施例における角33のように台形形状であれば、甘藷つるを巻き込んで引きちぎることがない。搬送チェンコンベア32に引き込まれた甘藷つるは上記角33に引っかけられて後方に引っ張られ、斜め上方に引き上げられる。
なお、搬送チェンコンベア32は、甘藷つるが巻き込まれてもスリップして駆動力が低下するようなことはなく、安定した駆動がなされる。これに対して、平ベルトによるコンベアを使用した場合は、スリップするなどのために安定した駆動がなされない可能性が高い。
〔ローラコンベア式中継コンベア〕
引き上げ搬送コンベア3の直後にローラコンベア式中継コンベア7がある。引き上げ搬送コンベア3で引き上げられた甘藷つるYはその後端で解放され、その直後にローラコンベア式中継コンベア(中継コンベア)7に引き取られるように、引き上げ搬送コンベア3と中継コンベア7とが位置決めされている。そして、この中継コンベア7はハウジングの中に配置された下方の二つのコンベアローラ72a,72bによる送りコンベア72と上方の二つのコンベアローラ74a,74bによる押し込みコンベア74とによるものである。
この中継コンベア7の所期の作用は引き上げ搬送コンベア3から甘藷つるを受け取り、これを細断カッター8の送りロール81に押し込んで噛み込ませることであり、その全長はなるべく短いことが望ましい。この中継コンベア7の送りコンベア72、押し込みコンベア74を構成するコンベアローラの数は特に制限はないが、二つより三つの方が製造コストは顕著に高くなる。これに対して、二つの方が1つのコンベアローラの直径が大きくなり、その軸間距離が長くなるので、構造設計が楽である。他方、3つにすることの利点は余り無い。
上記ハウジング70は、図5(a)に示す断面形状を有するものであり、その入り口、出口は四角形である。そしてその底部71aは斜め下方(前下がり)に傾斜し、天井部71bは斜め上方(前上がり)に傾斜している。このハウジング70の入り口の横幅は230mm、高さは390mmであり、出口の横幅は230mm、高さは145mmであり、前後方向長さは560mmである。そして、底部71aの傾斜角度θ3は30〜45度が適当であり、この実施例で38度である。
〔押し込みコンベア〕
押し込みコンベア74の前後のコンベアローラ74a,74bのローラ本体74Rの幅Lは222mm、直径Dは216mmであり、ローラ本体の外周面に半径方向外方に8つの掻き込み爪74Tが設けられている(図5、図5−1)。当該掻き込み爪74Tは先端に多数の山形(逆V型)の歯74Taを備えており、そのロール外周面からの高さhは20mmである。
掻き込み爪72Tは厚さ3mmの板材であり、その歯74Taのピッチpは10mmであり、歯の高さは10mmである。また、掻き込み爪74Tの全長はロール長さLと同じ222mmである。掻き込み爪74Tの先端の回転半径は130mmであり、前後のコンベアローラ74a,74bの軸間距離kは282mmである。そして、この例における刃先間の隙間sは6mmである。
なお、この実施例では、二つのコンベアローラ74a,74bの掻き込み爪先端ののこ歯状凹凸の歯と谷が組み合わさった状態(図5−1(b)の状態)にある。この場合は、刃先と谷の間の隙間sを0mmにしてもよいが、この例では、山形(V型)歯74Taの先端と先端の間隔が6mmになるように軸間距離kを設定している。
また、この実施例では、コンベアローラ74a,74bの歯74Ta,74Taが1/2ピッチだけ横方向に互いにずらされて、山と谷とが対向している(図5−1(a))から、軸間距離kの誤差(組み立て誤差等)に対する許容範囲が大きく(15mm)、したがって、製作誤差による軸間距離kの誤差や、掻き込み爪74Tのロール74Rに対する取付位置の誤差が多少あっても、そのために隣接する掻き込み爪74T,74Tの刃先が干渉するようになることは回避される。
なお、押し込みコンベア74の前方(前後方向前方)のコンベアローラ74aは後方のコンベアローラ74bよりも下方にあって、中継コンベア7の甘藷つる取り込み口を広くしてあり、また、前方のコンベアローラ74aの軸が上下方向の長孔によって上下動自在に支持され、付勢ばね(図示略)によって下方に付勢されている。したがって、甘藷つるの大きな固まりに対しては上方に移動して取り込み口が一時的に拡大されるので、これにも十分対応することができる。
〔送りコンベア〕
押し込みコンベア74は上記のとおりであるが、この実施例では送りコンベア72のコンベアローラ72a,72bの構造及び両ローラ間の関係は、押し込みコンベア74のコンベアローラ74a,74bのそれと同じである。ただし、前方のコンベアローラ74aは後方のコンベアローラ74bよりも下方にあって、中継コンベアの取り込み口をハ字状に前広にしてあり、上下方向に移動可能ではない。
〔中継コンベアの搬送速度〕
引き上げ搬送コンベア3の搬送速度は標準で毎秒0.7mであるのに対して、中継コンベア7による搬送速度は標準で毎秒1.0mであり、引き上げ搬送コンベア3の約1.4倍程度である。
中継コンベア7の搬送速度は、掻き込み爪72T,74Tの先端の回転周速度によるものであり、コンベアロール72a,72b、74a,74bの回転速度の加減によって制御される。
〔中継コンベアによる異物除去〕
ハウジング70の底部71aの傾斜角度θ3で前下がりに傾斜している。この傾斜角は40度〜50度が好ましい設計値の範囲である。ただし、この上限、下限に格別の臨界的意義があるわけではない。ほぼ46度程度が経験的に好ましいと思われる。上記の設計値の範囲であれば、前方傾斜部71aが急な傾斜角度で前下がりに傾斜しているので、引き上げ搬送コンベア3によって砂等の異物が甘藷つると一緒に引き上げられ、その上端で解放されたとき、これらの異物はハウジング70で底部71aの斜面に落下して当該低部を確実に滑り落ちるので、傾斜面による異物除去作用は顕著である。他方、この傾斜角度θ3が大きいと甘藷つるの搬送抵抗が大きくなるので、50度以下が好ましい。
〔細断カッター〕
細断カッター8は、回転羽根82に切断刃がついている形式のものである。
送りローラー81から供給される被細断物に対して、上記回転羽根82が下方から上方に回転してこれを細断する。そして切断すると同時に細断片を跳ね上げ、回転羽根82による空気流によって搬送(投擲搬送)する。
甘藷つるは細断カッター8で長さほぼ30mm程度に細断され、シューター110に案内されて後方のホッパー9に投入される。
この細断カッターはカッターとしては周知のものである。
〔ホッパー〕
ホッパー9は、容量が1.6m のほぼ逆台形状の金属容器であり、車体フレーム1の後部の支柱11の上端に支持軸12によって支持されている。
ホッパー9の容量については、ダンプする頻度、満杯時の重量がおよそ500kgであるなどを勘案して適宜選択すればよいが、作業能率の観点からは少なくとも2.0m は必要である。
ホッパー9は、これを後方に回転させることによってダンプされる。なお、このための駆動機構については、往復動型油圧シリンダーで駆動するようにすればよい。
細断カッター8にはシューター110があり、細断カッター8から吹き上げられた甘藷つるがこのシューター110によって案内されてホッパー9に投入される。シューター110は横方向に旋回自在であり、これによりその向きが変えられる。ホッパー9をダンプするときは、シューター110を旋回させてホッパー9の外側に移動させることで、ホッパー9と干渉することが回避される。
なお、ホッパーに代えて袋を用いることもできる。この場合は、細断された甘藷つるをシューター110で収容袋に投入し、一杯になったらこれを作業機から降ろし、空の袋と入れ替えるようにする。
この甘藷つる収穫機は製作コストが低く、収穫作業コストが低いことが優先される。このことからすれば、できるだけ機構が簡便で、耐久性が高く、また、全作業を一人で容易に行えることが肝要である。ホッパー方式であれば、この甘藷つる収穫機を走らせて最寄りの収集場所まで運搬し、その収集場所でダンプすることができる。したがって、収穫した甘藷つるを積み卸したり、積み替えたりする必要がなく、また、甘藷つる収穫作業を一人で容易に行うことができる。以上のような観点から、この実施例のホッパー方式が最も好ましい。
〔付加的機構〕
マルチフィルムで畝が覆われているときは、車体フレーム21後端にショベル120を設け、このショベル120の先端でマルチフィルムの側縁(砂を被せている部分)をすくって掘り起こし、これによってマルチフィルムの回収作業を容易にする必要がある。この実施例の上記ショベル120は小さな鋤のようなもので、畝の高さの違いに応じてその高さ位置を調節できるようになっている。そして、この調節は調節ねじによる無段階方式でも、調節孔による多段方式でもよい。
なお、このショベル120によってマルチフィルムの側縁を浮かしてその回収作業を容易にすることは、例えば、上記特許文献1に記載されているように、従来周知の事項である。
1:車体フレーム
2:刈り取り装置のフレーム
2p:支持軸
3:引き上げ搬送コンベア
3p:支持軸
3R:押さえローラー
4:掻き上げ装置
5:サイドカッター
6:根切りカッター
7:ローラコンベア式中継コンベア
8:細断カッター
9:ホッパー
10:スクレーパー
11:支柱
12:支持軸
21:案内車輪
30:コンベアフレーム
31:搬送ベルトコンベア
31A,31B:搬送平ベルト
32:搬送チェンコンベア
32A,32B:搬送チェン
33:角
41A,41B:掻き上げベルト
70:ハウジング
71a:底部
72:送りコンベア
72a,72b,74a,74b:コンベアローラ
72T,74T:掻き込み爪
74:押し込みコンベア
74Ta:山形の歯
81:送りローラー
82:回転羽根
110:シューター
111:旋回軸
120:ショベル
W:畝
Y:甘藷つる
特開2008−193991号公報

Claims (4)

  1. 車体フレーム1の前方に刈り取り装置のフレーム2が上下方向に揺動自在に支持されており、当該フレーム2にコンベアフレーム30が上下方向に揺動自在に支持されており、
    上記フレーム2の前方に左右のスクレーパー10があり、その後方に左右のサイドカッター5があり、当該サイドカッター5の後方に掻き上げ装置4があり、
    上記コンベアフレーム30の先端に上記掻き上げ装置4があり、当該掻き上げ装置4の後方に引き上げ搬送コンベア3があり、 引き上げ搬送コンベア3の後方にローラコンベア式中継コンベア7があり、
    上記サイドカッター5、上記掻き上げ装置4、引き上げ搬送コンベア3、上記ローラコンベア式中継コンベア7が前後方向に一直線状に配置されており、
    上記掻き上げ装置4で掻き上げられ掻き寄せられた甘藷つるの根元を引き上げ搬送コンベア3の先端で掴んだ直ぐ後にこれを切断する根切りカッター6が上記フレーム2の先端部の下方にあり、
    細断カッター8が上記ローラコンベア式中継コンベア7の後方にあり、当該細断カッター8で細断された甘藷つるを収容する容器が車体フレームの後部にあり、
    上記中継ローラコンベア式中継コンベア7は、ハウジングと下方の送りコンベア72と上方の押し込みコンベアとによるものであり、上記送りコンベア72、押し込みコンベア74は、それぞれ前後に隣接して配置した二つ以上のコンベアローラで構成されたものであり、
    上記ローラコンベア式中継コンベア7の下方の送りコンベア72が前下がりに傾斜し、上方の押し込みコンベア74が前上がりに傾斜していて、これにより上記ローラコンベア式中継コンベア7が上下にハ字状に前広になっていることを特徴とする甘藷つる収穫機。
  2. 上記ローラコンベア式中継コンベア7の送りコンベア72、押し込みコンベア74のコンベアローラはロールの外周に多数の掻き込み爪を備えているものであり、当該掻き込み爪は先端に多数の山形歯が形成されている板状体であることを特徴とする請求項1の甘藷つる収穫機。
  3. 上記ローラコンベア式中継コンベア7の送りコンベア72、押し込みコンベア74の隣接したコンベアローラが、上記掻き込み爪の山形歯の先端の回転円相互間の間隔が微小であり、この微小間隔が10mmより小さいことを特徴とする請求項2の甘藷つる収穫機。
  4. 上記中継コンベアのハウジングの底板の前部は、前下がりに傾斜しており、その傾斜角度が40度〜50度であることを特徴とする請求項1の甘藷つる収穫機。
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